~ プロローグ ~ |
東方島国ニホンには四季がある。まあ、どこにでにも季節はあるのだが、ニホンの人たちの誇りだからそういうことにしてあげよう。そして、ニホンには梅雨がある。エクソシストたちが交流のために訪れた時期は丁度、梅雨にさしかかる頃合だった。 |
~ 解説 ~ |
命に支障がないタイプの戦闘系依頼です。神々の目に映える戦いを魅せてあげましょう。 |
~ ゲームマスターより ~ |
お久しぶりです。月村です。リザルトを書くころには梅雨になってるかな、どうだろう。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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模擬戦闘だけど、やるからには本気で行くわ 舞を捧げる舞台だと聞いたので、白拍子の衣装を用意してもらう 魔術真名唱えて前へ 倒す順番は紅>白緑>紫と想定 私自身は白緑の人形を担当、支援職と見て支援の妨害を目的に 回避主体で相手の動きを抑える ただし隙があれば三身撃 シリウスが紅色の人形に攻撃するのを戦踏乱舞で支援 傘で防がれたら 自分は回り込むように動き、相手に傘を振り回させる その隙を狙ってトールに攻撃してもらう 真剣勝負だけど、少しだけ舞台を意識 魔性憑き(バトルダンサー)らしく、演舞のように動く 短剣だけでなく足技等も駆使 哀れ…じゃないけど、お人形さん、私と一緒に踊りましょう? 観客…?そう言えば、何だか気配が… |
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はじめましてヒノキ様 と、ぺこり挨拶 人形だという綺麗な女の人たちにも頭をさげて 精一杯がんばりますので よろしくお願いします 赤い袴の巫女装束に リコちゃんやトールさんもとても似合うわ シリウスも一緒に着ましょう?ね お願い 戦闘開始と同時に魔術真名詠唱 紅色さんに向けて鬼門封印 皆の体力に気をつけ 適時天恩天嗣2で回復を 余裕があれば 九字や耐魔律令でシリウスと同じ相手に攻撃 後方で状況変化見極め 不意打ちなどに気をつけ皆に連絡 傘が盾になることがわかれば 仲間と連携 退魔律令等を使って弾き飛ばしたり 隙を作ったりできないかしら 敵に突っ込む形になるシリウスとリコちゃんにはらはら 無茶はしないで 戦闘終了後 ありがとうございましたと一礼 |
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~ リザルトノベル ~ |
●かくして演者は檜舞台へ 仄暗い舞台裏に、衣擦れの音が響いた。神前試合を捧げる役者たちが、それぞれ身に纏う衣装を選び、身につけているのだ。彼らに付き従って装備の上からの着付けを手伝うのは、檜の神が貸し出した木製の人形たちである。ちなみに、こちらは戦闘機能がついていない簡素な造りだ。 エレメンツの少女、バトルダンサー(魔性憑き)の『リコリス・ラディアータ』は舞を捧げる舞台だということで凛々しくも可憐なる白拍子の衣装を迷わずに手に取った。その相棒であるヒューマンの青年、デビルイーター(悪魔祓い)の『トール・フォルクス』はその鮮やかな朱色の髪を引き立てる華やかな貴族風の狩衣に袖を通さんとしている。全面に広く散らされた金色の刺繍が瞳の色に映えている、と横で様子を見ていた同じくヒューマンの少女、『リチェルカーレ・リモージュ』は思った。 「リコちゃんやトールさん、とても似合うわ……」 シャーマン(陰陽師)である彼女が選んだのは白と赤の巫女装束。暗闇に煌めく銀青の髪と相まって神秘的な雰囲気を演出している。その一方で、リチェルカーレの相棒であるヴァンピールの青年、ジャッジメント(断罪者)の『シリウス・セイアッド』はどこか手持ち無沙汰に立ち尽くしていた。彼は衣装替えに乗り気でなかった。