~ プロローグ ~ |
教団本部。 |
~ 解説 ~ |
○目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
|
||||||||
令花 マリエルさんには感謝してもしきれません。 危険な私の魔道書を制御可能に しかも…可愛い…尊い… 和樹 ねーちゃん。テンションが変になってるから 令花 はっ、いけない! 叶花ちゃん、私がママよ。よろしくね♪ (嬉しいけど、元は危険な魔道書、うまく接せるか不安…) 和樹 もっと気楽に構えていいだろ 叶花ちゃん、パパでちゅよ 令花 私の魔道書よっ!何でかずくんがパパなのよっ! 和樹 さ、叶花。お兄ちゃんやお姉ちゃんにたくさん遊んでもらいなさい♪ みんな、よろしくな! 令花は戸惑いながら叶花への接し方を模索 和樹は一見一緒に遊んでるようだが、バスケで培った(経歴参照)視野の広さで姉を気にかけ、叶花を楽しませ、仲間を労うよう配慮する |
||||||||
|
||||||||
サクラ:小さい子ばかりねぇ。手出しちゃだめよ。 キョウ:そっくりそのままお返ししますね。 サクラ:んー絶対に手を出さないと断言できる自信は無いなぁ。 キョウ:やはりそうですか。 サクラ:小さい子の手を握るのは当たり前じゃない。 【行動】 サクラ ねえ、名前を教えて。私はサクラよ。 ふふっ私(サク)は私(サクラ)を好きな言葉で呼んでほしいし呼ばれたい。 あなた達はなんて呼べば良いかしら? 所で小さい手ね。触れても? ちょっと力を入れたら壊してしまいそう。(いや、元は魔導書だから) 少し力を入れた所で壊れない?丈夫なのね。 あーけど水や火に弱いのかしら? ああ、そうだ。天使を解放する方法と天使になる方法を教えてくれない? |
||||||||
|
||||||||
ああ…なんか不思議な指令だけど シキを一瞥したのちよろしく と挨拶 願い…アンタは何かあるか …お菓子? さっき食べてた覚えが俺にあるけど? ごもっともなようでそうでもない回答ありがとう 溜め息を吐いて 叶花に訊く …こういうのって大丈夫なのか? はいはい いつも優しいだろ シキの手に板チョコや飴玉が出現 …なるほど こういうことも大丈夫、なんだな… っ!? シキ…! ふわっと広がるよく知るチョコの味 …悪くは、ない(もぐもぐ) 魔導書の女の子を前にしても崩れないシキの明るさにやれやれと思いながら 二人のやりとりを眺める |
||||||||
|
||||||||
ヨ すんなりと受け入れていますけど そも魔導書の擬人化ってどんな技術なのでしょうね ベ メフィストのすることだからな 人智など及ばないのだろう ヨ ううん… 喰人の答えに納得しきれず顎に手を当てて魔導書の子らから得られるものは無いかと思ったのも一瞬 少女らのかしましい空気に思いを巡らせる暇もない ベ この感じ 姉さんのところにいた子らを思い出すな ヨ そうなんですか? ベ 一時世話になっていた間これくらいの小さいのが3人…いや4人いてな 毎日大騒ぎしていたものだ 一人を抱きかかえながら尻尾を振って興味を引かせている様を見て なるほど納得 妙に小さな子への対応に慣れていると思っていたらそういうこと |
||||||||
|
||||||||
叶花ちゃんが願い事を叶える手伝いを …それも勿論だけれど 折角だから仲良くなれたらいいね 人を、世界を、好きになってほしいな マリーさんやマリエルさんに セパルさん そして楽しそうな小さな女の子たちに挨拶 リ:初めまして リューイだよ、仲良くしてね セ:こんにちはお嬢さんたち 私はセシリアというの、よろしくね 小さい子にするように 視線を合わせて笑顔で 握手をと手を出して 応じてもらえれば更に笑顔に リ:願い事、だよね あのね、雪の結晶を見たいんだ 本で見たことがあるんだけど 綺麗な花みたいな形をしたやつ セ:本当の大きさだと 私たちの目では見えないから… 貴女の手のひらくらいになると嬉しいのだけれど 成功しても失敗しても 笑顔でお礼 |
