~ プロローグ ~ |
サンディスタム。 |
~ 解説 ~ |
○目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくはこんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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1 サンディスタム出身のヨナを頼りにしようとしたが都心育ちなので今回訪れた場所は特に詳しくない ベ 土地勘でもあれば と思ったのだが ヨ お役に立てずすみません(しゅん ベ (おっと)ま 食べながら考えるか 2 3 宿屋 食事とビールを1杯頼んで店主や現地人と談笑し警戒を解いてから本題 ローブに身を包んだ集団が宿を利用しているかどうかを聞き その集団はほぼ間違いなく終焉の夜明け団であると告げ 次はどこへ向かうという話や向かった方面を知っていたら教えて欲しい 市場 目に付いた果実を購入し(ヨナからのまだ食べるのという視線はスルー 美味い、この辺で作ったものなのかと世話話をしながら 最近困った事は無いか聞く 情報共有の為一旦仲間と合流 |
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街に着いたら今晩の宿を確保しつつ、聞き込み 終焉の夜明け団と思われる者を見なかったか、怪しい人物を見なかったか それと宿の亭主と世間話 景気のほどや、砂漠を渡る際はどうするのか 連絡の取れなくなったオアシスがないか等 「メルキオス、お前の部族普段なにしてるんだ?」 市場 こちらはメルキオスに一任 …金を積めば誰だって護衛する血の気が多い白髪白肌の部族、か つまり、メルキオスの部族は怪しい者でも 金さえ積めば目的地へ案内してくれる訳か…確かに、情報は持っていそうだな 入手した情報は共有する 襲撃を受けた場合は信号弾を撃つ 魔女 会話を望む その少女達はどうしたのか というか、その恰好はなんなのか 魔女は 私たちの味方なのか、どうか |
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砂漠の国でこれ以上 酷いことがおこりませんように 聞き取り 頑張ろう 最初に宿屋 食堂で話を聞く 隣人愛情も使いながら 真摯に積極的に 最近のサンダディスタムの治安について調べています こちらでは変わったことなどありませんか? 些細なことでも構いません 困っていることでも 何かわたし達がお役に立てることはありませんか? 見掛けや年齢に関わりなく 皆に話を 一度シリウスと情報をすり合わせ ふたりで市場の方へ 果物を見つければ購入 シリウスと半分こ 美味しいと笑顔 世間話も交えながら お店の人や子どもとも会話 聞く内容は上に準拠 わかったことは仲間に周知 知っている顔を見つけたら 笑顔でご挨拶 前にお会いした時も魔法陣絡みでした まさか今回も…? |
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目的 終焉の夜明け団について情報収集 行動 手分けして聞き込み。 他の皆がだいたいどの辺りを回るかを聞いておく。 宿場街の大体の地理を頭に入れておく。 適当な所で(時間で?)集合して情報交換。 聞き込み 宿屋と市場で。半分囮、かも? 自分たちが浄化師だとか、住人が消える事件を調べてるとか、聞かれたら素直に。 旅人や現地人の振り、みたいな人がいないかとか? 魔方陣の材料みたいなものがよく売れていないかとか? お店で買い物したり、宿の食堂で食事したりお酒をご馳走してみたり。 聞き込みの間、周りに気を付けておく。 怪しい気配があったら、知らない振りで集合場所に誘導できないか試す。 難しそうなら信号拳銃を使って他の皆に知らせる。 |
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~ リザルトノベル ~ |
