家族の安全を確保しよう
普通 | すべて
8/8名
家族の安全を確保しよう 情報
担当 春夏秋冬 GM
タイプ EX
ジャンル 日常
条件 すべて
難易度 普通
報酬 通常
相談期間 5 日
公開日 2020-03-14 00:00:00
出発日 2020-03-22 00:00:00
帰還日 2020-03-30



~ プロローグ ~

 教団本部、室長室。
 そこでヨセフは、秘密裏に招いたウラド・ツェペシェと話をしていた。

「つまり、教団員家族の保護をして欲しい、と」 
「そうだ」
 ヨセフは蜂蜜たっぷりの紅茶を飲み、応える。
「本格的に、上層部と敵対するからな。その影響が、教団員の家族に出ないようにしたい。もちろん、浄化師の家族もだ」
「ええ、賛成します」
 ウラドは血のように赤いワインを飲み干し、ヨセフに返す。
「シャドウ・ガルテンが今のような状況に成れたのは浄化師のお蔭です。恩を返すためにも、そしてこれからのためにも、苦労は惜しみません。ただ――」
「分かっている。サー・デイムズ・ラスプーチンのことだな」
 静かな声で、敵となる相手の名を口にした。
 サー・デイムズ・ラスプーチン。
 国境や一部地域の支部を担当するヒューマンの室長であり、各地の紛争で功を成した英雄として成り上がった準男爵でもある。
 現在は、シャドウ・ガルテンの教団支部の室長として就いている。
 カリスマ性があり、普段は物腰柔らかく、すでに60代だというのに卓越した剣技は衰えを見せない。
 現代最強の剣士はクロートであるが、彼が名を響かせる前は、最強の座についていた人物。
 実力と爵位を以てすれば大元帥も望めるものの、あえて長年室長で収まっている。
 それは自らの欲望を満たす為だ。
 魔術による臓器再生や他種族の研究、果ては紛争で失った左目への魔女の眼の移植など禁忌的かつ非人道的な手段を平然と行っている。
 そのため、ひとつの場所に留まることで、自らの研究の促進と、不法入国者など身寄りのない者を捕らえ実験材料の確保としていた。
「調べれば調べるほど度し難い。もっと早く調べられなかったのが悔やまれる」
「仕方ありません。私の国は、今までが今まででしたから。他国の排斥と隔絶主義。かつての差別の記憶故とはいえ、良いことではなかった。なによりブラフミンである私が――」
 ウラドの言葉をヨセフは手で制し、言った。
「今は懺悔の時間じゃない。贖罪がしたいなら未来のために働け。そのために――」
「ええ、分かっています。我が国の教団員及びその家族の安全は任せて下さい。そしてラスプーチンについても、可能な限り協力しましょう。もちろん、貴方が教皇となるための苦労も厭いません」
 ツェペシェの言葉に、ヨセフは苦い表情をする。
 そんなヨセフに、ウラドは微笑する。
「嫌そうですね」
「当たり前だ。趣味じゃない。だが、そんなことも言ってられん。既に各国の代表者による推薦は目処が立っている」
「ノルウェンディにサンディスタム、そしてシャドウ・ガルテン。聖樹森やニホンも、根回しは済んでいるのでしたね?」
「ああ。聖樹森は、代表者であるアルフ・レイティアとの話が進んでいる。ニホンも、このまま何も無ければ賛同してくれる筈だ。そしてマーデナクキスも、いま起こっている騒動を解決できれば、賛同してくれるだろう。失敗すれば、最悪無政府状態になりかねんが」
 言いながら、胃痛を堪えるように眉をしかめる。
「ご苦労が多いようですね」
「そう思うなら、お前もしっかり働け。近い内にアークソサエティ内の大貴族と今後の話し合いをする。お前にも出て貰うぞ」
「構いません。良いワインを手土産に、話をするとしましょう」
 くすくすとウラドは笑いながら、グラスに新たなワインを注ぐ。そして言った。
「では、これまで通り、私は動いていきます。もちろん、今回提案された教団員とその家族の保護は、最優先で行います。それで、他の地域は?」
「そちらも大丈夫だ。それぞれ使者を送っている」

 ヨセフの言葉通り、各地で話し合いは進んでいた。

「では、オジキ。頼みます」
 ノルウェンディ王宮で、ウボーは伯父である国王、ロロ・ヴァイキングに頼む。
「おう、任せぇ。浄化師にゃ、この前のアジ・ダハーカの件もあるけぇの。余計なちょっかい出す奴がおったら、ぶっとばしちゃるわ」
 ガハハと笑い、ロロは引き受ける。
「働き場ぁは、アイスラグーンを用意しちょるけぇ。他にも出来るだけ、用意しちょくわ」
「頼みます、オジキ」

 こうした話し合いは、他でも。

「分かりました。ヨセフ殿には、承知したとお伝えください」
 サンディスタム王宮。王であるメンカウラーは、使者であるセレナに応えた。
「教団員としての席を持つ魔喰器の研究者達や、他にも、国のために働いてくれる者達が居ます。彼らにも協力を頼み、安全な場所を作ります」
「ありがとうございます。ヨセフ室長に代わり、お礼を申し上げます」
「いえ、良いのですよ。浄化師のお蔭で、サンディスタムは好い方向に向かって行けているのです。王宮内の統制も終わりましたし、周辺部族については、貴方達が紹介してくれた青衣の民を窓口にして、連絡網が出来つつあります。もし彼らの元に身を寄せたいなら、そちらに関しても力に成ります」
「重ねて、お礼を申し上げます。そのお考えが、きっと良い未来に繋がるでしょう」
 セレナの応えに、頷くメンカウラーだった。

 そしてニホンでも、話がついている。

「うむ。構わんぞ」
 センダイ藩主の娘であり、現地での投資関係を取り仕切る五郎八は、使者として来たセパルに返す。
「ちょうど、投資で賑やかになって来た所じゃからのぅ。人手が足らぬゆえ、むしろ助かるぞ」
「まったくで」
 五郎八に賛同したのは、冒険者ギルドのマスターである吉次郎。
「ヨハネの使徒が金になるんで、色々と人が集まって来てますから。荒くれの冒険者が集まったは良いですが、基本身の回りのことが出来ない人ばっかりですからね。食事処や、他にも生活必需品を商う店の店員は足りないんですよ。むしろ来て欲しいですね」
「人手は、あると助かるわ」
 おっとりとした声で言うのは、魔法薬草植物園の園長であるリリエラ。
「浄化師の子達が持って帰ってくれた魔法の植物だけじゃなくて、他にも、色々と育てたい植物があるの。でも、そのためには人手が要るし。身元が確かな人達ばかりだろうし、来てくれると嬉しいわ」
「私の所も、歓迎するわよ」
 艶のある声で言ったのは、万物学園の学園長であるナディア。
「ニホンを巡って、見どころのある研究員を捕まえてきたのは良いんだけど、全員生活破綻者なのよね。3食ご飯を食べさせてくれる人がいないと、ダメダメだわ」
 軽くため息をつくナディア。
 そんなナディアに苦笑しながらセパルは礼を言った。
「ありがとう。みんなが受け入れてくれるなら助かるよ。それじゃ、必要な時があったら、よろしくね」
 セパルの頼みに皆は応えるのだった。

 こうして根回しも終わり、浄化師の家族を受け入れる下地は整った。
 それを受け、ヨセフは指令を発令した。
 内容は、危険が見込まれる浄化師の家族を安全な場所に移送し、そこでの生活が巧く行くよう、現地で連絡をつけるというもの。
 引っ越し費用については、ヨセフが色々と工作して、教団の費用から出すので心配しなくても良いとのこと。
 他にも、現時点でも秘密裏に浄化師の家族は護衛しているのだが、そのことを家族に話し、より護衛の安全性を整えるという内容。

 この指令、アナタは、どうしますか?


