~ プロローグ ~ |
「逃げて」 |
~ 解説 ~ |
○目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくはこんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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四班に分かれて魔結晶の破壊へ ウボーとセレナに俺達の班に入ってもらう 担当の魔結晶に近づいたら魔術真名詠唱し突撃 ソードバニッシュで先制して 村の方に伝わる前に速攻を目指す ウボー達にも攻撃に参加してもらう 倒した団員は息があるならロープで拘束しておく 魔結晶破壊後、村の方へ 決めておいた合流場所へ向かい、一緒に突入 少女の魔術師を抑えるのを担当 ソードバニッシュで攻撃して魔術の発動を阻止するように動く やっぱりマリー…あの女だ 心情的には、俺は討伐したいけど 浄化師としては夜明け団の情報も聞き出したい リントに倣って捕縛を目標にする …って目的を履き違えるなよ? 俺はあくまで情報のためにあいつを捕まえるんだからな! |
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村の人の命を生贄にする魔法陣だなんて… こんなこと絶対に止めないと 誰も犠牲になることのないように 全力を尽くすわ セパルさんに暗視の魔法をかけてもらい 魔法陣破壊へ 一緒に行動する人へ禹歩七星 シリウスが飛び出すタイミングで 鬼門封印 連携しながら九字で敵を攻撃 リューイさんたちの方へ行かないよう 村人救出 広場突撃前に魔術真名詠唱 効果が消えていれば もう一度前衛さん中心に禹歩七星 混乱に乗じて村人さんと夜明け団を分断するよう割り込み 誰も犠牲になんてさせない 村人たちを守れる位置から 鬼門封印と天恩天嗣3での回復を シアちゃんやセパルさんと協力して 村の子たちを逃がしてくれたマリーさん 何か事情がある気がする 話をきいてみたい |
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(エリクサー生成の魔方陣… こうな魔術を用いて魔力を得たとして、何を成すつもりでしょうか …いいえ、今は村の人々の命が優先 行きましょう 各自別れ魔結晶の破壊 気配を消し悟られないよう魔結晶の警護二人を襲撃、捕縛 一人をヨナのナイトメアの闇で包み込み同時にもう一人をベルトルドの削斬で 魔結晶破壊後村の中心部へ急ぐ 中心部手前で仲間と合流した後 突入時派手にソーンゲージを発動 自分達に注意を引き高威力のスキルと共に状況の不利を(特に手下に対し)伝え その隙に仲間に村人の近くへ向かって貰う この村の魔方陣は発動しない お前達の目論見は失敗だ (大量の魂さえ手に入ればいいなら この場に拘って戦う理由はあちらには無い筈 |
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村の人達の命でエリクサーを作るなんて… そんなの酷い… もしかしたら、他の町の人達が消えたのも、このせい、ですか? だとしたら悲しすぎます…… これ以上、悲劇は起きて欲しくないです… それぞれが担当魔結晶に向かう前に リチェちゃんと手分けして全員に禹歩七星を セパルさん、私達と一緒に、来て貰えますか? 魔術真名詠唱 前に出るクリスの後ろから九字の印で攻撃と鬼門封印で補助を こちらに意識を向けさせて 魔結晶破壊後は中心部へ セパルさんも一緒に攻撃支援して下さいますか? 後方から天恩天賜2での回復を中心に補助と攻撃 人形遣いが逃げようとしたら、鬼門封印をかけてみましょうか 戦闘が終わったら、村の人達へ回復術を掛けてみましょう… |