宿場街での終焉の夜明け団の暗躍。 その調査指令を受けた浄化師達は、件の宿場街に訪れ、まずは分かれて調査に動いた。 ○聞き込みをしよう 「この街は、サンディスタムだと、どういう立ち位置の場所なんだ?」 聞き込みに向け歩きながら、『ベルトルド・レーヴェ』は『ヨナ・ミューエ』に尋ねる。 これにヨナは、バツが悪そうに返した。 「その……分かりません」 「そうなのか? 土地勘でもあれば、と思ったのだが」 意外に思って聞き返すとヨナは、しゅんとした様子で応える。 「お役に立てず、すみません」 (珍しいな) いつもは見られないヨナの様子に、少し驚くベルトルド。 (ふむ……育った場所が違うということか。別に、全てを知っている必要はないんだが) 苦笑を飲み込み、ベルトルドは軽い口調で返す。 「ま、食べながら考えるか。食堂を兼ねた宿屋があるらしい。行ってみよう」 これにヨナは頷き、現地に赴く。 しばし歩き、宿屋に到着。 1階部分が、雑多な食堂兼飲み屋といった場所に訪れた2人は、カウンターに居るオヤジに注文する。 「ビールをひとつ。それとソフトドリンクはあるか?」 「ライムの炭酸割りがあるよ」 「なら、それも頼む」 頼んだ物が来る間に、ベルトルドは隣の席にいる、壮年の男に声を掛ける。 「熱いな、この国は。噂には聞いていたが、ここまでとは思わなかった」 「……なんだ、アンタ、他所から来たのか?」 「ああ。アークソサエティから、仕事でな。ひょっとして、地元の人か? もしそうなら、話に付き合ってくれないか。来たばかりで、勝手が分からなくてな」 「そいつは……まぁ、少しなら良いが」 「助かる。ありがたいな。なら、1杯奢らせてくれ」 ベルトルドは人懐っこく話を向けると、注文品を持って来てくれた店主に、追加でコーヒーを頼む。 最初は当たり障りのない話をしながら、少しずつ話を広げ、話題に加わる者も増やしていく。 (慣れてますね。ベルトルドさん) ライムの炭酸割りを飲みながらヨナは感心すると、どうにか話に加われないかと挑戦する。 その甲斐もあって、幾つか有益な話を手に入れることが出来た。 聞き込みは他でも。 宿屋の後は市場に。 そこでもベルトルドが中心になって話を聞き出し、総合すると、街の郊外に終焉の夜明け団と思しき者達が居るとの情報が。 得た情報を皆と共有するべく、合流地点へ。 道中、市場で買った果物を食べるベルトルドを、じっと見つめるヨナ。 まだ、食べるんですか? という視線に、苦笑しながらベルトルドは返す。 「美味いな、この葡萄。この辺りでも出来るんだな」 これにヨナは応える。 「ええ。小ぶりで酸味が強いかもしれませんが、美味しいと思います」 「ああ。他にもマンゴーも美味そうだったな。そうそう、サボテンの実、なんてのもあったな」 「あれは美味しいですけど、ちょっと種が多いですね」 お喋りをしながら、時折、視線を交わす。 それは後を付けられているのに気がついたから。 「色々な果物があるんだな。試しに収穫するか」 「ええ。皆と合流したら考えましょう」 そうして聞き込みに動いているのは『クォンタム・クワトロシリカ』と『メルキオス・ディーツ』も同様だ。 「メルキオス、お前の部族は普段なにしてるんだ?」 聞き込みに向かう途中、気になったクォンタムが尋ねる。 これにメルキオスは、軽い口調で返した。 「ウチの部族? 牧畜と行商でうろうろしてると思うよ。それか、雇われ護衛だね」 「雇われ護衛か。それは、終焉の夜明け団でも行うのか?」 「お金次第だね。金積めば誰だって護衛する、それがウチの部族だよ」 「そうか、なら……」 少し考えてから、クォンタムは続けて言った。 「接触できれば、何か情報を得られるかもしれないな。お前の部族の名前は――」 「青衣の民だよ。僕みたいな白い髪と白い肌をしているよ。そうそう、あと血の気も多いね」 「分かった。私の方でも、見かけたことがないか聞いておこう。では、私は宿屋を――」 「僕は市場を担当ってことね。ああ、そうそう。