~ プロローグ ~ |
新米浄化師の貴方達は先輩浄化師に連れられて、慣れない実戦を繰り広げ……とても疲れていた。 |
~ 解説 ~ |
というわけで、本の整理をしてから焼き肉行こうぜ! というお話しです。 |
~ ゲームマスターより ~ |
初めまして、いつだって焼肉を食べたい如月修羅です。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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本の整理を皆と協力して手早く終わらせる 背表紙の色ごとに担当を決めて手分け 最初は赤を担当、終わり次第残った色に着手 ご褒美のために頑張る…! ◆シュリ さあ、張り切って整理よ ロウハに視線を送る …わかってるわね?ロウハ 終わったらいよいよお肉ね…! ここに並んでるの全部食べ放題なのよね?夢みたい…! よかったら食べる前に皆で乾杯しましょう お肉もいいんだけどデザートも美味しそうで困るわ 胃袋への振り分けに悩むわね ◆ロウハ お嬢の目配せに頷く 今俺達の心が、これまでになく一つになっているのを感じる 作業は迅速かつ正確に…だな よっしゃー終わった! 思う存分食ってやるぜ お嬢、同じのばっかり食ってるじゃねーか これも美味いぜ、ほら |
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◆心情 ・ローザ 凄い量だが…頼まれた以上やり遂げよう 皆と共に協力して片付ければ大丈夫だ ◆作業 魔導書の色は「紫」を担当 担当の色が終わり次第残りの色を手伝う 色分けをした魔導書がある程度貯まったら一気に運ぶ…を繰り返し作業 ◆焼肉 焼肉食べ放題…実は初めての挑戦なんだ 他の人を真似しつつ肉を取ろう…少し取りすぎただろうか? サラダやスープも取り席に戻ろう 焼肉は油が跳ねるよな…紙エプロンをしよう …なんだよ、その目は 兎に角焼いて食べよう …ふふ、美味しいな 所でそのカルビ、丁度良い焼き加減だが…食べないのか? 返答にはどういう顔をすべきか… 最初に取った物で肉は十二分だったな 私は最後にデザートを取って来るが…何かいるか? |
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・整理 では、ご褒美のためにも頑張って片付けを終わらせてしまいましょうか 皆様と協力して迅速な整理完了を目指します 背表紙が黒の本を担当し 担当分が終了後は別の色の手伝い てきぱきと作業 もう、ノア!だめですよ怠けていては ・焼肉 私、こういったお店は初めてなんです すべて自分たちでやるのでしょう? なんだかわくわくしますね。……ノア?どうしました? まあ!なかなか種類豊富なのですね 目を輝かせつつ食べるもの選び なるほど…、そういった決まり事があるのですね なんだかノアがとても頼もしく見えてきました 好き嫌いなくなんでも食べる こういう食事もいいものですね みんなでこうやって会話しながら楽しく食卓を囲む とても素敵なひと時です |
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本の片づけ!腕が鳴るよ~ 皆で何色の本を担当するか話し合って 決まった担当の色の本を片付けていくよ 早く終わったら残りの色の本の片づけも着手していこうね。 あたしが担当の色の本を集めてジョシュアに持っていくから 貴方は棚に戻す作業お願いね! <焼肉> 大勢で食卓に着くと実家にいたころを思い出すなあ… 良い焼き加減のお肉があったら、火から遠く、箸がつけやすい位置に移動させていくね (もちろん自分の箸じゃなくて、誰も使っていない余った箸で!) どんどん食べよう!あ、お肉と一緒に食べるならやっぱり白いご飯だよね、頼んじゃおう! あれ、いつの間にかあたしの更にお肉が増えてる! ありがとうジョシュア、あたしも食べないとね! |
