~ プロローグ ~ |
「ガアアアアアアッ!」 |
~ 解説 ~ |
詳細説明 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。あるいはこんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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【目的】 フィデリオ的には、浄化師の責務を果たしたいんだろうザックの、初陣によさそうな任務で経験積ませる為。 ザックは、ベテランもいる御膳立てされた任務で経験を積みたい。そしてしっかりベリアルを倒したい。 【編成】 Bチーム 【行動】 フィデリオは後衛について、ザックを中心に前衛のサポートをメインに動く。 前衛中衛を乗り越えて後衛にベリアルが来たら、盾を構えながら目を離さずに攻撃。 ザックは、チーム内の他前衛の速度に合せ、突出し過ぎないようにベリアルに接近。 チームノルマの4体分を攻撃交えて味方と引き付けて、Aチームから離すように誘導。 ベリアルの攻撃は盾を駆使して受け、積極的に攻撃に参加。隙があれば暴虎馮河斬。 |
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【行動】 ・戦闘前に【魔術真名】詠唱 ・Bチーム、リトルペア・唯月ペアと共に行動 ・エマとミハエル、他の仲間と協力しながら敵4体引き付け、Aチームの戦闘の邪魔にならない位置で戦う エマ ・ヒット&アウェイの要領で戦う ・敵の機動力を削ぐ為まず敵の足を狙って通常攻撃 ・敵が怯んだ所を狙って【JM1】 ・自分の攻撃が外れた時は慌てずに回避または防御する ミハエル ・攻撃を加えつつも主に仲間のサポート ・エマが攻撃を外した時は代わりに攻撃を仕掛けたり、仲間が敵の攻撃を受けそうな時は【GK1】で守る 2人共通行動 ・敵の体から魂が出てきたら囚われている魂の鎖を魔喰器で破壊し喰わせる |
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担当は【Bチーム】 『彼らに“弔いの花束を”』 敵を討伐します ◆心情 僕は。本当は、敵よりも人が怖かった ほんの少し、前までは ◆戦い パンプティ 前衛 体力と図体を生かし、声を上げ犬を挑発 仲間と一緒に敵をひきつける 敵数はA・B半々で持つように意図 攻撃は積極的に TM1もここぞと思ったら使う 仲間が立ち回りやすいよう位置に配慮 「さぁ来い!相手をしてやるぜ」 リトルは中衛、SH1使用 全体を見ながら攻撃 犬の逃走や不意打ちがないか状況を常に把握 仲間に合わせて配慮しながら動く 後衛狙いの敵がいたら妨害 「此処で僕らが、彼らを止めなければ。惨劇は、繰り返されてしまうから」 ◆後 パンプティや仲間に道具で手当てを それと、犬を供養したい |
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◆目的 ベリアルの全滅 ◆戦闘 二つにチーム分け、敵を4体ずつ分断し対応 ロウハ&シュリ、ザック&フィデリオと同チーム 戦闘開始後、魔術真名を唱える ・エリィ 後衛 魔力が尽きるまではスキルで攻撃 味方の攻撃の際に生じる隙を補うようにサポート 前中衛をすり抜けてきた敵がいれば、そちらを優先 なるべく後方から状況を広く見れるよう意識しておき 何かあれば注意喚起したり、援護に向かう ・レイ 中衛 前衛の方達と共に積極的に攻撃し、敵を引き付ける 敵との距離がある時は通常攻撃、近づいた時はスキル使用 触手に気を付けつつ、なるべく距離を取って対応 戦闘終了後、怪我人がいたらレ応急手当を 特に女性は傷跡なんて残ったら大変ですからね |
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◆目的 ベリアル全撃破 ◆チーム Bチーム担当 各4体撃破を目標、片方のチームが苦戦してる場合は援護へ ◆戦闘 ・活性化してるMG2をメインに中衛から攻撃 ・仲間との連携も大事に、同士討ち等回避を心がける ・自身の危機的状況の際は戦闘から離れ、サポートに徹する 正直戦いなんて…苦手…。 でも今ちゃんと戦えないと… もっと戦わなきゃな時、足でまといになるのも嫌…です。 ◆戦闘終了後 ・仲間に怪我人が出ていたら持っている救急セットで簡単に応急処置 怪我してる方はいませんか?…道具持ってるので…その 傷の手当程度でしたら…出来ます 下級ベリアルと言えど…戦いは…まだ怖いです… (瞬さんの変わりようにも…今後慣れなくちゃ…なのかな…) |
