【熱砂】地下神殿から王弟を逃がせ!
普通 | すべて
8/8名
【熱砂】地下神殿から王弟を逃がせ! 情報
担当 春夏秋冬 GM
タイプ ショート
ジャンル イベント
条件 すべて
難易度 普通
報酬 通常
相談期間 5 日
公開日 2019-11-01 00:00:00
出発日 2019-11-09 00:00:00
帰還日 2019-11-17



~ プロローグ ~

 これは彼の過去。
 すでに亡くなった彼の物語。

 彼にとって祖国とは呪いだった。
 サンディスタム。
 世界有数の魔術国家。
 それだけを知れば繁栄を得ているように見え、少しずつ衰退し滅亡へと向かう国。
 かつては随一の魔術国家でありながら、教皇国家アークソサエティに、その座を奪われし国。
 彼が生まれた時には既に、そういう国だった。
 だというのに、彼の周囲は、それを許さなかった。

 何故あんな国が。
 サンディスタムこそが、世界で唯一の魔術大国であるべきなのに。
 どうして、こんなことになっている。
 奪われた。
 奪われた奪われた奪われた。
 アークソサエティに、我らが手に入れるべき全てを奪われた。

 妬みと憎悪。曲解と自尊。
 ねじくれ歪んだ妄想を口にする大人達。
 彼の周囲の大人は、全てがそうだった。

 だというのに、彼らは何も行動には移さなかった。
 先祖が積み上げた過去の遺産を食い潰し、全てをアークソサエティのせいだと妄言を口にしながら。
 ただただ、享楽を貪っていた。

 彼に、国の未来を押しつけながら。
 だというのに、彼には逃げることは許されなかった。
 なぜなら彼は、王であるが故に。
 衰退する祖国を、捨てられなかったから。

 だからこそ彼は、力を求めた。
 祖国にかつての栄華を取り戻させる力を。
 そのためなら、何を犠牲にしても良いと、思っていた。

 力を得るために、彼はあらゆることを是とした。
 たとえそれが、非道なことだとしても。
 そうあることが、祖国の未来を繋ぐのだと、信じていた。

 覇道を彼は歩む。
 それは孤高の道。
 彼を恐れ敬う者は居ても、傍に居る者は誰も居ない。
 ただ1人を除いては。

「兄上!」
 彼の弟は、いつも笑顔を絶やさなかった。
 彼に会うたびにいつも笑顔を浮かべ、喜びを表した。

 そうなるように、弟は育てられていた。

 先王である父が、政治に関わることを疎み、12になったばかりの彼に王の座を譲ったあと。
 何人もの側室を娶った中で、唯一生まれた男子。
 それは、彼の次に王位継承権を持つ者が生まれたことを意味する。
 だからこそ、彼の弟の周囲は、彼に敵意を持たれないよう、常に弟に言い続けたのだ。

 彼はこの国の要であり、この国を栄えさせるために、己が身を犠牲にする者。
 いつか彼の役に立つために、お前は努力しなければならない、と。

 それは保身。
 自分達の安穏を得るために、幼い子供に言い聞かせた、虚ろな作り話。
 だというのに、弟はそれを信じた。

 彼の傍に居たがり、それが許されると、花咲くような笑顔を浮かべ喜んだ。
 犬だな、と彼は思っていた。

 物事の分からぬ愚か者。
 騙されているのにも気づけない愚者。
 取るに足らない弟だと思い、彼と共にあることを許した。
 自分では気づかぬ、穏やかな笑みを浮かべながら。

 それが終わったのは、弟が15になった時。
 アークソサエティより、弟の留学を求められ、別れなければならなくなった時だった。

 それは言外に人質を寄こせと、言われたに等しい要求だった。
 アークソサエティの属国だと、サンディスタムに認めさせるためのもの。
 そうだというのに、弟は笑顔のままだった。
 彼の前では。

 笑顔のままの弟を見詰め、彼は言ってしまいそうになる。
 止めよ。望まぬなら、ここに居よ。
 けれど口に出せない彼に、弟は言った。

「兄上と祖国のために、必ず生きて戻って参ります」

 それは自分の立場を自覚しての言葉だった。
 愚かだと思っていた弟は、全てを知った上で、彼の前ではいつも笑顔を浮かべていたのだ。
 それに気付けた彼に、弟であるメンカウラーは指輪を渡す。

「お受け取りください、兄上」

 それは守りの指輪。
 何年も掛け、自らの魔力を注がなければ作れない物だった。
 それを渡し、メンカウラーは言った。

「今、私が兄上に残せる物は、それぐらいしかありません。
 ですが、アークソサエティから生きて戻った暁には、きっとその指輪よりもお役に立ってみせます」

 それは人質としてアークソサエティに訪れることの意味を理解しているからこその言葉。
 アークソサエティで死んだとしても、兄であるカフラーに、何かを残したいという意志。
 生きている時から渡された形見分けを、カフラーは受け取った。

 そしてメンカウラーが傍に居なくなり、カフラーは少しずつ軋んでいった。

 カフラーは知る。
 自分がどれほど、メンカウラーに救われていたかと。

 そして本当の意味で、誰一人傍に居る者が居ない中、カフラーは覇道を歩んでいった。

 止める者は無い。
 進むしかない彼は進み続け、1人の女と出会う。
 出遭ってしまった。

 それが、アスモデウス。
 従順であり、献身的でさえあった彼女は、カフラーに尽くし続け――

 ――全てを奪い終らせた。

◆  ◆  ◆

「あと少しで着く」
 秘密の通路を進みながら、メンカウラーは同行する浄化師であるアナタ達に言いました。
 今アナタ達が進んでいるのは、王族しか知らない抜け道です。
 なにかがあった時に、誰にも気づかれずに移動するための秘密の通路。
 ここを移動しているのは、メンカウラーが兄であるカフラーに会うためです。
 少し前の指令で、カフラーが成り変わられているかもしれないということを知ったメンカウラーは、兄と会うために移動しています。
 兄であるカフラーは、1日に1回はここに訪れていることを知っているので、待ち構えるつもりです。
 その際の護衛として、メンカウラーは教団本部に助けを求め、アナタ達は指令を受け同行しています。
 進み続け、終点となる扉を前にして、メンカウラーは言いました。
「貴方達、そして教団本部には感謝している。これからも、そして今この時も、貴方達の力を借りることになると思う。よろしく頼む」
 メンカウラーは、自分を落ち着かせるように言うと、扉を開け中に向かいます。
 あとに続く貴方達が見たのは地下神殿。
 石造りのそこは、かつてナール川の氾濫を制するための魔術を、とある巨木の八百万の神から与えられた場所。
 その魔術を得た後は、王が信仰を集め神となるべく、ファラオと自らを呼ばせることを決めた場所でもある。
 地下とは思えないほど広々としたそこは、照明の魔術道具により常に明るい。
 だからこそ、最奥のファラオの玉座に座るそれに、皆は気付いた。
 それはミイラだった。
 気付いたメンカウラーは呆然と近付く。
「嘘だ……」
 玉座に座るミイラの前に辿り着き、崩れるように膝をつく。
 視線は、右手に嵌めている指輪に。
 兄であるカフラーに贈った指輪を、ミイラはつけていた。
「兄上……そんな……なぜ……」
 呆然自失なメンカウラー。
 そんな彼の元にアナタ達が向かおうとすると、突如口寄せ魔方陣が発動。
 現れたのはキメラ達。
 殺意を漲らせ、アナタ達と、そしてメンカウラーを殺そうとします。
 この危機的な状況。
 アナタ達は、どう動きますか?


