~ プロローグ ~ |
薬草魔法植物園。 |
~ 解説 ~ |
○目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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植物園…リチェちゃんにお話を聞いた時から、楽しみにしてて… それだけじゃなく、こんなに珍しい植物たちに会える、なんて… はい、リチェちゃん、凄い、ですね…… 珍しく高揚したような表情で、あたりをキョロキョロ 薬草採取に夢中 あれ、は…図鑑で見た事ある薬草のような… 植物を見るのに夢中で駆け寄ろうとしたら腕を掴まれ振り返る えっ、あ… すみません…足元、見てませんでした… しゅんとした時に掛けられた言葉に指差されてる方を見て目を瞠る 天馬…っ えと…えと…触っても…大丈夫、でしょうか… おずおずと手を伸ばして 4に付いたら 言葉を誰かに届けられるような植物があれば… 糸の無い糸電話みたい、な 離れてても声が届くと素敵かなって… |
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キョウ:天馬に人魚……! サクラ:気になるぅ? キョウ:え、ええ。 サクラ:……早く行くわよ! 【行動:天馬の草原】 魔法植物をもらってくるのはもちろん、新しい魔法植物を頼んでみるわぁ。 初めましての子ばかり。 サクラ:保護されてる子が沢山いるのね。 キョウ:保護するために存在しているようなものでしょうし。いや、あまり知りませんが。 サクラ:この子たちがいるから、場所に合った魔法植物があるのね。 キョウ:感謝しましょう。所で触れてもよろしいでしょうか? サクラ:良いと思うわよ(なでてる) 休憩が必要なら休憩しましょう。 実はトランプを持ってき食べ物じゃないです!(天馬に向かって) ……人魚となら一緒に遊べるでしょうか? |
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素敵な植物園にするために頑張ろう 見つけた植物は 乱獲しないよう気をつけ採取 1 シアちゃん見て!あの花見たことない…わぁ! 天馬の群れに歓声 抱きしめてもいい? いつかあなた達がわたし達の国の空も飛べるといいのに 仔馬がいればぎゅっと抱きしめ 4 はじめまして と緊張の面持ちでご挨拶 護りの力のある木の苗木をお願い 思っていたんです ベリアルに襲われる村とか町に ずっとは無理でも 結界みたいなものがあったら 少しでも時間を稼げたら 助けられる人が増えないかしらと 家族を亡くして 苦しむ人を減らしたい あの なんじゃもんじゃ様 ここのお花を少し摘んでも? わたしの国に…風花ちゃんの神社に植えたいんです 故郷のお花があればきっと喜んでくれるから |
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目的 魔法植物の採取。 あと、ピクニック。 行動 まずは、五郎八様にご挨拶。 初めましてと自己紹介と。 お弁当持参。 中身はサンドイッチ。デザートに果物、それと紅茶。 作るのはマリオス(料理Lv1)。 シルシィはちょっぴり手伝い?(スキル無し) 五郎八様も良ければ一緒にどうぞ? きっちり採集もしつつ。 シルシィは迷宮内の生物に興味。 触れたり話しかけたり。 マリオスは 迷宮がどんな風にできているのかの方が興味あるかも? 魔術と魔法の違いとはみたいな? |
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ベ 驚いた これほどの迷宮がニホンにあったのか ヨ 迷宮である認識すらままなりませんね… なんじゃもんじゃの所へ行くまでに少し寄り道 天馬の草原 天馬達の美しさに感嘆声を漏らしたのもつかの間 彼らの熱烈な歓迎に囲まれ 埋もれるような感覚になりながら撫でかえしてやる ベ そうか 天馬たちも俺達が珍しいのか 既に埋もれているヨナの「ひゃっ」とも「にゃっ」ともつかない声が聞こえる 耳をなめられたらしい 近付く前は撫で回す気でいたのに逆に玩具にされている ヨ 見てないで 止めてください…っ ベ 俺も両手が塞がっていて難しい 事前情報で聞いていた解毒の薬草を一束摘む 巨人の丘 何とか草原を抜け乱れた髪や服を正しながら一休み 続 |