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◆作戦 二手に分かれて4体ずつのベリアルを倒す狙い わたしとロウハは フィデリオさん&ザックさん エリィさん&レイさん と一緒にチームを組む 基本的には各個撃破 常に声を掛け合い、戦況の確認と連携を怠らない ◆戦闘 戦闘前に魔術真名を唱える ロウハは前衛 ターゲットとなる個体に対し積極的に攻撃を行う 指笛や攻撃により敵を引き付ける 通常攻撃の他クロス・ジャッジも使用 わたしは中衛から攻撃支援 敵の足元や触手を重点的に狙い、前衛が攻撃しやすいようサポート ターゲットと別の個体が出てきたら攻撃を飛ばして牽制 敵の攻撃を注視し、まともに喰らわないよう努める 攻撃の癖を探してみる ベリアルの魂が体から出てきたらすかさず鎖を破壊する |
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~ リザルトノベル ~ |
●戦いはパートナーと共に 熟練の浄化師に見守られながらの低級べリアルの殲滅。 依頼を受けた新人の浄化師達は戦いの時を待っていた。 いま目の前では、熟練の浄化師達が強力なべリアルを狩り獲り、戦い易い低級を逃がさず追い込んでいる。 全ては新人の浄化師達のためだ。 用意が終われば、即座に熟練の浄化師達と入れ替わる事になっている。 それまでは各々が戦闘の準備と、パートナーとの交流をするように言われていた。 戦いの時が近付く中、浄化師達はパートナーと言葉を交わし戦意を高めていた。 「気合入ってるね」 のんびりとした声で『フィデリオ・ザッカーバーグ』は『ザック・ゲイル』に声を掛ける。 「当たり前だ」 当然だ、というように返すザック。 「いつでも動ける準備はしとかないと」 これに肩をすくめるように返すフィデリオ。 「それはそうだけど、面倒だね」 「これから戦うってのに、面倒がってる場合じゃないだろ。そもそも依頼を受けたのはフィデリオじゃないか」 「初心者向けだと思ったんだよ」 「楽が出来ると思ったのか? 良い経験を積むチャンスなんだから頑張らないと」 ザックはフィデリオに視線を合わせて言う。 それは自分だけでなく、フィデリオを引っ張り共に前に進もうとするかのような力強さがあった。 まだまだ少年と言ってもいいザックだが、向上心は人一倍。 それだけに力が入り過ぎることもある。 でも今は違う。 フィデリオとの会話で、知らずに余計な力が抜けていた。 それに気付いたフィデリオは、やわらかく笑みを浮かべ言った。 「分かった。依頼だし頑張るよ。一緒にね」 こうして会話を重ね、戦いへの準備を整えていくのは他の浄化師達も同様だ。 「チーム戦は仲間同士の連携が重要だと私は思うのです」 穏やかな声で『ミハエル・ガードナー』は『エマ・シュトルツ』に声を掛ける。 「連携、ですか?」 問い返すエマにミハエルは応える。 「はい。自分一人が頑張っても、相手に頼りすぎてもいけません」 それはエマを想っての言葉。 ミハエルはエマが正しい道を進む助けになるように言った。 「お互いを思い合い、自分に何ができて、何ができないのか考えて行動することが勝利へと繋がると考えております」 これにエマは、自分の中で考えを纏めるような間を開けて返した。 「そう、ですね……私はミハエルさんより敵の攻撃を素早くかわせます。だから敵を引き付けるのは上手くできると思うのです……でも――」 エマはミハイルと視線を合わせ、今の自分と向き合うように言った。 「回避できなかった時、攻撃を受けてしまったら……弱い、です」 「ならば――」 エマの言葉を受け取り、ミハエルは彼女の前で跪き手を取る。 「エマ様より頑丈で丈夫な私は、エマ様や他の皆様を敵の攻撃から守る盾となりましょう」 誓うような言葉に、エマは笑顔を浮かべ力強く返した。 「はいっ、私も頑張ります!」 