【機国】魔導蒸気自動車生産に協力しよう
普通 | すべて
8/8名
【機国】魔導蒸気自動車生産に協力しよう 情報
担当 春夏秋冬 GM
タイプ EX
ジャンル イベント
条件 すべて
難易度 普通
報酬 通常
相談期間 5 日
公開日 2020-03-25 00:00:00
出発日 2020-04-02 00:00:00
帰還日 2020-04-10



~ プロローグ ~

 教団本部、室長室。
 そこでヨセフは頭痛を堪えるように眉を寄せていた。

「グダグダだな、マーデナクキスは」
 調査書を見ながらヨセフは呟く。
 中身は、少し前に浄化師達が手に入れてくれた情報。それを足がかりに、より広く拾い上げた物をまとめている。
「このままだと内戦か、アークソサエティとの戦争は免れんな」
 それが現状である。
 なぜ、そうなったのか?
 それはマーデナクキスの食糧事情と景気が原因だ。
 マーデナクキスは天然の魔結晶資源の採掘で、爆発的に発展した都市である。
 そのため、産業の根幹が魔結晶に依存し過ぎた。
 結果、食糧自給を賄う農業分野に人は集まらず、とにかく魔結晶を手に入れて一攫千金という輩と、それらが消費する物品を賄う産業で成り立って来た。
 しかし近年、マーデナクキスの魔結晶産出に陰りが見え始める。
 それが恐慌じみた不安となって社会全体を覆い始めているらしい。
 そこからの脱却として唱えられ始めたのが――
「原住民の土地の没収……」
 ため息をつくように、ヨセフは言った。
 マーデナクキスのあるヨトゥンヘイム地方には、元々住んでいる原住民が居る。
 エレメンツとライカンスロープが大半を占める彼らの土地を取り上げ、そこに眠る手付かずの資源を手に入れれば良い、というのだ。
「完全に喧嘩売ってるよね」
 笑顔でセパルが言った。目は全く笑ってなかったが。
「物の価値を知らない野蛮人に資源を独占させるべきでない、だっけ? 昔の恩を忘れてよく言えるよ」
 セパルの言う通り、恩知らずの極致である。
 マーデナクキスに移民が渡った初期には、ろくに食べ物を手に入れることさえ出来ず、彼らは餓死して死ぬところだったらしい。
 それを助けるために原住民であるネイティブ達は、自分達の食糧を分け与え、衣服や住居の世話までした。
 移民が続いた初期は、そうしたことが多かったらしい。
 その結果なにが起こったかというと、一部の移民による土地の占有である。
 元々ネイティブ達には、土地の個人所有という概念が無かったのだが、一部の移民はそこに付け込んだ。
 勝手に土地を区切り、土地売買の証文を勝手に作り、ネイティブを追い出した。
 それをした移民はどう思ったかといえば――
「物を知らない野蛮人は阿呆だ。俺達が文明ってものを教えてやる」
 何故か上から目線で、物を教えてやっているつもりだったらしい。
 それにより、もともとマーデナクキス周辺に住んでいたネイティブは他に移り住み、当時その場所に居た守護天使と共に居なくなったという。
「エア国王と、その周囲は止めようとしたみたいですけど、時期が悪かったですね」
 セレナが調査書を見ながら言う。
 当時マーデナクキスでは、ネイティブや移民、さらに他の地域から浚って来た子供達を使った戦闘人形計画があり、それを潰すために動いていたらしい。
 さらに同時期、アークソサエティの大貴族達の干渉により、国の独立さえ危ぶまれたため、その対処で忙しく、ネイティブの移住を止められなかったようだ。
「エアからの書簡だと、政府中枢は秘密裏に、守護天使とネイティブとの問題解決のため交渉をしているらしいが、巧く行ってないようだな」
 特に守護天使、塩の王・ジェロニモがガチ切れ寸前とのこと。
 八百万の神とネイティブが何とか宥めているらしいが、それがなければマーデナクキスの人間を皆殺しにしかねないらしい。
「この状況で、アークソサエティからの税金増額と貴族特権はく奪。完全に、裏で手を引いてるな。あの腐れ貴族共」
 ヨセフが珍しく口汚く言った。それぐらい、状況はどうしようもない。
 そこに、同室している最後の1人、ウボーが穏やかな声で言った。
「問題は山積ですが、解決するべき中身は見つかりました。むしろここから、挽回していきましょう」
 微笑みすら浮かべ、ウボーは言った。それをヨセフは見詰め、言葉を返す。
「当てはあるのか?」
「はい。浄化師のみんなが情報収集をしてくれて助かりました。お蔭で、うちの家が標的にされてることが分かりましたから。それを伝えましたので、本家と分家総出で協力すると言質を貰いました。金もコネも人も暴力も全部使って、関連する奴らは全員食い潰します」
 武闘派大貴族出身のウボーは、変わらず笑顔で言った。
 これにヨセフは肩を竦めるように息をつくと応える。
「頼りにさせて貰おう。それで、具体的にはどうする?」
「社会情勢を不安にさせている原因を潰します。つまり、食糧不足と産業創出です」
 ウボーは計画を説明する。
「まず食料については、アルフ聖樹森からの輸入ルートを確立します。こちらは浄化師が、守護天使カチーナさまと関わってくれたお蔭で、目処が立ちそうです」
「カチーナが認めてくれたお蔭で、聖樹森の各地とのやり取りは楽になったからな。聖樹森を事実上管理しているエレメンツの長老、アルフ・レイティアには、俺からも書簡を送って協力の要請を頼む。こちらは問題なく進むだろう。それよりも大変なのは産業の創出だが――」
「こちらも浄化師のお蔭で、なんとかなるかもしれません」
「どういうことだ?」
 疑問を浮かべるヨセフに、ウボーは返す。
「少し前に、ニホンの万物学園に行って貰いました。その時に、幾つか研究内容の話し合いがされたんですが、その中に、ひとつ良いものがありました」
 そう言うと、ウボーは設計図を取り出しヨセフに渡す。
「これは?」
「魔導蒸気自動車の設計図、らしいです」
「なんだそれは? 蒸気機関車のような物か?」
「あれよりも小型で、レールが無くても走らせることの出来る物らしいです。浄化師のアイデアを受けて作ったらしいです。それをマーデナクキスで作って貰おうかと」
「出来るのか?」
「大丈夫な筈です。エア国王は、将来の魔結晶枯渇も見据え、技術進展に力を入れられています。そのお蔭で、複雑な工業機械を作る下地と工場があります。それを利用すれば」
「なるほど。作れる技術の下地はある訳か。だが材料はどうする?」
「ヨハネの使徒の残骸を使います。いまニホンでは、ヨハネの使徒を大量に狩ってます。そのお蔭で使いきれないほど残骸が集まっているので、値崩れする前にマーデナクキスに輸出できれば、お互いの利益になります」
「ふむ。やってみる価値はありそうだな。分かった。俺の方から指令を出して、浄化師にも手を貸して貰えるようにしよう」
「そうして貰えれば助かると思います。自動車作りもそうですが、他の仕事の協力も頼みたいですし」
「そうだな……製品アピールに、妨害者も出るかもしれん。ある意味、餌になって貰うことになるが、力を貸して貰おう」

