【魔女】ハロウィンに街で合コン
普通 | すべて
8/8名
【魔女】ハロウィンに街で合コン 情報
担当 春夏秋冬 GM
タイプ ショート
ジャンル イベント
条件 すべて
難易度 普通
報酬 通常
相談期間 5 日
公開日 2018-10-17 00:00:00
出発日 2018-10-25 00:00:00
帰還日 2018-11-01



~ プロローグ ~

 ハロウィン。
 それは仮装とお菓子の祭典だ。
 正式ないわれはあるのだが、今ではお祭り騒ぎのひとつとして、様々な催し物が開催されていたりする。
 いまリュミエールストリートで行われている物もそのひとつ。
 それがリュミエールストリートを使っての合コンだ。
 リュミエールストリートに仮装姿で赴いて、同じく仮装姿の相手に声を掛け。
 相手がその気になれば、お喋りやちょっとしたお買いもの。
 気が乗れば、食事にお酒。
 その先は、お互い合意でひとつよろしく。

 言ってみれば、気軽なナンパとデートの場を提供するということだ。
 もっとも、あくまでも同意の上の話。
 リュミエールストリートに店を構える商店としても、野暮でつまらぬ輩はお断りと、冒険者達を雇って周囲を警護して貰っている。
 なので安全が保障される中で、ちょいと浮かれた気持ちで訪れる者も多い。
 
 カフェテリア「アモール」では、カボチャのラテアートを楽しむカップルが。
 大手ファッションショップ「パリの風」では、様々な仮装姿を楽しみ、時にねだられる光景も。
 フリーマーケット「オルヴワル」では、お菓子の屋台や魔女やカボチャの人形など、ハロウィンにまつわる物が売られている。
 飲み屋街「ボヌスワレ・ストリート」に目を向ければ、明るく楽しく飲んで騒ぐ者達も。

 そんなリュミエールストリートで行われている、ハロウィンにかこつけた合コンに浄化師達は参加することに。
 もちろん指令である。
 理由は一つ。魔女のテロを防ぐための抑止力としてだ。

 魔女の過激派である怨讐派が、ハロウィンに人食いをするべく動き出した。
 それを防ぐために参加するよう指令を受けたのだ。
 もっとも、警護が厳しいリュミエールストリートに魔女が来る可能性は低いので、盛り上げも兼ねて楽しんでくるようにとのお達しが。
 そうしてアナタ達はリュミエールストリートでの合コンに参加している。

 魔女が居ることに、気付けぬまま。

「貴女が生きて帰って来れて、本当に好かったわ」
 魔女アルケーの言葉に、魔女セパルは返す。
「ありがとう」
 2人が居るのは、臨時で設置されたオープンカフェ。
 合コンで立ち話というのも味気ないので用意された物のひとつに、ウボーとセレナという名前の男女2人と共に居る。
 合計4人。
 穏やかにお茶をしながら、その場に居た。
 燃えるような赤毛をしたアルケーは、友であるセパルに言った。
「それにしても、相変わらず無茶をするわ。教団に直談判しに行くなんて」
 いま彼女が口にしたのは、セパルが教団に赴き、教団「室長」であるヨセフ・アークライトに会いに行ったことだ。
 これにより、魔女の過激派である怨讐派のテロ行為が事前に伝わり、現在は浄化師による抑止が行われている。
「ごめんね、心配させちゃって。でも、必要な事だったから」
 セパルの言葉に、変わらぬ穏やかな笑みを浮かべたままアルケーは返した。
「気を付けてね。貴女が殺されでもしたら、私は怒りで爆発しちゃう」
 爆炎の魔女とも呼ばれるアルケーに、セパルは変わらぬ笑顔で返す。
「気を付けるよ。それにしてもアルケー、キミは他の怨讐派の子達と一緒には行動しないんだね」
「ええ。だって、子供を食べるって言うんですもの。ダメでしょ、そんなの」
 どろりとした濁りを瞳に宿し、アルケーは続ける。
「子供を殺すだなんて。そんなの、アイツらと一緒だわ」
 夫と子供を魔女狩りで殺されたアルケーは、断言するように言う。
「私たちは魔女だもの。魔女狩りをした人間なんかとは違うわ。だから、参加しないことにしたの」
「これからも?」
 セパルの問い掛けに、アルケーは笑顔で返す。
「心配しないで。少なくともここで、私は何も出来ないわ。この距離なら、私が何かするよりも早く、首を刎ねるぐらいは出来るでしょう?」
「嫌だよ」
 セパルは即座に返す。
「君を死なせたくないし、殺したくない。そんなことのために、教団に連れて行かれそうになったキミを助けた訳じゃないよ」
 これにアルケーは、これまでとは違う、泣きそうな表情を一瞬だけ浮かべ返した。
「冗談よ。私も貴女に殺されたくないわ。それに、私の復讐は終わってるもの」
 お腹に手を当てながら、アルケーは続けて言った。
「でも、復讐できずにいる子達や、心の整理がつかない子達は違うわ。殺そうとするでしょうね」
「だから止めたいんだ、アルケー。キミなら、他の怨讐派の子達の動きを知っているんじゃないかな?」
 これにアルケーは、微笑みを浮かべながら応えた。
「居るわよ、ここに。若い子達を、ここに連れて来てるの」
「それは知ってる。だからこっちも、世俗派の若い子達を連れて来てるんだ」
 多くの人々でごった返すリュミエールストリート。
 ここに何人もの魔女が訪れていると、セパルとアルケーの2人は言っている。
 だが、それは問題ではなかった。
「大丈夫よ。怨讐派に居ると言っても、あの子達は人間を傷付けられないわ」
「だろうね。でも、止めてくれる誰かがいなきゃ、どうなるか分からない」
「だから、世俗派の若い子達を連れて来たの?」
「そうだよ。それに――」
 セパルは信じるような笑顔を浮かべ言った。
「浄化師の子達も、ここには来てるんだ」
「……浄化師が、助けてくれるというの?」
「違うよ。ここに魔女が来てることは伝えてないから。でも、間近で浄化師を見ることが出来るチャンスだよ」
「それで何かが変わるかしら?」
「分からない。でも、切っ掛けにはなるよ」
 セパルは、リュミエールストリートを歩いている魔女達と、浄化師達に視線を向け言った。
「知らなきゃ、何も変わらないよ。魔女の中には、浄化師を殺し屋みたいに思ってる子もいるからね。身近で見れば、自分達と同じだって、思えるかもしれない」
「……そうね。そうなれるなら、良いわ」
 静かにアルケーは返し、セパルと同じように若い魔女達と、そして浄化師達に視線を向けた。