そうしてパートナーと言葉を交わすのは『リトル・フェイカー』と『パンプティ・ブラッディ』も同じだった。 「怖いか?」 パンプティはリトルに声を掛ける。 思いつめたような眼差しでべリアルを見詰めるリトルに気付いたからだ。 「怖い……ですか?」 パンプティの言葉で、初めて自覚できたかのように返すリトル。 そんなリトルを元気づけるようにパンプティは言った。 「浄化師として初めての戦いだ。怖いって思っても仕方ないさ。でも安心しな。アタシがついてる」 これにリトルは力を抜くように小さく笑みを浮かべる。 「ありがとうございます。心強いです。怖くなんかありません」 口にすることが出来なかった言葉を飲み込みながら、リトルは返す。 (だって僕が、本当に怖かったのは敵じゃなく……人だったんですから) それは、ほんの少し前の自らの真実。 けれど今では違う想い。 その想いを心に抱き笑みを浮かべるリトルにパンプティは力強く言った。 「やるぞ。2人で」 「はい」 パンプティの言葉に力強く返すリトルだった。 そうしてパートナーを力付けるように声を掛ける者がいれば、逆に気を付けるように言う者も。 「初めての実戦! どきどきわくわくデス!」 興奮したように『エリィ・ブロッサム』は、熟練の浄化師達と戦うべリアルを見て声を上げる。 「やはり資料で読むのと見るのじゃ大違いデスネ!」 重度の魔術オタクなエリィにとっては、べリアルとの戦いは研究成果である魔術を実践する絶好の機会だ。 「ふふふ、テンション上がってしまいマス!」 心躍らせるように、楽しげだ。 それだけに見ていて危なっかしくなるのも仕方ない。 注意をするように『レイ・アクトリス』は呼び掛ける。 「訓練的とはいえ、命を懸けた戦いです。くれぐれも油断はしないでくださいね」 これにエリィは余裕を見せ返す。 「大丈夫デスヨ! 無茶はしまセン! 死んだら研究が出来なくなるんデスカラ! でも――」 楽しげな笑みを浮かべエリィは言い切った。 「同じ戦うなら楽しまないと損デス! さあ、存分に楽しみまショウ!」 これに苦笑しながらレイは受け入れる。 なぜならべリアルを倒すことを望んでいるのは自分もだからだ。 (テンションが上がってるのは僕もです……ようやくこの手でベリアルを殺せるようになったんだ。一匹も逃がしはしません) かつて家族や友人を目の前で殺されたレイにとって、べリアルは根絶やしにすべき仇敵の1つ。 敵意を心の奥に飲み込んで戦いの時を待っていた。 そうして戦意を抱く者がいれば戦いの不安を抱く者も。 「ベリアルなんて……わたしに倒せるのでしょうか……」 熟練の浄化師とべリアルの戦いを見ながら『杜郷・唯月』は不安そうに呟く。 今回で2度目の戦闘になるが、それでも慣れるほどではない。 どうしても不安が先に立つのは仕方ないだろう。 そんな唯月を『泉世・瞬』は明るい声で元気付ける。 「大丈夫だよ。心強い仲間もいるし、俺にもいっぱい頼ってね!」 いつもと変わらず自然体の瞬に、唯月の不安は小さくなってくれる。 (確かに戦闘の瞬さんは頼りになる……かも……) 戦いになれば、普段の明るく能天気なのんびり屋からガラッと変わり、冷徹で好戦的な部分を見せる瞬は確かに頼もしい。 (でも、ちょっと怖いかも……) 「どうしたの?」 「うひゃ!」 覗き込むように顔を近づけて来た瞬に、思わず唯月は声を上げる。 (瞬さん距離が! 近い!) 恥ずかしげに頬を染めながら驚く唯月に、笑顔で瞬は言った。 「頑張ろうね」 これに唯月は、おどおどしながらも応えた。 「……はい」 こうして皆は言葉を交わしながら戦いへと意識を高めていく。 そんな中『シュリ・スチュアート』と『ロウハ・カデッサ』は近付く戦いの予感を感じていた。 (エクソシストになったんだから、こういう戦いの経験をしっかり積んでいかないといけないわ) シュリは、熟練の浄化師達が下級のべリアルを追い込んでいるのを見ながら、緊張していた。 (先輩の手を煩わせないように、皆で頑張るのよ) 心の内に意気込みを抱きながら、この時のために重ねた努力を思い出す。 (大丈夫……戦いの訓練はロウハと何度もした) 自然とシュリはロウハに視線を向ける。 (ロウハもいるんだし、きっと大丈夫) そう思うだけで力が湧いてくる気がした。 そんなシュリを横目で見ながらロウハは思う。 (お嬢、やっぱり緊張してんな……戦い慣れしてるわけじゃねーし、仕方ないが) そして自分の役割を誓うように心の中で呟く。 (ま、それを引っ張ってやるのも俺の役目だ) 言葉にはせず、けれど自覚するように思う。 それと時を同じくして、下級のべリアルを追い込んだ熟練の浄化師達が、戦いの交代を告げた。 (戦わなきゃ) 意気込みは強く、だがそれだけに強張る身体で前に出ようとしたシュリの手をロウハが取る。 「大丈夫だ、お嬢」 その手は力強く支えてくれるような確かさがあった。 「あ……ありがとう、ロウハ」 気恥ずかしさと、それ以上の力強さを胸に抱きながら、シュリはロウハと共に魔術真名を口にする。 「紅き星に誓う」 抑えられていた魔力の生成が始まり、常人を超える力が駆け巡る。 かくして戦いの準備は整う。 それは他の浄化師達も同じだ。 それぞれ魔術真名を口にし戦いの場へと。 「灯火を掲げよ」 ザックは魔術真名を口にし、仲間の浄化師と足並みを揃え前へ出る。 その後ろを守るように、フィデリオは後衛に就く。 「貴方と共に希望の旋律を奏でましょう」 エマの右手の甲をミハエルは手に取り口づけし、2人は魔術真名を口にする。 そして即座に仲間の元に合流を。 「彼らに弔いの花束を」 自らの想いも込めリトルは魔術真名を口にする。 それに応えるように、手の甲を合わせながら魔術真名を口にしたパンプティは歓喜を浮かべ戦いへと向かう。 「右手に祝福を。左手に贖罪を」 エリィは魔術を思うがままに振える戦いに歓喜を浮かべ、レイはべリアルへの敵意を胸に秘め戦いへと身を投じる。 「ょ、よろしくお願いしますっ」 「へへ、頑張ろーねぇー!」 2度目の戦闘依頼で、まだ慣れていない唯月は、ぎこちないながらも瞬と両手を触れ合せ魔術真名を口にする。 「ペリドットアイリス」 戦いの始まりと共に意識を切り替えた瞬と共に、唯月は戦いに向かう。 かくして熟練の浄化師と入れ替わりベリアルと対峙する。 AチームとBチームに分かれ動こうとする浄化師達。 だが最初は手間取り、Bチームに全員が集まってしまう。 これはチームで集まることを考えていた浄化師は全てがBチームに。 チームではなく一緒に集まる相手を見ていた浄化師は、それにより一緒にBチームに集まってしまったからだ。 そこに一斉に襲い掛かろうとするべリアル達。 だが、ここでパンプティが声を上げべリアルの一部を引き付ける。 その後ろを守るようにリトルも動き、他のチームが苦戦していたら即座に援護に動くつもりでいた唯月と瞬は合わせて動く。 あとを追うように、エマとミハエルは走り合流する。 これによりBチームが離れ、残ったフィデリオとザック、エリィとレイ、そしてシュリとロウハはAチームとして別れ戦いが始まった。 ●打ち倒せ、Aチーム 襲い来るべリアルに向け最初に跳び出したのは前衛組のロウハとザック。 「掛かって来い!」 ロウハは敵の前に出ると指笛も鳴らし注意を引きつける。 一斉に襲い掛かって来るべリアル達。 そこに踏み込み斬撃を叩き込む。 一撃を受けた敵の一体は怯んだように動きが止まるが、残りの三体が襲い来る。 その内の一体をザックが迎撃。 「させるか!」 敵はロウハに注意を向けていた事もあり、不意を付けた。 その好機を逃さず全力攻撃。 暴虎馮河斬を使い鋭い突きを放つ。 闘気を剥き出しにした獣のような一撃は深々と敵の胴体を貫いた。 一撃で倒すことは叶わなかったが動きを鈍らせる。 だが、まだ健在な敵は2体。 変わらずロウハに襲い掛かろうとする2体を、中衛と後衛の浄化師が攻撃する。 (叩き潰す) 中衛のレイは湧き上がる敵意を闘志に変え一歩踏み込む。 距離が近付いた敵にアルカナソードを撃ち放つ。 投擲されたソードのタロットカードは疾風の如き勢いで敵の目に突き刺さった。 「ギャウ!」 敵は堪らず声を上げ動きが止まる。 その隙を逃さずエリィが追撃を放つ。 「楽しませて貰いマスヨ!」 プロージョンを発動。 手にした杖を敵に向け強化された魔力弾を叩き込んだ。 レイの攻撃で動きが止まった敵は、まともに食らう。 後方へと吹っ飛ばされるほどの勢いで叩き込まれた。 これでロウハに襲い掛かる敵は残り1体。 それをシュリが止める。 (相手の動きをよく見て攻撃しないと) シュリは敵の動きを注視しながら魔力を込めたタロットカードを投擲。 