今晩の宿屋の手配も頼むよ」 「承知した」 こうして2人は分かれ、それぞれ聞き込みを。 「ああ、部屋は2つ頼む。それと、幾つか聞きたいことがあるのだが――」 今晩の宿を頼んだクォンタムは、聞き込みを開始する。 「なるほど。ここしばらく、人が多いのだな。その分、お金を落としていく者も多いと」 最初は、当たり障りのない景気の話で話題を引き出しながら、少しずつ核心に近付けていく。 「人が多いと言うが、中には気になる者も居るのではないか? 実は、人を探していてな」 話を聞いていると、青衣の民らしき者達の話題も。 「ああ、そうだ。白髪に白肌をした青衣の民だ……そうか、宿屋には泊まらず、市場の空き地を間借りしていると」 話をしていると、尋ねる理由を聞いてくる宿屋の亭主。 これにクォンタムは、嘘はつかず、けれど全ては語らず応える。 「気になる話を聞いてな。オアシスの住人が、ある日突然消えるらしい。原因を知るために、各地を巡り詳しい者の話を聞きたいと思っている」 ここからさらに話題を広げ、終焉の夜明け団らしい集団の情報を手に入れることが出来た。 一方その頃、メルキオスは市場で情報を得ていた。 (うん、懐かしいね。この柄の悪い空気) 市場の奥。玄人筋でなければ入らない場所に、するすると踏み込むメルキオス。 場の雰囲気に馴染んでいるせいか、違和感がない。 「さて、居るかな?」 目当ては青衣の民。 (ウチの部族は牧畜してて、女たちの主な仕事は山羊の世話と毛織物の作成だ。他の街へ毛織物や山羊の売買に来てると思うんだけど) 子供の頃の記憶を頼りに探り、それは成功する。 「ははっ、変わらないね」 騒がしさに首を突っ込めば、そこに居たのは青衣の民。 値段交渉で喧嘩している。 もっとも、それがこういう場の流儀のひとつであるので、周囲は平然としていた。 しばらく待ち、悪態交じりに話がついた所で、青衣の民に接触する。 「やぁ、空は今日も青いかい?」 「死者が旅立つくらいにな……って、誰だ、アンタ?」 青衣の民特有の言い回しで、まずは挨拶を交わし、話をしていく。 「少し訊きたいことがあってね。なに、時間は取らせないよ」 情報を得るための話をしつつ、間間で、相手の口を軽くするために自分のことも話す。 すると相手は言った。 「おいおい。じゃ、陰気の魔結石を市場に回してたのは、アンタか」 「ああ。今は、もう作れなくなってるけどね」 「それでか。アンタの身内、魔結石を頼りに探してたらしいが、出回らなくなって、死んじまったと半ば諦めてるぞ」 「あ~、それは、大変だねぇ」 「他人事みたいに言ってる場合か。なんなら今度連絡しとく。とりあえず、ウチのキャラバンに来い」 「悪いね。すぐには無理なんだ。今日は宿を取ってるから、晩にでもまた来るよ。それより――」 その後も聞き込みを続け、終焉の夜明け団に関する物も手に入れる。 「さて、あとは合流するか――」 手に入れた情報を手に、合流場所に向かうメルキオスだった。 次々情報は手に入る。 それは『リチェルカーレ・リモージュ』と『シリウス・セイアッド』も同様だ。 (砂漠の国でこれ以上、酷いことがおこりませんように) 悲劇を防ぐべく、聞き込みに意気込むリチェルカーレ。 「聞き取り、頑張りましょう、シリウス」 「ああ……ただ、怪しい奴についていくなよ」 素直にやる気を見せるリチェルカーレにシリウスは、ため息ひとつ。 念のために釘を刺す。 これに笑顔で返すリチェルカーレ。 「大丈夫よ。ちゃんと気を付けるもの」 「……そうしてくれ」 祈るように返すシリウスだった。 そして聞き込み開始。 まずは宿屋に。 それぞれ別れ、効率的に聞き込みを。 リチェルカーレは持ち前の人懐っこさで、積極的に聞き込みをしていく。 「最近のサンダディスタムの治安について調べています。こちらでは変わったことなどありませんか?」 真摯に、誰かの身を案じるように尋ねるリチェルカーレの言葉に、皆は耳を傾けてくれる。 「些細なことでも構いません。困っていることでも。何か、私達がお役に立てることはありませんか?」 