《悲嘆の先導者》フォー・トゥーナ Lv 41 女性 ヒューマン / 墓守


司令部は、国民から寄せられた依頼や、教団からの命令を、指令として発令してるよ。
基本的には、エクソシストの自由に指令を選んで問題無いから、好きな指令を受けると良いかな。
けど、選んだからには、戦闘はもちろん遊びでも真剣に。良い報告を待ってる。
時々、緊急指令が発令されることもあるから、教団の情報は見逃さないようにね。


君が好きなもの、なぁに?
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出発 2018-09-25

予約人数 0/8人 北野東眞 GM
 今日も今日とて指令を受けにエントランスへと行くと、いつもは指令発行受付口にいるロリクと、調査員のユギルを見つけた。  この二人は浄化師兼夫婦だ。現在は第一線をひいて仕事がそれぞれ異なるため、一緒にいないことが多い。  そのため、こうして二人で一緒にいるところを見るのは稀だ。珍しい。 「ほら、お前の好物のおにぎりにおかかいれといたからな。腹が減ったら食えよ」 「うむ。うむ。うむ!」  ロリクが差し出す包みをユギルが嬉しそうに受け取っている。  あー、お仕事で遠方に行くユギルさんの見送りかぁ。  お弁当を渡していていいなぁ。  浄化師たちが微笑ましく見ていると。 「む。子らか。……指令を受けにきたか? 精進するとよい。……この弁当は吾のぞ」 「誰もとらねぇよ。お前ら、ちょうど、護衛の指令があるんだ。それをまわしたい。今日中には終わる依頼だから、そこまで張り詰めなくていい。ただ昼までかかるから弁当もっていけよ?  あ、そういえば、お前らってパートナーの食の好みとか知ってるのか?」  ロリクがなにげなく口にした言葉に、それぞれ顔を見合わせる。  食の好み……。 「その顔だとないみたいだな。まぁ、ほとんどの浄化師たちが寮生活だもんなぁ。料理長がいろいろと用意していつもおいしいもの食べられるからなぁ。……今回回す指令、実は出発まで時間の余裕があるし、今日の昼は互いに弁当作って食べさせあいしてみたらどうだ? 相手が普段どんなものを食べているのか、食の好みを知るってのはわりと大切だぞ~」
シェガー・ナイト・パーティ
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出発 2018-09-26

参加人数 0/8人 北野東眞 GM
 おんなのこはなんでできているの?  それはね、甘い、甘い砂糖菓子で出来ているの! ●  今回の指令は女子限定なんだ、とロリクが口にした。  え、俺らいますけど……とパートナーと一緒にきた男性陣は困惑した。 「まぁ聞け。今回お前らに行ってほしいのは、とある屋敷だ。  その屋敷の前の持ち主はさる貴族で、一人娘がいたんだが、病弱な少女は病であっけなくなくなった」  病弱である少女は一度も屋敷の外と出たことがなく、広い世界を自分の部屋の窓から眺めて過ごしていた。  少女が知るのは窓からの変わる季節と本で得た知識、たまに聞こえる外の楽しそうな音ばかり……。 「その貴族は娘がなくなった悲しみに屋敷を手放した。その屋敷は多くの人の手に渡ったが……そこから問題が起こった。  その屋敷には少女の呪いがかかっていたんだ。呪いといっても些細なものだ。  ときどき少女の笑い声や歌声、ものが移動していたりとかわいらしいものだが、このままでは不気味がって屋敷に持ち手がつかなくなる。  で、お前らの出番だ。今回、お前らにしてほしいのは、ずばり! 女子会だ」  はい?  真面目に聞いていた浄化師たちは目をぱちぱちさせる。 「つまりな、この女の子は友達がほしかったのさ。その友達と遊んだり、甘いお菓子を食べたりしてみたかったのさ」  けど、どうして女子会?  もし楽しい経験やそんな雰囲気を出すなら男性がいてもいいんじゃないの? と当然の疑問。  そして男性陣たちもそうだそうだと視線を向けてくるのにロリクはため息をついた。 「それがな、どうもその死んだ少女はシャイらしいんだよ。