ダメージを与えることよりも支援を意識し敵の動きを止めるため足を狙う。 狙い過たず、敵の右前足に突き刺さり動きが止まる。 そこに後衛が追撃を。 (まだ余裕があるかな?) フィデリオは目の端でザックを見ながら援護の必要なしと判断し、シュリの攻撃で動きが止まった敵への追撃を優先する。 捧身賢術で魔力攻撃力を上げ魔力弾を撃ち放つ。 動きの鈍った敵にクリーンヒット。 浄化師達の初撃は全て効果的に叩き込まれ戦いは有利に展開していった。 戦いは浄化師優勢なまま進む。 一撃一撃を確実に叩き込み敵の体力を削っていく。 そしてついに魂を縛る鎖を露わにさせた。 (あれが、囚われた魂か) ザックは敵の1体から立ち上るように現れた、それを見詰める。 それは魂を縛る鎖。 犠牲となった犬の魂を捕える、凡そ不可侵の束縛。 だがそれを解放する術を手にする浄化師達は、解き放つために踏み込む。 「見せ場は作ってあげるよ」 突進するザックを援護するために、フィデリオは攻撃を放つ。 捧身賢術で高めた魔力弾を叩き込み、敵の動きが完全に止まった所にザックは束縛の鎖を断ち切る一撃を。 鎖は砕け散り魂を開放した。 これで残り3体。 それも次々解放されていく。 「ロウハ、援護するわ」 逃げるように動く敵に向け、シュリは魔力の篭もったタロットカードを放つ。 突き刺さり動きが止まった所にロウハが止めの一撃。 クロス・ジャッジの十字連撃が鎖を断ち切った。 敵の残りは2体。 その内の1体をエリィとレイが打ち倒す。 「逃がしまセン!」 エリィは逃げるようによろめく敵に向け渾身の魔力弾を放つ。 それは顔面に命中。 間髪入れずレイの追撃が入る。 (絶対に逃がさん) 必殺の敵意を込めレイはタロットカードを放つ。 鋭い一撃は魂を縛る鎖を切り裂き、束縛していた魂を失ったべリアルは肉体を崩壊させ滅び去った。 敵の残りは1体。 それも力を合わせた浄化師達により僅かな時間で打ち滅ぼされた。 こうしてAチームはべリアルを打ち倒す。 それはBチームも同様だった。 ●打ち勝て、Bチーム 果敢に戦いを進めるBチーム。 それだけに無傷では済まない者も出ていた。 「パンプティさん! 傷が!」 リトルが傷付いたパンプティに声を上げる。 敵の注意を引くために挑発していたパンプティは、敵の集中攻撃を受け幾らかダメージを受けていた。 パンプティは盛大に斧を振り回し敵を迎撃しながらリトルに応える。 「はっ、アタシを気にかけようなんざ、そのうち神様に呪われるぜ」 「……構いません。君が傷つくよりずっとマシです」 リトルの応えにパンプティは一瞬、虚を突かれたような表情になるが、すぐに楽しげな笑みを浮かべ返した。 「こいつは意外……だったらココでへばるなよ! 地獄の底まで付き合いな、相棒!」 「はい!」 リトルは力強く返しパンプティと連携を取りながら戦っていく。 それは他の浄化師も同様だ。 (もっと引きつけないと) エマはヒット&アウェイで敵の注意を引きつける。 それはAチームに余計な敵が行かないようコントロールするような動き。 素早く動きながら踏み込み過ぎず敵の足を狙い機動力を削ぐ。 その動きは効果を発揮し敵を分断した。 だがその分、敵の敵意はエマに集中する。 エマが1体を相手取っている側面から、もう1体が襲い掛かる。 けれどその牙は届かない。 「させません」 仲間の防御に動いていたミハエルが、敵の動きに気付き立ちはだかる。 手にした鎌を構え突進し、その勢いで吹っ飛ばす。 鳴き声を上げ転げる犬型べリアル。 「ありがとう」 エマは礼を口にしながら、受け持つ敵から視線は離さない。 視線を交わさずとも共に戦っているという実感を胸に、敵を攻撃していった。 そうして敵を追い詰めていくのは唯月と瞬も変わらない。 (ちゃんと戦わないと) 唯月は未だ慣れない戦いに身を投じながら必死に攻撃を重ねていく。 (正直戦いなんて……苦手……。でも今ちゃんと戦えないと……もっと戦わなきゃな時、足でまといになるのも嫌……です) それは背中を守るようにして共に戦ってくれる瞬の活躍に応えるように。 懸命に身体を動かし敵を追い詰めていく。 堪らず距離を取ろうとする犬型べリアル。 だが逃げ出した先に安全な場所などない。 「俺の射程内に来るなんて……余程死にたいのかな」 唯月の動きに合わせ位置取りをしていた瞬は、逃げるように距離を取ったべリアルに照準を合わせる。 