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村人の保護のため 魔法陣の無効化 魔法陣を守っている夜明け団メンバーは 戦闘不能にし縄で捕縛 連絡や応援されないよう >魔法陣 戦踏乱舞を仲間にかけた後 夜明け団をすりぬけ魔法陣へ 魔法陣破壊を第一に 自分への攻撃は基本回避 破壊後 敵が残っていればそちら対応 戦闘不能にした敵は縄で拘束 >村人救出 魔術真名詠唱 リューイは前衛 他の仲間と連携し引きつけを 初手で前衛の仲間に戦踏乱舞 回復役や村人へ意識がいかないよう ヒット&アウェイ メインアタッカーが動きやすいよう支援 敵連携を崩すよう セラは中衛位置で前衛のサポートや回復役の盾 怪我をした仲間や村人への攻撃は ペンタクルシールドで盾 その他はカードで牽制 戦況の変化に注意 村人の安全を第一に |
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~ リザルトノベル ~ |
○魔結晶を破壊せよ! エリクサー生成魔方陣の破壊と村人の保護。 指令を受けた浄化師達は目的地に向かい、セパルから暗視の魔法を掛けて貰った後、4班に分かれ行動する。 (あれが魔方陣の要の魔結晶か) 速度を落とさず走り続けながら『ベルロック・シックザール』は確認する。 距離はまだ離れているが、魔結晶の傍には魔術師らしき2人が。 それを同じく確認した『リントヴルム・ガラクシア』が声を掛けた。 「ベルくん、そろそろ仕掛けようか」 ベルロックは頷くと、同行するウボーとセレナに指示を出す。 「まずは魔結晶の護衛に就いている2人から速攻で倒したい。1人は俺が仕掛けるから――」 「分かった。もう1人は、こちらで仕留める」 ウボーは応えると、ベルロックとリントヴルムに続いて動ける配置に。 それぞれ配置に就き距離を詰める。 敵に気付かれるギリギリの距離で戦闘開始。 「コード・ステラ」 魔術真名詠唱。 魔術回路が完全開放され、戦力が膨れ上がる。 それに合わせ、セレナが戦踏乱舞。 強化された戦力を叩きつけるべく、一気に踏み込んだ。 先陣はベルロック。 攻撃の間合いに踏み込むギリギリで敵は気付き迎撃態勢を取るも、遅い。 敵の魔力弾を避けながら踏み込み斬り裂く。 ソードバニッシュの鋭い一撃は、痛烈な傷を与えた。 だが敵は倒れない。 仲間と連携しようと動こうとするが、その時には、ウボー達がそちらに対処している。 「おのれ!」 敵は憎々しげに声をあげ、襲撃されたことを仲間に伝えるべく魔術を使おうとする。 しかし無駄。 息つく暇のないベルロックの追撃に、防御に専念するしかない。 その間、リントヴルムがワンダリングワンドを発動。 魔力を込めたタロットカードを魔結晶に向け投擲。 何度か繰り返し破壊。 その頃には、敵の1人は倒され、残りの1人を皆で沈めた。 「縄は持って来てるから、これで縛って拘束しておこう」 ベルロックの持って来ていた縄で戦闘不能にした敵を拘束。 逃げられないか確認し、合流地点を目指す。 道中、ベルロックには1つの疑念が。 (あの女が……マリーが、ここに居るんだろうか?) それを確かめるべく、足を速めた。 破壊された魔結晶は、これでひとつ。 ほぼ同時に、他の場所でも魔結晶は破壊されていた。 (村の人の命を生贄にする魔法陣だなんて……こんなこと絶対に止めないと) 足を止めることなく走り続けながら『リチェルカーレ・リモージュ』は決意する。 そんな彼女に僅かに視線を向ける『シリウス・セイアッド』には、1つの疑念が浮かぶ。 (村単位の人間を贄にする……この国で人が消える事件と繋がっているのなら、奴らはすでにエリクサーを持っている?) そんな考えが頭をよぎるが、村人救出と魔方陣破壊を第一に意識を切り替える。 彼らの少し後を連いて走っているのは、『リューイ・ウィンダリア』と『セシリア・ブルー』の2人。 効率よく対処するため、連携するべく動いていた。 2人とも速度を落とさず走り続ける中、セシリアが呟く。 「人を、魂を生贄にする魔方陣。……以前も、どこかで見かけたわね」 かつての指令で見た魔方陣を思い出すセシリアに、リューイが返す。 「あの時の魔方陣も、エリクサーを作るためのものだったの?」 「さあ、わからない。でもあの時と同じ。碌なものではなさそう」 「じゃあ、今回も止めないと、ね」 リューイの言葉に、セシリアは賛同する。 ふたりは小さく頷いて、悲劇を止めるべく走り続けた。 そして敵と魔方陣を視認できる距離に。 「魔結晶の護衛は、こちらで対処する。魔結晶の破壊を頼めるか?」 