~ プロローグ ~ |
その仕立て屋の名前はマリー・アルガェヴ。 |
~ 解説 ~ |
あなたの特別な一着をお作りします。 |

~ ゲームマスターより ~ |
あなたの一着御つくりします |

◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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服作ってもらう方 ちなみに決めたのはジャンケン 勇ましいまでのガッツポーズ 洋服、洋服!楽しみ! 戦闘服は教団ので十分よ だって汚しちゃうし ガラクタ野郎相手とかだと服気遣う余裕ないし だから特別な日に着る可愛い服とかがいいなぁ! お祭りとかさ、イベントとかさ! ドレス?やーよ恥ずかしい! 服について …あぁでも それなら アイドルみたいな、歌姫みたいな 歌うことが楽しくなるようなそんな服 ……となりにあの子がいなくても、一人でも歌えるような… 歌は好きよ でもあの日から 一人じゃ歌えなくて ううん、今でも一人じゃ歌えない あたしの相方が最近、無くした記憶を思い出すって言ってて …だから、だからあたしも 少しは自分を、どうにかしたい |
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ヨナ 指令で服を作って頂けるなんて有難い話ですね 私のじゃありませんよ 今日はベルトルドさんの服を作るんです いつもの服と別にフォーマルを誂えて貰いましょう そんな顔しないで下さい 子供じゃあるまいし 楽しそう?…否定は出来ませんね お茶だけでは暇を持て余し 邪魔にならない程度に仕事を覗いたり話を聞いたり ベ てっきりヨナの服を作るのかと思っていたが… 別に新しいものは要らない その辺で買ったもので十分 大体俺は堅苦しい服は苦手なんだ 周りの有無を言わせない顔を見て観念し降参のポーズ 分かった分かった お願いするよ お手柔らかに 希望 チャイナ襟のカッターシャツ+タキシードスーツ 色/アレンジはお任せ 毛が付きにくいもの |
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オーダーメイドの服なんて着たことないわ どんな風になるのかしら 目を輝かせた後 シリウスを見上げて 作ってもいい? 困った風な彼の顔をじっと見つめる シリウスが嫌なら 諦めよう そう思っていたけれど 返ってきた応えにぱっと笑顔 ありがとう! ううん シリウスが考えてくれたら何でも嬉しい ええと 折角なのでドレスが欲しいです ちらりとシリウスを見上げ 彼に聞こえないようマリーさんたちに シリウスが「可愛い」って思ってくれるようなのだと 嬉しいです 彼の視線に少し頬を染めて首をふるふる なんでもないの 気にしないで ぽつぽつと呟かれる言葉に 赤く 「子どもみたい」に口を尖らせるが 彼の笑う気配につんと横を向く 何だか楽しくて すぐに自分も笑顔に |
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~ リザルトノベル ~ |
店内を見た『ラニ・シェルロワ』と『ラス・シェルレイ』は目玉が落ちてしまうくらいに開いて、店内を上から下まで眺めた。 木造の室内は木の香りがして、目につくのはいくつものドレスや衣服……色がいっぱいある。布の癖のある匂いも混じってなんだか大人な空間だ。 「今回はどちらの方のを作ろうかしら?」 「あたし、あたし!」 「オレっ」 二人ともほぼ同時。 沈黙のち、視線を絡め、互いに譲らないと理解すると向き合う。 「いいじゃない! たまには譲ってよ」 「いつも譲ってるだろう? お前、前におやつオレの分も食べたよな? 今回のでチャラにしてやるっ」 「っ! いや、譲らない。今日帰りのおやつ、奢るから。アレで決めましょ」 「いいぜ! 恨みっこなしな」 二人そろってせーの、と手を握る。 「じゃんけん!」 「ぽん!」 「よっしゃあーー!」 「くそぉ!」 両腕をあげてのガッツポーズをとるラニにラスは地団駄を踏む。 「洋服、洋服! 楽しみ!」 「くっそ……くっそ……! すごく悔しい……!」 「しっかり手伝ってよね?!」 「……おう、こうなったらとことん考えてやるよ」 ふふんと腕組みをして喜ぶラニに歯を剥いて睨みつけるラス。なんとも微笑ましいやりとりだ。 「もういいかしら? ふふ、元気なお客様ね、どんなものを作りましょうか」 マリーのやんわりとした声に二人そろって恥ずかしそうに頬を染めて、今度こそ行儀よくしようと決めた。 