真夏の夜の夢?
とても簡単 | すべて
3/8名
真夏の夜の夢? 情報
担当 江戸崎竜胆 GM
タイプ ショート
ジャンル ロマンス
条件 すべて
難易度 とても簡単
報酬 なし
相談期間 3 日
公開日 2018-08-03 00:00:00
出発日 2018-08-09 00:00:00
帰還日 2018-08-21



~ プロローグ ~

 教皇国家アークソサエティ内ブリテンのエクリヴァン観劇場――。
 其処で上演されると言う喜劇があると噂が立った。
 なんでも、ヒューマンとエレメンツとピクシーとの風変わりな恋愛物語だとか。然も、格安での観劇が可能で、美味しい屋台も並ぶとも。
 わいわいと噂を聞きつけて集まってくる人々の中にも、チラシを見て首を傾げる者もいる。
「ピクシーが関係してるって書いているけど、悪戯しないよな?」
「まさかー。ピクシーが関わっているからって疑ったら可哀想よ?」
「それもそうだなー」
 チラシには大々的に『ヒューマンの描いた、エレメンツとピクシーによる、皆様への熱く楽しい一夜を提供致します! 是非、恋人同士でどうぞ!』と書かれている。
 なんとなく引っ掛かる文面だが、エレメンツ達は兎も角、ピクシー達が悪戯をしないで済むだろうか? いや、無い。
「恋人同士をいちゃいちゃさせるのだー」
「そうなのだー」
 小さな瓶に詰まった惚れ薬を持って、ピクシー達が演劇の準備をしている。
 ピクシー達に悪意はない。純粋に恋人達が仲良くしてくれれば嬉しい、と言う内容の悪戯だった。
 無邪気な悪戯だが、悪戯には変わりない。
 この演目は喜劇となるか? ある程度はエレメンツが止めてくれるので、悲劇とはならないとは思うが――。
 真夏の夜の夢は一夜で終わるのだろうか?


~ 解説 ~

 基本的にシェイクスピア作『真夏の夜の夢』によく似た内容を上演します。実際に上演される内容はちょっと違うかもしれないので、ふんわり知っていれば大丈夫です。

 劇中に出てくる通り、ピクシー達が『瞼に塗ると初めて見た相手を好きになる惚れ薬』を観客に無差別に塗ろうとします。
 ピクシー達は特に悪意はありませんが、恋人同士が知らない人を好きになってしまうかもしれません。
 ピクシー達を止めるも良し、間近にいた人を好きになってしまうも良し、屋台で何か食べていて気が付かないも良し。
 夏の夜に甘い恋が始まるかも?


~ ゲームマスターより ~

 初めまして。江戸崎竜胆です。
 需要があるのか分かりませんが、真夏だし、と言う事で真夏の夜の夢を持って来ました。実際は夏至の話らしいのですが、気にしない。
 今年は暑いし、ピクシー達に熱いラブラブを見せつけてあげましょう。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

ロス・レッグ シンティラ・ウェルシコロル
男性 / ライカンスロープ / 拷問官 女性 / エレメンツ / 陰陽師
アーロン&カラク見かけ
ロス走り寄り
ティはロスの後を追い掛け
トウマル&グラナーダも見かけたらすかさず声を掛け

■のんびり観劇
ティ劇に見入り
ロス欠伸しつつ半分寝ながら

■惚れ
騒ぎが起きてティはカラクと共に騒動制止に
鬼門封印で仲間の抵抗力を上げ
(アーロインやグラナーダには手遅れだけどもそれはそれ
魔力感知で魔力の流れを見てピクシーの居場所探し
スキル医学で気絶させて行く
やり過ぎたら天恩天賜

■ロス
おーティとカラクは行ってらっしゃい
…トウマルは大変だな頑張れ
(トウマルの手に持ってた食いもの追加で渡し
と俺の分ねぇくなったなーアーロンも屋台行くか?