男がいる、とかそういう気配があると物音も笑い声も一切聞こえないんだ。  そら、まぁ、死ぬまで狭い部屋にいて外を眺めていたんだから知らない男がいたらびっくりしちまうだろう。  つまり、この女の子は同性のお友達と過ごしてみたいっていう気持ちがあったのさ」  ああ、そういうことか。 「今回お前たちはこの屋敷に泊まり込んで、女子会をする。ここに集まったメンツで好きなように遊べばいい。  ときどき笑い声や歌声やいたずらがあっても、それは女の子が一緒に楽しんでいるのだと受け止めてやれ。  楽しい思い出があれば、この子の呪いも消えるだろう。で、ここに集まった男性たちは昼間に女性陣がある女子会の準備の手伝いがメインだな。  あとは邪魔にならないように、端っこで男子会でもするか? うわ、むんむんしてそうだな」  失礼なー。いや、むんむんしたくない。男同士だって楽しいんだぞ。きっと、たぶん。 「はいはい。じゃあ、女性陣はどんなパーティをするのか計画して、買い出しやら準備をしてくれ。で、残った野郎ども、お前たちには別件がある」  なんですか、もう男同士、むんむんした男子会の準備でもしますよっ! 「男子会ってのは方便だ。女性陣に気付かれたらいけないからな。お前たちにはこっそりと屋敷の外で護衛をしてほしい」  護衛? 「実は、この屋敷に目をつけた終焉の夜明け団の魔術師がいる。そいつはこの屋敷の呪いを悪意で染め、利用しようとしているようだ。  たぶん、女子会を邪魔してくるだろう。お前たちはそんな悪党を陰ながら退治してほしいんだよ。  今回、女性陣は女子会……武器なんかは持たずに楽しむことで、浄化することに専念してもらう。だからこの護衛のことは内緒な?  だって、護衛されてるって知ったら、心から楽しむどころじゃないだろう?  それだと、たぶん、女の子の呪いは浄化できない。嘘偽りのない幸せな一夜が必要なんだ」  真剣に言われて男性陣たちは顔を見合わせる。なんか思った以上にこれってすごく重要な立ち位置じゃ? 「パートナーには内緒の任務、まぁ、せいぜい頑張って隠し通して指令を遂行してくれよ?」 ●  埃をかぶった屋敷のなかで女の子の声がする。  おんなのこってなんでできているの?  それはね、すてきなすてきなものでできているの!
我が名は汝のイージス
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出発 2018-09-21

参加人数 2/8人 北野東眞 GM
「今回任せる指令は……ここ最近浄化師としての志しに悩むことも多くなったし、いいチャンスだろう。  お前たち、アムネシア・ベリアルの疑いのある者の対応にあたってほしい」  ロリクの言葉に集まった浄化師たちは緊張の面持ちになる。  浄化師には大抵自分の生きる道があるのだが、あまりにも意識しすぎると精神的におかしくなってしまうことがある。 「今回、俺の同期なんだよなぁ」  え、ロリクさんの知り合い! 「その問題の奴のパートナーが今来てる。ほら挨拶しろ」 「あらあら、あらあら、みなさん、かわいらしい人たちねぇ」  車いすに乗って、点滴している婦人……って、え! 病人ですよ。この人! 「はじめまして。私、アライブは墓守のエマです。今回はよろしくお願いしますね。……ええっと、こんな状態でごめんなさい。私、もともと体が弱いうえ、ごぼっ!」  血、血を吐きました!  ロリクさん、この人、大丈夫ですか。 「エマは昔から病弱、貧弱、貧相、教団では知る者はみな吐血のエマと呼ぶ女だ。  あ、吐血については気にしなくていいぞ。いつものことだ。墓守としては優秀なんだが……いつもよりひどいな、なんで車いすに点滴?」 「それはおいおい話しますけど、今回は私のパートナーを助けるのに協力してほしいんです」  エマのパートナーであり、喰人の名前は陸奥という。  アライブは悪魔祓い。隠密行動を得意とし、スナイパーとして優秀だ。また絶対に前線に出ないことで一部の浄化師たちには知られている。  戦い方も、エマが墓守として注意と防御を引き受け、その隙をついて陸奥が敵を根絶やしにするという息の合ったコンビネーションを発揮する。 