「戦闘服は教団ので十分よ。だって汚しちゃうし」 きっぱりとラニは言い切った。浄化師として危険な仕事も多い。汚れたり、ケガをすることもよくある。むしろ、突っ込んでいくタイプのラニはケガばかりだ。 「ガラクタ野郎相手とかだと服気遣う余裕ないし、だから特別な日に着る可愛い服とかがいいなぁ! お祭りとかさ、イベントとかさ!」 ぱっと笑顔になってラニは提案する。浄化師になっていいことの一つは、指令でいろんな村にいってお祭りやイベントに関われることだ。 むろん、仕事なのでその間は制服を着ているが、仕事のあとはフリータイムでお祭りを遊べる。 「じゃあ、ドレスかしら?」 「ドレス? やーよ恥ずかしい!」 「そうそう、こいつだと裾をふむ……いっ」 「水虫、おほほほ」 テーブルの下で思いっきり足を踏まれたラスは涙目で言い返そうとして、したり顔で笑うラニを睨みつけた。いや、行儀よくいこう、くそ。 「じゃあ、寸法をはかりましょう。ラスさんにはそうね、御話を伺いたいわ」 マリーが二人を案内する。 ラニは寸法をはかるために個室へと赴いた。ラスがその間に相手してくれるのはマリーの助手を務めている男性である。 女性と男性では話せる内容も異なるというものだ。 まずはこちらは生地を選ぶということで、サンプルがいつくもの並べられた。 「触れてみるといいよ」 本に張り付けられた生地はいくつものあり、触れると少しも同じじゃない。 「イメージ……歌姫みたいな? あいつが? ……あの」 遠慮がちにラスは提案する。 「色なんですけど、萌黄色を入れてくれませんか? あいつにとっては大切な色の筈だから」 「理由を聞いても、いいかな」 「……大切な人の、イメージの色だから」 ぽつりとラスは言い返す。 「それは、君にとって、それとも彼女にとって」 不意に水を向けられてラスは戸惑った。 「たぶん、二人にとって、オレとラニはずっとその、大切な相手を失くしたときから進めてないんだ。いろんな、いろんなものがあって、そのせいでオレたち、ずっとそのことばかり気にして生きてる。それでいいのか、オレは……苦しい」 忘れている自分がいるから。それとも、憎悪に燃えているラニを見ていることが辛いのか。過去が美しすぎて、愛しいからなのか。 それすらわからないでいる自分がいる。 「ラニは基本的にはお調子者で、楽しいことが好きで、歌が大好きで……それでも、あいつの中には大きな憎悪が燻ってる。だから時折不安になるんだ。いつか燃え尽きるんじゃないかと」 また失うのかもしれないと。それを自分は受け止められるのか、自分はまたいろんなことを忘れてしまうんじゃないかと。 「怖いんだ、オレは、くそ」 悪態をついてゆがめた顔を両手で覆う。 過去に会いたかった彼女に謝罪したときに自覚した、忘れてしまった大切なことを。嘘をロリクは許してやれと言った。 けど、自分は許せるほど大人じゃない。 「……ラニをオレは……」 「家族なんだね、とても」 「かぞ、く?」 「血が繋がっていなくても、同じような時間を支えあって生きてきた、愛や恋といったものよりもずっと濃いもので二人はつながっていて、それを支えているのは二人にとって一番大切な人なんだね」 その言葉にラスは目を伏せた。 寸法しながら服について尋ねられたラニは一生懸命に考えた。ここで服を作りたい理由も含めて。 「服について……あぁでも それなら……アイドルみたいな、歌姫みたいな、歌うことが楽しくなるようなそんな服。……となりにあの子がいなくても、一人でも歌えるような……」 ふと目を細めてラニは呟く。独り言のように、過去に置き去りにした想いを拾い上げるように。 「歌は好きよ。でもあの日から、一人じゃ歌えなくて、ううん、今でも一人じゃ歌えない」 「一人なの? 今日一緒にきているラスは?」 マリーに問われてラニは小首を傾げる。曖昧に、笑う。 「ラスはダンスが好きなの。かっこいいんだ。……あたしの相方が最近、無くした記憶を思い出すって言ってて……だから、だからあたしも、少しは自分を、どうにかしたい、なって、あはははなんか柄にもない真面目なかんじでだめだよね、ホント、えーと」 「無理に、明るく笑わなくていいわ。私が見たいのはあなたの本質だから」 マリーの言葉にラニは口を閉ざす。 「ひどいクマ、眠れないのね?」 「悪夢を、みていて、……それで」 「だから変わりたいの?」 「ううん。一緒にいる、あいつの、ため、かなって」 「一緒に歌いたい人のお名前は?」 「……シィラ」 大切な宝ものを、ラニは口にする。 「あなたの語れる範囲でいいわ、教えて」 自分の服を作りに来たはずなのに、とラニは思ったが溢れるままにシィラのことを口にした。