 などという話し合いがあった数日後、ひとつの指令が出されました。
 内容は、マーデナクキスでの魔導蒸気自動車生産の協力です。
 出来あがった物のアピールにも協力して欲しいとの事ですので、自動車作り以外にも仕事はあります。
 この指令に、アナタ達は――?


~ 解説 ~

●目的

マーデナクキスでの魔導蒸気自動車生産に協力してください。
製造だけでなく、製品のアピールのための実演や、警備や不審者の捕縛などがあります。

●選択肢

以下の選択肢の中から、好きな物を選んでください。ひとつでも良いですし、複数選んでも構いません。

1 魔導蒸気自動車製造協力

色々とアイデアを放り込んで下さい。アイデアに基づいて魔導蒸気自動車が出来あがります。
なお基本的な設計図は、ニホンの万物学園に所属している源内が作っているので、少々アイデアを放り込んでも、現地の技術者がどうにかしてくれます。
アイデアと日曜大工のアビリティが影響します。

2 魔導蒸気自動車の実演

運転して、食料を配ります。運転するも良し。連いて行って、現地の人々に食料を配っても良いです。
食料は、素材をそのまま渡しても良いですし、調理した物でも可。
救護院や、街のストリートで移動販売したりします。
どういう風に魔導蒸気自動車をアピールするかもプランにて書いていただけます。

アイデアと運転、料理やお菓子作りなどのアビリティが影響します。

3 警備と護衛

魔導蒸気自動車の実演に連いていって護衛したり、自動車の製造工場に訪れる不審者を捕縛することになります。

護衛は、難癖をつけてきたりするNPCが出ます。それを巧く捌いたりあしらったりして下さい。
不審者の捕縛は、運命力が高いほど、凶悪な相手を見つけられます。凶悪なほど戦闘力は高いです。
護衛に連いて行ったあとに、不審者の捕縛に関わることも可能です。

●NPC

魔女セパル&死んだふり浄化師ウボー&セレナ

浄化師が必要な物を用意してくれます。その他、何かあれば、無理のない範囲で力を貸してくれます。

以上です。


~ ゲームマスターより ~

おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、マーデナクキス編です。元々は、もっと切羽詰まった状況で、どうするか? というのを想定していたんですが、少し前のエピソード『万物学園で手伝おう』にて、自動車に関するアイデアが出ましたので「あれ? これを流用したら、マーデナクキスでの問題、よくならね?」ということに気づき、反映させています。

また、アルフ聖樹森関連の【森国】とついたエピソード群の成功度で、食料供給などの問題も難易度を変える予定でしたが、かなり高かったので、それも反映させています。

なのでアイデアを放り込んでみたり、色々と行動すると今後の状況が変化する場合があります。終焉の夜明け団は、もっと全滅させる予定が、魔法少女になったりとか。べリアルから新種族が発生するフラグとか、色々です。

そんな感じに、今までのエピソード結果や内容で、その後のエピソードは色々と変わっています。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

タオ・リンファ ステラ・ノーチェイン
女性 / 人間 / 断罪者 女性 / ヴァンピール / 拷問官
私は2、ステラは3へ

救護院で料理を振る舞います
この魔導蒸気自動車なら馬車のように重い荷物を運ぶことができます、やはりこれが一番のアピールポイントでしょうか
食材を積み込んで、より多くの方に料理を作れるようにします
元気の出るよう薬草を使用した東方の回復料理にしましょう。私の得意分野です
好きな料理を選べるのも利点です
運転は他の方に任せます、こういったものには少々不馴れですから……


ステラ:オレは工場の警備をするぞ!
ふほーしんにゅう、だったか、勝手に入ったら捕まえていいらしいしな
でも焦ったらいけないってマーにも言われてるからな
あやしそうなヤツがいたらまず隠れながらこっそり見て、悪そうなら捕まえに行くぞ!
ニコラ・トロワ ヴィオラ・ペール
男性 / マドールチェ / 拷問官 女性 / エレメンツ / 占星術師
1
なんと自動車がもう形になってきたのか!
源内殿は仕事が早いのだな
これは私も頑張らねばなるまい

レオノル、リューイ
手伝ってくれるのは心強い
よろしく頼む

まずはヴィオラが車の中でも料理がしたいと言うので
キッチン搭載車を作りたいのだ
できれば店舗代わりになるように横が開くようになってると良いな
屋台のようなイメージだ
冷蔵庫や万が一の消火設備も付けると
これなら災害発生地域で炊き出しもできるだろう

ほう
医療設備搭載車か
リューイ、それは素晴らしいアイディアだと思うぞ
それがあれば怪我人や病人をすぐに治療できるな

それと自動車には伝葉を搭載したらどうだろうか
同じ葉を本部の方で持つようにして、いつでも連絡が取れるようにだな
アリシア・ムーンライト クリストフ・フォンシラー
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / アンデッド / 断罪者
バレンタイン、で思いつくのは、ハート…
ハート4つで、四つ葉の、クローバー…
ナプキンに、刺繍して、みました…
食べた方が、幸せになれると、いいなって…たくさん……


刺繍を褒められて赤面
その、ありがとう、ございます…
お役に立てるなら、嬉しい、です

開店準備を手伝いながら
菫の砂糖漬けや杏を見て頬を緩ませる

これ…お茶に浮かべたら…きっと……

表に出るのは勇気がいるので、中でヴィオラちゃんのお手伝いを
喉が渇いた方用にハーブティーを用意
そこに砂糖漬けを浮かべて、ほぉっと溜息

とても、可愛いです……
クレープにも、乗せてみたら、どうでしょうか

頃合いを見て、クリスにもお茶とクレープを

運転、ありがとう…良かったら、これ…
リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者
お腹がすくと気持ちも沈んでしまうもの
少しでも役に立てたら… ウボーさんのお家が悪口を言われているの?
ひどい!そんなの嘘って伝えなきゃ!


