~ プロローグ ~ |
ヨセフは、機械都市マーデナクキスの王であるエアと内通していた教団員を呼び寄せ言った。 |
~ 解説 ~ |
●目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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ドクターが尊敬する先生がいると仰っていた(41話) 先生が居なければ今のドクターはいない筈! 必ず守り通す! 俺は人形遣いを狙う こいつに煽りは通用しない とにかく実力行使だ リンクマーカーで命中を上げ黒炎で人形遣いの防御と魔法防御を低下させる トリックショットを撃って相手を削りながら近接し、十分近づいたらクリムゾンストックで攻撃する 人形遣いを仲間から引き離して削っていく 自爆するようなら自分を犠牲にしても仲間やシャルル先生には近づけさせない 地獄に行くのは俺とお前だけでいい! 死霊の石で腕と引き換えに防御するぞ …ドクターの恩師ならばさぞや思慮深い方のはず 今回の決断に至るまでも、今までも苦慮なさったのだろうな… |
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最優先はシャルルさんの安全確保 町の人にも被害が出ないよう 皆で協力して頑張ろう 現場についたら魔術真名詠唱 セ:ニコラさんと協力 浄化師と名乗り魔術通信で周囲に避難誘導を 落ち着いて 誘導に従って逃げてください 屋内にいる人はそのまま待機を ショーンさんの護衛 ペンタクルシールドも使い彼の盾に アークブーストをショーンさんにかける どちらのスキルも切れる度にかけ直す 余裕があればカードで攻撃支援 リ:ベリアル>配下の優先順 他の仲間と協力 シャルルさんと敵を分断する位置に 戦闘乱舞を周囲の人に付与 シャルルさんや民間人から敵を離し なるべく一か所に 範囲魔法や攻撃で早く多くの敵を倒せるよう 魔力感知も使い 敵魔法を警戒 |
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先生! 敵に迫られてるのを見て思わず叫ぶ 駆け寄りたいがまずはこの場をどうにかしなくては セシリアと共に、魔術通信を最大出力であたりへ無差別に流す 「我々は浄化師だ!大丈夫、敵は我々が何とかする。落ち着いて指示に従って避難してくれ!」 住民が落ち着いてきたら避難誘導は猛虎の牙に一任 シャルル先生の元へ走る 先生、ご無事ですか ヴィオラに近づき魔術真名を唱え前へ出る 攻撃は剛袈紅蓮撃を用いる 敵が複数近くにいて味方が側にいないときはグラウンド・ゼロを使う 先生はお前達などには渡さん! 諦めておとなしく縛につくんだな それにしても 姉や兄が造られた詳しい経緯を初めて知った レオノルも知らなかったようだが 後できちんと聞いてみよう |
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レオノル先生と、ニコラさんの先生で、ヴィオラさんの、伯父様…… 大切な方が、危険な目に遭ってたら、辛いですよね みんなを悲しませたくない、です 魔術真名詠唱 初手はリチェちゃんと禹歩七星を皆さんに 前衛より少し後ろ、中衛に位置どり ヴィオラさんやシャルル先生の方へ敵を通さないように構えます シャルル先生に、お怪我は無いか確認 もしあれば回復を 基本的に天恩天賜で回復役 敵が前衛をすり抜けてきたら禁符の陣で足止めします 敵から攻撃を受けた時に、退魔律令の『後退』が効くといいのですが… 攻撃は九字の印で シャルルさん…シャルル先生、で、いいでしょうか みんな、貴方がいらしてくれるのを、待っていました お目にかかれて、嬉しいです |
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あの人 マリエルさんを狙っていた…! どうしてシャルル先生を? 周囲の人も危険だわ 早く何とかしないと 魔術真名詠唱 初手で禹歩七星 敵とシャルル先生を分断する位置に割り込む 猛虎の牙の皆さんに ベリアルはわたし達が 皆さんは避難誘導と人の対応をお願いします 中衛位置から 向かってくる敵に鬼門封印 傷ついた仲間には天恩天嗣 シアちゃんと協力して効率よく ショーンさんやセシリアさんにも届くといいんだけれど 余裕があれば九字で攻撃 基本ベリアル優先だが シャルル先生に近づく敵は最優先で止める 仲間や民間人 シャルル先生への攻撃は盾に 自分への攻撃は退魔律令 敵を後方へ弾き飛ばす 敵の数が自分たちより減れば シャルル先生や護衛の人に避難を提案 |