~ 解説 ~

○目的

メンカウラーを連れて地下神殿から退避する。

○状況

地下神殿の最奥に居る状況から始まります。

PC達の周囲を囲むようにして4つの口寄せ魔方陣が発生し、そこからキメラが一定時間(5~10R)ごとに出てきます。

出口となる扉まで、40マス離れています。

○敵

キメラ×4

巨大な人面と獅子の身体にサソリの尻尾が付いたマンティコア型キメラ。

尻尾に刺されると毒を受けます。(1R毎に1D6ダメージ)

口から火炎弾を放ちます。(着弾箇所と周囲1マスが影響範囲。溜め時間があります)

それ以外では噛み付きと引き裂き。そして体当たりをしてきます。

回避能力が高く俊敏です。その上、体力も高いです。

知能は高いので、PC達が手強いと判断すると回避に徹し、追加のキメラが出て来るまで待つ戦法などを取ります。

自己保存本能は消されているので、自分のダメージは無視して、冷静に殺しに来ます。

○口寄せ魔方陣

木・火・土・水の魔力属性の内、どれかひとつを持ちます。

攻撃すると耐久値が削れ、0になると破壊されます。かなり頑丈です。

○メンカウラー

開始時はメンタルが割とガタガタです。なので最初は呆然自失で、まともな行動が取れません。

退避の際には、兄のミイラを持って行こうとします。

ミイラを放置するか持って出るかで、後々の彼のメンタルが変わってきます。

因みに放置して退避すると、サンディスタム編のボスとの決戦で、ボスがミイラをメンカウラーの前で燃やします。

ミイラは魔術で強化されているので、多少乱暴に扱っても損壊しません。

掛けられている魔術は、ボスであるアスモデウスが、殺害した後に保存目的で掛けました。

○戦場

石造りの地下神殿。光源があるので視界不良は無し。

戦闘の障害物となる物は無く、数十人が戦える程度の広さがあります。

○味方NPC

魔女のセパル

死んだふり浄化師のウボー&セレナ 断罪者&魔性憑き

今回の指令に同行します。指示通りに動きます。

以上です。


~ ゲームマスターより ~

おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、サンディスタム編の決着一歩手前のエピソードになっています。

自分で書いていてなんですが、割と王弟くんの人生ハードモードです。

そしてエピソードの冒頭からしばらくが長いんですが、背景部分を出す場所がなかったので出しています。

多分、王弟くんが留学という名の人質に取られる期間がなかったら、こういう別れを兄弟はしなかったんだろうなぁ、とは思います。

アークソサエティというか教団の昔が真っ黒な設定なので、しょうが無いんですが。

それと、サンディスタム編のボスになるアスモデウスが、結構アレな感じですが、カフラーを愛しちゃったので成り変わって殺しました。

割と彼女の設定もえげつないです。

その辺の詳細は、サンディスタム決着編で出ます。

それはさておきまして、少しでも楽しんでいただけるよう、判定にリザルトに頑張ります。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

アリシア・ムーンライト クリストフ・フォンシラー
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / アンデッド / 断罪者
王様は…こんな所で亡くなられてたのですね…
殿下はたった一人のお兄様を…

王様を、ここに置いて行っては…お二人共可哀相、です
何とか、連れて帰りましょう…
その為に、私も精一杯を…

最初にリチェちゃんと協力して皆さんに兎歩七星を
その後更に浄化結界を
少しでも、皆さんの助けになれるよう…

終わったら辺りを少し見回して
キメラが出てくるのがあまりにもタイミングが良すぎて
誰か見てるではと言う気がして…

魔術真名詠唱
鬼門封印でのキメラの動きを阻害を
特に殿下達を追おうとする個体がいれば、それを優先で狙います
できれば禁符の陣を貼るお二人の方へキメラを追い込めるように

傷を負った方には天恩天賜3で回復

全員無事に脱出しましょう…
リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者
お亡くなりになっているなんて…
王弟殿下の様子に言葉を無くす
ーそうね 泣く権利は、メンカウラー様に
気持ちを切り替え 魔術真名詠唱
ご兄弟を無事に地上へ帰そう

シアちゃんと協力 仲間に禹歩七星
王弟殿下と護衛の皆が安全に動けるよう キメラ対応
基本回復と後方支援
他の陰陽師と協力 全体の体力を見ながら天恩天嗣3や四神浄光・壱で回復
セパルさんたちにも 無茶はしないでくださいねと声かけ
シアちゃんの鬼門封印と連携して 禁符の陣が使えたら
余裕があれば九字で攻撃
王弟殿下への攻撃を遮る位置取りを心がける 
セパルさんたちにも 無茶はしないでくださいねと声かけ

無事脱出できれば 王弟殿下に
きっと お兄様はお喜びです
弟君が迎えにきてくれたのだもの
リューイ・ウィンダリア セシリア・ブルー
男性 / エレメンツ / 魔性憑き 女性 / マドールチェ / 占星術師
王弟殿下と陛下が 無事地下神殿を脱出できるよう
退路の確保 できるだけ素早く出入口へ移動
ベリアルが向かってきたら迎え撃つけれど 最優先は王家の方々の避難
仲間と連携 追撃はしません

>動き   
前衛位置 王家のお二人の護衛をしながら脱出路を切り開く
魔術真名詠唱
リ:初手で戦踏乱舞 メインアタッカーの仲間を中心に攻撃力を上げる
仲間と連携して できるだけ素早く出入口まで王家のふたりを連れて行く
敵が向かってくれば 二コラさんと連携して迎撃、追い返す
倒すのが主目的ではないので 逃げれば追撃はしない
セラとヴィオラさんへの攻撃は盾に
セ:ヴィオラさんと連携 王家の方にペンタクルシールド
移動中はクォンタムさん達の護衛
近づく敵にカードで攻撃
ニコラ・トロワ ヴィオラ・ペール
男性 / マドールチェ / 拷問官 女性 / エレメンツ / 占星術師
王は既に亡くなられてたのか…
王弟殿には気の毒だと思うが、今はここから退避する事が先決だな
こうなってしまっては、この国の未来は王弟殿の肩に掛かってると言う事になるのだから
だが、それを私が言う必要はなさそうだな

ヴィオラ達女性陣の行動を見て
浄化師の女性達は強いなと苦笑を浮かべてから
王弟殿と王のミイラを運ぶ仲間を守るように前へ出て
そのまま護衛として、キメラの攻撃にスキルで対応しながら
最短距離で辿り着けるようなコース取りを心がけて出口を目指す

私の攻撃は命中精度が低い
キメラの討伐は仲間に任せ、牽制のために斧を振るう

王弟殿と護衛班が出口から出たら扉の確保
迎撃班がくるまで出入口を守る
敵はここから出さないように
サク・ニムラサ キョウ・ニムラサ
女性 / ヴァンピール / 悪魔祓い 男性 / ヴァンピール / 陰陽師
サクラ:……
キョウ:……サクラ、それ(スキル)……
サクラ:障害物は自分で作るものよ!!
キョウ:そうですね。良し、では、守りましょう!

