~ プロローグ ~ |
「あっちーぃ」 |
~ 解説 ~ |
一日、ヴァン・ブリーズの巡回というお仕事です。 |

~ ゲームマスターより ~ |
夏なので、それらしい、ちょっと遊べるものをと思いまして準備させていただきました。 |

◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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◎ 昼B ドクター、海洋生物や化石をキラキラした目でみているな…暑いと嫌がってたのが嘘のようだ 流線形。水の、抵抗…化石は神様が…試験的に…(生返事 所で前から気になっていたんですが、ドクターは無神論者なんですか? いや無神論でも気にしませんが… あの…手を引っ張られましても…はぐれない様にですか 夜A 私達の人生が一瞬の出来事…凄く寂しい話だ ドクターの目には、この世界が相当広く映ってるんでしょうね…羨ましいです え?私に教える? お、お手柔らかに… ドクターは自分の見ている世界を俺に見せたいんだろうな… …私が理解できることはきっと少ないでしょうけど、あなたがこうやって嬉しそうに話しているのが私には何より幸せです |
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◆B/夜 ・唯月は水族館は初めて。 ・瞬は撮影等で1、2回程来た事がある。だがちゃんと廻った事は無い。 唯「わぁ…魚が…たくさん…」 瞬「いーっぱいいるねぇ〜」 唯(ハッ!ちょっと子供っぽい反応になってしまったでしょうか…!) 唯「す、すみません…私、水族館に来るの、初めてで…」 瞬「あはは、どーして謝るの〜大丈夫だよ〜」 唯「あ、ありがとうございます…?」 ◆泳ぐ魚達を見て 唯(本当に楽しそうに泳いでる… 何も考えてない事は…ないでしょうが それでも陸にいるわたし達よりは自由に見えて… 復讐とかそう言う気持ちも考えなくて良い気がして…) 唯「少し…羨ましい…」 瞬「いづ?」 唯「…わたし、泳げないので泳げて羨ましいなぁと」 |
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◎ C・昼 巡回ついでにハートのアジサイ探し けどそう簡単には見つからないね 途中、ストロープワッフルを買ってガゼボで休憩 苦笑しつつ、差し出されたワッフルを一口 あはは…可愛いって褒められてもあんまり嬉しくないかな だけどあんなにきらきらした目で両手を広げられたら 要望通り、彼女の膝に頭を預けるしかないよね 伝わる体温と、髪を撫でる優しい指が心地いい 無二の幸せと同時に、罪悪感を覚える 僕は彼女の思う様な出来のいい弟なんかじゃない こんなに仄暗くて、濁った、穢い感情を持ったまま…弟の振りをしてるだけだ 双子に生まれたくなかったな 零した呟きは幸い彼女には届かなくて …ありがと、姉さん 元気出たよ さ、もう少し頑張って探そうか |
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~ リザルトノベル ~ |
ぎらぎらとした太陽の日差しは地面を照らし、晴天の空に雲ひとつなく、唸るほどに暑い。 こんなとき、静寂と涼やかさがそろっているのはアーネムイ水族館だ。 長い銀髪を一つにくくりつけた『レオノル・ペリエ』の後ろを歩くのは影のように黒い紳士服の『ショーン・ハイド』だ。 アーネムイ水族館はヴァン・ブリーズでも大きな施設で、海洋生物を展示した生簀や化石標本などを見て楽しむことができる。 二人は魚たちよりも、こちらへと訪れた。 「あの魚! 水の抵抗を極力減らした流線形だから早く泳げるんだね!」 