~ プロローグ ~ |
『放浪王子と毒舌娘』――開演です。 |
~ 解説 ~ |
●ミッション |
~ ゲームマスターより ~ |
こんにちは、茸です。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
|
||||||||
◆アユカ 劇面白かったね~ こういう娯楽に触れるのもたまにはいいよね? どう?ロマンス感感じた? あ、お花もらえるんだね 花言葉かあ…(一通り花と花言葉をチェック) かーくん、このお花あげるね これを、かーくんの殺風景なお部屋も少しは明るくなるかなって 花言葉…は、気にしない気にしない! かーくんもくれるの?ありがとう! これ、どういう意味でくれたのかな…? ◆楓 コメディでテンポが良く、見やすい劇でした ロマンス感はともかく…意外と深いテーマを内包していたように思います 花…私にですか ありがとうございます、でも殺風景は余計ですよ では、私もあなたに花を選びましょう 花言葉…? いえ、ただ単純に、目についた花を取っただけですが |
||||||||
|
||||||||
■ロス ぶわははは!!すげぇ笑った! ティ(シンティラ)の趣味なら俺に合わねぇかと思ったけどマジ良かった! ∇思い出 水仙っていいよな! 畑に行ったらすげぇムアッて来て花ってあんなに匂いがすっとは! ∇ひまわり 「どこがですか? 「俺ティのペットだよな? (ペット時代から現在まで常に一緒の現実に 今もロスがペット精神なのに気付く 「昔はそうでも今は違いますから、これでは (恋愛ペタ惚れっぽいと言いかけ 現状で恋愛感情をロスに教えるのはマズイのに気付く 「ペットですね 「死ぬまで一緒って決めたしな! ∇ 「いっぱい買ってこ!ティ好きだろ? (匂いの強いものをティに押し付け 「ロスさん代わります? 「俺だと匂いに気を失うんじゃねぇかなー |
||||||||
~ リザルトノベル ~ |
千秋楽も大きな拍手の中で幕を閉じ、観劇に訪れた人々が満足そうな表情を浮かべながら散って行く。 そんな中、エクソシストも数名、足を運んでいた。 ●アユカ・セイロウ&花咲・楓 「劇、面白かったね~」 椅子から腰を上げたアユカ・セイロウは、同じく隣に座っていた花咲・楓を笑顔で振り向く。 「ええ。コメディでテンポが良く、観やすい劇でした」 アユカの笑顔に瞳を細めて楓は頷いた。 彼の無趣味さが少し気になっていたので、今回思い切って誘ってみたのだ。 (良かった! かーくんも楽しんでくれたみたい) 嬉しくて更に笑みを深め、アユカは続ける。 「最初はどうなるかと思ったけど、二人がハッピーエンドで良かったよね!」 何だかんだアユカ自身も観劇を楽しんでいた。 「こういう娯楽に触れるのも、たまにはいいよね?」 「そうですね」 「どう? ロマンス、感じた?」 問われて、楓はそっと自分の顎に指を添えて考える素振りを見せる。 「ロマンス感はともかく……意外と深いテーマを内包していたように思います」 アユカに誘われて訪れた初めての観劇。 未知の分野は興味深く、気がつけば真剣に見入っている自分がいた。 (娘が王子のどこに惹かれたのか理解しかねるが……。心を寄せる相手の些細な短所など気にならなくなる。恋とはそういうものなのかもしれないな) 王子の奔放さが些細なことかはさて置き、相手を想う気持ちは自由だろうと思う楓であった。 二人は会場を出ようと人の波に沿って進む。 「あ、お花貰えるんだね」 『想いを花に込めて大切な人へ贈ってみましょう』の立て看板の側から花を抱えて出て来る人々が目に留まり、アユカは人波を外れて其方へ足を向けた。 もちろん楓も彼女の後に続く。 そこにあったのは、色とりどりの花。 見慣れた物から珍しい物まで、数種類の花が揃っていた。 「花言葉まで書いてあるんだね~」 観劇に沿っての趣向なのだろう。 アユカは一通りの花と花言葉をチェックする。 (想いを花に込めるのね……) ちらりと楓を盗み見る。 彼も花を繁々と眺めていて此方の視線には気付かない。 (よし、決めた!) 再び視線を花に戻したアユカは、一つの花を手に取った――。 「かーくん、この花あげるね」 アユカは楓に選んだ花、白いペチュニアを差し出した。 「花……私にですか」 少し驚いたようだったが、受け取ってくれたことに胸を撫で下ろす。 