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①和樹は天馬の群れに目を輝かせ すぐ仲良くなり追いかけっこや飛行を堪能 令花は天馬草の特徴生態を丹念に記録 ごめんねと呟いて1株摘む ②令花は人魚草に歌を歌い その変化を記録して摘む 和樹は優しく見守る ③和樹は巨人の子供と仲良くなりバスケを教える よく弾む巨大な木の実と高い樹上の篭型の蔓で即席1on1 令花は巨精草を記録し摘む ④なんじゃもんじゃ様! 神話上の存在に令花大興奮! 異常に口数が増え 和樹になだめられる 令花はアンデッドを人間に戻す草はないか遠慮がちに質問 和樹「気持ちだけで十分だよ 俺は姉ちゃんが幸せになる草が欲しいけど、それを人からもらうのも何か違う気がするし」 最後は二人してなんじゃもんじゃ様に心から礼を |
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~ リザルトノベル ~ |
魔法の植物を貰うべく、浄化師達は富士樹海迷宮に訪れていた。 「シアちゃん見て! あの花見たことない……わぁ!」 目を輝かせ、草原に咲く花々を見て歓声を上げるのは『リチェルカーレ・リモージュ』。 同じように、友人である『アリシア・ムーンライト』も目を輝かせている。 「はい、リチェちゃん、凄い、ですね……」 珍しく高揚したような表情で、あたりをキョロキョロと見回して、珍しい植物に興味津々だ。 そんな2人に、パートナーである『シリウス・セイアッド』と『クリストフ・フォンシラー』は声を掛ける。 「リチェ。迷宮になっているんだ、逸れるなよ」 シリウスは、飛び跳ねて喜ぶリチェルカーレに、僅か心配気な眼差しを向けながら。 「アリシア。足元は気を付けて」 クリストフは、熱心に植物を見ているアリシアに苦笑しながら言った。 とはいえ声を掛けられた2人は、夢中になっているのか聞こえている様子がない。 (聞いていないな) シリウスは、軽くため息ひとつ。クリストフは―― (アリシアの部屋や花壇はいつも薬草や花で一杯だし予想はしてたけど、まさかあんな生き生きした顔を見ることになるとはね。いい物が見れたよ) 苦笑しつつもアリシアの様子に、微笑ましさと嬉しさを感じていた。 高揚した様子なのは、他の浄化師も同じだ。 「驚いた。これほどの迷宮がニホンにあったのか」 「迷宮である認識すらままなりませんね……」 地平線すら見える広さに感嘆の声をあげるのは『ベルトルド・レーヴェ』と『ヨナ・ミューエ』。 ベルトルドは素直に驚き、ヨナは魔術師として、どれほどの魔力と術式があれば可能になるのか、その膨大さに驚嘆していた。 皆が高揚する中、同行する五郎八に挨拶をするのは『シルシィ・アスティリア』と『マリオス・ロゼッティ』。 「はじめまして。シルシィ・アスティリアです。彼は――」 「マリオス・ロゼッティです」 「五郎八じゃ。今日は、よろしく頼むぞ」 皆も挨拶を交わし、いざ出発。 道中、そわそわしているのは『キョウ・ニムラサ』。 「どうしたの?」 姉の『サク・ニムラサ』は、弟の気持ちを何となく察しつつ、訊いてみる。 するとキョウは、内心の高揚を抑えつつ返す。 「天馬や人魚が居ると聞きましたから」 「気になるぅ?」 「え、ええ」 サクラのからかい半分の問い掛けに、気もそぞろといった様子で返すキョウ。 (楽しみにしているみたいね) キョウの様子に苦笑しながら、サクラはキョウの背中を押すように応えた。 「……早く行くわよ!」 こうして皆は迷宮を進んでいく。 道中、魔法の薬草を探しながら、ゆっくりと進む。 もちろん、それ以外の植物も珍しいので、夢中になって観察する者も。 「あれ、は……図鑑で見た事ある薬草のような……」 途中で、図鑑でしか見たことのない植物を発見し、夢中で駆け寄ろうとするアリシア。 