【行動】迎撃班
サクラ
『トリックショット』で攻撃するわ。
狙いは回避力低下だけどあれ(キメラ)高そうよねぇ……少しは役に立つと良いのだけど。
MPがなくなったら通常攻撃に移るわ。
うーんすごいわねぇメンカウラー様。これが兄弟愛という物かしら?
もしそれなら守りたい所ね。

キョウ
サクラをなるべく庇えれそうな位置をとりながら
『蠱霧散開』を使用します。あちらが毒ならこちらも毒で。
敵全員にかかったと判断したら通常攻撃に変更しますね。
あのミイラ。お兄様だと良いですね……
ヨナ・ミューエ ベルトルド・レーヴェ
女性 / エレメンツ / 狂信者 男性 / ライカンスロープ / 断罪者
しゃんとしてください! 今ここで立ち止まってどうにかなりますか
王弟を鼓舞しどうにか立ちあがらせる
長年のうち彼に刻まれた克己という意志を信じて
こんな言い方はずるい と思いながら
しかし この場所この瞬間に失う訳にはいかない

出現したキメラを迎撃
自己保存本能が無いのならば生き物としての急所 首や四肢の付け根 腹などを重点に攻撃
毒を受けてもひとまず無視 尻尾はFN11で切断を狙う
火炎弾の溜めを注意深く観察し仲間に声をかけつつ回避行動

ベ 命尽きるまで戦うよう改造されたのか…?
ヨ このキメラといい 王のミイラといい 随分と良い趣味の方がお相手のようですね

王と王弟が脱出できれば追って脱出
追いかけてくるキメラは遠距離攻撃で撃つ

クォンタム・クワトロシリカ メルキオス・ディーツ
女性 / エレメンツ / 断罪者 男性 / 人間 / 魔性憑き
ルーノ・クロード ナツキ・ヤクト
男性 / ヴァンピール / 陰陽師 男性 / ライカンスロープ / 断罪者
キメラへ攻撃し行動を妨害
王弟と王のミイラ、それを守る味方への被害を防ぐ
回避に専念し始めたら魔法陣を攻撃する等で気を引く
王弟達離脱後は脱出を優先

ルーノは体力半分以下で四神浄光、毒を天恩天賜で回復
王弟の防護が間に合わない場合や劣勢時は禁符の陣で立て直す
余裕があれば味方に合わせキメラへ攻撃、回避を妨害

ナツキは獣牙烈爪突で攻撃
蛇の尻尾は回避しつつ切り落とせるか試し、火炎弾の溜めを見たら味方を巻き込まない為離れて一人で受ける

ウボー達にもキメラと魔法陣の攻撃を頼む
併せて敵の回避を下げる為セパルに幻惑魔法の使用を提案

タイミングを見て王弟へ言葉をかけたい
特にナツキは王弟と王に同情、立ち直ってもらう為声をかける


~ リザルトノベル ~

 地下神殿に放置されたファラオのミイラ。
 兄の変わり果てた姿に、メンカウラーは呆然と膝を折る。
 崩れるように座り込む彼の姿に『アリシア・ムーンライト』は痛ましげに思う。
(王様は……こんな所で亡くなられてたのですね……殿下は、たった1人のお兄様を……)
 メンカウラーに掛けるべき言葉に思い悩む彼女の傍で『クリストフ・フォンシラー』は警戒するように思考する。
(王様と成り代わった後、遺体をこんな所に放置したのか。何の為に? 隠す気が無かった? それとも最初から王弟殿下の心を折る道具にするつもりだった?)
 理由を判断するには、あまりにも材料が少ない。
 だからこそ、今なすべき事を決める。
(何にせよ、放置はできないね。この国の未来のためにも)

 2人のように、今の状況に思う物があるのは他の浄化師も同じだ。

(……悪趣味だな)
 地下神殿の状況を確認し『シリウス・セイアッド』は眉を顰める。
 彼の隣りで『リチェルカーレ・リモージュ』が震えた声を漏らした。
「お亡くなりになっているなんて……」
 メンカウラーの悲痛な様子に、それ以上の言葉を無くす。
 なにを、どうすれば良いのか?
 とっさに思いつかない。
 そんな彼女の背中を押すようにシリウスは、軽く肩を叩いて言った。
「リチェ。まずは脱出を。俺達がやるべき事は、王弟の安全を守ることだ」
 シリウスの言葉に、リチェルカーレは息を呑む。
 そして成すべき事のために、意識を切り替えた。
「そうね。泣く権利は、メンカウラー様に」

 同じように、この場からの退避を考えるのは『ニコラ・トロワ』。

(王は既に亡くなられていたのか……)
 ニコラは王のミイラを見詰めた後、王弟に視線を向け思う。
(王弟殿には気の毒だと思うが、今はここから退避する事が先決だな。こうなってしまっては、この国の未来は王弟殿の肩に掛かっているという事になるのだから)

 ニコラが考えるように、サンディスタムの未来はメンカウラーの動きひとつで大きく変わってくる。
 だからこそ、王弟の安全を守らなければならない。
 この場から退避するため、王弟に声を掛けようとした時だった。
 周囲を囲むように口寄せ魔方陣が展開される。

 それに気付いた『クォンタム・クワトロシリカ』は言った。
「ニホンに興味深い歌があったな……行きはよいよい、帰りは怖い、だったか。侵入は容易でも脱出しにくい、と」
「……うん、クォン。それフラグってヤツじゃない?」
 クォンタムの言葉に『メルキオス・ディーツ』が返す間に、口寄せ魔方陣から4体のキメラが現れる。
「……この歌、ニホンだけの歌じゃないんだな」
「こういう万国共通は要らないんたけどね」
 言葉を交わしながら、即座に戦闘体勢を取る2人。

 同じように、皆も戦闘態勢を取る。
 だが王弟は、呆然自失のまま。
 キメラ達は、状況を把握しようとしているかのように、じっと動かない。
 この隙に、キメラへの警戒をしつつ、王弟に声を掛けていく。

