~ プロローグ ~ |
「今回任せる指令は……ここ最近浄化師としての志しに悩むことも多くなったし、いいチャンスだろう。 |
~ 解説 ~ |
えらいこっちゃ。えらいこっちゃ。えらいこっちゃ。(三回いいました) |
~ ゲームマスターより ~ |
えらいこっちゃ。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
|
||||||||
【目的】 囮になる・陸奥さんを説得する 【事前準備】 持参してるワンピースをはさみで3つの端切れにする 端切れの両端に石を入れて重りをつける 【行動】 敵を見つけたらペンタクルシールドを使う ランプに光を灯し水辺から離れる こちらに向かって飛んで来たら用意してたブラックジャックもどきを足に向かって投げ遠心力を活かして敵の足に絡ませる 可能ならタロットで攻撃する 【心情】 まぁ!エマさんはもうすぐ子供が産まれるのですね!素敵ですわ!絶対産まれたら私達も呼んで下さいね! 隣には陸奥さんが居なきゃ駄目ですよ 私、物語はハッピーエンドが好きですの だから、絶対に陸奥さんを説得しましょう! 前の戦闘から学んで足を絡めたらどうかしら? |
||||||||
|
||||||||
目的 陸奥さんの症状の軽減 ベリアルの討伐 準備 エマさんに陸奥さん宛の手紙を書いてもらう。 中身は、倒れた原因が妊娠のせいであること。 説得? 陸奥さんに指令の話(おかしくなる前の)を聞いて、以前の戦い方を思い出してもらう。 書いてもらった手紙を音読して、陸奥さんに聞かせる。 目的地へ行く途中、休憩の時にでも。 陸奥さんが信じないようなら、真偽は帰ってからエマさんに聞いてくださいと。 …陸奥さんはずっと、エマさんを前衛に出すのは怖かったのですよね? でも、自分は悪魔祓いで。 エマさんも怖くないはずはなくて、陸奥さんを信じているから…。 今回はわたしたちが陸奥さんの仲間です。 みんなで、エマさんのところに帰りましょうね。 |
||||||||
~ リザルトノベル ~ |
「まぁ! エマさんはもうすぐ子供が産まれるのですね! 素敵ですわ! 絶対産まれたら私達も呼んで下さいね!」 話を聞いた『アリス・スプラウト』は目をきらきらさせた。 「隣には陸奥さんが居なきゃ駄目ですよ。私、物語はハッピーエンドが好きですの。だから、絶対に陸奥さんを説得しましょう!」 指令に赴く自分自身を鼓舞するように、また仲間たちにも同じ気持ちになってほしくてアリスは口にする。 「そうですね、アリス。ただ問題は……陸奥さんへの説得方法です」 「そうですわね、考えなきゃ」 「出来たら、陸奥さんへ手紙をかいてもらいたいんですが、いいですか?」 『ウィリアム・ジャバウォック 』が口にした。 その横ではうーん、うーんと腕組みをして一生懸命考えているアリスが、ぱっと目を大きく見開いた。 「そうですわ。手紙ですわ!」 「どれくらい効果があるかはわかりませんが……」 自分で提案したが先ほど見た陸奥の状態を考えてウィリアムは少しばかり自信がなく、笑みに陰りが出来る。 「でしたら、音読とかはどうでしょうか?」 『フェリックス・ロウ』が言う。 「それですわ! 文字だけだと読んでいるかわかりませんが、私たちが音読すれば伝わる可能性は高いですものね!」 素晴らしい提案とばかりにアリスが賛成する。 「あ、けど、どこで聞いていただきましょうか? 今からベリアルと戦いに行くとなると、陸奥さん、一緒にきてくれるのかしら? 戦闘中になると誰か一人が動けなくなりますし」 「あ、あの……行く途中や休憩のときにでも……目的地は同じですし、別々に行くことはまず、ないと思います……ロリクさん、どう、ですか?」 『ジークリート・ノーリッシュ』が、視線を向けて問いかけるとロリクは頷いた。 「そこらへんは大丈夫だ。いくら陸奥があの調子でも目的地には一緒に向かうはずだ。