シリウスの問い掛けに、リューイとセシリアは返す。 「はい。任せて下さい」 「ええ。分かったわ」 言葉を交わし、4人は最適な配置に動く。 そのまま移動し、あと一息で敵に気付かれるギリギリの距離で、一斉に動き出した。 「戦踏乱舞を掛けます」 リューイは軽妙なステップを踏み、皆の戦闘意欲を向上させる。 さらに追加で、リチェルカーレが動く。 「禹歩七星を掛けますね」 皆の魔力の流れを読み、魔術で干渉することで身体能力を向上させる。 この時点で、戦線に踏み込む一歩手前に。 そこから一気に攻撃を叩き込むべく、シリウスは敵の間合いに跳び込んだ。 敵は気付くも、迎撃する余裕がない。 回避に動こうとするが、その動きは阻害される。 リチェルカーレの鬼門封印が敵の動きを鈍らせ、その隙を逃さず、鋭い踏み込みと共にシリウスは一閃。 ソードバニッシュの一撃は、逆袈裟に敵を斬り裂き、動きが鈍った所を逃さず追撃し倒した。 残りの1人は、リチェルカーレが抑えている。 その間に、リューイとセシリアは魔結晶に向かう。 先制して攻撃を叩き込んだのはセシリア。 離れた距離から魔力を込めたタロットカードを投擲し、魔結晶に罅を入れる。 そこにリューイが踏み込み、素早い斬撃を連続して叩き込む。 一撃ごとに細かな罅が刻まれ、セシリアとの連撃も重ね破壊する。 その頃には、敵の残り1人は倒される寸前。 シリウスが、残りの1人を抑えていたリチェルカーレの援護に向かい、連続攻撃。 敵が堪らず逃げようとした所で、リューイが退路を防ぐ。 逃げ道を塞がれ動きが止まった敵に、皆の連撃が叩き込まれ、戦闘不能に追い込んだ。 「縄を持って来てますから、これで動けないよう拘束しましょう」 リューイが持って来ていた縄を使い拘束。逃げられないか確認すると、合流地点に向け走り出した。 魔結晶の破壊は2つ。 魔方陣を止めるためには、あと2つ破壊する必要がある。 もちろん浄化師達は、すでに動いている。 「村の人達の命でエリクサーを作るなんて……そんなの酷い……」 止まらず走り続けながら、非道に憤る『アリシア・ムーンライト』。 これに、並走して走る『クリストフ・フォンシラー』が応える。 「人が消えてる原因、これなのかもしれないね。その辺を聞き出すためにも、ちょっと何人か捕まえられるといいんだけど」 未然に悲劇を防ぐため、2人は走り続ける。 やがて、魔結晶と敵を視認できる距離に。 「アリシア、さっきも言ったけど、まずは攻撃に集中しよう」 「はい、分かりました。それと――」 アリシアは同行するセパルに頼みごとを。 「セパルさん、魔結晶の破壊を、お願いできますか?」 「もちろん。任せて」 引き受けるセパルに、クリストフが続けて声を掛ける。 「俺達が攻撃している間に、向かってくれるかな? 最初は物陰に隠れててくれるといいかもしれないね」 「分かったよ。2人に合わせるから、悪いけど、先陣はよろしくね」 手早く手順を話し合い、戦線に踏み込む直前、アリシアは禹歩七星を全員に掛け身体能力を強化。 さらに能力を開放するべく、魔術真名を詠唱する。 「月と太陽の合わさる時に」 魔術回路解放。膨れ上がった戦力を叩きつけるべく、クリストフは一気に跳び込む。 「キサ――!」 敵はギリギリで気付くも、迎撃が間に合わない。 クリストフは奥の敵に一直線に駆け寄り、突進の勢いを殺さず斬撃を放つ。 魔術を放とうとした敵の手首を斬り裂き、そのまま流れるような動きで後方に移動。 間髪入れず追撃を放つ。 表裏斬により背中を斬り裂かれた敵は、倒れるギリギリで踏みとどまり迎撃開始。 だがクリストフの猛攻に、まともに反撃が出来ない。 残り1人が援護に動こうとした所に、アリシアが攻撃。 距離を取りながら九字を切り魔力弾を放ち動きを抑える。 しかし敵は、ダメージを覚悟して距離を詰めて来る。 魔力で作り上げた剣で襲い掛かろうとした、その時。 魔結晶を破壊したセパルが援護に。 2刀を駆使し、敵の剣を弾く。 そのまま、アリシアを守るような位置で戦う。 壁役のセパルの後方から、アリシアは魔力弾を放ち続け、敵の体力を削る。 その間に、クリストフは受け持った敵を倒し、アリシア達に合流。 瞬く間に戦闘不能にした。 「これで良し。