「しゃんとしてください! 今ここで立ち止まってどうにかなりますか!」
 王弟に『ヨナ・ミューエ』は、鼓舞するように声を掛ける。
 そんな風に声を掛けることに、後ろめたさを感じながら。
(こんな言い方は、ずるいのは分かっています)
 けれど今、この場所この瞬間に、王弟を失う訳にはいかないのだ。
 これまでの人生で、王弟に刻まれた克己という意志を信じ、ヨナは声を掛け続ける。
 その声が届いたのか、王弟は苦悩を飲み込んだ表情のまま、掠れた声で言った。
「兄上を……兄上を、連れて行かないと……」
 呟くように言う王弟の姿は酷く儚い。
 そんな彼に、皆が言葉を掛けようとする中、『セシリア・ブルー』は行動で王弟の心を動かした。
「しっかりなさいませ」
 セシリアは王弟の前に出ると、両手で彼の頬をぱちんと叩く。
(セラ!?)
 セシリアの横に居た『リューイ・ウィンダリア』が、彼女の行動にぎょっと目を見開いていると、セシリアは王弟の頬を手で挟んだまま、ぐいっと視線を自分に合わせ言った。
「弟君がそんな状態で、どうするんです」
 視線を真っ直ぐに合わせ、王弟の眼差しに意志の輝きが戻るのを確認すると、セシリアは頬を滑らせるようにして手を離し、ふわりと笑顔を浮かべ続ける。
「兄上様を外へお連れしましょう。お手伝いします」
 セシリアの言葉に合わせるようにして、皆も王弟に言葉を掛ける。
「メンカウラー様、陛下を……お兄様をここからお連れしましょう」
 静かな声で、『ヴィオラ・ペール』は王弟に呼び掛ける。
「それができるのは貴方だけです、分かりますよね?」
 王弟を奮い立たせるため、ヴィオラは声を掛け続ける。
「できないとは言わせませんよ。さあ、立って下さい、ここから出ますから」
 にっこり微笑みつつ有無を言わせぬ口調で告げる。
 そうした女性陣の呼び掛けを見ていたニコラは、小さく苦笑する。
(浄化師の女性達は強いな)
 彼女達の強さに負けないよう、ニコラは王弟達を護れる位置に動く。
 そして呼び掛けを受けた王弟は、自分の意志で立ち上がり、歯を噛みしめ思いきり自分の頬を殴った。
「――すまない。心配を掛けた」
 自分自身に活を入れた王弟は、はっきりとした声で言った。
「兄上を連れて、この場から退避したい。力を貸して欲しい」
 これに皆は返す。
「もちろんだ! 王様も一緒に絶対連れ帰る!」
 力強く返したのは『ナツキ・ヤクト』。
 その言葉には、心から王弟の力になってやりたいという想いが感じられた。
(ほっとけねぇよ、メンカウラーさんも王様もさ)
 それは自身の過去から来る思いでもある。
(大切な人を失う辛さは俺も分かってるつもりだ。でも今のままじゃ本物の王様だって浮かばれねぇだろ)
 失われてしまったファラオのためにも、今を生きる王弟を守りきる。
 誰かのために全力を尽くそうとするナツキに、パートナーである『ルーノ・クロード』も、賛同するように言った。
「王と共に、必ず貴方を帰還させます」
 それは感情だけでなく、この先のサンディスタムのことを思っての言葉。
(もし王弟殿を失えば、国が陥る混乱を治められず人々はより苦しむ事になるだろう。それは私も望んでいない)
 今この場だけではなく先の大きな流れも見据えながら、成すべき事を成すべく、最適の配置に動く。
 浄化師達は、撤退のための配置に就く。
 中央で守られるのは王弟。
 彼は兄であるファラオのミイラに視線を向けた後、必ず連れて帰るのだという強い意志を込め前を見据えている。
 そんな王弟を見て『キョウ・ニムラサ』は思う。
(自分も、同じ状況なら、王弟さんと一緒のことをしたでしょうね)
 姉と兄、2人ともが好きな彼は、メンカウラーに共感する。
 だからこそ、無事に逃がしたいとも思う。そのためにも、戦う意志を心に灯す。
 彼と同じように、メンカウラーの行動に思う所があるのは『サク・ニムラサ』も変わらない。
(うーん、すごいわねぇメンカウラー様。これが兄弟愛という物かしら? もしそれなら守りたい所ね)
 兄と弟の居るサクラとしては、思う所がある。
 だが、それに流されることなく、彼女は戦闘に意識を切り替える。
(まずは戦って生き延びないと。敵を殺す。目的は成し遂げる。それが今すべきこと)
 狩人として笑みを浮かべるサクラは、狙撃銃に弾丸を装填。
 同時に、アライブスキルをいつでも使用できる準備に入る。
「……」
 無言で集中するサクラに、キョウは言葉を掛ける。
「……サクラ、それ……」
 サクラが使おうとしているのは、障害物を利用した跳弾を叩き込むトリックショット。
 神殿内は、目立った障害物は無い。
「障害物は自分で作るものよ!!」
「そうですね。良し、では、守りましょう!」
 気合を入れ、いつでも動ける準備が出来る。
 それより僅かに早く、敵は動いていた。

 キメラの2体が出口に向かい、逃がさぬというように立ち塞がる。
 残りの2体は左右から挟むような位置に就き、挟撃に移ろうとしていた。
 それよりも速く、浄化師は動く。
 アリシアとリチェルカーレが、先陣を切る仲間に禹歩七星を掛ける。
 速度を上げた所で、リューイが攻撃力の強化に動いた。
「戦踏乱舞を掛けます」
 士気を高揚させるステップを踏み、仲間の戦闘意欲を引き上げる。
 リューイだけでなく、同行しているセレナも戦闘乱舞。
 戦闘能力を上げ、皆は動く。
「ウボー、セレナちゃん、援護を頼む。セパルちゃんには、幻惑魔法を頼めるかな?」
 クリストフは同行する3人に指示を出す。
 これに応える3人。
 幻惑魔法は、距離が離れると無理だが、今回程度なら問題ないと、味方全員に掛ける。
 先陣を切る浄化師と共にセパル達も跳び出そうとし、そこにリチェルカーレが声を掛ける。
「無茶はしないでくださいね」
 これに礼を返すセパル達。
 そして準備を整えると、戦闘を開始する。
 
 左から向ってきた1体には『ベルトルド・レーヴェ』が最初に踏み込む。
 重心を落とし、一気に距離を詰める。
 敵は避けることなく逆に噛み付こうと跳びかかって来た。
 それをベルトルドは回避。
 敵の噛み付きが届く寸前で踏み込みを止め、カウンターで爆裂斬を叩き込む。
 刃の如く鋭い手刀が敵の顎を切り裂き、切り裂くと同時に爆破。
 顎の一部が吹っ飛ぶ。
 にもかかわらず、敵の戦意は落ちることなく、防御を無視した攻撃を重ねてくる。
 そこにヨナの攻撃が叩き込まれた。
 オーパーツグラウンドを起動し、魔力で形造られた無数の武器を叩き込む。
 身体を切り刻まれながら、敵は傷の全てを無視して襲い掛かってくる。
「命尽きるまで戦うよう改造されたのか……?」
「このキメラといい、王のミイラといい、随分と良い趣味の方がお相手のようですね」
 命を無視した敵。
 だがそれならば、それに合わせた戦いようはいくらでもある。
 急所を集中的に攻撃していく。
 そこに追撃を掛けるのはナツキだ。
 ナツキは敵の間合いに一気に跳び込むと、渾身の獣牙烈爪突を放つ。
 獣の如き激しさで突進し、その勢いを込めた刺突は深々と突き刺さる。
 そこから間髪入れず横なぎに斬り裂く。
「ガアアッ!」
 怒りに吠える敵は、毒を持った尻尾を振るう。
 それを避けるナツキ。
 避けた所で、敵は口を大きく開け、炎の塊を生み出す。
「こっちだ!」
 仲間に攻撃が向かわないよう、あえて挑発すると、味方から離れた位置に移動。
 そこに放たれる炎弾。
 直撃は避けるも、余波の炎を受ける。
 そこに敵は追撃を掛けようとしたが、ルーノが許さない。
 ナツキが敵の注意を引いてくれていた間に距離を詰めると、禁符の陣を発動。
 拘束と封印をもたらす術を込めた呪符の効果で、敵は身動きが取れない。
「今だ! 攻撃してくれ!」
 ルーノの呼び掛けに応え、ナツキとベルトルド、そしてヨナが集中攻撃。
 敵の1体は倒された。

 同様に、右から襲い掛かって来た敵も討伐される。

 勢い良く跳びかかって来る敵に、シリウスは恐れを見せず踏み込む。
 鋭い前足の一撃を危なげなく躱すと、一気に間合いに踏み込みソードバニッシュ。
 閃光のような斬撃は、深々と敵の足を斬り裂いた。
 だが敵は、痛みなど感じていないのか、今まで以上の激しさで襲い掛かってくる。
 その全てをシリウスは避け続け、注意を引く。
 敵の意識はシリウスに集中し、その隙を逃さずクリストフが攻撃。
 シリウスが与えた傷を深くするように、ソードバニッシュを叩き込む。
 同じ箇所を斬り裂かれ、敵は動きが鈍る。
 そこにシリウスとクリストフが連携攻撃を叩き込む。
 次々、敵は斬り裂かれていく。
 すると敵は、動きを止める。
 勝機と見て追撃を掛けようとした時、毒の尻尾が放たれる。
 だが、無駄。
 シリウスとクリストフを援護するように動いていたセパル達が、毒の尻尾を破壊。
 不意打ちも抑えられた敵は、シリウスとクリストフが左右から放ったソードバニッシュで、首を切り落とされ絶命した。