どんな子だったのか、どれだけ可愛らしい子だったのか、歌が好きだったのか、自分も好きだったのか。そして、 「けど……大嫌いなの」 拳を握りしめる。 「ラニ、あなたは……優しい子ね、とても優しい子よ」 「あたし、自分のことしか考えてない」 「自分勝手な人はね、そんな風に苦しまないの、自分を責めたりしないの。どうか、あなたは自分を許してあげて」 押し黙るラニにマリーが顔をのぞかせて、笑った。 「それにね、女は秘密があるほうがとても魅力的なのよ」 出来合ったそれかラニの要望の通り服だった。はずだ。しかし。 「違う」 ぽつりと言い捨てるラニにラスが焦った。 「おい、ラニ! いきなり何言ってんだよ、せっかく作ってもらって」 ラスが叱咤するが、ラニは拳を握りしめて辛いなにかに耐える顔で服を見つめていた。 「ごめんなさい、ラニ、私のデザインはお気に召さないかしら? これは貴女のために作ったのだから、一度だけ、着てみてくれない?」 「ほら、ラニ、マリーさんが……ラニ!?」 耐え切れなくて瞳からぼろぼろと涙を零すラニにラスは焦って声をあげた。 「っ、……本当はあたしじゃなくて、あの子の方が似合う筈だった……そんな服を、あたし、口に、して、た。すごく、素敵だけど、けど」 「……そう思うなら尚更お前が着ろ。大丈夫、似合ってるよ」 「あたしが着て、いいのかなって……ごめんなさい。失礼なこと言って、この服、どんな意味とかあるのか、聞いても、いい、ですか?」 「ラニ、誰でもない、あなたのための服よ」 変わっていくラニのための、萌黄色のワンピース。よく動き回れる活発な彼女の邪魔にならないようにスカートは膝くらいの長さになっている。そのスカートの腰にあたる部分には小ぶりのリボンがつけられ、動くたびにひらひらとリボンの先が水を動く魚のように揺れる使用だ。 鎖骨から上部分、そして二の腕はレースの透かしで濃い緑の葉――練り上げ、絡み合う黒と緑の交じった糸の葉っぱの柄。そのレースをひきたてるのは左胸に添えられた緑の葉だろう。こちらは天然石を使って作られた葉っぱのブローチだ。 「あなた自身がとても色の強い個を持っているから、あえて色はおさえてみたの。髪の毛にリボンをつけたり、アクセサリーをつければかわいらしさも演出できるわ。そこは好みね」 アイドルのような歌姫のような、イメージはやっぱりシィラで。 ラニを作るのはラスであり、シィラで――だったら、ラニ自身の個とはなんだろう。彼らが与えてくれた歌の喜びと嘘とで塗り固められている。けれどラニは必死にあがいて、憎悪を抱えて、成長し、花咲こうとしている。まだ泥だけの蕾でも。 「リボンは外せるようしてあるわ。そうすれば、大人の雰囲気も作れるはずよ」 「取り外せるんだ」 「ええ。可愛らしいけど、女という生き物はかわっていくの。あなたは可愛らしいけど、強さがあるから。それにあなたが恋をして、一緒に踊りたい人、または歌いたい人がいたときのために可愛くも、美しくもなれるようにと考えたの」 「こ、恋って……けど、誰かと一緒に」 「そうよ、本当はアイドルや歌姫というと見た目の衣装も派手で、可愛らしい、注目を集めるものだわ。もっとフリルを足してもいいのだけど……あなたはあなたでしかないの。まだあなたは自分を作れていない、だから花咲くように、願いをこめてみたの。そしてどんな花が咲いても、あなたを引き立てられるように」 「……」 アイドルがその可愛らしさで人を引き付けるように。 歌姫がその歌声で人々を魅了するように。 ラニが成長し、歌を心から愛して魅了していけるように。少しでも変わり続けるラニにできうる限りあわせていけるように。可愛くしても、美しくも、強くもなれるように。 「あなたがどんなふうにかわっても、あなたはあなたを裏切らないし、裏切れない。そしてあなたは花を咲かせるでしょう。そしてあなたの胸に、あなたの大切なものが常にある。これがあなたを作り上げてくれたもの、どんなときも一人でないように」 胸に添えられた萌黄色のブローチ。それはこの服を常に生えさせるようにイメージされている。 ラニが一番大切な人との思い出。それが今のラニを作ってくれたから。これからもずっと。歌いたいときに歌えるように。一人ではないように。 大切な過去を抱きしめて、笑っていけるように。 「……ありがとう、ございます」 赤く染まった目尻を緩めてラニは微笑んだ。ねぇ、辛い思い出だけじゃない、抱えるのは苦しい、だから変わる。強くなる、大輪ではないかもしれないけれど、ちゃんとラニとして咲くために。 「ラス、あなたの口にした色だけど、春の緑よ。