 そうした中、アナタ達はリュミエールストリートでの合コンに参加しています。
 魔女が居ることも、魔女に見られていることも知りません。
 ですがアナタ達が、アナタ達にとっての日常を過ごしている所を見ることで、若い魔女たちの意識が変わる切っ掛けになるかもしれません。
 そのためにも、リュミエールストリートでのハロウィン合コンを楽しんでください!


~ 解説 ~

○目的

リュミエールストリートでのハロウィン合コンに参加する。

仮装姿で、参加することになります。

お好きな仮装姿をプランにてお書きください。

○参加方法

以下の中から選んでください。

1 パートナーとデート
純粋にデートでも、指令なのでデートを装っているつもりでも、どういう思惑でも構いません。傍から見てデートをしているように見えれば良いです。

2 ナンパをする・される
純粋にナンパをするでも、指令なのでパートナーと別れてナンパをする、あるいはされるでも構いません。
ナンパをしたりされたりするパートナーにやきもきするでもオッケーです。
なおナンパに関わる相手は、高確率で若い魔女達になります。その際は、相手が魔女だという事は気付けません。
魔女は、女性も男性もいます。

3 魔女をナンパする
プロローグで出てきた魔女NPCをナンパします。
オープンカフェでお茶をしてる所をナンパすることになります。
魔女だという事は気付けません。
この3つの中のひとつ、もしくは組み合わせる形でプランをお書きください。


NPC
魔女 セパルとアルケー
その他 ウボーとセレナ(死亡を装って魔女に協力している浄化師)。
魔女アルケーは過激派である怨讐派の所属。魔女セパルは穏健派である世俗派に属しています。
セパル・セレナ・ウボーは、私の既出エピソード「ダンジョンに挑戦しよう」シリーズに出ているNPCと同一人物です。
冒険者を装って活動をしています。


その他
魔女に絡まなくても大成功になり得ます。

以上です。
それでは、ご参加をお待ちしております。


~ ゲームマスターより ~

おはようございます。もしくはこんばんは。春夏秋冬と申します。

今回のエピソードは、ハロウィンと魔女に関わる物になっています。

ヨセフ・アークライトをはじめ、エントランスによく顔を出すNPC達は頑張っているのですが、過去の教団のやらかしが今も因縁となって続いています。

それを変える切っ掛けのひとつとして、今回のシナリオへのご参加をお待ちしております。

今回も含めて、他の【魔女】とタイトルに付いたシナリオの結果で、今後のシナリオが追加で出て来たり、情勢が変わるかもしれません。

ですので、今回も含めまして、他の【魔女】とタイトルに付いたシナリオに興味を持って頂けましたら幸いです。

それでは、少しでも楽しんで頂けますよう、判定にリザルトに頑張ります!





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

ルーノ・クロード ナツキ・ヤクト
男性 / ヴァンピール / 陰陽師 男性 / ライカンスロープ / 断罪者
■参加方法:2
ルーノは気楽に参加
ナツキは合コンにそわそわ
 ナツキ:な、なぁ、俺も女の子に声かけた方がいいのか…?
 ルーノ:ほう、君にそんな大胆な事ができるとは
 ナツキ:バカにすんなよな!俺だってそのくらい、その…(目を逸らし

そうこうしているうちに二人そろってナンパされ、うろたえるナツキを見てルーノが少し考え
お誘いを是非にと受けた上で女性陣へ一言
 ルーノ:彼はどうも奥手でね。素敵な女性を前にして少し照れてしまっているだけだ、気にせず構ってやって欲しい
 ナツキ:!?

