~ プロローグ ~ |
ソレイユ。 |
~ 解説 ~ |
○目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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【選択肢】 1.4 【行動】 1) 葡萄を収穫するのに人手が足りないと聞いて朝に弱いルイを無理やり連れて葡萄の収穫を手伝う事に。 「よく叔母の手伝いでやった事があるし久しぶりにやってみたいと思って。」 (浄化師1家の中で唯一浄化師の血が流れていな った叔母とだけは仲が良くて。) 早朝からの任務で眠そうにしているが黙々と収穫を続ける寝起きで機嫌が悪い様子のルイが呟いた愚痴にそう答える。 4) 「ルイには朝早くから収穫に付き合わせてしまったし今日は我慢する。」 (それに(10話)の1件以来お互い禁酒を誓ったし…) ワインを飲みたかったが葡萄ジュースで我慢。 「ワインを飲めなかったのは残念だったけど葡萄ジュースも美味しい。」 |
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※アドリブ歓迎致します 1と4 うん、この前も言っただろう? 僕がララエルを守るって(68話参照) (収穫はテキパキ) 葡萄の収穫をしていると、故郷を思い出すな… よく父上に、領主たるもの領民の生活を知れって 収穫を手伝わされてたっけ。 …どうかな…教団に連れてこられちゃったからね。 ララもやってみたい? じゃあ僕が抱っこするから…そうそう、そこをつまんで… 上手だよ。それは籠に入れてくれる? (収穫後) あ、僕はまだワインは飲めないので、ジュースのほうで。 (ジュースに砂糖をドバドバ入れ)ああ美味しい。 労働の後はこうでないとね。 |
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【目的】 一匹ずつ追い込んで捕まえると同時にミカゲちゃんのストレスを発散させる 【行動・心情】 ミカゲちゃん、最近雨降りであんまり遊ばせて無かったから今回の依頼は丁度良さそうだな ミカゲちゃん、今回は鳥さんと遊ぶよ あー、鳥さんは唐揚げになれるけどまだ進化前だからね そのまま食べるのはばっちいよ そうだな 多分、葡萄畑に居るカラスをミカゲちゃんが上に逃げないように追い立ててね 畑の端で気配を殺して待機してるから『ステップ・スマッシュ』の要領で〈麻袋〉にカラスを入れるよ そう、追い立て漁みないな感じでね 一番のネックは上に逃げないかだけど…まぁ、ミカゲちゃんなら少し上がったくらいなら飛びかかって捕まえそうだよね |
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主に収穫の手伝い 人ではあった方がいいし ていうか、言い出しっぺだしね、うん。 「僕の実家もファームワイナリーしてる葡萄農家だし、他人事とは思えないんだよね」 鳥とか鹿とか猪とか、大変だったしね。 じいちゃん連れられて、2番目の兄さんと葡萄の採り方とか見分け方とか教わった、けどねぇ 僕の場合は8つまでしか実家に居なかったし、殆ど朧気だけど。 教団にほっとかれたのが2年、カグちゃんに会ってから10年以上たったし、どちらかと言ったらこっちに来てから身に着けたことの方が多いくらいだ さて、収穫終わったら料理の手伝いでもしようか 「うん、こっちの方が性に合ってる」 さ、皆に声掛けに行こう! 「ごはんできたよー!」 |
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ワインは葡萄から出来るのだったわね。忘れてしまっていたわ。 そもそもお酒はあまり飲まないのよねぇ。まあ今回は作る楽しみを覚える事にしましょう。 サクラ:美味しそうな葡萄ね。一つつまんでもばれないかしら? キョウ:ばれなくてもダメです。後で頂ける時間はあるのですから。 【行動】 2 ワイン作りを手伝う 『サクラ』 ワイン作りは初めてよ。まさか踏むとは思わなかったわ。 この靴を履くのね。おもしろーい。 裾を持たなくてもクルクル回りながら踏んだ方が楽しそう。あははっ 『キョウ』 初めてのワイン作り楽しあちょっと!裾持って裾! 楽しむのは良いですが後の事を考えて下さいね。 ……後の事を考えてって言ったじゃないですか!もう! |