焼鳥焼きそばビールにたこ焼き!
アーロンも一緒な!
自分で食い
手渡しつつ
カラク・ミナヅキ アーロイン・ヴァハム
男性 / マドールチェ / 墓守 男性 / 生成 / 悪魔祓い
顔見知り見かけカラク真顔会釈、アーロイン笑顔で片手上げ挨拶
上演鑑賞

寝てる相方がピクシーに何か塗られ
黙って凝視するカラク



アーロイン魅了受け中
ロス氏移動先へ常に共に
・屋台?んじゃ俺も行くか♪
・ほれ、俺のもやろーか?
・相手狼になれば全力でモフる、可愛がる
等、一見普段通りだが必要以上によく喋ったり頭ばふばふしたり
※ロス様へ土下座←私信



相方の身に起きてる事何となく察知するカラク
「…人を好きになる、って色々な行動に出るんだ…」
相方含め興味深げに周囲観察
鑑賞どころで無くなればシンティラさんに協力

事態解決後
「ちなみに劇は楽しめたんか?」
「うん、面白かったかな。劇も、アーロンも」真顔
「…そりゃ何より」哀愁
トウマル・ウツギ グラナーダ・リラ
男性 / 人間 / 断罪者 男性 / 生成 / 陰陽師
◆トウマル

題名に聞き覚えあるグラからあらすじ聞き
その内容なら恋人同士じゃなくてもいいよなと観劇

開演前に屋台で腹ごしらえ。
後で食う分も買っとこ。
周囲きょろきょろ見ちまうのはわりと癖。
ピクシーもいるな

買いすぎて少し遅くなった俺の目に
ナンパするグラの姿

いやナンパ自体はどうでもいいが
普通連れがいる時にするか?
一目惚れでもしたかよと引き気味に
改めてグラ観察――うん。様子おかしいな
劇の内容と見掛けたピクシーから事情推察

グラの相手には
すみませんコイツ熱あるみたいで、とお断り
グラには蹴り入れその口に食べ物突っ込み

俺のことたまに不用心とか言うがグラもな
つーかアンタ惚れた相手にあんな態度取るのかよ
相手も気の毒だな


~ リザルトノベル ~

●開演前
 ざわざわ――。
 エクリヴァン観劇場は上演前の静かな喧騒に賑わっていた。
 ヒューマンとエレメンツとピクシーの、三者が協力しての喜劇が上演されるとあって、周囲には屋台も沢山出て、賑やかになっていた。美味しそうな匂いが周辺に立ち込める。夫婦が子供を連れて屋台を見て回る姿も見受けられる。
 何よりも、目立つのは恋人同士。
 事前に配られたチラシで恋人同士での参加を大々的に打ち出していたせいか、恋人同士と見受けられる二人連れの姿が多い。
 入り口で受け渡されるパンフレットには「ピクシーとエレメンツとヒューマンによる、恋人達の織りなすどたばた喜劇をどうぞお楽しみ下さい!」とある。添えられたイラストは数人の男女とピクシーらしい小さな姿が描かれたものだった。
 ロス・レッグは顔見知りのカラク・ミナヅキとアーロイン・ヴァハムを会場で見掛け、人懐っこそうに走り寄って行った。一歩遅れてシンティラ・ウェルシコロルがロスの後ろを追い掛ける。
 カラクはロスを見て、真顔で会釈して、アーロインは軽く片手をあげて応える。
 開演前に屋台で美味しそうなものをあれもこれもと食べて、後で食べる分も買い込むトウマル・ウツギと一緒にいるグラナーダ・リラも、屋台巡り中にロスに見付かって挨拶を交わした。トウマルは挨拶中も口の中いっぱいに食べ物を入れてもごもごしているが気にしてはいけない。クールな顔をしているが、ご飯、大事。とても大事。
 そんな屋台が目当てでは、と思われる程食べ物を買い込むトウマルを見て、先に席についていると告げて、グラナーダはトウマルを見送って観客席へと赴いた。
 何かしていないと落ち着かない癖のあるトウマルが、屋台を回りながらきょろきょろと周囲を見ていると、ピクシーがちらほらいるのを見掛ける。
 その時点では「ピクシーもいるな」程度の認識だったのだが――。
 事前に題名に聞き覚えのあるグラナーダから劇のあらすじを聞いていて、「その内容なら恋人同士じゃなくても良いよな」と観劇に来たのがそもそもの間違いだったのかもしれない。