合流地点に向かおう」 縄を持って来ていたクリストフは、アリシア達と協力して敵を拘束。 逃げ出せないのを確認してから、合流地点に向かった。 これで破壊された魔結晶は3つ。 魔方陣を機能停止させるために破壊する必要があるのは、あとひとつ。 それも、ほぼ同時に破壊されていた。 (エリクサー生成の魔方陣……このような魔術を用いて魔力を得たとして、何を成すつもりでしょうか) 不穏な情勢に『ヨナ・ミューエ』は考えずにはおられない。 だが、そのまま思考の迷宮に陥りそうになる自分を、戒めるように止める。 (……いいえ、今は村の人々の命が優先) 意識を切り替え、決意する。 ヨナの内心の変化を、表情から読み取った『ベルトルド・レーヴェ』は、いま成すべき事を口にした。 「ヨナ、魔結晶と敵を確認した。行けるな」 ベルトルドの呼び掛けに、ヨナも前方に集中。 魔結晶と敵を確認し、戦闘体勢を整える。 「行けます」 返す言葉は短く。 だが今の2人には、それだけで十分。 魔術真名を詠唱し、戦線へと踏み込んだ。 「不退転」 魔力回路解放。 膨れ上がった戦力を叩き込むべく、ヨナが先陣を切る。 陰気の魔力属性を司る魔方陣を展開。 魔方陣からあふれ出てくるのは、とけたチーズのような闇。 この時点で敵は気付くことが出来たが、遅い。 無明の闇が敵の1人を包み込み、陰気の魔力が侵食。 ダメージと共に、一時的に視力を奪った。 「くそっ、目が――!」 視力を奪われた敵に、ヨナは連続して魔力弾を叩き込む。 その猛攻に、残り1人の敵は、一端距離を取ろうとする。 しかし、ベルトルドの踏み込みの方が速い。 一息で間合いに跳び込むと、肉を削り取るような貫手を放つ。 それは肋骨を砕くようにして胸部に突き刺さり、敵の動きを止める。 そこから表裏斬に繋げ、肘で顎を撃ち抜いたあと、後方に回り脾臓撃ち。 敵は倒れ込み、苦痛で動けなくなる。 そこからヨナに加勢。連携して倒したあと、魔結晶を破壊。 ベルトルドが持って来ていた縄で拘束し逃げられないのを確認してから、合流地点に。 浄化師達は、それぞれ担当の魔結晶を破壊し、時間差なく合流。 そのまま村人達が囚われている中央に向け走り抜けた。 ○村人達を救い出せ! 村の中央に辿り着いた時、敵は隊列を組んでいた。 それは魔結晶が破壊されたことを察知したからだ。 村の中央は魔術により明かりが灯り、敵の視界も保たれている。 その状況で、浄化師達は戦線に跳び込んだ。 「黄昏と黎明、明日を紡ぐ光をここに」 魔術真名を詠唱し、シリウスとリチェルカーレは敵陣の只中に踏み込む。 そこから少し遅れて、リューイとセシリアが追走。 「開け、九つの天を穿つ門」 魔術真名を詠唱し、魔術回路を開放。 膨れ上がった戦力を活かすべく進む。 そこで敵が気付く。 「敵襲ーっ!」 サブリーダーが声を上げ、迎撃態勢を取る。 そこに魔力で編まれた茨が襲い掛かった。 ヨナによるソーンケージによる攻撃。 体の至る所を裂かれ、動きが鈍った隙を逃さず、シリウスとリューイが敵前衛に刃を振るう。 シリウスは踏み込むと同時に表裏斬。 リューイの戦踏乱舞で強化された連撃は、瞬く間に1人を沈めた。 これに敵は、シリウスを強敵と見て囲もうとする。 そこにリューイが動く。 決して止まることなく動き回り、シリウスに向かおうとした敵を次々斬り裂く。 「小僧!」 怒気を上げる敵の殺意を受け流し、軽快なステップを踏みながら攻撃を重ねる。 「遅いです。それじゃ、当たりません」 あえて挑発も使い、敵の注意を引く。 それはシリウスに向かう敵を減らし、なによりも、村人の護衛に向かうセシリア達に敵が向かわないようにするため。 攪乱や引きつけをメインに、リューイは自分にできる精一杯をこなしていた。 それだけに、敵の集中攻撃を受けそうになることも。 危機的な状況に、援護してくれるのはセシリア。 「右から来るわ、気を付けて!」 魔力の込められたタロットカードを投擲し敵を牽制しながら、リューイに声を掛けていく。 一歩引いた距離で全体を冷静に見ていたセシリアは、自分が出来る最善をこなしていく。 そんな彼女に、戦いながらリューイは礼を返す。 「ありがとう、セラ」 何度か戦闘指令をこなす中で戦いに慣れてきたリューイは、戦いながらも余裕を失わず動けるようになってきていた。 