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~ リザルトノベル ~ |
朝も早くからの葡萄収穫。 指令を受けた浄化師達は参加していた。 ○葡萄を収穫しよう 「こんな時間からいったいどんな任務かと思えば……」 低血圧で朝に弱い『ルイス・ギルバート』は、眠気を噛み殺しながら愚痴る。 そんな彼に、『モナ・レストレンジ』は返した。 「早朝に収穫しないと鮮度が落ちやすいから。それに人手が足らないと大変なことになるし。だから手を貸して欲しいんだ」 「……なんだか詳しいんだね、レストレンジ」 実感を込めて語るモナに、気になる気持ちを隠し尋ねるルイス。 この問い掛けにモナは、どこか懐かしむような表情を見せながら応えた。 「よく叔母の手伝いでやった事があるし、久しぶりにやってみたいと思って」 モナにとって叔母は、浄化師の家系として重圧を受ける中で、拠り所となった1人だ。 (浄化師1家の中で、唯一浄化師の血が流れていなかった叔母とだけは仲が良くて) そこまで口にしそうになって、モナは抑える。 けれど気持ちは隠しきれない。 寂しそうな表情を見せるモナにルイスは、それ以上を聞き出すことが出来なくなる。 過去に踏み込むことはできなくて。 けれどパートナーとして、今を一緒に行動することはできる。 「仕事だし、しょうがないね」 素っ気ない口調で言いながら、モナを引っ張るようにして、率先して動き出すルイス。 「レストレンジは、葡萄の収穫の仕方は詳しいんだろ? だったら、ちゃんと教えてよね」 モナが必要だと、ルイス本人は自覚無く言いながら、一緒に収穫作業に誘う。 「うん。もちろん」 ルイスの言葉に、モナは表情を明るくして、2人で収穫を始めていった。 そうして2人一緒に収穫を始めようとするのは、他の浄化師達も同様だった。 「ラウル……本当に……私がラウルを守らなくていいんですか……?」 虚ろな瞳で見つめながら、『ララエル・エリーゼ』は『ラウル・イースト』に問い掛ける。 自らの存在理由に傾倒するあまり、精神が不安定になってしまっているララエル。 少し前までなら、ラウルは彼女に対し、どうするべきか迷っていただろう。 けれど少し前の指令で、誓いを口にすることの出来たラウルは、ララエルの心を包み込むように穏やかな声で応えた。 「うん、この前も言っただろう?」 ララエルの手を取り、ラウルは彼女との誓いを口にする。 「僕がララエルを守るって」 そう言うと、騎士が自らの姫にするように、手の甲に親愛の口づけを。 「ラウルが……私を……守ってくれる……」 夢を口にするように、甘やかな響きを滲ませ、ララエルはラウルの言葉を繰り返す。 「ラウルは……騎士様……」 大切な宝物のように、大事に言葉にするララエルの瞳には、ほんの僅かではあるが、目に光が戻ったような気がした。 その光を抱き寄せるように、ラウルは繋いだララエルの手を引いて、一緒に葡萄の収穫を始める。 「見てて。こうするんだよ」 そう言うと、ラウルは手本を見せるように手際よく葡萄を収穫してみせる。 「葡萄の収穫をしていると、故郷を思い出すな……」 失った日々を懐かしみ、思い出を口にする。 「よく父上に、領主たるもの領民の生活を知れって、収穫を手伝わされてたっけ」 「ラウルもいつか、りょーしゅさまになるの?」 小首を傾げながら、ララエルは問い掛ける。 童女のように純粋な眼差しを向けられ、ラウルは穏やかな笑みを浮かべ返す。 「……どうかな……教団に連れてこられちゃったからね」 そうしてララエルに応えながら、葡萄を収穫する手は止めない。 そんな彼を興味深げに、じーっと見詰めるララエル。 「ララもやってみたい?」 これにララエルは、こくりと頷く。 