●開幕、そして
 ロスとアーロインがわいわいと並んで座り、シンティラがロスの隣、カラクがアーロインの隣、先に座っていたグラナーダが少し手前でトウマルを待っていた。が、トウマルは屋台で買い過ぎて上演に間に合っていない。
 そして、舞台の幕が上がる。
 内容はエレメンツの貴族達の結婚式が間近の頃、ヒューマンの男女が結婚を反対されるところから始まる。父に結婚を反対されその友人や、貴族の結婚式に芝居を上映する為に職人達も出掛けた森で、ピクシーの王と女王が痴話喧嘩していた。ピクシーの王と女王の仲違いを切欠に、次第にヒューマンの男女数組の複雑な恋愛模様に移って行く。
 シンティラが劇に見入る中、隣のロスが欠伸をしつつ半分寝てしまっている。隣のアーロインも同様寝てしまっていた。どうやら、事前に屋台で飲み食いした分、眠気が来てしまったようだった。カラクは娯楽が新鮮なものと映り、真剣に劇を観賞している。グラナーダは一人の観劇なら寝てしまう所を、流石にそう言う訳にも行かずトウマルを待って静かに観賞している。
 劇が王に命じられた悪戯なピクシーの一人が瓶に入った惚れ薬を恋人達の瞼に塗るシーン。初めて見た相手を好きになってしまう魔法の惚れ薬を出す場面に差し掛かったところで、裏に控えていたピクシー達が一斉に動き出した。小さな瓶に入った惚れ薬を適当にばらまき始めたのだった。
 あちこちで騒ぎが起こる中、鑑賞していた皆も例外ではない。
 寝ていたロスとアーロインが確りと惚れ薬の対象に巻き込まれてしまった。トウマルを待っていてうとうとしてしまったグラナーダも同じく瞼に塗られる。どうやら眠たい者は対抗する意識が薄いのか、単純に瞼に塗りやすいのか、惚れ薬の対象にされやすく効きやすいらしい。
 騒ぎに漸く目を覚ましたロスとアーロインがべったりくっ付く。暑苦しい。面倒臭がりだが、馴れ馴れしい図々しい性格で何処か嬉しそうなロス。アーロインは年齢的なものもあり、好きと言う感情はバレない様にしている、つもり。だが明らかにスキンシップは多いし必要以上によく喋る。暑苦しい。
 グラナーダは隣にいた見知らぬ美女に惚れてしまった。
「嗚呼、今宵私は何という幸運を手にしたのでしょう、美しい貴方。その眩しさに太陽は逃げ去り、月も星も貴方を飾り立てるだけの背景となる……どうか傍に侍ることを私に許し――」
 漸く屋台巡りを終えてやって来たトウマルに蹴りで止められた。序でに口に食べ物を突っ込まれて黙らされた。
「すみません、コイツ熱あるみたいで」
 グラナーダが手の甲に口付けせんばかりに迫っていた相手に、トウマルが謝る。トウマルはグラナーダの様子がおかしい事は察した。流石に連れがいる状態でナンパするか? 一目惚れするか? と一回は引いたものの、異常だとグラナーダを観察する。
「……トウマルは大変だな。頑張れ」
 ロスが自分も惚れ薬に罹っていると知らぬ顔でトウマルの手元に追加で食べ物を渡し、無くなった手で隣のアーロインの背中を叩く。
「と、俺の分ねぇくなったなー。アーロンも屋台行くか?」
「屋台? んじゃ俺も行くか♪」
 アーロインが愛称のアーロンで呼ばれると、気分良さげに答える。
 実は寝ているアーロインに惚れ薬が塗られていた事は、カラクは凝視していた。ピクシーが何か塗っているな、と見ていて止めなかったのは惚れ薬と分かっていなかった事はある。瞼に塗られたあれがなんだったのか、なんとなく今、アーロインの身に起きている事を察した。
 シンティアとカラクは騒動を止める為に行動を起こそうと立ち上がり、ロスとアーロインは屋台に連れ立って行こうとした。
「おー、ティとカラクは行ってらっしゃい」
 ひらひらと手を振って二人を見送るロス。アーロインと一緒に屋台へと向かい、騒動も何のその。多少空いた腹を満たす為に食べに注文をしていく。
「焼鳥焼きそばビールにたこ焼き!」
 次々と買い占めて行くロスが、アーロインに「アーロンも一緒な!」と声を掛ける。ロスが自分で食べたものを手渡していたりする。アーロインも、買ったものを「ほれ、俺のもやろーか?」と頭をばふばふしたりもする。
 ロスは自分が馴れ馴れしい自覚はあるので相手が嫌そうな時はストップが効く。が、今は少し危ないかもしれない。何をしても謝らず「どーした?」とへらっと笑って何でもない風に装う。
 カラクはアーロインを含めた周囲を興味深げに観察しつつ、ぼそ、と呟いた。
「……人を好きになる、って色々な行動に出るんだ……」
 演劇鑑賞も含め、観察対象への興味は尽きなかったが、騒ぎが大き過ぎた。落ち着いてシンティラと協力して騒ぎの収集にあたる。
 シンティラは一番冷静だったかもしれない。カラクと相談しながら、トウマルのところも様子見し、トウマルがグラナーダから聞いた劇の内容と見掛けたピクシー達の事から推察した話を伝えると、三人ともピクシー達の悪戯の惚れ薬が原因と断定する。
 シンティラはピクシー確保をしようと動きつつも、ロスのスキンシップを止めようと、思考を回転させるのが速い。
 ロスはスキンシップが好きだが、やり過ぎと言われるのと、面倒臭がりな性格なのでストッパーが掛かる筈。
 とは言え、余りにもスキンシップが過多になり始めたので、「お座り!」と習癖を知っているシンティラが言うと、ロスが自分でも拙いと思ったらしく狼姿に変身する。
 アーロイン、それでも狼姿のロスをめっちゃモフる。全力でモフる。可愛がる。モフモフパラダイス。取り敢えず、成人男性二人のイチャイチャは避けられたのを確認すると、他の者はピクシーの方へと注意を剥ける。
 ピクシーを追い掛けて、シンティラがエレメンツ特有の魔力探知で魔力の流れを読みピクシーを捕まえ、医学の知識を使って気絶させていく方法に出る。カラクは手伝おうとするも、小さなピクシーへの力加減が分からず、黙って気絶させたピクシー達を回収していく。トウマルと少しは意識がはっきりしていたグラナーダも回収に参加する(ただしグラナーダはトウマルに蹴られた足が痛いので動きが遅い。トウマルからの視線も痛い)。
 気絶させたピクシー達が、朦朧とした気を確りする様になってから、カラクが淡々と説得をする。
「……元に戻せる?」
 カラクが問い掛けると、ピクシーがうんうん頷く。
「こないだは衝撃ぶつけられて正気に戻されたんですが。そう言う感じですか?」
 シンティラはどうやら、前のピクシー達にも散々な目にあわせられたらしい様な経験談からものを言う。
「劇観たいから……せめて終わってからにして」
 劇が終わったらしても良いよ、みたいな事を言ってしまうカラクに、トウマルが軽く頭を叩くと、ピクシー達がにこにこと笑って答える。
「恋人達が幸せになったら、自動的に消える魔法なのだ!」
「そーなのですー。皆幸せになると良いのですー」
「仲良しは良い事なんですよぉ」
 キャッキャと無邪気に言うピクシー達に、呆れた目線をやる一同(一部モフモフ堪能中)。
「放っておいて大丈夫なんですね? 自動的に解除されるんですね?」
 シンティラが念を押すと、ピクシー達はキラキラとした目で見上げて頷く。
「ほら。劇はそろそろクライマックスですよぉ」
 悪戯をしていたピクシー達を追い掛けていた間に、劇は大団円へと向かっていた。
 ピクシーの王と女王の和解がなりたち、エレメンツの貴族の結婚式と共にヒューマンの男女達の結婚が華やかに演出されていた。巻き込まれていた職人達も演劇を上演している。
 捕まえられていたピクシー達がふわりと観客席に花を撒いていくと、惚れ薬の効果に陥っていた者も次々と正気に戻る。花の舞い散る中、ピクシー達の楽し気な声が響く。
「みーんな、楽しめましたかー?」
「ピクシーの劇ですー」
「ピクシーだけじゃなくって、エレメンツもヒューマンも、別の種族も」
「みーんなの為の劇だったんだよー」
「みんなみんな、幸せですかー」
 ピクシー達の惚れ薬の効果が、一時だけの恋人達になっていた者達も恥ずかし気になりつつも花を受け取る姿が見える。
 舞台の上ではピクシーの王と女王、ヒューマンとエレメンツの役者がお辞儀をして微笑んで手を振っている。
「楽しい夏の夜の一時をどうぞ、演出出来たのなら幸いです。ピクシー、エレメンツ、ヒューマン……いや、全ての種族の壁を越えて、皆が仲良く暮らせる世界を皆様の手で作って欲しい。それが私達の願いです」
 王役のピクシーが朗々とした声で観客に告げると、ぱちぱちと拍手が巻き起こる。困った事ながら、この劇を上映した目的は、本当にそれを伝える為だったらしい。
 小さな幸せな悪戯はこうして幕を閉じた。