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ご褒美には労働がつきものだ がんばろう、ギー君 ……が・ん・ば・ろ・う 黒の背表紙を担当しようか もし被ることがあれば、他の人に譲って、まだ手付かずのものから 僕が本棚に並べていくから、ギー君には渡してほしい 一冊ずつでなくて構わないよ 無事に終えたら、ギー君を労う (苦笑) ●焼肉店へ 何を食べようかな… カルビ、牛タン、ホルモン…とりあえず一通り頼もうか あ、野菜も しまちょ……あるのかい?それ そんなに偏って、野菜も食べるんだよ やれやれ ギー君のために野菜と、他に僕が頼んだものも焼いて皿へ 拒否されないってことは嫌がられてないのかな …(皿にのったホルモンたちをみてキョトン) ありがとう、ギー君 野菜食べるかい? |
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~ リザルトノベル ~ |
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部屋に足を踏み入れた総勢10名は、目の前に広がる光景に一瞬息を飲んだ。 分かっていたことだけれど、魔導書の山、山、山……そして、山である。 魔導書は背表紙ごとに分かれているとは聞いたけれど、勿論それらが綺麗に並んで山になっているわけでもなく、今から途方にくれそうだ。 「本の片づけ! 腕がなるよ~」 ベアトリス・セルヴァルはそんな山を見て怖気づくこともなくそう言って、共にやる仲間を見渡す。 相棒のジョシュア・デッドマンはといえば、怖気づくことこそなかったが、少々めんどくさいなとは思っていた。 「これだけの数だし、ばらばらにやるのも大変だよね」 その言葉に青い瞳を瞬かせつつ頷くローザ・スターリナが、背表紙の色毎に片付ければ早いのではないかと提案すれば、皆がそれがいいと頷いた。 「面倒だが、さっさと終わらせるぞ」 小さく舌打ちしつつ、ジャック・ヘイリーが言えば、確かにその通り、さっさと終わらせようとリリアーヌ・サヴェリーが頷く。 「そうですね、ご褒美のためにも頑張って片付けを終わらせてしまいましょうか」 「じゃぁ俺達は黒だな」 ノア・ネシャートが示す色に同意を示すリリアーヌ。 じゃぁ……とシュリ・スチュアートが手をあげる。 「わたし達は赤を担当するね」 「いいぜ」 お譲の言うのに特に異存はないとロウハ・カデッサが頷いた。 白と紫もさくっと決まれば流れを見ていたナハト・フリューリングが唇を開く。 「僕達は緑をやるとしますね」 いいよねと問いかけられたギー・ヒンメルはいいよと頷いて。 残りは黄と青だが、それは早く終わった所がやっていけばいいだろう。 じゃぁやろうかと皆、手分けしてやりはじめるのだった。 ● 「さぁ、張り切って整理よ!」 そう言ってシュリが視線をやった先は、ロウハだ。 どことなく張り切ってる様子が伝わってくるのは、この先のご褒美のためだろうか。 それは自分も同じなのだが。 (……分かってるわね? ロウハ) 何も言わずとも伝わる思い……頷いたロウハには分かる。 今この瞬間、これまでになく自分たちの心がひとつになっているということが。 そう……! (作業は迅速かつ正確に……だな) 2人の心は一つ! 赤の背表紙を見つけては並べを繰り返す2人の動きはとても迅速だった。 「これで最後だな」 あたりを見渡してみても、赤い背表紙の魔導書はないようだ。 それなら次に向かいましょうとシュリは誰も担当していない魔導書に向き直る。 「さぁ、やるわよ!」 「そうだな」 まずは魔導書を集めなくては! 2人は迅速にかつ正確に行動を開始するのだった。 紫の背表紙の魔導書を見つけては、綺麗にまずは纏めて行くローザ。 (凄い量だが……頼まれた以上やり遂げよう) 確かに1人あたり100冊、でもその100冊を見つけ出すとなればまた別問題で大変だった。 山となった魔導書をさくっと持ちあげて持っていくジャックを見れば、ローザだって負けてられないとばかりに同じように持とうとして……。 「いや、流石にそれは無理だろ」 「わかってる!」 流石にそれは無理だったけれど、その代わり回数を増やせばいいのだ。 なんだかんだと2人、さくさくっと片付けて行く。 「よし……こんなもんか」 鈍く光る赤い瞳を細めて、辺りを見渡す。 もう紫の背表紙はないようだとローザをみれば、ローザも一通り見渡してそうだな、と頷く。 じゃぁ次の魔導書か、と2人は何が残っているのか確認するのだった。 黒の背表紙の魔導書を見つけてはリリアーヌはさくっと纏めて行く。 