「ラウル……私も、しゅーかく、してみたい……」 そう言うと、ララエルは葡萄を採ろうと手を伸ばす。 「手が……届かない……」 背伸びをしても届かない葡萄に、ぴょんっと跳んだりするララエル。 可愛らしいララエルの仕草に、くすりとラウルは小さく笑みを浮かべる。 「じゃあ僕が抱っこするから」 「ひゃっ」 突然抱っこされ、ララエルはビックリする。 反射的にラウルに顔を向けると、優しい笑顔が。 「慌てなくて良いから。落ち着いて、採ってごらん」 ラウルに促され、ララエルは良く実ったひと房を手に取る。 「……そうそう、そこをつまんで……上手だよ。それは籠に入れてくれる?」 言われた通りに籠に入れ、初収穫を体験する。 「えへへ……楽しい」 「うん。楽しいね」 2人は仲良く笑顔を浮かべ、葡萄を収穫していった。 そんな2人の様子が、偶々目に留まったルイスは、モナに視線を向ける。 やや小柄な彼女は、背伸びをして葡萄を収穫していた。 「……レストレンジ、採り辛くない?」 苦労して葡萄を採るモナが気に掛かるも、素直に言えないルイスは遠まわしに尋ねる。 これにモナは、意気込むように返した。 「大丈夫だ。これぐらいの困難に負けていられない」 「……だからって、余計な苦労はしない方が良いに決まってるよね」 そう言うと、ルイスは周囲を見て言った。 「踏み台が、あっちの方にあるみたいだ。取りに行って来るから、レストレンジは待ってなよ」 気のないように言いながら、世話焼きをしようとする。 そんな彼を、モナは止める。 「待った。それなら、我も行こう」 「なんでさ。ここで待ってなよ」 「ルイひとりに、我の分まで取りに行かせられない。一緒に行こう」 「……好きにすれば」 素っ気なく言いながら、歩調を合わせ、モナと一緒に踏み台を取りに行くルイスだった。 こうしてそれぞれが収穫を行う中、手際よく葡萄を収穫しているのは『ヴォルフラム・マカミ』だ。 (以外に、覚えてるもんだね) 葡萄の良し悪しを見極めながら、慣れた手つきでヴォルフラムは葡萄を収穫していく。 その手際の良さに感心しながら、隣りで収穫していた『カグヤ・ミツルギ』が尋ねる。 「ヴォル。大粒、小粒、色々あるけど、どんなのを採ればいい?」 「ああ、それはね――」 収穫の手は止めず、ひとつずつ説明していくヴォルフラム。 積極的に働いている彼の様子に、カグヤは問い掛ける。 「なんだか、頑張って、る?」 これにヴォルフラムは、故郷を思い出しながら応えた。 「僕の実家もファームワイナリーしてる葡萄農家だし、他人事とは思えないんだよね」 「……そういえば、ヴォルの実家の、農場はここよりも、大きかった、気がする」 「その分、鳥とか鹿とか猪とか、大変だったよ」 苦笑するように言いながら、家族との思い出を口にする。 「じいちゃんに連れられて、2番目の兄さんと葡萄の採り方とか見分け方とか教わった、けどねぇ」 そこまで言って、カグヤを見詰めながら続ける。 「僕の場合は8つまでしか実家に居なかったし、殆ど朧気だけど」 「……寂しい?」 「そんなことないよ。だって今は、カグちゃんが傍に居てくれるからね」 ゆったりと尻尾をふりながら、ヴォルフラムは続ける。 「教団にほっとかれたのが2年、カグちゃんに会ってから10年以上たったし、どちらかと言ったらこっちに来てから身に着けたことの方が多いくらいだ」 「……それでも、葡萄を採るのは、上手」 「うん。僕自身、ちょっと驚いてるよ。忘れないもんだね」 「なら、ワインの作り方とかも、覚えてる?」 「朧気だけどね。それに僕の実家が作ってたのは、ワイン以外にもあったし」 「……バルサミコ酢? と言うのを作ってた、かな?」 (あちらは、地域と熟成年月のブランドがものを言うもの、だった気がする) うろ覚えの知識を思い出しながら、カグヤは続けて言った。 「熟成期間が12年以上からと、あの地域のブドウを使っていないとそれと認められないとかあった、ような」 「商品価値を保つためにも、ブランドは大事だからね。あ、そうそう――」 手近な葡萄の収穫を終わらせ、ヴォルフラムは楽しそうに言った。 