戦闘前に動きにくい衣装で大丈夫だろうか、という思いもあったし、八百万の一柱たるヒノッキー氏(自称)の軽薄なノリに少々困惑していた、というのも一因である。リチェのほうは「はじめましてヒノキ様」と丁寧に頭を下げていたが、本当に礼を尽くしたほうがいい相手なのかはちょっと微妙な気がしている。堅苦しいのが好きそうな風でもなかったし。 そんな心情を知ってか知らずか、彼女は立ち尽くすシリウスの顔を下から覗き込んだ。大きな瞳が備え付けられた篝火を映してきらきらと光る。 「シリウスも一緒に着ましょう?」 「……」 「ね? お願い」 この瞳に見上げられ、そうまで言われてしまっては仕方ない。シリウスは渋々といった体で頷き、衣装を選び始めた。数ある衣装の中から、一番動きやすそうなものを探し出す。結果、彼が選んだのは緑の小袖に黒い袴だった。少々地味かなと思ったが、彼女が嬉しそうに微笑むのでシリウスは困ったように苦笑するほかなかった。 一方で着替えを終えたトールとリコリスは戦いに向けて少し身体を動かしていた。問題なく動けることを確認し、舞台の袖へと足を向ける。 「ニホンの人たちに浄化師の実力を示すいい機会だ。頑張ろう」 「ええ。模擬戦闘だけど、やるからには本気で行くわ」 戦いを前に意気込みは充分。残る二人もじきに追いつき、舞台の袖に演者が揃う。演者は浄化師だけではない。三体の人形もまた、袖に集まっていた。 「精一杯がんばりますので よろしくお願いします」 リチェルカーレがぺこりと頭を下げると、舞台の向こうの人形たちも会釈を返した。会釈を交し合った後、人形たちは反対側の袖のほうへと向かって行く。そうして準備が整い、全員が舞台の上に立てば、緞帳が重々しく巻き上げられはじめた。そのさなか、シリウスの耳は一つ不穏な言葉を拾い取った。この舞台の主、ヒノッキー氏の呟きだ。 「うーん、強さの設定をちょっとミスったかな? ……」 (設定ミス、とは……) 設定ミスとは、聞きたくない言葉が聞こえた気がする。何気ない調子で周囲を見回せば、自分以外は誰も聞こえていなかったらしい。 (とりあえず、仕事をしよう) 真剣な眼差しで前を見据えるリチェルカーレをちらりと見て、内心溜息をつきながら彼もまた前を見据えるのだった。開演の時間だ。 ●第一の剣戟、紅の壊落 舞台の幕が完全に開き、神楽の音色が鳴り響く。敵陣の先頭に立った紅色を纏う人形が日本刀を閃かせ、彼女たちが戦舞の構えに入る。それに呼応するようにして、魔術真名を唱える準備に入る。 リチェルカーレとシリウスは互いに掌を合わせて、眼を伏せて。 「黄昏と黎明──」 リコリスとトールは前を向いて、手をしっかりと繋ぎ合わせて。 「闇の森に──」 二種類のアブソリュートスペルが、赤い花びらの舞い落ちる舞台に凛と響く。 「──明日を紡ぐ光をここに」 「──歌よ響け」 ひらひらと舞い落ちる花弁を巻き上げるようにして放たれたトールの鋭い一撃が、戦いの始まりを告げた。ボウガンから撃ちだされた矢は的確に紅色の着物ごと人形の胴を貫くが、人形は痛みを覚えた様子もなく前へと進む。血を流すことも怯むこともない様は、どれほど人に近い姿をとろうとも人間ではないのだという事を如実に示していた。 迎え撃つようにして、先陣を切ってシリウス、続いてリコリスが檜舞台を蹴った。シリウスは重く力強い足音で、リコリスは軽やかに舞うように、それぞれ前へと駆け出す。 (無茶はしないで……!) 敵の中に突っ込んで行く形になる二人にはらはらしながらも、リチェルカーレは手印を結び、紅人形目掛けて鬼門封印を放った。先ほどの矢の影響もあってか、わずかに動きが鈍る。日本刀を一閃したが、その動きをシリウスは簡単にいなして見せた。 白緑を纏う人形が紅に続く一撃を加えようとするが、その間にリコリスがひらりと踊りこむ。攻撃の対象を変えさせたうえで、放たれた符を躱す。その合間に、リコリスとシリウスは視線をあわせ、短く頷いた。お互いに、踊る相手を定めたのだ。 「そう、あなたの相手は私よ」 リコリスは扇を持つ手を上から抑え、ダンスのリードをするようにステップを踏む。