~ プロローグ ~ |
「教皇国家アークソサエティ」ルネサンス内のヴェネリアに水上マーケットがあるのはご存知だろうか? |
~ 解説 ~ |
◆解説◆ |
~ ゲームマスターより ~ |
初めまして、皆さま! |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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【シャルル】 わー水上のマーケットなんですね。 船でお店をめぐるのって素敵です。 それに街自体すごく綺麗です。 でもノグリエさんこういう人の多いところはお嫌いなんだと思ってたんですが? 私の為ならって、無茶はしないでくださいね。 ノグリエさんのお宅にも素敵なものがいっぱいありましたよね。 アンティークって言うやつです。 このマーケットでも気に入るものがあるといいですね! 私の欲しいものですか?私は特にないですよ? そりゃあ可愛いものとか綺麗なものは憧れますけど。 むー…結局いろいろ買ってもらっちゃいました。 というか買ったものを押し付けられたというか。 返すわけにはいきませんから。 ノグリエさんは私に甘すぎです。 |
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■目的 ルキの服とか食器とか、生活用品の買い出し。 良い布があれば一から仕立てるのもありだ。 ■会話 ルキ:えみりあ。あれなに。 エミ:あん? ……紐か? わかんねぇな。聞いてみるか。 (※見つけたのは組紐。初めて見たので店主に尋ねる エミ:ほぉ、これで髪を括ったりすんのか。だとよ。 ルキ:これほしい。 エミ:欲しいって、ルキは括るほど髪ねぇじゃねぇか。 ルキ:(※首を横に振る えみりあの。えみりあ、これきれい。にあう。 エミ:おーおー。こりゃ、ちびの癖に口説き文句は一丁前だ。 わぁった。買おうじゃねぇか。 (※ルキが指差した緋色メインの組紐と、黄色がメインの組紐を買う エミ:ほれ。アンタの手首につけてやるよ。 ああ、悪くねぇ。 |
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★食堂 珍しいもの沢山あったわね 確かにちょっとはしゃぎすぎたかしら(苦笑し) (サーモンのトマトクリームパスタを口にしつつ合間に) ……渡したいもの? 碧希君が、私に? 何かしら 簪? ああ、ニホンの髪飾りね それにしてもとっても綺麗 光に透けてきらきらしてる 本当に私、貰っていいの? ふふ、ありがとう 大切にするわね ……え、此処で? んーと……こうかしら(挿してみて) ど、どう……? おかしくなってない? ! ……もう!(耳が赤い) そういうこと軽々しく言わないの(むう) 年頃の女子はそういう褒め言葉に弱いんだから 全く、人たらしなんだから(はあと溜息) ……でも、ありがと(そっぽ向きつつ) 偶にこういう爆弾発言するのよね、碧希君…… |
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~ リザルトノベル ~ |
●本日の水上マーケット 「教皇国家アークソサエティ」ルネサンス内のヴェネリアにある水上マーケット。 世界中の様々な商品が届く事でそれなりに知られているのだが、ただそれだけでなく珍品のような物、骨董品のような物、普通では手に入り難いような物など売られている商品の性質は多種多様だ。 勿論、一般的な物だってあるので、このマーケットに何を買いに来るかは正しく人の数だけ違うだろう。 そんな中でとある目的を持って幾人かのエクソシスト達がここを訪れていた。 ●貴女にプレゼントを 「わー水上のマーケットなんですね。船でお店をめぐるのって素敵です」 白髪のボブカットの少女が蜂蜜のような金色の瞳をキラキラと輝かせて水上マーケットの様子を眺めている。 彼女の名はシャルル・アンデルセン。