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混戦になると厄介ね まずはベリアルを分断させるわ 魔術真名詠唱 猛虎の牙に避難誘導と人形遣い配下を任せてベリアル優先 スポットライトを使用してベリアルを引き付け、避難させやすくする 哀れなお人形さん達、こっちへいらっゃい! なるべく人のいない場所へ誘導し、ある程度集まったら 周囲に人がいないのを確認してから範囲攻撃担当者に合図して離脱 トール、レオノル先生、今よ!やっちゃって! 討ち漏らしがいれば次はそっちに向かう 魔力感知でベリアルの再召喚に備えて、されたら引き付けを繰り返す ベリアルが出てこなくなったら配下の方に加勢に向かう 前衛に戦踏乱舞で支援し、自らも攻撃に加わる ここでもスポットライトを併用し敵を引き付ける |
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~ リザルトノベル ~ |
●シャルル・クリザンテムを救助せよ! シャルル・クリザンテム襲撃。 現場に遭遇した『ニコラ・トロワ』は思わず叫ぶ。 「先生!」 ほぼ同時に『ヴィオラ・ペール』も叫んだ。 「伯父様!」 ヴィオラは混戦の中、一刻も早くシャルルを守ろうと駈け出す。 だが敵味方が入り乱れ、中々近付けない。 (早く助けないと!) 焦るヴィオラ。 ニコラも同じだが、近付くためにどうするべきか素早く考える。そこに―― 「ニコラさん、魔術通信を」 駆け寄って来た『セシリア・ブルー』が提案する。 即座に意図を理解したニコラは、セシリアに応えた。 「右手は私が担当する。セシリアは――」 「左手に呼び掛けます」 セシリアは返すと、混乱状態にある住人に向け魔術通信を飛ばす。 「浄化師です、助けに来ました。落ち着いて、誘導に従って逃げてください。屋内にいる人はそのまま待機を」 同じようにニコラも魔術通信を飛ばす。 「我々は浄化師だ! 大丈夫、敵は我々が何とかする。落ち着いて指示に従って避難してくれ!」 これに真っ先に反応したのは猛虎の牙だった。 浄化師の協力者であることを住人達に告げ、敵の対処より住人の避難に集中する。 それにより敵の抑えが減るが、そこを埋めるように浄化師が動く。 「戦踏乱舞を掛けます!」 セシリアと共にニコラの傍に駆け寄った『リューイ・ウィンダリア』は、戦踏乱舞によりニコラの戦意を高める。 「すまない。助かる」 ニコラは礼を告げると、ヴィオラと合流して敵を迎撃するべく動いた。 「ヴィオラ」 「はい」 戦力を高めるべく魔術真名を詠唱する。 「cooking and science」 高まった戦力で敵を排除しながらシャルルの元に近付く。 同様にリューイとセシリアも動いていた。 「開け。九つの天を穿つ門」 魔術真名を詠唱。魔術回路を完全開放し、それぞれの持ち場に走り出す。 「僕はニコラさんの援護に行くよ」 「分かったわ。私は――」 セシリアは敵リーダーを見定め動く。 「あの男の抑えに向かうわ」 「分かった。怪我をしないようにね、セラ」 「貴方も。リューイ」 2人は視線を交わすと、お互いを信じ走り出す。 浄化師の動きは素早い。 それは他のみんなも同じだ。 「ショーン!」 「はい! ドクター!」 焦る気持ちを抑え呼び掛ける『レオノル・ペリエ』に『ショーン・ハイド』は応える。 「正しいことを為せ、真のことを言え」 魔術真名を唱え戦闘態勢に移行すると、レオノルはショーンに言った。 「ショーン、あの男を抑えて」 敵リーダーと思われる男を示し続ける。 「人形遣いだよ、あれは」 魔力探知で、魔力の質と流れを確認したレオノルは、以前見た物と同じだったことから気付く。 「分かりました」 ショーンは頷くと、黒炎魔喰器に魔力を注ぎながら移動する。 「お気をつけて、ドクター」 「うん。ショーンも気を付けて」 信頼するように言葉を交わし、2人はそれぞれの持ち場に向かう。 (先生) レオノルは、シャルルを助けるべく走り出す。 今回の指令を受け、シャルルに訊いてみたいことが幾つもあったレオノルだが、今はシャルルの救出に集中する。 レオノルと同じく、シャルルを護るためにショーンも動く。 (あの方が、ドクターが尊敬すると仰られていた先生) シャルルに視線を向けたあと、人形遣いを抑えるべくショーンは向かう。 (先生が居なければ今のドクターはいない筈! 必ず守り通す!) 確かな意志を抱き、戦場へと踏み込んだ。 次々に浄化師は戦いに向かう。 その動きは止まらない。 「どうしてシャルル先生を?」 状況を把握するべく『リチェルカーレ・リモージュ』は呟く。そして守る意志を込め続けた。 「周囲の人も危険だわ。早く何とかしないと」 それに『シリウス・セイアッド』は頷く。同時に状況の把握を素早く行う。 (敵の数が多い) 「……何が何でも、シャルル・クリザンデムを捕える気か?」 小さく呟くと敵リーダーに視線を向ける。 レオノルの言葉で人形遣いだと気付き、目を細め決意する。 (――あいつの思い通りにはさせない) それはリチェルカーレも同じだ。 「あの人、マリエルさんを狙っていた……!」 シリウスと同じく、レオノルの言葉で人形遣いだと気付いたリチェルカーレは、対抗するべく魔術真名を唱える。 「黄昏と黎明、明日を紡ぐ光をここに」 膨れ上がった戦力で皆を守るべく、2人はそれぞれ動いていく。 