今の彼女の主目的は攻撃ではなく、相手の妨害と味方の支援だ。だから攻撃よりも回避を優先するように、ひらひらと動きながら相手の動きを往なし、力強い足音を響かせる。バトルダンサーの持つ、戦闘乱舞という技だ。 そうして作られた間の中で、シリウスは日本刀持つ紅の人形に一撃を叩き込んでいた。刃の下に翳された朱色の傘ごと叩き斬ろうとして、手に渡った感触にわずかに眼を見開く。甲高い音を立てて双剣が弾かれたのだ。一歩退いて、状況を把握する。この和傘の強度は尋常ではない。シリウスは息を吸って声を上げ、周知する。 「この傘、盾だ!」 人形はその隙に体勢を整え、刀を構えなおす。振り下ろされた白刃を合図に、激しい攻防が再開される。刃がぶつかる殺陣の音が舞台の上に響き渡った。 舞台の上では赤く刃のぶつかりあう殺陣と、白緑の軽やかな舞が展開されている。いずれも激しく動きまわる中、一体だけ静寂の中に身を置いている人形があった。本紫の着物に梅紫の和傘。弓と薙刀を持った人形だ。激しく戦場の中を動き回る人形とは裏腹に、その一体は静謐の中でゆっくりと動き始めていた。ゆったりとした、それでいて無駄のない動きで白い羽の矢を番え、弓を引き絞り、狙いを定める。その狙いに気がついたリチェルカーレが警告の声を上げた瞬間、シリウス目掛けて矢が放たれた。 警告の甲斐あってだろうか、シリウスは咄嗟に身をよじって深手を避けた。それでも放たれた矢は彼の肩を掠め、小袖を浅く裂いた。滲んだ血が一滴、檜の舞台にぱたりと落ちる。 シリウスは奥歯を噛み締め、素早く視線と思考をめぐらせる。 戦局はどこも動いていない。早く、確実に目の前の敵を倒したい。どうすればいいか。まずはこの盾となる傘をどうにかしなければならない。心を決め、彼は一気に踏み込んだ。角度を変え、死角から閃光のような速さで剣を振るう。刃が消えうせたかのような一撃、ソードバニッシュだ。傘の裏側からの攻撃は確実に人形の胴体を捉えた。その事を手ごたえで感じ取る。 人形はきい、と音を立てて首だけでこちらに振り返った。明らかに動きが遅くなっている。ダメージが蓄積してきているのだ。それを確信した直後、人形に射られた肩を柔らかな光が包み込んだ。リチェルカーレが回復をかけ、彼の傷を癒したのだ。暖かい光だった。この暖かさは彼女に向けられたものなのだ、と認識する。痛みも癒え、勢いづいた彼はそのまま一気に止めの一撃を仕掛けた。日本刀の一撃を往なし、カウンターの一撃に引き続いて鋭い斬撃を放つ。双刀を納めた直後、人形の首がずるりと滑った。 滑り落ちた女の人形の首は、檜の床に転がり落ちるよりも尚速く、木材へと姿を変えていた。木材に戻っていくのは首だけではない。頭を失った躰もまた、首元から木製の簡素な人形(ヒトガタ)に戻っていく。大道具としての役を終え、檜舞台の神のかけた術が解けているのだ。 柔らかさとしなやかさを失った手から日本刀が零れ落ちた。音を立てて刀が転がる。木材に戻り行くヒトガタの最後の動きは、手にした和傘を上に向かって放り投げる事だった。 薄闇の広がる空間に、ふわりと朱色が舞い上がる。その様に、全員が一瞬だけ動きをとめて目を向けた。舞台の上の人形も、客席にいる不可視の存在たちも、もちろん戦う浄化師たちも。一瞬の深い静寂と静止の中、舞い上がった和傘は重力に捉えられてくるくると落ち、かたんと音をたてて舞台に転がった。 その音は今や完全に着物を纏う木のヒトガタと化した紅色の脱落を、そして浄化師たちの第一の勝利を高らかに告げていた。 その様を見届けたシリウスが次の相手を撃破すべく振り向いたとき。 同じように、常盤緑の傘がふわりと放り投げられていた。 ●第二の舞踏、緑の墜落 少しだけ時を遡る事にしよう。紫の人形が第一矢を放った直後、紅の人形が剣戟を繰り広げていた頃までだ。そうして、いかにして扇もて舞う白緑の人形が射抜かれ、撃ち落されたかを語ることにしよう。 紅の人形に一発撃ち込んだ後、トールは舞台上を大回りするように駆けていた。