「ここでもバルサミコ酢を作ってるそうなんだ。さっき聞いたら、料理に使っても良いって言ってくれたし。美味しい料理を作るから、期待して待っててね」 「ん、楽しみ」 ヴォルフラムの料理を期待しながら、葡萄の収穫を進めていくカグヤだった。 こうして収穫は終わり。 次は、ワイン作りの葡萄踏みへと進んでいった。 ○葡萄踏みをしよう 「葡萄踏み、してみたい」 葡萄の収穫が終わり、料理を作りに行くヴォルフラムにカグヤは言った。 「この時期じゃないと、できないし」 これにヴォルフラムは返す。 「良いと思うよ。あ、でも、葡萄踏みしてると、果汁が散るから気を付けて」 「ん、大丈夫。ブーツと靴下、脱いじゃえばいつもショートパンツだし、やれると思う」 そんなやり取りがあった後、収穫された葡萄が入った桶の前に。 用意された木靴に履き替え、踏んでいく。 (ん、単純作業だけど、楽しい、かも?) そうして黙々と葡萄踏みに熱中する。 こうして葡萄踏みに挑戦するのは、『サク・ニムラサ』と『キョウ・ニムラサ』も同様だった。 「ワインは葡萄から出来るのだったわね。忘れてしまっていたわ」 桶に葡萄が敷き詰められるのを見詰めながら、サクラは呟く。 そこに耳ざとく返すのはキョウ。 「普段口にしないものだと、気にしませんからね」 「そうね。そもそもお酒は、あまり飲まないのよねぇ。まあ今回は作る楽しみを覚える事にしましょう」 そう言うと、葡萄が敷き詰められた樽の前に向かう。 一粒とって、眺めてみる。 「小ぶりだけど、美味しそうな葡萄ね。一つつまんでもばれないかしら?」 「ばれなくてもダメです」 即座にたしなめるキョウ。 「後で頂ける時間はあるのですから」 その様子は、弟というよりは、どこか保護者のようで。 一方サクラは、肩を竦めるようにして返すと、つまんだ葡萄を桶に戻す。 そうこうしている間に、用意ができる。 幾つも用意された桶に、何人もの女性たちが向かう。 同じように、サクラとキョウが向かうと、そこで長靴のような形をした木靴を渡された。 「この靴を履くのね。おもしろーい」 物珍しそうに木靴を眺め、子供のように楽しそうな声をあげるサクラ。 (なんでしょう。なんだか嫌な予感が……) はしゃぐサクラに、この後の展開が読めたのか、ふつふつと危機感めいた物を感じるキョウ。 正解である。 「初めてのワイン作り楽し――あっ、ちょっと! 裾持って裾!」 早速、注意をひとつ。 「楽しむのは良いですが、後の事を考えて下さいね」 これにサクラは、名案を思いついたというように、笑顔で返す。 「大丈夫よ。こうすれば平気だもの」 そう言うと、くるりくるりと回りながら葡萄踏みを続けていく。 「裾を持たなくてもクルクル回りながら踏んだ方が楽しそう。あははっ」 くるりくるりと回るたび、ふわりとスカートは舞い上がり、裾が付くのを防いでいる。 (これなら、大丈夫……ですよね?) 自分に言い聞かせるように、心の中で呟くキョウ。 もちろん、大丈夫な訳がない。 くるりくるりと回り続けるサクラは、当然のように目を回す。 「あらら?」 「言わんことじゃない!」 目を回し、ふらつくサクラを受け止めて。 ついでに裾も付かないように軽くつまむ。 (まだワイン飲んでもないのに、酔っているんですかね。この人) 心の中で、ため息ひとつ。 「……後の事を考えてって言ったじゃないですか! もう!」 お小言を言うキョウに、サクラは艶やかな笑顔を浮かべ返す。 「ありがとう」 「どういたしまして」 笑顔で返すサクラに、いつもの事と言うように、自然に返すキョウだった。 こうして葡萄踏みは進んでいく。 その頃、葡萄畑を荒らす烏対策に動く者達も居た。 ○烏を捕まえ使い魔にしよう 「ミカゲちゃん、今回は烏さんと遊ぶよ」 「から揚げにするのかにゃ?」 やる気をみせる『ミカゲ・ユウヤ』に、『ラシャ・アイオライト』は返す。 「あー、烏さんは唐揚げになれるけどまだ進化前だからね。そのまま食べるのはばっちいよ」 「残念にゃー」 そう言いながらも、ミカゲの表情は楽しげだ。 烏との追い駆けっこに心を弾ませている。 (ミカゲちゃん、最近雨降りであんまり遊ばせて無かったから。今回の指令は丁度良かったな) そんなことを思いながら葡萄畑に。 見れば烏達が何羽も。 「あの烏さん達を捕まえられる?」 「にゃははははは! にゃーを誰だと思ってるにゃ!」 ミカゲは元気一杯に応える。 「教団最強黒にゃんこ! ミカゲだにゃ! 泥舟に乗ったつもりで任せるにゃ!」 (泥船は、沈んじゃうんじゃないかな……?) ちょっと不安になったラシャは聞き返す。 「どうすれば良いか、分かる?」 「えっと、畑に居る烏ちゃん捕まえて――」 ミカゲは一生懸命に考え応える。 「ボス烏……ナワバリ……烏ちゃんのナワバリを奪えばいいのかにゃ?」 「うん、そうだね」 「任せるにゃ! ご主人のとこまで追い立てるにゃ!」 「そう、追い立て漁みたいな感じでね」 やり方を決めれば、いざ追い駆けっこ。 「にゃははははは! 捕まえるにゃ!」 ミカゲは俊敏に駆け寄って、驚いた烏が飛ぼうとした所に、ラシャが呪符を投擲。 烏の上空で魔力を放出。 それに烏が動きを止めた所で、ミカゲは獣人変身。 黒猫姿で大ジャンプ。 1羽を捕まえた所で獣人変身を解除。 そこに一際立派な烏が急降下。 捕まった仲間を助けようとするかのようにミカゲを目指し―― 「ダメだよ」 気配を消して隠れていたラシャに、麻袋で捕獲された。 「捕まえたにゃー!」 そこに魔女のセパルがやって来る。 「お疲れ様」 聞けば、烏達の契約主になる葡萄畑の主であるバルが、少し遅れて来るので待ってて欲しいとのこと。 待ってる間に、さらに烏を捕獲。 捕まえて、ミカゲは烏に問い掛ける。 「烏ちゃん烏ちゃん! にゃーの御飯になるのと御飯貰うのどっちがいいかにゃ? かにゃ?」 それを聞いていたセパルが言った。 「一時的に契約して聞いてみる?」 これにミカゲは頷いて、ファミリアの一時契約を。 「御飯貰うのがいいって思ってるにゃ!」 一時的に使い魔になった烏の気持ちが、ミカゲに何となく伝わってくる。 「ファミリアが巧くいってるみたいだね。今なら、言うことを聞かせられるよ。試しに、飛ばしてみてごらん」 「やってみるにゃ!」 (飛ぶにゃー!) 心の中で思うだけで、烏は命令通りに空を飛ぶ。 「巧い巧い。そのまま、目を瞑ってみて」 セパルに言われるままに、ミカゲが目を瞑ると、空を飛ぶ烏の視界が見える。 「うにゃ! 空、空飛んでるにゃ!」 一時契約が切れるまで、空を飛ぶ視界を楽しむミカゲだった。 そうして諸々の仕事も終わり。 頑張って働いた浄化師達に、ご飯のお誘いが。 外に置かれた大きなテーブルに、皆は集まった。 ○ご飯を食べよう 「うん、こっちの方が性に合ってる」 ご飯を作り終えたヴォルフラムは、充実感を感じながら皆を呼びに行く。 「ごはんできたよー!」 これに皆が集まってくる。 当然、その中にはカグヤも。 「ヴォル、おなかすいた」 木靴を脱いで、桶から出たカグヤは、まっすぐヴォルフラムの元に。 「美味しい料理作ったから、一杯食べてね」 そう言うとヴォルフラムは、椅子を引いてカグヤを招く。 テーブルの上には、沢山の料理が。 「ん、この鴨肉のロースト、美味しい」 バルサミコ酢を掛けられた鴨肉のローストは、甘味と、ほど良い酸味が美味しさを引き立てる。 「他にも一杯あるからね」 見れば、豚肉のソテーバルサミコ酢和えや、バルサミコ酢の掛けられたサラダ。 他にも色々と。ヨーグルトに皮をむいた葡萄を入れたデザートも。 「ヴォルも、一緒に、食べよう」 「うん」 カグヤの隣の席に座り、仲良く食べる2人だった。 そうして仲良く食べているのは、他の浄化師達も。 「あ、僕はまだワインは飲めないので、ジュースのほうで」 ララエルをエスコートして席に座ったラウルは、ワインを勧められジュースを頼む。 すると、同じようにララエルも葡萄ジュースを。 「私もじゅーすがいい……」 2人のリクエストに、果汁100%な葡萄ジュースの入ったグラスが配られる。 ララエルは、ひと口のみ干す。 甘みの強い葡萄ジュースの味わいは、絶品だった。 「……おいしい」 ほにゃ、と美味しさに笑顔を浮かべるララエル。 