●劇の幕引き後
 ぱちぱちと劇の終わりに真顔で拍手をしているカラクにアーロインが気まずげに問い掛ける。
「因みに劇は楽しめたんか?」
「うん。面白かったかな。劇も、アーロンも」
 矢張り真顔で返すカラクに、哀愁を漂わせたアーロインが肩を落とす。
「……そりゃ、何より」
 元に戻ってから、カラクから自分の醜態を聞いてしまったアーロイン(外見年齢大体32歳・実年齢40歳間近)。それはもう落ち込む。自覚が無かったらしいが、根本的に人と言うものが好きな為に惚れ薬に過剰に反応してしまったらしい。
「……一生の不覚」
 と、アーロインはがっくりとしているが、特に気にした風も見せないモフから人型に戻ったロスの方を見れば、はあ、と溜め息しか出ない。顔見知りに土下座したい気分だった。
「好き、と言う感情は体感しておくべきだったかな……」
 カラクが少し残念なのか、マドールチェとしての生き物の感情への羨望めいた事を言うと、アーロインは自身の頭をがしがしと掻きながら、問い掛けた。
「作られた感情と、自分で生んだ感情、どっちがイイよ?」
 カラクは漆黒の双眸を瞬かせて、ぱちくりとさせて、少し考えた後、納得した様に呟く。
「……そう、か……」
(無垢、つーか危ういのかね)
 カラクとの問答に、アーロインはそんな事を思った。友情すら未だ育んでいる最中な相手の事を少しだけ理解した、気がした。気がしただけなのかどうか。二人だけが知っている事。