目覚めた植物の色、あなたたちはまだはじまっただけなのね」 マリーの手が優しく左胸に触れるのにラスは、はっとした。葉の形にされたシルバーのブローチのなかには萌黄色の石がはいっている。 「サービスよ。こちらもいつか花をつけてあげる。あなたが成長し、どんな色の花をつけたいのか、ぜひ聞かせてね」 「ご利用、ありがとう。満足していただけたかしら? もし満足したなら、また、いっらしゃい、変わり始めたあなたたちのために素敵な一着を作るわ」 ● 「指令で服を作って頂けるなんて有難い話ですね。あ、私のじゃありませんよ。今日はベルトルドさんの服を作るんです」 他人事のように横に座っていた『ベルトルド・レーヴェ』は『ヨナ・ミューエ』の言葉に尻尾をぴんとたてて驚いた。 「てっきりヨナの服を作るのかと思っていたが……別に新しいものは要らない。その辺で買ったもので十分だ。大体俺は堅苦しい服は苦手なんだ」 「だめです」 ヨナはきっぱりと言い返す。 「いつもの服と別にフォーマルを誂えて貰いましょう。そんな顔しないで下さい。子供じゃあるまいし」 あきらかにげんなりした顔のベルトルドの顔にヨナは噴き出しそうになった。 確かにベルトルドには立派な毛がある。黒く、しっとりとしていてつやつやした自前の服だ。夏は暑そうにしているが、冬になると、その全身の毛と上着を頭からかぶってあたたかそうだ。しかし、猫科なせいなのか、少しばかり寒そうにも見える。夏はすらりと歩いていたが冬場は足の動きがささ、ささと小刻みになっている。――気がするのだ。 「楽しそうだな、ヨナ」 「楽しそう? ……否定は出来ませんね」 にやりと笑って言い返すヨナにベルトルドはジド目で睨む。 ふと見ればマリーはにこにこしている。 ヨナよりもずっと熟した彼女の柔らかな視線にベルトルドはなんとなく、視線を逸らす。 「ベルトルドさん?」 ヨナの視線。 「ミスター、素敵な洋服を仕立てさせていただくわ? だめかしら?」 「ベルトルドさん、せっかくの申し出ですよ?」 マリーの一言とヨナの強引な言葉に――最近、いろいろと読み書きを教えてもらっているせいか、なんとなく逆らいづらいのだ。 ベルトルドははぁとため息をついた。 「分かった分かった。お願いするよ。お手柔らかに」 両手をひろげ、降参のポーズだ。尻尾もへにょりと垂れている。もう好きにしてくれの合図である。 「希望はなにかしら?」 「先ほどいったようにフォーマルなもので」 ベルトルドが口を開くより先にヨナが告げる。 「おい」 「せっかくです」 「……うむ。俺の、希望も多少は拾ってもらえるのだろうか?」 「もちろん、構わないわ。ミスター。では、寸法をはかりましょう? そうね、ヨナさん、あなたには彼のお話を聞かせてほしいわ」 「ベルトルドさんについてですか? わかりました」 「悪口をいうなよ」 「言いません」 立ち上がりながら釘を刺すベルトルドはマリーに手をひかれて歩いていく。 ヨナは気が付いた。 (マリーさんとベルトルドさん、並ぶとちょうどいい背丈ですね) マリーはベルトルドより頭一つ分ほど低いくらいだ。ヒューマンの人間にしてみると高すぎず、低すぎない。地味な紺色のドレスを身に着けているが、目立たない金の糸で花があしらわれている。落ち着いた色に隠された色香を見てヨナはどきりとする。 (ああいうのが大人の女性、というのでしょうか?) 自分とベルトルドが歩いていると、どうも視線が合わない。それは仕方のないことだが、歩いている自分と彼は傍から見るとどう見えるのだろうか。 もちろん、パートナーだろう。 なぜか頬に血が集まり始めて、かっかっと熱くなってきた。 (私はなにを) ベルトルドが寝込んだとき、今はだめ、と咄嗟に思った。じゃあ、いつならいいんだ? まってまって、いつならとか何を考えているんだろう。 「大丈夫?」 ふふっと戻ってきた笑ってマリーが紅茶をすすめくれたのをヨナは手にとってすする。 「ベルトルドさんについてですよね? 彼は……おっきいです」 「それは見た目のことよね?」 「……はい」 「あなたから見て彼はどう?」 「……強い、ひとです……けど、不器用なところとか、お酒が好きなところとか、辛い過去をちゃんと受け止めていることとか、あ、尻尾がふわふわしていたりして、睫毛も長くて」 あ、あれ、私は何を口にしているんだろう? またしてもヨナは混乱する。 「あなたは彼をどう思っているの?」 「私、ですか?」 はっと思うのは古城を愛しんだ瞳と、辛い初恋の彼女を見つめてなにもかも受け止めた顔。 「つよい、ひとです。