~ 解説 ~

●目的

浄化師の家族の安全を高めよう

●選択肢

次の3通りです。

1 現住所から、他の場所に引っ越す

家族を、現住所から他の場所に移せます。移せる場所は次の通りです。

ノルウェンディ

温泉観光施設アイスラグーンでの働き場所などを提供してくれます。その他、生活の保障はしてくれます。プランで詳細は自由に決められます。

ニホン

冒険者ギルド。薬草魔法植物園。万物学園。などの働き場所を提供してくれます。その他、生活の保障はしてくれます。プランで詳細は自由に決められます。

サンディスタム

王直属の研究施設。などの働き場所を提供してくれます。サンディスタムの各地部族。青衣の民などが客人として面倒を見てくれます。その他、生活の保障はしてくれます。プランで詳細は自由に決められます。

その他

マーデナクキス以外の場所でしたら、好きな場所に行けます。プランで詳細は自由に決められます。

2 護衛が就いていることを話す

引っ越しはせず、現在護衛が就いていることを話し、より連携が取れるようにします。護衛は、魔女や冒険者ですが、どのような相手かは、プランで詳細を自由に決められます。

3 引越しの手伝い

現住所から、他の場所に引っ越す人達の手伝いをします。

この3つの内、どれかひとつを選んでプランにお書きください。

●NPC

私が今までに出している、友好的なNPCなら、誰を出していただいても構いません。

他にも、護衛として就いているNPCに関して、魔女か冒険者という括りであれば、自由に設定を作って出していただいても構いません。

●その他

基本的に、家族(自PC以外の家族も可)の安全がより深まったな、というプランが書かれていましたら、成功以上になります。

以上です。


~ ゲームマスターより ~

おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、浄化師の家族の安全を今の内に確保して後顧の憂いを無くしておこう、という内容の指令になっています。

とりあえず単発として出していますが、エントランスでリクエストがあれば、同様のエピソードを出すかもしれません。

それとプロローグで出てきたサー・デイムズ・ラスプーチンに関しては、リクエストで頂いた物に、設定を付け加えて出させていただきました。今回は関係ないですが、ヨセフを潰すために立ちはだかる教団上層部として関わって来る予定です。

それでは、少しでも楽しんていただけるよう、判定にリザルトに頑張ります。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者

弟妹をシリウスに任せ 母と話
父と暮らしたこの家を離れたくないという母に こくり頷く
お母さんならそういうと思った
それでね 実は、お母さんたちに危ないことがないようにって
こちらのケントさんは アルバイトじゃなくて本当は護衛に…

知っていたわ だってケントさん、花の事何も知らないんだもの
ふふ と笑う母に 顔を赤くしたケントさんを見て

でもとてもありがたいの 
貴女もシリウスさんもいなくて シンティたちも寂しそうだったから
ケントさんがきてくれてとても嬉しい
リチェ あなた達が私たちを守ってくれるなら
私たちはあなた達の帰る場所を守るわ
…だから必ず帰ってきて

こくりと頷いて 母に抱きつく
わたしは平気 シリウスがいるもの
安心して お母さん
ショーン・ハイド レオノル・ペリエ
男性 / アンデッド / 悪魔祓い 女性 / エレメンツ / 狂信者
…あの、お母様
私と二人で話がしたいとのことでしたが…?
説明させて頂くならドクターがいらした方が…
恋人じゃないのかという発言に動揺のあまりむせる
いきなり異性の親にダイレクトに聞かれるのは気恥ずかしいんですが

…正直、伴侶とはそこまでいいものなのでしょうか?
私の家庭は酷かったですから
あれを家庭と呼んでいいのか…
…え?だから?
問題点が分かっているし現実を見ているから任せたい…

…評価なさって下さるのは有難いですが…その…
ドクターの意思が一番大事ですから
一番微笑まれ更に戸惑う
とはいえ
ドクターが俺と一緒にいる時が一番幸せそうなのは…俺も分かってるんだ…
直後事情を知らないドクターがやってきて来て気まずかったが
アリシア・ムーンライト クリストフ・フォンシラー
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / アンデッド / 断罪者
家族の安全…クリスのご家族の事、心配です
私の家族は、もう……
なので、お義父様とお義母様は、絶対に守りたくて

そう、ですね
お二人とも、きっとあの地を離れられない、ですよね
皆さんに、必要とされてる方達です、もの

診療所に着いてお話したら予想通りのお答えに
思わず納得してしまいました

お義母様…剣を使われるのですか?
何となく、お義父様はお強そうと、思ってました、けど

お義母様は、祖父母の代でニホンから移住してこられたそうで
剣と言うよりも刀を使うのが得意なのだと教えて頂きました
クリスの曾祖父母と言う方は、ニホンの剣術の道場を営んでいらしたと

お義母様……
くれぐれもお気を付けて…
護衛の方にも、お願いしておきます、ね
エフド・ジャーファル ラファエラ・デル・セニオ
男性 / 人間 / 墓守 女性 / ヴァンピール / 悪魔祓い

お袋(シャフィーカ)はサンディスタムがいいらしい。政権交代したばかりだが、今国内にいるよりはマシだろう。
あんたの生活は当面心配ないはずだ。だからすまないんだが、あんたが助けを求めるまでは援助を打ち切りたい。
……そうだよ、女だ。勇ましいが危うい子でな。彼女が自滅しないようにしてやりたい。
彼女とは出発するときに会えるだろう。俺が長く一緒にいるべきじゃないから、彼女に任せる。

おじさんのママを?責任重大ね、何事もないといいけど。
……ええと、マダム、もしもの為に、気を散らせたくないので……。
彼ですか?……悪い人では、ありません。
(悪党との煽りあいは出来てもまともな交流は苦手なので借りてきた猫状態)
桃山・令花 桃山・和樹
女性 / 人間 / 占星術師 男性 / アンデッド / 墓守
護衛のことを話す

父は幕府の役人で、こんなときだからこそ職場を離れられないので。

護衛は、魔道書の暴走から令花を救い、死んだ和樹をアンデッドとして覚醒させ、そのまま教団に導いてくれたエクソシスト(自由設定)

また来たのか、と少し呆れながらも喜ぶ両親
お客様いらしてるけど上がって、と母。
茶の間で例のエクソシストがお茶をすすっていてびっくり!
「おお、お主たちか!久しいな。息災か?」

話を聞くと、護衛は秘密裏だが、二人の様子を両親に定期的に報告。
「母上殿のお茶が旨くての。毎月の楽しみよ」

「察するに、護衛の件を開示することになったのじゃな」と話が早く、ご両親は必ず守るから励めと保証と激励をくれる。

アドリブA
リューイ・ウィンダリア セシリア・ブルー
男性 / エレメンツ / 魔性憑き 女性 / マドールチェ / 占星術師
>2
リューイの実家へ
護衛のことを告げて 注意を促したい
あと 護衛の人にこの機会にお礼を