その隣りでラウルは、味付け用にテーブルに置かれた砂糖をどばどば入れる。 「ああ美味しい」 爽やかな笑顔で、ぐいっと飲み干す。 「労働の後は、こうでないとね」 それを見ていたララエルは、ラウルをじっと見つめながら言った。 「……ラウル……そんなに砂糖入れたら……」 盲目的に従うのではなく、時には嗜めるように。 「とーにょーびょーになります……」 ラウルのことを心配して口にする。 それはラウルがララエルを安心させ、余裕が出て来たからだろう。 自分のことを思ってくれるララエルにラウルは苦笑しながら。 「うん。気を付けるよ」 穏やかに返すと、鴨肉のローストを皿に取り、ララエルの前に。 「一緒に食べよう。ララ」 「はい!」 嬉しそうに返すララエル。 2人一緒の食事を楽しんだ。 そうして相手のことを気にしながら食事を楽しむ者は他にも。 「まさかワイン飲む気? お酒を飲むと、お互いに厄介だから酒は禁止だって言ったよね」 ワインを勧められ、断ろうとしないモナを、ルイスは止める。 これにモナは、少しだけ残念そうに。 けれど頑張ってくれたルイスの言葉ということもあり、ワインを断った。 「ルイには朝早くから収穫に付き合わせてしまったし、今日は我慢する」 ワインを断った理由は他にも。 (それに屋形船の1件以来、お互い禁酒を誓ったし) その時のことを思い出すと、恥ずかしさが込み上げる。 赤面しそうになる自分を隠すように、モナは配られた葡萄ジュースをくいっと飲む。 濃厚な甘みと、ほど良い酸味。 絶品の味わいに、自然と顔がほころぶ。 「ワインを飲めなかったのは残念だったけど、葡萄ジュースも美味しい」 「そう? なら、いいんじゃない」 モナの様子に、ほっと胸をなでおろしながら、ルイスも葡萄ジュースの入ったグラスを手に取り飲み干す。 「……うん。美味しい」 モナと同じように、美味しさに顔をほころばせるルイス。 その表情を見て、モナは何だか嬉しい気持ちになる。 「ルイ。ジュースだけじゃなく、他の料理も美味しい筈だ。一緒に食べよう」 そうして仲良く食事タイム。 「この鴨肉、美味しい。ルイも食べてみて」 「うん」 「こっちの豚肉のソテーも美味しいよ」 「……こっちのサラダも美味しいから。レストレンジも食べなよ」 お互い美味しい料理を勧め合い、楽しく食事をしていった。 そうしてパートナーと楽しく食事を摂る者も居れば、葡萄畑の主人たちとのんびり会話をしながら食事を楽しむ者も。 「素敵な味だわ」 「とても美味しいです」 濃厚な甘みとほど良い酸味の合わさった、極上の葡萄ジュースを美味しそうに飲むサクラとキョウに、依頼主であるバルが笑顔で応える。 「嬉しいですね。もしよろしければ、ジュースだけでなくワインもありますよ」 これにサクラは、艶やかな笑みを浮かべ返す。 「ありがとう。でも、今日はジュースにするわ。もちろん、ワインにも興味はあるの。お勧めのワインって、あるのかしら?」 「そうですね……好みはありますか?」 バルの問い掛けに、少し考えてサクラとキョウは返す。 「苦めの味わいがあるのが良いわ」 「自分は、甘めの物が良いですね」 これにバルは応えていく。 「苦めの物でしたら、熟成された赤ワインが良いですね。若いワインでは出せない芳醇な味わいが楽しめます。ただ、少しばかり値が張りますが」 「あら、やっぱり美味しい物は高いのね」 そう言うとサクラは、キョウを見詰めにっこり笑顔で。 「お願いね」 さらっとおねだり。 「……考えときます」 微妙にはぐらかすキョウ。 そんなキョウにも、バルはお勧めを。 「甘いワインでしたら、発酵を途中で留めるシェリーワインなど良いかもしれません。他にも、冬に木ごと実を凍らせて、糖度を高めた物もありますよ」 「色々とあるんですね」 「お願いね」 「……考えときます」 サクラにおねだりされて視線を逸らしながら、鴨肉を美味しくいただくキョウだった。 そうして美味しく料理をいただくのは、他の浄化師も一緒だ。 「美味しいにゃー」 にこにこ笑顔で、ミカゲは唐揚げをほおばる。 外はカラッと揚がり、中はジューシー。 