時に、終焉の夜明け団とは関わりのない話でも、リチェルカーレは耳を傾ける。 相手に寄り添うように話をしてくれるリチェルカーレに、皆は打ち解け、話を聞き出していく。 見掛けや年齢に関わりなく、皆に話を聞くお蔭で、多くの情報を得ることが出来た。 一方シリウスは、情報収集だけでなく、注意喚起も兼ね話を聞く。 「……何もなければそれでいい。だが、少しでもおかしい事があれば教えて欲しい。こちらで対処できることも、あるかもしれない」 夜明け団のマントや十字架の件も伝えると、それに似た人物を見たという情報が。 そうして2人は得た情報を、合流するとすり合わせた。 次に向かったのは市場。 シリウスはメモとペンを用意し、簡易マップを作り情報を書き込みながら進む。 同時に、周囲の警戒も。 いつ襲われても対処できる心構えを続けていた。 そうして市場に到着。 ここでもリチェルカーレは人懐っこく話を聞き出す。 「砂漠の国と聞いていたんですけど、色々な果物があるんですね」 「ああ。葡萄にマンゴー、あと珍しいのは、これだな」 「見たことないです。何の果物ですか?」 「サボテンの実だよ。ティーン・ショーキっていうんだ。食べてみるかい?」 「はい! それじゃ、それを貰えますか?」 店主は、よく熟しているオレンジ色の実を取り、ナイフで皮を剥いてくれる。 「すみません。半分に切り分けて貰えますか?」 リチェルカーレの頼みに、店主は半分に切り分けてくれる。 持つ所だけ皮を残し、手渡され、リチェルカーレはシリウスと半分こ。 「はい、シリウス」 渡された果物に瞬くシリウスに、笑顔で言った。 「ヴァンピールは暑いの苦手でしょう」 これにシリウスは表情を綻ばせ、2人で食べる。 「美味しい」 「ああ」 さっぱりとした甘味を楽しんだ。 そうして和んだ所で聞き込みを続け、幾つか有益な情報を得る。 得た情報を皆と共有するべく、合流地点に向かう。道中―― (付けられているな) 周囲を警戒していたシリウスは、後を付けてくる相手に気付き、いつでも動ける体勢を取りながら移動した。 次々に情報を得る中、『シルシィ・アスティリア』と『マリオス・ロゼッティ』も有効な聞き込みをしていた。 「それじゃ、シィ。僕は市場の方に向かうから――」 「ん、分かった。わたしは、宿屋の方で聞き込みをしてくる」 事前に、他の皆がどの辺りを回るか聞いておいた2人は、場所が被らないよう手分けする。 「気を付けて、シィ。どこに終焉の夜明け団が居るか、分からないから」 「大丈夫。マリオスも、気を付けて」 お互いを気に掛けながら、2人は聞き込みを開始。 先に目的の場所に着いたのは、シルシィ。 食堂と受付を兼任する1階を軽く見渡して、カウンターでグラスを磨いている店主の元に。 「こんにちは。少し、話を聞いても良い?」 「話ですか? まぁ、話せることなら。それより、咽喉は乾いていませんか?」 注文次第で、口が軽くなるかも。 言外に示す店主に、シルシィは気前よく注文を。 「なら、みんなに、一杯ずつ」 「良いんですか? 景気が良いですね」 「話を聞けるなら、安いから。支払いは、教団が持つし」 「教団? って、アンタ、浄化師なんで」 「ん、そう。最近、色んな所で人が消える事件を調べてる。協力して欲しい」 あえて浄化師であることを隠さず告げる。 それは囮として、終焉の夜明け団を引き付けられないかと考えてのこと。 話を聞いていた店主は、他人事ではないと思ったのか、協力的になる。 「そういう話なら、あそこの、ほら、羊のスペアリブ食べてるヤツが居るだろ? あいつが、最近変な奴らを見たって言ってたから、話を聞いてみると良い」 「ありがとう。聞いてみる」 店主の協力もあり、何人かと円滑に話をする。 旅人や現地人の振りをしている者を見なかったか? あるいは、魔方陣の材料みたいなものがよく売れていないか? それらを訪ね、幾つかの有効な情報を手に入れた。 一方、マリオスも有効な情報を手に入れている。 「ええ、終焉の夜明け団が、この街に入っているかもしれません。