「陸奥は自己防衛を信条とし、絶対に自分から敵に近づかないし、見つからないようにしていた。  自分が見つかれば味方全体を危険に陥れることを危惧して……ひどく慎重な奴だったんだが」  ただし。とロリクが付け加えた。 「あのバカ、最近、なぜかその戦い方をせずに前線に出まくっているんだ」 「理由はわかっているんです。私が指令中に倒れてしまってベリアルに襲われそうになったんです。  そのとき、陸奥は私や仲間を守るために前線に出て戦って……。  もともと、ベリアルに生まれた村を滅ぼされて必要以上に失うことを恐れていたんですけど……、  それから陸奥はぼーっとすることが増えて、必要以上に手を洗ったり、眠れてないことがあって」 「典型的なアムネシア・ベリアルの症状だな。といっても、陸奥の場合は幸いにもまだ危険領域に来たに過ぎない。  今回山のなかにベリアルが出たんだが、その退治に陸奥が参加することになっている。  お前たちはベリアルを倒し、さらに彼に自己防衛をとるように促すこと」 「すいません。私も一緒にいきたいのですが、こんな有様で……ごふぅ」 「おい、もともと体が弱かったが、どうしたんだ、本当に」 「前の指令で倒れた原因にもあるんだけど……実は、妊娠しちゃったみたいなの」 「は」  は。  え、あ、あの、えーーー! 「だから、陸奥との赤ちゃんが出来ちゃったのよ。んふふふ、結婚してはや十年、諦めていたんだけど、ようやく!」 「お、おめでとうって、いまいうべきなのか! え、まて、それ、陸奥は」 「……言おうとしても、ぼーっとしていて、それに私が倒れてからますます混乱しちゃって、言うタイミングが」 「……」  ……。えーと。これってさりげなく重要なことに重要なことが増えましたよね。ロリクさん。 「お、おう。ど、どうしよう、これは」  こつん、と足音がしたのに、はっとして全員が振り返る。  黒い外套に身を包んだ、白髪の男がやってくる。整っている顔立ちはどこか陰気ともとれるほどに疲れが滲んでいる。  ぽたり、と何かが落ちた。  血だ。  よく見れば彼の両手は血まみれで、包帯がまかれていた。 「……エマ? 君は安静にしないといけない……と、先生が……っ……病室にはやく……手を、手を洗わないと、きたない……」 「陸奥、お」 「ロリク? ……今回組む浄化師たちだな? ベリアルとの戦闘……せいぜい、気をつけるんだな」  ぼんやりとした視線をさ迷わせ、陸奥はそれだけいうと報告書の提出があると口にして行ってしまう。 「ありゃ、思ったよりも重症だな。お前ら、今回は他人事じゃない。今後のことも含めて、よくパートナーと話し合って、あいつの対応にあたってくれ」 「すいません。よろしくお願いします。私に出来ることはなんでもご協力しますから」
ダンジョンに挑戦しようLv2
普通|すべて

出発 2018-09-21

参加人数 8/8人 春夏秋冬 GM
 栄光と挫折が入り混じり、熱気と狂騒に浮かれる冒険者達が集まる場所。  それが冒険者ギルド「シエスタ」だ。  酒場を兼ねた情報交流の店だけあって、いたる所で酒盛りに余念がない。  中には、酒をおごる者も。  もっとも、おごる理由が純粋な好意だけとは限らないのが、シエスタという場所ではあったが。 「どうぞどうぞ。今日は私の奢りです」  にこやかな笑顔に含みのある眼差しを混ぜ合わせ、ギルドの紹介業者であるクロアは、テーブルに就いた冒険者達に気前よく言う。 「わぁ、嬉しい。タダってことなんだ、クロさん」  冒険者の1人、20そこそこの見目良い美女といった姿をしたセパルがクロアに返す。 「タダより怖い物は無いって言うけど、その辺どうなの?」 「いやですねぇ」  笑顔でクロアは言った。 「おごるだけでタダじゃないですよ」 「必要経費ってことね。おごるから仕事引き受けろってことでしょ?」  そう言いながら店のウェイトレスを呼んだのは、セパルの仲間である涼やかな美女セレナ。 「セパルはカルアミルクで、私はサザンオレンジで。ウボーは、どうする?」  