死角となる場所を探し、傘に妨げられない射線を確保するためである。舞台の奥のほうで悪くない位置を取ったところで、再び舞台を見回す。 紅の人形とシリウスの剣戟はもう決着がつけられようとしているように見えた。ならば次は白緑の人形だ。扇と符を持ち、舞台の中央で踊るようにしてリコリスと戦いを繰り広げている。リコリスのほうは回避を主体として動き、決定打には至らずとも着実にダメージを与えている。白拍子の衣装を纏ってひらひらと跳びはねながら相手を牽制するさまはどこまでも華やかに見えた。 (こうして見てると、リコはさしずめプリマドンナってところか。そうすると俺はバックダンサーかな) そんな感想を胸に、彼は矢を番えて構える。自分の役目がバックダンサーなら何をするべきか。決まりきっている。 (それなら、リコを思いきり目立たせてやらないと) 姿勢を低く、狙いを定め。 (その為にも、横槍は入れさせる訳にはいかないよな?) トールは弓を引き絞っている本紫の人形に狙いを定めた。本紫の矢はリコリスの背に向けられている。彼女はまだ気付いていないように見えた。トールはそちらに狙いを定め、タイミングを見計らって矢を放った。本紫が引き番えた矢を放とうとしたまさにその瞬間、トールに射抜かれ、矢の軌道がぶれる。その矢はリコリスから大きく逸れた。トールは安堵の息をつきながら次の矢を短弓に番えた。次の矢を放つタイミングを計っているとき、ダークブラウンの瞳がこちらを捉えた。一瞬だけ、視線が交錯した。 薄暗い舞台の奥から、太陽のような金色の視線が向けられているのを感じた。リコリスは一瞬だけそちらに視線を向け、すぐに目の前の人形へと向き直る。真剣勝負の中で、少しだけ舞台を意識して。バトルダンサーの名が示すとおり、演舞のように足技を駆使しながら彼女は動く。人形のほうもそれを読み取っているのだろうかと思うほど、舞うようにして彼女の動きに応え、刃のように符を飛ばしていた。 「哀れ……じゃないけど、お人形さん」 いつもの台詞は少々不適か、と言い直しながら彼女は薄い微笑を浮かべて語りかける。 「私と一緒に踊りましょう?」 短剣を振るい、回り込むようにして動く。人形が大きく傘を振り回した瞬間、リコリスは後ろに跳んだ。間髪いれず、その隙をついて一本の矢が白緑の着物を裂いて人形を射止めた。これを狙っていたのだ。後ろに着地し、短剣を握りなおす。まだ終わってはいない。 彼がこちらをフォローするつもりでいたのはとうにわかっていた。紫の人形がこちらを射るのを阻止したことにも気付いている。こちらを狙っている事に気付いた上で、その処置を彼に預けていたのだ。 一歩踏み込んで、姿勢を崩した相手の懐に飛び込む。そのまま三身撃を入れ、すれ違うように高く跳んで離脱する。相手がこちらに向き直って跳んだ直後、第二の矢がその胸を貫き、撃ち落した。がしゃんという音が響き、人形が膝をつく。胸を貫く矢を中心に、人形の白く滑らかな肌は木目の目立つ木へと戻っていく。ヒトガタに戻りきる直前に、人形は常盤緑の傘をふわりと放り上げた。先立って投げられた紅色を追う様に、ふわりと傘が舞い上がり、舞台の上に転がった。 ●最後の戦闘、紫の陥落 緑が脱落し、舞台は急に静けさを纏った。その上で、視線は全て一点に集まる。視線が交錯するその中心で、最後に残った本紫纏う人形は鏑矢を放った。びょう、と音を立てて奔る矢が最終局面の始まりを告げ、それに呼応するように再びシリウスとリコリスは床を蹴る。奇しくもこの舞台の始まりとよく似た構図だった。 シリウスが駆けながら飛来する矢を叩き切った。その間に紫の人形が弓を背中に回し、薙刀を構える。手にした薙刀を横に一閃し、リコリスらの接近を阻む。続けて射られた矢を傘を投げて防ぎ、すぐさま掴みとってシリウスの斬撃を食い止める。明らかに、先ほどまでの二体より強い。ひょっとすると他の二体が斃れたことで力が集中しているのかもしれない、とリチェルカーレは推理した。 