||||||||
|
||||||||
願いを叶える魔道書…えっ女の子…? 女の子で魔道書で…??(ぐるぐる …かわいい つまり 問題はない(微妙に混乱) お願いごと メルとお揃いのリボンが……あ、えっと…簡単に伝えなきゃ 赤いリボンの髪飾りが欲しいの できそう……?…!ほ、本当に? これ、もらっても…あ、でも消えるんだ 出したものを、長く出せることって出来るの? ん、でもそんなことしたら……あなたが大変か 無理は…よくない…ごめんなさい …(ふと思いつき) ねぇ、これより小さなリボンの髪飾りを作れる? …これは あなたが、つけて えっと、あなたがつくったもの、あなたにあげるって、変…だけど… 折角可愛い…から……あの…余計なお世話かな… |
||||||||
|
||||||||
ルーノ:クリスマスに食べたクッキーをもう一度食べてみたい、頼めるかい? ナツキ:力持ちになりたい!ってのはどうだ? ルーノは実験を重視 クッキーの情報を具体的に伝えない場合、結果がどう出るのかを確かめる こちらのイメージまで読み取るのか、失敗するのか ナツキは単純に面白そうな事を頼んでみる 重い物を持ったりトランスして叶花を背中に乗せてみたり、“力持ち”状態を試す ナツキ:叶花は元々軽いからなぁ。次はルーノが乗ってみろよ! ルーノ:…大丈夫なのか? 完璧に叶わなかったり失敗しても構わず 可能なら同じ願いを伝え方を変える等で何度か試して成功度の上昇を試みる 特にナツキは実験を楽しみ、色々頼んだお返しができないか考える |
||||||||
|
||||||||
【目的】 叶花ちゃんとお友達になりたいですわ! 【行動&心情】 可愛いですわ! 可愛いですわ!! こんにちわ、魔導書の叶花ちゃん♪ 私はアリス・スプラウトと申しますの! こちらの猫を連れているのがウィリアム・ジャバウォック! ウィルとお呼びくださいな♪ 早速ですが、私のお願い事を聞いてくださいませんか? 私は貴方とお友達になりたいですわ♪ もう、ウィルったら どうして自分もお友達になりたいと言ってあげないのですか? ごめんなさいね、ウィルは不器用なんです 私はだからね、ちゃんと何をするか考えてきたのですわ♪ ずばり、お茶会をしましょう♪ 紅茶と、クッキーと、チーズケーキ カップケーキもありますわ♪ さぁ、一緒に食べましょう♪ |
||||||||
~ リザルトノベル ~ |
願いを叶える魔導書『叶花』に願いを頼むため、浄化師達は用意された部屋にやって来た。 (大丈夫かしら……) 不安を滲ませ『桃山・令花』は今回の指令に参加していた。 叶花の元となった魔導書は、彼女が鬱積した中で偶然生まれたもの。 願いを叶えるという性質を持ちながら、元の願いを歪め不幸な形で叶える物だった。 不安を抱える彼女に弟の『桃山・和樹』は肩に手をポンと置いて言った。 「大丈夫だって、ねーちゃん」 魔導書のせいで一度は死に、アンデッドとして蘇った彼は明るい笑顔を向ける。 「……そうね」 無理に笑みを浮かべ令花は返すと、皆と共に叶花の居る部屋に訪れ―― 叶花にデレた。 「かわいい~」 だっこして頬を合わせる。 「へへ~」 叶花も頬をすりすり。 「あぁ、マリエルさんには感謝してもしきれません。危険な私の魔道書を制御可能に。しかも……可愛い……尊い……」 「ねーちゃん。テンションが変になってるから」 突っ込む和樹。 「はっ、いけない! 叶花ちゃん、私がママよ。