シアちゃん ヴィオラちゃん セシリアさんとキッチンカーで
ショーンさんを見て逃げ腰なシリウスの背中をぐいぐい押して
シリウス なかよくね

ヴィオラちゃんの指示に従い お菓子作り
家で売っているエディブルフラワーや菫の砂糖漬け、ニホンで教わった干し杏も差し出し
これも使えるかしら?
甘いものやお花は気持ちを明るくすると思うの
シアちゃんの刺繍すてき
とてもいいアイデアね

笑顔で配る
顔色や体調が悪そうな人には声をかけ 暖かい飲み物を
必要なら簡単な手当て 手に余りそうならクリスさんを呼んで
リューイ・ウィンダリア セシリア・ブルー
男性 / エレメンツ / 魔性憑き 女性 / マドールチェ / 占星術師
マーデナクキスのためにできることを
戦争なんて絶対だめだ
とくにそれが 一部の人間の私利私欲のせいなんて
絶対に 止めてやる

>リューイ

魔導蒸気自動車 と目を輝かせ
技術はあまりないけれど がんばります!と
レオノルさんや二コラさんの手伝い
道具を運んだり 螺子を閉めたり
僕のアイデア? ええと…移動診療所みたいな…
都市から離れると 無医村とかもあるでしょう
応急処置ができるような車があれば
>セラ

魔術通信で 暖かい食べ物を届けにきました 食べにきませんか?と
食べ物を配る手伝い
戸惑う人がいれば 手に持たせて
エア王は この国全ての人のことを思っています
食べて元気にならないと と微笑

わけてもらった食べ物や薬を箱詰め
セパルさんに託す
ショーン・ハイド レオノル・ペリエ
男性 / アンデッド / 悪魔祓い 女性 / エレメンツ / 狂信者
製品アピールの時に妨害者が出るかもしれん…か…
周囲に気を配っていよう
俺達が警備に当たれば気付かん人間は気付かんし、ここを狙っている賊は嫌でも悟ると思うんだが…
ふと、少し表情が沈んでいるシリウスを見てため息
幽霊でも見た顔をしているな?
リチェから前に相談は受けてた
どうもシリウスに親しい人間は死ぬと吹聴した輩がいたらしい
…馬鹿らしいと思うと同時に、シリウスらしいとも思う
まぁ元はと言えば吹聴した馬鹿者が悪いんだがな…シリウスも幼かった訳だし
…安心しろシリウス
今は仲間がいるんだ
ドクターやリチェ、そしてシリウス、お前もだ
賊を見付けたら銃でぶん殴る
ほれ。俺はこの通り死んじゃあいないだろう
ヴォルフラム・マカミ カグヤ・ミツルギ
男性 / ライカンスロープ / 拷問官 女性 / 人間 / 陰陽師
ベーグルは水、ドライイーストと強力粉、塩と砂糖を少々
体重をかけて捏ねて10分休ませる
輪型に形成したら、35度のオーブンで30~40分発酵
両面30秒ずつ茹でて、オーブンで15分焼く

ドーナツは卵、バター、牛乳、薄力粉とベーキングパウダー、砂糖、塩をひと摘み
混ぜて、1時間冷やして休ませる
伸ばした生地をドーナツ抜型で型抜きして油で揚げる

下拵え
玉ねぎ、トマト、スモークサーモンはスライス
レタスは千切って置いて、キャベツは千切り

牛肉は塊のまま棒に刺して、縦型コンロの前に設置
自動で回転とか出来るかな
鶏肉は注文受けてから焼く

ドーナツとベーグルは多量に作っておく
子供はドーナツ一つ無料
揚げ物だから日にち置きたくない
サク・ニムラサ キョウ・ニムラサ
女性 / ヴァンピール / 悪魔祓い 男性 / ヴァンピール / 陰陽師
サクラ:アピールってなにすれば良いのかしら。
キョウ:利点、所有することで得をする点を伝えれば良いかと。
サクラ:ふーん……良い所いちー、速い。疲れない。
キョウ:その3,かっこいい。
サクラ:よーん、新しい物。持ってれば自慢でk
キョウ:着きましたよ。

【行動:2】
移動販売
サクラ
はぁい。食べ物はいかが?素材の味がして美味しいわよ。
調理してからだって美味しいわよ?
足で歩くよりも走るよりも速く渡せれるわ。

キョウ
ええ、美味しいに決まってる。新鮮ですからね。
すぐに渡したい人の元へ移動できます。
渡したい人一緒に移動だって出来ます。
知ってますか?この中(車内)で一緒という事はつまり2人だけの世界って事ですよ。