私には、ないものを持っています」 心のなかでも特に大切なものをすくい上げるようにヨナは断言する。 「私にはない強さと、包容力があります。私は、いつもそれに助けられています」 「安心する?」 「……ベルトルドさんには言わないでくださいね?」 ふふとマリーは笑って頷いた。答えは口にしているも同じだ。 「彼がパートナーでよかったと、今は思ってます。けど、まだ、その理由なんかを口にできなくて、今じゃないって、思うんです。その今じゃない理由がいまいち、わからなくて」 「それは、タイミングね」 きっぱりと言われてヨナは眉を寄せる。 「恋に落ちるのには、タイミングがいるわ」 「私とベルトルドさんがですか! そ、そんなの、な……」 以前ならないないと叫んでいたけども、いろんなことを知り始めて、ヨナは迷い始めた。 自分は自分を作れていない。そう痛感した。今はベルトルドといて知らない自分と何度も顔を合わせてしまう。 「……ベルトルドさんに、その気がないと」 「あら、恋って年齢や種族の差や、見た目でするものかしら?」 「では、どうやって落ちるんですか、その……恋には……あ、あの、これは決してベルトルドさんのこととのことではなくて、……今後の参考に」 しなくてもいい言い訳をしてヨナは深呼吸をして、じっと見つめる。 「ふふ、だからタイミングね。美しいものを見たとき、おいしいものを食べたとき、ああ、この人が好きだと、幸せなんだと思うとき」 「……胸のときめときとか、切なさとか、ですか?」 「ううん。そんなものではないわ。ただずっとこの人と一緒にいたいと思うのよ。自然と……この人となら、不幸になってもいいって思うような気持ちね」 「……難しいですね」 ヨナの視線がふと、ショーケースのナイトドレスに止まる。冬をイメージしたらしい白銀のドレスは大きく、ゆったりとしていて大人のものだ。 (私も一着位……) ううんと首を横に振る。 「何か気になるものはあった?」 「あ、いえ……制服があれば十分ですし」 「服を欲しいと思うのは恋しているのよ。……あなたはもう落ちてるんじゃないかしら?」 「え、あ、え!」 「あなたに似合うドレス、作ってあげたいわ。ああ、けど、いまは彼にはどんな色が似あうのかしら? あなたは彼にどんなものを望んでいるの? あなたの瞳で、思いで語ってちょうだい」 話をそらさせてしまった、さすが接客業と思いながらも、助かったと思うところもあり、ヨナは与えられた命題に取り組むことにした。 「黒に……赤、でしょうか」 それはベルトルドの初恋の人の色だ。 「あと、緑色、目がきれいで」 もう一つと、ヨナは思いついた。 「濃い色も合います。金色も」 「そう、そうね。彼は美しい人だもの」 歌うようにマリーは同意する。 「はい。彼には今は亡き師がいて、その師は、こう、ニホンぽいものを身に着けてました」 「そう、素敵ね」 ひとつ、ひとつ考えていくと楽しくなってきてヨナはベルトルドには何が似合うだろうと言葉をあげていく。それをマリーは受け止め、楽しそうに笑った。 寸法をはかる部屋でベルトルドは借りてきた猫のように縮こまっていた。――といってもその大きな体を隠すことも出来ずに、なすがままである。 腕やら足やらはかられ、その上、尻尾まで触れられた時はひげが震えた。 「あら、尻尾の穴が小さいと窮屈ではなくって? ああ、私が触れてはいけないのなら、ヨナさんに頼もうかしら?」 「いや、尻尾周りも自分に合わせて作って貰えるのか」 「ええ。個体差があるでしょう? ふわふわの人、毛の長い人、みんな違うわ」 「確かに。この辺個体差があって自分にぴたりと合うのは中々無いからな」 ベルトルドもその点は苦労している。合わないものを買うと自分で穴をひろげたり、縫ったりしなくてはいけないのだ。 「あなたは自分に誇りがあるのね」 「そう、か?」 「着るものに頓着していないのに、その見事な毛並みがあるからではなくて?」 「……そうかもしれない。俺から見ると、君たちは毛がなくて寒そうだ」 「ふふ。だから服を着るのよ」 「道理だな」 ベルトルドは小さく笑った。 「憧れはないが楽しそうだとは思う。しかし、合わないものが多くて、どうしてもな」 「そうね、そこは服を仕立てる人と話し合って決めるべきだわ。面倒でも、時間をかけて作ることで最高の一着となるはずだわ」 「うむ」 少しばかり考えを改める。 「服を身に着けることで、横にいる人との関係も変わるわ」 「変わる?」 「まだちぐはぐで、けれど一生懸命二人にとってのいい距離感を探しているように見えるわ」 「……じゃじゃ馬でな。だが、昔よりは優しくなったんだぞ」 こそりと小声で告げる。 「ふふ。