そんな中、ただで焼肉を食べれるわけじゃないからにはめんどくさいけれど、やるしかないと黙々と作業をしていたノアは、ふぁぁっとひとつ欠伸をしてしまった。 「もう、ノア! だめですよ怠けていては」 「欠伸しただけだっての」 別に怠けていたわけではないと、ちゃんと整理していた魔導書を手渡す。 「ほら、これそっちに入れといて」 ちゃんとしてるのですね、と瞳を和ませたリリアーヌは貰った魔導書を纏めていたものと一緒に本棚にいれていく。 なんやかんやとしながらも、2人は協力しあい、黒の魔導書を減らしていって。 最後の一冊は一緒に。 「お疲れ様でした」 その言葉に、いつの間にか軽く汗をかくぐらい頑張っていたノアは微笑みを浮かべる。 「リリアーヌもな」 はい、頑張りました! と頷けば、残りの本はないかと辺りを見渡す……。 ● 緑の魔導書を片付けるという案に、いいよと頷いたものの、めんどくさくないわけじゃない。 (焼肉だけじゃだめなのか?) 明らかに不満顔のギーに苦笑を浮かべるナハト。 「僕が本棚に並べていくから、ギー君には渡してほしい」 一冊ずつでなくて構わないよ、と微笑まれれば、ギーも仕方がないと頷く。 「ん、わかった」 あちらこちらと見て回りばっと数十冊纏めた魔導書をナハトの元へ持っていけば、一瞬、瞳を見開いたナハトはそれでも笑顔で本棚に魔導書を並べて行く。 緑の背表紙を見つけては集めて持っていく、それを数回。 なんだかんだと言って、一気に持っていったのが功を奏したのだろう。 みるみるなくなっていく緑の魔導書。 (意外と早く終わりそうだな) ギーはほっと息を吐き、そろそろ最後のようだと数冊になった魔導書をナハトへと渡して。 他にはなさそう? と辺りを見渡してみるけれど、見える範囲内ではなさそうだ。 これなら大丈夫だろう。 「お疲れ様、ギー君」 「褒めるのはいいから」 最後の一冊となる魔導書を本棚に納めながら言えば、ギーはそれよりも早く焼肉を食べに行こうとせかすのだった。 「あたしが担当の色の本を集めてジョシュアに持っていくから」 「子豚、本を運ぶって……大丈夫かい?」 そういうのは私がやった方が、というジョシュアに、ベアトリスは小さな花のあしらわれたラリエットをしゃらりと揺らし首を振る。 彼女には考えがあった、曰く背の高い方が本棚にいれればいいと。 確かにこれだけの魔導書をいれる本棚だ、背の高い方がいれた方が楽かもしれない。 「あぁ、なるほど」 じゃぁそうさせてもらいますかね、と黒髪を揺らし頷いて、ジョシュアは本棚の方へ。 「疲れたらちゃんと言えよ」 「わかった」 だから、よろしくね? と白い背表紙を探しに向かうのだった。 見つけたら、何冊か纏めてジョシュアの元へ。 何度か繰り返せばどんどんと本棚は埋まって行く。 「疲れてないか?」 「大丈夫!」 それよりもどんどんと埋まって行く本棚に充実感がこみ上げてくるよう。 「さぁ、がんばらないとね!」 あぁ、あっちに白いのがみえたとジョシュアも協力して。 きっともうすぐ埋まるだろう。 残りの黄と青は手早く終わったシュリ達の手によってみるみる寄り分けられて。 そうなればあとはいれるだけだ、そこまでくれば全員の手が開いていて、一気に本棚にしまい込んでいく。 「お疲れ様でした」 ローザがそう言えば、口々にお疲れさまでしたと声が上がって。 「じゃぁ焼肉だな」 ロウハの言葉に皆ははやる気持ちを抑えながら焼肉屋へ向かうのだった。 ● やってきた焼肉店では、既に美味しそうな香りだけではなく、食材達も出迎えてくれていて。 「私、こういったお店は初めてなんです」 こう言う所は初めてだと瞳を輝かせるリリアーヌ。 全て自分たちでやるのでしょう? と小首を傾げるのを、ノアが金の瞳を眇め見つめる。 なんというか……あれだ、世間知らずっぽいと言うか、嫌な予感がする、とその視線は不安げで。 なんだかわくわくしますねと皆にならい皿を手に取ったリリアーヌは、さらりとピンクの髪を揺らしノアと視線を合わせる。 「……ノア? どうしました?」 「いや、なんでもない」 やっと肉にありつけるのだ。 ふるりと首を振ったノアも皿をもてば、肉が置いてある方へ向かい……隣をついてきたリリアーヌが、瞳をさらに輝かせる。 目の前には13種類程の肉があって。 「まぁ! なかなか種類豊富なのですね。