硝子のケースのなかに収められた石を、まるで宝石のように目を輝かせているレオノルはショーンの手をひきながら楽しそうに声をあげる。 (ドクター、海洋生物や化石をキラキラした目でみているな……暑いと嫌がってたのが嘘のようだ) 巡回ついでに息抜きをする、というのでここへと訪れたのは大正解だったようだ。 「化石もすごいよ。当時は面白い形の生き物が多かったんだ。まるで神様が試験的に面白い形の生き物を作ってたみたいだ!」 「流線形。水の、抵抗……化石は神様が……試験的に……」 嬉しそうに語られる言葉がどうにも難しすぎて、レオノルの言葉をただただ繰り返しているだけだ。 ほぼ生返事といってもよい状態なのにレオノルは口を閉ざして、ショーンを見つめる。 ショーンとしては敬意を示すレオノルについていくのに必死だ。 たいして自分の話が難しい自覚があるレオノルとしてはショーンを責めるつもりはない。むしろ、面倒見がいいし、よくついてきていると感心している。 「すいません、ドクター」 「いや、こうして必死についてきてくれる生徒がいるのは楽しいよ。そうだね、もっとわかりやすく説明していこうか?」 「ありがとうございます。所で前から気になっていたんですが、ドクターは無神論者なんですか? いや無神論でも気にしませんが……」 いきなりの問いにレオノルは目をぱちぱちさせる。 レオノルから神様なんて単語が出てきたので、ショーンは思い切って聞いてみたのだ。 「え? 神様? そういうの気にする? 正直、いないんじゃないかな? 比喩としては使うけど」 ただこの説明ではあまりにも味気ないとすぐに考え直し、レオノルは笑ってつけくわえた。 「人は理由を求めたがる。そのための仮の理由が神の存在だと思ってる」 知識とはロマンティックなものだ。 特に物理は知れば知るほどに、その数値と計算され尽くした形……神様が作り出したような美しさがある。けれどそれは多くの学者や研究者たちが集まり発見した数々の発掘物。それらはたゆまない努力の形ともいえる。 「次を見ようか?」 「あ、はい。あの……手を引っ張られましても……はぐれない様にですか?」 「ここはとっても広いからね!」 レオノルの無邪気さに、ショーンはただ口ごもる。 広い施設とはいえ、客はそれほどに多くはないのだが――レオノルのあたたかな手のぬくもりは、ショーンにはないもので、それがひどく手放したくないものでもあった。 太陽が沈み、紺色に空が染められる。すると、気の早い一番星が空に輝いて、レオノルの瞳にとまった。 しかし、街中の喧噪とぽつぽつとつきはじめた人々の灯が、遠い夜空の輝きはかすめさせてしまう。 「……星を見に行かない?」 「星ですか」 「まだ、一応、指令の時間だからね」 ショーンが視線を巡らせて見つけた時計を見れば、まだ二時間ほど余裕があった。 「構いませんが、何も食べなくても平気ですか」 「……屋台とかあるから、少しだけ食べていこうか。今からいくところは、なにもないから」 レオノルがショーンを連れてきたのはシェネフラウ灯台だ。 ここは周囲に人工物の光がいっさいない、素晴らしい夜空が望める場所だ。 広がる闇色に、銀砂を子供たちが好き勝手にまいたような満点の輝きが広がっている。人の光はないのに、ちっとも暗いと思わない。 二人が立つ大地という間で空と海がまじりあう果てが見える。 広がる空の星。 それを反射して輝く海の淡い光。 「この宇宙も、さっきの化石よりもっと長生きだ。私達の人生なんてそれから比べたらほんの一瞬、それだけで超越的だ」 ため息のようにレオノルは言葉を漏らす。 「私達の人生が一瞬の出来事……凄く寂しい話だ。ドクターの目には、この世界が相当広く映ってるんでしょうね……羨ましいです」 ショーンの見る世界と、レオノルの見る世界はきっと違う。 だが、いま、二人は同じ光と間を見ている。 