パートナーであるノグリエ・オルトに誘われて本日は水上マーケットへと来ていた。 「水上のマーケット、シャルルなら気にいってもらえると思ってましたよ」 シャルルの楽しそうな様子を見て、そんな風に言うノグリエ。 他人を威圧していると見られそうな程鋭い目つきの為、普段は意図的にニコニコ狐目にしている彼だが、今のそれは演技ではなく本当にニコニコとしているのではないだろうか。 「何だか街自体すごく綺麗ですね」 この水上マーケットは言うなればそれ全体が店舗と言っても良いものだ。店舗を綺麗にするのは商売人達からすれば当たり前。それ故に他ではちょっと見られないくらいには綺麗にされていた。 「これからは荒事なんかも引き受けることになるかもしれませんから。息抜きに丁度良いのではないかと」 と、そんな風にノグリエは返すものの内心では荒事そのものにシャルルを関わらせたくないと思っている。勿論、彼がそんな風に考えても、シャルルにはシャルルの想いがあるので、関わらせないというのは中々難しいだろう。 穏やかな海を走る船、賑やかなマーケット、見慣れぬ商品。様々な物を見ていたシャルルだが、ふとある事が頭を過る。 「でもノグリエさんこういう人の多いところはお嫌いなんだと思ってたんですが? 私の為ならって、無茶はしないでくださいね」 そう。シャルルが知っている限りでは、このパートナーは人で混んでいるような場所は苦手というか嫌いであったような気がするのだ。 だから、もしかして自らの為にと無理をしているのではないかと思うのは自然な事だった。 「人が多いところは好きではありませんよ。けれどシャルルが隣にいればさほど苦痛ではありません」 シャルルの言う通り、けして人が沢山いるところは好きではないと断言するノグリエ。 しかし、そうではあってもシャルルの隣にいれるならば大した事ではないのだ。 「うーん。それなら良いんですけど……」 「ええ、大した事ではありません。シャルルがそんな風に笑ってくれるならばそちらの方がボクには大事ですから」 それでも尚少し納得できない様子のシャルルに、ノグリエは要は優先度の問題であると告げる。 例え好きではない人混みの中であろうと、シャルルが自らに笑いかけてくれるならば些細な問題であるという事だ。少なくともノグリエにとっては。 「ふわぁ~、素敵な物が沢山ある……。そう言えばノグリエさんのお宅にも素敵なものがいっぱいありましたよね。えーと、アンティークって言うやつでしたっけ?」 「ボクの家の物ですか? ボクが趣味で集めたものですが。シャルルが気に入ってくれたなら嬉しいですね」 シャルルが今見ているのはアンティーク雑貨と呼ばれる物だ。キャンドルスタンドのようなものからディスプレイ用のトレイ、靴の木型等々。様々な物がそこには陳列されていた。 アンティークを蒐集しているだけあって、ノグリエもまたそれらを興味深そうに眺めている。 「このマーケットでも気に入るものがあるといいですね!」 「そうですね。中々興味深い物もあります。……ところで、シャルルは何か欲しいものはありますか?」 ノグリエからすればこれらのアンティーク雑貨は確かに興味深い物ばかりだ。だが、それと同時にこれらの物よりも気になる事もある。 それは勿論、シャルルがどういった物を好むのか、という事だ。彼女を溺愛しているノグリエにとってそれはとても重要な事だ。 そもそもの話、この水上マーケットに彼女を誘ったのもこういうところに出かければ、シャルルの好きな物をプレゼント出来るかもしれないと思ったからだ。 シャルルはあまり我儘を言わない為に、普段ノグリエがプレゼントを贈るという機会があまり得られないのだ。 「私の欲しいものですか? 私は特にないですよ? そりゃあ可愛いものとか綺麗なものは憧れますけどね」 だがしかし、ノグリエのそんな考えなど知るわけもないシャルルはいつものようにそんな風に答える。 シャルルとて年頃の娘であるのだが、慎ましい彼女はこうしていつも欲しい物はないと言ってしまうのだった。 だが、今日こそはと思っているノグリエは今回ばかりは引くつもりはない。 