 左右の敵を倒し、先陣を切った浄化師は出口を塞ぐ2体の元に走る。
 彼らが敵を抑えてくれている間に、王弟を護衛する浄化師達は動き出した。

「走れるね? それなら良かった。無理なら、お姫様抱っこで抱えていくところだったよ」
 王弟を守る位置に就きながらメルキオスは、あえて軽口を叩く。
 感情が高ぶり奮起してくれれば、それだけ退避が楽になるからだ。
 その意図にクォンタムは気付く。
(メルキオスがふざけてるのは何時もの事だが、あぁやって弟君の気を紛らわせているんだろう)
 彼がそうした態度を取るのは、サンディスタム出身であることが大きい筈だ。
(奴なりに色々と思う事があるのだろう。多分この面子の中で唯一、この国の出身で、この国のある程度高水準の生活と最底辺の生活を知る男だ。弟君にとって得難い友になろうさ)
 それは愛国心というには砕けているが、郷里を想う気持ちには違いない。
 その気持ちを守るように、クォンタムはファラオのミイラを大事に運ぶ。
 自分のマントをかけて横抱きに持ち上げる。
「クォン、任せたよ」
「ん、任された」
 2人のやり取りを見ていた王弟が声を掛ける。
「兄上を頼む。そして護衛も頼む。勇猛果敢な青衣の民の力を見せて欲しい」
「へぇ、青衣の民を知ってるの?」
 メルキオスが聞き返すと王弟は返す。
「可能な限り国内全ての部族は調べている。彼らと共になければ、国内は部族単位で分裂するから。そうさせないためにも、ここを生きて逃げ延びなければならない。頼む」
 これにメルキオスは返す。
「肉親が殺された程度でぼけっとしてるから期待してなかったけど、これからは君がこの国背負うんでしょ? 苦しみ抜いて生きろ。そして民の礎となれ」
 これに王弟は力強く返し、脱出が始まる。

 リチェルカーレとアリシアが禹歩七星を掛けてくれたお蔭で、移動速度が上がった状態で前に進む。
 出口を塞ぐ2体は、先陣を切った仲間の活躍で討伐寸前。
 このまま行けば脱出できる。
 そう思われた時、口寄せ魔方陣から新たなキメラが4体現れた。

「先に進んで下さい! 抑えます!」
 王弟護衛に就いていた浄化師から、真っ先に跳び出したのはリューイ。
 その後を追うように、ニコラが前に出る。
「右はこちらで抑える。左を頼む」
「はい!」
 ニコラの呼び掛けに応え、リューイは左手の敵に向かう。
 敵は前足を使った薙ぎ払いを繰り出すも、リューイは回避。
 魔性憑きとしての身軽さを活かし、敵を翻弄するように動く。
 敵の動きを読みながら斬撃を繰り出すも、深く踏み込むことはしない。
 あくまでもリューイの目的は敵の抑え。
 王弟達に近付けず、この場で牽制していれば、先陣を切った仲間が援護に来てくれる。
 仲間を信じ時間稼ぎを確実にこなしていく。
 そうした動きはニコラも同じだ。
 手にした両手斧を大きく振るい、敵の前進を防ぐ。
(私一人で倒す必要はない。だが、この先は通さん)
 身体を張って、敵の動きを止めた。
 これに敵は、口を大きく開き炎弾を生み出すと、王弟達に向け放とうとする。
「させない」
「させるか」
 リューイとニコラは傷を受けるのも覚悟して前に踏み出す。
 双剣で斬り裂き、両手斧を叩きつけた。
 これにより敵の攻撃の狙いはズレ、直撃は避けられる。
 だが余波が襲い掛かる。
 それをヴィオラとセシリアはペンタクルシールドで受け止め、王弟への被害を食い止める。
「セラ!」
「ヴィオラ!」
 被害を受け止めた2人にリューイとニコラの2人は意識が向かいそうになる。
 それをセシリアとヴィオラの2人は止めた。
「こっちは大丈夫。目の前の相手に集中しなさい」
「大丈夫です。こちらを気にせず集中してください」
 2人の言葉に応えるように、リューイとニコラは全力で敵の抑えを成し遂げていく。

 2体は抑えられ、残りの2体も、護衛組の活躍で動きを止める。

「前に出ます!」
「了解。援護するから、安心しなさい」
 キョウが敵を抑えるように前に出る。
 手にした呪符に魔力を込め活性化させ、蠱霧散開の準備に入る。
 それに気付いた敵は、真っ直ぐに襲い掛かってきた。
 迎撃するため構えるキョウ。
 敵はキョウの動きに合わせ跳びかかろうとし、その寸前、横に跳ぶ。
 同時に響いたのは銃声。サクラの狙撃を避けた敵は、そのまま跳び込んでくる。
「舐めてくれるわね」
 回避など容易いと言うように跳び込んでくる敵に、サクラは目を細めるとトリックショットを放つ。
 狙いは床。
 浅い角度で放たれた弾丸は、床を跳弾し予想外の角度で敵に命中。
 前足を撃ち抜かれた敵は動きが鈍り、そこを逃さずキョウは蠱霧散開を放つ。
 蠱毒の呪詛は地を這うように進み敵に命中。
 命中箇所を毒で黒く染め傷を与えた。
「効いてますね。この毒の効果って、魔方陣にも効くんですかね?」
「気になるならやれば良いと思うけど?」
 しかし傷を与えた敵が変わらず襲撃して来るので、その余裕はない。
 姉弟の連携で、王弟に近付けさせないよう死守する。

 これで敵の3体は抑えられる。
 そして残りの1体も確実に抑えられていた。

「援護、します」
「ありがとう、シアちゃん」
 アリシアとリチェルカーレが連携して敵を抑える。
 先に前に出るのはリチェルカーレ。
 狙いは禁符の陣。
 禁符の陣は、敵に近づかなければ掛けることが出来ないので使用には危険が伴うが、アリシアの援護が助けとなる。
 リチェルカーレが前に出て、敵の注意を引いてくれている隙を逃さず、アリシアは鬼門封印を放つ。
 これにより機動力を削がれた敵は、リチェルカーレの接近への対処が一手遅れる。
 アリシアが作ってくれた猶予を逃すことなく、リチェルカーレは禁符の陣を発動。
 敵は完全に動きが止まり、炎弾を放つことすら封じられる。
 そこにアリシアは攻撃。禁符の陣の効果が切れる所を見計らい、再度リチェルカーレは掛ける。
 敵は何も出来ない。どうにかしようとするなら、リチェルカーレの魔力切れを待つしかないが、彼女の所有魔力は多い。
 反撃をすることもできず抑えられた敵は、駆けつけてきたシリウスとクリストフに倒された。
 
 他の敵の元には、ヨナとベルトルド、そしてルーノとナツキ、あとはセパル達が向かい討伐する。
 一端敵の全てを倒した所で、また口寄せ魔方陣から敵が現れる兆候が発生。
 護衛組は敵が現れる前に全力で出口に向かい、残りが殿を務める。
 ヨナとベルトルドは、セパル達と共に口寄せ魔方陣に攻撃。
 それにより敵の注意を引きつけると、セパル達と連携して、近付いて来た敵に最大火力の攻撃を叩きつけ瞬殺する。
 残りの敵も、シリウスとクリストフ、そしてルーノとナツキが迎撃し倒すと、新たな敵が現れる前に脱出を成功させた。