プロージョンを使い強化された魔力弾を叩き込む。 逃げた先に攻撃が来るとは思っていなかったべリアルは、まともに食らった。 大きく後方に吹っ飛び、よろめく。 そして身体から立ち上るようにして囚われた魂を露わにさせた。 「今だ! 止めを刺して!」 瞬の声に導かれるようにして唯月は攻撃を放つ。 アルカナソードを発動。 ソードのタロットカードにありったけの魔力を込め疾風の勢いで投擲。 刃の如き鋭さを見せ束縛の鎖を断ち切った。 解放された犬の魂は、ふわりと唯月の傍を通り過ぎ天へと昇る。 (良かった。自由になったんだ) 安堵する唯月に、瞬が檄を飛ばすように声を掛ける。 「まだだ。敵は残ってる」 「は、はい!」 緩みそうになった意識を引き締める唯月に、瞬は僅かに柔らかな声で言った。 「大丈夫。俺が守るから」 その言葉に力強さを感じながら、唯月は仲間の援護をするように戦いへと戻る。 こうして浄化師達の攻勢は勢いを増し、次々に囚われた魂を解放していった。 「待ても出来ねぇ犬共に、食わせてやる餌はねぇ!」 パンプティは戦いに歓喜を浮かべ、リトルに噛み付こうとしたべリアルの横っ腹に一撃を叩き込む。 突進の勢いも込めたクラッシュスイング。 斧を全力で振り抜き、べリアルの身体が半壊するような攻撃を叩き込んだ。 この一撃にべリアルは動く事すら出来ない。 束縛した魂を露わにする。 「止めだ! 相棒!」 信頼を込めた呼び掛けにリトルは応える。 (すぐに解放します) リトルは囚われの魂を解放すべく、トランプに偽装したまじない呪符を投擲する。 渾身の魔力を込められた一撃は、魂を縛る鎖を粉砕し自由にした。 残る敵は2体。 その止めはエマとミハエルに委ねられた。 「そっちに行きました! お願いします!」 「止めを頼む!」 べリアルに攻撃を重ねていた唯月と瞬は、べリアルが逃げ出した先にいるエマとミハエルに呼び掛ける。 「エマ様。右は私が受け持ちます」 「はい。気を付けて」 エマはミハエルに声を掛けると、逃げようとするべリアルに集中する。 重ねられた攻撃で弱ったべリアルは、捕らえた魂を露わにしていた。 (早く自由にしてあげないと) 鎖に囚われ藻掻くように動く魂を自由にするべく、エマは一気に距離を詰める。 斬撃の間合いに踏み込むと同時にクロス・ジャッジ。 十字に振り抜かれた連撃は、魂を拘束する鎖を切り砕いた。 残り1体。 それもミハエルにより解放される。 ミハエルは手にした鎌を振りかぶり、音もなく振り抜く。 命を刈り取る死神の鎌の如く、魂を縛る鎖を切り断ちべリアルに滅びをもたらした。 こうして浄化師達は戦いを終わらせた。 ●戦い終わり 戦い終わり浄化師達は、それぞれパートナーと言葉を交わしていく。 唯月と瞬は、戦いから日常へと戻るように言葉を重ねる。 「おわったー!」 戦い終わり、瞬はいつものテンションに。 「……終わりましたね。お疲れ様です……」 唯月は労いの言葉をかけながら思う。 (少しは、戦いの時の瞬さんに……慣れた……かな?) 唯月と瞬は、一歩ずつ少しずつ、前へ前へと進んでいく。 エマとミハエルは、お互いを気遣うように言葉を交わす。 「怪我は、ありませんか?」 「大丈夫です。ミハエルさんのお蔭です」 「いえ。エマ様が頑張られたからこそです」 「それは……私だけの頑張りじゃありません。皆さんの、頑張りがあったからこそです。頂いた助けをこれからも活かせるよう、もっと頑張りたいです」 「ええ。一緒に頑張りましょう、エマ様」 今よりも、更に先に。 ともに目指すように、エマとミハエルは語り合った。 パンプティは、リトルを慰めるように言葉をかける。 「彼らは、化物になりたくてなった訳じゃないですから」 べリアルとなった犠牲者を悲しむように供養しながら、リトルは涙をこぼす。 「……まったく。しゃーねぇな」 パンプティは、ぐいっとリトルの肩を引き寄せる。 「泣きたいなら、泣けばいいさ。それがきっと、アイツらの供養になる」 引き寄せられ縋るように抱き着いてしまったリトルの頭に、ぽんっと手を乗せ慰める。 「泣いてる間ぐらい、支えるのは訳ないんだ。気にするな。相棒なんだから」 「……はい」 泣きながら、嬉しそうに笑みを浮かべるリトルだった。 エリィは、救急箱を手にしたレイに声を掛ける。 「それ、どうするのデスカ?」 