リ:父さん母さん ただいま帰りました
セ:カルシール様、お久しぶりです
  エリーゼ様はご機嫌いかがですか?
よく帰ったと笑う父と 「様」なんていらないと言う母に 
セラとリューイを顔を見合わせて笑う

一応 国を出ることも尋ねるが明確に拒否
「国の大事に 軍人が逃げ出すわけにはいかないだろう」
リ:…父さんならそう言うと思ってた
改めて離せる範囲で教団の現状と護衛の説明
リ:ごめんなさい父さん 
この国のために精一杯働くと約束したのに
僕は今の国の在り方は違うと思う
父さんと母さんまで 危険な目に合わせて

気にする必要はないと笑う父に 少し間を開けて笑顔
ニコラ・トロワ ヴィオラ・ペール
男性 / マドールチェ / 拷問官 女性 / エレメンツ / 占星術師
私の家族の方は心配無い、となれば今心配なのはヴィオラの方だな
ブリテンに帰ってみるか?
私も久しぶりにご両親に挨拶をしたいしな

ヴィオラとよく似た雰囲気のお父上
『顔は』ヴィオラとよく似ているお母上の顔を思い浮かべ訪ねる
やはりヴィオラも心配だったのだろう
嬉しそうな表情に一つ頷いて

ヴィオラの実家のレストランは相変わらず繁盛してるようだな
常連も多く、地元で愛されてる店だと聞いていたが

挨拶後、ヴィオラが話してる間は黙って横に
自分達のことよりも娘を心配するご両親に
「娘さんは私が必ず護るので安心して下さい」と告げる

何故かご両親に手を取られ感激された

ヴィオラの方を見るとこちらは苦笑している
私は何か間違えただろうか
リコリス・ラディアータ トール・フォルクス
女性 / エレメンツ / 魔性憑き 男性 / 人間 / 悪魔祓い
2
ニホンのおじいちゃんに護衛のことを話す
…のだけど…やっぱり駄目、どんな顔して会えばいいのか分からないわ
だっておじいちゃんは自分が浄化師の縁者だと知らないし
…わわっ、待ってってば!

強引に引っ張り出され
あ、あの…お久しぶり…孫のリコリス…です
年越し以来ね…

護衛の話に、不安は感じていなさそうで一安心
「声が謡子に似てる」「髪の色と尖った耳がアルブレヒトそっくりだ」
等と語るおじいちゃんに段々と心がほぐれてくるも、
ママ達の近況を聞かれ再び固まる
話をトールに任せ黙ってしまう

トールの言葉に頷き
それに、私はあの人の孫である前に、娘の仇ですもの…
いくらベリアル化してたとはいえ、あんな悲しいこと、知らせたくない


~ リザルトノベル ~

 家族の護衛に関する指令。
 参加した浄化師は、それぞれ家族の元に向かっていた。

●家族の安堵を願う
「おかえり!」
 元気な声で『リチェルカーレ・リモージュ』と『シリウス・セイアッド』は出迎えられる。
 声の主はリチェルカーレの姉弟、シンティラータとリセンティート。
 シリウスに気付くと、たたたっ、と走り跳び込んでくる。
「……ただいま」
 シリウスは危なげなく抱き止めて、満面の笑顔で見つめるシンティラータとリセンティートに小さく応える。
 それをリチェルカーレは笑顔を浮かべ、よく似た笑顔で、母であるフェリーチェも微笑んだ。
「ねーねー、今日はずっといるのー?」
「にいちゃん、お話聞かせて!」
 甘えるように抱きつくシンティラータとリセンティートに、シリウスは困った表情でリチェルカーレに視線を向ける。
 するとリチェルカーレは、くすりと笑みを浮かべ応えた。
「ごめんなさい、シリウス。母と話があるから、少しだけ2人を見ていてくれる?」
「……分かった」
 護衛の話をしなければならないことは分かっているので、シリウスは困った表情のまま頷く。
 それを聞いたシンティラータとリセンティートは――
「おにいちゃん、こっちー。あのね、おねーちゃんと作ったブーケの花、押し花にしたの」
「にいちゃん。それより、じょーかしのおはなし聞かせて」
 シリウスの手を引っ張って、にこにこ笑顔で店の奥に向かう。
 その途中、シリウスは自分より少し年上に見える青年に気付き目を細める。
「ケントさんよ、お店てつだってくれてるの」
 シンティラータの言葉に、シリウスは軽く会釈する。
(彼が、セパルの言っていた護衛か)
 シリウスの視線にケントは気付き、彼も軽く会釈する。
 ケントは、いかにも冒険者といった風体だったが、人当たりの良い穏やかな雰囲気を漂わせていた。
 問題無さそうなケントの様子にシリウスは安堵すると、そのままシンティラータとリセンティートに手を引かれ店の奥に。
 それを見送ったケントは、話をしているリチェルカーレとフェリーチェの元に向かう。そこでは――
「気に掛けてくれてありがとう、リチェ。でも、お父さんと暮らしたこの家を離れたくないの」
 リチェルカーレから事情を聞いたフェリーチェが応えを返していた。
「お母さんならそういうと思った」
 リチェルカーレは母の応えに、こくりと頷くとケントに視線を移し続ける。
「それでね、実は、お母さんたちに危ないことがないようにって。こちらのケントさんは、アルバイトじゃなくて本当は護衛に――」
「知っていたわ」
 ふふ、とフェリーチェは笑みを浮かべ応える。
「だってケントさん、花の事何も知らないんだもの」
 これにケントは顔を赤くして言った。
「こちらに来てから勉強させて貰っています。お蔭で姉も、喜んでいるようで」
「お姉さん?」
 リチェルカーレが尋ねるとケントは返す。
「リリエラです。役に立てと言われたので、セパルさんの頼みもあり来ました。護衛は任せて下さい。花の事は、まだまだ役に立てませんが……」
 申し訳なさそうに言うケントに、フェリーチェは言った。
「そんなことないわ。とてもありがたいの。リチェもシリウスさんもいなくて、シンティたちも寂しそうだったから。ケントさんが来てくれてとても嬉しい」
 これにケントは、穏やかな笑みで返した。
 フェリーチェも笑みで応えると、リチェルカーレに顔を向け言った。
「リチェ。あなた達が私たちを守ってくれるなら、私たちはあなた達の帰る場所を守るわ……だから必ず帰ってきて」
 母の言葉にリチェルカーレは、こくりと頷くと抱きつく。
「わたしは平気。シリウスがいるもの。安心して、お母さん」
「ええ。シリウスさんがいれば、安心ね」
 フェリーチェもリチェルカーレを抱きしめながら、安堵するように頷いた。
 その頃、シリウスは――
「……そんなに興味があるのか?」
 ぽつりぽつりと話を聞かせてやる中で、教団のことばかり聞きたがるリセンティートに首を傾げる。
 するとリセンティートは、興奮するように笑顔を浮かべ応えた。
「ぼく、大きくなったらおにいちゃんみたいなじょうかしになるの」
 リチェルカーレによく似た満面の笑みと、憧れるような言葉に絶句する。
 それを見ていたリチェルカーレが微笑ましげに笑いながら言った。
「ふふ、その時は、一緒に頑張ろうね」
「うん!」
 満面の笑顔を浮かべるリセンティートだった。
 そして教団への帰還の時が来る。
「おねえちゃん、またきてね」
「ぜったいだよ」
 ぎゅっと抱き着く姉弟の頭を撫でながら、リチェルカーレは家族と別れを告げる。そしてシリウスは――
「この人たちを、よろしく頼む」
 ケントへと深々と頭を下げる。
「ええ。任せて下さい」
 力強く返すケントに、シリウスとリチェルカーレは安堵の表情を浮かべ、教団への帰路に就くのだった。

