~ プロローグ ~ |
エントランスの前に二人の男女の姿があった。 |
~ 解説 ~ |
目的 |

~ ゲームマスターより ~ |
こんにちは。せあらです。 |

◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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■仮装 祓魔人…ハーフマスクの怪盗 喰人…死神* ■会場 祓魔人「女装じゃねえのか…(落胆」※ 喰人「あれは特別な時だけな(苦笑 君は仮面の紳士か」 祓「万一知り合いが居ねえとも限らねえしな(貴族見て」 きららに軽く挨拶&会話(二人共ナンパLv1 子供が祓魔人に菓子求める 祓魔人、力づくでとってみろと軽く鬼ごっこ 最後はわざと負け落書きされる 喰「案外子供に優しいな」 祓「昔は子供嫌いだったんだがな ヤキが回ったかね …それにしても懐かしいな ガキの時はハロウィンになると 屋敷で幼なじみに女装させたり 一緒にああして遊んだりしたんだ」 喰「唐突に)マクシム?」 祓「驚愕)…おい、お前、何で俺の本名を知って… 喰人の顔を凝視)…まさか」 |
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◆衣装(スタッフさんにお願い) 唯月:清楚なヴィクトリアンメイド 瞬:カッコイイドラキュラ ※メイク、髪のセット、小物含む 唯(スタッフさんのメイク…髪のセットの仕方…どれも素敵… 凄く勉強になります…!) 瞬(わぁ〜!いづ、凄く凄くカワイ〜!) ◆子供達へお菓子を配る ・キャンディをあげて悪戯を回避 ・したものの何か仕掛けてくる子供がいるのは可 ・二人とも困るけど怒らない 唯「わっ!ああのっスカート引っ張るのはどうか!」 瞬「…ボク、ごめんね。俺もいづのスカート引っ張って欲しくないかなぁ …やめないと…本物のドラキュラが来ちゃうかも〜?」 ◆子供達の対応後、食事 ・唯月は甘いものを 瞬はワイン片手にワインに合いそうなものを |
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ハロウィンパーティーですね。 私の仮装は赤ずきんなのですがノグリエさんが可愛らしくアレンジしてくださって…。 スカートとかがふわふわです。 ノグリエさんは不思議の国のアリスのマッドハッターだそうで。とってもお似合いです! ご一緒の皆さんがどんな仮装をされるのかも楽しみです。 子供たち「トリックオアトリート」って言われたらお菓子を渡すんですよね。 お菓子もたくさん用意しましたし。楽しんでもらえたらいいなぁ。 わわっ!あんなにたくさん用意したお菓子がもう。 ノグリエさんのお菓子くれるんですか? そんなに頂いたらノグリエさんの分が…。 遅かったですね。ノグリエさんが悪戯されちゃってます。 でも…ふふ、なんだか楽しいです。 |
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※アドリブ歓迎します ※仮装…騎士 (ララエルと料理を食べていると、子供達に囲まれる) 「トリック・オア・トリート!」 (確かお菓子をあげないと、イタズラされるんだったな) はい、キャンディだよ。皆で仲良く食べてね。 (ララエルを見てビックリする) ちょっ…どうしたのさ! (ララエルの顔をふきふき) (夜は二人部屋。ガウンを着てダブルベッドへ) (42話くらいまで進んでいる) (ララエルの髪を撫で) ハプニングはあったけど、楽しかったね。 貴族の集まりっていうのは、いつもこんな感じなのさ。 疲れたろうから、もうお休み。 |
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・エフド タダ飯タダ酒が飲めると聞いて。今日限りはお貴族様に感謝だ。 仮装は……そうだな、侍で。 ガキ共もとい坊ちゃま方には飴だけでは味気なかろうと存じ、三種の菓子を用意せし候。 ギャズ、ズールビヤー、サフランナバットでござる。 しかし何だ、教団入りの前と後じゃ暮らしががらりと変わったが、貴族はさらに次元が違うな。 ・ラファエラ パーティーはともかく、教団の出資者かもしれない人達を見るにはいい機会かもね。成り上がり者よりは上品なのかしら。 仮装はドルイドよ。 おじさん、わかってるでしょうけど、タダ飯をガツガツ貪るような見苦しい事はしないでね。 それと、飴だけで済ますのは何か癪だから、ポルボロンを持ってきたわ。 |