よろしくね♪」 「うん!」 満面の笑顔で返す叶花。 令花も笑顔で応えながら意気込む。 そんな彼女に気付いた和樹は、緊張をほぐさせるように言った。 「もっと気楽に構えていいだろ。叶花ちゃん、パパでちゅよ」 「私の魔導書よっ! 何でかずくんがパパなのよっ!」 自然体に戻ってきた令花に苦笑しながら和樹は応える。 「だって俺、喰人だから」 これに令花は苦笑しながら返す。 「もぅ、しょうがいわね。かずくんに彼女が出来るまではパパでいいよ」 姉として返す令花に、ちくりと和樹の心はうずく。でも―― (これで良い) 淡い想いを心の内に沈めながら、叶花に願いを言った。 「叶花。ねーちゃんの肩を揉んでくれるか?」 そう言うと叶花を令花から抱き寄せ、令花の背中に連れて行く。 「肩もみする~」 叶花は小さな手で肩をもみもみ。時折、肩たたきに切り替える。 「とんとんとん、とんとんとん」 「そうそう、巧いぞ叶花」 「へへ~」 和樹に褒められて嬉しそうな叶花と、それを喜ぶ令花と和樹。 3人は仲の好い親子のように見えた。 そうして肩もみが終わり、令花は自分の願いを頼むよりも先に、皆の願いを優先する。 「叶花ちゃん。みんなの願いを聞いて来てくれる?」 「うん!」 「ちゃんとみんなに挨拶しような」 「うん!」 叶花は頷くと、他の魔導書っ子達と一緒に、皆の元に。 次々に、願いを聞きに行く。 「こんにちわー!」 叶花達、魔導書っ子に挨拶されて『サク・ニムラサ』と『キョウ・ニムラサ』は目線を合わせるように腰を落す。 「あら、挨拶できるのねぇ。えらいわぁ。よろしくねぇ」 「うん!」 かまって貰えるのが嬉しいのだ、というように満面の笑顔を浮かべる魔導書っ子達に、2人も笑顔で応える。 その笑顔のまま、サクラはキョウに言った。 「小さい子ばかりねぇ。手出しちゃだめよ」 「そっくりそのままお返ししますね」 「んー絶対に手を出さないと断言できる自信は無いなぁ」 「やはりそうですか」 「小さい子の手を握るのは当たり前じゃない」 そう言うとサクラは、魔導書っ子達をにぎにぎ。 ちっちゃくてふにふにしてる手を取ると、魔導書っ子達は笑顔でにぎにぎ返す。 そんな魔導書達にサクラは目を細め言った。 「ねえ、名前を教えて。私はサクラよ」 「さくら?」 「ええ。ふふっ、私は私を、好きな言葉で呼んでほしいし呼ばれたいの。あなた達はなんて呼べば良いかしら?」 これに魔導書っ子達は、にこにこ笑顔で応える。 「きょーかだよ!」 「ネメシスー!」 「あのねあのね、アネモイー!」 「ヘスティアだよー!」 「ちゃんと言えるのね。えらいわぁ」 「へへ~」 褒められて喜ぶ魔導書っ子達にサクラは、いつもより柔らかな声で言った。 「ふふっ、みんな小さな手ねぇ。ちょっと力を入れたら壊してしまいそう」 そこまで言うと、気になったのか訊いてみる。 「少し力を入れた所で壊れない?」 「大丈夫ー」 「丈夫なのね。あーけど水や火に弱いのかしら?」 「へーき」 「大丈夫ー」 「あのねあのね、お風呂も入れるのー」 「たき火もへっちゃらなんだよー」 「そうなの? それなら良かったわぁ」 そこまで言うと、指令で願いを言いに来たことを思い出し、続けて尋ねた。 「天使を解放する方法と、天使になる方法を教えてくれない?」 「願い事というより質問タイムじゃないですかこれ」 「そう?」 キョウにサクラが返していると、叶花は困ったような顔になった後―― 「んーと、んーと、えい!」 気合を入れると、ぽんっ! という音と白煙と共におみくじが現れた。 手に取って読んでみる。 待ち人 塔の果てに印あり 望み 神頼み 「どういうことかしらぁ?」 「天使を解放する方法が『塔の果てに印あり』で、天使になる方法が『神頼み』ですかね?」 