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～ プロローグ ～ |
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春の目覚めが感じられる季節。 |
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～ 解説 ～ |
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まだまだ雪が残る山の麓。 |
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～ ゲームマスターより ～ |
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みなさま初めまして。七橋あずまと申します。 |
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◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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ちーずふぉんでゅ？ってのを食べようかな。 キル：戦闘系の指令も良いかなって思ったんだけど、いっつもやってるようなことやってもつまんないだろ？ なんか面白そうなのないかなーって思ってたら、この指令があったわけ ナニカ：ふーん、まぁ良いんじゃないかな。っていうかキル、チーズフォンデュ食べたことなかったっけ。 キル：ないよ。チーズ溶かしただけなんだろ？ ま、味想像つくけどな。 ナニカ：ふふっ、あまいねキル。意外とチーズ入れるだけじゃないんだよ？ つなぎとか入れたり、美味しいんだから。 キル：へー、どれどれ……――！ ナニカ：美味しいでしょ？ キル：なんだこれ、うまいな！ おいナニカも食えよ！ ナニカ：はいはい、ふふっ |
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【目的】 子供はこういったところで遊ぶのも大事かと思い、遊ばせる為に連れて来た。 気分的にはペットの散歩。 自分が参加する気は無かった。 【会話】 フ：ん？ これザックだけで参加できないんだね。 ザ：そもそも！ 何で俺をここに連れて来たんだ！？ フ：ザックは子供だろう？ こういうの好きじゃないかと思って。（だるーん、と見返す ザ：子供だけど！ そういう子供扱いはやめろ！（ぷんすこ 第一、ちゃんとイベントを確認してたら俺一人で参加できないのわかるだろう。（むすー フ：（うーん、どう見ても小動物）駆け回る貴方はかわいいと思ったんだけど。 ザ：俺はペットじゃない！（察した くっそ、ならフィデリオも参加しろ！（ぐいぐい引っ張って移動 |
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～ リザルトノベル ～ |
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アールプリス山脈の麓。 相変わらず寒さは残るものの、この頃は天候も良く、雪解けが始まろうとしていた。 しかし今日もまた、冬との別れを惜しむかのように、雪を楽しむ人々で賑わっている。 そんな中、ある二組もまた、この日を楽しもうと訪れていた。 ●少年と少女が、ふたり 白い髪の少年と、黒い髪の少女。 対照的な色を持ったその二人は、端から見れば友達同士、もしくは姉弟といったところだろうか。 「いつもやってる事をしても、つまんないだろ？」 キールアイン・ギルフォードはきょろきょろと辺りを見回しながら、傍らの少女に話し掛ける。 ここは、この時期になっても一面が白で覆われている。元来こういう土地なのだろうが、冷たい空気を肌で感じ、日常から切り離された場所のような心地がした。 「なんか面白そうなのないかなーって思ってたら、この指令があったわけ」 「ふーん、まぁ良いんじゃないかな」 そう答えるのはナニーリカ・ギルフォード。彼女もまた、すれ違う人々に視線を向ける。友達同士や、おそらく恋人だろうと思われる二人組。しかしその中でも、家族連れが目立つだろうか。何をしようか、あれをやってみたい等という浮足立った声が通りすぎて行く。 彼らのような様子こそあまりないものの、迷わずに歩みを進める二人にも明確な目的があった。 「ちーずふぉんでゅ、ってやつだよな」 彼にとって、馴染みのない言葉なのだろう。発した音からはどことなく、拙い印象を受ける。 「そう、チーズフォンデュね。ていうかキル、食べたことなかったっけ？」 対してこちらは、自然にその言葉を発する。その問いに、彼はこれまでを思い返す。 ――そのような温かな思い出は、いっこうに見当たらない。 「ないよ」 なんでもないような顔で、声で答える彼から、その胸中を窺い知ることはできなかった。 ●青年と少年が、ふたり 「ん？ これ、ザックだけで参加できないんだね」 イベントの概要を確認した細身の青年、フィデリオ・ザッカーバーグが気だるげに呟いた。 