あなたも、ではなくて」 「俺も?」 意外そうにベルトルドは尻尾を震わせ、耳をぴこぴこと動かす。 「新しい服を作るのでしょう? 彼女に横を歩いてもらうために」 ヨナに連れられてきただけだ。それでかなり強引にすすめられて、けれど本当にいやであれば断ればよかったのだ。 ヨナがあまりにも必死な目をしているのに、妥協してしまった。強い意志を孕んで危なげで、けれど真っすぐな瞳。あの目に自分は弱くなっているのだとベルトルドは気が付いた。 今は、なにを考えて、服に袖を通そうとしているのか。 自分のため? ちがう。 ヨナだ。 ヨナの横を歩く服を自分は作って、身に着けようとしている。 ベルトルドは小さな嘆息と共に尻尾をふり、白い牙を見せて途方に暮れたように笑った。 (いや、参った) ベルトルドが身に着けるのはカッターシャツだ。チャイナ襟で、首回りにはずいぶんとゆとりがある。黒い生地を結ぶのにつかわれたのは金の糸で、左胸から下には金木犀の枝がひとつ、さりげなく刺繍されている。 布とともに品と質の良さをうかがわせる一品だ。出来れば毛のつきにくいものと注文したので、色もそうだが、毛がつきづらい素材だ。その上で、タキシードスーツとしてレッドワインの上着だ。上着の袖はやや短くされており、下のシャツの黒袖が出る仕様である。中央の一つのみ釦で止めるそれはボタンを留めればよい仕様になっており、釦を止めると黒のラインがあらわれる。すっきりとしているがベルトルドの黒を引き立てるようにしている。 「何だか照れるな」 「よくお似合いですよ。やはり頼んで良かったです」 いつもくるくると動く尻尾も今日だけはおすましをして少しばかり動きがぎこちないベルトルドに真顔でヨナは言い返す。 「俺よりヨナの方が嬉しそうだな」 ベルトルドの目尻が緩むのにヨナは頷いた。 「……誰かの為に何かしたり考えたりって 何だか素敵な事だなと思って」 「にしては若干強引に感じたが」 「そこに関しては要改善ですね」 最後だけは二人とも真顔で言い合い、そして同時に噴き出した。 服を作っているとき、ついいろいろと考えたが、これが今の二人の、いつもの距離だ。 心地が良くて、優しくて、けれどもう少しだけ前に近づく、かもしれない距離。 ヨナはベルトルドを見て、先ほどのドレスのことを浮かべる。いや、あの色ではこのスーツには少し弱いかもしれない。 (私に似合う色で、私だけのドレス……ですかね) ヨナは心の中で一人、言葉を漏らして口元が緩むのをどうしても止められなかった。 「お気に召したかしら? 次回はぜひ、ヨナさんのドレスを仕立てさせていただくわ。二人で並ぶにふさわしいドレスを」 ● 「オーダーメイドの服なんて着たことないわ。どんな風になるのかしら」 『リチェルカーレ・リモージュ』はお店の前で足を止めて、わくわくとした口調で呟く。きらきらと太陽の光を受けた湖のような瞳で『シリウス・セイアッド』を見上げた。 「作ってもいい?」 無表情のシリウスの眉が少しだけ寄る。あ、困ってるときの表情と、長く一緒にいて彼の気持ちを読めるようになったリチェルカーレはどきどきした。 シリウスが少しばかり困惑している、というのはわかる。 「……作ればいいと思うが 手伝い……」 シリウスが視線をそらしながら、ぽつりと、漏らす言葉。それに少し弱さがあるようでリチェルカーレは小首を傾げた。 この店ではパートナーの服を作るために店主のマリーに相手をどう思っているのか伝えなくてはいけない。それはシリウスにはなかなかに苦痛な作業……かもしれない。 (シリウスが嫌なら、諦めよう) マリーには頭をさげたらいい。もしくは別の浄化師の手伝いをすればいいと思っていたが。 「……どんな風になっても知らないからな」 小さなため息まじりに投げられた言葉にリチェルカーレは目を見開いて、ぱっと笑顔を作った。 「ありがとう、シリウス! ううん、どんなものでもシリウスが考えてくれたら嬉しい!」 「……」 シリウスが黙ったまま苦笑いするのにリチェルカーレはドアを押し開けた。 店内は優しい雰囲気だった。もっと派手なものをイメージしていたが、ドレスは数着飾られているだけで――すでに仕上がっているそれらは持ち主がいるらしい。 「あら、いらっしゃい」 にこり、と店主のマリーが微笑んで出迎えてくれた。 さぁ、どうぞ、と奥のソファに案内され、紅茶とクッキーが出された。 「ええと 折角なのでドレスが欲しいです」 ふわふわのソファに並んで腰かけると、リチェルカーレはちらりと横目でシリウスを見上げ、彼の視線がこないうちに、そっとマリーさんたちに顔を寄せる。女性の内緒話には男性は足を踏み入れないのがマナーだ。 