「ないですか……。でもシャルル、ボクはキミに贈り物をしたい気分なんだ。受け取ってくれるね?」 そう。ノグリエは今日はプレゼントをするつもりで来たのだ。だから、シャルルが何と言おうともプレゼントをするつもりなのだ。 「ボクのアンティークは後でも大丈夫ですからね。まずは君へのプレゼントを買う事にしよう」 その後、結局シャルルはノグリエから様々な物をプレゼントされた。プレゼントされたというか、半ば押し付けられたようなものだが。 「むー……結局いろいろ買ってもらっちゃいました。というか買ったものを押し付けられたというか……」 「少し強引ではあったかもしれませんが、キミが強情なのが悪いんですよ。普段から欲しい物は何もないと言うからこんな風にするしかないでしょう?」 「返すわけにはいきませんから。ノグリエさんは私に甘すぎです」 少しため息交じりにそう言うシャルル。とは言えども、ノグリエからプレゼントされるのが嫌なわけではない。だから、無理に返す事もしない。 「甘すぎる? いいえ、こんなものではまだまだ足りませんよ。でも、今日のところはこれくらいにしましょうか」 「もうっ。ほら、ノグリエさん。次はノグリエさんの家に飾るアンティークを買いましょう?」 そうして二人は再度マーケットの人混みの中へと消えて行くのであった。 ●二色の組紐 ルカス・アプフェルには記憶というものがほぼない。 その為、これから一緒に過ごしていく事になっているエミリア・リンクが水上マーケットに出かけると言えば付いて来るのは彼からすれば何もおかしい事ではなかった。 水上マーケットへと来たのは、ルカスの服やら食器やらを含めた足りない生活用品の買い出しがメインだが、エミリアとしてはそのついでに新しい物、珍しい物が見れるかもしれないというのもあった。 「さーてと。まずは服と食器だなー。おい、ルキ。それっぽい店があったら教えてくれ」 「うん、わかったー」 まるで小荷物でも抱えるかのようにルカスを小脇に抱えて歩くエミリア。その足取りは軽やかで、ルカスを抱えているとは思えない。 ルカスと言えばそのように抱えられる事に特に文句も疑問もないようで、物珍し気に水上マーケットの店や陳列されている商品を見ている。 求めている商品がある店があれば、エミリアは店先まで行ってルカスを一旦降ろして物色をするもののどうにも中々これという物が見つからないらしい。 「おっ。この店の布は中々良い物だなぁ」 そんな中、一つの店が出している布がエミリアの目に留まる。 「ふくのぬの。いいものなの?」 「あぁ、中々だ。値段も……この品質なら悪くねぇ」 エミリアの小脇から降ろされたルカスが彼女と同じように布を見ては小首を傾げる。流石にまだルカスにはそれらの良し悪しは解らないようだ。 何故、こうしてエミリアが布を見ているかと言えばルカスの服の為である。エミリアは布から服を仕立てる事が出来る為、良い布があればそれでも構わないのだ。 暫くその店の布を物色して、結局エミリアは幾つかの布を購入する事に。 「んじゃ行くぞ、ルキ」 またルカスを小脇に抱えて幾つかの店を巡りながら移動しているとふとルカスが声を上げる。 「えみりあ。あれなに?」 「あん? ……紐か? わかんねぇな。聞いてみるか」 ルカスが指差している方をエミリアが見れば、そこには組紐と呼ばれる紐の工芸品が並べられていた。 組紐とは日本の伝統工芸の品であり、細い絹糸や綿糸を組み上げた物だ。だがしかし、ルカスは元よりエミリアでさえもそれを見るのは初めてらしく何なのか解らないようで、ルカスを降ろし店員らしき人物へと尋ねる事にした。 「ほぉ、これで髪を括ったりすんのか。ルキ、だとよ」 「これほしい」 エミリアの言葉に頷いたルカスが緋色メインの組紐を指差してそんな風に言う。 ルカスがそんな事を言うのは珍しい故に驚きに少し目を見開くエミリア。 「って欲しいって、ルキは括るほど髪ねぇじゃねぇか」 そう。ルカスの髪の長さはけして長くない。