その痕跡を、いま調査しています」 マリオスも、聞き込みの理由を隠すことなく伝えながら、市場の店主達に聞き込みをしている。 それはシルシィと同じく、半ば囮となるため。 「なるほど。街の郊外で、何度か不審な人物達を見たんですね?」 聞き込みを続ける中で、有効な情報を手に入れて行く。 その途中、ざわりと肌が泡立つような気配が。 (監視されている?) 今まで経験した戦闘の中で感じた、殺意交じりの明確な敵意。 (囮成功、といった所かな?) その気配を感じながら、シルシィとの合流場所に。 先に来ていたシルシィは、マリオスに声を掛ける。 「マリオス、お疲れさま。わたしの方は、幾つか話を聞けたけど……」 言葉の途中で、笑顔のままのマリオスに、シルシィは予感めいた確信が生まれる。 それに応えるように、マリオスは言った。 「こっちも色々と話を聞けたよ。気になることもあるし、みんなと合流しよう」 終焉の夜明け団につけられている事を言外に告げ、いつでも対応できるよう態勢を整えながら、シルシィと合流場所に。 そして皆は合流場所に集まり、そこで終焉の夜明け団の襲撃が。 しかし警戒していた浄化師達は、周囲に被害を与えることなく全員を制圧。 問題なく拘束した。 軽く訊問してみると、リーダ格の2人と連絡が取れなくなり、焦った末に場当たり的に襲ってきたらしい。 浄化師達が得た情報と、拘束した終焉の夜明け団から得た情報。 その2つを合わせ、街の郊外が怪しいと判断し向かう。 そこで会ったのが、魔法少女2人と仮面の男、そして魔女メフィストだった。 ○質問しよう 「貴方は――」 最初に反応したのはヨナ。 以前の指令で、多少なりとも言葉を交わした彼女は問い掛ける。 「メフィスト……それともアンリさん? ここで何を?」 (魔方陣を解除しているの?) 推測は出来ても、事実は分からない。 だからこそ、矢継ぎ早に尋ねる。 「これもゲームの一環ですか。また私達に話せない事を? そちらの2人はお仲間? あの時の腕は、声は。ラグナロクを引き起こした神と関係あるのですか?」 そこまで一気に問い掛けて、熱くなり過ぎているのを自覚する。 (ちがう。こんな責め立てるような言い方……) 落ち着くために深呼吸。 その間に、以前の指令で会ったことのあるリチェルカーレも問い掛ける。 「また、会いましたね。前にお会いした時も魔方陣絡みでした。まさか今回も……?」 笑顔で穏やかに問い掛けるリチェルカーレに、メフィストは応える。 「そうでーす。あの時の魔方陣とは、今回の物は別ですがー」 「別物って、どう違うのかな?」 メルキオスの問い掛けに応えたのは、メフィストではなく仮面の男。 「この街に仕掛けられたのは、エリクサー生成のための魔方陣だ。証明は、そうだな――」 仮面の男は、そう言うと地面に手を付ける。 そして魔力を放出。放出された魔力は、仕掛けられた魔方陣に反応し、一時的に可視化された。 周囲一帯に広がる魔方陣。 それを見たメルキオスは思う。 (……似てる。いや、僕のが似てる方なのか?) 疑問を抱き、問い掛ける。 「ひとつ聞きたいんだけど、陰気の魔結石ってのに聞き覚えはない?」 「それなら恐らく、この魔方陣を生成する触媒のひとつに使われたんだろう。 この魔方陣の根幹属性は陰気だからな、親和性が高く、効率性を増すのに使われている。 陰気の魔結石が何処からもたらされたのかは知らない。 だが、あれは陰気属性の魔術道具や魔方陣を制作するのに、優れた性質を持っている。 もっとも今では、新規には手に入らなくなっていると聞くが」 この答えに、少し考え込むメルキオス。 そんな彼を横目で見ながら、クォンタムが尋ねた。 「貴方は魔女と見受けるが、我らの味方なのか?」 応えるメフィスト。 「少なくとも、敵ではないでーす」 「そうか。なら、続けて問うが、その少女達はどうしたのか。というか、その恰好はなんなのか」 これに2人の少女はキレ気味に返した。 「好きでこんな格好しとらんわー!」 「くそっ! あの時捕まってなければ……」 何故かヨナ達を睨む2人。 