慌てるナツキを「レディに恥をかかせるわけにはいかないだろう」とか耳打ちしルーノが丸め込む
にこやかに女性陣に接するルーノに、緊張気味のナツキが続く
フェイ・ロイ キサ・ロイ
男性 / アンデッド / 魔性憑き 女性 / 人間 / 断罪者
希望 2 ナンパされる

仮装
フェイ キョンシー
キサ 魔女 真っ黒いゴスロリ

真っ白いチャイナ服のフェイが目の前で男にナンパされて動揺するキサ
「俺、男…?」
相手が知っている、みたいなことを言ってぐいぐいくるのにますます動揺するキサ
「…てめぇのイチモツ潰して使えなくするぞ」
本気で蹴ろうとするフェイにますます動揺するキサ、なんか喜ぶナンパ野郎
修羅場

喜んだ相手にただ飯を奢られて、なんか気が付いたらナンパの数が増えていて酒とか奢られている
よくわからない空間

ドウシテコウナッタンダロウとキサは遠い目をする
ナンパどもの端っこでキサは平和にご飯食べる

ナンパ=ただ飯 キサ覚えた
ナンパ=殴ればいい フェイ覚えた
シュリ・スチュアート ロウハ・カデッサ
女性 / マドールチェ / 占星術師 男性 / 生成 / 断罪者
楽しそうな雰囲気のお祭りだけど、ロウハはなんだか難しい表情をしてる
そもそも、合コン…ってなに?

なるほど、出会いのためのイベント…
いまいち理解できなかったけど、ロウハの表情の理由はわかった
…行ってきたら?
指令だし、その方がいいんでしょ?

カフェで適当な飲み物を頼んで一人で過ごす
ロウハは視界の外
仕方ないとはいえ、やっぱり寂しい

ふいに声を掛けられて驚く
一人だから心配されたのかしら
ロウハは知らない人にはついていくなって言ってたけど…話をするくらいならいいわよね

この人、何故かたくさん褒めてくれる
わたし、そんな大層なものじゃないと思うけど…なんだか不思議な気分だわ

…ロウハには、褒められたりしたことなかったな
リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者
1と2

内容?
受付けの教団員さんが「町の見回りも兼ねて楽しんできて」って…
合コンも聞いてきたわ 「参加者と仲良くなる場所です」だって
何か間違ってる?…変なシリウス
首をこてんと傾げ
 
赤ずきんの仮装 バスケットにお菓子を詰めて
出会った人に渡してにこにこと談笑

近づいてきた男の人を不思議そうに見上げて
つきあう…?
あ、はい いいですよ
どこまでおつきあいすればいいですか?
わたしもこの辺に詳しくないので お役に立てるかわからないですけど…

ぎゅっと抱き寄せられるのに小さく声をあげる
シリウス?
思ったより近くにある彼の顔にどきり

休まないか という提案にぱっと笑顔
じゃあさっきのカフェがいいな
ケーキがとても美味しそうだったの
ショーン・ハイド レオノル・ペリエ
男性 / アンデッド / 悪魔祓い 女性 / エレメンツ / 狂信者
2.ナンパされる
離れ離れになった…
参ったな…ナンパか…大事な人を探しているんだと言っても、探してあげるから一緒に話でもしようとは…押しが強い…
ドクターがいなかったら最悪突き飛ばすなり何なりするんだが…探している身だしな…そんな所で鉢合わせたらあの人が気を揉む

あ?モテただろうって?知らんな
しらばっくれられたら女が可哀想だって?…何の話だ
…シラ切ってる訳じゃあない。昔の事は知らんのだ
第一昔が何だろうと今の俺には守るべき大事な人間がいる
前なら現を抜かしていたかもしれんが、な
だからさよならだ。まあつまらんこともなかったよ
別れた直後、ドクターを見つけて抱き着かれ
どうかしましたか?さあ、一緒に帰りましょう
アリシア・ムーンライト クリストフ・フォンシラー
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / アンデッド / 断罪者
・仮装
オレンジ色のワンピースに黒いベスト
とんがり帽子の魔女姿

今回の指令は合コン…合コンってなんですか?
あ、はい
ごめんなさい、私、あまり人付き合いなかったので…

知らない人と…いえ、このままクリスと一緒がいいです
だって、初めて会う人とよりクリスの方が…

見上げて目が合い顔を伏せる
私…今、何を言おうとしたの…?