キョウは分析すると、自分も質問してみる。 「ヨハネの使徒、ベリアル、神様。自分達が安全でいるためにはどれから倒した方が良いですか?」 これに同じようにおみくじが現れる。 家内安全 神の玩具と御使いを倒し力を上げて、神殺せ 「手下を倒して力を上げて大元を断て、ということですか……追加でひとつ。教団は、どうでしょう?」 すると新たなおみくじが現れる。 目標 頭を付け替えよ 「……教団のトップって教皇ですよね……教皇をどうにかしないといけないってことですか」 キョウの願いが終り、サクラが声を掛けた。 「ありがとう。他のみんなの願いも叶えてあげて」 「うん!」 サクラに言われ、他の皆の所に向かう魔導書っ子達。 「こんにちはー!」 魔導書っ子達に挨拶されて『シキ・ファイネン』は視線が合うように屈み込み、 ニコッと笑い応えてやる。 「俺はシキっていうんだ! こっちがアルトナ! 仲良くなれたら嬉しいぜ。よろしくなっ!」 声を掛けてやるシキを『アルトナ・ディール』は一瞥すると、魔導書っ子達に挨拶を返す。 「よろしく」 「よろしくー!」 2人に挨拶を返されたので、にっこにこの魔導書っ子達。 そんな魔導書っ子達を柔らかく見詰めながら、アルトナはシキに尋ねた。 「願い……アンタは何かあるか?」 「んーそーだなあ……お菓子食べたいなあ、なーんて」 「……お菓子? さっき食べてた覚えが俺にはあるけど?」 (あいかわらず、甘い物好きだな。身体を壊さない範囲なら、別に良いとは思うが) 苦笑するようにアルトナは思う。 とはいえ表情には出さないでいると、シキは窺うような声で言った。 「えーでもでもっお菓子美味しいし、俺太らない体質だしそもそもお願いごとじゃ太れないし?」 これにアルトナは、苦笑するように軽くため息ひとつ。 「ごもっともなようで、そうでもない回答ありがとう」 シキに返したあと、アルトナは叶花に尋ねる。 「……こういうのって大丈夫なのか?」 「できるよー」 「そうか。じゃあ、シキが好きそうなお菓子を出してくれるか?」 気遣ってくれるアルトナに、シキは嬉しそうに表情をほころばせる。 「アルトナきゅんが優しい……! 砂糖対応だあ、えへへ」 「はいはい。いつも優しいだろ」 やわらかく笑みを浮かべ見つめ返してくれるアルトナに、シキは照れたような笑顔になる。 「えへへ。そーだなー」 甘い2人に、叶花は甘いお菓子をプレゼント。 ぽんっ! という音と白煙と共に、シキの手に板チョコや飴玉が出現する。 「……なるほど。こういうことも大丈夫、なんだな……」 感心するように言うアルトナの横で、シキは叶花に訊いてみる。 「食べてみて平気?」 「うん! 大丈夫ー!」 お墨付きを貰ったので、板チョコを一口食べてみる。 「……!」 シキ好みの甘さとコクが口の中に広がり、美味しさを楽しませてくれる。 「なあなあ、アルアルっこれフツーに美味しいっ」 「っ!? シキ……!」 シキはアルトナの口にチョコをひとかけら放り込む。 すると、ふんわり広がる美味しいチョコの味。 「なっ? 美味しいだろ?」 目をきらきらさせながら訊いてくるシキに、アルトナは苦笑を飲み込みながら応える。 「……悪くは、ない」 「好かった!」 シキはアルトナの様子に喜ぶと、叶花に礼を言う。 「ありがと! えーと……叶花ちゃんって呼んでいーのかな?」 「うん!」 嬉しそうに返す叶花に、笑顔で応えるシキ。 叶花を前にしても崩れないシキの明るさに、やれやれとアルトナは思いながら、2人のやりとりを眺めていた。 願いを叶えていく叶花の様子を、魔術師としての興味を持って見ているのは『ヨナ・ミューエ』。 「すんなりと受け入れていますけど そも魔導書の擬人化ってどんな技術なのでしょうね」 これに『ベルトルド・レーヴェ』が返す。 