●母親公認?
「母上!」
 アルフ聖樹森にいる母の元に『ショーン・ハイド』と共に訪れた『レオノル・ペリエ』は、ぎゅっと抱き着く。
「いらっしゃい」
 ナターリエも同じように抱きしめると、しばし母娘の抱擁が続く。
 そのまましばし会話を重ねたあと、ナターリエは言った。
「ショーンさんと、お話したいことがあるから、少し付き合って貰っても良いかしら?」
「話、ですか? 私は構いませんが」
 ちらりとレオノルに視線を向けると、笑顔で応えは返って来る。
「ショーン、お願いするよ。私は、母上を護衛してくれる魔女さんと冒険者さんに挨拶に行くから」
 レオノルは手土産のお酒とお菓子を口寄せ魔方陣で召喚すると、挨拶をしに向かう。
 それを見送って、ナターリエがショーンを連れて行く。
(何の話なんだろう?)
 レオノルは少し疑問に思うも、今は挨拶が大事だと、そちらを優先する。
「冒険者さーん! 魔女さん! いつも母を守って下さりありがとうございまーす!」
 豆畑の手入れをしてくれたらしい冒険者と魔女の元に向かい、まずは元気よく挨拶。そして――
「あ、これ、おふたりへの差し入れです。お酒とお菓子です。アークソサエティで売ってる有名なやつだけど、お気に召して頂けたら」
「こいつはありがたい」
 笑顔で、冒険者らしい男性が受け取る。見た目は厳ついが、人懐っこい笑顔を浮かべると、傍らの魔女にお酒を手渡す。
「シバの姐さん、好い酒ですぜ」
「ブリテンのウィスキーじゃない。それも30年物。この年のは出来が良いのよ。ふふ、飲むのが楽しみね」
 どこか妖艶な色香を漂わせる20代後半に見える女性は、嬉しそうにお酒を受け取った。
(喜んでくれてる。ショーンに選んで貰って好かった)
 レオノルが安堵していると、魔女のシバは冒険者の男性に言った。
「そっちのお菓子も美味しそうだけど、どこかで見たことがあるわね? 知ってる? ノヴァ」
 これにノヴァと呼ばれた冒険者は返す。
「前に俺が買ってきたヤツですよ。美味いんですよ~」
 この会話にレオノルも加わる。
「美味しいですよね! 私のお気に入りなんです!」
 これにシバとノヴァは笑顔で返し、話が弾む。
 どうやらシバの方が酒豪で、ノヴァの方が甘い物好きと、見た目とは真逆の好みのようだったが、レオノルのお土産をとても喜んでいた。
 そうして話が弾む中、自然と話題はナターリエのことに。
 話を聞くと、ここだけでなく、複数の集落に冒険者を派遣して護衛しているらしい。
「厳重ですね。ああ、でも、テペ様の件もあったから」
 納得するレオノル。同時に安堵する。
 話を聞いていると、ノヴァたち冒険者は熟練者のようであり、魔女のシバも普段からノヴァ達と行動しているらしく、連携にも不安はないようだ。
 安心したので、話はナターリエの護衛ではなく、普段の事に移る。
 その中で、シバはレオノルに問い掛けた。
「貴女もナターリエさんみたいに、占星術師なのかしら?」
「私ですか? いえ、私は物理学者だけど……天文学は嗜み程度に」
「そうなの? だったら、教えて貰ったらどうかしら。私も占星術や天文学を教えて貰ってるの」
「……えっ!? 教わってる!? 逆じゃないの!?」
「そんなことは無いわ。私は荒事専門だから。ナターリエさんみたいに、色々と物を知っていて教えられる人は憧れるわぁ」
(憧れられてるみたい……よかった)
 シバの様子に、護衛との関係も良好だと思い、さらに安心するレオノルだった。
 その頃、ショーンはナターリエと話していた。
「……あの、お母様。私と2人で話がしたいとのことでしたが……? 説明させて頂くならドクターがいらした方が……」
「それは確かめてからの方が良いと思って」
 ショーンとしっかり視線を合わせナターリエは尋ねる。
「あの子と恋人なの?」
 思わずむせるショーン。
「そ、それは……いきなり異性の親にダイレクトに聞かれるのは気恥ずかしいんですが」
「そうなの? ごめんさい。でも――」
 家庭を持つことの良さを熱心に口にするナターリエ。これにショーンは苦悩を見せながら返す。
「……正直、伴侶とはそこまでいいものなのでしょうか? 私の家庭は酷かったですから。あれを家庭と呼んでいいのか……」
「だからこそよ。問題点が分かっているし現実を見ているから、あの子を貴方に任せたいの」
「……評価なさって下さるのは有難いですが……その……ドクターの意思が一番大事ですから」
 ショーンの応えに、ナターリエは今までで一番満足そうな微笑みを浮かべた。
 その微笑に戸惑いながらもショーンは思う。
(ドクターが俺と一緒にいる時が一番幸せそうなのは……俺も分かってるんだ……だが――)
 思い悩むショーンの元に、笑顔のレオノルがやって来る。
「ショーン。おやつの時間だし、母上も一緒にお茶にしましょう」
 事情を知らないレオノルの快活な笑顔に、気まずさを覚えるショーンだった。