~ リザルトノベル ~

●指令に参加しよう
 マーデナクキスでの魔導蒸気自動車生産協力。
 話を聞いた『ニコラ・トロワ』は、普段の落ち着いた様子からすると珍しく高揚していた。
「なんと自動車がもう形になってきたのか!」
 少し前、万物学園に訪れた時のことを思い出す。
「源内殿は仕事が早いのだな。これは私も頑張らねばなるまい」
 意気込むニコラに、『ヴィオラ・ペール』は微笑ましげに応える。
「では、参加されるのですね。なら、お願いしても良いですか?」
「構わないが、何をだ?」
「車の中でも、料理が作れる自動車を作って貰っても良いですか? 私は料理を作って、配ろうと思いますから」
「中で料理が出来る車……さしずめキッチンカーといった所だな。ふむ、目的に応じた自動車か。面白いな。それなら、他にもアイデアを聞いてみるのも良いかもしれん」
 自分だけではアイデアが偏るかもしれないので、知己に声を掛けてみる。
「魔導蒸気自動車ですか!?」
 話を聞いて『リューイ・ウィンダリア』は、目をきらきらと輝かせた。
「僕も参加したいです。技術はあまりないけれど、がんばります!」
 子供のように高揚するリューイに、くすりと『セシリア・ブルー』は笑みを浮かべ言った。
「それなら私は、ヴィオラさんと一緒に料理を配ろうと思うわ。良いですか?」
「はい、もちろんです」
 笑顔でヴィオラは応える。
「それならシアちゃんや、リチェちゃんも、お誘いしませんか? みんなで作ったら楽しいと思います」
「ええ、そうですね。なら2人を探しに行きましょう」
 セシリアは、ヴィオラの提案を受け入れると、知己である『アリシア・ムーンライト』と『リチェルカーレ・リモージュ』をみんなと一緒になって探す。
 その道中、『ショーン・ハイド』と『レオノル・ペリエ』に出会い声を掛けると、レオノルが特に興味を持って応えた。
「自動車の種類を増やすってわけだね。指令内容によると、食糧事情も絡んでるみたいだけど……農業を工業化できる自動車とか良いかも」
 学者でもあるレオノルは、すでに具体的な構想が浮かんでいるのか、熱心に考え込む。
 そんなレオノルを微笑ましげにショーンは見詰めながら、別のことを考えていた。
(警護も必要なようだな……リチェも参加するなら、シリウスも参加するだろう。その時に――)
 いつか話をしておく必要があると思っていたショーンは、この機会を逃さず活かすことにする。
 そうして皆は、リチェルカーレとアリシアに話を持って行く。
「みんなで料理を作るのね? 楽しそう!」
「はい、楽しそう、です。私も、参加したいです」
 2人は話を詳しく聞いて、それぞれやる気をみせていく。
「ウボーさんのお家が悪口を言われているの? ひどい! そんなの嘘って伝えなきゃ!」
 リチェルカーレの言葉に賛同するように、『シリウス・セイアッド』は呟く。
「……頭が砂糖菓子でできているんじゃないか、その連中」
 ため息をつくシリウスの隣で、リチェルカーレは言った。
「食べ物が足りてないみたいだから、それを解決しないと。お腹がすくと気持ちも沈んでしまうもの。少しでも役に立てたら……」
「そう、ですね。なにか、力になれれば……」
 アリシアはリチェルカーレに同意し、ヴィオラも話に加わると、料理で何か出来ないかと話し合っていく。
 女性陣が仲良く話を進めていると、『クリストフ・フォンシラー』は笑顔を浮かべシリウスに呼び掛ける。
「面白そうだね。俺は自動車製造に顔を出した後、アリシア達と一緒に行くつもりだよ。余計なちょっかいを出す奴が出るかもしれないからね」
「そうか。なら、そちらは頼む。俺は警備に行く」
 短く応えるシリウス。それを聞いていたショーンは、自分も警備に行くことに決めた。

 そうして皆で話していると、今回の指令に興味を持つ者も出て来る。

「マー! これ面白そうだ! 参加しよう!」
 指令書を手に取って『ステラ・ノーチェイン』は『タオ・リンファ』に駆け寄る。
「どうしたんです?」
 リンファは指令書を手に取って中身を確認すると応えた。
「良いかもしれませんね。なら私は、料理を作って配ることにしましょう。どうせなら体に良い物が好いでしょうから、薬膳料理が良いかもしれませんね。薬膳料理で食べ易いとなると……飲茶の類が好さそうです」
「おー、ならオレは、けいびに行くぞ。あやしいヤツを見つけて、ぶっとばすんだ」
 そう言うと、両手鈍器であるイカリをぶんぶん振り回して見せる。
 ちょっと不安になるリンファだった。

 同じように興味を持った『サク・ニムラサ』が、弟である『キョウ・ニムラサ』に指令書を突きつける。

「参加するわよ、キョウ」
「唐突に何ですか、サクラ」
 有無を言わせぬサクラに、いつもの事なので受け入れつつ、念のため聞いてみる。
「面白そうな玩具があるみたいだから、見に行きましょう」
「……指令は観光旅行ではないのですが……」
「もちろん分かってるわよ。お金が貰えて珍しい物も見れて遊びに行ける。お得じゃない? ついでに人の役にも立つんだから、良いこと尽くめよ」
「……そうですね。それで、蒸気自動車ってなんですか?」
「さぁ?」
「知らないのに参加しようとしてるんですか!?」
「バカねぇ。知ってたら、面白味が半減しちゃうじゃない」
「……いえ、そこは事前に情報を集めましょう」
 そう言うとキョウは、サクラの手を引いて、蒸気自動車の話をしているニコラ達の元に事情を聞きに行った。

 参加者が次々集まる。その中には、料理に意気込む者も。

「何を作ろうかな?」
 普段から美味しい料理を作っている『ヴォルフラム・マカミ』は、幾つものレパートリーから頭の中で料理を組み立てる。
「美味しいのは大前提だけど、用途にあった物が必要だよね」
 これに『カグヤ・ミツルギ』が提案した。
「限られたスペースで作れて、持ち帰りも楽な物が良いかも」
「うん、それが良いと思う。となると――」
 知らず尻尾をふりふりしながら上機嫌なヴォルフラムに、カグヤは小さく笑みを浮かべると、一緒にアイデアを出していった。

 そうして指令に参加することにした浄化師は、それぞれの持ち場に分かれ現地に赴くことになった。

●魔導蒸気自動車を作ろう
 現地の工場に赴き、作業員の人達と挨拶すると、皆はそれぞれ持ち場に分かれる。

「ニコラさんやレオノル先生の言う事をよく聞いてね」
「子どもじゃないよ! セラも頑張って」
 リューイの様子に、くすくすとセシリアは笑い、料理班は下ごしらえもあるので一端離れる。
 