「え、あの、なんで睨んで――」 「前に会った時に貴女達が捕まえた2人でーす」 「……え?」 思わず聞き返すヨナに、メフィストは続けて言った。 「放置は出来ないので、魔法少女にして協力させてまーす。逃げたら、一生魔法少女のままでーす」 これに、魔法少女姿の2人が手にするステッキが続けて言った。 「愛とラブの魔法少女になれて幸せだと思います~」 「何なら皆さんもなりますか~? みんなで幸せになりましょうよ~」 「ふざけんなー!」 ステッキの戯言に、叩きつけようとする魔法少女姿の2人。 でも手から離れないので無理だった。 そんな2人に、胡乱な視線を向けるシリウス。 微妙に、2人から距離を取りつつ、以前の指令で共闘に近い動きをした仮面の男に問い掛けた。 「この街に、危険はないのか?」 「ないよ。魔方陣は、もう破壊している」 これを聞いて、シルシィは言った。 「ありがとう」 「お礼ですかー? なんのことですー?」 メフィストの問い掛けに、シルシィは続ける。 「魔方陣を破壊してくれたから。だから、ありがとう」 この言葉に、何故か仮面の男は、視線を逸らすよう俯く。 それはどこか、懺悔をしているようにも見えた。 そんな彼に、シルシィは尋ねる。 「名前、聞いても良い? 私の名前は、シルシィ・アスティリア。彼は、マリオス・ロゼッティ。 名前は知っておいた方が、きっと今より、仲良くなれる」 これにメフィストは応え、仮面の男は―― 「悪いが、今ここで名乗る気はない」 静かに応え、魔法少女姿の2人は、渋面になりながら返す。 「アラゴだ」 「ベイルだ」 男らしい名前に、浄化師の中には胡乱な視線を向ける者も。 「ちくしょう!」 「こんなステッキに呪われなければ!」 嘆く2人。 そんな2人にメフィストは言った。 「そこまで言わなくてもー。元々は、カルタフィリスや、パートナーが見つからなくて死亡しかねない浄化師のために作った物なのですよー。試練の塔のゴーレムと合わせれば、さらに使い勝手も良いというのにー」 何やら言っているので、どういうことか尋ねると、続けて応えた。 「魔力が生成できず消費を続けると死ぬカルタフィリスや、逆に魔力を生成し過ぎて死んでしまう浄化師のために、魔力回路を完全に封じて、自分の魔力を消費せず生成も出来ないようにした上で、魔女と同じように、外部の魔力を消費して魔法を使えるようになる『魔法使いになれる杖』なのでーす。すごいのですよー」 これにアラゴが突込みを入れる。 「待て。それなら、この姿になるのは何だ」 「趣味でーす」 「殺す!!」 ステッキを振って、メフィストに向けビームを放つ2人。 でも全部避けるメフィスト。 一連の騒動で、周囲に弛緩した空気が流れる。 だがそのお蔭で、最初に質問したヨナは、気負う物が薄れ、普段の口調で再び呼び掛けた。 「貴方達は私達の敵ではない。そう判断しました。だから、お願いします」 メフィストに視線を合わせ言った。 「あの時、貴方は、空から聞こえてきた声に『ゲームを壊す気はない』と言いました。 そのゲームとやらはあなたが解決してしまってはバランスが取れないのでしょう? でしたら、もう少し私達にも情報をください」 これにメフィストは、少し考え込むと、応えを返した。 「そうですねー。私にとっても、その方が都合が良い部分はありまーす。ですから、応えられる範囲で答えまーす」 そして続けて言った。 「まず、私の名前は、メフィストでーす。アンリ・マンユは、昔の名前でーす。 そしてゲームについてですが、これは絶滅ゲームでーす」 「……絶滅ゲーム?」 剣呑な答えに、シリウスが聞き返す。 するとメフィストは言った。 「そのままの意味のゲームでーす。参加者は、生きとし生きる者全てでーす。 ただし、プレイヤーとして認められるには、実力を証明する必要がありまーす。 そして負ければ、生物はみんな死にまーす」 尋常ならざる答えに、皆は黙る。 そこにメフィストは続ける。 「次に、あの時の腕ですが、放置できないので、魔導書の材料にしましたー。 