「トーマ、どうしたのです?」
 グラナーダは何故か不機嫌そうなトウマルに声を掛けていた。
 トウマルは「あー」「うん」と曖昧な態度を取っていたが、普段からややきつめの視線をグラナーダの美麗な顔立ちに向けて、拗ねる様に言った。
「俺の事、偶に不用心とか言うがグラもな。つーかアンタ惚れた相手にあんな態度取るのかよ。相手も気の毒だな」
 突っかかる様に言ってから、またもや不機嫌そうに黙り込む。
 グラナーダは優し気な笑顔を浮かべて、そっと離れて行った。
 暫くして携えて来たのは、甘いお菓子。クレープや棒飴やら、沢山の屋台の甘味だった。
「一夜の夢物語ですよ」
 どうとでも取れる当たり障りのない言葉を口にして、麗しき半竜は相方を甘いもので釣ろうとした。
 不機嫌そうな顔をしながらも、トウマルはお菓子を受け取って口に運んで咀嚼していた。少し機嫌が良くなったらしい。甘いものは人を幸せにする。美味しいものは正義。
 グラナーダをトウマルが見上げる形になる、身長差のある二人は並んで歩き出す。二人はお互いの事を深入りしない付かず離れずな関係ながらも、適度な距離を保っているらしい。余り踏み込まず、かと言って突き放す事も無く。言葉少ないながらも、お互いを知っているような、知らないような。微妙な絶妙な距離感。
「グラ、甘いものの後はしょっぱいものが食べたい」
「付き合いますとも、トーマ。今夜は何を食べますか?」
 ゆったりと今夜の食事の話を始めて、日常に戻って行く。
 それが、二人にとっての心地の良い空間なのかもしれない。