デザートも可愛らしい……」 ケーキは小さく切り分けられていて、色んな種類を食べれそうだ。 食べれる物を、と皿に盛っていくのをみながらノアがさらりと声をかける。 「食べきれる量だけ選べよ、後から追加もできるから。 持ってて残したら店にも食べ物にも失礼だろ」 なるほどとリリアーヌは一旦皿に盛るのをやめる。 そういった決まりがあるのですね、と頷きながら自分が食べれる量か考えているのだろう……しばしして、視線をあげて微笑んだ。 「なんだかノアがとても頼もしく見えてきました」 「……こんなので頼りにされてもなぁ……」 なんともいえない表情になったノアにくすりと微笑みかける。 あとから取りにこれるのでしょう? と席に戻ればそれぞれがお肉をもって来ていて。 乾杯のあとに焼きはじめれば、わいわいがやがやお喋りが始まって。 さっきは疲れたねとローザと会話しつつ、ふと視線を隣にやれば、ノアがひたすら肉を焼いていて。 万弁なく食べるリリアーヌとは違い、肉中心に食べているノアはそれでも幸せそうだ。 「こういう食事もいいものですね。 みんなでこうやって会話しながら楽しく食卓を囲む……」 それは、とっても素敵なひとときだというのに、ノアも頷く。 「まぁな。食事は楽しくとるもんだ」 ほら、と差し出されたカルビ。 「もっと食べとけ、これもうまい」 その笑顔に釣られて微笑み、一口食べれば幸せな味がした。 わいわいがやがやした雰囲気に、ベアトリスは実家を思い出すと瞳を細める。 「とりあえず、生だな」 なんて言っていたジョシュアは、やってきた焼肉屋でお酒は飲み放題じゃないと聞けば肩を落とす。 とはいえ、気持ちはすぐに切り替えて。 「よし、子豚、肉を取りに行こう!」 「そうだね! 何食べようかな……」 あちらもいい、こちらもいいと2人で皿に盛っていればあっという間に沢山のお肉が。 とはいえ自分が食べれる量だ。さぁ、さっそく焼こうと席に座る。 乾杯をした後に皆で肉を焼きはじめれば、昔取った杵柄というか、良い焼き加減の肉を取り箸で火から遠い方へと移動してあげて。 「そっちのお肉もいい感じだよ」 その言葉にありがとう、とシュリが微笑む。 あぁ、あっちのお肉もそろそろ……なんてやっていれば、おのずと自らのお皿は空になっていて。 (……大家族の娘っていうのは、食事の時にも他人の事を考えて動かなきゃいけないもんかね……) ベアトリス自身は食べているのか? と自らは良い焼き加減の肉を口にほおりこみながら思う。 「……仕方ない」 いつまでたっても皿に増えることがない肉をささっと置いてやる。 そうだ、サラダもスープも持ってこなくては……。 (子豚の分も持って来てやるか) 「ほら、子豚。その肉覚めちまうから早く食べた方がいい」 あれ、いつの間にか皿に肉が増えてる?! と瞳を瞬いて。 「ありがとうジョシュア、あたしも食べないとね!」 ぱくりと食べれば美味しい肉汁が口の中に広がって行く……。 「んん、美味しい!」 「良かったな」 頑張るのもいいが、程々にな? と微笑んで。 「そうだね、どんどん食べよう!」 お肉と一緒に食べるなら白いご飯! とジョシュアに白ご飯も頼めば分かったと頷きがかえる。 戻ってきたら、今度はジョシュアに美味しいお肉を食べてもらおうと、ベアトリスは肉を焼きはじめたのだった。 「ここに並んでるの、全部食べ放題なのよね?」 ゆるりとあたりを見渡した後、緑色の瞳をきらきら輝かせるシュリ。 焼肉をどんどんと皿にいれているナハトとギーをみれば微笑みを浮かべる。 他の面々もそれぞれ好きな物を自らとっているのをみれば、まるで夢みたいだと呟いた。 しかしシュリの視線はお肉……よりもデザートの方へと吸い寄せられて。 「お肉もいいんだけど、デザートも美味しそうで困るわ……」 お肉とデザート、半々がいいだろうか、それともお肉控えめでデザート多めがいいだろうか……。 どちらかというと、ロウハが料理を作ってくれるからか肉の方が好きなのだけれど、小さく切り分けられたケーキ達がとても可愛くて。 2~3口で食べられる大きさのそれらは、何個もお皿に並べてしまいたくなる可愛さだ。 「とにかく肉だ、肉!」 そんな彼女を尻目に、思う存分食ってやるぜと意気込んできたロウハは、並べられた肉を全種類綺麗に盛っていく。 勿論、肉だけではない。 「……野菜は?」 