一連の流れを、戦いながら肌で感じ取ったシリウスは、さらに敵に踏み込む。 リューイの助けを最大限に活かすように、鋭い斬撃を叩き込んでいった。 シリウスの攻撃で、敵は次々大きく傷を受けていく。 だが、敵中衛の魔術師たちが回復。 それに気付いたクリストフは、止めるべく動こうとする。 「アリシア、俺は前に出る。ここは任せたよ」 村人達の護衛組を守るように動いていたクリストフは、十分に位置取りが出来たことを確認し前に出ることを告げる。 それにアリシアは応える。 「はい、分かりました。それなら、禹歩七星を掛けます」 アリシアのお蔭で速度が強化され、さらにセパルが魔法の加護を。 「幻惑魔法を掛けておいたよ。敵の攻撃が当たりにくくなるけど、気を付けて」 2人の援護にクリストフは礼を返す。 「ありがとう、2人とも。それじゃ、ここは任せたよ」 そう言うと、前衛を引き受けてくれているシリウスとリューイに感謝しながら、敵の中衛に飛び込む。 跳び込むと同時に、表裏斬。 回復に専念していた敵は、まともに食らい沈む。 それに敵は反応。 迎撃するべく攻撃魔術を放つが、それを避けながらクリストフは攻撃を重ねていく。 ここまでの流れで、敵の一団と、村人達を引き離すことに成功する。 それに気付いた敵が村人に近付こうとするが、シリウスとリューイ、そしてクリストフが防ぐ。 一進一退の攻防が続く中、村人達を護るように動いているリチェルカーレ達も前に出る。 「シアちゃん、みんなの援護をしましょう」 リチェルカーレは村人達の安全を守れる距離を見極めながら、前に出ようとする。 これにアリシアは頷く。 「はい、援護しましょう、リチェちゃん。セパルさんも、一緒に攻撃支援、して下さいますか?」 「もちろん! なら、まずは――」 セパルは、リチェルカーレとアリシアに守りの加護を付与する。 「キミ達も、怪我しちゃ、いけないからね。あと、あの子にも、掛けてあげよう」 そう言うとセパルは、リチェルカーレとアリシアと共にセシリアの元に。 「加護の魔法を掛けるね」 それを受けたセシリアは、リチェルカーレとアリシアに頼む。 「リューイの回復をお願いできますか?」 敵を引き付ける動きをしているリューイは、どうしても攻撃を受けやすい。 「ええ、分かったわ。なら、一端こちらで、注意を引きましょう。シアちゃん」 「はい」 リチェルカーレが鬼門封印で敵の動きを鈍らせた所で、アリシアが攻撃。 これにより敵の攻撃の隙間が出来た所で、セシリアがリューイに傍に来てくれるよう呼び掛ける。 リューイが傍に来てくれると、即座にリチェルカーレとアリシアが天恩天賜で回復。 傷を癒されたリューイは戦線復帰。 同様の手順で、怪我をしたシリウスやクリストフを適時回復し、戦局を優位にしていった。 戦いは浄化師達の有利に。 この最中に、敵のリーダー格とみられる2人に、残りの浄化師達が向かう。 少女の姿をした相手に向かったのはベルロックとリントヴルム。 間に立ち塞がる敵を、ウボーとセレナが引き受けている間に距離を詰め、少女の姿を間近で捉える。 (やっぱりマリー……あの女だ) 見間違えようのない因縁の相手。 鋭く睨みつけるベルロックに少女、マリーは呆けたような表情を見せ、ふっと懐かしそうに微笑んだ。 「大きくなったね」 その声は、優しげですらあった。 どこか親愛の情すら感じさせるマリーの表情に、幾つもの感情が入り混じった想いが、ベルロックの胸に沸き立つ。 その想いに促されるように声をあげようとしたが、それよりも先にリントヴルムが声をあげる。 「久しぶり! やっと会えたね、愛しいマリー」 これにマリーは、優しげな表情を変え、妖艶とさえ言える艶やかな笑みを浮かべ、マリエルが言った。 「ええ、久しぶりね。大人になって、素敵になったわね。子供の頃もそうだったけれど、大人になった貴方の翼は、とても綺麗よ」 「嬉しいね! 見たいなら、もっと見せてあげる。だから夜明け団なんかやめて僕と行こう。嫌だと言っても連れていくよ。ベル君だって、同じ気持ちさ」 これにベルロックが声をあげる。 「……って目的を履き違えるなよ? 俺はあくまで情報のためにあいつを捕まえるんだからな!」 