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◆アユカ ふふ、いつもと違う格好するとなんだかウキウキするね かーくん、こういう服装も似合うなあ… だ、大丈夫だよ飲まないよ~! 近づいてくる子供たちにはにっこり笑ってお菓子を渡す このキャンディはね、魔女の魔法がかかってるんだよ なめると楽しい気持ちになれる魔法なの♪ 5人平等になるように渡さなきゃね 慣れてるかはわかんないけど、子供たちみんな可愛くて かーくんももっとフランクに接してみたら? ◆楓 このような華やかな場は落ち着かない 仮装というのはまあ、思いの外悪くないが… アユカさん、今日は飲酒禁止ですよ アユカさん、子供慣れしていますね フランクと言われても…私には簡単ではないですよ とはいえ懐かれて悪い気はしません |
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~ リザルトノベル ~ |
控え室。 ハロウィンパーティに参加する為に杜郷・唯月はホテルのスタッフにメイク、髪のセットをして貰っていた。 唯月の姿は普段の格好とは異なり、ヴィクトリアンメイド姿だった。 メイク、髪のセットの他にもちろん小物なども全てスタッフに任せてある。 (スタッフさんのメイク……髪のセットの仕方……どれも素敵……凄く勉強になります……!) 鏡越しに映る自分の姿にスタッフが髪のセットをしていく。 それはまるで魔法のようで。 「はい。出来ましたよ」 「有難うございます」 唯月はそうスタッフへと礼を言った。その直後。 コンコン。 と、ドアをノックする音が聞こえた。スタッフが返事をするとガチャとドアが開かれた。 「いづ準備出来た~」 唯月の姿を見た瞬間、ドラキュラの仮装をした泉世・瞬は大きく目を見開いた。 瞬へと振り向く清楚なヴィクトリアンメイド姿の唯月に彼は時が立つのも忘れてしまうぐらい見惚れてしまう。 (わぁ~! いづ、凄くカワイ~!) (瞬さんのドラキュラの仮装……凄くカッコイイ……) 互いの姿に見とれている唯月達の姿を見て、スタッフは微笑ましく思うのだった。 会場に足を踏み入れた瞬達は真っ先に仮装した子供達に絡まれた。 「トリックオアトリート」 「はい……どうぞ……」 唯月は持っていたキャンディを子供達へと差し出した。 「わぁ、キャンディだ! 有難う、お姉ちゃん!」 嬉しそうに唯月からキャンディを受け取る子供達。 どうやらこれで悪戯を回避出来たはずだ。内心唯月が安堵するのもつかの間。 やはり悪戯を仕掛けたかった悪魔の姿をした男の子二人が唯月のロングスカートを引っ張り始めた。 「わっ! ああのっスカート引っ張るのはどうか!」 男の子達からスカートを引っ張られ、困る唯月を助けるように瞬は男の子達へと優しく言った。 「……ボク、ごめんね。俺もいづのスカート引っ張って欲しくないかなぁ……やめないと……本物のドラキュラが来ちゃうかも~?」 (なんて……子供相手に嫉妬なんて大人気ないけど……ね) 唯月に悪戯する子供達に内心瞬の心は穏やかではない。 彼は子供に少し嫉妬をしていた。 それを感じ取ったのか唯月に悪戯をしていた男の子達の手がピタリと止まった。 「え~本物のドラキュラが来るの。それはヤダ~」 「お姉ちゃん、イタズラしちゃってごめんね」 「いいよ。でもあんまり悪戯しちゃ駄目だよ……」 唯月の言葉に子供達は素直に「うん」と返事をするとその場から走り去って行った。 「瞬さん……有難うございます」 「どうってことないよ。はい、いづにはこれ」 瞬に礼を言う唯月に瞬は近くにあったテーブルの上からケーキを取ると、それを唯月へと渡した。そして彼は自分の分のワインを手に取った。 ● シャルル・アンデルセン達はハロウィンパーティの会場にいた。 (ハロウィンパーティですね。私の仮装は赤ずきんなのですがノグリエさんが可愛らしくアレンジして下さって……。スカートとかふわふわです) シャルルは自分の衣装を見て嬉しそうな顔をする。 