その途中で、クリストフに腕を掴まれる。 「危ないよ。植物がたくさんで嬉しいのは分かるけど、足元ちゃんと見よう?」 見れば、少し先が小さな崖のような段差になっている。 同じようにパートナーに注意を促すのは、シリウスも。 「リチェ、そっちは危ない」 植物採集に夢中で、道を逸れそうなリチェルカーレを引き戻し、あるいは崖から落ちかけるのを引き上げる。 そんな道中に、ぐったりしつつも、目を輝かせるリチェルカーレに、どこか柔らかな顔で苦笑する。 すると、同じような表情をしているクリストフと視線が合う。 クリストフも苦笑しながら声を掛けた。 「全く性格違う2組なのに、同じような事やってるよね」 これに同意するように、肩を竦めて返すシリウス。 同じようにクリストフが返していると、しゅんとしているアリシアに気付く。 「すみません……足元、見てませんでした……」 そんなアリシアに、クリストフは呼び掛ける。 「気を付けてくれたらいいよ。それより、ほら――」 クリストフが指差す方向に視線を向ければ、ふわりと心地よい風が。 風を運びやって来たのは、空を翔る天馬の群れ。 ゆっくりと降り立つと近付いてくる。 「天馬……っ。えと……えと……触っても……大丈夫、でしょうか……」 「大丈夫だよ。撫でさせて貰ったら?」 クリストフに促され、おずおずと手を伸ばし、そっと撫でる。 すると、もっと撫でろ、というように体を摺り寄せてくる。 小さく歓声をあげるアリシア。 同じようにリチェルカーレも歓声を上げる。 「抱きしめてもいい?」 期待感いっぱいの眼差しを向けられて、身体を摺り寄せてくる仔馬の天馬。 ぎゅっと抱きしめると、その温かさに目を細め小さく呟く。 「いつかあなた達が、私達の国の空も飛べるといいのに」 その言葉にシリウスは目を細め、身体を摺り寄せて来る天馬を撫でてやった。 天馬に歓声をあげるのは、他の浄化師達も。 「天馬だ!」 だだだっ! と興奮したように『桃山・和樹』は天馬に走り寄る。 「ちょっと、和君! 驚かしたらダメよ」 天馬が驚かないか心配する『桃山・令花』に、天馬を撫でながら和樹は返す。 「大丈夫だって! ねーちゃんも撫でさせて貰いなよ!」 「そ、そう?」 和樹に促され、撫でる令花。 人懐っこく身体を摺り寄せてくる天馬に、ほにゃりと令花は表情を綻ばせた。 その後、和樹は天馬と一緒に走り回り、途中から、背中に乗せて貰い空を翔けていた。 かまって貰えると思った天馬達は、さらに浄化師達の傍に集まる。 「保護されてる子が沢山いるのね」 身体を摺り寄せて来る天馬達を興味深げに見詰めるサクラ。 そしてサクラ以上に天馬を興味深げに観察するキョウは、天馬の特徴を確かめながら返す。 「保護するために存在しているようなものでしょうし。いや、あまり知りませんが」 これにサクラは頷くと、少し考えてから続けて言った。 「この子たちがいるから、場所に合った魔法植物があるのね」 「感謝しましょう」 キョウは賛同しつつ、どこかうずうずとした表情を抑えながら言った。 「ところで触れてもよろしいでしょうか?」 「良いと思うわよ」 すでに撫でながら返すサクラ。 温かな天馬を撫でながら、目を細めるキョウだった。 同じように天馬を撫でる者は他にも。 「撫でても、いい?」 シルシィが、近付いてきた天馬に話し掛けると、撫でろと言わんばかりに身体を摺り寄せて来る。 「ん、思ったより、温かい」 温かな天馬を撫でたり、仔馬の天馬を、ぎゅっと抱きしめていた。 そんな彼女を微笑ましげに見詰めながら、マリオスは迷宮に興味を持つ。 「これだけの広さの迷宮、どうやって作るのでしょうか? 魔術では無理そうですし、魔法ならではといった所ですか」 考えをまとめるために呟いていると、同行している五郎八が応える。 「なんじゃもんじゃ様もじゃが、ここには八百万の神が多く居られるからの。八百万の神が生成する膨大な魔力で、ここは今でも広がっておるらしいぞ」 「そうなんですか? それでは――」 詳しそうな五郎八に、マリオスは迷宮談義を重ねていた。 天馬を愛でる者の中には天馬に、もみくちゃにされる者も。 「綺麗な生き物ですね」 天馬の純白の毛並と翼に、ヨナは感嘆の声を漏らす。 