あいきとうか GM

はじめまして、もしくはお久しぶりです。あいきとうかです。

皆様のキャラクターが生き生きと活躍できるよう、
誠心誠意、そしてめいっぱい楽しく励ませていただきます!

よろしくお願いします。



メッセージ・インフォメーション等

描写ご希望のセリフや心情は遠慮なくプランにご記載ください。
ご意向に沿えるよう、尽力させていただきます。

パートナー同士でお楽しみいただく指令が多めです。
(ロマンスや日常っぽいものなど)
指令内で他の浄化師様との交流をご希望の方はプランにその旨をご記載ください。
可能でしたら交流なさる浄化師様双方がご記載ください。

戦闘シナリオは浄化師様同士の交流・アドリブが特に多めになります。
苦手な方はあらかじめお申し付けください。

どのシナリオでも口調のサンプルがあるととても嬉しいです!


作品一覧

【友好】鏡の中に映るのは
参加人数 4 / 8人

祝花は婚礼と誓いに咲く
参加人数 5 / 8人

梅花迷宮は絆を試す
参加人数 8 / 8人

ファラステロは夜を往く
参加人数 6 / 8人

氷精迎えとかまくらと
参加人数 4 / 8人

朝日に溶ける
参加人数 5 / 8人

トロール・ブルーと雪遊び
参加人数 4 / 8人

アユカ・セイロウのクリスマス!
参加人数 1 / 1人

リコリス・ラディアータのクリスマス!
参加人数 1 / 1人

ヘスティアの火
参加人数 5 / 8人

アチェーロ渓谷の紅葉狩り
参加人数 3 / 8人

常夜の国のセレナーデ
参加人数 8 / 8人

【魔女】お味はいかが?
参加人数 4 / 8人

【魔女】見習いくんのささやかな悪戯
参加人数 4 / 8人

【魔女】ずっといっしょに
参加人数 4 / 8人

森の中の仕立て屋さん
参加人数 8 / 8人

お薬飲めるかな?
参加人数 4 / 8人

旅立つ友にはなむけを
参加人数 8 / 8人

夜長の閑談
参加人数 8 / 8人

青の音色
参加人数 8 / 8人

トマティーナ・クッキング
参加人数 3 / 8人

新人だってかっこよく戦いたい
参加人数 5 / 8人

私に贈り物をくださいな
参加人数 8 / 8人

向日葵は秘密を求める
参加人数 8 / 8人

氷菓子は半分ずつ
参加人数 8 / 8人

森の中の幸せ?
参加人数 4 / 8人

【海蝕】波打ち際の宝物
参加人数 8 / 8人

夜空に星河、傍らに君
参加人数 8 / 8人

空に虹がかかるまで
参加人数 8 / 8人


リンク・ファンレター


サンプル

 妖精、という存在がいる。
 かつては人の傍らで生活を営むよき隣人であり、ラグナロク以後、完全にその姿を消し御伽噺で語られるばかりとなった種族だ。
 その発生や生態について、残された文書はあまりに少ない。
どこまでも虚構。
 実在しない生物――だった。
 春精オベロンが人類との同盟を望み、接触してくるまでは。
 いくつかの事件を経て、浄化師を人類側の代表に立てた妖精との同盟は締結された。というのも、魔法生物である妖精を目視できるのは、高い魔力とその素質を持った浄化師だけだったのだ。
 並の人間にも見えるようにしようと思えば、妖精側に相当な、魔力的負担がかかるらしい。
 決戦を控えた現在において、その浪費は得策ではない、というのが妖精側の見解だった。
 とはいえ、同盟は決して順風満帆に進んでいない。妖精種は永く中立の立場にあったのだ。今さら人類に手を貸すことなどできなかった。
 なにより、それは神に対する宣戦布告を意味する。
 魔力こそ高いがその回復が遅く、数も少ない妖精種は、ヨハネの使徒やベリアルによりさらにその個体数を減少させていた。白旗をあげ、息を殺して生きることこそ、彼らに残された穏やかな生存の道なのだ。
 オベロンが掲げる同盟は、それを破壊することに他ならない。
 一部の妖精種は賛同し、しかし未だ反対する者も少なくない、というのが実情だった。