シャルルの衣装は改造制服も含めてノグリエ・オルトがいろんなバージョンを作っている。 今回の赤ずきんの衣装も彼のお手製だ。 ふんわりとマシュマロっぽい可愛らしい彼女にアレンジされた赤ずきんの衣装はとても良く似合っていた。 シャルルは隣に立つノグリエの格好をチラリと盗み見る。 (ノグリエさんは不思議の国のアリスのマッドハッターですね。とてもお似合いです! ご一緒の皆さんがどんな仮装をしているのか楽しみです) シャルルはわくわくした気持ちで周囲を見渡した。 (シャルルの好きそうな依頼だったので受けて見ましたが正解だったようですね。ハロウィン……と言うことで仮装なのですが……) ノグリエはシャルルの仮装姿をチラリと見る。 (うん、シャルルの仮装はとても可愛く仕上がりましたね) そう心の中で満足気に呟いた。 「トリックオアトリート!」 天使に仮装をした小さな二人の女の子達からシャルルは声を掛けられた。 シャルルは子供達に渡すお菓子を取り出す。その光景をノグリエは眺めていた。 (子供……は少し苦手ですが……お菓子をあげていれば悪戯されることもないはず……。しかし子供は勘が鋭いといいますか……苦手なのが分かるんでしょうね。ボクよりシャルルに声をかける子の方が多い) 「はい、どうぞ」 「有難う、赤ずきんのお姉ちゃん!」 笑顔で子供達に接するシャルル。 子供達もシャルルからお菓子を貰って嬉しそうな顔を浮かべた。女の子達がシャルルから離れた後、すぐに悪魔に仮装した子供達が、 「トリックオアトリート」 と、言ってシャルルへとお菓子をねだりに来た。 (シャルルのお菓子、ずいぶんと減ってきましたね……このままでは悪戯されてしまいます) 「シャルル、ボクのお菓子をどうぞ」 「わわっ! あんなにたくさん用意したお菓子がもう。ノグリエさんお菓子くれるんですか? そんなに頂いたらノグリエさんの分が……」 戸惑うシャルルにノグリエは小さく頷いた。 シャルルは一瞬躊躇したものの子供達にお菓子を渡し、悪戯を回避した。 そして子供達はお菓子を持たないノグリエへとニヤリと悪い笑みを浮かべて近づいて来た。 (……っ狙いをすましたように来ましたね) 「ボクのお菓子はもうありませんのでどうぞ悪戯してください」 カキカキ。 子供達はノグリエにラクガキをする。 (遅かったですね。ノグリエさんが悪戯されちゃってます) 悪戯をされたノグリエの顔は酷い落書きだらけだった。その姿を見てシャルルは小さくぷっと吹き出し、思わず笑ってしまった。 「でも……ふふ、なんだか楽しいです」 (酷い落書きですね。……でもシャルルが楽しそうなのでいいです) 彼女が楽しそうに笑う顔を見てノグリエは何処か満足した気分だった。 ● 「女装じゃねぇのか……」 黒軍服、マント、大鎌を持った死神姿のアルフレッド・ウォーグレイヴを見てレオン・フレイムソードは落胆をした。 前回の依頼でアルフレッドの女装した姿にレオンは心を奪われかけていた。 恋人よりそして何より自分の好みに近い女性の姿。 今回もひょっとしたらとの思いがあったのだが、その期待は見事に裏切られた。 「あれは特別な時だけな」 レオンにアルフレッドは小さく苦笑した。 「君は仮面の紳士か」 アルフレッドの言葉どおりレオンの姿はハーフマスクの怪盗だ。 「万一知り合いが居ねえとも限らねえしな」 そう言ってレオンは会場内にいる貴族達の方へと視線をやった。 会場の隅にいたプリンセスの仮装をしたきらら達の姿がレオンの目に映った。 確かあれは最近入ったばかりの新人浄化師達だ。レオンはきらら達の方へと近づくと声を掛けた。 「こんにちは。確か最近新しく浄化師になったばかりのきららちゃんだったよな」 「はい! わたしの名前知って貰えてとても嬉しいです」 「依頼はこれが初めてなのか?」 「はい。私達これが初依頼になります。きららが同じ浄化師の方と知り合いになりたいと言いまして……もちろん私もですが……」 騎士の格好をしたジオニードは小さく苦笑し、そうアルフレッドへと答えた。 そして。 「まだまだ浄化師として未熟者ですが、ご鞭撻、ご教授の方をどうぞ宜しくお願いします」 「ああ。こちらこそ宜しく頼む」 ジオニードから交わされた言葉にアルフレッドは小さく頷いた。 その時。 きららとレオンの二人に子供達が「トリックオアトリート!」と言って近づいて来た。 