そこらへんはこちらがきちんと対応しよう」 その言葉にほっとジークリートの目が緩む。 この指令はなかなかに大変な面が多い分、少しでも陸奥と事前に触れ合うことができることは彼を助ける手助けにもなる。 人々を守れ――ジークリートの家族はそう口にしていた。 陸奥も、そしてベリアルの危険に晒される人々もすべて含めて守り切る。それが今回の大いなる目的になる。 「では決まりですわね! エマさん、お手紙を書きましょう!」 アリスが小さいながらも光を見つけ、やる気になった。 エマも希望が持てて嬉しそうに微笑んだ。 「手紙ですか。喜んで……けぷっ! あ、嬉しすぎて血を吐いてしまいましたわ。ふふふ」 「血、血ですわっ、ウィルっ!」 「これはハンカチですか、袋が必要なんですかっ」 「わ、わたしの服でよければ……受け止めます!」 「リート、みなさん、冷静に……医療班を呼んだほうが?」 「落ち着け―、いつものことだ」 思いっきり吐血するエマに、まだまだ慣れないメンバーは大いに慌てた。 「あと問題は内容ですわ。どういうものがいいのでしょうか?」 アリスがまたしても難題にぶちあたったので眉根を寄せる。 やることが決まったので、まずエントランスの端で出発までに準備を整えることにした。 陸奥の説得が肝となるが、ベリアルとも戦うということでアリスはまず自分の持っている麻袋の調節にかかった。これに石をいれて投げたりできないかと思ったのだ。これがどれだけ役立つかわからないが、いくらだって危険性があるならそれに対抗する方法は考えておきたい。 「以前の戦いもそうですが、足をこれで絡めれたらどうかしら?」 アリスは自分が弱いことをきちんと心得ている。だから一生懸命考えるのだ。 「二人の過去の事柄とかはどうでしょうか? 記憶を呼び覚ます、というので……今回は二人しか知らないことなども書いていただけますか?」 とウィリアム。 「そう、ですね……こうなってしまう前の様子も聞きたいです……以前の戦い方を思い出していただければ……今回の戦力にもなってもらえると助かります」 ジークリートがゆっくりと言葉を発する。 「惚気ても構いませんよ。今回知った内容は私たちも秘密にします」 しめくくるように少しばかり茶化して明るい雰囲気をつくるウィリアムにエマは穏やかに微笑み、白い便せんに向かった。 「行く途中でもいろんな話を私たち出来たらいいですわね」 とアリスが拳を握る。 「そうですね。出来るだけ私たちのことを陸奥さんが信用してくれるかも鍵だと思います……または気を引けるかが鍵ですね」 「陸奥さんの気を引く」 アリスはまた悩み顔になるのをウィリアムが微笑んで言い返す。 「アリス、そんな難しいことはないですよ。陸奥さんの場合は、こうしていろいろと話しを聞いたのですから……最悪、私があなたの妻を頂きますと宣言しましょう」 きりっとウィリアムが発言する。こんな間男のような真似は正直勘弁願いたいが、嘘でも愛する者を奪われるなどと口先だけでも告げれば黙ってはいられないだろう。 「まぁ! 奪うなんてロマンス小説みたいですね!」 「それは……ききそうですね」 「がんばって奪ってください」 「なんとなく、恥ずかしくなるのでやめてください」 苦笑いを浮かべてウィリアムは言い返した。 ぎりぎりまで陸奥をどうするか、そしてベリアルとの闘いについて考えを話し合ったメンバーは陸奥がエントランスに現れたのにまずはほっとした。陸奥は知らないだろうが、ここからが勝負なのだ。 「エマ……いってくる」 「陸奥、いってらっしゃい」 陸奥は屈みこむと、エマを優しく抱擁し、額をくっつける。それにエマも優しく声をかける。 じっとアリスたちがその様子を見ていると、エマはにこりと笑って両腕を広げた。 「みなさんも」 陸奥のために考え、行動しようとしてくれる今回のメンバーにエマは心からの感謝をこめて抱擁とともに見送ってくれた。 アリスたちにはエマから託された手紙と、思い出を抱えて歩き出す。 目的の森へと向かう道はのどかな平野だった。