●家族の会話
「心配してくれてる? アリシア」
 故郷へ向かう道すがら『クリストフ・フォンシラー』は『アリシア・ムーンライト』に問い掛けた。
 どこか思いつめた表情を見せるアリシアを気に掛けて声を掛けたのだ。
 するとアリシアは、視線を合わせ応えた。
「家族の安全……クリスのご家族の事、心配です。私の家族は、もう……なので、お義父様とお義母様は、絶対に守りたくて」
「ありがとう、アリシア」
 クリストフは嬉しそうに笑顔を浮かべ応える。
「でも、それはちょっと違うよ」
「え?」
「だって、うちの両親も、もうアリシアの家族だろ。だから俺の家族でもあるけど、アリシアの家族でもあるんだ。アリシアは、独りじゃないんだよ」
 気に掛けてくれるクリストフの言葉に、アリシアは表情を和らげる。
「そう、ですね。お義父様もお義母様も、私の、大事な家族です」
「そう思って貰えるなら嬉しいよ。うん、絶対に守ろう。ただなぁ――」
 両親のことを考え、クリストフは思案するように言った。
「どっちもあの診療所から引っ越すとは言わないだろうな。あの辺のいくつかの村の医療、一手に引き受けてるし」
「そう、ですね。おふたりとも、きっとあの地を離れられない、ですよね。皆さんに、必要とされてる方達です、もの」
 そう言って、どうしたものかとクリストフと一緒になって考える。
 そうこうしている内に、クリストフの両親が開いている診療所に到着。
「ただいま」
「クリス? シアちゃんも。まぁまぁ、また来てくれたのね」
 笑顔でクリストフの母親は出迎え、それを耳にした父親も診察室から出て来ると歓迎する。
 しばし歓談し、本題に入る。
「父さん、母さん、話があるんだ」
 込み入った話ということで、診療所の奥に向かう。
 そこで事情を話すと、両親は共に言った。
「気遣ってくれることは嬉しいわ。でも、ここを離れることは出来ません」
「ああ。私達が離れれば、この近辺から診療所が無くなる。そんな状態には出来ない」
 両親の応えに、クリストフは苦笑しながら返す。
「うん、分かったよ。でも、護衛は就けさせて欲しい」
「護衛か。これでも昔は軍にいたから腕には覚えがある。自分達の身ぐらいは守れるさ」
 笑って応える父親に、クリストフも笑いながら返す。
「もう歳なんだから無理するなよ。それに室長の計らいで、護衛は就くことになってるんだ」
「そうなのか? いや、だが、それだと患者さんが来づらくなるだろう。別に――」
「護衛なんていらないとか言うなよ?」
 いらないと言いかけた父親にクリストフは言った。
「親父達が大丈夫でも、村のみんなが巻き込まれる可能性だってあるんだ。ここは、みんなが来る診療所なんだから」
 諭すようなクリストフの言葉に、父親は護衛を受け入れる。
「それもそうだな……仕方ない」
 頷く父親に、クリストフとアリシアは安堵した。
 とはいえ、譲れない部分もあるということで、要望も口にする。
「あまり人数が多いと、患者さんの邪魔になる。それに近い間合いで戦うなら、こちらも対処できるから、護衛に来て貰えるなら魔女さんにお願いしたい」
 これに母親も同意した。
「そうね、それが良いと思う。私も剣の間合いなら戦えるから、その方が都合が良いわ」
「お義母様……剣を使われるのですか?」
 アリシアが驚いて尋ねると、笑顔で応えが返ってくる。
「父と母が、ニホンからこちらに移住したのだけど、2人とも剣術に覚えがあったから教えて貰っていたの」
 話を聞いてみると、剣というよりも刀を使った武術に長けていたらしく、クリストフの曾祖父母に当たる2人はニホンで剣術道場を開いていたらしい。
 話を聞いて、納得したクリストフは手配するよう約束した。
「分かった、教団に伝えておくよ」
 これに両親は頷き話はまとまる。とはいえ、それでも両親の安全を気に掛けるアリシアは、気遣うように言った。
「お義母様……くれぐれもお気を付けて……護衛の方にも、お願いしておきます、ね」
「ありがとう」
 笑顔で応えてくれる母親だった。

●新天地へ、いざ行かん
「移り住むなら、どこが良い?」
 移住についての話を『エフド・ジャーファル』にされ、母親であるシャフィーカは笑顔で返す。
「話で出てきた中なら、サンディスタムが良いねぇ」
「サンディスタムか。あそこは政権交代したばかりだが、今国内にいるよりはマシだろう」
「それはまた熱い国だね。まぁいいさ。それより稼げるのかい、そこは」
「そっちの伝手も紹介してくれるそうだ。家畜の世話もあるらしい」
「そりぁいいね! 正直、飽き飽きとしてた所だよ、ここは」
 うんざりとしたように言うシャフィーカ。
「いい加減、潮時だと思ってたんだよ。こんな家賃ばっか高くて貧相な界隈じゃ、碌なもんが作れない。また皮を剥いで肉を切り分けたいもんだ」
 アークソサエティに流れる前は、平原を馬で走り回り、狩猟や牧畜で生計を立てていたシャフィーカとしては、こちらの生活はこじんまりとしていて性に合わないらしい。
「向こうで十分稼げるといいね。あんたの稼ぎをいつまでも減らしたくないからさ」
「……そのことについてなんだが」
 エフドは視線を合わせ言った。
「お袋。あんたの生活は当面心配ないはずだ。だからすまないんだが、あんたが助けを求めるまでは援助を打ち切りたい」
「おや、あんたみたいな孝行息子が突然だねぇ」
 シャフィーカは、どこか面白そうにエフドを見詰めていたが、にっと笑いながら言った。
「女だね」
 断言するほど鋭くはなく、けれど分かっているのだと言わんばかりに、確信を突くように言った。
 これにエフドは肩を竦めるように息をつき、隠すことなく本音で応える。
「……そうだよ、女だ。勇ましいが危うい子でな。彼女が自滅しないようにしてやりたい」
「そうかいそうかい。それならあたしなんかに構ってる場合じゃないね」
 嬉しそうにシャフィーカは笑うと、猫のような好奇心を浮かべ訊いた。
「それで、どんな子なんだい?」
 下手をすると根掘り葉掘り聞かれそうなので、エフドは淡々と返した。
「彼女とは出発するときに会えるだろう。俺が長く一緒にいるべきじゃないから、彼女に任せる」
「おや、そうかい。分かったよ。その時が楽しみだ」

 そんなやり取りがあった後、エフドは『ラファエラ・デル・セニオ』に頼む。

「悪いんだが、お袋をサンディスタムに移住させる時に、付き添っててくれないか」
「おじさんのママを?」
「ああ。俺は手続きやらに集中したい。それに万が一、俺がお袋と一緒に居る所を見られて、狙われたらことだからな。そっちの対応にも、俺は集中したい」
「そういうこと。責任重大ね、何事もないといいけど」

 話を通し、ラファエラはシャフィーカの元に。
 
「かわいい相方じゃないか。こんな子を怪物と戦わせるって嫌な世の中だ」
 シャフィーカはラファエラに会うと、嘆くように言った。
「いつも大変じゃないのかい? うちのデカブツが、あんたの役に立ってると良いんだけどね」
「……ええと、マダム、もしもの為に、気を散らせたくないので……」
 気に掛けるように声を掛けて来るシャフィーカに、ラファエラは大人しく応えていく。
 悪党相手なら幾らでも煽れるラファエラだが、シャフィーカのように気遣ってくる相手は勝手が違う。
 どこか借りてきた猫のように、微妙な距離感でシャフィーカの相手をしていた。
「それにしても、あんたみたいな可愛い子が、よくあんなのと組む気になったね。身の危険を感じなかったかい」
「彼ですか? ……悪い人では、ありません」
「はは、そう言って貰えると嬉しいね。その様子なら、あいつも少しは役に立ててるみたいだね」
「ええ。戦いの時も、それ以外の時にも」
「そうかいそうかい。ならもっと、役に立ててやっておくれ。それと、あのデカブツは遠慮なく盾に使いな。あんたを傷物にしたら親御さんに申し訳が立たない」
「すみません、親の話はご遠慮いただけますか?」
 少しばかり口早に応えるラファエラにシャフィーカは、さばさばした様子で返す。
「悪いね。どこも大変そうだ、全く」
 むやみに踏み込まず、必要な距離感を保つシャフィーカに、ラファエラは少しだけ気安くなった心持ちで問い掛けた。
「息子さんを盾にしていいんでしょうか」
「自分を捨てるような子じゃないからね」
 シャフィーカは、自慢するように言った。
「あいつは強かだよ。それに回りもよく見てる。だからあいつを、上手く使ってやっておくれ。それが一番、良いことだろうからさ」
 にっとシャフィーカは笑顔で言った。
 その笑顔に、ラファエラは苦笑するように応えた。
「ええ、そうします」
 そして引っ越し先へと向かう。
「そろそろ行きましょう。荷物は、それだけで良いんですか?」
「ああ。余計なもんは、全部売っ払っちまったよ。目指すは新天地、余計な物は捨てて行けってね」
 そう言うと、それまで住んでいた古いアパートを見上げ別れを告げる。
「さらば先端文明。もうしばらくは御免だよ」
 さばさばとした門出にラファエラは苦笑しながら、サンディスタムへの道のりを、シャフィーカとともに歩き出した。