今お勉強してる所ですからー、もうちょっとしたら使えるようになりまーす。 最後に、あの時の声ですがー」 そこまで言うと、焦らすように間を空けていった。 「アレはゲームの主催者であり、アレイスターと絶滅ゲームの契約をした存在でーす。今の所は、答えられるのはここまででーす」 話の大きな答えに、浄化師達は真偽が分からず、メフィストを見詰める。 そこに、シルシィが問い掛けた。 「メフィストさんは、終焉の夜明け団の、邪魔して回っているの?」 「そうですねー。そういうこともしてまーす」 「なら、強いの?」 「単なる戦闘能力だけなら、貴方達に囲まれて仕掛けられたら、負ける自信がありまーす。だから協力者は必須でーす」 「そうなの? でも、魔女さん、強そうに見える。だったら、長生きしてる?」 「割と爺でーす。魔女としては、そこそこ生きてまーす」 「そうなの? だったら、もしかして、アレイスターに会ったことがあるとか……?」 それはメフィストにとって想定外の問い掛け。 そして、ある種の核心に関わる問い掛けでもあった。 だからこそ、メフィストは答える。 「『昔』のアレイスターには、会ったことがありまーす」 そう言うと、その場を後にする。 「では、今日はここまででーす。いずれまた、協力できる時を願っていますよー」 逃げ出そうとするメフィストに、ヨナが声を掛ける。 「メフィストさん!」 勢いをつけるような間を空けて、言った。 「もう一つだけ。あの時は……ありがとうございました」 これにメフィストは胸に手を当て一礼すると、すさまじく速い逃げ足で去る。 同様に逃げ出す魔法少女姿の2人。 そして最後に、仮面の男が逃げる前に―― 「いま私達がやっていることは、誰かがしなければいけないことだ。 けれど私の手は2本しかないし、届く距離もたかが知れてる。 だから、キミ達の力が必要なんだ。 期待しているよ」 そう言うと、去っていく。 あとに残された浄化師達は、幾つかの答えと、さらなる疑問を胸に指令を完遂した。
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*** 活躍者 *** |
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[13] リチェルカーレ・リモージュ 2019/09/25-23:42
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[12] シルシィ・アスティリア 2019/09/25-22:30
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[11] リチェルカーレ・リモージュ 2019/09/25-21:11 | ||
[10] クォンタム・クワトロシリカ 2019/09/25-20:57 | ||
[9] シルシィ・アスティリア 2019/09/25-20:26
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[8] ヨナ・ミューエ 2019/09/25-08:20 | ||
[7] シルシィ・アスティリア 2019/09/25-01:15 | ||
[6] リチェルカーレ・リモージュ 2019/09/24-22:27 | ||
[5] シルシィ・アスティリア 2019/09/24-20:46 | ||
[4] メルキオス・ディーツ 2019/09/23-22:40
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[3] リチェルカーレ・リモージュ 2019/09/23-22:37
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[2] ヨナ・ミューエ 2019/09/21-12:29
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