すると褒められたのに気付いたのか、天馬達がわらわらと、もっと見る? とでも言いたげに近寄ってくる。 「そうか。天馬達も俺達が珍しいのか」 どんどん集まる天馬に、ベルトルドは微笑ましげに声をあげる。 そして、さらに集まってくる天馬達。 「ふふ、本当に、人懐っこいんですね」 いつのまにやら周囲を囲まれるほど集まる天馬に、頬を緩めながら、撫でていく。 もっと集まってくる天馬達。 「熱烈な歓迎ですね」 わしわしと、天馬を撫でたり抱きついたりするヨナ。 かまって貰えると思った天馬が、おかわりで集まってくる。 「ふにゃ!?」 猫のような声をあげるヨナ。 「ひゃうっ!? 舐めちゃダメです!」 天馬に埋もれたヨナは、耳を舐められ、あるいは体を摺り寄せられ、もみくちゃにされる。 「見てないで、止めてください……っ」 「俺も両手が塞がっていて難しい」 ヨナに応えながら、囲まれる天馬から脱出するベルトルド。 そのままヨナの様子を見ていたが―― 「……助けに行くか」 放置したままだとらちが明かないと思い引っ張り出すことに。 引っ張り出されるギリギリまで、天馬をもふり続けるヨナだった。 そうして天馬と戯れた後、皆は探索再開。 懐いた天馬も一緒に同行し、途中、天馬に導かれ天馬草を発見する。 「ごめんね」 令花は小さく呟くと、天馬草の特徴生態を丹念に記録した後、1株摘む。 他の浄化師達も同様に、取りすぎないよう気を付けて採取した。 さらに進み、草原から巨大な湖に。 すると湖から巨大な亀の八百万が。 ちょっとした建物を優に超える大きさの亀神『玄武』は、背中に乗るように言った。 「なんじゃもんじゃ様から聞いておる。運ぶから乗りなさい」 高さがあるのでどう乗るか考えていると、天馬達が背中に乗せて玄武の甲羅に降り立つ。 「それじゃ、行くぞい」 僅かに揺れることさえなく、すぅと出発。 甲羅の上は濡れておらず乾いていた。 「玄武様。しばし休ませていただきますぞ」 「かまわんよ、五郎八のお嬢ちゃん。岸に着くまでしばらくかかるから、浄化師の子らも休むと良い」 玄武の言葉に甘える形で、しばし休憩。 五郎八がシートと、ふかふか座布団を口寄せ魔方陣で呼び寄せ、それを使い皆は腰を下ろす。 そこでヨナは、天馬にもみくちゃにされて乱れた髪や服を直した。 一息ついたところで、マリオスが用意していたお弁当を広げる。 「サンドイッチと、デザートに果物も持ってきました。紅茶もありますから、皆さんもどうですか?」 折角の申し出に、ランチタイム。 「ふむ。美味しいのぅ」 フルーツサンドに喜ぶ五朗八。 それを聞いて、シルシィは嬉しそうに返す。 「ん、良かった。みんなで歩くから、少し甘めにしたけど、口に合ったなら嬉しい」 「おお、主が作ってくれたのか?」 「ん、マリオスと一緒に。そっちのサンドイッチも食べてみて。美味しいと思う」 そうしてみんなで美味しく軽食を摂り、ゆったりとした時間が。 そこで令花が、リチェルカーレに呼び掛けた。 「今日ここに来れたのは、リチェルカーレさんがニホンへの投資案を提案してくれたお蔭です。こうして明確な形として進めることが出来て、良かったと思います」 祝福する令花の言葉に、リチェルカーレは笑顔で返し、そこから皆は今まで以上に和やかに歓談する。 その心地好いお喋りに惹かれ、お客さんが。 「こんにちは、人間さん」 湖から人魚達がひょっこりと。 美しい娘姿の彼女達は、魔法で作ったドレスを着ている。 「少しお喋りしても良いかしら?」 申し出を受け入れると、魔法で湖の水をスライムのように操り、それに乗って甲羅の上に。 楽しくお喋りをして打ち解けると、キョウが持って来ていたトランプを取り出す。 「実はトランプを持ってき食べ物じゃないです!」 齧ろうとする天馬から死守しながら、皆で遊ばないかと提案。 人魚達と一緒にトランプを楽しんだ。 すると人魚達は、楽しませてくれたお礼をあげたいと言う。 折角なので人魚草について聞いてみる。 すると人魚達は湖に潜ると、鉢に入った人魚草を持って来てくれる。 全てが蕾だったが、人魚達が提案する。 「歌を歌うと、花を咲かすの。試しに歌ってみる?」 