本紫の人形は他の三人を相手に全く退く気配を見せない。この盾をどうにかする必要がある。軽く傷を負ったリコリスを癒し、リチェルカーレはまっすぐ前に進み出た。巫女の衣装を身に纏い、身構えもせず歩いてくるリチェルカーレに人形は表情を変えないまま傘を振りぬく。その和傘が身を打とうというとき、リチェルカーレは毅然とした眼でその瞬間を捉え、静かに律令を唱えた。 途端、衝撃が奔った。人形の方に、だ。梅紫の和傘が後ろへと吹き飛ばされる。 自らに仇なす敵を吹き飛ばす術、退魔律令である。 姿勢を大きく崩した隙を見逃さず、シリウスは薙刀をその手から叩き落した。すかさずリコリスとトールは攻撃を叩き込む。 休む間を一切与えない至近距離からの総攻撃に、人形はそう長く保たなかった。やがて変化が解け、人形は着物を残して木へと戻ってゆく。人形が動きを止めた瞬間、シリウスはリチェルカーレに駆け寄った。先ほどの傷を心配する彼に、リチェルカーレは微笑んで自らの傷を癒してみせる。 彼らを横目に、トールは人形の手から離れて転がっていた梅紫の和傘を拾い上げた。そうしてリコリスの元に戻り、静かに手渡す。彼の意図を理解したリコリスは、和傘を力いっぱい舞台の高い天井に向かって放り上げた。 最後の傘が暗闇にふわりと浮かび上がった瞬間、割れんばかりの喝采が人の姿のない客席からわっと響いた。リコリスが落ちてきた傘を掴み取ったタイミングで、全員が客席に向かって一礼する。 「そうか……俺には見えないけど、神に捧げる舞台なら神様の観客とかいるんだよな」 深々とした一礼から頭を上げながらトールが小声で呟く。 「そういえば、確かに気配がずっと……」 リコリスは客席に目を向けてそう呟いた。エレメンツである彼女には魔力の気配を感じる事が出来るのだ。それからもう一度、今度は演者全員で手を繋いで頭を下げる。「ありがとうございました」とリチェルカーレが声を上げれば、既に鳴り響いていた喝采はさらに大きくなった。 一礼している間に、ゆっくりと緞帳が降りてきて演者の姿を隠してゆく。その間、喝采が鳴り止むことはなかった。 その後舞台の袖で茶菓子が振舞われたり、数日後に舞台の四人の姿を描いた絵葉書が届いたりしたのだが、それはまた別の話。 「いやあ、凄かったよみんな☆ ちょっと設定ミスって強くしすぎたかなーって思った時はどうなることかって思ったんだけど、でも他の神々も大喜びだったよ☆」 「おい」 ヒノッキー氏がどういう謝罪をする羽目になったのかも、また別の話である。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |
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[8] リチェルカーレ・リモージュ 2019/07/06-15:53
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[7] リコリス・ラディアータ 2019/07/06-13:59
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[6] リコリス・ラディアータ 2019/07/05-23:39
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[5] リチェルカーレ・リモージュ 2019/07/05-23:26
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[4] リコリス・ラディアータ 2019/07/04-22:54 | ||
[3] リチェルカーレ・リモージュ 2019/07/02-23:32 | ||
[2] リコリス・ラディアータ 2019/07/02-20:41
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