ショーンにはレオノルが自分をここに連れてきた理由が、昼の場所であんなにも言葉を紡いでくれた理由がわかる。 ショーンとレオノルは違うもので、同じものを見ようとしても、見ることはできない。 けれど、歩み寄り、横に立つことはできる。理解する努力はできる。 (ドクターは自分の見ている世界を俺に見せたいんだろうな……) 「私が理解できることはきっと少ないでしょうけど、あなたがこうやって嬉しそうに話しているのが私には何より幸せです」 ショーンはレオノルの横に立って世界の果てを見ながら、感謝と敬愛の言葉を捧げずにはいられない。 「そういわれると嬉しいね。ショーン……広い世界は、一瞬は私も正直怖いさ。でも神に畏怖しなくてもそれだけで私達のちっぽけさを知るには十分だよ。君にもっと聞かせたい話が沢山あるんだ。これからも色んなこと教えるからね!」 「え? 私に教える? お、お手柔らかに……」 また昼間のような難しい話をされるのかとショーンはぎょっとした。しかし、レオノルの無邪気な笑顔に自然と口元を緩めて、応えた。 ● 唸るほどの暑さは太陽が沈み始めて、ゆるやかに涼しくなっていく。それでも燻る熱気の中に居ると、心身を辟易させた。 アーネムイ水族館は夜になると仄かな明かりに照らされて、幻想的な雰囲気を漂わせていた。 「わぁ……」 『杜郷・唯月』は胸をときめかせ、目をキラキラさせる。 はじめての水族館にどきどきして、興奮が抑えられない。 そんな彼女の後ろで、にこやかな笑みを浮かべてみているのが『泉世・瞬』。 少し前まで二人の間はギクシャクしていた。今もまだ、少しだけ見えない壁がある。 けれど、唯月は決めたのだ。瞬といると。 今回の指令は巡回と、その合間のリフレッシュ。せっかくだから二人で楽しもうと決めた。 最近はベリアルやヨハネの使徒と戦うことを避けた指令ばかり選んでいる。 「入ろうか~」 「は、はい」 エスコートしてくれる瞬に唯月はついていく。 室内は優しい暗闇に包まれている。唯月がはじめてみる大きな水槽のなかで魚たちが泳いでいる。自分たちが水のなかに放り投げられたような不安を一瞬抱いたが、それよりも、優雅に泳ぐ魚たちに心惹かれて、つい硝子の前へと足を進めていた。 「わぁ……魚が……たくさん……」 「いーっぱいいるねぇ~」 (ハッ! ちょっと子供っぽい反応になってしまったでしょうか…!) 瞬の声に唯月は我に返ると、振り返る。 「す、すみません……私、水族館に来るの、初めてで……」 「あはは、どーして謝るの~大丈夫だよ~」 「あ、ありがとうございます……?」 なんでお礼なんて言ってるんだろう? 言葉がうまく出ないし、返せていないことに唯月は両手をあわせてぎゅっと握りしめる。 「俺もさ、実はこれがはじめてなんだよね~」 「え」 「撮影で一、二回は来たことあるけど、こうしてちゃんと見てまわるのは本当にはじめて~。いづと来れてよかったよ~」 「……あ、わ、わたしも、うれしい、です」 唯月は必死に言葉を返しながら、瞬なりの優しい気遣いをひしひしと感じる。なにか失敗したな、と思うと優しい言葉と笑顔でいつも包み込んでくれる。 胸が、きゅんとなる。 甘えたくなる。 「いづ~、どうしたの?」 「さ、さぁ、もう少し奥へ、いきませんか?」 ほの暗い道のなか、進む。 「いづ、待って」 手をとられて、唯月はぎくりとした。 「はぐれちゃうといけないから、手、繋ごうか~?」 「……は、はい」 ぎゅっと手が握られる。 淡い光と闇の深い、音のない水のなか。魚たちはただ泳いでいる。 硝子一枚隔てたそこに唯月は想いを馳せる。 (本当に楽しそうに泳いでる……何も考えてない事は……ないでしょうが……それでも陸にいるわたし達よりは自由に見えて……復讐とかそう言う気持ちも考えなくて良い気がして……) 唯月は瞬の変化を見て考える。自分たちは気持ちにふりまわされてばかりだ。