 ロスとシンティラが屋台の食事を食べながら歩いている。
「ロスさん、待てが出来ましたね」
「おー、ティ。知り合いと会えて楽しかったし、屋台の飯は美味いし、劇は……うん、タノシカッタ……」
「ロスさん、劇の間は寝ていましたし、屋台でご飯を食べに行ってました……劇は楽しかったです。私は思わず見入ってしまいました。劇と言うのは楽しいのですね」
 ピクシー達の悪戯は兎も角、劇自体は楽しめたのか、シンティラがのんびりと感想を言いつつ、小さな口でたこ焼きを食べる。
「ま、屋台で飯食えたし!」
「ロスさんは食べ物の事ばかりです」
 首をぶんぶん振って、ロスが弁解する。
「ティ、俺はその……あー、良いや」
 言い訳するのも面倒臭いらしく、ロスは今日の失態を忘れる事にして放り投げて、屋台の食事を堪能する。
「ロスさんはそれで良いと思います」
 家族であり甘やかす対象の弟分であるロスの、今日の失敗した事を、シンティラは受け止めて、少し笑った。思い出し笑いらしい。釣られてロスも、にい、と笑って誤魔化す。
 言わなくても伝わる事はある。
 それに家族以外の関係の名前を付ける事は、当分先の事になるのかもしれない――。
 今は、二人は家族。


真夏の夜の夢?
(執筆:江戸崎竜胆 GM)



*** 活躍者 ***


該当者なし




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2018/08/03-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[13] ロス・レッグ 2018/08/08-23:20

>軽くグラ殴ったり食べ物口に突っ込んでるぐらい
(和み和み)おぉー可愛らしっな! じゃなかった!?
ははは!! まぁ甘い恋からは程遠いな! ここにいる皆全員…ティ女の子なのに。
GMさま達が、あんなに可愛く書いてくれてっのに…多分、追いつく予定(視線逸らし)

>解除
…はっ、思い切り、ティ医学スキル上げたし!でピクシー探しては気絶させに行く方向に!
…………ま、まぁいいか!(視線逸らし)ちょろっと聞いてみるぐらいは足してくる!!
やり過ぎたら、ちゃんと回復魔術も装備してっし、大丈夫大丈夫!!

>自分の恋人にはもうちっと優しく接する
あー!なるほどー!(何やらメモった!) ラブラブかと思ってたけど、なるほどー
勉強になる(真面目)甘やかしたい系統で走ってたら、そりゃ恋愛の道がみえねぇか…(メモメモ)

>狼になった際には全力で撫でくり回してやるぜー!
やった! くはー! アーロン、もうめっちゃ好き――――!!

>口に食いもん突っ込みまくる
1つ、ぽいっと入れるのは、なんつーか可愛くていいんだけどなー(こくこく。好みどんぴしゃシチュエーションらしい)
ピクシーに戻す方法……。…………(ティが気絶させまくる方面行っているので、頭抱え中)

あ。俺は、アーロンがどういう状況になるのか、めっちゃ楽しみ!!  
 

[12] アーロイン・ヴァハム 2018/08/08-22:33

よっ。どうやらとんだ目に今回遭うらしい俺ダ(もう遠い目)
こうなったらロスと屋台巡り楽しんでやるぜー。
狼になった際には全力で撫でくり回してやるぜー!
(ヤケ。しかし動物好きが相まって本当にめいっぱいモフることになりそうである)

トウマルの発言聞いたカラクが、
『そうか元に戻るか試した方がいいのかな』とか視線送ってくるんだが。
やめろ。口に食いもん突っ込みまくるのはヤメテクダサイ。
まずそこは先に、ピクシーに戻す方法あるのか聞いてくれや……(メタりまくる会話)

ある意味面白いメンバーになったんじゃねぇかね。
……正直俺ぁ自分が一体どうなるのか気が気じゃねえんだが、ま、なるようになれだ。
ピクシーたちの事は任せたぜっ(丸投げ)  
 

[11] トウマル・ウツギ 2018/08/08-22:11

今回はそんなにふざけ……いやコメディに走ったプランじゃねぇと思う。当社比。
惚れ薬の効果の切らし方分からねぇから
軽くグラ殴ったり食べ物口に突っ込んでるぐらいで。
……甘い恋が始まる予感が微塵もしねぇな?
観劇中だしせめて「殴る」部分は蹴るとか足踏むとかちょっとソフトにしておこう。
(解除の仕方知ればその方法に切り替えはするが。)

>ロス
は……? 恋人……?(該当の報告書見直し)
あ、あの告白は全部グラの演技だからな!?
俺とグラの間には恋愛のレの字もねぇよ。
さすがに自分の恋人にはもうちっと優しく接するわ。  
 