●恩人との再会
「また来たのか」
 隠しきれない嬉しさを、呆れたような口調で隠しながら『桃山・令花』と『桃山・和樹』の両親は2人を出迎えた。
 これに令花は真面目な表情で応える。
「今日は話しておかないといけないことがあって来たの。少し時間を貰える?」
「分かった」
 すんなりと父である昭人は返す。
「……ひょっとして、気付いてる?」
 和樹が訊くと昭人は応える。
「何となくな。伊達に幕府の役人を務めておらん。表に出せん裏の手配も、仕事の内だからな」
「そっか。なら話が早いや。実は――」
「待て」
 和樹の言葉を止め、昭人は言った。
「ちょうど今、そのことに関する御仁が、来客されている」
「お客?」
 令花が聞き返すと、母である和子が応えた。
「茶の間にお通しして上がって貰っているわ。貴方達も玄関に居ないで、上がってらっしゃい」
 これに令花と和樹は返すと家に上がり茶の間に向かう。その寸前――
「ちょっと待て」
 昭人が呼び止め言った。
「叶花はどうした? お客人の相手をする間は、世話をするぞ」
 そわそわした様子を滲ませる。令花は苦笑して返す。
「ここに居るわ。叶花」
 令花に呼び掛けられ、叶花はハードカバーから女の子姿に変身。
 叶花の姿に、無自覚に目じりを下げる昭人。
「おお、叶花……ごほんっ。面倒はみておくぞ」
「ありがとう。なら、あとでお願いね」
 和樹と一緒に苦笑しながら、令花は母に案内されて茶の間に行く。するとそこには――
「おお、お主たちか! 久しいな。息災か?」
 そこに居たのは左目を眼帯で覆った10歳ぐらいに見える少女。
「ラヴィさん!?」
 驚きの声を上げる2人。エレメンツに見える彼女は、令花が叶花の元となった魔導書を暴走させ、それが原因で和樹を死なせてしまった際、色々と面倒を見てくれた人物だ。
「母上殿のお茶が旨くての。毎月の楽しみよ」
 驚く2人に事情を説明するラヴィ。
 話を聞けば、護衛に就いていることは秘密にしながら、清明室長から諸々の情報を聞き、それとなく令花と和樹の様子を、詳細は濁しそれとなく伝えていたらしい。
 そこから話をしていき事情を伝え合うと、ラヴィは安心させるように言った。
「ご両親は必ず守るからの、主らは浄化師としての務めをしっかりと果たすが良い」
「ありがとう!」
「ありがとうございます」
 和樹と令花はラヴィの言葉に安堵して礼を返した。
 そのあとラヴィは叶花に視線を移し――
「この子が例の魔道書か? 可愛いのぅ、お名前はなんじゃ?」
 ラヴィは目じりを下げながら叶花を褒めると、にこにこ笑顔で叶花は名前を言って、願いを叶えてあげようとする。
「……願い、か」
 ラヴィは一瞬、仄暗い輝きを目に宿すと、警告も兼ねて言った。
「儂の左目を抉った弟に制裁を」
「それって……」
 思いがけない言葉に和樹が息を飲んでいると、叶花はぽんっという音をさせておみくじを出現させた。
「はい、あげるー」
「必ず成就するであろう、か……」
 ラヴィは穏やかな表情になると、花のように微笑み叶花を抱き締める。
「ありがとうの、叶花」
 抱きしめるラヴィの頭を、小さな手で撫でる叶花。
「ふふ、優しいのぅ、叶花は」
 憑き物が落ちたような表情を見せるラヴィに、皆は安堵の表情を浮かべた。
 そして令花が静かに尋ねる。
「ラヴィさん、今の願いは……」
「弟の、デイムズ・ラスプーチンのことじゃよ」
 ラヴィは警戒を促すように言った。
「儂とあやつは双子でのぅ。じゃが、儂が魔女として生まれたのに対し、あやつはヒューマンとして生を受けた」
「魔女って……」
「ラヴィさん、浄化師なんですよね」
 和樹と令花の問い掛けにラヴィは応える。
「清明殿の計らいでのぅ。弟に実験材料にされて命からがらニホンまで逃げ延びた所を拾われての。浄化師として裏工作してくれたのじゃ。そのお蔭で、主の魔導書の暴走に立ち合え、どうにかすることが出来たんじゃ。好い巡り合わせじゃったと思うぞ。普通の浄化師では、あの時はどうすることもできなかったじゃろうからな」
「そうだったんですか……」
 明かされた事実に茫然と言葉を返す令花。そんな令花達に続けて警告した。
「あやつは肉親である儂の眼じゃからこそ、拒絶反応を抑え移植が叶っただけでなく、特殊な魔眼として覚醒させておる」
「魔眼?」
 和樹の問いにラヴィは返す。
「解析の魔眼じゃ。超人的な動体視力や、魔術や魔法を解析して、剣で叩き切るぐらいのことは出来る。もし戦うことがあれば、気を付けるが良い」
 思いがけず重要な話を聞いた2人だった。

 そんな重々しい話もあったが、その後は久しぶりの家族の団らんを2人は過ごす。
 令花は父と、和樹は母と会話を交わす。

「そんなに頻繁に来るならDフェスの引継をもっと詰めようか」
 からかい半分に言う昭人に――
「そうね、では早速――」
 令花は真面目に返すと話を詰める。
「あんた彼女とかいないの?」
「うっせーな。オオサカのお節介オバチャンかよ」
 和樹は和子に無言の鉄拳制裁を食らい、帰郷の1日を和やかに過ごしたのだった。

●家族の言葉
「父さん母さん。ただいま帰りました」
「カルシール様、お久しぶりです」
 護衛に関する連絡をするため実家に訪れた『リューイ・ウィンダリア』と、彼に同行した『セシリア・ブルー』は、温かな声に迎え入れられた。
「よく帰った」
 リューイの父であるカルシールは、笑顔を浮かべ迎え入れる。
 同じように、優しい笑顔で迎え入れるのは、リューイの母であるエリーゼだ。
「お帰りなさい、ふたりとも。疲れてない?」
 気遣うエリーゼに、セシリアも笑みを浮かべながら返した。
「お気遣いありがとうございます。エリーゼ様はご機嫌いかがですか?」
「ありがとう。最近は体調が良いから、大丈夫よ。それよりも、『様』なんていらないわ」
 エリーゼの言葉に、リューイとセシリアは顔を見合わせ、くすりと心地好さ気に笑った。