太陽は眩しく、虫たちの鳴き声が聞こえる。 アリスたちが先頭を、一番後ろを陸奥が歩く。 ジークリートが陸奥への説得にあたるため、歩みが遅い彼にあわせてゆっくりと歩いた。 「あの……お話をしても、いいで、しょうか?」 「構わない」 陸奥は静かに言い返す。 ジークリートは横で、ゆっくりと手紙を広げた。 「陸奥さん、聞いてください。これは、エマさんの手紙です」 「……」 「陸奥さん!」 ジークリートの声に陸奥がそちらを向く。少しだけ驚いたような表情だ。 相棒のフェリックスが日常ではぼーっとしていることが多いせいか、こういう人の相手には慣れている。 「読みますね?」 「……ああ」 エマの手紙はぬくもりに満ちていた。 陸奥がエマに一目惚れして熱心に口説いてきたこと。はじめは戦いの方法がうまくできなくて二人ともいつも傷をつくっていたこと。陸奥はエマの説得で、悪魔祓いとして後方で戦うことを選び、二人はいつも、どんな危険な指令も乗り越えてきたこと。 浄化師は互いに信頼してこそ本当の力を発揮することが、その手紙にはこめられていた。 「陸奥へ、とても愛しています、と……これで終わり、です。……陸奥さんはずっと、エマさんを前衛に出すのは怖かったのですよね? でも、自分は悪魔祓いで」 信頼していても、もしも、のことを考えたらきっと、いつも不安で怖くてたまらなかったはずだ。 「エマさんも怖くないはずはなくて、陸奥さんを信じているから……もし、わたしたちのことが信じられないのでしたら、……真偽は帰ってからエマさんに聞いてください」 「エマは……強い」 ぽつりと、陸奥は言葉を紡ぐ。 少しだけ疲れた目に光が宿ったようだった。 「俺が弱すぎるんだ」 「そんな、ことは」 「……なら、お前は」 陸奥は低い声で問いかけた。 「え」 「お前は自分のパートナーをきちんと信用しているのか」 ジークリートは心臓を射抜かれたように身をかたくした。 「お前の相方は墓守だろう。墓守は基本、前に出て敵の攻撃を受けることになる。見たところ、マドールチェだな」 「は、はい……わたしが、お願いをして……契約をしてもらったんです、だから」 「だが浄化師だ」 また、胸を、弾丸で貫かれたようにジークリートは拳を握る。 「ベリアルやヨハネの使徒と戦うことになる……それも承知のうえで、契約したんだろう? そして、お前の相方はそのアライブを選んだんだろう。あれは別に強制されるものじゃない、自分の意思で選ぶものだ」 「はい」 フェリックスは日常では終始ぼーっとしていることが多いが、戦闘のときは活動的なことが多いこともジークリートは見て、知っていた。 けど、彼に守ってほしい、と口に出来ない。 それはジークリートが人々を守ることを、両親の教えを忠実に守ろうとしているからだ。否、本当は怖いのだ。 守られることは、相手への信頼が絶対不可欠だ。 それと同時に自分自身も強くないといけない。 陸奥への説得がそのままジークリートの心を追い込む。 「わたしは……」 「俺にそう口にするなら、まず自分自身の行動で示してみろ」 挑むような、どこかジークリートの心への共感をまぜた悲しみと苦しみの絡んだ声で陸奥は告げた。 ジークリートは俯きがちに自分の前を歩くフェリックスの背を見つめた。 「うまくいったのかしら?」 「わかりませんね」 前を歩く三人――アリスとウィリアムはそしらぬ顔をきめこみながらもどうしても気になってつい小声で会話していた。 「うむむぅ。やはり私も説得に参加したほうがいいのかしら? けど、ジークリートさんがまずはがんばってみるっておっしゃったし」 「信じましょう。二人とも黙ってしまいましたね」 「……リートが」 ウィリアムとアリスは突然、会話にくわわったフェリックスに驚いて視線を向けた。 「ひどく、悩んでいるみたいです」 ジークリートが陸奥に何か言われて俯いてしまい、ひどく真剣な顔でなにかを考えているようだ。 