これに令花が歌ってみる。 夜の帳を包み込むような優しい歌声に人魚草は反応し、鎮静や入眠効果を持った花を咲かせた。 歌を試してみたのは、リチェルカーレも。 歌が好きな彼女は、澄み渡った蒼空に響き渡るような澄んだ歌声を披露する。 プロ並みの彼女の歌に、人魚達も輪唱し、心地好い合唱が響いた。 そうこうしている内に、岸に辿り着く。 人魚達に別れを告げ、次は巨人の丘に。 そこに居たのは、見上げるほどの巨大な生物達。 教団本部より背の高い巨人が座っていたり、小山のような牛が大木をバリバリ食べていたりする。 「ん、大きい。触ってみても、大丈夫、かな?」 巨人を見ていたシルシィの呟きに、マリオスは返す。 「どうだろう? 大人しいみたいだけど、大き過ぎて、こちらに気付かないかもしれないし」 「ん、なら、気を付けて触ってみる」 「それは……なら、僕も一緒に行くよ」 2人一緒に近付いて、シルシィが呼び掛ける。 「こんにちは。触ってみても、良い?」 これに巨人は視線を向けると、シルシィよりも大きな掌をゆっくりと差し出す。 「ん、思ってたより、硬くない。普通の人の手みたい」 ペタペタと触ってみるシルシィだった。 そうして思い思いに周囲を探索する中、和樹は1人の巨人に出会う。 「よう! すっげーな! おっきいな!」 岩の塊のような巨人は3mほど。 似たような巨人で10mを超える者もいるので、おそらく子供なのだろう。 「いいなー! そんなにデカかったら、バスケでスターになれるぜ!」 「……?」 和樹の言葉に小首をかしげる巨人の子供。 「あ、バスケって言っても分かんねぇか。えーとな、こんなボールを使って――」 和樹が一生懸命に説明していると、大人の巨人がやって来る。 そして魔法で、地面の土くれからバスケのゴールとボールを作り出す。 指で摘まんで、ボールを和樹に渡すと、見学するように胡坐をかいて座る大人の巨人。 仲間の浄化師達も見物する中、試合開始。 和樹は動きが素早く巧みだが、背の高さで押される。 しかも途中から巨人は動きを覚え、サイズ差から和樹は手も足も出ない。 そこに1頭の天馬が参戦。 和樹を背に乗せ、勝負再会。 互角のまま、くたくたになるまで勝負した。 「へへっ、やるじゃんか!」 和樹は、心地好い疲労感に包まれながら手を上げ言った。 「ハイタッチしようぜ! 手を広げて、こっちに近付けるんだ!」 巨人の子供が差し出した手に、和樹は手を打ち合せハイタッチ。 「楽しかったぜ!」 和樹の言葉に応えるように、巨人の子供と天馬は跳ね回った。 そうして巨人達と交流しながら、皆は巨精草を探す。 ヨナも同じように探していると、一際大きな巨精草が。 「これは、見事な大きさで――うわわっ!」 採取をしていると、突如地面が揺れる。 「え、ええ!?」 慌てて転げないよう姿勢を落としていると、地面がゆっくりと動き出す。 「……ドラゴン、か?」 傍で見ていたベルトルドの言葉通り、ヨナが地面だと思っていたのは、巨大なドラゴンの背中。 「何をしとるんじゃ、正宗」 五郎八の呆れた声に、かくれんぼをしていた竜神正宗は返す。 「なんじゃもんじゃ様に頼まれて、皆を運ぶよう言われてな」 茶目っ気のある声で言うと、他の浄化師達も背に乗せて、なんじゃもんじゃの元に。 雄大な森を抜けた先に、なんじゃもんじゃの本体である巨木が。 天を突くほど巨大な大木の根元に、ひとりのおっとりとした女性が。 「よく来ましたね。話は聞いています。貴方達の望む植物を、可能な限り与えましょう」 なんじゃもんじゃの申し出に、皆はそれぞれ頼んだ。 「言葉を、誰かに届けられるような、植物があれば……」 アリシアの言葉を補完するように、クリストフが続ける。 「家と仕事場で連絡が取れると安心だし、ふた手に分かれた時に連絡を取り合えると便利だよね」 頷くクリストフに、アリシアも同じように頷いて、なんじゃもんじゃに頼んでみる。 「駄目、でしょうか……?」 これに、なんじゃもんじゃは微笑みながら返す。 「大丈夫ですよ」 そう言うと、本体の巨木から、1匹の巨大なミツバチが飛んでくる。 人の掌ほどもあるミツバチは、数粒の種を掴んでいた。 