「え? はいはい、分かってるよベル君」 即座に応えるリントヴルム。 「一番の目的はエリクサーの阻止と村人の救出だもんね」 そう言いながら、僅かに訝しむ。 (……あれ? どうして分かってるなんて答えたんだろう、僕は。今までみたいに、マリーを最優先にすればよかったのに……) 自分の気持ちの変化が気になるリントヴルムと、彼と共にあるベルロック。 2人を見て、マリエルは楽しそうに、くすくす笑う。 そして言った。 「仲が良いのね」 「羨ましいかい? ならマリーも来なよ。ベル君と一緒に、仲良くしよう」 「リント! 今はそんなことを言ってる場合じゃ――」 「無理よ」 どこか遠い笑みを浮かべながら、マリエルは言った。 「私達は行けないわ。ごめんなさいね」 「ダメだよ、マリー」 逃げ出そうとするマリエルを止めるように、リントヴルムはタロットカードに魔力を込める。 同じく戦闘態勢を取るベルロック。 「逃げられると思うな」 捕えるべく動こうとした瞬間、マリエルの手の甲に埋め込まれた十字架が妖しく輝く。 そして無数の口寄せ魔方陣が発生。 そこから次々にナイフが射出される。 避けるリントヴルムとベルロック。 しかし次の瞬間には動きが固定された。 「シャドウバインド」 マリエルは説明する。 「影を刺し貫くことで動きを止める術よ。傷つけるつもりはないけど、捕まる気もないの」 この状況に必死に動こうとするベルロックとリントヴルム。 ゆっくりとだが、体力と引き換えに呪縛から逃れようとしていた。 そうして皆が戦う中、ヨナ達は、敵のもう1人のリーダー格と対峙していた。 (……何かおかしい) 最初から離れた位置で1人、見物するように動かない生気のない男を前にして、ヨナは訝しむ。 それは、ウィッチ・コンタクトを併用して魔力探知で男を調べたからだ。 (頭部に、異常に魔力が集中している。いえ、違う。これは、魔術? 『視た』範囲だと、口寄せ魔方陣に似ているけれど……まさか、頭の中で口寄せ魔方陣を発動させている筈がないし……) 得体の知れなさに、同行するベルトルドに注意を促す。 「ベルトルドさん、気を付けて下さい」 これにベルトルドは小さく頷き、次いで男に向かって言った。 「この村の魔方陣は発動しない。お前達の目論見は失敗だ」 それは村人達の安全を第一に考えての言葉。 (大量の魂さえ手に入ればいいなら、この場に拘って戦う理由はあちらには無い筈) これに男は、粘つく笑みを浮かべ応えた。 「可愛いですねぇ。こんな国の、たかだか100人足らずの命に、そこまで必死になって」 「なにを――」 祖国を『こんな国』呼ばわりされ、思わず声を荒げるヨナ。 そんなヨナの様子に、楽しげに男は反応する。 「おやおや、愛らしい。『こんな国』呼ばわりしただけで、そこまで荒ぶりますか。この国の出身ですか?」 「だったらどうだというんです」 嘲笑うように男は続ける。 「かわいそうに。衰退し滅ぶだけの瓦礫のような国に拘って。自分の役に立たなければ、捨てれば良いじゃないですか」 「ふざけたことを」 ヨナの憤りの言葉に、男は楽しそうに返した。 「本気ですよ。ああ、ひょっとして、この国に心残りが? 家族か何かが居るなら、まとめてエリクサーにしてあげましょう」 その言葉を最後まで聞くことなく、ヨナは攻撃魔術を放つ。 だが、男は予測していたのか、ヨナの攻撃に合わせ移動。 全てを躱し、一気にヨナの懐に踏み込もうとし―― 「させるか!」 ベルトルドが横から、表裏斬を叩き込む。 吹っ飛ばされる男。 地面を転げ、しかしすぐに立ち上がると、ベルトルドに向け粘つく視線を向けた。 「拳術使いですか、欲しいですねぇ」 男はそう言うと、ベルトルドに匹敵する動きで接近戦を仕掛けてくる。 (こいつ、魔術師じゃないのか!?) 鋭い踏み込みと共に放たれる拳を受け流しながら、ベルトルドは迎撃する。 それは一進一退。 ベルトルド独りなら、恐らく勝負は長引いただろう。 だが、ここにはヨナが居る。 「ベルトルドさん!」 言葉ひとつでヨナの意図を読み取り、踏み込みの途中で横に跳ぶ。 そこにアビスブリザードが。 2人の連携に、男は避け切れない。 氷の礫が男の右腕に突き刺さり、そのまま切り落とした。 