「シリウスが「可愛い」って思ってくれるようなのだと……嬉しいです」 こっそりと、囁くように。 けれど、自分の気持ちをしっかりと伝えたくて、はっきりした声で。 シリウスの伺うような視線に、すぐに姿勢を正して、少し頬を染めて首をふるふると。 「なんでもないの。気にしないで」 いろいろと察したらしいふふっとマリーが微笑むと、シリウスに話をふった。 「彼女に、どんなイメージがあるかしら? 教えていただける? ドレスの参考にしたいの」 「イメージ……花が好きで、歌が好きで」 ぽつぽつと呟かれるシリウスの言葉にリチェルカーレの頬が、また赤く染まる。 (そんな風に、みててくれたんだ) 普段は語られないシリウスの自分のイメージに触れてリチェルカーレは落ち着かなくなった。 「表情が子どもみたいにくるくる変わって」 「子どもみたい」の部分にリチェルカーレは黙ったままだが頬を膨らませ、つんと唇を尖らせる。すると、シリウスの視線が、目尻が緩む。そんな彼女が愛しいと言いたげに。 (ずるい) 心のなかで思う。 (ずるい、シリウス) ぷいと横を向く。 「子どもっぽいと言うと怒る」 声が優しく、笑っている。 表情をみなくても、シリウスの顔が瞼に浮かんでくる。 だから怒っていられなくて、唇が緩む。くすくすと笑ってしまう。それをシリウスも感じているらしい。 なんだかとても楽しい時間と気持ちを共有している。 (目を射すような強いものではなく……暖かな陽だまりの光のようだ) 今こうして笑っている、その瞬間が、シリウスの心を包み込む。それを言葉に出来たらとも思うが、口には出せなくて、胸のなかでだけ。 彩る言葉を紡ぐ。 けれど、その楽しそうな喧嘩の風景を見ているマリーは目を緩めて、なにもかも察しているといいたげで。 気恥ずかしさからシリウスは黙って紅茶を一口、飲んだ。 口に解ける、優しい味がした。 サイズをはかると言われて別室にきたリチェルカーレは教団服を脱ぎ払い、下着姿になった。 てきぱきとメジャーでサイズをはかり、型紙を作ると教えてくれた。 その間にシリウスは生地選びの手伝いをするのだという。彼が? と聞くと、そうよ、彼が、とマリーは笑った。リチェルカーレも膨大な生地とにらめっこして、ああでもない、こうでもないと一生懸命選んでくれるだろうシリウスを――きっと無表情なんだろうが、真剣に取り組む姿――考えて笑ってしまった。 「一度測ったら次からはすぐにできるんですか? えっと、御話をして、デザインを決めてもらって?」 「けど、あなたはまだまだ成長していくから、そのたびに測ったほうがいいかもしれないわ」 「成長、ですか? 身長は、もうあんまり伸びないけど」 「そうではなくて、そうね、肉体が花のように変わるのよ。あなたはまだ蕾だから」 「花」 リチェルカーレは言葉を繰り返す。 実家が花屋であるリチェルカーレは頭のなかで思い浮かべる。小さな蕾が膨らみ、ゆっくりと甘い香りとともに開く。 自分もああなれるのだろうか? マリーは囁くように声をかけた。 「あなたは素敵な気持ちを抱えているのね。あなたのその気持ちの相手は彼ね?」 「え……っと、名前を呼ばれて、視線が合うと、嬉しくて、胸が高鳴るんです」 マリーは穏やかに笑った。 「あなたは彼をどう思う?」 「頼りになります。兄のようにも、守護者のようにも……けど、シリウスはときどき、自分に対してひどく投げやりで、触れることに躊躇ったり、するんです」 「それが悲しい?」 「……胸の奥が、痛くなるんです」 そっと胸に手をあててリチェルカーレは呟く。シリウスの過去にはおいそれと触れてはいけない気がする。 「それは、きっととてもとても素敵な想いね。あなたは可愛いと言われたいというけど、彼とどんな関係になりたいの? 妹のように甘えるの? 母のように守りたいの?」 問われて悩む。 うまく言葉が出てこない。 職員に言われるまま、指を絡めることができた。嬉しくて、見上げた彼の困惑とした表情。 戦いのなか自分を庇ってくれた。 医務室で恐怖に混乱していた。 ひとつ、ひとつ脳裏に思い出していく。 「強い、瞳が、きれいだと思う」 そして。 「たまに見せてくれる、柔らかな表情が……なにより嬉しい」 だから。 「横に、横に立って、笑って、いてほしい」 シリウスの横に立って、視線を向けて、名を呼んで、笑っていてほしい。 そう想うだけで微笑みが漏れる。花が咲くように。 花は可憐だけど、それだけじゃない。太陽――違う、優しい夕陽のように包み込めたらいい。 「どんな道も一緒に、ちゃんと進めるように」 シリウスの横にいたい。 「いいわ。