括ろうとしても括る事などできないだろう。そう思ってエミリアは言うが、ルカスは首を横に振る。 「ちがう。えみりあの。えみりあ、これきれい。にあう」 「おーおー。こりゃ、ちびの癖に口説き文句は一丁前だ。わぁった。買おうじゃねぇか」 ルカスのその言葉に思わず笑みを零すエミリア。まさかまだ幼いとすら言える年齢であるルカスにそんな事を言われるとは思いもしなかったのだ。 だが、傍で話を聞いていた店員は内心で驚いていた。 ルカスが選んだその緋色メインの組紐は確かにエミリアに似合うと店員も感じたのだ。炎のように赤い瞳に退廃的なものさえ感じる灰色の髪。それらを彩る物として間違っていないのだ。 そして、エミリアはその緋色メインの組紐とは別に、その横にあった黄色がメインの組紐も手に取り、店員に金を払って購入する。 「ほれ。これはアンタの分だ。手ぇ貸しな。これアンタの手首につけてやるよ。ああ、悪くねぇ」 「おそろい。えみりあとおそろい」 「あぁ、そうだな」 エミリアによって手首に括りつけられた黄色い組紐を見て、ルカスは嬉しそうに何度もお揃いと言っている。 そんな様子を見ながらエミリアは自らのざっくりした三つ編みへと緋色の組紐を括る。 「さーて。おら、ルキ。買い物の続きだ」 「うん」 満足そうにまだ黄色の組紐を見ていたルカスをひょいっと抱えるエミリア。 「あー。中々良いのねぇなぁ。服は良い布があったから問題はねぇけどなぁ」 服に関しては良い布が見つかった時点で、最低限は達成していると言える。 問題なのは食器であった。ルカスはまだ幼いので、あまり大きいと扱い辛い。コップなんかは両手で持てるくらいの大きさで、出来れば木製の物が良いと考えていた。陶器類だとルカスが割る可能性があるからだ。 「ちぃと小腹が空いたな……」 水上マーケットへと二人が来てからそれなりの時間が経過している。 更に歩き回って店を巡っているのだから、お腹が空くのも当然と言えるだろう。 すると、そこに肉が焼ける良い匂いが漂ってきてエミリアの食欲を刺激する。 「えみりあ。やきにく」 「あぁ、この匂いは串焼きか」 匂いの元を辿ればそこには串焼きの屋台があった。手際よく焼かれる肉からは湯気が立ち、道行く人達へと匂いをダイレクトに届けていた。 普通の飲食店でもこういった良い匂いというものは漂うが、屋台ともなでばそれは更に際立つ。 「丁度良いな。後でちゃんと食うとして、とりあえずはあれで済ませるか」 そう言ってエミリアはその匂いに釣られる人達と同じように屋台の方へと向かうのであった。 ●朱色の簪 「色々見て回ったらお腹空いたね。食堂に何か食べに行こうぜ!」 「珍しいもの沢山あったわね。確かにちょっとお腹空いたわね。はしゃぎすぎたかしら」 水上マーケットにて買い物を済ませ、そんな風に言葉を交わし合うのは碧希・生田と朱輝・神南の二人だ。 どうやら二人が見た事のないような珍しい物などが沢山あった為、本人達が思っている以上にはしゃいでいたようですっかりお腹が空いてしまったようだ。 「話には聞いてたけど、かなり色々な物があったね、このマーケット」 「何か雑多に集まってるって感じで見て回るのも一苦労だったなー」 二人はこのマーケットの事を話しながら、人混みの中を進み食事を摂る為に食堂を目指す。 幸いな事に今の二人はお腹が空いている為、匂いにそれなりに敏感だ。直ぐに食堂がある場所を判別する事が出来たので、空席のありそうな、適当な店へ入る事にした。 席に着いたら即座に注文をする二人。もはや悩む時も惜しいと言うくらいには二人のお腹はペコペコだ。 「おっ。きたきた。おー、うまそー!」 「ふふ。すっかりお腹空いちゃってるから匂いでもう大変な事になってるわね」 碧希が自らの前に運ばれて来たアサリの酒蒸しを前に舌なめずりしてそうな感じで言えば、朱輝はサーモンのトマトクリームパスタの匂いで更にお腹が空いて来るのを感じていた。 こうして昼食が来たのだからこれ以上待つのはある種の自殺行為とも言える。二人は早速食べる事にした。 