「メフィストのすることだからな。人智など及ばないのだろう」 「ううん……」 納得しきれず顎に手を当てて、魔導書っ子達から得られるものは無いかと思っていると―― 「こんにちはー」 「しっぽー」 「みみー、みみー」 「おっきいねこさんー」 魔導書っ子達のかしましさに思いを巡らせる暇もない。 「この感じ、姉さんのところにいた子らを思い出すな」 「そうなんですか?」 「一時世話になっていた間、これくらいの小さいのが3人……いや4人いてな。毎日大騒ぎしていたものだ」 ベルトルドはヨナに応えながら、ひょいっと叶花を抱き上げる。 それを羨ましそうに見つめる魔導書っ子達には、尻尾をゆらゆら動かし遊んでやる。 (なるほど。妙に小さな子への対応に慣れていると思っていたら、そういうことですか) ヨナが納得していると、セパルがひょいっとやって来る。 「ありがとう、世話してくれて。みんな、お礼言わなきゃダメだよ」 「はーい」 保護者のようなセパルに、ヨナは気になっていたことを訊いてみる。 「この子達、メフィストさんはセパルさんの姉妹みたいなものとおっしゃっていましたが、セパルさんはれっきとした魔女……ですよね?」 「うん。母さんは違うけどね、ヒューマンだったから」 「そうなんですか? どういう方だったんでしょう? あのメフィストさんが熱烈に愛した女性……今更ですが気になります」 以前のラブレターの件を思い出し尋ねるヨナにセパルは応える。 「優しくて、強い人だったよ。プロポーズは、母さんがしたみたいでさ。 私が死ぬその時まで、一緒に人として生きましょう。 そう言って、落したみたい」 「積極的な女性だったんですね」 話を聞いて、思いにふけりそうになった所で気持ちを切り替え、ヨナは指令に意識を戻す。 「さて、叶花さんに叶えて貰うお願いはどうしましょう」 「ささやかなもので良いんじゃないか? 上手くいかなくても困らないような―― ……例えばこの殺風景な部屋を花で満たすなんてどうだ」 「はな?」 叶花は小首を傾げたあと、両手を上げる。 すると次から次に、たくさんの花が降って来た。 はらりはらり、ふわふわと。 雪のように舞いながら、床に落ちると消え失せる。 綺麗ではあったが、少しばかり数が多い。 「部屋が埋まっちゃいそうですね」 「確かに願いを叶える力は本物だが……制御面はもう少し練習か」 「……だめ?」 恐る恐るといった風に訊く叶花に、ベルトルドは笑みを浮かべ応えた。 「皆が一緒にいれば不安じゃないだろう? な?」 にっこりと笑顔を浮かべるベルトルドに―― 「うん!」 叶花もにっこり笑顔で返した。 そうしている間に『リューイ・ウィンダリア』と『セシリア・ブルー』は、叶花を造ったマリエルとマリーに挨拶していた。 「体調はどうですか?」 「無理をなさらないでくださいね」 2人にマリエルとマリーは返す。 「貴方達のお蔭で、とても好いわ」 「ありがとう。今日は来てくれて嬉しいわ」 和やかに談笑していると、魔導書っ子達がやって来る。 「こんにちはー!」 「初めまして。リューイだよ、仲良くしてね」 「こんにちは、お嬢さんたち。私はセシリアというの、よろしくね」 リューイとセシリアに、にこにこ笑顔で名前を口にする魔導書っ子達。 リューイとセシリアは笑顔で応えると、小さい子にするように視線を合わせ手を差し出す。 「握手してくれる?」 「うん、するー」 「あくしゅー」 魔導書っ子達は嬉しそうに、小さなふにふにの手で、ぎゅみゅぎゅみゅ握手。 かわいらしい様子に、リューイとセシリアは自然と笑顔が大きくなる。 笑顔を向けられ嬉しそうに、叶花は言った。 「ねがい、なにー?」 とっさに思いつかず、悩むリューイ。 「……どうしようかな」 これにセシリアは助け舟を出すように言った。 