「リチェ、シャルルの護衛を最優先に動こう。俺は邪魔なべリアルを先に排除する」 「分かったわ。私は禹歩七星を掛けるわ。シアちゃん」 リチェルカーレに呼び掛けられ『アリシア・ムーンライト』は応える。 「私も、禹歩七星を、掛けます。クリス」 アリシアに呼び掛けられ、『クリストフ・フォンシラー』は応える。 「うん。助けよう」 クリストフは応えると魔術真名を詠唱。 「月と太陽の合わさる時に」 魔力を漲らせ、2人はそれぞれ動いていく。 アリシアはリチェルカーレと共に禹歩七星を掛けると、シャルルに向かう敵の抑えに走る。 (レオノル先生と、ニコラさんの先生で、ヴィオラさんの、伯父様……) シャルルに視線を向け決意する。 (大切な方が、危険な目に遭ってたら、辛いですよね。みんなを悲しませたくない、です) 守る意志を心に抱き走り出す。 同じようにクリストフも駈け出す。 (シャルル先生か。凄い人みたいだけど、そんな事よりも、俺達にとっては大事な仲間の家族だ。助けるのは当然だよね) アリシアと同じように守る意志を抱き動きながら、人形遣いに油断なく視線を向けた。 (人形遣い、またあいつか! いつか絶対に本体見つけて討伐してやるからな!) 討伐の意志を固め、しかし今はシャルルの護衛を第一に動いていた。 皆の素早い動きで、状況は変わっていく。 だが、敵の数があまりにも多い。個別に叩いていては不利になる。 それを防ぐため、『リコリス・ラディアータ』と『トール・フォルクス』は動いていた。 「闇の森に歌よ響け」 魔術真名を詠唱し、魔力回路を完全開放。 戦意と戦力を高ぶらせながら、最適の動きをするべく状況を把握する。 「混戦になると厄介ね」 敵味方が入り混じり、要救助者の居るこの状況を打破するべく、リコリスは言った。 「まずはベリアルを分断させるわ」 「ああ、分かった」 トールは頷くと続けて言った。 「敵の数が多い。範囲攻撃で一気に片付けよう。リコ、いけるか?」 「任せて。誘導してみせるわ」 「頼む。出来る限り援護する」 信頼するように言葉を交わすと、2人は動き出す。 リコリスは戦踏乱舞を掛けトールの戦意をさらに高めると、べリアルに向け走り出す。 疾風の如き速さで間合いを詰めると、べリアルの1体に斬撃。 怒りで吠えるべリアルに、周囲の敵の視線が一瞬だが向く。 その機を逃さず、スポットライトを発動。 べリアルの攻撃を避けながら、華麗に舞うように動く。 魔力を込めた舞踏は魔術としての効果をみせ、強制的にリコリスに意識を向けさせる。 それにより複数の敵がリコリスに向かう。そこにトールの援護射撃が入った。 (ララ) トールはリコリスの身を案じながらも、リコリスを信じ魔力を温存する。 (まだ、ここじゃない。敵が集まった所でマッピングファイアを叩き込む) 状況を見極めながら、戦いに集中していった。 浄化師の参戦により、事態は大きく動いていく。 猛虎の牙は浄化師の指示に従いながら、協力し対処していった。 ●敵を叩き伏せろ! 初手からシリウスは全力を出していく。 「光は降魔の剣となりて、全てを切り裂く」 手にした黒炎魔喰器、蒼剣アステリオスを解号。 シリウスの意志に応え、アステリオスは黒炎を解放し、シリウスを包みこむ。 次の瞬間、黒炎が消えると同時に現れたのは、刻印のように魔方陣が身体に浮かぶシリウスの姿。 アウェイクニング・ベリアル。 覚醒状態のシリウスは、しかし理性を保ったまま、さらに戦闘力にブーストを掛ける。 ベリアルリングによる戦力の底上げ。魔術真名の詠唱も合わせた3重のブーストは、凶悪と言ってよい強さを見せた。 (まずはべリアルを倒す) 最優先目標はべリアル。一般住人に向かおうとした1体に狙いを付けると、一気に駆ける。 それはまさしく神速。 べリアルはシリウスの動きに気付く余裕すらなく、一太刀で真っ二つに斬り裂かれた。 低スケールべリアルでは、今のシリウスの強さに抗う術は無い。 ただの一太刀で滅び去る。 圧倒的な強さを見せるシリウスだが、油断はしない。 (一気に仕留める) 黒炎解放の効果が続く間にべリアルを全滅させるべく、シリウスは走り続けた。 同様に黒炎解放し、べリアルを叩き切っていくのはクリストフ。 「お前の力を示せ、ロキ!」 解号に応え、陽炎剣ロキは内に蓄えた黒炎を解放。 全身を黒炎に包まれたクリストフは、黒炎が晴れるとアウェイクニング・ベリアルとしての姿を現した。 全身に力がみなぎる。その状態で理性を保ちながら、ロキを振るいべリアルを滅していく。 狙いは、猛虎の牙と交戦している1体。 地面を抉るような勢いで突進すると、陽炎のような揺らめきを纏うロキを振るう。 一太刀斬裂。 反撃など許さず、一撃でべリアルを滅ぼした。 (強いな。これ、生け捕りをする相手に使う時は、加減しないと一撃で殺しかねないな) ロキの強さを確認しながら、クリストフは猛虎の牙に声を掛ける。 「猛虎の牙の人達、何人か避難誘導をして、残りは一緒に戦ってくれると助かるよ」 これに猛虎の牙は応える。 