[10] シンティラ・ウェルシコロル 2018/08/08-21:55

>今年は暑いし、ピクシー達に熱いラブラブを見せつけてあげましょう
ですね。ちょっとGMさまの期待には…(視線逸らし)
ロスさんに惚れ薬はやりすぎるでしょうし、私は閉じ込めたい欲が半端なく(視線逸らし
俺物語とか、親父ギャグとか好きな背後さんに、ロマンチックとかは程遠かったです…。
はいー、ロスさんやアーロンさんはのんびり屋台回ってるでしょうが、私達は私達でピクシーの悪戯制止がんばりましょう!!
(ラブラブは空の彼方……)  
 

[9] ロス・レッグ 2018/08/08-21:54

おぉ!! 了解! んじゃ、アーロン! 屋台いっぱい見て回っか! 
焼鳥、ビール、焼きそば、フランクフルト、タコ焼きー! 暑ぃしカキ氷もあっか!
はははは、俺より煩ぇのってそういねぇし、大阪のオバちゃんのノリ系も好きだし、アーロンなら、大歓迎!!
面倒臭がりなんで、されるがままになっけど、おぉー! 楽しみ!!

>砕くとか標本
うん、そうそれ! あっけらかんとし過ぎて恋愛にむいてねぇって太鼓判押されてる俺はともかく、
ティは普通に恋愛するだろっから、俺の性格調整がんばれば……! とか思ってたら、とんでもない落とし穴だったと、背後が。
あれは俺も笑った! すげぇ笑った!! 
……いや、当初の予定通りっつーたら、予定通りだけど、周りみて「よし恋愛頑張ろう!」と思ったら大きな壁が。
GMさまがあの手この手でくっ付けようとしてくれるんだけどなー。
俺の性格調整上手く行くまでは保留しておかないと(振られる前提の性格なので)マズイ。と、背後が。

ふははは、屋台屋台ー、くいもんくいもんー!
シンティラ「色気が全くないです…(遠い目)あったら困るの私ですが  
 

[8] カラク・ミナヅキ 2018/08/08-20:48

うん、ロスさん、あの時はこちらこそ、だ。
トウマルさんとグラナーダさんも、宜しく。

いや……多分アーロン、口説く系は口にしないとは思うんだけど…
ロスさんが移動しようものなら、常についてく、よ?屋台とか。
そしていつも以上にうるさいよ?(=口数多くなる)……邪魔、じゃない?(酷
何でも、好意とかは年的に捻くれてる部分だから隠すもの、だそうだ。
(こっちでは後ろの人が『意外と面倒くさい男(=アーロン)だった…』ってさめざめしているよ)

シンティラさん、最近でもピクシーにご縁があった、のかな(何か読んだ←)
……砕く、とか、標本にする、とか……見かけたような……(※背後のお腹が痙攣してた)
落ち着いて劇を観ていたいところだけれど、周囲がそうもいかなくなってきたら
僕は、シンティラさんに協力してピクシーたち捕まえるなり説得するなり、してるつもり。

……(しげしげとメンバー見渡して)
GMさん曰くの、『今年は暑いし、ピクシー達に熱いラブラブを見せつけてあげましょう』から
程遠くなりそう、だね(失敬)ごめん、GMさん……(天井に向かって)
ともあれ、それぞれ皆が、楽しめますように。  
 

[7] ロス・レッグ 2018/08/08-19:35

っつーワケで、カラクーカラクー! おおおお! ちょいお久な!! 緊急司令では、さんきゅーした!!
ふはははは! 俺はスキンシップが大好きだ――――!!
っつーワケで、アーロンはどーんとカムカムな!! めっちゃ大歓迎!! 
(惚れ薬に掛からないけれども、返事がほぼYESでぎゅんむり予定)
シンティラ「……こないだの依頼(にゃんにゃんにゃあん! 北野東眞GM)では、ヨナさんが犠牲になってくれました(拝み)ロスさんをよろしくお願いします」
俺が惚れ薬飲むと「好きだ、愛してる」と、キス魔になるだろうから(それでシンティラは嫌がりました)
ノーマル的に! もふもふを!! というか、一応人間形態→危なさそうなら、ティが「おすわり!」するらしーので、狼! 

>……つまり、好きになった相手にも気持ち悟られないよう平然と振る舞う
おぅ! 了解!! …………いや、それなら普通に大丈夫では。
カラクの言う「ロスさんが気の毒だけど」あたりも楽しみにしてるー!