「おや、取れましたか」 男は右腕を左手で掴むと、村人達と、彼らを守るようにして戦っている浄化師達に視線を向ける。 「もう要りませんから、あげますよ」 そう言って投げようとする。 (まずい!) 激烈に嫌な予感がしたベルトルドが、投げようとする途中で拳撃を叩き込む。 それにより投げられた右腕は方向が変わり、魔術で固定されているベルロック達の元に。 慌てて前に立ち、ベルロック達を魔術で守るマリエル。 そして、右腕は爆発した。 「……マリー」 爆発から守られたベルロックは、マリエルの姿に声をあげる。 これにマリエルは爆発で千切れた腕を急速再生させながら、諦めを滲ませる笑みを浮かべ言った。 「……ごめんなさいね。気味の悪い物を見せちゃって」 そして、右腕を投げてきた男に言った。 「ここまでよ、人形遣い。これ以上は、ここで拘る必要はないわ。撤退しましょう」 「構いませんよ」 人形遣いと呼ばれた男は笑みを浮かべ、撤退を始める。 同様に逃げようとするマリエル。 村人達の安全を守るため、浄化師達は追うことが出来ない。 だが、声を掛ける。 「待って下さい」 リチェルカーレは、逃げようとするマリエルに問い掛ける。 「なんで、こんなことをするんですか? 子供達を逃がしてくれたのは、貴女なんですよね? なにか、理由が――」 「死にたくないだけよ」 思いつめた声で、マリエルは応えた。 「それだけ。だから――」 その先の言葉を飲み込んで、マリエルは逃げ出した。 かくして指令は終わりをみせる。 村人達の安全を第一に考え、十二分に連携も考え動いたお蔭で、犠牲者を1人も出すことは無かった。 見事な活躍をみせた浄化師達だった。
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*** 活躍者 *** |
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[19] リチェルカーレ・リモージュ 2019/09/20-22:48 | ||
[18] ヨナ・ミューエ 2019/09/20-22:16 | ||
[17] リューイ・ウィンダリア 2019/09/20-22:10
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[16] クリストフ・フォンシラー 2019/09/20-22:10
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[15] リントヴルム・ガラクシア 2019/09/20-21:38
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[14] リントヴルム・ガラクシア 2019/09/20-21:32 | ||
[13] リチェルカーレ・リモージュ 2019/09/20-21:27 | ||
[12] クリストフ・フォンシラー 2019/09/20-20:52
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[11] リューイ・ウィンダリア 2019/09/19-23:48 | ||
[10] クリストフ・フォンシラー 2019/09/19-22:02 | ||
[9] リチェルカーレ・リモージュ 2019/09/19-21:46 | ||
[8] ヨナ・ミューエ 2019/09/19-15:02 | ||
[7] リントヴルム・ガラクシア 2019/09/18-23:56
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[6] クリストフ・フォンシラー 2019/09/18-22:25
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[5] ヨナ・ミューエ 2019/09/18-04:59 | ||
[4] クリストフ・フォンシラー 2019/09/17-23:20 | ||
[3] リチェルカーレ・リモージュ 2019/09/17-22:25 | ||
[2] リントヴルム・ガラクシア 2019/09/17-20:44 |