「ガルダ! 避難誘導の指揮は任せる! セタ! 護衛協力! 残りは俺の指示で浄化師の援護に当たれ!」 リーダーの男が、良く通る声で部下に指示を出す。 猛虎の牙は素早く応え、幾つかのチームに分かれ行動する。 その内のひとつ、先ほど指示を出したリーダーがクリストフに言った。 「取りこぼしと背後からの奇襲はこちらで対処する。そちらは自由に動いてくれ」 「ありがとう。頼むよ」 クリストフは笑顔で返すと、べリアル討滅に走り出した。 シリウスとクリストフの活躍により、べリアルは次々倒されていく。 だが敵は他にも。人形遣いの配下が、シャルルを捕えようと襲撃してくる。 もちろん、それを許す浄化師ではない。 「シアちゃん」 「はい」 リチェルカーレとアリシアは、人形遣いの配下がシャルルに近付けないよう、壁役となって立ちはだかる。 それを配下は突破しようと突っ込んでくるが、距離を詰めて来た所に、アリシアは禁符の陣を発動。配下を一時的に拘束する。 どうにかして横をすり抜けようとする者も出るが、そこにリチェルカーレが立ちはだかった。 「邪魔だ!」 配下は魔力弾を放ちリチェルカーレを排除しようとするが、魔力防御の高いリチェルカーレは軽傷で受け止める。 そこに退魔律令がカウンターで発動した。 配下は後方に吹っ飛ばされ、仲間にぶつかり一時的に進攻が止まる。 その隙にアリシアは天恩天賜を掛けた。 「リチェちゃん、怪我は」 「大丈夫。ありがとう」 安心させるように笑顔で返し、リチェルカーレはアリシアと共に壁役を続ける。 そこに援軍が駆け付けた。 「援護に行きます」 「分かった」 シャルルの元に向かっていたリューイとニコラは、途中で配下の動きを止めてくれていたリチェルカーレとアリシアを援護する。 先に跳び出したのはリューイ。 魔性憑きの素早い動きで配下の間合いに踏み込むと、注意を引くように浅く斬り裂く。 攻撃を受けた配下は、仲間と連携してリューイを迎撃しようとする。 だがその時には既に、リューイは間合いを空けていた。 離れ過ぎない絶妙な距離で、配下の注意を引き続ける。 ヒット&アウェイを繰り返しながら、配下を意図的に誘い込んでいった。 そこにニコラの渾身の一撃が放たれる。 「リューイ!」 ニコラの呼び掛けで意図を察したリューイは、大きく後方へと跳ぶ。 そちらに配下達の注意が向いた隙を逃さず、ニコラのグラウンド・ゼロが炸裂した。 手にしたデモン・オブ・ソウルを勢い良く降り降ろし、配下の1人を切り裂く。 同時に、魔力により周囲の大気を巻き込んだ振り降ろしが、周囲一帯を押し潰す。 強力な風圧が、周囲の配下達を地面に叩きつけるほどの威力をみせた。 まとめて大きくダメージを受ける配下達。 だが、それだけで倒れはしない。 けれど動きが鈍っている隙に、リューイはニコラと、同行するヴィオラに言った。 「今の内にシャルルさんの元に向かって下さい。ここは僕が抑えます」 「すまん。頼む」 「ありがとうございます」 ニコラとヴィオラは礼を言うとシャルルの元に急いで向かう。 残ったリューイに、リチェルカーレとアリシアが天恩天賜を掛ける。 「怪我をしたら、言って下さい」 「すぐに天恩天賜を掛けますからね」 「ありがとうございます」 リューイは2人と協力して、壁役として配下を近付けまいと戦闘態勢を取る。 そこに配下達は、数人纏まって突っ込もうとしたが―― 「させるかー!」 レオノルが渾身のソーンケージを叩き込む。 捧身賢術を2重に掛けた状態でのソーンケージは絶大な威力を見せた。 配下達を囲むようにして出現した魔力の茨が、配下達を絡めとり鋭い棘で切り裂いていく。 「先生の元に行かせるもんか!」 レオノルは、リチェルカーレとアリシア、そしてリューイと合流すると、不退転の決意で配下達に立ちはだかる。 (身体を盾にして先生をお守りせねば……!) それは受けた恩に少しでも報いたいという想い。 (先生には多くの事を教わったのです。ご恩は返さねば!) その意志を表すように、仲間と協力して、シャルルの元に配下を近づけさせないでいた。 だが敵は配下だけではない。数多くのべリアルも脅威だ。 しかしそれは、リコリスとトールの奮闘で抑えられている。 「哀れなお人形さん達、こっちへいらっしゃい!」 リコリスはべリアルを斬り裂くと、住人やシャルルの元へと向かわせないよう誘導する。 攻撃を受けたべリアルは怒りに震え触手を撃ち出すも、その全てをリコリスは避けきった。 そこから更に、リコリスは別のべリアルを斬りつける。 決して止まることなく動き続け、多数のべリアルの注意を引き続けた。 数が多くなったことで、べリアルの中には、他に注意が向くものも出そうになったが、そこでリコリスはスポットライトを発動する。 戦場を駆け抜けながら、魔力を込めた舞踏を披露し、それを見た敵の全てを惹きつけた。 結果、無数のべリアルがリコリスを襲撃し続ける。 反撃するのもままならないほど、立て続けの攻撃がリコリスに向け放たれた。 それをリコリスは避け続ける。 