クリスを待つ間に知らない男性から声を掛けられて戸惑う

あ…合コンって、もしかしてこう言う事、なんです?
ど、どうしよう…これって断っていいんでしょうか

考えてたらどんどん距離を詰められて後ずさり
クリスの顔を見てホッ

あ…連れがもういます、って言えば良かったんですね
助けてくれてありがとう
嬉しそうに微笑んで
黒憑・燃 清十寺・東
男性 / ヴァンピール / 狂信者 男性 / 人間 / 墓守
【2】

■ 祓魔人行動


放り込まれた集団に揉みくちゃされながら心の中で東のことを恨む。
声を掛けられたらもの凄く適当に返事。

これも何回言わせるんだ?俺はなぁ、アンタに惚れてるんだぜ。
有象無象に興味はないって言ってるんだ。

どうしてもって言うなら東も一緒に来い。
今度は喰人の手を取って共に参加。

■ 喰人行動

黒憑を適当な集団の中へ放り込んで、自分は遠くからそれを見守る。
黒憑が失礼なことを言いそうになったらギロリと睨みつける。
誰かから声をかけられたら
自分に妻が居ることを伝え、今回は連れの「お守り」で来たのだと説明。

黒憑のことを、厳格な父親に縛られて苦しんでいた
かつての自分と重ねて見ているのかもしれない。
ラウル・イースト ララエル・エリーゼ
男性 / 人間 / 悪魔祓い 女性 / アンデッド / 人形遣い
※アドリブ歓迎します



仮装…ドラキュラ

貴族の晩餐会には参加したことがあるけど
合コンは初めてだな…
というか、浄化師が合コンをする必要があるのだろうか?

(ララエルに合コンの説明をする)

(ララエルの手にキスをする男に)
お前、何してる!

(ララエルを背に庇い)
俺は子供じゃない! 無礼者、去れ!

貴様…! 父上を愚弄するか!

大丈夫だったかい? ララ。
(ララエルの髪を撫でながら)

うん、たまにはね(恥ずかしそうに)

今あの男の跡を消してあげるから。
(ハンカチでララエルの手を拭き、キスをする)


~ リザルトノベル ~

 リュミエールストリートでの合コンイベント参加指令。
 浄化師達は、それぞれ思い思いに参加していた。


●Wデートをしよう
「な、なぁ、俺も女の子に声かけた方がいいのか……?」
 頭や手足に包帯、首に首輪姿の『ナツキ・ヤクト』の問い掛けに、黒いフード付きマントとドクロの仮面姿の『ルーノ・クロード』が返す。
「ほう、君にそんな大胆な事ができるとは」
「バカにすんなよな! 俺だってそのくらい、その……」
 きまり悪げにナツキは目を逸らすと、視線の先にはナンパをしている男女の姿が。
(周り見ると結構ナンパとかしてるなぁ……)
 気楽に参加したルーノとは違い、ナツキはそわそわと。
 そこにエレメンツに見える若い女性が2人近付く。
「綺麗な尻尾ね」
「2人ともお暇かしら?」
 魔女姿の女性2人、エレナとリリィが逆ナンパ。
「え、暇って……」
 急に声を掛けられ慌てるナツキを、フォローするようにルーノが返す。
「一緒に街を見て歩く相手を探していたところだよ。もしよければ、エスコートさせてくれないかな?」
 すっと手を差し出すルーノに、エレナとリリィは楽しげに笑顔を浮かべ。
 リリィが、そっとルーノが差し出した手をとって、ルーノが軽く引き寄せれば、リリィは寄り添うように近付く。
「貴方は、手を取ってくれないの?」
 寂しげ言うエレナに、どう返して良いのか慌てるナツキ。
 そこにルーノが助け舟を出すように言った。
「彼はどうも奥手でね。素敵な女性を前にして少し照れてしまっているだけだ、気にせず構ってやって欲しい」
「!?」
 ルーノの言葉に慌てるナツキ。
 これに耳打ちで返すルーノ。
「レディに恥をかかせるわけにはいかないだろう」
「面白がってないか」
「……面白がっている? まさかそんな」
 ルーノはイイ笑顔を浮かべナツキに返す。
 2人の様子に、くすくすとエレナとリリィは楽しげに笑う。
 そしてエレナは寄り添うようにナツキに近付き遊ぶような声で言った。
「少しだけ、付き合って貰えるかしら。綺麗な尻尾のおにぃさん」
 エレナの差し出した手をナツキは取る。
(こうなったら当たって砕けろ、だ!)
「分かった。一緒に見て回ろう!」
 そして始まるダブルデート。
 屋台で食べ物を楽しみ、大道芸や路上演奏に拍手して。
 最後にお茶をしてお喋りを楽しみ別れを告げる。
「楽しかったわ。ありがとう」
「またどこかで会えたら、よろしくね」
 笑顔でエレナとリリィは礼を告げ、残ったナツキとルーノは一息つくようにお互いに視線を向ける。
「さて、まだ時間があるが。どうする? ナツキ」
 ルーノの言葉にナツキは返す。
「折角だし、もっと見て回ろっか」
「それなら後学のために、デートに誘い易いレストランでも探すとしよう」
 イイ笑顔を向けるルーノに、顔を赤らめながら応えるナツキだった。


●王子様なお兄さん?
「俺、男……?」
 真っ白な東方の礼服姿をした『フェイ・ロイ』は訝しげに声を上げた。
 東方の血に飢えた死者の怪物の仮装をしているので、顔色が悪く見えるよう薄らと化粧をしている。
 その化粧もあってか、陰のある色艶があった。
 だからなのかナンパをされたのだ。
 男に。
 この時点で真っ黒いゴスロリの魔女姿で仮装した『キサ・ロイ』は動揺している。
 しかし更に動揺する言葉が。
「見れば分かるよ」
 相手の男、エレメンツに見える死神装束のガイと名乗った人物は平然と言った。
 これに傍で見ている『キサ・ロイ』は、ますます動揺。
「……てめぇのイチモツ潰して使えなくするぞ」
 本気で蹴ろうとするフェイに、ますます動揺が加速するキサ。
 そんなキサをかたわらにフェイはヒートアップ。
「……蹴る」
「ははっ! イイね! 容赦なしだ!」
 蹴りを繰り出すフェイに、ひょいひょい避けるガイ。
 慌てるキサ。