隣に立ち、その声を拾った耳をピクリと動かしたのは、ザック・ゲイル。丸い耳に、細く長い尻尾。それらを携えた少年が、むすっとした顔をする。 「そもそも！ 何で俺をここに連れて来たんだ！？」 「ザックは子供だろう？ こういうの好きじゃないかと思って」 怒りを乗せた声もなんのその、やはり怠さを隠さぬ様子で自身より下にある少年の顔を見返す。 「子供だけど！そういう子供扱いはやめろ！」 ぷんすこ。 まさにそんな擬音がピッタリだ。 「第一、ちゃんとイベントを確認してたら俺ひとりで参加できないのわかるだろう」 むすーっと頬を膨らませる。明らかに、怒ってますと主張している。しかし悲しいことに、元々可愛らしい顔の彼がそうしたところで、その可愛さは揺るがないのだ。 （うーん、どう見ても小動物） 知られたら更に怒られそうなことを考えつつ、言葉を続ける。 「駆け回る貴方はかわいいと思ったんだけど」 「……俺はペットじゃない！」 フィデリオの言葉から、何かを察したザック。なんてことだ、完全にペット扱いをされている。 それに、かわいい、ときた。それは褒め言葉ではない。言われるのなら、かっこいい、がいい。 年頃の少年らしい悔しさを滲ませながら、それならば、とフィデリオを引っ張って行く。 「くっそ、ならフィデリオも参加しろ！」 「ええ～」 さて、この二人はいったいどうなることか。 ●とろとろの、しあわせ ひらけた雪原のなか、ひときわ目立つコテージ。外と違い、温かい空気に満ちていた。 当然、暖炉の火によるものなのだが、ほかにも――そう、人々の幸福感だ。子供や女性は勿論のこと、男性もその美味しさに顔が綻ぶ。 ナニーリカと共に空いている席へ着いたキールアインは、周囲の雰囲気に不思議そうな顔をする。 「チーズを溶かしただけなんだろ？ ま、味は想像つくけどな」 どうせ大したものじゃない、そう言いたげな彼に、ナニーリカは笑みを零した。 「ふふっ、あまいねキル。チーズを入れるだけじゃないんだよ？ つなぎとか入れて、美味しいんだから」 そう、その通りなのだ。 まず、ひとことでチーズと言ってもすべてが同じわけではない。製造過程で味は様々に分岐する。それらを組み合わせた時に生み出されるハーモニーの、なんと素晴らしいことか。 そしてさらに、お酒やちょっとした調味料も混ざることで、一言では足りない程の深い味が誕生する。 もしも、彼らから離れた席に座っているチーズを愛してやまない女性がキールアインの言葉を聞いていたとしたら、チーズを馬鹿にするでないと心の中で憤慨したことだろう。 そして、続くナニーリカの言葉を聞いていたとしたら、その通り！よく言ってくれた！と心の中で拍手を送ったことだろう。 ――それはさておき、ついに二人の前にとろとろに蕩けたチーズが登場する。予め注文していたパンやソーセージ、野菜も一緒だ。 「まずは定番のこれかな」 ナニーリカは小さく切られたパンを専用のフォークにさし、はい、とキールアインに渡す。受け取った彼は、どうしたらいいのだろうかと、戸惑い気味だ。 「そのままチーズに絡めてみて。あんなふうに」 近くの席の家族連れを指し示す。母親と父親、そしてまだ幼い姉弟。そのなかの男の子が、ソーセージをチーズに絡め頬張った。キールアインも、同じようにやってみる。そして口に入れた瞬間、表情が変わる。 「……美味しいでしょ？」 確信を持った声色で、問いかける。顔を見れば、返ってくる答えは決まったも同然だ。 「なんだこれ、うまいな！」 ――ほら、やっぱり。 もぐもぐと咀嚼して飲み込んで、その美味しさを伝える彼は先ほどまで興味無さげにしていたとは思えない程、興奮した様子だ。大したものでないと思っていた分、その美味しさが衝撃的だったのだろう。 アツアツとろとろ、魅惑のチーズフォンデュ。彼もすっかり、それに魅了された者の仲間入り。 「おいナニカも食えよ！」 こんなに美味しいもの、俺だけじゃ勿体ない。そんな思いが伝わってくるようだ。 「はいはい、ふふっ」 自然と、笑い声が零れ落ちる。 そう言われたものの、彼ひとりで食べきれてしまうんじゃないか、という勢いだ。だからナニーリカは、次はこれなんてどう？ と新たな具材を勧める。 勧められるまま、美味しそうに頬張るキールアインの顔を見て、彼女は微笑まずにいられなかった。 （見ているだけ。それなのに、私もなんだか美味しいものを食べたときみたいな、気持ち） これが所謂――、 「あ、キル。チーズが零れそう」 「いいからナニカも食べろって！」 テーブルの上に垂れるチーズのことなど気にせず、先ほどと同じ調子で言うキールアイン。 服が汚れちゃうでしょう、とたしなめるナニーリカ。 そんな彼らの姿は、周囲にいる人々から見れば、どこにでもいる仲の良い姉弟そのもの。 ――しあわせ、というのは案外、こうして転がっているものなのかもしれない。 暗い世界に生きていた二人。だが、いまこの時は、この明るい世界が彼らの世界だ。 ●まるまる、だるだるだるま フィデリオとザックが雪だるま作りに勤しんでいる。 ――いや、正確にはザックが、である。 フィデリオといえば、基本的には傍で眺めるだけ。たまーに手伝ったり、手伝わなかったり。 