そんな疑問も口に出してしまうほど、彼がもっていったのは大盛りなライスだった。 そわそわわくわく、目の前の肉にテンションもあがるというものだ。 席に座り、りんごジュースとコーラで乾杯すればそれぞれ肉を焼きはじめる。 時折、ベアトリス達がこっちのほうが先に焼けたよと教えてくれて。 慌ててとったハラミは食べごろだ! 「ん~美味しい!」 タン塩とハラミのローテーションになっている自覚はあるものの、サラダもあるし、スープもある。 (タン塩もハラミも美味しいし) しょうがないよね、なんて思うシュリ。 「お譲、同じのばっかり食ってるじゃねーか」 しかし、そんなシュリが同じものばかり食べているのを見れば、丁度美味しい頃あいに焼けたカルビをそっと彼女の皿に置くロウハ。 「これも美味いぜ、ほら」 瞳を瞬いたシュリは、進められたカルビも一口。 「美味しい……」 ぱっと瞳を輝かせるシュリに、ロウハも笑みを浮かべた。 美味しい時間もそろそろお腹がいっぱいという名のもとに終わりそう。 大盛りのライスもそろそろなくなる……のと同じくして、シュリも苺にチョコレートにチーズケーキに……と食べれる量のケーキを皿に持って来ていて。 「今日はお疲れ様でした、美味しかったね」 そう言って微笑めば、ロウハもなかなか楽しい一日だったと頷くのだった。 ● 焼肉食べ放題が実は初めてだというローザ。 同じだというリリアーヌと微笑みを交わして、初めてが1人じゃなくて良かったと思う。 とはいえ、きょろきょろと辺りを見渡してしまうのはやっぱりどういうシステムなのか分からなくて不安があるからだ。 「なるほど」 あそこで皿をもって……とシミュレーションしているのを尻目に、ジャックは久しぶりの焼肉にさくっと自分の分を確保していた。 「スターリナ?」 「あ、いや……」 慌てて皿をもち、皆と同じように好きな肉をもって……とやっていれば、少し盛りすぎただろうかと眉を顰める。 まぁきっと大丈夫だろうと、今度はスープとサラダも手にとって。 これぐらいで大丈夫とまずは席に戻れば、皆も準備万端だった。 「「乾杯!」」 烏龍茶で乾杯をすれば、さくっと焼きはじめるジャック。 「油が結構跳ねてるな」 油が跳ねてるのをみれば、紙エプロンを付け始めるローザに、瞳を瞬かせるジャック。 なんともいえない表情をしてるのをみれば、なんだよ、その目はとじろりと見るローザ。 「イヤ……上品なこって」 そうかな、と言いつつも、早速焼きはじめたジャックの見よう見まねで焼きはじめるローザ。 なるほど、なんとなく焼く場所も決まってるのかと思いつつ焼いていれば、丁度いいころあい。 持ってきたロース肉をタレにつけて一口! 「……ふふ、美味しいな」 もくもくと、お肉だけじゃなくて野菜も食べ進めて行く2人。 時折、取りに行く皆とは違い、何度も行くのは面倒なタイプのジャックは山もり……でもなかった皿の上の肉をのんびりと焼いて行く。 「所でそのカルビ、ちょうどいい焼き加減だが……食べないのか?」 そう言われてじろりと今度はジャックがローザを見る。 「……油が多いと胃が受け付けねぇんだよ」 なんといえばいいのか、どういう顔をすればいいのか。 判断に迷うローザにさらにジャックが言葉を重ねる。 「うるせぇ、お前も何時かそうなるから今のうちに食っとけガキ」 まだ何も言ってない! と反論しつつ、持ってきた分で十二分だったとローザが立ち上がる。 「私は最後にデザートを取ってくるが……何かいるか?」 いや、大丈夫だと赤身の肉を食べながらジャックは首を振る。 「わかった」 デザートはどのケーキを食べようか……そんな風に考えながら去っていくローザを、カルビを皿にいれながら見送るジャック。 「ったく、若いな……」 カルビをどう胃に収めるか考えながら呟くジャックは、それでも今日は楽しい一日だったと思うのだ。 やってきた焼肉屋は思った以上に種類が多かった。 何を食べようかと少し悩んだナハトはカルビを先にとり、次は牛タン。 そしてホルモンへと足を延ばす。 他の肉の前では特に反応を示さなかったギーは、瞳を輝かせる。 「シマチョウとホルモン!」 「しまちょ……あるのかい? それ」 そう言って覗きこめば、ホルモンだけでも三種類。 味の違いとシマチョウもちゃんとあった。 「よし!!」 四人分、とにかく皿に盛っていたギーは、ナハトがふふっと微笑みを浮かべたのをみてそちらに視線をやる。 