「難しく考えないで、お願いしたらいいんじゃないかしら? 失敗しても練習になるのでしょう?」 マリエルに尋ねると応えが返ってくる。 「ええ、繰り返すことが大事だから。だから、好きな願いをしても大丈夫よ」 「らしいわよ、リューイ。心配せずに、好きなお願いをしてあげて」 セシリアは、一生懸命考えているリューイを微笑ましげに見詰めながら言った。 姉に背中を押される弟のように、リューイは決心すると、ひとつの願いを口にする。 「……冬だし、雪が見たいな、とか?」 「良いと思うわ。折角だから雪の花が見てみたいわね」 願い事を決めると叶花に頼む。 「あのね、雪の結晶を見たいんだ。本で見たことがあるんだけど、綺麗な花みたいな形をしたやつ」 「本当の大きさだと、私たちの目では見えないから……貴女の手のひらくらいになると嬉しいのだけれど」 「うん!」 にっこにこ笑顔で叶花は頷くと、両手を上げる。 すると頭上から、様々な大きさの雪の結晶が降ってくる。 ふわりふわりと。ゆっくりと舞い落ちて。 床に落ちると消えていく。 「うわ、綺麗だよ、セラ」 リューイは目を輝かせ、魔導書っ子達と一緒になって喜んだ。 そんなリューイを見て、心地好さそうに微笑むセシリアだった。 そうして皆の願いを叶えていき、次は『相楽・冬子』と『メルツェル・アイン』の元に。 「願いを叶える魔導書……えっ女の子……? 女の子で魔導書で……??」 最初部屋に来た時は、魔導書が女の子になっているので少し混乱していた冬子。 落ち着かせるようにメルツェルが声を掛けていく。 「トーコ? 落ち着きなさいな――」 と声を掛けていると、叶花を見詰めていた冬子は結論に至る。 「……かわいい。つまり、問題はない」 微妙に混乱しつつも落ち着いている。 「……って、自己解決してますわね……これも成長ですわ!」 喜ぶメルツェル。 そんな2人の元に、魔導書っ子達がやって来る。 「こんにちはー!」 「まぁ! 可愛らしい魔道書サマ達ですわね。こんにちは、ですわ」 「ちゃんと挨拶できるなんて、あなた達はえらいな」 褒められて照れる魔導書っ子達。 笑顔を浮かべ、叶花が願いを聞いてくる。 「ねがい、なにー?」 これに考え込む冬子に、メルツェルは事前に聞いていたことを含めアドバイス。 「マリエルサマやマリーサマ達からお聞きしました。『必ず』願いをかなえるというのは少々難しいとのことで。 全てにおいて万能、というのはほぼ存在しないのでしょう……叶えられたのなら、それは最早神の所業と言えますものね。 できることを最大限、そして最善に―― あらやだ。ワタクシ説教みたいになってしまったわ」 これに冬子は返す。 「メル、ありがとう。そうね、『必ず』は難しいのなら――」 少し考え、冬子は願いを口にする。 「メルとお揃いのリボンが……あ、えっと……簡単に伝えなきゃ―― 赤いリボンの髪飾りが欲しいの。できそう……?」 「うん! できるー」 「……! ほ、本当に?」 驚く冬子の手に、赤いリボンの髪飾りが現れる。 「これ、もらっても……あ、でも消えるんだ」 手に取っているとリボンは消える。 「出したものを、長く出せることって出来るの?」 言ってから考え直す。 「ん、でもそんなことしたら……あなたが大変か。無理は……よくない……ごめんなさい」 「大丈夫、がんばる」 冬子を見上げ、一生懸命新しいリボンを出す叶花に冬子は言った。 「ねぇ、これより小さなリボンの髪飾りを作れる?」 「うん!」 ちっちゃなリボンの髪飾りを冬子は手に取ると―― 「……これは、あなたが、つけて」 叶花に着けてやりながら言った。 「えっと、あなたがつくったもの、あなたにあげるって、変……だけど……折角可愛い……から……あの……余計なお世話かな……」 これに満面の笑顔を浮かべる叶花。 