 秘密の通路を抜け外に。
 移動すると同時に、アリシアは周囲を警戒する。
「どうしたの?」
 クリストフの問い掛けにアリシアは返す。
「キメラが、出てくるのがあまりにも、タイミングが良すぎて。誰か、見てるでは、という気がして……」
「……ああ、確かに。今の所、誰かが来る気配はないけど、周囲の警戒はしておこう」
 周囲を警戒するクリストフ。彼に協力するように、シリウスも警戒に動く。
 クリストフの死角になる位置で警戒し、皆の護衛を意識した動きをした。
 そうして守られる中、リチェルカーレは王弟に言葉を掛けた。
「きっと、お兄様はお喜びです。弟君が迎えにきてくれたのだもの」
 これに王弟は涙を飲み込みながら返す。
「……ありがとう。貴方達のお陰で、兄上を独りにせずに済んだ。貴方達の助けを無駄にしないよう、国の乱れを正す」
 思いつめた声で言う王弟に、セシリアは柔らかな声で返す。
「ご自愛を、忘れないで下さい。メンカウラー様が怪我をしたら、兄上様、きっと悲しまれます」
 この言葉に王弟は息を飲むような間を空け応えた。
「……ああ、そうだな。気を付けるよ」
 それは悲しげで儚く、自分を抑えているように見えた。
 悲しみを飲み込む王弟に、ヴィオラは言った。
「今すぐには、難しいかもしれません。でも、悲しい時は、泣いても良いんですよ」
 ヴィオラの言葉に王弟は、不器用に笑みを浮かべ返す。
「いつか、そうするよ。けれど、その前に、国の混乱を正す。それがきっと、兄上への手向けになるだろうから」
 彼の決意に応えるように、ナツキが力強く言った。
「手助けが欲しければ言ってくれよな! 力になるからさ!」
 王弟に視線を合わせ続ける。
「今のままじゃ、ニセモノの王様がしてる悪い事も、国の人には本物の王様の仕業だって誤解されちまう。それを止めなきゃなんねぇもんな!」
 ナツキの言葉に賛同するように、ルーノも言った。
「この国に住む人々の為にも王の名誉を守る為にも貴方の力が必要です。立ち向かうというのなら、我々も力になりましょう」
「ありがとう……その時は、ぜひ頼むよ」
 決意を見せる王弟に、キョウとサクラは言葉を交わす。
「きっと、大丈夫ですよ」
「ええ。いざとなれば私達も力を貸すんだから。大丈夫に決まっているわ」
 皆が声を掛ける中、サンディスタム出身の2人も声を掛ける。
「何かあったら言いなよ。うちの部族も力になれるかもしれないし」
 メルキオスの言葉に頷く王弟にヨナは思う。
(今ここを切り抜けられても膨大な諸問題が王弟殿下にのしかかるのでしょうね)
 なにか言葉を掛けられればと思っていると、王弟が言った。
「皆の助けを借りて国を良くしようと思う。青衣の民のような有力部族や、この国に移民して力を尽くしてくれる者も居る。皆の言葉を聞き、まとめていきたい」
「それは――」
 王弟の言葉にヨナは返しそうになる。
 移民としてこの国に根付いたルーツを家族に持つヨナとしては他人事ではない。
 だが、巧く言葉が出て来ないヨナに、王弟は言葉を掛ける。
「難しいことだとは思う。けれど今も、多くの人達が動いてくれている。商人やさまざまな部族、そして移民として根付いてくれた人達。彼らの中には、今回の騒動を治めようと動いてくれている人達も居るんだ。もし協力できることがあれば、手助けしてあげて欲しい」
 王弟の言葉に、ヨナは両親のことが心に浮かぶ。そして王弟に応えるように言った。
「この国の人々と協力して出来ることがあれば力をお貸しします。必要なことがあれば頼って下さい」
「ありがとう」
 静かに笑みを浮かべ返す王弟だった。

 かくして指令は終わりをみせる。
 王弟だけてなく、ファラオを残さず連れて脱出できたのは、この国の今後の流れを大きく動かすきっかけとなっただろう。
 浄化師達のお蔭で、国が大きく立ち直る始まりとなった。
 そう思える活躍だった。


【熱砂】地下神殿から王弟を逃がせ!
(執筆:春夏秋冬 GM)



*** 活躍者 ***

  • リューイ・ウィンダリア
    僕にできることがあるのなら
  • セシリア・ブルー
    あなたの望む通りに生きればいい

リューイ・ウィンダリア
男性 / エレメンツ / 魔性憑き
セシリア・ブルー
女性 / マドールチェ / 占星術師




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2019/11/01-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[27] ニコラ・トロワ 2019/11/08-21:44

了解した。
それでは脱出したら、その場で出入口を死守しておこう
万が一、キメラが出口へ向かってきても対処できるように、だな。
 
 

[26] リューイ・ウィンダリア 2019/11/08-21:36

ぎりぎりで失礼します。
なんとかプラン、まとまりそうです。
先にあがっているように、セラはヴィオラさんと連携、ペンタクルシールドで護衛。
僕は初手で、メインアタッカーを中心に戦踏乱舞で攻撃力を上げる…としてあります。
少しでもお役に立てばいいんですが。
出発まで掲示板は確認するので、何かあれば教えてください。  
 

[25] リチェルカーレ・リモージュ 2019/11/08-20:36

何度も失礼します。
浄化結界、周囲3マスの相手に使えるならシアちゃんだけで大丈夫かしら?
解毒の四神浄光・壱を持っていくことにしますね。  
 

[24] リチェルカーレ・リモージュ 2019/11/08-20:14

わたしも魔法陣破壊は可能なら、くらいで思っていました。
最優先は王弟殿下を連れて脱出することですものね。

シリウスは引きつけ目的で動く、と。わたしはいつものように、回復と支援、余裕があれば九字での攻撃支援です。
持っていくスキルは天恩天賜Ⅲ、兎歩七星、浄化結界…シアちゃんが鬼門封印を持っていくなら、禁符の陣を持っていきますね。

出発まであと少しです。がんばりましょう。  
 

[23] クリストフ・フォンシラー 2019/11/08-18:31

ああ、ごめん、俺が魔方陣どうするとか言い出したからちょっと混乱した?
とりあえず、キメラを対処してるときに余裕があれば魔方陣も破壊できればなあ、とは思ってたけど、
王弟殿下達が脱出できたら、まあ、あとはいいのかな、とは。
最後まで破壊できれば一番良いような気はするんだけど、そこまで求められてるかどうか……

てことで、うん、戦闘中に余裕があれば魔方陣破壊も狙ってみる、無理そうなら
王弟殿下の脱出を待って脱出、でいいかもしれない。
なので、ニコラは戻って来なくてもいいと思う。混乱させて悪かったね。

持っていくスキルは、俺は攻撃するしかないから置いといて、
アリシアは、天恩天賜Ⅲ、兎歩七星、鬼門封印、浄化結界 にしようかと言っていたよ。  
 

[22] ヨナ・ミューエ 2019/11/08-17:53

私達は、キメラと魔方陣への攻撃はしますが、護衛班が王と王弟様を脱出させれば、追って離脱するつもりでいました。
魔方陣への攻撃はルーノさんの言っていた意図と同じです。壊せるなら尚良し、ですけどね。せめて1つや2つくらい。

セパルさん達への指示というのは、メタなイメージになるんですが、
NPC主体で動かそうと思うとクリティカルな結果には繋がりにいのではと思っているので、
完全破壊を目的とするならそれを主目的におく人間が必要かな、と。