それを受けとり、なんじゃもんじゃはアリシアに渡す。 「これは魔力を注いで育てると、同じ木から取れた葉っぱを持っていれば、それを通じて言葉を伝えることの出来る植物の種です」 「魔力を、注ぐ……? どうやって、育てれば、いいんでしょう?」 「水をあげる時に、その水に魔力を込めてあげて。あげる魔力が大きいほど、遠くの相手と話せるようになるから、大切に育ててあげてね」 「はい。大切に、育てます」 宝物のように大事に受け取るアリシア。 同じように皆は植物を頼んでいく。 「はじめまして」 緊張しながら挨拶し、リチェルカーレは頼む。 「護りの力のある木の苗木を頂けませんか」 真剣な眼差しを向けながら続ける。 「思っていたんです。ベリアルに襲われる村とか町に、ずっとは無理でも、結界みたいなものがあったらって。 少しでも時間を稼げたら、助けられる人が増えないかって思うんです」 彼女の願いを聞いて、シリウスは目を見開く。 彼の胸中に浮かんだのは、誰の助けも無く消えた故郷。 一瞬だけ震えの走った指を握り込み、真摯なリチェの声に心を落ち着け、彼も頼む。 「……スケールの高いベリアルは、無理だと思う。だが少しでいい、ベリアルを遠ざけたり侵入が防げたら、希望が持てる」 これに、なんじゃもんじゃは本体の巨木から、若い枝を1つ落し手渡す。 「これを植えて、刺し木を増やすと良いでしょう。刺し木を育てる人々が自分の家族や故郷を守りたいと強く願えば願うほど、強い守りを持った樹に育ちます」 受け取ったリチェルカーレは礼を返すと続けてお願いを。 「あの、なんじゃもんじゃ様。ここのお花を少し摘んでも? 私の国に……風花ちゃんの神社に植えたいんです。故郷のお花があればきっと喜んでくれるから」 「ありがとう」 礼を言う、なんじゃもんじゃ。 「あの子は、貴方達人間風に言えば、私の孫のような子だから。私の方から、お願いするわ」 笑顔で返すリチェルカーレだった。 順番に、願いは叶えられていく。 「この度は富士樹海へお招き頂きありがとうございます」 ヨナは一礼をして、求める植物を願う。 「特殊な植物で何か作れないか考えていたのですが……解毒の薬草と体力回復の薬草を調合して、アシッドの影響を和らげたり、抵抗力をつける薬にはなりませんか?」 ヨナの援護をするように、ベルトルドも頼む。 「理不尽に奪われる命がひとつでも少なくなればと。もしこれだけで足りず、他に必要なものがあれば浄化師で調達しよう」 2人の言葉に、なんじゃもんじゃは難しそうな表情をすると、本体の巨木に生っている実を1つ、巨大ミツバチに持って来て貰う。 それをヨナに手渡し、なんじゃもんじゃは言った。 「難しいことです。ですが、出来る限りのことはしましょう。 この実の種は、生き物の血を吸って育ち、その血の性質を宿した実をつけます。 貴方達エクソシストは、アシッドに対して強い抵抗力を持ちます。 巧く育てれば、貴方達の血の性質を持った実が出来るかもしれません」 渡された実を真剣な表情で受け取るヨナだった。 次に頼むのは、サクラとキョウ。 「探し人を見つけられる植物は、大丈夫かしら?」 頼むサクラに、キョウが合いの手を入れるように続ける。 「普段は、つぼみなんですけど、探している人が近づくほど、大きく花が咲く、なんてのは無理ですかね?」 これに、なんじゃもんじゃは聞き返す。 「探したい人が居るの?」 「自分は、因縁のある相手、ですね」 キョウが思い浮かべるのは、以前に遭遇したスケール5べリアル達。 (サクラは、誰を探したいと思ってるのかは、知りませんが) 「気になる?」 内心を見透かしたように、笑みを浮かべ聞いてくるサクラ。 「別に、知りたいとは――」 「キョウヤに決まってるじゃない」 「……え?」 思わず聞き返すキョウに、笑顔で返すサクラ。 「はぐれた時に必要でしょ」 「……子供じゃないんですから」 2人の様子を微笑ましく見詰めながら、なんじゃもんじゃは種を手渡す。 「探したい相手の一部や所持していた物を土に埋めて育てると、探せるようになるわ」 受け取ると、サクラはひとつ提案を。 「ところでなんじゃもんじゃさんはトランプ出来るのかしら?」 