時に攻撃の数が多すぎ、まともに食らいそうになるが―― 「左後方から新手だ!」 離れた位置で全体を俯瞰して見ていたトールが敵の動きを伝えつつ、狙撃で動きを牽制。 それによって生まれた僅かな猶予に、リコリスは態勢を整え避け続ける。 リコリスの活躍により、住人の避難と敵の排除が進む。 この動きがなければ、数の暴力で幾らかの被害が出ていた筈だが、住人にも、そしてシャルルにも、被害が出ずに済んでいた。 こうした皆の奮闘に助けられ、ニコラとヴィオラはシャルルの元に安全に辿り着く。 「先生、ご無事ですか」 ニコラの呼び掛けに、猛虎の牙に守られていたシャルルは心配するように返す。 「私は無事だよ。それより、ニコラもヴィオラも、ここは危ない。早く逃げなさい」 自分の身が危ないというのに心配するシャルルに、ヴィオラは苦笑するように返した。 「大丈夫です、伯父様」 シャルルを安心させるように笑みを浮かべ、ペンタクルシールドを発動。シャルルを守るため、ペンタクルのタロットカードを宙に舞わせる。 「伯父様、心配しないで下さいね。私達が絶対に守りますから」 姪の言葉に、それでもシャルルは心配そうに言った。 「ヴィオラ。ああ、でも、危ないよ。怪我でもしたら」 小さな子供を心配するように言う伯父に、ヴィオラは余裕を見せるように笑みを浮かべ返した。 「ふふっ、私はもう小さなヴィオラじゃないんですよ」 ニッコリ微笑んで、シャルルを守るため敵に立ちはだかる。 魔力探知を使い、周囲を警戒しながら護衛に動く。 同時に、これまで護衛に就いてくれていた猛虎の牙に呼び掛ける。 「伯父様を、この場から脱出させようと思います。協力して頂けますか?」 これに護衛チームのリーダーであるセタが応えた。 「分かりました。避難誘導の導線が出来れば、私達が壁役として先行して進み退路を作ります。その際の護衛はお願いします。その為には――」 「邪魔になる相手は、こちらで排除する」 ニコラはセタに応えると、ヴィオラに言った。 「リューイ達の元に戻る。先生のことは任せた」 「はい、任せて下さい」 信頼するように言葉を交わすと、2人はそれぞれの役割に動く。 ニコラはリューイと、リチェルカーレとアリシア、そしてレオノルと合流。 一方ヴィオラは、猛虎の牙と協力して、この場から離れようとしていた。すると―― 「おやおや。困りますねぇ」 配下を捨て石にして、ニコラ達が守る方向とは逆位置から人形遣いが現れた。 「折角スカウトさせて貰おうとしたのに。つれないですねぇ」 これにヴィオラは、冷たい笑みで返す。 「人形遣いさん? 貴方達の手になんて渡しません」 タロットカードを投擲し、牽制しながら力強く言った。 「だって伯父様は、これから私達とお茶会をするって用事があるんですから!」 猛虎の牙と連携し、ヴィオラは攻撃を続ける。 それを人形遣いは回避し続け、口寄せ魔方陣で新たなべリアルを召喚しようとして―― 「ふざけるな」 ショーンの狙撃により防がれた。 「おやおや」 ギリギリで回避した人形遣いは、距離の離れたショーンに視線を向ける。 ショーンが狙撃に集中する傍にはセシリアが護衛に就き、ペンタクルシールドを展開。 同時にアーク・ブーストをショーンに掛け、援護に動く。 「狙撃に集中してください。その間は全力で守ります」 「すまないが、任せる」 セシリアの援護を受け、ショーンは全力を出していく。 (こいつに煽りは通用しない。とにかく実力行使だ) いま出せる最大戦力を叩きつけるべく、黒炎魔喰器を解放する。 「Fiat eu stita et piriat mundus.」 正義を行うべし、たとえ世界が滅ぶとも。 決意を込められた解号に応え、怨嗟の銃・ランキュヌは内に蓄えた黒炎を放出。 ショーンを包み込むと、理性を保ったままアウェイクニング・ベリアルへと覚醒させる。 瑠璃の炎を纏う黒き銃を構え、ショーンは人形遣いに狙いをつける。すると―― 「はっ!」 人形遣いは愉しげな笑顔を浮かべた。 「なんです? なんですそれは! はは、まさか、まかさアウェイクニング・ベリアルですか? 面白い! なんです? どういうことなんです? それは貴方の特性ですか? いやいや、今その銃から出た炎のような物に包まれて変化しましたね? ならその銃が原因ですか? それにしてもその変化、面白い! どうなってるんです? どうなってるんですか? 調べたい。調べさせてください。大丈夫、ちょっと腹や頭を切り裂いて取り出してバラして並べて掻き回すだけです! 安心してください! 死なないように解体してあげます!」 興奮したように早口で喋りながら、ずんずんとショーンに近付いて来た。 怖気の走る気持ち悪さを飲み込みながら、ショーンは冷静に狙撃する。 リンクマーカーで作り出した魔力の照準を頼りに狙いをつける。狙いは脳天。 トリックショットを同時に使い、引き金を引く。 ランキュヌは蒼い炎の弾丸を撃ち出すと、弾の軌道上に魔力で反射用の壁を生成。 魔力の壁に当たると跳弾し、人形遣いの予想外の方向から着弾する。 