 そして家へと入る。

「浄化師の仕事はどうだ?」
「うん。たくさんの人達に助けて貰いながら、なんとかやっているよ。もちろん、セラにも助けて貰ってる」
「そうか……世話を掛けているようだな、セラ」
「そんなことはないわ。家を出る前よりも、リューイは随分頼もしくなったのよ」
「そうなのか? なら後で、少し手合わせをしてみるか? お前の成長を見てみたい」
「うん、分かった。でも、その前に話したいことがあるんだ。良いかな?」
 リューイの言葉に、カルシールは視線を向けながら応える。
「分かった。母さんも一緒で良いな?」
「うん。ふたりに話しておきたいことがあるんだ」
 会話を重ね、皆は応接室に辿り着き中に入ると、昔と同じように席に座り、リューイが事情を話した。
「実は――」
 リューイはカルシールとエリーゼに包み隠さず話す。
 教団の情勢。それに対する本部と上層部との確執。そこから発生するかもしれない騒動から浄化師達の家族を守るため、護衛役が就いているのだと説明した。
「――ということなんだ。もしこの国に居ることが不安なら、他の国で匿ってくれるみたいなんだ」
「そのつもりはない」
 カルシールは明確に拒否する。
「国の大事に、軍人が逃げ出すわけにはいかないだろう。国を、国に生きる人々を守るために、私は軍人として就いている。何かがあるかもしれないというのなら、私は国に残って守るために戦う」
「……父さんならそう言うと思ってた」
 変わらぬ父の在り様に、リューイは嬉しさと安堵を感じる。
 そして改めて話せる範囲で、教団の現状と護衛の説明をした。
 全てを話し終え、リューイは言った。
「ごめんなさい、父さん」
 幼き日より交わした言葉を思い出しながら、リューイは言葉を続ける。
「この国のために精一杯働くと約束したのに。僕は今の国の在り方は違うと思う。それに――
 父さんと母さんまで、危険な目に合わせて……」
「気にする必要はない」
 カルシールはリューイの言葉を受け止め、受け入れるように応えた。
「お前は、お前の正しいと思う道を進めば良い」
 笑顔を浮かべ見詰めるカルシールに、リューイは少し間を空けて、笑顔で返した。

 そうして家族の会話を重ねていると、ドアをノックする音が。

「お茶を持ってきました。どうですか?」
 部屋に入って来たのは20代半ばに見えるエレメンツの女性。
 事前に話を聞いていたリューイとセシリアは挨拶する。
「アティさんですね。セパルさんから、話を聞いています」
「護衛ありがとうございます。今、そのことを説明していたんです」
 2人の言葉を聞いて、剣精の魔女アティは返した。
「そうなの? なら、もう魔法を使っても良いわね」
 そう言うと、茶器が独りでに浮かぶと皆の前に。
「体調を整える薬茶。味も良いから、飲んでみて」
 アティの言葉に、エリーゼは笑みを浮かべ言った。
「私の話し相手として来て貰ったのだけど、毎日お茶を出して貰ってから体調も良いの。とても助かっているわ」
 これを聞いてリューイとセシリアは言った。
「お世話になっています。これからも、両親のことをよろしくお願いします」
「カルシール様は頑丈ですけれど、フィオナ様は守って差し上げてください」
「どういうことだ?」
 苦笑するカルシールにセシリアは、くすりと笑って応える。
「部屋をこっそりのぞいていた男の子が大きくなって、頼り甲斐があると言っているのよ、カルス」
 セシリアの言葉に、温かな空気が流れる。心地好さを感じながら続けて言った。
「本当に、この家の人には感謝しているの。眠り続けるだけの人形をずっと守ってくれていた。
 だから今度は私の番。カルス、エリーゼ、貴方達のリューイは命に代えても守るから」
「人形なんかじゃない」
 セシリアの言葉に、リューイは強い口調で応えた。
「セラは僕たちの家族だよ」
 リューイの言葉に――
「そうね」
 面映ゆそうに応えるセシリアだった。

●両親へのご挨拶
 家族の護衛。
 この話を受けて『ニコラ・トロワ』は思った。
(私の家族の方は心配無い、となれば今心配なのはヴィオラの方だな)
 だから『ヴィオラ・ペール』に提案した。
「ブリテンに帰ってみるか? 私も久しぶりにご両親に挨拶をしたいしな」
 これにヴィオラは、嬉しそうに笑顔を浮かべ返した。
「はい、実家に帰るの久しぶりで嬉しいです」
 浄化師になってから久しく会えないでいる家族のことを想い、喜びを浮かべる。
「ふふっ。お父様もお母様もお元気かしら」

 そうして2人は、ブリテンへと向かう。
 室長の計らいで用意して貰った蒸気機関車に乗って、道中も会話を重ねる。
 2人は今、一等車の個室に乗っている。外部に話が漏れる事もないので、ゆったりと話をしていた。

「向こうに着いたら、ご両親には、どう話すつもりだ?」
 ニコラは先々のことも考え尋ねる。
「今も遠巻きには護衛が就いているようだが、そのことを話すなら、より近くで守って貰った方が良いだろう。そうでないなら、どこか安全な場所に引っ越して貰う必要があるな」
「引っ越しはしないと言うでしょうね」
 両親のことを思いヴィオラは、すぐに応える。
「あのお店は2人で頑張って開いた大事なお店ですもの。だから護衛の事を話そうと思います」
「そうか。分かった。なら私も、必要なら話をしてみよう」

 話は纏まり、駅についた2人は、ヴィオラの両親が待つレストランへと訪れる。

「おかえりヴィオラ!」
 ヴィオラの姿を見るなり、両親は駆け寄り抱きしめる。
「ただいま帰りました。お父様、お母様」
 ヴィオラもハグを返し、家族の抱擁を重ねる。
 お互いを確かめ合うように抱きしめたあと、笑顔で改めて出迎える。
「よく戻って来たね。ニコラも元気そうで好かった」
 満面の笑顔を、両親はニコラに向ける。これにニコラは挨拶を返す。
「お久しぶりです。おふたりもお元気なようで好かった」
「ああ、体調には気付かっているからね。でないと、お客様に美味しい料理を出してあげられない。
 さあ、それより、店に入ってくれ。今日は帰って来ると聞いて待ってたんだ。
 お店は午後から開くから、それまで一緒に食事をしよう」
 笑顔の両親に招かれて、ヴィオラとニコラはお店の中に。
 プロの腕で作られた郷土料理を披露され、久しぶりの家族との食事を、ヴィオラはニコラと楽しんだ。
 食事も終わり一息ついて、今日訪れた理由を両親に話す。
「――ということなの。だからもし不安なら、他の場所に引っ越す手伝いをしてくれるわ」
 ヴィオラの説明を聞いて、両親は返した。
「気遣ってくれてありがとう、ヴィオラ。でも、私達はここを離れる気はないよ」
「ええ。お客様に、美味しい料理を出してあげられなくなるのは困るわ」
 両親の言葉に、微笑みながらヴィオラは応える。
「このお店が無くなったら皆さん困るかもですしね。でも、それならせめて、護衛の人を就けて貰いましょう。どんな人が良いですか?」
 これに母親が応えた。
「イケメンで剣の腕が立つ方で」
「イケメン?」
 ヴィオラが聞き返すと母は応える。
「どうせだから護衛がてらお店のギャルソンをして貰おうと思って。最近、女性のお客様が増えて来てるから」
 これにヴィオラは苦笑する。
「お母様ってほんとしっかり者です」
 笑顔を浮かべるヴィオラに両親は言った。
「私達の事は大丈夫。それよりもヴィオラのことが心配なんだ。ヴィオラに何かあったらと思うと」
 自分達の事よりも娘のことを心配する両親に、それまであえて黙していたニコラが、はっきりと言った。
「娘さんは私が必ず護るので安心して下さい」
 すると両親はニコラの手を取って――
「本当かい!」
「ヴィオラをよろしく頼むわ!」
 大いに感激された。
(何故だ?)
 ピンとこないニコラに対し、ヴィオラは理解する。
(2人とも絶対に恋人になったと勘違いしましたよね、これ……)
 思わず苦笑するヴィオラの表情を見て――
(私は何か間違えただろうか?)
 最後までピンとこないニコラだった。