菓子を求める子供達を見、レオンは唇の端を緩め、ニヤリとして言った。 「菓子を欲しいなら力ずくで奪い取ってみろ」 「よし! 望むところだ!」 「怪盗のお兄さんなんかに負けないぞ!!」 レオンは子供達と鬼ごっこを始め、レオンはわざと子供達に負けると顔に落書きをされてしまった。 「案外子供に優しいな」 レオンの行動が意外だったのかそうアルフレッドは口にした。 「昔は子供嫌いだったんだがな、ヤキが回ったかね……それにしても懐かしいな。ガキの時はハロウィンになると屋敷で幼なじみに女装させたり、一緒にああして遊んだりしたんだ」 レオンは何処か昔を思い出すようにそう言った。 「マクシム?」 唐突に。 アルフレッドはポツリと呟くように言った。 「……おい、お前、何で俺の本名を知って……まさか」 その言葉にレオンは驚愕した顔をアルフレッドへと向け、彼の顔を凝視した。 ● 会場内でエフド・ジャーファルは食事をしていた。 「おじさん、わかってるでしょうけど、タダ飯をガツガツ貪るような見苦しい事はしないでね」 食事と酒を楽しんでいたエフドへとドルイドに仮装したラファエラ・デル・セニオは軽く窘める。ハロウィンとの事もあり、エフドの姿も侍の格好だ。 「タダ飯もだが実を言うと今回はタダ飯が目的ではない」 エフドの言葉にラファエラは小さく眉をひそめた。 「俺の同国人達の移民団体から密かに依頼があってな。自分達の商品をお貴族様方に宣伝してほしいんだと。持ってきた菓子はその為の試作品だ。総じて紅茶に合うだろう。坊ちゃん方ではなく、大人にもそれとなく紹介しょう。彼らが金を使うべき所はいくらでもある」 「パーティはともかく、教団の出資者かもしれない人達を見るにはいい機会かもね。成り上がり者よりは上品なのかしら」 エフドはふと周囲を見渡す。 煌びやかな会場に仮装した貴族達が談笑をし、または食事を楽しんでいた。 (しかし何だ、教団入りの前と後じゃ暮らしががらりと変わったが、貴族はさらに次元が違うな) エフドがそう思っていた。その時。 仮装した子供達がエフド達へと菓子をねだりに来た。 「トリックオアトリート!!」 ラファエラはポルボロンを渡しエフドは、 「ガキ共もとい坊っちゃま方には飴だけでは味気なかろうと存じ、三種類の菓子を用意せし侯。ギャズ、ズールビヤー、サフランナバッドでござる」 そう言って子供達へと渡した。仮装した子供達の親も近くにいた為か、エフドが用意した菓子を物珍しそうに見ていた。 「わー! 美味しそう!」 「違うお菓子が三種類あるよ!」 子供達がわいわいと言う中で、近くにいた子供達の親もエフドのお菓子を物珍しそうに遠くから眺めていた。 エフドはその視線に気付くと子供達の親、近くにいた貴族達の方へと足を向け、菓子を紹介したのだった。 会場内で仮装した貴族達が談笑している姿がラファエラの目に映った。 ラファエラは貴族がどう言う話をするのか興味があった。 貴族の中には出資者、その関係者も少なからずいる。それと同時に教団の出資者もだ。 (自分達に強い影響力を持っているだろう人たちの事は知っておきたいわ。それに値するかどうか) そう思い、ラファエラは談笑している貴族達へと話し掛けたのだった。 ● 「ふふ、いつもと違う格好するとなんだかウキウキするね」 (このような華やかな場は落ち着かない。仮装というのはまあ、思いの外悪くはないが……) 「アユカさん、今日は飲酒禁止ですよ」 執事の仮装をした花咲・楓は魔女の格好をしたアユカ・セイロウへとそう言った。 「だ、大丈夫だよ飲まないよ~」 少しだけ唇を尖らせながら楓にそう返す。 アユカは未成年で酒は飲めない。楓の言うとおり飲み物はフリードリンクにしておこうと思いつつ、アユカは楓の仮装姿を見る。 (かーくん、こういう服装も似合うなあ……執事の格好が様になってかっこいい……) 楓の姿にアユカは思わず心を奪われてしまう。 アユカの魔女の衣装は黒とオレンジの基調で可愛らしいデザインの衣装なのだが、楓の衣装は執事の仮装で設定では魔女の従者だ。それに加えて二人はうっすらと吸血鬼風メイクをしている。 だがまた同時に楓もまたアユカの仮装姿に内心胸が高鳴っていたのだった。 互いが互いの姿に心奪われている中。 子供達が「トリックオアトリート」と言ってアユカ達へと近づいて来た。