 そんなことがあって数分後。
 なぜかガイに気に入られご飯を奢られることに。
 しかもナンパの人数が増えている。
 大半が魔女の仮装をした女性だったが、ご飯や酒にお菓子を奢ってくれた。
(ドウシテコウナッタンダロウ)
 遠い目をしながらも、ナンパ達の端っこで平和にご飯を食べるキサ。
 魔女姿の女性たちにお菓子を持って来て貰ったりもした。

 しばらくして、名残を惜しむナンパ達に捕まっているフェイより先に店を出るキサ。
 そこでチャライ男にナンパをされた。

(ものすごいキモイ!)
 全身に走る鳥肌と嫌悪感。
(ナンパキモチワルイ)
 吐き気さえ浮かんでくるキサに、介抱すると言いながら下心丸出しで強引に連れて行こうとするナンパ男。
 そこで気付いたフェイにナンパ男はぶっ飛ばされた。
「大丈夫……キサ?」
 心配して声を掛けるフェイに、どうにかして返そうとするキサ。
「う、うん?」
「立てる? わかった、立てない、お姫様だっこ」
「いや、いや、立てる、たてる……ナンパなんてはじめてでびっくりしたし、けど、予想以上に気持ち悪くて……震えて、あはは」
 怖くて泣きだすキサを引き寄せ、お姫様抱っこをするフェイ。
「……帰ろ、キサ」
「なんか王子様みたい」
 キサの言葉に、フェイは一瞬言葉を止め、静かに返した。
「……そう? 俺は……キサの王子様」
「兄弟でしょ? だからかな、すごく平気」
 キサの無邪気で罪深い笑顔に、沈黙するフェイ。
「そう……だね」
 心の内を隠すような声で返すフェイ。
 そのまま一緒に帰路につく2人だった。 


●離れていても想う人
 街に赴く少し前、『シュリ・スチュアート』は『ロウハ・カデッサ』に尋ねた。
「そもそも、合コン……ってなに?」
 ロウハは何かを堪えるような難しい表情で応える。
「合コンってのは、男女が出会いを求めるイベントだ」
(なんでこーゆー指令が出たのかわかんねーけど、俺は……)
 言葉の後半は口に出せずにいるロウハにシュリは返す。
「なるほど、出会いのためのイベント……」
 いまいち理解できなかったが、ロウハの表情の理由にシュリは気付く。
「……行ってきたら? 指令だし、その方がいいんでしょ?」
 アウェイクニング・ベリアルを避けるために、ロウハはシュリと時折距離を取る必要があるのだ。
「……悪いな」
 シュリが察してくれる反面、罪悪感に襲われるロウハ。
 そんなロウハの様子に気づき、胸の内にモヤモヤとした物を抱きながらも、わざと何でもないかのように送り出すシュリ。
 
 そして2人は街に赴いた。

 シュリは1人カフェでお茶をしている。
 普段は一緒のロウハが居ないので、仕方がないとはいえ寂しい。
 そんな彼女に声を掛ける相手が。
「御一人ですか?」
 突然声を掛けられシュリは驚く。
(一人だから心配されたのかしら)
 元々が箱入り娘なシュリがそんなことを思っていると、エレメンツに見える男性は続ける。
「もしよければ、お喋りに付き合ってくれませんか?」
(ロウハは知らない人にはついていくなって言ってたけど……話をするくらいならいいわよね)
 そして2人でお喋りを。
 レイリーと名乗った彼は話をしながらシュリを褒める。
(この人、何故かたくさん褒めてくれる。わたし、そんな大層なものじゃないと思うけど……なんだか不思議な気分だわ)
 シュリは、この手の言葉に免疫がないのでドキドキする。
 けれど同時に思う。
(……ロウハには、褒められたりしたことなかったな)
「私以外の誰かに褒められたかったですか?」
 驚くように見詰めるシュリにレイリーは返す。
「そんな表情をしてましたから。もしよければ、教えてくれませんか。貴女の思い浮かべた人のことを」
 そうしてお喋りを続ける頃、ロウハもナンパをした相手に同じことを言われていた。

「他の女のこと考えてるでしょ?」
「……それは」
 言葉に詰まるロウハに、ベガと名乗ったエレメンツに見える女性は言った。
「思うことがあるなら、話してあげた方が良いわよ」
 くすりと笑みを浮かべながらベガは続ける。
「楽しませてくれたから、お礼の忠告。大事な人が傍に居てくれる内に、想いは口にしてあげて」

 そうして合コンが終わった後、ロウハとシュリの2人は教団に戻る。
「お帰り。ロウハは楽しめた?」
「それは……お嬢の方は、どうだった?」
 想いを重ねるように言葉を交わす2人だった。