セレナに訊かれたのは、冒険者仲間の最後の1人であるウボー。  20代半ばの厳ついにぃちゃんといった見た目のウボーは、見た目に反して甘めのお酒を注文する。 「ルシアンを頼む。あとツマミにチーズとサラミと枝豆」  注文を受けたウェイトレスが離れたのを見計らって、セパルはクロアに言った。 「それで、今日は何の依頼? 最近、儲かってるみたいだけど」 「ええ、お蔭さまで。貴女達が手に入れてくれた試練の塔までの地図と内部の情報は、よく売れましたからねぇ」  いまクロアが口にしたのは、以前セパル達が浄化師達の手助けを受けて訪れたダンジョンのことだ。  島ひとつが丸ごとダンジョンとして認定されている虚栄の孤島。  その中にある魔法使いが建てたと言われている試練の塔。  そこに行くまでの安全な道のりと、塔内部の情報を記した物をクロアはセパル達から買い取り、それを写した物を冒険者達に売ったのだ。 「貴女達への情報料が、思いのほか安かったですからねぇ。お蔭で薄利多売が出来ました」 「お礼なら、あの時一緒に行ってくれた浄化師の子たちにも言ってあげて」  セパルは、お酒を持って来てくれたウェイトレスに笑顔で返しながら続けて言った。 「途中までの道のりやダンジョンの様子を一緒になってメモを取ってくれたからね。あの子たちの頑張りを、勝手にこっちがお金に変えて受け取る訳にはいかないもの」 「おや、人が好い」 「そういうクロさんだって、薄利多売にしてくれたんでしょ?」 「その方が、長い目で見ると旨味がありましたからねぇ」 「どういうこと?」  カルアミルクを一口飲んで尋ねるセパルに、クロアは笑みを浮かべ返す。 「薄利多売にすれば、それだけ多くの冒険者が試練の塔に行ってくれますから。あのダンジョンは、2階まで踏破する度に魔結晶が手に入りますからねぇ」 「……なるほど。魔結晶の売買で儲けるってことか」  唐辛子の効いたサラミを摘まみながら、クロアの言葉に返したのはウボーだった。 「直接売買しても良し。取引情報を売り買いしても良し。トーマス・ワットとセレスト・メデュースが関わって蒸気船が出来たらしい、という噂話も聞くしな。その蒸気船の燃料に魔結晶が使われているなら――」 「魔結晶の相場は大きく動くってことですからねぇ」  クロアは、ほど良い塩味の枝豆を摘まんでから続けて言った。 「上がるにしろ下がるにしろ、動きさえあれば儲けられますから。そのためにも、試練の塔で魔結晶を冒険者の皆さんには取って来て欲しいんですがねぇ」 「なにかあったの?」  セパルの問い掛けにクロアは返す。 「少しばかり、試練の塔に出て来るゴーレムに可笑しなのが混ざるようになったらしいんですよ」 「オカシイって?」  セパルの問い掛けにクロアは応える。 「ゴーレムを破壊すると、魔法らしい何かが掛けられるらしいんです」 「それって、何か危ないことでもあったの?」  これにクロアは返した。 「ネコ耳が生えるらしいです」 「ネコ耳」 「あと語尾が、にゃーになったり」 「にゃー」 「バニーガール姿になったりするそうですよ」 「コスプレ?」  クロアの応えを聞いて、セパルは頭痛を堪えているような表情になる。 「ホント、イイ趣味してるよ、あの塔を作った魔法使い」 「愉快な人だったんでしょうねぇ」 「人だったのかどうかは知んないけどね。それで、そういうのが出たからって、何が問題なの?」  セパルの問い掛けに、クロアは変わらぬ笑みを浮かべて返した。 「気味悪がって、試練の塔に行ってくれる冒険者が減ってるんですよ」 「それはしょうがないんじゃない?」  サザンオレンジを飲み干したセレナがクロアに返す。 「浄化師みたいに、怪我とかした時に助けてくれる当てがあるなら良いけど、冒険者は自分の身一つだもの。その分、慎重になるわよ」 「もっともで。だから今回も、浄化師の方達に御足労願っていただこうと思ってるんですよ」 「……試練の塔の魔法のトラップを調べて来て貰うってことね。で、その案内と、その時の情報を仕入れて欲しいってこと?」  セパルの問い掛けにクロアは頷いた。 「ええ、そういうことです」 「手伝ってくれるかな?」 