硝子向こうの魚たちはそんなものはない、ただ生きているだけのようで。 自分もあんなふうになりたい。 「少し……羨ましい……」 「いづ?」 「……わたし、泳げないので泳げて羨ましいなぁと」 じっと気遣う視線に唯月は静かに、笑う。 (瞬さんがわたしを守りたいと思っておかしくなったように。わたしも瞬さんみたいになる可能性があるならば……わたしが強くなる為には……もっと冷静でいられるようにならないと……ですよね。……それに復讐をやり遂げて……その後の事は何も考えてない……) ぽっかりと、広がる深い暗闇を見たように唯月は恐怖と空虚に囚われた。 なにもない。 ただそのときだけを考えてる。 自分のされたことを相手にしかえしても、その先は何が残る? なにが生まれる? わからない。ただ同じことを繰り返す、だけ。 これは、ひどく、黒い、闇色の感情だ。そんなものにふりまわされたくない。けど、この気持ちを手放すことも、今の自分にはできない。 心のどこかで求めていて、願っている自分がいる。 刹那の奈落に落ちていく心がある。 「いづ!」 瞬の声に唯月ははっとした。 強く手を握られ、自分のことを必死に見つめてくる瞬がいる。 「見て、ほら、ぴかぴかしてるよ~」 「あ、魚、すごい……鱗が、光を反射してるんですね」 「暗闇のなかでも、自分を光らせるんだね~」 唯月はじっと暗闇のなかで鮮やかに輝く魚を見た。 憎しみは、きっとまだ捨てられない。けど自分は強くなりたい。それは自分のため、けれど同時に瞬のため。 自分は瞬のことをどれくらい知ってるだろう? 「瞬さん……瞬さんは、私の好きなもの、いっぱい……知ってますよね?」 「え? えーと、絵をかくことが好きなこととか?」 「はい。前に指令で私が絵を描くのが好きだからって、一緒に描きましたよね」 「楽しかったよね~」 瞬の絵はひどいものだったけど、純粋に嬉しかった。 あのときのような気持ちで、自分は瞬のために何ができるだろうとわからないなりにも、考える。考え続ける。 だから瞬のことをもっと知りたい。もっともっと好きになりたいと思う。 ぴかぴか光る魚みたいに瞬は迷う唯月を照らしてくれるから。 ● 『リュシアン・アベール』と『リュネット・アベール』は巡回の仕事の合間にメイエル水路公園に訪れた。 さらさらと流れる水の涼やかな音が二人の暑さに辟易とした心の慰めになった。 また観光客もそこそこ入っており、日傘をさして歩く婦人、楽しそうに腕組みをするカップルなどが目に入る。 リュシアンはリュネットを見つめて、汗をぬぐい、気づかわしげに視線を向けた。 「姉さん、平気?」 「うん。平気、だよ? ありがとう」 巡回中は大勢の人間とすれ違うことを考え、二人は手をとり、リュシアンが先を行く。そのあとを歩きながら、リュネットは微かに口元を綻ばせた。 「素敵なところ、だね」 「そうだね。人が多いから、はぐれないようにしないとね。それに疲れたらちゃんと言ってね」 「うん……ありがとう」 手をしっかりと握りしめ、リュシアンは先を行く。 入口から広がる緑と鮮やかな花々の色の世界。甘い花の薫りに足が自然とそちらへと進む。 紫陽花は青、ピンク、紫と鮮やかに咲き誇っている。 「知ってる、ハート型の紫陽花があるんだって」 「どれだろう」 楽しそうなカップルの声。 「ハート形だって」 「……探してみようか?」 二人は頷きあい、ハートのアジサイを探す。 小さな花びらはどれも色も形も違う変化が二人の瞳を楽しませ、隠れていたかえるやカタツムリが顔を出して二人は驚いて、笑ったりした。 そうしているとあっという間に時間が過ぎ、昼近くになってきた。 「何か食べない?」 「う、ん。なにがあるかな?」 甘い、ふわふわとした匂いが鼻孔をくすぐるのにリュネットはそちらへと興味がひかれて、リュシアンの手をひいて歩き出した。 フードテラス『メイエル・トゥルプ』だ。 