「ありがとー!」 喜ぶ叶花に、笑顔を返す冬子。 そんな2人を見詰めながらメルツェルは言った。 「! まぁ、冬子ったら。それでは、今度皆様と一緒に探しにいきましょうか」 メルツェルの提案に、冬子と一緒に喜ぶ魔導書っ子達だった。 魔導書っ子達はリボンを着け合いっこした後、『ルーノ・クロード』と『ナツキ・ヤクト』の元に。 「こんにちはー」 挨拶の後、願いを訊いてくる。 「ねがい、なにー?」 これにルーノとナツキは応えていく。 「クリスマスに食べたクッキーをもう一度食べてみたい、頼めるかい?」 「力持ちになりたい! ってのはどうだ?」 ルーノは実験を重視して、クッキーの情報を具体的に伝えない場合、結果がどう出るのかを確かめる。 一方ナツキは、単純に面白そうな事を頼んでみる。 すると叶花は、願いを叶えていく。 まずはルーノの前に、とてとて近づいて言った。 「てを出してー」 「こうかい?」 ルーノが両手を上向きにして少し前に出すと、そこに皿に乗ったクッキーが現れる。 「ふむ、見た目は、ちょっと違うな」 記憶にある物より、明らかに大きい。観察していると―― 「お、美味そう」 ひょいっとナツキが食べる。するとナツキは笑顔で言った。 「ルーノ食べてみろって! あのクッキーと同じ味だぜ!」 言われて食べてみる。 ふんわりとした甘いバターの香りが広がり、サクサクとした食感と、ほんの数粒の塩が絶妙な味わい。 「確かに、あの時食べた物と同じだな」 しかも一番最初に食べた時と同じ、驚きが感じられる美味さだ。 (どうやら、願いを叶えて欲しい者のイメージが強く影響するみたいだな) 推測すると、何度か同じ願いを頼む。 すると何度食べても新鮮な味わいを楽しめ、形も少しずつ記憶にある物に近付いていった。 ルーノの願いが終れば、次はナツキの願い。 叶花はナツキと手を繋ぎ―― 「ちからもちー」 どうやらそれで効果が出ているらしい。 まずはトランスして、叶花たち魔導書っ子を背中に乗せてやる。 大喜びな魔導書っ子達。 きゃっきゃと背中で騒いでいるが、ナツキは重さを感じない。 「叶花達は元々軽いからなぁ。次はルーノが乗ってみろよ!」 「……大丈夫なのか?」 不安になりつつルーノが背中に乗ると―― 「すげー! 全然重たくねぇぞ!」 「そうなのか、ってナツキちょっと待て!」 ルーノを乗せたまま走り回るナツキ。 途中まで平気だったが―― 「ぐえっ。お、重いぞルーノ!?」 「失礼な、これが普通だ!」 途中で効果が切れたのか、重さで動けなくなる。 そして実験が終わり、ナツキは叶花に言った。 「叶花はやりたい事とか欲しいものってあるか? 遊び相手くらいならいつでもオッケーなんだけどな。もちろんルーノも一緒な!」 「あそぶの!?」 叶花は魔導書っ子達と一緒に大喜び。 そんなナツキ達に苦笑しながら、ルーノは一緒になって遊んでやった。 遊んで貰い、にっこにこな叶花達。 満面の笑顔のまま、最後に願いを訊くべく『アリス・スプラウト』と『ウィリアム・ジャバウォック』の元に向かう。 「こんにちはー。きょーかだよー」 「えらいですわ! ちゃんと挨拶できるなんて!」 アリスは、叶花たち魔導書っ子のかわいらしさに表情をほころばせながら、まずは自己紹介。 「こんにちわ、魔導書の叶花ちゃん♪ 私はアリス・スプラウトと申しますの! こちらの猫を連れているのが、ウィリアム・ジャバウォック! ウィルとお呼びくださいな♪ みんなの名前も教えて欲しいですわ♪」 これに魔導書っ子達も自己紹介。 にこにこ笑顔を浮かべる叶花に、アリスは願いを口にする。 「早速ですが、私のお願い事を聞いてくださいませんか? 私は貴方とお友達になりたいですわ♪」 これに合わせるように、ウィリアムが続けて言った。 