キメラや魔方陣をどこまでどうするか意見が分かれるのであれば、あまり気は進まないのですが
私達が脱出する際、通路の出入り口を破壊して、自然と息絶えるのを待つ、ですかね。
キメラはその性質上、ひどく寿命の短い生物なので…。

一応プランにやむを得ない手段として組み込んであります。  
 

[21] ルーノ・クロード 2019/11/08-07:20

強い希望があれば別だが、王弟殿とミイラが避難できれば魔法陣を無理に全て壊す必要はないと思う。
脱出が優先の方針でもある事だしね。

発言の意図を間違えて読み取っていたらすまない、もしウボー達のみが魔法陣の破壊に回るということなら、破壊するには火力が足りないかもしれないな。
ウボー達にも魔法陣攻撃に向かってもらう事自体はかまわないし、主目的が陽動であればそれでもいいが。

スキルについても知らせておくよ。
私は毒回復の「四神浄光・壱」、体力回復の「天恩天賜Ⅱ」、拘束封印付与の「禁符の陣」を準備していく予定だ。
この中で、特に禁符の陣は消耗が大きく連発はできない。
敵の追加召喚に対応しきれなくなった時や護衛側へ敵が殺到しようとした時などの緊急時のみ使う形になると思う。  
 

[20] ニコラ・トロワ 2019/11/08-00:03

ふむ。では私もヴィオラと一緒に護衛組に入るとしよう。

魔方陣だが、魔女のセパルやウボー達に破壊に回って貰ってはどうだろうか。
幻惑の魔法を掛けた後、キメラの意識が迎撃組に向いてる隙に、だな。

魔方陣を破壊しきるまで攻撃を続けるのなら、私達護衛組も、王弟殿を避難させたら戻って破壊に加わった方がいいかもしれないな。  
 

[19] リューイ・ウィンダリア 2019/11/07-22:33

班分けありがとうございます。人数もちょうど良さそうですし、僕もセラと一緒に護衛側でですね。
あ、ヨナさん、お気遣いありがとうございます。
体格のよい人が運んだ方が安全なのはもちろんですよね。僕は僕にできることほするので、大丈夫です。
戦闘の流れは上がっているもので了解です。  
 

[18] ルーノ・クロード 2019/11/07-22:01

思い違いがなくてよかった、ありがとう。
幻惑魔法は頼りすぎない程度に、一応言うだけ言ってみよう。

>魔法陣
「かなり頑丈」という事だし、魔法陣を壊すにはある程度苦労すると思う。
それでも、狙ってみる価値はあると思う。
増援阻止の為に魔法陣を壊すという理由ももちろんあるが、上手く行けば出口へ向かっている護衛組から目を逸らす効果も期待できる。

どうやらこのキメラは知能が高いらしい。待てば増援が召喚される事も理解しているようだ。
その増援を呼ぶ魔法陣を壊そうとする者がいれば、阻止する為に護衛組から離れてくれるかもしれない、と思ってね。
…とはいえ、あまり残り時間がない所だ、反対意見があれば無理せずキメラを優先するのも手だ。  
 

[17] ヨナ・ミューエ 2019/11/07-16:39

私達の動きの流れはルーノさんのイメージで合っています。そのように出来ればと思います。

護衛も、クォンタムさん達にペンタクルシールドを使えるお二方が回って頂けるのは心強いです。
あ、っと…リューイさん、すみません、体格の事を言うつもりは…。
男性を運ぶというのを前提、と考えてイメージで発言をしてしまいましたけど、
持ち上げたりするほかにも出来る事は色々あるかと思います、ので。はい。

セパルさん達にも迎撃をお願いするとして、幻惑の魔法はお願いすればある程度やってくれそうです。
鬼門封印とアプローチは違っても結果が同じようなら良い訳ですし。
……敵にしか見えない、私達の分身か残像のようなものを出して貰って混乱させる、とか。
鬼門封印と幻惑魔法で相乗効果が出るのが理想です。

魔方陣を壊せば増援を断てますから、壊しておきたい所ですが、キメラとの兼ね合いでしょうね。
キメラは不利だと時間稼ぎで逃げるようですし、追いかけるよりは魔方陣を攻撃しても良いかなと。  
 

[16] リチェルカーレ・リモージュ 2019/11/06-23:33

運び役の方はメルキオスさん達で決定でしょうか?よろしくお願いします。

ルーノさん、隊列の纏めをありがとうございます。
わたし達はこれで問題ありません。
王弟殿下や護衛の皆さんが安全に動けるよう、頑張りますね。
セパルさんは、幻惑魔法とってもお上手ですけれど…「使う」と明記がありませんし、鬼門封印や禁符の陣を陰陽師で分担した方が確実な気はしますね。
王弟殿下と陛下を守る魔法か、狙われにくくする魔法があればお願いできたらなとは思うのですが。
行動方針はルーノさんがあげてくださったような感じでいました。
魔法陣、どうなんでしょう。壊せればこしたことはない気がするのですが…。  
 

[15] クリストフ・フォンシラー 2019/11/06-22:02

>ミイラと王弟殿下の運び役
先に言ってたニコラとナツキがそれでいいんなら、いいんじゃないかな?
志願してくれてるわけだし、メルキオス達に頼んでいいと思う。

>ウボー達
うん、キメラ迎撃班に入って貰うのでいいんじゃないかな。
それだと運び役と護衛役で3組、迎撃の方に5組+1人だし、ちょうどいいんじゃと。
と言うか、リューイとニコラはパートナーと一緒って事で大丈夫かな?

サクラちゃんとキョウの顔出しが無いけど、これなら彼らがどっちに入っても良さそうな感じだよね。

>行動方針
ルーノの認識でいいと思う。
もし王弟殿下と王様のミイラを避難させた後に、キメラと魔方陣の殲滅をするならまた別だけど。
この魔方陣って、放置しといて大丈夫だろうか。
壊しといた方がいいのかな。  
 

[14] ルーノ・クロード 2019/11/05-23:43

では、王のミイラと王弟についてはクォンタムとメルキオスに任せてもいいだろうか?
こちらはキメラの対応に回ろう。
まず護衛組の道をひらく事を第一に行動しようと考えているよ。

兎歩七星はありがたい、よろしく頼む。
出口までは、速力4の通常の移動だと確かに最短10Rかかる。
ただし、攻撃せず移動のみに行動を特化(「全力ダッシュ」を宣言)するなら、更に大きく進める。
王のミイラや王弟殿を抱えて連れていくならどのみち攻撃はままならないのだし、脱出経路をひらいた後の一つの手として考えておいてもいいかもしれないね。

ウボー達については迎撃組に賛成だ。
セパルが以前使っていた幻惑系の魔法を使って敵の回避を下げてくれるのであれば鬼門封印の手間が省けるが、
事前情報に載っていない以上、確実ではないか…

それから、行動方針としては全員一丸となって行動するというより、
王弟殿と王のミイラを護衛組がいち早く脱出させ、迎撃組が一歩遅れてそのあとに続く事になる、というイメージで間違いないだろうか?
現在宣言がある分の役割分担は以下の通りになっているが、バランスはどうだろう。
見たところ、キメラの迎撃がやや厚めになっているね。

■護衛
クォンタム、メルキオス(※ミイラ運搬、王弟の移動補助)
リューイ、セシリア
ニコラ、ヴィオラ

■迎撃
クリス、アリシア
ヨナ、ベルトルド
リチェルカーレ、シリウス
ルーノ、ナツキ  
 

[13] リチェルカーレ・リモージュ 2019/11/05-23:04

王弟殿下、最初は自失状態ということですけれど…お強い方ですもの、わたし達が声をかけることで少しでも気を取り直して下さると良いのですけれど。

あ、護衛組と迎撃組で分けるという案に賛成です。シリウスは迎撃側に回ると。
わたしも…攻撃はあまりできませんが、支援はできると思うのでまずはそちらに手を挙げさせて頂きますね。
シアちゃん、声をかけてくれてありがとう。兎歩七星、一緒にかけたいと思います。
シールドの使えるヴィオラさんやセシリアさんが護衛に付いてくださるのもいいと思います。
ウボーさんたちはどうしましょう。迎撃側を手伝ってもらいましょうか?  
 