 同じように警護班も分かれる。

「さて、警護に行くとしよう。シリウス」
 ショーンに呼び掛けられ、シリウスは気まずそうにするが――
「シリウス、なかよくね」
 リチェルカーレが、逃げ腰なシリウスの背中をぐいぐい押して笑顔で送り出す。
「……分かった」
 観念したのか、静かに同行するシリウス。
 そうして静かに向かう者もいれば、賑やかに向かう者も。
「いってくるぞ、マー! ふほーしんにゅうがいたら、やっつけてやるからな!」
 イカリをぶんぶん振り回しながら、ステラは警備に走り出す。
「ステラ! 頑張るのは良いですけど、焦ってはダメですよ!」
「おー! わかったー!」
 遊びに行くような勢いで走り出すステラに一抹の不安を覚えつつも、リンファは料理の下ごしらえへに向かった。

 そうしてそれぞれ持ち場に分かれ、工場では自動車を作ることに。

「レオノル、リューイ。手伝ってくれるのは心強い。よろしく頼む」
 ニコラはレオノルとリューイと共に、まずはアイデアの打ち合わせ。
「キッチン搭載車を作りたいのだが、出来るだろうか?」
 最初に提案するのはニコラ。
「できれば店舗代わりになるように、横が開くようになってると良いな。屋台のようなイメージだ。冷蔵庫や万が一の消火設備も付けると、これなら災害発生地域で炊き出しもできるだろう」
 これに技術者が案を出し、ニコラがさらに精度を上げるように案を重ねていく。
 それをリューイが横でメモを取り、用意されていたホワイトボードに張り付ける。
「アイデア毎にまとめておきますね。他には――」
「リューイは、何かないのか? 気にせず、アイデアを出してくれると助かる」
 ニコラに促され、リューイは応える。
「僕のアイデア? ええと……移動診療所みたいな……セラも言っていたんですけど、都市から離れると、無医村とかもあるでしょう。応急処置ができるような車があれば」
 これにクリストフが乗り気で応える。
「へえ、医療用車両か。すぐに治療できるのはいいね。父さんが知ったら欲しがるだろうな。点滴や心音が分かる機械とかできると使い勝手が良さそうだ」
 同じように、ニコラは賛同する。
「ほう。医療設備搭載車か。リューイ、それは素晴らしいアイディアだと思うぞ。それがあれば怪我人や病人をすぐに治療できるな」
 2人に褒められて、くすぐったそうに笑顔を浮かべるリューイ。
 微笑ましい空気が流れる中、ニコラはさらにアイデアを出す。
「それと自動車には伝葉を搭載したらどうだろうか? 同じ葉を本部の方で持つようにして、いつでも連絡が取れるようにだな。可能かどうか、万物学園に問い合わせしておいたのだが――」
 ニコラが説明していると、万物学園の源内が、出待ちをしてたんじゃないかというタイミングで工場に入って来た。
「伝葉の木を植えてきたんで可能っすよ!」
 源内の話によれば、葉っぱだけでは長距離連絡は無理なのだが、中継をしてくれる伝葉の木を一定間隔で植えると可能ということで、話を聞きつけて事前に植えておいたらしい。
「そっちの方は、うちでやるっすよ。じゃんじゃか使っちゃってくれっす。データが欲しいんす」
 前のめりに食いついて来るので、相当データが欲しいらしい。
 そうして源内も参加して来た所で、レオノルがアイデアを出す。
「土を耕す車は作れないかな? 種をまくとか機能を加えるのも手かなって思うんだ」
 これには工場の人間が食いつく。源内の用意した設計図を取り出し、調整が出来ないか話し合う。
「馬力が極端に要る」
「機関部を連結するか?」
「同調をどうする?」
 専門的な話し合いになって来る。それを学徒でもあるニコラとレオノルは興味深げに見る。
「やっぱり設計図を見るだけでワクワクするなー」
 レオノルにニコラは同意し、設計図を見分する。
「ああ。使徒の残骸を流用しつつ巧くユニット化している。加熱した蒸気を圧縮貯蔵した上で、必要に応じて運動エネルギーに変換しているのか」
 熱を込めて見ていたが、指令ということで我に返ったニコラは作業に戻る。
「私は、リューイとクリストフと一緒に、外装と内装の製造に移ろうと思う。リューイ、手伝ってくれるか?」
「はい、もちろんです」
「助かる。クリストフ、医療用車両を作るのに意見を頼む。どういった機材が必要でどのように配備すれば良いか、医者の視点で話を聞きたい」
「分かったよ」
 そうして外装と内装の製造に入っている間に、機関部の話をレオノルはする。
「エンジンの構造はどうなってるんだろう? 物理学的には内燃機関が今アツいんだ。蒸気機関に代表される外燃機関に比べてコンパクトで軽量化できるからね」
 これに源内が返す。
「基本的には、魔結晶を燃料とした外燃機関で発生させた熱で蒸気を作って、それを各種動力に流用する形っす。確かに小型化にするには、内燃機関で何かを爆発させて、そのエネルギーを直接動力に変換できる機構が向いてるっすね。ただ、そのための燃料をどうするかってのが問題っすよ」
「油の類はどうかな? 発火し易くて熱量の高い物を使えば出来そうだよ」
「そっちは匂いとかで不評なんすよね~。あと安定して手に入れる方法があれば良いんすけど」
「そっか。そういうの、どっかから湧いて出れば良いんだけど、ないものね」
「地面掘って出てくれば良いんすけど、無いっすからね~。でも捨てるのは惜しいっすよ、そのアイデア。ようは爆発が起こせればいいんすから……そういえば、教団の資料で面白いのがあったすよね。ヘルヘイムボマーとか、そんなの……」
 微妙にマッドサイエンスな方向に行きそうになる源内。
 危ない所に行きそうになったので、そちらよりも安全面での話に移す。
「所でさ、車の安全はどうやって保障するの? これだけの重いものが走るなら相当な運動量だよ。衝突したらとんでもないことになるよ」
「腕でカバーっす!」
「いやダメでしょ、それ。運転手はベルトで固定するとか、衝突の瞬間にクッションを展開すれば行けるけど、人を感知して止まる機能とか魔術でどうにかならない?」
「ん~、その辺、ゴーレムの技術が応用できそうっす。メフィストさん詳しそうなんすけど、すーぐどっかにとんずらするっすからね、あの人」