「怪我人がいたら手当をしようと思ってね」 「大丈夫みたいデスネ。手当ての必要な人はいまセン」 「大怪我はともかく、傷が出来た人はいるかもしれないだろう? 傷跡が残ったら大変だ。特に女性は」 「そういうものデスカ?」 「……そういうものだよ、レディ」 不思議そうに聞き返すエリィに、ため息をつくように返すレイだった。 シュリはロウハに、労うように声を掛ける。 「お疲れさま、ロウハ」 「ああ。お嬢も頑張ったな」 「それは、ロウハが――」 一緒に戦ってくれたから。 シュリが言おうとする前にロウハは、からかうように言った。 「最初は緊張してたみたいだけどな」 「そんなこと……ないわ。いじわるね」 からかわれ、つい反発してしまうシュリだった。 フィデリオとザックは、軽口を交わすように言葉を重ねる。 「戦いが終わったからって、まだ終わりじゃないんだぞ」 戦い終わり、どこかだらけた様子のフィデリオにザックは声を掛ける。 「帰るまでが依頼ってことかい? ザックは救急箱を手にして、皆の手当てかい? えらいね」 「……なんだか、からかわれてる気がする」 「そんなことはないよ。かわいいから愛でてるだけさ」 「かわいいとか言うなー!」 いつも通りな2人だった。 かくして浄化師達はべリアルとの戦いに勝利する。 目だった怪我人も出さずに、巧く戦った浄化師達だった。
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*** 活躍者 *** |
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[39] 唯月・杜郷 2018/04/08-23:47
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[38] シュリ・スチュアート 2018/04/08-23:05
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[37] エリィ・ブロッサム 2018/04/08-16:15
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[36] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/08-12:50
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[35] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/08-12:48 | ||
[34] リトル・フェイカー 2018/04/08-09:49
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[33] ミハエル・ガードナー 2018/04/08-07:10
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[32] エマ・シュトルツ 2018/04/08-07:07 | ||
[31] シュリ・スチュアート 2018/04/08-05:03
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[30] シュリ・スチュアート 2018/04/08-05:00
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[29] 唯月・杜郷 2018/04/08-03:23
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[28] エマ・シュトルツ 2018/04/08-00:52
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[27] エリィ・ブロッサム 2018/04/08-00:44
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[26] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/07-23:41