額に血の花を咲かせる人形遣い。 生きていれば致命傷。 だが、ゾンビの身体でしかない人形遣いは笑みを深めた。 「すごい! 撃たれただけで魔術防御の回路が阻害されてる! ああ、それにここまでこの肉体が破壊される筈はないのに、破壊されたということは、呪いに近い魔術効果も付いているのですか? ふふ、ははははっ! おもしろい!」 愉しげに笑い声を上げながらべリアルを召喚する。 6体召喚されたべリアルは、2体が人形遣いに襲い掛かり、残りの2体がショーンとセシリアに向かい、残りが周囲に向かって走り出した。 ショーンは反射的にべリアルを狙撃しようとするが―― 「こちらに来るべリアルは私が対応します。他は皆に任せましょう。今は人形遣いを倒すことに集中してください」 セシリアが向かって来るべリアルを迎撃しながら、ショーンが攻撃に専念できるよう身体を張る。 「分かった。頼む」 ショーンは頷くと、一刻も早く人形遣いを倒すべく、容赦なく攻撃を重ねていった。 それぞれ役割を十二分にこなしながら、浄化師は奮闘を続ける。 シリウスとクリストフが素早くべリアルを各個撃破し、そこから外れたべリアルの残りはリコリスが引き付けていた。 その間に、猛虎の牙が住人の避難を完了。避難に動いていた猛虎の牙は、続けてシャルルを安全な場所に逃がすために動く。 「退路を確保しました! こちらへ!」 猛虎の牙の申し出に応え、ヴィオラがシャルルを誘導する。 それに気付いた配下達が焦りながら魔力弾を飛ばす。 だが、浄化師達に抑えられながらの攻撃ではまともに当たる筈もない。 辛うじて向かった攻撃も、タロット・ウォールで受け止めるヴィオラに遮られた。 「伯父様、今の内です」 「ありがとう」 シャルルは心配そうな表情でヴィオラやニコラ達を見詰めると、少しでもこの場から離れるのが一番自分が役に立つことだと判断し、全力で走り出す。 捕えるべきシャルルが離れていき、ますます焦る配下達。 その焦りは隙となって、浄化師を有利にした。 「先生はお前達などには渡さん! 諦めておとなしく縛につくんだな!」 シャルルを追い駆けようとする配下に、ニコラはデモン・オブ・ソウルを振るう。 連続した攻撃で疲労していた配下は避ける事など出来ず、一撃で戦闘不能に追い込まれた。 次々に配下は倒されていき、状況の不利に逃げ腰になる。 そこにリューイは跳び込む。 縦横無尽に駆け回り斬りつけながら、投降を促した。 「投降してください。命まで取る気はありません」 変わらぬ闘志を見せるリューイに、残った配下達は不利を悟り投降の意思を告げた。 戦いの趨勢は決着を見せ始める。 それをより強いものにするべく、リコリスは皆に呼び掛けた。 「トール、レオノル先生、今よ! やっちゃって!」 多数のべリアルを引きつけていたリコリスは、周囲に誰もいないことを確認してから声を上げる。 「分かった!」 力強く最初に応えたのはトール。 リコリスが後方に大きく跳ぶのに合わせ、マッピングファイアをべリアルの群れに叩き込む。 無数の弓矢が豪雨の如く降り注ぎ、ベリアルを次々に刺し貫いた。 そこに間髪入れず、レオノルのソーンケージが放たれる。 「これで、どうだ!」 魔力により作られた茨がべリアル達を包み込み、絡めとり引き裂いた。 まとめて大半のべリアルが滅ぼされる。 だが、かろうじて数体が逃げ出すも、シリウスとクリストフが止めを刺す。 シリウスは一気に踏み込むとソードバニッシュ。一撃で討ち滅ぼす。 ほぼ同時に、クリストフもソードバニッシュで1体を一撃の元に滅ぼす。 「こっちの1体は俺が倒すよ! もう1体は任せた!」 「分かった」 シリウスはクリストフに応え、2人は共に氷結漸を振るい、残ったべリアルを全滅させた。 これで敵の残りは人形遣いのみ。そちらも決着を見せていた。 「人形遊びがしたいのなら、付き合いましょうか?」 薄く笑みを浮かべ、セシリアは対峙する人形遣いに言った。それは少しでも人形遣いの情報を探るため。 すでに人形遣いは、ショーンからの度重なる銃撃で、まともに戦える状態ではない。 体のいたる所が欠けるほど、大きく損傷していた。生身の人間であればすでに死んでいただろう。 だが特殊なゾンビを操っているだけの人形遣いは、余裕のある声で言った。 「おや、おやおやおや、遊んでくれるのですか? それは嬉しいですねぇ。ドール・シリーズのお嬢さん」 「……貴方、なにを知ってるの?」 「ふふ、知りたいですか? 教えません」 そう言うと人形遣いは、より多くの浄化師達が集まっている場所に身体を向ける。 「気を付けて! 自爆する気よ!」 人形遣いの動きに、セシリアは大きく叫ぶ。 走り出そうとした人形遣いに、ショーンがクリムゾンストックを叩きつける。 ランキュヌの銃床で人形遣いの後頭部を殴りつけると、零距離で心臓を撃ち抜く。 堪らず倒れ伏す人形遣いを、ショーンは足で踏みつけ抑え込む。 「思い通りになると思うな! 地獄に行くのは俺とお前だけでいい!」 