同背後のおかげでシンティラの恋愛模様も、ちょっとホラーっぽくて(遠い目)
背後が「シンティラは普通だと思ってたのに!」って泣いてた。いや、好きになったら即告白っつー背後習性から色々無理では。

ふむふむ、んじゃ、ティがバタバタ走り回りつつ、カラクのトコに避難すっので、ティの方もよろしくなー!!
シンティラ「……ロスさん、こんな感じですが、大丈夫ですか……?」


ははは、トウマルの方も了解ー。俺、あんま日常入った事ねぇので、判定がいまいちわかり辛ぇんだけど、
大成功が取り辛くて、失敗判定もあんまねぇなー。戦闘依頼は目的解り易いんだけど。
ちなみに「恋人たちの樹の下で 北野東眞GM」で、俺は思い切りトウマルとグラナーダはラブラブ恋人同士と覚えてた…(視線逸らし)  
 

[6] トウマル・ウツギ 2018/08/08-17:44

トウマル・ウツギに、グラナーダ・リラ。よろしくどーぞ。
べつに屋台に釣られたわけじゃないんだからね(棒)

俺とグラは恋人同士でも何でもないが席に余裕あるみたいなんで観劇に。
騒動にはグラが巻き込まれてそうな気がする。
いちゃラブとも無縁だが、メタい感じに言えば全体結果に影響ないように、
邪魔にならねぇように、プランは立てておくなー。  
 

[5] ロス・レッグ 2018/08/08-12:16

やった! 今回おれ出番ねぇかと、思ってた!
19時頃に改めて!
ティ:アーロンさん、ロスさんに押しつぶされないよう頑張って下さい  
 

[4] カラク・ミナヅキ 2018/08/08-12:07

出発当日に、飛び込み失礼するよ……
カラクとアーロイン、どうぞ宜しく。

ロスさん、シンティラさん、少しお久しぶり……かな。
僕はこういう、娯楽……?というもの、あまり経験が無いから少し楽しみに来てみた。
お二人も楽しめるといい、ね。

と……、以下はちょっとご許可がいるかもなんだけど(メタ内容)
多分、アーロンが寝て……その隙にピクシーに悪戯されるみたいで……
ごめん。ロスさん、アーロンが絡むかも、だ(=一目惚れ相手)
僕は舞台観てるから基本放っておく、と思う←
一応、アーロンの絡み方は魅了受けててもパッと見は、友人相手、みたいな絡み方みたいだけど。
……つまり、好きになった相手にも気持ち悟られないよう平然と振る舞う、のが
アーロンの仕様、ってことなのかな。ふーん(←悪気は無い)

(アーロイン「………;(何か暴露されてる気分で物凄く居た堪れない)」)

僕の後ろの人曰く、コメディ方向に転がす気満々みたいだよ。
正直僕は、ロスさんが気の毒だけど……
ただ勿論、当日ということでお忙しかったり、このコメントに気付かれてないようだったら
アーロンの一目惚れ相手はロスさんたち以外の、舞台観に来てる名も無きNPCさんにお相手してもらうつもりだから
どちらにしろ、特にロスさんたちの方で、プランに書いてもらう必要は無い、よ。  
 

[3] シンティラ・ウェルシコロル 2018/08/08-06:10

>魅了魔法にかかるって、もう浮気みたいなものだよね(エントランス・フォー)
…………(額押さえ)。……何となく、薄々そういう気がしておりましたが、ズバッと言われると踏み止まるものがあります。
真面目に、混乱が起きた時には、魔力感知でピクシーを探し混乱収めに走ります。
「…パートナー同士なら、浮気にはなんねぇような」
ロスさんに迫られるのはご遠慮願いたいものがあります。
「おぉぅ……」  
 

[2] ロス・レッグ 2018/08/07-19:04

ティ(シンティラ)が、こういう劇とかみてぇっつーので、俺は付き添い(良い笑顔)
途中で寝っか、もしくは屋台にでも行こうかなーと。とと、ロスとティ参加な、ヨロシク!

っつー、キャラ的理由はそんな感じで、NPCならともかく、他PLさまだと後々気まずい気が?
とか思うんで、今回はティと2人でバタバタしてっなー。惚れ薬プランは、今のトコ悩み中。
……いや、うん、他のトコだと恋人いねぇダチに「やってみねぇ?」とか言ってそうな俺がいる。