 などと話し合いをしている内に、自動車の外装と内装はどんどん出来て行く。

「水陸両用でベット完備。薬に水の浄化装置。あとは、灯りに通信設備をつけたい、ですね」
 リューイが皆の話をまとめ、具体的な機能と形を決めていく。
「ああ、それでいい。早速作ってみよう」
「はい!」
 リューイはニコラに元気良く応え、工場の人達と一緒に協力して作っていく。
 道具を運んだり、螺子を閉めたり。
 専門的すぎる部分は無理だったが、テキパキとこなしていった。
 その間に、ニコラは計算力を活かし、部品の配置協力に忙しく動き。
 クリストフは医学の知識を活かし、ドクターカーの内部配置を手伝っていった。
 工場の人達も優秀な上に、源内が工業系が得意な魔女を連れて来ていたので、サクサク製造が進む。
 その間に、機関部や制御部をレオノルが協力して組み上げ、アイデア通りの車が出来ていった。

 その頃、料理班も下ごしらえを終わらせていた。

●美味しい料理をいかがです?
 ふんわりと甘い香りが漂う。
 それは美味しいクッキーの匂い。
 料理が得意なヴィオラの指示を聞きながら、リチェルカーレ達が作っている。
「これも使えるかしら? 甘いものやお花は気持ちを明るくすると思うの」
 リチェルカーレは、実家で売っているエディブルフラワーや菫の砂糖漬け、そしてニホンで教わった干し杏もどうかと訊いてみる。
「ええ、良いと思います。見た目や香りも良くなりますから、喜ばれると思います」
 ヴィオラは笑顔で応え、色々な種類のクッキーを作っていく。
 焼き立てを食べてみれば、さくりとした食感の後に香ばしさのある甘味が感じられた。
 味見をしたあとヴィオラは、ひとつの提案をする。
「バレンタイン家の名誉回復……になるかは判りませんけれど。販売品、『バレンタイン印』と銘打ってみましょうか。私達のブランド名と言う事で」
 現地ではバレンタイン家の流言飛語を飛ばし情報操作をしている節があるとのことなので、イメージアップも兼ねての提案だ。
 これにバレンタイン家の出身であるウボーが賛同する。
「そうして貰えると助かるよ。必要な物があれば言って欲しい。すべて揃える」
 すると話を聞いていたアリシアが刺繍のされたナプキンを取り出す。
 それはハート4つの、四葉のクローバーが丁寧に刺繍されている。
「ナプキンに、刺繍して、みました……バレンタイン、で思いつくのは、ハート……だから、ハート4つで、四つ葉の、クローバーで、作ってみました……食べた方が、幸せになれると、いいなって……たくさん……」
 どこか恥ずかしそうに差し出すアリシアに、ヴィオラとリチェルカーレは刺繍のされたナプキンを見て、わぁっと喜ぶ。
「この刺繍いいですね」
「シアちゃんの刺繍すてき」
「そうだ。クッキー包むのに使ってもいいかしら?」
 そう言うとヴィオラは、クッキーをナプキンで包むと、リボンで口を縛ってラッピング。
「とてもいいアイデアね」
 リチェルカーレの言う通り、とても良いアイデアだった。
 早速、みんなでクッキーを包んでいくことにした。
 皆と一緒になって手伝いをしていたセシリアは、ヴィオラやアリシア、そしてリチェルカーレに頼みごとをした。
「保存の効くものを分けて貰えませんか?」
 これに皆は快く頷く。
「保存のことを考えるなら、少し強く焼き固めた物が良いですね」
「これも、ナプキンで、包んでおきますね」
「砂糖漬けと干し杏子を、それぞれ瓶に小分けにしておきますね」
「ありがとうございます」
 セシリアは礼を言うと、事前にセパル達に頼んでおいた箱に詰めていく。
 箱は幾つかあり、大きめなので、食料以外の物も入れられる。
 そこにはアカデミアでもらった果物や薬を詰めていく。
 クッション材になる丸めた紙を敷き詰めた所で蓋をして、セパルに頼んだ。
「セパルさん。ネイティブの人たちの居場所をご存知なら、これを届けてもらえませんか? 人目を避けているのなら、街中とかには来にくいでしょうから」
「うん、良いよ」
 快諾するセパルに、セシリアは続けた。
「もし、オッペンハイマーに会えたら、ドールの娘から伝言と伝えて。私は逃げない、と」
 これにセパルは少し考えたあと、手紙と便箋を持って来る。
「ネイティブには会えると思うけど、オッペンハイマーさんに会えるかは、分からないから。だから手紙を書いておくと良いと思うよ。手紙を貰えると、嬉しくなるし、良いんじゃないかな?」
 これにセシリアは柔らかな笑みを浮かべ返す。
「ええ、それが良いかもしれませんね。お願いできますか?」
「うん、任せて」
 セパルに引き受けてもらい、荷箱を受け取るネイティブには事情を伝え、縁があればオッペンハイマーに渡して貰えるようにした。

 そうしている間にも、皆はそれぞれ料理を作っていく。

 水を入れたボウルにドライイーストをさっと入れ、そこに強力粉を投入。
 追加で、塩と砂糖を少々。
「何を作るの?」
「ベーグルを作ろうと思うんだ」
 ヴォルフラムはカグヤに応えると、手慣れた様子で捏ねていく。
 手で全体をかき混ぜて、生地がまとまってきたら料理台に載せる。
 そこからは力仕事。体重をかけてよく捏ねる。
 しっかりと捏ねて、こしが出てきたら少し休ませる。
「10分ぐらいで良いかな。その間に、ドーナツの生地も作っておこう」
 手際良く、同時進行で作っていく。
 ドーナツは、ボウルに卵と牛乳を入れ掻き混ぜた所に、薄力粉とベーキングパウダーを追加投入。
 そこに砂糖と塩をひと摘み。バターも入れて美味しさアップ。
 材料をすべて入れたら捏ねていく。
 よく混ぜ終えたら、こちらも少し休ませておく。
「こっちは1時間ぐらい置いた方が良いから、その間にベーグルを焼いておこう」
 休ませておいたベーグル生地をボウルから取り出して、輪型に形成。
 用意されていたオーブンで、しばらく発酵させていく。
 その間に使った器具を片付けているヴォルフラムに、カグヤは頼んでみる。
「ヴォル。ドーナツの生地、あとで分けて貰える?」
「良いよ。どんなドーナツ作るの? 必要な材料があれば用意するよ」
「ん、体に良い物がいい。味は美味しくないほど良い」
「え、それって……」
「お仕置き用。配る時に難癖や割り込みをする人に食べさせる」
 そう言ってカグヤは、何かないかと、皆が用意して貰った材料を見させて貰いに行く。