アユカは子供達に気づき、子供達の目線と同じ高さにしゃがむと、にっこりと笑ってお菓子を渡した。 「このキャンディはね、魔女の魔法がかかってるんだよ。なめると楽しい気持ちになれる魔法なの」 「本当に?」 「本当だよ」 優しい顔で言うアユカに子供達は嬉しそうな笑顔を彼女に向けた。 「アユカさん、子供慣れしていますよね」 「慣れているかはわかんないけど、子供たちみんな可愛くって。かーくんももっとフランクに接してみたら?」 「フランクと言われても……私には簡単ではないですよ」 楓は子供が苦手ではないがどう接したら良いのかわからなかった。そう思っていた。その時。 「トリックオアトリート」 一人の子供が楓に菓子をねだった。 そしてそれに続くように他の子供達も楓にお菓子をねだり始める。 「はい。お菓子ですよ。皆で仲良く食べて下さいね」 「有難う! お兄ちゃん!」 楓はぎこちないながらも子供たちへ素直に対応をする。楓からお菓子をもらった子供達は無邪気に、それでいて嬉しそうに顔を綻ばせる。 その姿を見ていると自分の幼かった頃や当時の友人達を思い出し、楓は思わず頬が緩んだ。 そしてまたアユカも嬉しそうな顔をしていた。 「とはいえ懐かれて悪い気はしません」 そう楓は小さく呟いたのだった。 ● 騎士と天使の仮装をしたラウル・イーストとララエル・エリーゼの二人は食事を楽しんでいた。 豪華な料理から甘いスイーツ系のお菓子まで揃っており、しかも味は超絶品だった。そんな料理に舌づつみを打っていた二人はいつの間にか気がつけば子供達に囲まれていた。 「トリックオアトリート」 (確かお菓子をあげないと、イタズラされるんだったな) 「はい、キャンディだよ。皆で食べてね」 そう言ってラウルは子供達へとキャンディを渡した。それを見ていたララエルは、 「はわわわ……でもでも、私もキャンディ食べたいです~!」 思わず心の声が漏れてしまった。その声を子供達が聞き逃すはずはなく。 「お菓子くれないなら悪戯だよ~」 カキカキ。 ララエルは子供達に顔に落書きをされてしまった。 「きゃあああ、ラウル、ラウル~」 「ちょっ……どうしたのさ!」 泣きながらラウルの方へと行くララエルにラウルは彼女の顔を拭いた。 「これで大丈夫だよ」 「はううぅ……ビックリしました……」 泣き止んだララエルにラウルは小さく苦笑する。そしてふと別のテーブルの方を見ると、同じように子供達に悪戯をされたであろうきららの顔をジオニードが拭いていた。 (向こうも同じか………) ラウルはそう思ったのだった。 ● ハロウィンパーティも終わり、唯月はこっそりとワインを飲んで酔った瞬を部屋へと送っていた。 瞬の部屋の中に入り、ベッドに何とか彼を運んだ。酔っているとはいえ動けない程でない。 「瞬さん……大丈夫、です?」 ベッドの上で寝っ転がる瞬を唯月は心配した様子で覗いた。 (こんなに酔っているの珍しい……) そう思ったその時。 「いづ~俺も悪戯ー」 突然瞬から身体ごと引き寄せられ、 「へ? ……ちょ、っん!?」 唇を奪われた。 (キッ?!!!?) あまりに突然の出来事で自分の中で僅かな戸惑いと共に心臓が早鐘をうつ。 嫌ではない。むしろその逆で大切な人とのキスは甘く、何故か心が満ちるように幸せだと感じた程だった。 しかし初めてのキスがこんなに突然とは……。 瞬は唯月の唇を離した。 「いづと恋人になったのにキスもした事なかったでしょ~? へへ、いづとチュー……へへへ~」 唯月の顔を見て瞬は嬉しそうに幸せそうな顔をした。 「ま、瞬さん……酔いすぎですよ……」 (こんな瞬さん、心臓が持ちません!) 瞬の顔を見て唯月は顔を赤く染めたのだった。 ● 用意されたホテルの二人部屋。 パーティも終了し、レオンとアルフレッドの二人はそれぞれのベッドで休んでいた。 「思い出したのは名前だけか?」 唐突に言うレオンの言葉にアルフレッドは一瞬でその言葉の意味を理解し、彼へと答えた。 「ああ、それ以外は……何も」 「そか。俺とお前は幼なじみで、8つか9つまで屋敷でよく遊んだんだ。それ以降は親の都合で会えなくなったが……容貌や雰囲気が違っていたとはいえ今まで気がつかないとはな……シリウス。お前の本名は、シリウスだ」 真面目な声色で話すレオンの言葉をアルフレッドは真剣に聞いていた。 (女装を契機に過去が判るとは……) ちょっと笑ってしまうがレオンの話や名前が嘘ではない事は感じる。