そこにはシュリとロウハが此方をみていて、軽く頭を下げる。 どうやらあちらはあちらで楽しんでいるようだ。 「……そんなに偏って、野菜も食べるんだよ」 「焼くのめんどくせぇからいらねぇ」 やれやれと溜息をつくナハトを伴い、2人はひとまず席へと戻って行く。 席につけば乾杯をして、早速焼きはじめるギー。 だがしかし、皿の上にはなぜかシマチョウとホルモンじゃなくてナハトが持ってきたピーマンや玉ねぎを筆頭としたカルビや牛タンも。 ただたんに面倒だから持ってこなかっただけであって、普通に嫌いじゃないから食べるギーは美味しいと頬を緩ませる。 そんな彼をみて拒否されてないということは嫌がられてないのだとわかり、ほっとする。 「……?」 そんな彼がなぜかシマチョウとホルモンをナハトの皿へとおく。 どうやらお礼のようだと、ありがとうと微笑めばかえってくるのは無言だった。 なぜなら。 (うめぇ、久しぶりに食ったけどやっぱりうめぇ) と感動していたからだし。 それに。 (シマチョウとホルモン好きだっつーと、「女みたいだ」って笑われるけど、ナハトは笑わないな) 寧ろ美味しいと食べている姿になんだか嬉しいとまたシマチョウとホルモンをギーの皿へ。 それにきょとんとした表情を浮かべたナハトは、ふっと微笑みホルモンを口へと運ぶ。 「やっぱり美味しい」 その姿を見るのはとても幸せな気分になれた。 (自分が好きなものを、好きと言われるのが嬉しい) 「ありがとう、ギー君。野菜食べるかい?」 「いや、それはもういい」 しかしその返答は、結構つれないものだった。 でもそれがギーらしくて、ナハトはくすりと笑みをこぼした。 楽しく、美味しく食べた2時間もあっという間。 「「ご馳走様でした」」 皆の声が揃う。 じゃぁ帰りましょうか。と席を立つ面々。 初めての人も、焼肉が久しぶりの人も、皆が楽しく美味しく過ごせて。 こんな時間を過ごすのもいいな……そんな思いと共に皆で帰路へとつく。 また今度、一緒に食べよう。 そんな約束を交わしながら。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |
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[11] リリアーヌ・サヴェリー 2018/05/24-22:22
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[10] シュリ・スチュアート 2018/05/24-21:42
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[9] ベアトリス・セルヴァル 2018/05/24-21:35
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[8] ローザ・スターリナ 2018/05/24-21:19
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[7] シュリ・スチュアート 2018/05/24-20:46
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[6] ベアトリス・セルヴァル 2018/05/24-10:23
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[5] リリアーヌ・サヴェリー 2018/05/24-02:22
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[4] ナハト・フリューリング 2018/05/24-00:49
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[3] ローザ・スターリナ 2018/05/23-23:30
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[2] ベアトリス・セルヴァル 2018/05/23-13:55
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