●想いの兆しは、まだ胸の内に
 指令の前に『リチェルカーレ・リモージュ』が持ってきたチラシを見て『シリウス・セイアッド』は固まったあと尋ねた。
「……リチェ。内容を理解して受けてきたのか?」
「内容?」
 不思議そうな表情でリチェルカーレは応える。
「受付けの教団員さんが『町の見回りも兼ねて楽しんできて』って……合コンも聞いてきたわ『参加者と仲良くなる場所です』だって」
 これにシリウスは頭痛を堪えるような表情になる。
(……間違ってはいないが、正解でもない……)
「……そうか」
 疲れたような呟きで返事をするシリウス。
「何か間違ってる? ……変なシリウス」
 首をこてんと傾げるリチェルカーレだった。

 そして2人は街に赴く。
 2人の格好は、リチェルカーレは赤ずきんの仮装。
 シリウスは吸血鬼の仮装だ。
 突っ撥ねる気力がなかったので、そのまま着ている。

 2人が街を巡っていると、シリウスは顔立ちは整っているので声はかけられる。
 けれど無表情で、ほぼ無言なのですぐ相手は離れていった。
 リチェルカーレといえば、お菓子を詰めたバスケットを手に、出会った人にお菓子を渡してにこにこと談笑している。
 老若男女関係なく、皆に渡していた。
 これに女性や子供は笑顔で喜びお喋りを。
 男はといえば、お菓子を貰って口説くチャンスと思いはするが、傍に居るシリウスに気が引けて声を掛ける者は居なかった。

 しかし、この状況で口説く猛者が現れる。
 シリウスが、ナンパしてきた女性の対応に目を離した瞬間、背の高いエレメンツに見える男性が近付き言った。
「ハーケンと言います! 付き合って下さい!」
 これにリチェルカーレは不思議そうに見上げて考える。
(つきあう……?)
「あ、はい。いいですよ」
 リチェルカーレの応えに、目を見開くシリウスと、有頂天になるハーケン。
 しかしリチェルカーレの次の言葉で全てはひっくり返った。
「どこまでおつきあいすればいいですか? 私もこの辺に詳しくないので、お役に立てるか分からないですけど……」
 一瞬で失恋するハーケン。
 シリウスは不憫に思いつつも、リチェルカーレを抱き寄せ言った。
「悪いが、俺の連れだ」
「シリウス?」
 リチェルカーレは小さく驚いたように声を上げ、思ったより近くにあるシリウスの顔にどきりとする。
 そしてハーケン泣きながらダッシュして消え、残ったシリウスはリチェルカーレに言った。
「少し疲れた。何処かで休まないか」
 これにリチェルカーレは、ぱっと笑顔になり言った。
「じゃあさっきのカフェがいいな。ケーキがとても美味しそうだったの」
 シリウスは彼女の笑顔に表情を和らげ、彼女が口説かれた時に一瞬心に浮かんだ焦りに蓋をして、2人はカフェに向かうのだった。


●気付く想い
 離れ離れになった『レオノル・ペリエ』を探していた『ショーン・ハイド』は、エレメンツに見える女性にナンパされていた。
「探してあげる」
 キラと名乗った押しの強い彼女に、ショーンは止むを得ず同行を許す。
(ドクターがいなかったら最悪突き飛ばすなり何なりするんだが……探している身だしな……そんな所で鉢合わせたらあの人が気を揉む)
 そんなことを思いながらレオノルを探すショーンに、キラは占いだと言ってレオノルが居る場所だという所に連れて行く。
 道中、ショーンは会話を交わす。
「あ? モテただろうって? 知らんな。しらばっくれられたら相手の子が可哀想だって? ……何の話だ」
「シラを切っちゃ、相手の子に悪いわよ」
「……シラを切ってる訳じゃあない。昔の事は知らんのだ。第一昔が何だろうと今の俺には守るべき大事な人間がいる。前なら現を抜かしていたかもしれんが、な」
「あら、嘘はついてないみたいね」
「分かってくれたか? だからさよならだ。まあつまらんこともなかったよ」
 レオノルのことを思って気を揉み続けるショーンに、キラは眩しいものを見たように目を細め言った。
「私も、つまらなくなかったわよ。それよりも、そんなに彼女のことが心配なら、傍に居てあげてね」
 そうして2人は別れる。

 その少し前、レオノルはナンパをされていた。

「迷子になっちゃっ……!? だ、誰……?」
 唐突に声を掛けられ、レオノルは驚いて声を上げる。
(これナンパ……? 知り合いの令嬢が言ってたなぁ。こういう輩ってどんな事言っても付きまとうって……)
 少しばかり偏った意見しか知らないレオノルは、テトと名乗ったエレメンツに見える青年に言った。
「……私のこと女だと思ってるの?」
 これにテトは困ったような表情をするが離れない。
(……まとわりついてくる)
 レオノルは、テトを避けるように動くが、ついてくるテト。
 気のせいか、レオノルをどこかに誘導するようにテトはついて行く。
 