「そうですね……私としては、友達になれたらいいとは思いますが……具体的に何をしたら友達なのかという事を思うと、その言葉は出にくいというか」 「もう、ウィルったら」 苦笑するようにアリスが続ける。 「どうして自分もお友達になりたいと言ってあげないのですか?」 これにウィリアムは、バツが悪そうに返す。 「あぁ、アリスを責めているのではありませんよ。考えつかなかったというか……」 言葉に迷うウィリアムに、彼の代わりにアリスは言った。 「ごめんなさいね、ウィルは不器用なんです」 小首を傾げる叶花に、くすりとアリスは笑顔を浮かべ続ける。 「私は、だからね、ちゃんと何をするか考えてきたのですわ♪」 これに叶花達、魔導書っ子は好奇心一杯の眼差しでアリスを見詰め、彼女の応えを今か今かと待っている。 叶花達が見詰める中、アリスは言った。 「ずばり、お茶会をしましょう♪ 紅茶と、クッキーと、チーズケーキ。 カップケーキもありますわ♪」 これに応えるのは、もちろんウィリアム。 「あぁ、だから朝に私に紅茶を煎れさせていたんですね。ちょっと納得しました」 そう言うと、部屋の外に待機させていたワゴンを部屋に入れる。 ワゴンには、ウィリアムが用意した紅茶とお菓子が載っている。 「みなさんも、どうですか?」 アリスの提案に、皆は賛同する。 中にはキョウのように、持参したクッキーを振る舞う者も。 そしてウィリアムは、手慣れた様子で皆に紅茶を振る舞っていく。 「レモンのはちみつ漬けもありますから、レモンティーにするならこちらも入れて下さい。それともミルクティーにしますか?」 浄化師達に振る舞いつつ、叶花たち魔導書っ子にも用意する。 「こちらもあたたかいハニーミルクを作ってきましたので、どうぞ一緒に」 皆に配り終え、アリスは茶会の始まりを口にする。 「さぁ、一緒に食べましょう♪」 皆は和気藹々と、楽しくお茶会を。 魔導書っ子も嬉しそう。 それを見ていたウィリアムは訊いてみる。 「……美味しいですか?」 「うん!」 笑顔を浮かべる魔導書っ子達に、目を細めるウィリアムと、嬉しそうなアリスだった。 そんな中、叶花を膝に乗せ抱っこしていた令花は言った。 「叶花のお願いを教えて」 すると叶花は、令花をじっと見つめたあと、甘えるように言った。 「おはなし、聞きたい。だめ?」 「もちろん好いわ」 令花は叶花を、ぎゅっと抱きしめて。 皆で楽しくお茶会をしながら、お話をしてやった。 嬉しそうな叶花の笑顔が印象的な、指令の終わりだった。
|
||||||||
*** 活躍者 *** |
|
|
|||||||||||||||||||||||
|
| ||
[14] 桃山・令花 2020/02/03-23:21
| ||
[13] 桃山・和樹 2020/02/03-21:39
| ||
[12] 桃山・令花 2020/02/03-21:38
| ||
[11] メルツェル・アイン 2020/02/03-19:46
| ||
[10] ルーノ・クロード 2020/02/03-11:57
| ||
[9] 桃山・和樹 2020/02/02-18:38
| ||
[8] 桃山・令花 2020/02/02-18:33
| ||
[7] シキ・ファイネン 2020/02/02-08:46
| ||
[6] アリス・スプラウト 2020/02/02-08:14
| ||
[5] 桃山・令花 2020/02/02-06:22
| ||
[4] リューイ・ウィンダリア 2020/02/01-19:43
| ||
[3] ベルトルド・レーヴェ 2020/02/01-18:15
| ||
[2] 桃山・令花 2020/02/01-06:21 |