「そうだ、朱輝に渡そうと思ってたものがあったんだ」 「……渡したいもの? 碧希君が、私に?」 暫くの間、互いに一生懸命食べていたところで頃合いを見計らって碧希が懐からごそごそと小さな紙袋を取り出す。 「驚かせようと思ってこっそり買っておいたんだよね、へへ。はい、これ開けてみてよ!」 「何かしら?」 碧希から差し出された小さな紙袋を受け取り、朱輝は開けても良いかを聞いてから開封する。 「これは……簪? 確か、ニホンの髪飾りよね」 「それ、トンボダマ? って言うんだってさ。そうそう、ニホンから仕入れたって言ってたけど綺麗だなって思ったし、朱輝に似合うと思ってさ」 小さな紙袋の中に入っていたのは朱色の硝子玉のついた簪であった。 この簪を見つけた時、碧希は脳裏に閃いたのだ。これは絶対朱輝に似合うと。簪というものは髪飾りの中でも繊細さを持つ物だが、この簪は朱輝の魅力と合致している。 「それにしてもとっても綺麗。光に透けてきらきらしてる。本当に私、貰っていいの?」 「勿論。だってそれ、朱輝の為に買ったんだぜ」 他の誰でもない碧希が自分の為に買ったのだと言う物を返す程、朱輝は無粋ではない。 嬉しそうに微笑んで大切そうにその簪を見つめた後、碧希へと礼を言うのであった。 「ふふ、ありがとう。大切にするわね」 「へへ、どういたしまして! ……ね、今ちょっとつけてみない?」 礼を言われた碧希と言えば、少し照れ臭そうにしながらも受け取る。そして、悪戯っぽく笑ってそんな提案を朱輝へとする。 「……え、此処で?」 「うんそう。いやさー、それ見た時にもう直感みたいな感じで朱輝に似合うって思ったんだよね。だから、直ぐにでも見てみたいんだ、それをつけてるところ」 「ま、まぁ、そんなに大変なわけじゃないし、良いけど。んーと……こうかしら?」 プレゼントしてくれた碧希にそこまで言われては朱輝としても悪い気はしない。 簪はようは髪飾りなのだから、つけるの自体が大変というわけでもないのでその頼みを了承し、つけてみる朱輝。 「ど、どう……? おかしくなってない?」 「やっぱり、よく似合う。簪も綺麗だけど、朱輝の素材がいいからだね」 普段と違う物をつけているからか、少しだけ恥ずかしそうな朱輝。簪なんてつけた事もないから似合っているのか本人には解らないのだ。 一方で、碧希と言えば自分の直感は間違っていなかったのだと納得するように頷いていた。そして、やはり朱輝は綺麗なのだと告げる。 「! ……もう! そういうこと軽々しく言わないの」 「ええ? でも本当にそう思ってるよ」 耳を赤くしながら抗議する朱輝に対してそんな風に返す碧希。 だが、朱輝からすれば本当にそう思っているからこそ問題なのであった。 「年頃の女子はそういう褒め言葉に弱いんだから!」 「俺、お世辞でそんな事言わないって。それに朱輝だから言うんだよ」 年頃の女子と言っているが、より正確に言えば朱輝が弱いという注釈がつきそうである。 しかし、そんな朱輝の抗議に臆する事はなく碧希は言いたい事だけを言う。 「全く、人たらしなんだから。……でも、ありがと」 「どういたしまして!」 ため息交じりに言った後、そっぽを向きながらそんな事を言う朱輝。その様子は誰が見ても照れ隠しであった。 勿論、それは碧希とて理解できており、満面の笑みで返事をする。 本日の水上マーケットでの二人のデートはどうやら大成功と言って良いようである。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |
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[3] 朱輝・神南 2018/03/26-23:39
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[2] エミリア・リンク 2018/03/25-22:59
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