[12] ニコラ・トロワ 2019/11/05-22:16

確かに全員で逃げても仕方ない。足止めの為に前に出る者は必要だと思う。
最初は4体という事だし、増える事も考えると5~6組は前に出ていた方がいいだろうか。

運び役は、他にやりたいという者がいるのなら任せても構わない。
我々はヴィオラがシールドを張れるので運び役に適しているかなと思ったのだが、
他の者が運ぶのなら、セシリアと同じく、ヴィオラをシールド役の護衛としてそちらへ付けよう。  
 

[11] リューイ・ウィンダリア 2019/11/05-21:48

ご兄弟の脱出に全員が護衛に回るより、何人かは迎撃を…というのはいいと思います。
放っておくと、どんどん敵が増えてしまうのですよね?
狭い空間に敵が溢れてくると、脱出も難しくなってしまいそうですし。
速力を上げていただけると助かります。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。
セラはペンタクルシールドが使えるので、護衛の方に行くと言っています。
僕は人数的にお役に立てる方に、入れて頂きたいと思います。

>お二人を運ぶ人
ナツキさんと二コラさん、それにクォンタムさん達が名乗りを上げてくれていますね。
王弟殿下もファラオも、大人の男性ですから、それなりに力がいるでしょうから、運ぶのは体力や力がある方のがいいのかなと僕も思いました。(自分の大きさを見直してしょんぼりした)
 
 

[10] クォンタム・クワトロシリカ 2019/11/05-20:50

断罪者のクォンタムと、魔性憑きのメルキオスだ。よろしく頼む。

うん、ミイラも連れて脱出で異存はない。
兎歩七星をかけていただけるならありがたい、是非に頼む。
……。
近日中にもう一つレベルが上がるとは思うが、それでも私とメルキオスが一番レベルが低い。
戦闘に参加してもそれほど戦力にはならんだろう。
だから、他に志願者が居なければ、王弟とミイラ、運ぶの私たちがやろうかと思うのだが…どうであろうか。  
 

[9] ヨナ・ミューエ 2019/11/05-20:34

王とメンカウラー様を脱出させるのが優先事項として、浄化師全員が護衛にまわるよりは、
何人かは魔方陣の手前で迎撃の構えや魔方陣破壊を試み、物理的に足止めをしておきたいですね。
足止めをしている間にお二人が出口に到達する頃に、残っている浄化師も引き上げるのが良いかなと。
私達二人は迎撃にあたるのが適任と思いますので、ひとまずその方向で挙手をしておきます。

お二人を運ぶのは力や体力のある方にお願いできれば、助かります。
メンカウラー様はなんとか鼓舞して、この場を乗り切って頂ければよいのですが…。  
 

[8] クリストフ・フォンシラー 2019/11/04-22:58

定員になってるね。改めてみんな、よろしくどうぞ。

6組が王様のミイラも運ぶという方針に賛同してるし、運ぶ方向で考えようか。
そして、そうだね、王弟殿下も運ばないとダメかな、この状態じゃ。

キメラは全部退治できれば一番良いとは思うんだけど、今回の仕事は王弟殿下を守って逃げる事だから、
まずはそこを優先、って事で、キメラに対応しつつ出口まで逃げる、でいいと思う。

敵があまり増えないうちに出入口へ辿り着かないといけなさそうだし、みんなに兎歩七星を掛けると、アリシアが言ってる。
一人じゃ一度で全員に掛けられないので、リチェちゃん、一緒にやって貰えるかな?

あとは鬼門封印か禁符の陣で敵を足止めして回避できないようにし、
王様と王弟殿下を背負ってる二人にキメラが近づけないように…かな。
あ、俺は前に出てキメラへ攻撃しようと思ってる。

出口まで40マス、か……速力4で10Rかかるって事、かな、これは。
兎歩七星が掛かってれば、もう少し早く行けるかな。  
 

[7] リチェルカーレ・リモージュ 2019/11/04-21:00

リチェルカーレです。パートナーはシリウス。
アライブは陰陽師と断罪者です。
どうぞよろしくお願いします。
わたし達も、皆さんと同じで陛下も一緒にお連れしたいです。
このままお別れしてしまうのは、あまりにも悲しいですもの。

魔法陣を壊したり、キメラの退治もできればしたいですけれど…まずは王弟殿下と陛下のご遺体を無事に外へお連れすることを優先と思うと、わたしも護衛をしながら入口へ向かうので良いと思います。  
 

[6] リューイ・ウィンダリア 2019/11/04-16:47

魔性憑きのリューイと占星術師のセシリアです。どうぞよろしくお願いします。
僕たちも、ファラオのご遺体も運びたいと思います。
ちゃんと弔ってさしあげたいです。
 
 

[5] ニコラ・トロワ 2019/11/04-15:57

拷問官のニコラ・トロワと占星術師のヴィオラ・ペールだ。
よろしく頼む。

ミイラは放置しても良い事はなさそうだし、運ぶ事に賛同する。
それと王弟殿がまともに行動できないようなので、こちらも誰かが運んだ方がいいのではと言う気がするな。
何なら私が王弟殿かミイラ、どちらかを背負っていくが。

キメラは一定時間ごとに増えるようだから、全部倒そうとすると魔方陣も破壊せねばならんし、大変な事になりそうだ。
襲ってくるのを退治しながら入り口へ向かって走るのでいいのではないだろうか。
ミイラや王弟殿を運ぶと仮定して、二人戦闘できない者が出るとなれば尚更だと思う。  
 

[4] ヨナ・ミューエ 2019/11/04-13:51

狂信者ヨナ・ミューエおよび断罪者ベルトルド・レーヴェ。皆さん宜しくお願いします。

…思う事は色々ありますが、まずはこの場を脱出することを優先しなければなりませんね。

ここにいらっしゃるのが本物のカフラー王ならば、一緒にお連れしましょう。
王の名誉の為にも、メンカウラー様の為にも。  
 

[3] ナツキ・ヤクト 2019/11/04-12:57

断罪者のナツキ・ヤクトと、陰陽師のルーノ・クロードだぜ。
よろしくな!

だよな、置いてけねぇよな。
王様のミイラはもちろん連れてく、なんなら俺が運んでも大丈夫だぜ!

敵の方はどうする?
目的は神殿から逃げる事だから、絶対全部倒さなきゃダメってわけでもないんだよな。
安全に脱出する為に全部倒すか、逃げるのに必要な分だけ倒して強行突破しちまうか、って感じか?  
 

[2] クリストフ・フォンシラー 2019/11/04-09:14

断罪者のクリストフと陰陽師のアリシアだよ。よろしくどうぞ。

相談期間があまり長くないので先に聞いておきたいんだけど、
王様のミイラをみんなはどうしたい?
俺達はできるなら運んであげたいと思ってる。
放置していった場合、王弟殿下が病んでしまう気がするんだよね。
それはサンディスタムにもアークソサエティにも損失になるんじゃないかなと。

アリシアは「置いて行くのは王弟殿下も王様も可哀相」と言う理由で連れて行きたいそうだけどね。