数名並んで、おいしそうにワッフルを食べている。 ごくん、とリュネットは喉を鳴らした。 二人は店に並び、ストロープワッフルを購入した。紙に包まれた焼き立てのワッフルはキャラメルの甘い香りを漂わせる。 「あっちに座るところがあったよ、姉さん」 「うん」 太陽の日差しから逃げるように二人はガゼボのなかに入った。石造りで冷たい空気にほっと息をついて腰かける。 「おいしそうだね、って、え」 「ね、シア……あーんってして?」 リュシアンは目をぱちぱちさせる。 きらきらした目で見つめてくるリュネットの突然の行動に何か言おうとして唇を閉ざして、ゆっくりと口を開けて、ぱくり、と甘いキャラメルを味わう。 「おいしい?」 「うん」 苦笑いが零れるのは、そのキャラメルのあとから残る苦みのせいなのか、それともあまりにも無邪気すぎる目の前のリュネットへなのか。 小腹を満たして、再び巡回とアジサイを探そうと思っていると、リュネットが両手を広げてきた。 先ほどの無邪気で、優しい微笑み。 「ずっと、僕のこと、気遣って歩いてくれたでしょ? 少し休まなきゃ。今度は僕の番だよ」 「……姉さん」 「だめ、かな? だって、僕もお姉ちゃんらしいこと、したくて……それに、甘えてくれるシアって、凄く可愛いんだよ。だから、もう一度見たくって……駄目……?」 姉、という単語を出したとき、一瞬リュシアンが目を見開く。その様子にリュネットは不思議そうに小首を傾げた。 もう一度見たい、というのは、雨の日に露にしてしまった自分の弱さの事を言っているのだろうと、容易く分かった。 そのかわいらしい我儘をかなえてあげたい自分がいる。 なんて、ずるいんだろう。 僕が? 姉さんが? 心のなかにいる自分がじっと自分を見てほの暗い問いかけを投げてくる。 「あはは……可愛いって褒められてもあんまり嬉しくないかな」 ゆるゆるとリュネットの柔らかい肉体に体を預ける。やんわりと傾く肉体を優しいぬくもりが包み込んでくれる。溺れてしまいそうな甘さ。 優しく銀髪をすくう細い指先。 「ちょっぴり不安だったけど……」 「どうして? 僕が姉さんのお願い、きかないわけないのに」 「うん、困らせちゃったかなって」 「姉さんのせいじゃないよ」 「え?」 「ううん。ありがとう」 弟の柔らかな声にリュネットは家族の強い絆を覚えた。自分が支えられているから、弟を自分も支えかえす。ちゃんと二人で、この世界で、生きている。その喜びに頬が緩む。 目を閉じたリュシアンの世界には一人の自分が笑っていた。 汚い。 なんて、汚い。 この時間を、この瞬間を、無二の幸せと同時に、罪悪感を覚える己がいた。 (僕は彼女の思う様な出来のいい弟なんかじゃない! こんなに仄暗くて、濁った、穢い感情を持ったまま……弟の振りをしてるだけだ) 記憶を無くし、恐怖しながら、自分にだけは心を開いてくれた彼女を自分がどういう目で見て、思っているのか、知られたら、きっともうこんな時間はなくなってしまう。 弟だから、ここにいられる。 「双子に生まれたくなかったな」 「? ……シア、何か言った?」 「ううん。何でもないよ」 微笑む。 「ありがと、姉さん 元気出たよ。さ、もう少し頑張って探そうか」 「元気になってくれたなら、よかった……うん、頑張って探す。シアに、幸せになって貰いたいから」 二人は顔を見合わせて笑い、立ち上がる。 ふと、リュシアンの目にハートの形をした花びらのアジサイが目にとまった。 「姉さん、ほら、ここに」 「わぁ、本当だ! ハートだね」 喜ぶリュネットにリュシアンも優しく、微笑んだ。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |
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