裂帛の気合いで抑え込まれ動けない人形遣いは―― 「もっと賑やかにいきたかったんですがねぇ」 残念そうに言いながら爆発した。 爆心地に居たショーンは、大きく吹っ飛ばされる。 「ショーン!」 顔を青ざめさせながらレオノルが走り寄る。 「腕が!」 腕が千切れ飛んだショーンは、レオノルを安心させるように返す。 「大丈夫です、ドクター。死霊の石のお蔭で助かりました」 腕が千切れ飛ぶことと引き換えに、一度だけ致命傷を回避してくれる死霊の石の効果で、ショーンは死なずに生きている。 しかもアンデッドであるので、腕が千切れただけなら、傷口を合わせれば元通りくっ付く。 なので平気だと言おうとしたが―― 「天恩天賜を掛けます!」 「腕以外にも、怪我があれば、言ってください!」 泣きそうな表情で走り寄って来たリチェルカーレとアリシアに、ショーンはバツの悪そうな表情で返す。 「その、アンデッドだから大丈夫――」 「ショーン」 怒ったように言うレオノルに―― 「はい。ドクター」 大人しく従うショーンだった。 人形遣いを倒し、べリアルの全ては討滅を終わらせる。 配下を猛虎の牙たちが拘束する中、浄化師達はそれぞれ動いていた。 「リコちゃん、怪我はない?」 心配そうな声で、リチェルカーレはリコリスに声を掛ける。 「大丈夫よ。リチェとシアが天恩天賜を掛けてくれたから。ありがとう」 今回の戦いで、一番多く敵を1人で引き付け続けたリコリスは、心配させまいとするように笑顔を見せる。 けれど疲労はどうしても滲んでいた。 「無理はするなよ、リコ」 リコリスを心配そうに見つめ、トールは言った。 「疲れたなら言ってくれ。肩ぐらい、いつでも貸すからな」 「そう? ありがとう、トール」 仲の好いリコリスとトールの様子に、リチェルカーレとアリシアは微笑ましげに目を細める。 そしてシャルルの元に向かった。 「怪我は、ありませんか?」 アリシアの問い掛けに、シャルルは返す。 「大丈夫だよ。みんなが助けてくれたから。ありがとう」 穏やかに返すシャルルに、アリシアは続けて言った。 「シャルルさん……シャルル先生、で、いいでしょうか。みんな、貴方がいらしてくれるのを、待っていました。お目にかかれて、嬉しいです」 同じようにリチェルカーレも言った。 「始めまして、リチェルカーレと言います。いつもレオノル先生には、お世話になっています」 「そうなのかい? ああ、でも、今日は私がお世話になってばかりだよ。みんな、怪我はないかい。君も、大丈夫かい? アンデッドとはいえ、痛かっただろう」 泣きそうなほど心配しているシャルルに、ショーンは返す。 「ご心配に及ばずに。ドクターの先生である貴方をお守りできたのです。この程度、怪我の内に入りません」 「ドクター?」 不思議そうに聞き返すシャルルに、レオノルが応えた。 「彼はショーン。私のパートナーです」 そして続けて問い掛けた。 「先生、教団に来て下さるのですか……?」 これにシャルルは、意気込むように返す。 「ああ、そうなんだ。今までにも何度か、ヨセフという人から手紙を貰って、レオノルやヴィオラやニコラのことを教えて貰っていたんだけど――」 シャルルの話では、どうやらヨセフは時間に余裕がある時に、浄化師の家族が安心できるよう、近況などを手紙にしたためて送っていたらしい。 そうしてある程度、手紙を通じてやり取りを重ねたあとで、今回のマドールチェとオッペンハイマーに関わる件で協力を求められたようだった。 「少しでも、マドールチェの子達のために力になりたいんだ。私に出来ることなんて、少ないかもしれないけど、それでも……。 そのためなら、教団に行っても良いと、思ったんだ」 不安を飲み込むようにシャルルは言った。 マドールチェの歴史の暗部を知るシャルルは、教団の非道も知っている。 それでも協力しようと思ったのは、マドールチェの力になりたいと思ったからだ。 人の良いシャルルに、レオノルは苦笑するように言った。 「私が所属したころは酷い面も垣間見えましたが、今は大分まともになりました。でも……何かあったら2人で抗議に行きましょうね!」 「ああ、その時は頼むよ」 シャルルは苦笑しながら返した。 その様子を見詰めていたセシリアは、小さく呟く。 「『シャルル・クリザンテム』……」 これに応えるようにリューイは言った。 「オッペンハイマーさんの知り合い、なんだよね? マドールチェの真実……セラは知ってる?」 「いいえ。でもそうね、落ち着いたら話を聞いてみたいわ」 すると、セシリア達の声が聞こえていたのか、シャルルは気に掛けるように声を掛けてきた。 「君は、彼の、オッペンハイマーのことを知っているのかい?」 これにセシリアは、以前オッペンハイマーと交わした話の内容をかいつまんで話した。するとシャルルは言った。 「ドール・シリーズ……彼から来ていた手紙が途切れる寸前に、そのことが書かれていた物を受け取ったよ。 遺体ではなく、生きた人間を元にしたマドールチェのことなんだ。 マーデナクキスや、元々ヨトゥンヘイム地方に住んでいた現地の人達、それに他の場所からも子供を浚って、作ったらしい。 