 そうする内に、キラと別れたばかりのショーンと出くわすレオノル。
 見た瞬間、心の中で想いが弾ける。

(そうだよね。ショーンも幸せになるといいし……何か、少し寂しい気がするけど、妬いては、いないよ。多分。
 女は学者になれない。そう思った時からそういう感情は………いや、そんなの抜きにショーンと一緒に居たいんだ)
「ごめん。ナンパはお断りなんだ」
 キッパリとテトに言い、ショーンの元に走るレオノル。
 ぎゅっと抱き着いた。
「どうかしましたか?」
「……ショーン、いてくれてありがと」
 気付いた想いを言葉に乗せて伝えるレオノルに、受け入れるようにショーンは応えた。
「さあ、一緒に帰りましょう」
 2人一緒に教団に戻るレオノルとショーンだった。


●心動かされる笑顔
「合コンってなんですか?」
 オレンジ色のワンピースに黒いベスト。とんがり帽子の魔女姿をした『アリシア・ムーンライト』は、指令前に『クリストフ・フォンシラー』に尋ねた。
 これにケモミミと尻尾を付けた狼男姿のクリストフが返す。
「合コン知らないんだ?」
「あ、はい。ごめんなさい、私、あまり人付き合いなかったので……」
「初めて会う男女のグループデートみたいなものだよ。そっちの方がいいなら予定変更するよ?」
「知らない人と……」
 アリシアは、自分がクリストフと違う男性と居る状況を思い浮かべ、反射的に言った。
「いえ、このままクリスと一緒がいいです。だって、初めて会う人よりクリスの方が……」
 クリストフを見上げながら言って、視線が合う。
(私……今、何を言おうとしたの……?)
 恥ずかしさが浮かび顔を伏せてしまう。
「うん? 俺の方が?」
 クリストフは、くすっと笑い。
「続き、そのうち聞かせてくれよ」
 囁くように小さく呟いた。

 そして2人は街に赴く。
 路上演奏に耳を傾け、大道芸人に拍手を送り。
 色々な仮装をした人々に目を向けながら、店を見て回る。
 歩き続け喉が渇き始めた頃、クリストフは言った。
「歩き回ったら喉渇いたね。何か飲み物買ってくるからちょっと待ってて」
 そうしてアリシアが1人になった時、ザザと名乗ったエレメンツに見える男性が声を掛けてくる。
(あ……合コンって、もしかしてこう言う事、なんです? ど、どうしよう……これって断っていいんでしょうか)
 アリシアが考えている内に、ザザは少し距離を詰め。
 それにクリストフが気付く。
(アリシアが男に絡まれてる……?)
 近づいていくザザに、むかっとしながら言った。
「俺の連れに何か用?」
 口調は柔らかく笑顔を浮かべ、だが威圧するオーラ滲ませ言い切った。
「この子はもう約束済みだから他を当たってくれよ。悪いね」
 クリストフの言葉と、彼の顔を見てホッとしているアリシアの様子に、ザザはガックリと肩を落とし、2人に謝ると去って行った。
 すぐに去ったザザに、アリシアは思う。
(あ……連れがもういます、って言えば良かったんですね)
 息を抜くように思っていたアリシアに、クリストフは声を掛ける。
「一人にしてごめん。一緒に行けば良かった」
 自分を真摯に見つめるクリストフに、自然とアリシアは嬉しそうに微笑む。
「助けてくれてありがとう」
「あ、その……どういたしまして」
 見た事の無い彼女の笑顔に、珍しく動揺するクリストフだった。


●今日も想いは平行線
(恨むぜ、先生!)
 魔女姿の集団に放り込まれた『黒憑・燃(クロツキ・ゼン)』は、放り込んだ『清十寺・東(セイジュウジ・アズマ)』に恨みがましい視線を向ける。
 しかし東は平然と、揉みくちゃにされる燃を見ていた。
 そんな事になったのは、こんなやりとりが発端だ。

「丁度良い。アンタ、そこの女子の輪に入って茶でも飲んで来な」
「なんでだよ、先生」
 燃の言葉に、ため息をつくように返す東。
「良い歳なんだから未来の嫁さん捕まえて来いって言ってるんだよ」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ先生。俺は女に飽きたんだ。男だって基本絵のモチーフぐらいにしか思ってねぇんだよ。
 嫁を探せだぁ? ジジイみてぇなこと言いやがって」
 燃の憎まれ口に東は、どこか諭すような声で返した。
「結婚は良いもんだよ、黒憑。価値観が変るし、暗い気持ちがぱっと明るくなるんだ。だから行って来い」

 そして放り込まれ揉みくちゃにされる燃。
 それを見る東は平然と、けれど瞳の奥には僅かに迷うかのような色が感じられた。
 以前、黒憑が物心ついた頃から奴隷人生を送っていたという話を聞いてからというもの、妙に居心地が悪いというかモヤモヤしている。
 黒憑のことを、厳格な父親に縛られて苦しんでいたかつての自分と重ねて見ているのかもしれない。
(いや別に。コイツのことなんて、これっぽっちも心配してねぇけど)
 燃を見ながら、東がそんなことを考えていると、揉みくちゃの集団に引きずり込まれるように引っ張られた。