「これで、かーくんの殺風景なお部屋も少しは明るくなるかなって」 「ありがとうございます。でも、殺風景は余計ですよ」 お礼を言われ、じわりと湧いて来る気恥しさに照れ笑いを浮かべるアユカ。 部屋に飾ってくれたらと思ったのは本当だが、それは後付けの様なもので、この花を選んだ本当の理由は花言葉に込められている。 ――白いペチュニアの花言葉は『淡い恋』。 情熱的な恋愛とは異なり、じんわりと心が温かくなるような言葉。 なかなか素直に口に出せない自分に合っている気がした。 (こうやって、少しずつ気持ちを伝えられたらいいな……) 「しかし、私の殺風景な部屋のために選んでくれたのは分かりますが、何故この花なんですか?」 「えっ……?」 楓からの突然な質問に、アユカは面食らう。 「確か、花言葉は……」 「花言葉なんてどれも似たようなモノばかりでしょ! 気にしない気にしない!」 それは事実だ。 敢えてなのだろうが、恋愛や親愛に関係した花言葉が多く、どれを選んでも恥ずかしいようなくすぐったいような、そんな気持ちにさせられる花ばかりが並んでいた。 しかし、結局自分の気持ちを素直に認めることができないアユカだった。 「では、私もあなたに花を選びましょう」 「え……かーくんもくれるの? ありがとう!」 早速彼が選んでくれた花を見つめる。 「ブーゲンビリア、という花だそうです」 「素敵な名前ね。ちなみに花言葉は?」 「あ、花言葉は……」 そういえば、と、たった今気付いたようにあった場所を振り返る楓。 (花言葉で選んでくれたんじゃないのね……) そう思いながら、アユカも一緒にそれを覗き込む。 ――ブーゲンビリアの花言葉は『あなたしか見えない』。 ペチュニアとは異なり情熱的な言葉だ。 「そうなの?」 「え、いや……そのっ、ただ単純に目についた花を取っただけですからっ」 彼が花言葉を意識して選んだわけではないことは知っていたので、慌てふためく楓とは違いアユカは余裕の笑みだ。 「ふふ。――じゃあ、どういう意味でくれたの……?」 目につく花は沢山ある。 この花を最終的に手に取った理由が何かあるはずだ。 「それは……、花をくれたお礼ですよ」 「答えになってないよ、かーくん」 彼も気持ちを口にするのが苦手なのか、上手い言い訳さえ思い浮かばない様子。 楽しくてくすくすと笑うと、楓は照れ隠しの様な笑みを浮かべて緩く肩を竦めていた。 贈り合った花を手に、二人で会場を後にする――。 楓はアユカの後ろをゆったりとした歩調で歩く。 「今のあなたを見て似合うと思ったんですよ……なんて、からかわれた後に言える台詞ではないでしょう」 アユカの背中を見つめながらポツリと呟いた。 「かーくん? 何か言った?」 「いいえ、……ただ、早く帰って花に水を与えてあげないといけませんね、と」 「そうだね! 折角の綺麗なお花だもの、大切にしなくちゃ!」 納得し、意気込むアユカの隣に並び、楓は「そうですね」と口元を緩めたのだった……――。 ●ロス・レッグ&シンティラ・ウェルシコロル 「ロマンス……確かに最後はロマンチックと言えばロマンチックでしたが……」 『ロマンス』とパンフレットに書かれていたので、そのつもりで観ていたのだが、少しばかり想像していたモノとは違い、呆然とするシンティラ・ウェルシコロル。 「ぶわははは!! すげぇ笑った!」 それを裏付けるのは、今は人間の姿で腹を抱えて笑うロス・レッグだ。 「ティの趣味なら俺に合わねぇかと思ったけど、マジ良かった!」 千秋楽ということもあり、折角だから観て行こうということになった観劇。 ロマンスではきっとロスは退屈するだろうと思っていたのだが、まさかの大爆笑である。 少しどころか予想外のとんでもロマンス劇場だった。 「ロスさんがこんなに笑うなんて思いませんでした。……道理で転がると」 観劇中、ずっと足元で転がり回っていた狼を思い返し、シンティラはあからさまに溜息を零した。 退屈して寝ていても他のお客さんに迷惑にならないようにと狼の姿になってもらっていたのだが、違う意味でそれは正解だったようだ。 「他の観客だって笑ってただろ?」 「ロスさんは笑い過ぎです。……狼の姿で本当に助かりました」 あの状態で人間の姿だったら確実に周りに迷惑を掛けていただろう。 「そっか。良くわかんねぇけど、ティが助かったなら良かったな!」 