 その頃、リンファは薬膳料理の下ごしらえをしていた。

(元気の出るよう薬草を使用した東方の回復料理にしましょう。私の得意分野です)
 材料は、各種薬草。
 そこに肉や野菜を加え作っていく。
(魔導蒸気自動車の利点をアピールするのが目的ですから、沢山の食材や料理を運べることをアピールした方が良いですね)
 という訳で、何よりもまずは量を作ることを意識する。
 刻んだ各種薬草に、磨り潰し粉状にした生薬を組み合わせ、それを香辛料のようにして使っていく。
(量が多い方が効果はありますけど、味は美味しくないですからね)
 健康大事とはいえ、美味しくなければ食べて貰えない。
 美味しい料理にするために、分量を気に掛け調合していく。
 そこにカグヤがやってくる。
「これ、薬草?」
「はい。量を間違えなければ、美味しく食べれるんです」
「量が大事なんだ……食べ過ぎると、体に害がある、とか?」
「山盛りで食べると問題ですけど、そうでなければ大丈夫です。薬効を考えたら、多めに食べた方が良いぐらいですから。ただ、ちょっと美味しくないというか……」
「すごく良い」
「え?」
 軽く首を傾げるリンファに、カグヤは頼む。
「少し、貰って行っても良い?」
「ええ、どうぞ。たくさん用意して貰いましたから」
「ありがとう」
 礼を言ってカグヤは薬草を手にヴォルフラムの元に戻って行った。

 それぞれ作る中、サクラとキョウは、どうするか考える。

「私達も何か作る?」
「そうですね……みんな同じだとアピールポイントが被っちゃうので、少し違うことをしましょう」
「違うことって、何をするの?」
「そうですね……料理を作って持って行くんじゃなくて、食材をそのまま持って行きましょう」
「ん~、それって、移動している間に傷んじゃわないかしら?」
「なら、冷蔵庫みたいなのをつけてもらいましょう。付けられないか聞いてみます」
「注文するのね。だったら私は、乗り心地を良くして貰おうかしら」
「え、要りますかね? そういうの」
「大事よ。横でずーっと乗ってたら、乗り心地が良くないとダメでしょ」
「……横にってことは、自分が運転するんですね」
「お願いね」
 にっこり笑顔で頼まれて、軽くため息をつきつつも、逆らえないキョウだった。

 そうして皆の下準備は終わる。
 その頃には、車も出来あがり、早速それぞれアピールも兼ね出発することにした。

●自動車で配ろう
「運転は俺がするから、みんなは料理や販売に集中すると良いよ」
 クリストフは、アリシア達を乗せ安全運転で出発。
 他の皆も、必要な物を車に詰み終わり、それぞれ担当地区に向かって行く。

 クリストフ達が、まず辿り着いたのは、人通りの多い街路。

「ここなら通行の邪魔にもならないし良さそうだ」
 クリストフは降り立ち、皆も車を降りると、早速販売開始。
「暖かい食べ物を届けにきました。食べにきませんか?」
 セシリアが魔術通信で、通りを行き交う人々に広く声を掛けていく。
 すると少しずつ人が集まってくる。
「はい、どうぞ。まずは食べてみて下さい」
 リチェルカーレが笑顔で食べ物を配っていく。
 今回は販売ではなく、食料配布をすることで蒸気自動車の有効性をアピールすることが目的のひとつだ。
 なので、最初は無料で配っていく。
 クッキーと温かなお茶を振る舞った。
 それが呼び水になって、さらに人が集まってくる。
 そこで本格的に販売開始。
「えぇと、これを押せば良いんだよな」
 事前にニコラやレオノルに聞いていた通り、クリストフは運転席のボタンを押す。
 すると車で牽いていたコンテナ部分が横に開き、調理するスペースが現れた。
「さぁ、作りましょう」
 調理スペースにヴィオラは上がり、手伝いをするためにアリシアも連いて行く。
 作るのはクレープ。
 しっとりした薄い生地をさっと焼き上げ、調理台に乗せる。
 そこに万物学園から譲り受けたフルーツをたくさんトッピング。
 最初に作るのは、生クリームと組み合わせたスイーツ系。
 続けて生地を、もう一枚。
 野菜とベーコンを乗せ、ソースを掛けたおかず系のクレープを作っていく。
 その間にアリシアは、お茶を淹れていく。
 香りの良いハーブティ。
 そこにリチェルカーレが用意した、菫の砂糖漬けや杏を入れてみる。
(これ……お茶に浮かべたら…きっと……)
 アリシアの思った通り、それぞれ香りや見た目の良さが増す。
 ふんわりと漂う香りの良さに、ほぉっと溜息ひとつ。
「あの、お茶が、出来ました」
 アリシアは、お客さんに出す前に、ヴィオラに出してみる。
「良い香りですね」
 一口飲んで味も確かめると、笑顔で返す。
「お客さんにも喜んで貰えると思います。私もクレープが出来あがりましたから、一緒に出しましょう」
 ヴィオラの言葉に、アリシアは出来あがったクレープを見詰める。
「とても、可愛いです……」
 味だけでなく、見た目も意識して作られたクレープは、彩りも綺麗だった。
「あの、菫の砂糖漬け、クレープにも、乗せてみたら、どうでしょうか」
「良いですね」
 ヴィオラは笑顔で頷くと、菫の砂糖漬けをトッピング。風情のある彩りになった。
 出来あがった物を、試食用に小さく切り分け小皿に乗せる。
 そして調理スペースの横に設置されたカウンターにクッキーを展示すると、お客さんの呼び込みをする。
「さあ、どうぞ食べてみて下さいな」
 ヴィオラは、リチェルカーレとセシリアに手伝って貰いながら、試食を配っていく。
「美味しいです。食べてみて下さい」
 リチェルカーレは笑顔で勧めていく。
 実家が花屋の彼女は、客商売は慣れたもの。
 どんどん人が集まって、中には押しのけて持って行こうとする者もいたが、それはクリストフが対処してくれる。
 それでも人の多さに、貰いに近付けない者もいる。
 そうした人の元に、セシリアは試食を持って行く。
「どうぞ。食べてみて下さい」
 子供連れの母親に、セシリアは手渡そうとする。けれど――
「お金が、ないから……」
 どこか警戒するように母親は返す。
「心配しないで下さい。これはエア王に頼まれてしていることですから」
「ぇ……エア王に?」
 聞き返す母親に笑顔で返しながら、セシリアは母親の連れていた男の子にクレープを手渡す。
「エア王は、この国全ての人のことを思っています。食べて元気にならないと」
 微笑みを浮かべるセシリアに、おずおずと男の子はクレープを手に取ると、一口食べると笑顔になり夢中になって食べていった。
 そうして配っていき、気に入った人達がクッキーやクレープを買っていく。
 物珍しさもあり、用意した物がどんどん減っていくので、クリストフは伝葉を使って本部に連絡。
「――という訳で、材料が足りなくなりそうなんだ。追加を持って来て貰えるかな?」
『はい、分かりました。すぐに持って行きますね』
 リューイは応えると、ニコラとレオノルと一緒に持って来てくれることになった。
「離れてても状況を伝えられるって便利だな」
 伝葉の有効性を実感するクリストフ。
(これだけ便利なら、医療搭載車のは、病院と連絡が取れるようにしてくれって後で提案してみよう)
 そう思っていると、アリシアに声を掛けられる。
「運転、ありがとう……良かったら、これ……」
 クレープとお茶を持って来てくれたアリシアに、クリストフは笑顔を浮かべる。
「ありがとう、アリシア」
 礼を返し、一息つくのだった。