「少しでもやる気を出して貰えるように、依頼料は弾むつもりです。というわけで、よろしくお願いしますよ」  にっこり笑いながら言うクロアに、肩をすくめるようにして頷く冒険者達だった。  そんなやり取りがあった数日後、教団に一つの指令が出されました。  内容は、次の通りです。  試練の塔と呼ばれるダンジョンを調査して欲しい。  試練の塔の概要は次の通り。  魔法使いが作ったとされる塔。  現在は、2階までしか進めない。  各階の広さは、50m×50m。  1階は、訪れた人数×2の小型ゴーレムが出現する。  ゴーレムは対応する人物の不利属性を持つ。  ゴーレム出現時に、落とし穴で地下に落とされる可能性あり。  地下は、落下の瞬間は床がぽよぽよしてるので、落ちても怪我はしない。  1階のゴーレム全てを破壊すると、2階への階段が降りてくる。  2階に移動すると、1階と同じように訪れた人数×2の小型ゴーレムが出現する。  1階と同じく、対応する人物の不利属性を持つ。  一定時間以内に全て倒し切れないと、追加でゴーレムが発生する。  2階に出現したゴーレム全てを倒すと、地下に落ちた者達は解放され、その際に魔結晶を手に入れることが出来る。    なお、ゴーレムを倒すと何らかの魔法的なトラップが発動される可能性あり。  どんなトラップなのか、詳細を求む。  指令書の内容は、こんな感じでした。   魔法のトラップは、どうやら大したことは無いようですし、出て来るゴーレムもそれほど強くはないので、新規に浄化師になった人にもお勧めとの事でした。  この指令に、アナタ達は――?
夏の残響、小さな秋
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出発 2018-09-24

参加人数 1/8人 月村真優 GM
例えば、朝早くに目が覚めた時。寝具の温もりを名残惜しく思うようになっていた、とか。 例えば、家を出ようという時。あれほど大音響で暑苦しく夏を謳っていた蝉の合唱が聴こえなくなっていた、とか。 例えば、ふと青空を見上げた時。うずたかく湧き上がる入道雲の代わりに、柔らかく薄く広がる鱗雲を見つけた、とか。 例えば、窓から道行く人の装いを眺めた時。いつの間にか長袖を多く見かけるようになり、彼らの纏う色合いも移り変わっていた、とか。 例えば、夕餉を何にするか考えながら影長く延びる帰路を急いでいた時。ふと、きのこシチューの匂いが鼻についてメニューが決まった、とか。 例えば、灼けつくような夕陽に胸を衝かれた時。ああこの時間にもう日が暮れるのだ、と時計に告げられた、とか。 例えば、夜空の月を二人で眺めた時。冷えた夜風に身を寄せ合って、ふと静けさが通り過ぎた時、響く虫の唄声が周囲を包んでいた、とか。 色々なきっかけがあるだろう。様々な光景が、音が、味わいが、香りが、肌に触れる涼やかさが、一つの事実をそれぞれのやり方で告げている。 秋の到来だ。 まだ紅葉には早く、夏の名残はまだまだ残っている。それでも日を重ねるごとに、確実に薄れていくだろう。 この夏はあなたたちにとってどんな夏だっただろうか。やり残した事はないだろうか。 この秋はあなたたちにとってどんな秋になるだろうか。やりたいことはなんだろうか。 少し、考えてみるのも悪くない。
旅立つ友にはなむけを
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出発 2018-09-22

参加人数 8/8人 あいきとうか GM