ニッと笑うロスに、シンティラは僅かに頬を緩めた。 「ん?」 「どうしました?」 帰ろうと出口に向かっていると、不意にロスが足を止めた。 何かの匂いを感じ取ったのか、スンスンと鼻を鳴らしながら辺りに顔を巡らせている。 「なんか、変なニオイがすんな」 「変……とは?」 彼に倣って辺りを見回すと、突然腕を上げたロスに驚いた。 「あれだ!」 そう言って彼が指し示す方向には、沢山の花が置かれている。ただそれだけだが……。 「どこが変なんですか?」 花ならば、誰もが良い香りだと好む方が多いはずだ。 しかしロスはそうではないのかもしれない……。 「いろんな匂いが混ざってて良く分からんかったけど、あれ花だったのか!」 「あ……ロスさんには少々キツイかもしれませんね」 花もそれぞれ匂いが異なる。 彼の嗅覚の良さに僅かな同情を見せつつ、シンティラは花の方へと方向転換した。 嫌がるかもしれないと思ったが、ロスも花が気になるのかついて来ては物珍しそうに物色し始めた。 「花と言えば、水仙っていいよな!」 「……水仙ですか?」 「畑に行ったらすげぇムアッてきて、花ってあんなに匂いがすっとは!」 ロスの思い出話にシンティラも記憶を辿る。 「あれは匂いの攻撃と言ってもいいと思います」 (花言葉で有名なのは……確かナルシスト。他にもあるのでしょうが、ロスさんには合いませんね) 折角なので、彼に合いそうな花を贈ってみることにしたシンティラは、あれこれと花や添えられた花言葉を見て回った……――。 突然、大きなヒマワリがシンティラの視界を覆った。 「これ、ティにやるよ! 折角だから選んでみた!」 考えている事は同じだったようで、驚きながらも受け取るシンティラ。 (何故ヒマワリ?) 素朴な疑問だ。 ニコニコと笑顔のロスから視線を外し、チラッとヒマワリの花言葉を確認する。 ――ヒマワリの花言葉は『私はあなただけを見つめる』『愛慕』『崇拝』。 「どこがですか?」 今度はぽろりと口から零れ出た。 ロスの笑顔が一瞬静止する。 「俺、ティのペットだよな?」 「? ……あ」 ペット時代から現在まで常に一緒の現実に、今もロスがペット精神であることにシンティラは気付いた。 「昔はそうでも今は違いますから、これでは――」 恋愛ベタ惚れっぽい。 と言いそうになり、シンティラは咄嗟に口を噤んだ。 現状で恋愛感情をロスに教えるのは拙いと気付いたからだ。 シンティラは極僅かに寄せていた眉間の皺を、ピシッと元に戻す。 「ペットですね」 言い切ると、ロスの表情がパッと動き出す。 「なっ! 死ぬまで一緒って決めたしな!」 「そうですね。できればもう少し小ぶりのヒマワリにしてもらえると助かるのですが」 こんな大きなヒマワリでは持ち帰るのに一苦労しそうだ。 「分かった!」 と、再びヒマワリと睨めっこするロスを横目に、シンティラは花選びを再開した。 (私まで迂闊なのを選んではいけません……) やや遠くなりかける目をグッと手元に集中させた――。 「へぇ? 俺こんなに可愛いイメージ?」 ロスの為に選んだ花は、ニチニチソウだ。 花は3~4センチ程度で花弁は5裂している。 色も鮮やかで本当に可愛らしい花だ。 「嬉しそうね?」 ニオイに敏感な彼にしては意外な反応である。 「残念な事に次々と花がさくそうで、花言葉がその系統ですね」 ――ニチニチソウの花言葉は『楽しい思い出』。 「次々?」 「ぽんぽんと楽しそうです」 「なるほど! そっか俺楽しそうか!」 残念がるどころか心の底から喜んでいるロス。 この花の香りは気に入ったということだろうか……。 「いつも楽しそうで何よりです」 (浄化師になって目新しいモノが多いせいでしょうか。……部屋の中では面倒臭がって転がってますが) 「いっぱい貰ってこ! ティ好きだろ?」 そう言いながらも匂いの強いものは押し付けて寄こすロス。 「ロスさん代わります?」 「俺だと匂いに気を失うんじゃねぇかなー」 言いつつも、ニチニチソウだけは手放さないロスに、シンティラはそっと目を伏せた……――。
|
||||||||
*** 活躍者 *** |
|
|
|||
該当者なし |
| ||
[3] アユカ・セイロウ 2018/08/24-23:38
| ||
[2] ロス・レッグ 2018/08/24-21:36
|