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[25] リトル・フェイカー 2018/04/07-21:12
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[24] リトル・フェイカー 2018/04/07-21:10
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[23] シュリ・スチュアート 2018/04/07-03:41 | ||
[22] エリィ・ブロッサム 2018/04/07-01:17 | ||
[21] エマ・シュトルツ 2018/04/07-00:32 | ||
[20] 唯月・杜郷 2018/04/06-04:10
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[19] リトル・フェイカー 2018/04/05-23:48
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[18] エマ・シュトルツ 2018/04/05-22:07
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[17] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/05-21:31
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[16] エリィ・ブロッサム 2018/04/05-10:44
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[15] リトル・フェイカー 2018/04/05-08:40
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[14] エマ・シュトルツ 2018/04/05-07:04
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[13] リトル・フェイカー 2018/04/05-05:49 | ||
[12] エマ・シュトルツ 2018/04/04-22:20 | ||
[11] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/04-20:29
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[10] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/04-20:29 | ||
[9] リトル・フェイカー 2018/04/04-00:43 | ||
[8] エマ・シュトルツ 2018/04/03-23:23 | ||
[7] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/03-21:55 | ||
[6] エマ・シュトルツ 2018/04/03-21:36 | ||
[5] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/03-11:03
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[4] エマ・シュトルツ 2018/04/03-06:59
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[3] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/02-22:29
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[2] フィデリオ・ザッカーバーグ 2018/04/02-22:09
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