「先生も一緒に来い!」
「小僧!」
 死なば諸共とばかりに、巻き込む燃。
 一緒に揉みくちゃにされる東。
 早速、口説かれるも、静かに返す。
「悪いが、妻が居る。今日は連れの『お守り』で来ただけだ」
 これに口説いてきた相手は肩をすくめるように離れる。
 見ていた燃は、揶揄するように言った。
「野暮じゃねぇか、先生。俺に女捕まえて来いなんて言っといて、自分は袖にするたぁ、了見が狭いぜ」
「アタシには、もう妻が居る。余計なこと言ってないで、自分の嫁さんを探しな」
 これに燃は、啖呵を切るように言い切った。
「先生よ。これも何回言わせるんだ? 俺はなぁ、アンタに惚れてるんだぜ。
 有象無象に興味はないって言ってるんだ。貰うってんなら、アンタだけだ」
 燃の真剣なプロポーズに周囲から黄色い歓声が。
 しかしこれに東は、バッサリと返す。
「寝言は夢の中だけにしときな、小僧」
 いつもの如く、想いは平行線な2人だった。


●騎士な彼氏とお姫様な彼女
「ラウル、ごうこん? って何ですか?」
 2人仲良く、合コン指令で街を歩いていた『ララエル・エリーゼ』は『ラウル・イースト』に尋ねる。
 どう応えたものか考えたあと、ラウルは返した。
「デートをする相手を探すイベントだよ」
 ラウルの応えに、はにかむような笑顔を浮かべララエルは返す。
「だったら私は、もう見つけてます。ラウルが居てくれますから」
 幸せそうなララエルの笑顔に、ラウルも同じような笑みを浮かべる。
 2人の仲の良さに、ナンパをして来ようとした魔女姿の女性達が、苦笑するようにして離れていこうとした。
 そんな時、お邪魔虫が。
 いきなりララエルの手を取って、キスをする不埒な男が。
「お前、何してる!」
 ラウルは、ララエルを守るように背に庇い、男の前に立ち声を上げる。
 酒瓶を手に明らかに酔った男は、ララエルにニッと笑ったあと言った。
「何って可愛いお嬢さんへの愛情だけど? 君みたいな子供じゃお嬢さんと釣り合わないんじゃない?」
「俺は子供じゃない! 無礼者、去れ!」
「子供じゃないって、あー……よく見たらジェノメスティの子爵様の息子か。ああ、父親は死んだんだっけ?」
「貴様……! 父上を愚弄するか!」
 猛々しく声を上げるラウルに、男は威圧されたのか一歩腰が引ける。
「おーこわこわ」
 腰が引けたのを誤魔化すように、へらへらと笑いながら逃げ出す男。
 逃げ出した所で、どこからともなく現れたカラスの集団に突かれ、魔女姿の女性達に呼ばれた合コンの警護役の冒険者達に連れて行かれる。
 そんな男の姿が見えなくなるまで、ラウルはララエルを背に庇うようにしていた。
 見えなくなると、すぐにララエルに身体を向ける。
「大丈夫だったかい? ララ」
 優しくララエルの髪を撫でながら呼び掛けるラウルを、ほわーっとした顔でララエルは見詰めながら言った。
「ラウルも俺って言うんですね!」
「うん、たまにはね」
 恥ずかしそうにラウルは返すと、ララエルの手を拭いてあげる。
「今あの男の跡を消してあげるから」
 ラウルはララエルの手を取って、優しくキスをした。
「ら、ラウル……恥ずかしいです……」
 頬を赤らめるララエルに、ラウルは優しい笑顔を浮かべ言った。
「デートをしよう、ララ」
「はい!」
 嬉しそうに声を上げるララエル。
 手を繋ぎ2人はデートに。
 貴族の吸血鬼姿なラウルとお姫様姿のララエルは、お姫さまをエスコートする騎士のようにも見えた。
 見ているだけで仲の良さが伝わってくる2人は、そのまま街でのデートを楽しむのだった。


●指令大成功
 かくして、リュミエールストリートでの合コンは盛況の内に幕を下ろした。
 それは合コンに参加してくれた浄化師達が居てくれたのも、大きな要因だ。
 彼らと彼女達が日常を過ごしてくれたお蔭で、魔女達のテロを防いだことは間違いない。

 だからこそ、浄化師達を見ていた魔女は言った。

「好い子達ね。お蔭で、見てたウチの子達は、気がぬけちゃったみたい」
「なら、これで手を引いてくれる?」
「無理ね。振り上げた拳は、早々降ろせないでしょ。落としどころが要るわ」
「なら、決闘だね。こちらが勝てば、怨讐派は手を引く」
「こちらが勝てば、世俗派は黙認ね。良いわ。それで私が話をつけてあげる」

 そして2人の魔女は、その場を離れる。 
 日常を過ごしている浄化師達を、目を細めて見つめたあとに。


【魔女】ハロウィンに街で合コン
(執筆:春夏秋冬 GM)



*** 活躍者 ***


該当者なし




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2018/10/17-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。