だがアルフレッド自身にはまだ記憶も実感も湧かなかった。 (何か懐かしい気がしたから傭兵時代に会ってたのかと思ってたが……ガキの時も暗かったから結構記憶飛んでんだよな) レオンはそう思考を巡らせる。 そして徐々に眠気がやって来て彼は重くなった瞼を閉じたのだった。 ● 部屋にて。 ラウルとララエルの二人はガウン姿でダブルベッドに二人で寝ていた。 今日は色んな事があった。いつもと違う格好でハロウィンパーティに参加をし、お菓子をねだる子供達にお菓子を渡すと子供達は嬉しそうな顔でラウルにお礼を言った。その笑顔は無邪気で嬉しそうで、ラウルもその顔を見て嬉しくなった。 まぁ、ララエルが子供達から悪戯をされると言うハプニングもあったが……。 だが楽しい一日だった。 ラウルは隣で眠るララエルの美しい銀色の髪を優しく撫でた。 「ハプニングはあったけど、楽しかったね。貴族の集まりっていうのは、いつもこんな感じなのさ。疲れたろうから、もうお休み」 優しい声音で髪を撫でるラウルにララエルはうっとりとしながら小さな声で言った。 「はい。楽しかったです。あのラウル……」 「なんだい?」 「ラウル、この前のこと、教えてくださいね……すぅすぅ」 ララエルはそう言っていつの間にか眠ってしまった。 (ララは本当に煽るのが上手いな……) ラウルは隣で眠るララエルの頬にそっと触れた。 その寝顔はとても可愛らしく、同時に少女から大人になる美しさを僅かに残している。 そんな美しさがあった。 『この前のこと、教えてくださいね』 先程言った彼女の言葉が彼の中で残る。 もういっその事教えてしまおうか。 だがまだ彼女に教えるのは躊躇ってしまう。大切な彼女だからこそ。 ラウルは欲望を押さえ込み、ララエルの顔から手を離すと、自分も眠るために瞼を閉じる。だが瞼を閉じたのは良いがラウルは、なかなか眠れずにいた。 夜はまだまだ長そうだ。 彼はそんな事を思ったのだった。 ● アユカと楓の二人はホテルの通路を歩いていた。 「今日は楽しかったね。かーくん」 「はい、そうですね」 「子供達にお菓子が渡せて良かったなぁ」 ふふ、と小さく嬉しそうに笑うアユカを見て楓もまた僅かに頬を緩ませる。 そんな会話をしているうちに、いつの間にか二人は部屋へと着いてしまった。アユカの隣が楓の部屋となっている。二人の部屋は隣同士だった。 「かーくん、おやすみなさい」 柔らかい表情を浮かべながらおやすみの挨拶をするアユカに楓もまた彼女に答える。 「おやすみなさい、アユカさん」 アユカが自分の部屋へと入っていくのを見届けてから、楓もまた自分の部屋へと入って行ったのだった。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |
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[9] エフド・ジャーファル 2018/10/19-23:57
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[8] アユカ・セイロウ 2018/10/19-23:11
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[7] シャルル・アンデルセン 2018/10/19-18:39
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[6] アルフレッド・ウォーグレイヴ 2018/10/19-14:10
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[5] アルフレッド・ウォーグレイヴ 2018/10/19-14:07 | ||
[4] アルフレッド・ウォーグレイヴ 2018/10/19-14:07 | ||
[3] ラウル・イースト 2018/10/19-10:51
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[2] 泉世・瞬 2018/10/17-08:54
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