では、あなたと彼のためのドレスを作りましょう」 ドレスを作っている間、手持ち無沙汰になったシリウスの元におかわりの紅茶とクッキーが運ばれた。 実はくたくたに疲れていた。生地を選ぶといって渡された見本は膨大でそれ一つひとつを真剣に見て考えるのはベリアルと戦うよりもずっと骨の折れる作業だった。 ようやく一息ついたとき、壁にかかるいくつものドレスが目に留まった。 「お疲れ様。疲れたでしょう? ふふ、殿方はドレス作りがこんなに大変だとはなかなか知らないから。シリウス、あなたにとって、彼女は……大切な人なのね」 とマリーが声をかけた。 黙ったまま翡翠の瞳がマリーを見つめる。 「ごめんなさい、仕上げのところが少しだけ時間がかかるの。退屈かしら?」 黙って首を振ったあと 「……いや」 「少しだけつっこんでしまうけど、どうして、あなたはそんなにも遠慮がちなのかしら」 シリウスが眉を寄せた。手を開いて、握り、沈黙を守った。それがシリウスの答えただ。それはマリーに十分に通じたようだ。 「ああ、ごめんなさい。ただね、花は手折られるためにあるの、誰かが守ってくれて、咲き始めた花は、その人のために手折られて、愛されて、実を作るのよ」 シリウスが何か言おうとして、また口を閉ざした。 「彼女は、とっても素敵ね、そして強い人ね。けど、花の一生は短い、いつか、誰かが愛して手折ってしまうかもしれないわ」 ふふと、マリーが笑う。からかわれているのか、それとも。と視線を向けると、どこか遠くを見て、マリーはつけくわえた。 「運命はね、その人にしか決められないの。辛いことも、苦しいことも彼女は受け止めて、自分の運命を決めて、進む強さがあるわね。願わくば、貴方が花盗人となるように。ああ、忘れないで、花盗人には咎められないよ」 くすくすと笑ってマリーが立ち上がる。 からかわれた、と思ったが、空席の横をシリウスは見る。 いつか花は咲く。 それを誰かが手折る。 言葉が頭のなかでくるくるとまわる。 仕上がったドレスを着たリチェルカーレの姿を、ぜひ、シリウスに見てほしい、とマリーが口にした。 試着室のドアはなかなかあかない。 「?」 シリウスはじっとドアを見つめていると、そろそろとリチェルカーレの顔が出てきて慌てて引っ込んだ。 「あ、あのね、シリウス」 「?」 シリウスは忍耐強くリチェルカーレを待った。彼女がなにをそんなにも怯えているのかわからないからだ。 「……すごく素敵なドレスを作ってもらったの……ただ、その、あの、ね」 リチェルカーレの声が戸惑い、照れている、というのはシリウスには十分に伝わった。見られて恥ずかしいならマリーに言って完成したドレスだけ見せてもらえばよかったんだと呆れる反面、このドアを開けてしまいたい気持ちにもなった。 「……見てみたい」 ぽつり、とシリウスは声をかける。 「リチェ」 呼ぶ。 「出てきてくれ」 その声に、ようやくドアがちゃんとあいた。 デザインはハートカットネックで、端の部分に白い花を咲かせている。生地は深い緑、まるで花の枝の部分のように。しっかりとした上品な生地には深緑の糸でいくつもの細やかな螺旋の模様がかかれている。広く、広く根を伸ばして包むように。腰にはまた花をあしらい、ふんわりと開いた生地は緑と白が重なり合っている。それが一つの葉のように。 心優しく花を愛するというならば、シリウスにとって花はリチェルカーレ自身。けれどそれは強くて、決して折れなくて、優しい風のなか、歌ってくれるように。 恋をして少しだけ大人になった、けれどまだ幼く、花は開かない。ゆっくり、ゆっくり愛しんでいる。この気持ちを。 いつもまとめている髪を解いて、おろし、ドレスにあわせてウェーブさせる。揺蕩う水面のように。 彼女の優しさと強さ、すべてを表すことを計算し、願ってドレスも髪型も作り上げられた。 「ど、どう? シリウス、似合う?」 リチェルカーレは少しだけ恥ずかし気で、嬉しそうに笑う。 花びらが開く瞬間を見たようにシリウスは目を見張り、息を小さく、飲んで、言葉を発した。 「……似合う」 花が咲いた。目の前で、小さな蕾が開きはじめている。包まれるような優しいぬくもりを胸に覚えて、シリウスは目を伏せた。 「ご満足していただけました? もし満足していただけたら、そうね、今度はシリウスさん、あなたの服を仕立てさせてくださいね? どんな服をあなたが望むのか、楽しみだわ」
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |
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