噛めば肉の旨味が広がって、自然と顔がほころんでしまう。 「ミカゲちゃん、こっちも美味しいよ」 美味しそうに食べるミカゲを見ているだけで嬉しくなるラシャは、他にも料理を食べさせてあげる。 「鴨肉のローストだって。ソースが甘くて、美味しいよ」 フォークに薄く切り分けられた鴨肉を乗せ、ミカゲの口元に。 「食べるにゃー」 あーんと口を空け、食べさせて貰う。 甘みとほど良い酸味のソースに、鴨肉の味わいが合わさって、絶妙の美味しさを楽しませてくれる。 「美味しいにゃ美味しいにゃ。ご主人も食べるにゃー!」 ミカゲはお礼とばかりに、唐揚げをフォークで刺して、ラシャの口元に。 「ご主人も、あーんにゃ!」 ラシャは少し恥ずかしそうに、けれどミカゲの好意を無駄にしないよう、パクリと。 「美味しいかにゃ?」 「うん。美味しいよ」 「好かったにゃー!」 微笑ましい2人の様子に、依頼主のバルも笑顔になると、葡萄ジュースを勧めてくる。 「どうぞ。美味しいですよ」 「貰うにゃー!」 「ありがとうございます」 ミカゲとラシャは、ジュースの入ったグラスをくいっとあおる。 濃厚な甘みと、ほど良い酸味。美味しいジュースに2人は思わず。 「おかわりにゃー」 「おかわりください」 美味しさに笑顔になって、2人一緒におかわりを頼むのだった。 こうして葡萄畑の収穫指令は終わりをみせる。 葡萄の収穫を全て終わらせ、ワイン作りも巧くいき、烏は番犬ならぬ番鳥として大いに役に立っているという。 浄化師達のお蔭で、良いワインが出来そうな指令であった。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |
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[16] ヴォルフラム・マカミ 2019/09/06-02:36
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[15] キョウ・ニムラサ 2019/09/05-23:18
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[14] モナ・レストレンジ 2019/09/04-21:08
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[13] ラウル・イースト 2019/09/04-17:02
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[12] ミカゲ・ユウヤ 2019/09/04-14:11 | ||
[11] ラウル・イースト 2019/09/04-12:35
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[10] ヴォルフラム・マカミ 2019/09/04-03:59 | ||
[9] ラウル・イースト 2019/09/03-23:07
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[8] モナ・レストレンジ 2019/09/03-22:53 | ||
[7] サク・ニムラサ 2019/09/03-22:09
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[6] ヴォルフラム・マカミ 2019/09/03-21:10
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[5] ラウル・イースト 2019/09/03-20:35 | ||
[4] モナ・レストレンジ 2019/09/03-19:54 | ||
[3] ラウル・イースト 2019/09/02-21:25
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[2] ラウル・イースト 2019/09/02-05:20 |