「なにがあったのかしら」 「そうですね」 「……」 フェリックスはぼんやりとジークリートを見つめた。 ベリアルが目撃された現場までくると、陸奥が全員を制し、地面に耳をあてた。 地面の振動から敵の位置をある程度割り出す方法だ。 「ここから数キロ……石と水の音……川にいる。三体っ!」 陸奥の目がとろんと闇を孕む。 「っ!」 ウィリアムがチェシャ猫の糸をひき、陸奥の肉体を絡縛糸でぐるぐるに巻き付ける。 「貴様っ!」 「あなたを向かわせるわけにはいきませんからねっ」 射殺すほどの眼力で睨まれたがウィリアムはわざと余裕たっぷりに言い返した。その間に陸奥の言葉を聞いたアリスたちが川へと向かう。その様子に陸奥が歯を剥いた。 「なんのつもりだっ!」 もう別に笑う必要はないので、ウィリアムは無表情で陸奥と対峙した。 「あなたは奥方の手紙を読んでもらったんじゃないんですか?」 「……エマの手紙? ……エマ、ちがう、あれは……なんのことだ」 ジークリートとのやりとりをぼんやりとしか覚えていない陸奥が混乱する。 ウィリアムはジークリートから渡された手紙を再び音読しはじめた。焦られないように、ゆっくりと、落ち着いた声で。 「エマ」 陸奥が混乱した顔で呟く。 「貴方の妻は今貴方の子供を妊娠しているそうですよ」 「にん、しん?」 はじめて聞く言葉に陸奥が困惑した表情になる。 「そんな貴方が前線で戦い死んだら貴方の奥方はどう思うんでしょうか。まだ世界も知らない子供を片親にするつもりですか?」 「……」 「貴方は、もう少し他人がどう思うか考えるべきです。まぁ、これはアリスにも言えることなんですが……手紙の内容、貴方と恋人しか知り得ない内容でしたでしょう?」 「エマが託したんだな」 「そうです。……それでも信じないなら、貴方の妻を私が頂きますよ」 陸奥が動きを止めた。 この言葉はなかなかにきいたかとウィリアムが思った瞬間、陸奥が足底で地面を蹴り、体当たりを食らわせ、ウィリアムに馬乗りになる。 「っ」 「……俺から妻を奪う? よく言った。攻撃できないと思ったか? 俺には口がある。手足がちぎれても一人ぐらい道連れにすることぐらいできるぞ」 (あ、これは刺激しすぎました!) 説得に熱をいれてやりすぎたとウィリアムは多少、いや、かなり、後悔した。 みんながベリアルに向かっているのに自分が彼の束縛と説得にあたるということで多少、焦りがあったのかもしれない。 (これは、死んだ) 「さっさと解け」 「え、えっと」 「妻をお前みたいな顔だけの男に渡すわけにはいかない。さっさと指令を終えて帰る」 「……顔だけってひどくないですか」 ひくひくと口角を震わせウィリアムは言い返した。 先行するアリスの後ろを進みながら、ジークリートはフェリックスを見つめた。 こくんとフェリックスが頷き、手を伸ばすのにジークリートは掌をあわせる。 「わたしは」 「僕は」 声が重なり合い。 「あなた」 「貴方」 力が満たされていく。 「守ります」 「守ります」 決意が二人を強くする。 「フェリックス、無茶は……」 いつもジークリートが口にする言葉をフェリックスが口を開いて言い返す。 「リート。無茶はしません、約束します。だから、リートも信じてください」 真っすぐに見つめて、ジークリートは目を見開いた。 アリスは事前に用意した布切れに石をまきつける。 「きましたわ」 囮のアリスが川辺へと訪れると、黒い鹿――たくましい肉体の半分が黒い墨のようなものにのまれ、爛々と赤い目を輝かせている。鹿たちは静かに水辺にただすんでいたがランプに光を灯したアリスにすぐさまに気が付いた。一頭が駆け出すのに残りも続く。アリスはすぐさまに自分にペンタクルシールドを展開する。 輝くタロットがアリスを囲み、守ってくれる。 アリスは駆け出す。 すぐにジークリートがきてくれる手筈になっている。 ぬめりに足がとられないように注意するとどうしても遅くなる。 迫り来る地響き。 