「ええ。賭け勝負は好きよ。折角だから、あとで勝負しましょう」 凄味のある笑顔で返すなんじゃもんじゃだった。 なんじゃもんじゃに会って興奮しているのは令花。 「はじめまして! なんじゃもんじゃ様!」 神話の存在に出会え、興奮して一気に口数が増える。 それを和樹になだめられ、落ち着いた所で言った。 「アンデッドを人間に戻す草は、ないでしょうか?」 遠慮がちにだが、期待を込めて尋ねる。 それを聞いた和樹は、優しい表情を浮かべ言った。 「気持ちだけで十分だよ」 そして自分の過去ではなく、令花の未来を望む。 「俺は姉ちゃんが幸せになる草が欲しいけど、それを人から貰うのも何か違う気がするし」 なんじゃもんじゃは2人の言葉を聞いて、応えるように言った。 「貴方達は、強い絆を持っているのですね。それは過去があったからこそのものです。その絆が未来に繋がるよう、この種をあげましょう」 手渡されたのは、1粒の種。 「この種は育つと、多くの葉をつけます。 それを煎じて飲むと、絆の深い相手の過去や今の気持ちを追体験することが出来るのです。 言葉だけでは伝わりきらない想いを知りたい時に、使ってみるのもいいでしょう」 受け取った令花は大事に掌で包みこみ、和樹は真剣な眼差しで見つめるのだった。 そして最後にアシッド避けの植物を頼んだのは、シルシィ。 「ごく弱い効果でいいので、アシッド避けになる植物はありませんか?」 シルシィを援護するように、マリオスも頼む。 「もし何か、手に入れるために必要な物があれば、協力します」 これに、なんじゃもんじゃは応える。 「この場所のように、結界を張る植物をあげましょう。ただ――」 種を幾つか渡しながら続ける。 「育てるには多くの魔力を必要とするの。ごめんなさいね。こういうのはダヌの方が得意なのだけれど」 「ダヌ?」 シルシィの問い掛けに、なんじゃもんじゃは返す。 「貴方達の住んでいる国に居る私の妹に当たる八百万の神よ。教団が隆盛したから、今は隠れているようだけど」 「教団が隆盛すると、どうして八百万の神はお隠れになるのですか? ……利用しようとでもしたのでしょうか?」 これにシルシィは、ちょっぴり首を傾げつつ同意する。 「そうかも?」 「……色々やらかしてるみたいだからなあ」 ため息をつくマリオスに、なんじゃもんじゃは言った。 「貴方達のような子達が居るのなら、いつかダヌも姿を表すこともあるでしょう。その時のためにも、その種を託します」 「ん、分かりました。一生懸命育てます」 シルシィの言葉に、嬉しそうに笑顔を浮かべるなんじゃもんじゃだった。 かくして幾つかの植物を貰い迷宮を後にした。 それらは薬草魔法植物園で大事に育てられる事になるのだった。
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*** 活躍者 *** |
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[8] 桃山・和樹 2019/10/11-22:17
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[7] ベルトルド・レーヴェ 2019/10/11-20:09
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[6] 桃山・和樹 2019/10/10-08:29 | ||
[5] ヨナ・ミューエ 2019/10/10-00:07
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[4] 桃山・令花 2019/10/08-00:45 | ||
[3] リチェルカーレ・リモージュ 2019/10/07-23:14
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[2] アリシア・ムーンライト 2019/10/07-23:06
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