●祖父との再会
 家族の護衛指令を受けた『リコリス・ラディアータ』は『トール・フォルクス』と共にニホンに来ていた。

(どうしよう……)
 ニホンに来たリコリスは思い悩んでいた。
 去年の年越し、リコリスは思いがけず母方の祖父に出会った。
 その時は、自分が孫だとは伝えられずにいたが、浄化師や教団員の家族を守るための護衛が進む中で、リコリスも祖父の護衛を頼んでいる。
 けれどあくまでも状況を隠しての事なので、いざという時のことも考えれば伝えておくに越したことは無い。
 それでもリコリスは自分が孫であることも含めて伝えるべきかを迷っていた。そして――
「……やっぱり駄目、どんな顔して会えばいいのか分からないわ」
 怯えるようにリコリスは歩みを止めた。するとトールが声を掛ける。
「まあまあ、ニホンも絶対安全とは言い切れないだろう?」
「そうだけど……でも会いに行くのは……だっておじいちゃんは自分が浄化師の縁者だと知らないし、どんな顔して会えばいいのか分からないわ」
「大丈夫。心配するより、会ってみるのが一番さ」
「でも……」
 顔を伏せてしまうリコリスにトールは、ぎゅっと手を握る。
「トール?」
 伏せていた顔を上げると、元気付けるようなトールの笑顔が向けられる。
「行こう、リコ」
 手を繋いで、導くように連れて行く。
「……わわっ、待ってってば!」
 リコリスを引っ張りながらトールは言う。
「本当は、護衛の話は建前で、リコをおじいさんに会わせてやりたかったんだ」
「それは、でも……」
 不安を口にするリコリスの手をぎゅっと握って、トールは言った。
「大丈夫。俺も連いて行く。それにいま会わないと、後悔する。だから会いに行こう、リコ」
 リコリスを想う言葉と、なによりも安心させてくれる繋いだ手の力強さに――
「……うん」
 リコリスは小さく頷き、祖父である神崎・佳治郎の元へと向かった。
 教団から渡された地図を頼りに進んでいると、1人の女性に声を掛けられる。
「ああ、ようやっと見つけたわぁ」
 はんなりとした声に視線を向けると、そこにいたのは金髪のエレメンツ。
 20代に見える彼女は、金髪を結い上げ櫛で纏め、着物を着こなしている。
「あんた、佳治郎の孫娘なんやろ? おる場所案内したるさかい、はよおいで」
「貴女は?」
 トールが問い掛けると彼女は応えた。
「佳治郎のお守しとる、ラクチェ言うんよ。話、聞いとらん?」
「ああ、貴女が婉曲の魔女」
「そうなんよぉ。それより、うちのことはええから、はよ佳治郎に会いに行き。会えるよう、連れて来とるんよ」
 そう言って案内してくれるラクチェの後をついて行くと、茶屋の前に置かれた長椅子に座っている佳治郎が。
 近付くと気付いた佳治郎が声を掛ける。
「ラクチェ、唐突にどこ行って――って、あの時の子じゃないか」
 リコリスに気付いた佳治郎が笑顔を浮かべて迎え入れる。
「またこっちに来たのかい? そうそう、最近あんたに合いそうな櫛を見つけてな――」
 嬉しそうに言う佳治郎に、トールはリコリスを強引に引っ張り出す。
「リコ」
「……うん」
 覚悟を決めたリコリスは、祖父に事実を告げた。
「あ、あの……お久しぶり……孫のリコリス……です。年越し以来ね……」
「それは、どういう――」
 尋ねる佳治郎にリコリスは事情を話す。
 周囲には、ラクチェが魔法で一時的に人払いをしてくれているので、人はいない。
 そのお蔭で、他には聞かれず事情を説明した。
「――ということになってるの。だから、ラクチェさんには、護衛に就いて貰っているの」
「はぁ、そんなことがねぇ」
 驚いたというように返すも不安は感じていないようで、リコリスは安堵する。
 そんなリコリスを見詰め、佳治郎は嬉しそうに言った。
「声が謡子に似てるな。それに髪の色と尖った耳がアルブレヒトそっくりだ」
 懐かしそうに語る佳治郎に、少しずつリコリスの心は解れていく。けれど母親の事を聞かれ固まってしまった。
 応えられないリコリスに、トールが代わりに話す。
「娘さん達は、ベリアルに――」
 それとなくぼかして、2人が亡くなっていることを告げると、佳治郎は黙してしまう。
 そんな彼に寄り添うように、ラクチェが声を掛けていた。
 話がひと通り終わると、リコリスとトールは佳治郎と、その日は別れた。
「それじゃあ、あとは護衛の人にお願いします。もう少し落ち着いたら、またリコと会いに来ますね」

 別れたあと、人気のない道を歩きながらトールは言った。

「護衛を就けた本当の理由は言わない方がいいよな……娘がベリアル化したと知られれば、教団の敵や、心ない人達にも何言われるか分からない。精神的、社会的に彼を守るために、黙っておこう」
 トールの言葉にリコリスは頷く。
「それに、私はあの人の孫である前に、娘の仇ですもの……いくらベリアル化してたとはいえ、あんな悲しいこと、知らせたくない」
 悲しみを飲み込み、2人は教団への帰途についた。

 かくして、それぞれの家族に護衛の話をすることが出来た。
 これにより、より安全に家族は守られることだろう。
 そうなるように、さらに護衛体制を整える教団本部だった。


家族の安全を確保しよう
(執筆:春夏秋冬 GM)



*** 活躍者 ***


該当者なし




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2020/03/14-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[4] リチェルカーレ・リモージュ 2020/03/17-23:30

リチェルカーレです。パートナーはシリウス。
どうぞよろしくお願いします。

わたしも家族に、護衛がついてくれていることを話したいと思います。
母は気が付いていそうですけれど…ちゃんとお礼も言いたいですし。

皆さんも、よい時間を過ごされますよう。  
 

[3] リコリス・ラディアータ 2020/03/17-13:53

リコリスとトールよ。よろしくね。
私達には家族はいないから、他の人達のお手伝いに……

トール「リコはいるんじゃないのか?家族」

え?もしかしてニホンのおじいちゃんのこと?
…で、でも…あの人は…

トール「というわけで、俺達はリコのおじいさんに護衛のことを伝えようと思う」

むむむ…(まだ考え中)  
 

[2] 桃山・令花 2020/03/17-04:56

桃山令花と、弟の和樹です。
よろしくお願いいたします。

再度、家族に関する指令があり、嬉しい限りです。

父は幕府の役人で、こんなときだからこそ職場を離れられないので、護衛のことを開示する方向を考えています。

護衛は、魔道書の暴走から私を救い、そのまま教団に導いて下さったエクソシストさんです。
彼女にお礼を言う機会が出来たことも、嬉しいことです。