 枯葉によく似た色の、美しいドラゴンが憂いの息をつく。 「私はね。ヒトになりたかったのだ」  彼はもうじき寿命を迎える。ここで朽ちることも霊廟に向かうこともできたが、彼は多くのドラゴンがそうであるように、薔薇十字教団にその身を捧げることを選んでいた。  ときがくれば、自分もそうするのだろう。自分も彼も、ヒトの子らを嫌ってはいなかった。はかない一生を懸命に生きる、花のように美しい命の糧になることに、疑問はなかった。 「ヒトは魔法を扱えず、空も飛べないというのに? 百年にも満たぬうちに、死ぬというのに?」  そう、ヒトははかない。アンデッドでさえ、ドラゴンから見ればか弱い。  美しいとは思うが、そうなりたいと考えたことはなかった。  彼は笑う。 「構わぬ。ヒトになれるなら、私は魔法を捧げよう。翼を落とそう。牙も爪もくれてやろう」  その代わりに。 「ヒトの喜びを教えてくれ。短き生涯で得る美しきものを、醜きものを、苦しみを、喜びを。私も感じたい」  ニーベルンゲンの草原に風が吹く。咲く花々が舞う。ほんの少し冷たい空気が、秋であることを告げている。 「私も、ヒトのように笑って悲しんで、花のように生きたかった」  足音が聞こえた。ワインドと、彼が連れてきた浄化師たちの足音だ。 「ではな」 「……ああ。さらばだ、グレーテル」  名をねだった彼にその記号を与えたのは、ワインドだった。グレーテル。ヒトが書き記した物語に登場する、少年の名らしい。  グレーテルがいなくなった草原で、私は天を仰ぐ。青く高い空だった。 「――――」  ひとつ、声を。咆哮でも囁きでもない、音を。  ヒトになりたいと言ったドラゴンを想う。誇りを捨てたわけではなく、ただ夢を見た枯葉色のグレーテルを想う。彼はもう、あまりに長い命を全うしたころだろう。 「…………」  私に名はない。ヒトになりたかったわけでも、必要としたわけでもないから。いるか、と聞いたワインドに、いらない、と応えたのだ。 「ワインド」  息を吸う。吐く。ひやりと心地よい空気だった。  旧友が二度と吸うことのない、空気だった。 「ワインド! 浄化師をここに! 頼みがある!」  宙を舞い、私は声を張り上げる。集落の建物から出てきたワインド・リントヴルムは、何事かと驚いていた。 「弔いを。我が友のために、手向けの花を。ヒトがヒトにそうするように。――嗚呼、我が爪では叶わぬことよ」  岩を砕き肉を裂くことはできるのに。  亡き友のための花束ひとつ、私は作れない。
お薬飲めるかな?
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出発 2018-09-26

予約人数 0/8人 あいきとうか GM
 竜の渓谷とは、ドラゴンたちにとっての楽園だ。  管理者たちによって守られるその地では、様々な年齢のドラゴンたちが優雅に暮らしている。  そう。幼体のドラゴンも、数多くいるのだ。 「あれらもどうやら、ヒトの子とさして違わぬらしいのう」  疲れがにじむ声で、浄化師ユギルは言う。 「なにはなくとも知恵熱を出す。幼体と言うても、もうずいぶん生きておるはずじゃが、それはそれ」  明確な理由のひとつもなく、幼いドラゴン数体が一斉に知恵熱を出した。  とはいえ管理者たちもこの程度のことで慌てたりしない。なにせ祖先の代から幾度も発生してきた、よくある幼体ドラゴンの体調不良だ。成体のドラゴンでも、たまに風邪をひいたいりするのである。  慌てず騒がず、改良に改良を重ねた薬を管理者たちは知恵熱を出した幼体ドラゴンらに与えようとして、拒絶された。 「これまではそのようなこと、なかったそうじゃが。ほれ、事情が変わったからのぉ」  幼体ドラゴンは、浄化師を知ったのだ。  例の事件以後、薔薇十字教団と竜の渓谷の結びつきは一層強くなり、要請があれば浄化師が現地に赴くようになっている。  同族と管理者しか知らない幼体のドラゴンたちは、箱庭でもある楽園の外からやってくる人々に、興味津々なのだ。 「そういうわけで、吾らが赴いたのじゃが……。油断しておった。幼体と言えど、竜は竜じゃ」  ユギルのパートナーであるロリクは、幼体ドラゴンの歓喜の突進を食らって全治五日の負傷。  同行していた他の浄化師たちも、それぞれ知恵熱を出している幼体ドラゴンたちの歓待を受けて、即座に病棟送りになった。  かろうじてユギルだけが五体満足で逃げ帰れたのだ。 「よいか、可愛い子らよ。くれぐれも気をつけて、仔竜どもに薬を飲ませるのじゃ。でなければ間抜なロリクの二の舞……ぷ、くすくす。おっといかん、本音が……。あれは、管理者らの手からはどうしても飲まぬと駄々をこねておる。吾らに構うてほしいのじゃろう」