「だが、一丸となってようやくひとつの勢力になるかどうかなのだ」
 はぁぁ、とため息をつきながらオベロンは上半身をテーブルに投げ出す。
 薔薇十字教団本部、すなわち浄化師たちの本拠地の、敷地内に設置されたガゼボのひとつだ。
 初夏の風が優しく彼の髪を撫でた。花の匂いを微かに含んだそれが心地よく、オベロンは目を細める。
 胸にたまった重さを吐き出すように、もう一度、深く息を吐き出した。
「全く、頭の固い老人どもめ。逃げ隠れるだけが妖精種ではないだろうが。だいたい、かつては共に暮らした人の子らが頑張っているのだぞ。ちょっとは意地を見せたらどうなのだ」
 汝らも、この世界で生きるひとつの命の癖に。
 ぶつぶつとオベロンは拗ねたように言葉を連ねる。一週間かけてあちらこちらの妖精を説得して回り、ようやく帰ってきたところだった。
 成果は芳しくない。
 積もった疲労と心労に、悔しさが混じって心がぐちゃぐちゃになりそうだ。
「せめて八百万の神々が命じてくれれば……」
 妖精種はその生まれの都合上、八百万の神々に決して逆らえない。
 一柱でも「戦う」と宣言したなら、すべての妖精種がそれに従うことになるのだ。
「オケアノス様が現れ、ニホンでは多くの神々が顕現されておる。じきに世界は動く」
 大きな戦いの火蓋が切って落とされる。
「同胞らも無事ではないだろう。神々ですら、以前よりなおの損害を被られる。人の子らももちろんのことだ」
 ひとりでも、ひとつでも、喪い傷つき涙するものがいなくなるように。
 皆で力をあわせて立ち向かわなくてはならないと訴えるための、同盟だ。
「うまくいかぬなぁ」
「……あの」
 自虐気味の笑みを口元に浮かべたオベロンは、声をかけられ慌てて身を起こす。
 何度か話したことのある浄化師が、遠慮がちにこちらをうかがっていた。
 人と接することができる。
 それだけでも嬉しくて、オベロンはしばし、胸中の鉛を忘れて頬を緩めた。
「どうした?」
「さっきまで任務に行っていて。帰りにおいしいクッキーを買ってきたんですけど……。一緒に食べませんか?」
「よいのか?」
 はにかみながら浄化師が頷く。
 ――これだ。
 この眩い表情を、温かな心を守りたい。
 沈んでなどいられないと、オベロンはこぶしを握った。

 氷精グラースは、熱に弱い。
「あっつ……」
 真夏ともなればノルウェンディの中でも格別に寒いところから一歩も出てこなくなるのだが、今はまだどうにか耐えられる。
 オベロンが帰ってくると聞いて、進捗を問うために彼は薔薇十字教団本部を訪れていた。
 しかしどうやら人間とのお茶会を楽しんでいるようだったので、声をかけるのはやめにし、時計塔で涼しい風に吹かれている。
「ま、今度でも構わないしね」
 どうせうまくいっていないだろう。そう簡単に進むような話ではないのだ。
「ゆっくりやってたら全部終わっちゃうだろうけど。それはそれでいいんじゃないの」
 結果としてひとりでも多くの人間を救えるなら、グラースはそれでいい。
 同盟に多くの妖精が反対しても、八百万の神々の活躍ですべてが終わっても、異論はなかった。
「グラース!」
 後ろから元気よく呼ばれ、少年姿の妖精は振り返る。
 二人組の浄化師が、手を振りながら近づいてくるところだった。ひとりは両手に氷菓子を持っている。
「さっきこっちにくるのを見たんだ。久しぶりだな」
「久しぶり。元気そうだね」
「グラースも。もっと遊びにこいよな!」
「ここ、暑いんだよ」
 肩を竦めたグラースに、浄化師の片方が氷菓子をずいっと差し出した。
「って言うと思って、持ってきたぜ。今年の新作の試作品だってよ」
「へぇ。もらっていいのかい?」
「もちろん! 一緒に食おうぜ」
 友人のように気さくに、浄化師たちがグラースを挟むように立って氷菓子を食べ始める。
 くすぐったさを感じながら、氷精も氷菓子をかじった。

 地精ティターニアは、度々困る。
 魔術学院の二階の図書館。人が少ない時間を見計らい、彼女はここに通っていた。主に読み書きの本を借りるためだ。
 声を失っている彼女にとって、筆談は人と関わる上で必須の技能になる。
 しかし彼女は長く人の生活から離れており、かつ文化は変わりゆくもので、文字も言葉も例外でないため、今まさに勉学に励んでいる最中だった。
(本をお借りしたいのですが……)
 妖精が持ったものは通常、妖精を見られない者の視界から消える。ならば本を持ち出しても咎められない、と考えられないのがティターニアだ。
 どうにかして正規の手続きをしたい。こうなれば魔力を使うか、と思いきりかけたところで、
「あの……」
 遠慮がちな声にティターニアは瞬いた。
 見れば、ひとりの浄化師が淡く笑んで首をかしげている。
「お困りですか?」
 こくこくとティターニアは頷き、身振り手振りでこの本を借りたいのだと伝えた。
 紙もペンも持ってこなかったことを、少し悔いる。
「本を……。分かりました、私が司書さんに説明してきます」
 請け負ってくれた浄化師は、手際よく司書に話をつけてくれた。図書館の出入り口で本を渡され、ティターニアは落ち着かなく視線を泳がせながら一礼する。
 まだ、人と器用にかかわることができないのだ。
 勝手に期待して勝手に失望して離れて、勝手に戻ってきた、という意識が負い目になっていた。
「ティターニアさん、よかったこのあと、お茶でもしませんか?」
 そそくさと立ち去ろうとした彼女に、浄化師は穏やかに言った。
「お勉強のお手伝い、させてください」
 筆談もできる、と示すように浄化師は懐から紙とペンを出す。
(私……)
 ためらった。申しわけなさが苦く舌の上ににじんだ。
 でも、それでも。一歩を踏み出さなければなにも変わらないと、彼女はもう十分に知っている。
 なにより人間のことを嫌っているわけではないのだ。むしろ好きだ。
 ただちょっと、今はまだ、後ろめたくなってしまうだけで。
(私でも、いいのなら)
 耳の先を赤くして頷いたティターニアに、浄化師は笑みを深めた。