そんなことが起きないよう、生きた人間でなくても、マドールチェに成れる技術を、オッペンハイマーと一緒に作ったのに……」 嘆くようにシャルルは言った。 「一度生まれた技術は、決してなくならない。だから生きた人間が犠牲にならないよう、代替技術を作って広めたんだ。一緒に協力してくれた研究者の中には、死んでしまった人を生き返らせるような技術に繋がるかもしれないと、苦しみながらも、協力してくれた人がいたよ」 過去の一端をシャルルは語る。それを静かに聞いているレオノルを見て、ニコラは思う。 (姉や兄が造られた経緯を初めて知ったが、レオノルも知らなかったようだな。後できちんと聞いてみよう) 思いにふけるニコラと、当時を思い出して悲しそうな表情を見せるシャルル。 そんな2人を見詰めたあと、ヴィオラは言った。 「伯父様、私、話したいことが一杯あるんです」 シャルルに笑みを向けながら、ヴィオラは続ける。 「私だけでなく、みんなも、一杯あると思います。だから、教団に行きましょう、伯父様。美味しいお茶とお茶菓子を、いっぱい用意しますね」 ヴィオラの言葉に、シャルルは表情を和らげ応えた。 「ああ、楽しみにしているよ、ヴィオラ」 そこに良いタイミングで、シリウスとクリストフが皆に声を掛ける。 「周囲の索敵が終わった。他に敵は居ないようだ」 「猛虎の牙が先導してくれるみたいだから、その後をついて行こう」 2人の言葉に皆は頷き、教団へと向かって行った。 こうして指令は終わりをみせる。 数多い相手であったにもかかわらず、人的被害は全く出さず解決へと導いた浄化師達だった。 浄化師達に連れられたシャルルは、保護するために、魔術学院の講師としての身分をヨセフの工作により与えられ、教団寮の一室を貸与された。 これにより、話をするならば、魔術学院や寮に行けば会うことが出来るようになった。 いつでも護衛を付けて家に帰ることが出来るようにもした上で、家族には猛虎の牙が、今まで以上に護衛に就くことになった。 当のシャルルといえば、マドールチェのために積極的に聞き取りに応えつつ、魔術学院の施設と潤沢な材料を使って実験をしつつ、魔術学院で学ぶ浄化師見習いの子供達を教えているらしい。 ただ、生活能力が皆無なせいで、どんどん研究室と寮の一室を魔窟へと変えている彼の元に、心配した助手のマドールチェ達が来たりなんだりするかもしれないのだが、それはまた別のお話。
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*** 活躍者 *** |
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[20] リコリス・ラディアータ 2020/03/06-23:58
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[19] リューイ・ウィンダリア 2020/03/06-22:23
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[18] リチェルカーレ・リモージュ 2020/03/06-22:14 | ||
[17] ニコラ・トロワ 2020/03/06-21:47
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[16] クリストフ・フォンシラー 2020/03/06-21:09 | ||
[15] リチェルカーレ・リモージュ 2020/03/06-19:37 | ||
[14] リコリス・ラディアータ 2020/03/06-00:12 | ||
[13] リューイ・ウィンダリア 2020/03/06-00:11
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[12] リチェルカーレ・リモージュ 2020/03/05-23:34
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[11] ショーン・ハイド 2020/03/05-22:51 | ||
[10] クリストフ・フォンシラー 2020/03/05-21:49 | ||
[9] リチェルカーレ・リモージュ 2020/03/04-22:19 | ||
[8] ヴィオラ・ペール 2020/03/04-21:07 | ||
[7] リューイ・ウィンダリア 2020/03/04-20:39 | ||
[6] リコリス・ラディアータ 2020/03/03-21:18 | ||
[5] レオノル・ペリエ 2020/03/02-23:06 | ||
[4] クリストフ・フォンシラー 2020/03/02-22:59 | ||
[3] リチェルカーレ・リモージュ 2020/03/02-21:57 | ||
[2] ニコラ・トロワ 2020/03/02-21:03 |