雪の上でしゃがみ込み、全身でやる気のなさを表す彼に、ザックはお怒りだ。ただそれでも、雪だるまを作る手は止めない。 「フィデリオ、もう少し手伝ってくれてもいだろ！？」 「僕が手伝ったところで、役に立たないと思うよ？」 ちらり、ちらりと作業の合間に様子を窺い声を掛けるが、のらりくらりと躱されてしまう。 ザックとて、怒りたくて怒っているわけではない。 （楽しみにしてたのに……！） フィデリオに誘われたとき、素直に嬉しかった。研究一筋な彼のことだ。彼自分がイベントに参加したくて、ということはあり得ない。自身の部屋のことさえ、まともにやろうとしないのだ。 だから、この誘いは自分のためだと分かった。だから、今日という日を楽しみにしていた。 それなのに。 実際に来てみるとこの有様だ。一緒に楽しめると思っていたのに、自分ひとりがこうして雪だるまを作っている。そんな状況で怒らずにいられるだろうか。 しかし、それでも雪だるまを作り続けるのは、フィデリオが誘ってくれたという事実があるから。 ころころ雪玉を転がし雪をくっつけ、ぺたぺた雪を叩いて硬くする。 ぺたぺた、ころころ――、 （本当に、小動物だなあ） 一方で、ザックの様子を眺めるフィデリオは懲りずにこんなことを考えていた。声に出したら怒るのは分かっているから、心の中に留めておくのだ。 ザック自身が小柄であるし、なによりも耳と尻尾。小動物以外の何に見えるだろう。 可愛い小動物は構いたくなる。楽しそうにしている姿を見てみたい。だから彼を誘ったのだ。たまにはこうして遊ぶことも大事だろうと。 しかし、まさか自分もこうして参加することになるとは。 せっせと雪だるまを作るザックを見ていると、構いたい気持ちもあるのだが、どうしても面倒だという気持ちが勝ってしまう。 自分では、どうしようもないことなのだ。 ――さて、そうしているうちに雪玉は大きくなり、ザックでは動かせない程に。こうなると、さすがのフィデリオも渋々ながら腰を上げ、手伝いをする。 「この雪玉が顔だから、これを上に乗せてくれ」 「わかったよ」 ザックに従い、雪玉に手を掛ける。これくらいなら――そう思っていたのだが。 「……動かないや」 「はあ！？」 そう、動かないのだ。 沢山の雪をくっつけて固めた雪玉は、想像以上に重い。細身で、しかも研究に没頭する毎日を送っているフィデリオでは、どうにも難しい試練だ。頑張れば動かせそうな気もする……でも気がするだけ。やろうとはしない。 さてどうしたものか、と考えた彼は――、 「そうだ。これは寝ている雪だるまだよ。独特でいいんじゃないかな」 名案だとでも言うような彼に飛んできたのは、またしても怒りの声だった。 とはいえ、持ち上げられないものはどうしようもない。折角ここまで作ったのに、途中で投げ出すようなことはしたくない。 「……仕方ない、それでいくか」 彼をどうこうしようにも、それでは日が暮れてしまいそうだ。 ザックは怒りを抑えながら気持ちを切り替え、その奇妙な雪だるまに仕上げを施した。 結果、ザックとフィデリオが作った雪だるまは、賞をとることはできなかった。 他の雪だるまを見る限り、無理だとは思っていた。それでも一生懸命だっただけに、やはり悔しいとザックは落ち込んだ様子。 だが――、 「ねぇねぇ、どの雪だるまにした？」 「んーとね、おやすみしてた雪だるまさん！」 幼い二人の少女の声。 そのような雪だるまは、あれしかない。 ザックは少女たちの方を振り向く。その顔には、驚きと喜びの入り混じった表情が浮かんでいた。 「……良かったね」 そう声を掛けるフィデリオの口元にも、優しげな笑みが、たしかにあった。 ●そして―― 次第に空は暗くなり、人々もまばらに帰ってゆく。 踏みしめられる雪たちが、そこに居るのもいつまでか。ゆっくりと、しかし確実に、別れの時が近づいている。 白い雪は色のない水になり、いつしか消える。しかし、雪解け水はその土地を潤し、豊かにする。 雪解けのようにゆっくりと、彼らの距離は近づいてゆく。 雪解け水のように、今日の思い出が彼らの心を豊かにしてくれますよう――。
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＊＊＊ 活躍者 ＊＊＊ |
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該当者なし |
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[4] キールアイン・ギルフォード 2018/03/24-22:12
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[3] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/03/23-17:24
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[2] キールアイン・ギルフォード 2018/03/23-01:00
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