アリスは渾身の力をこめて作った武器を投げた――麻袋に石をいれたそれは拙いながらも鹿の足に絡みつき、一頭の動きを鈍くさせた。 と、上から鹿が降ってきた。 「!」 恐ろしいほどのジャンプ力を駆使して他のベリアルを飛び越えてやってきたのにアリスは恐怖に身が竦む。 タロットと鹿のたくましい脚がぶつかり、弾かれる。そのまま鹿がさらに突進してくるのに今度こそ絶対絶命の状況にアリスは拳を握ったとき。 「アリスさんっ!」 ジークリートが低く飛行し、アリスの身を抱えて鹿の前から逃げた。 「ジークリートさんっ!」 「後ろに下がりますね」 ジークリートの胸に抱えられ、アリスは頷く。 踏みつぶし損ねた鹿は荒々しい脚踏みとともに突進をする。 ジークリートが逃げる先に待っていたのは鎌を構え、魑魅魍魎ノ壁を展開したフェリックスだ。 薄い魔力の壁はどこかまがまがしさすら思わせるが鹿は怯まず突進する。シールドが破れ、鎌を盾にして弾く。その支援をしたのはアリスだ。 ジークリートに降ろされたあと彼女はすぐさまにタロットを投げ、少しでも攻撃の隙を作る。 鹿が怯んだ瞬間、いくつもの木々に弾かれた弾――トリックショットが脳天を貫いた。 「やりました!」 アリスの嬉しげな声が響く。ジークリートもほっとした瞬間、鼓膜をひっかくような大きな地響きとともに二頭の鹿が突進してきた。 「フェリックス!」 迎え撃つフェリックスが魑魅魍魎ノ壁を再び展開するが、ジークリートの脳内に恐怖が襲う。もしここで二回攻撃されたら――? 「アリス!」 聞きなれた声がアリスの耳に聞こえてくる。 「ウィル!」 見慣れたチェシャ猫が一匹の鹿の足に巻き付く。そのタイミングでアリスはタロットを投げた。 「え、けど、陸奥さんは」 「あの人でしたら大丈夫です」 ウィリアムがそう言い返した瞬間、絶命近いベリアルが雄たけびをあげて襲い掛かろうとするも——その一頭が、一撃で吹き飛ぶ。 アリスは瞠目し、ウィリアムも慌てて後ろに下がる。 「一体、どこから撃ったのか」 「すごいわ」 もう一体の鹿をフェリックスが受け止める。鎌を盾にしてシールドが破れても、踏みつぶそうとする前足を鎌で受け止め、弾く。 「リート、いまです」 ジークリートはボウガンを構え、力をこめて、引く。 矢は鹿の眉間の間を見事に貫き、一撃で仕留めた。 「まぁ、正気に戻ったんですのね」 アリスが奥から現れた陸奥を見て無邪気に喜ぶが、先ほどの軽い言い合いをしたウィリアムとしては背筋に冷たいものが走る。 陸奥はジークリートを見る。 「あちらも、カタがついたようだな。はやく、エマに会いたい」 ジークリートはフェリックスにケガがないかを確認して、ほっと目じりを緩めた。 「リート」 「よかった……フェリックスが、無事で」 「リートこそ、信じてくれて、ありがとうございます」 その言葉にジークリートは黙って小さく頷いた。
|
||||||||
*** 活躍者 *** |
|
|
|||
該当者なし |
| ||
[12] ウィリアム・ジャバウォック 2018/09/20-23:34
| ||
[11] ジークリート・ノーリッシュ 2018/09/20-23:26
| ||
[10] アリス・スプラウト 2018/09/20-20:55
| ||
[9] ジークリート・ノーリッシュ 2018/09/20-19:18 | ||
[8] アリス・スプラウト 2018/09/20-12:40 | ||
[7] ジークリート・ノーリッシュ 2018/09/20-00:42 | ||
[6] アリス・スプラウト 2018/09/18-23:09 | ||
[5] ジークリート・ノーリッシュ 2018/09/18-20:28 | ||
[4] ウィリアム・ジャバウォック 2018/09/18-12:11 | ||
[3] ウィリアム・ジャバウォック 2018/09/18-11:52 | ||
[2] アリス・スプラウト 2018/09/18-11:40
|