 そうして評判よく配っているのは他の場所でも同じだ。

 牛肉の焼ける良い匂いが広がる。
 塊のまま串に刺された牛肉が、縦型コンロの前でゆっくりと回転しながら焼かれていた。
 その横で、ベーグルを切っているのはヴォルフラム。
 ベーグルに挟む具材は既に切り分け、お客さんに見え易いよう、冷蔵ケースに置いている。
 スライスされた玉ねぎ、トマト、スモークサーモン。
 レタスは千切って置いて、キャベツは千切りにしてある。
 牛肉の焼ける美味しそうな匂いと、ベーグルに挟む新鮮な食材に、人が少しずつ集まってくる。
「カグちゃん。試食用に、ドーナツ切り分けたから、お客さんに振る舞ってくれるかな。子供には、丸ごとひとつあげておいて」
「ん、分かった」
 ヴォルフラムが調理をしてくれている間に、カグヤは呼び込みを兼ねた試食配り。
「どうぞ。美味しいです」
 手渡すと、皆は喜んで受け取り食べてみる。
 程よい甘さのドーナツは、笑顔になるほど美味しかった。
「はい。子供は、丸ごとひとつあげる」
 カグヤが配っていくと、大喜びする子供達。
 それを大半の大人達は笑顔で見ていたが――
「おい、なんでガキ共だけ丸ごとひとつなんだ」
 大人げない男が難癖をつけて来る。
「食べたいの?」
「おう、あるなら寄こせ」
 横柄な態度の男に、カグヤは特製ドーナツを口に放り込む。
「んぐっ……――んんんんっ!!」
 男は反射的に噛んで飲み込むと、最初青白くなったあと真っ赤になって、走り去っていく。
「水ーっ!!」
 元気良く叫んでいたので、身体にどうこうはないようだ。
「えっと、カグちゃん。何が入ってたの? あのドーナツ」
「何故ああなったかはよく解らない……体にいいと思うもの、少し混ぜた、けど」
 カグヤはヴォルフラムに応える。
「……大丈夫、死ぬほど不味いだけで、死には、しない」
「そっか。なら別に良いね」
 笑顔でヴォルフラムは返すと、販売開始。
「サーモンとチキンはレタスとトマトと玉ねぎが挟んであって、牛肉はキャベツとトマトが挟まってる」
 お客の質問にカグヤが答え、注文を書きつけるとヴォルフラムに伝える。
「サーモンとチキンがふたつずつ。牛肉をみっつ」
「うん、分かった。すぐに作るから、ちょっと待ってね」
 ヴォルフラムは笑顔で返し、手際よく作っていった。
 持って来た材料が無くなるほど、盛況だった。

 そうして街路で活動する者達がいれば、救護院に訪れる者も。

「心配しないで下さい。お金は必要ではありません」
 救護院に来たリンファは院長に説明した。
「エア王から命を受けやってきました。こちらの蒸気自動車のアピールを兼ねての物なので、むしろ皆さんに食べて貰って評判を広めて欲しいんです」
 話を聞いた院長が納得した所で、リンファは料理の腕を振る舞う。
(まずは薬草入りの肉まんから)
 事前に作って冷蔵庫に入れておいた肉まんを、車のコンテナ部分に備え付けの調理器で蒸し上げる。
(こちらは、時間さえ注意すれば放っておいても大丈夫。その間に、餃子を作ってしまいましょう)
「すみません。テーブルを用意して貰えませんか?」
 院長に頼み用意して貰ったテーブルの上に、持って来ていた巨大な調理板を置く。
 そこに、これまた大きなボウルに入った餃子の餡を次々置いていく。
 豚ひき肉に、エビや貝を混ぜた海鮮物。他にも種類は豊富。
 それを次々皮で包むと、コンテナに積んでおいた移動式のコンロを使い焼き上げていく。
 じゅうじゅう焼いて、音だけで美味しさの期待が高まる。
「さあ、どうぞ」
 焼ける端から皆に振る舞う。
 あつあつパリッと焼けた餃子を齧れば、肉汁が溢れ美味しさが広がる。
 入れてある薬草が、ほど良いアクセントとなって楽しめた。
「肉まんも美味しいですよ」
 蒸し上がった肉まんは、生地はふっくらあつあつ。肉汁たっぷり美味しくて、食べるほど笑顔になれる。
 他にも饅頭を振る舞って、全て配り終えれば次の饅頭を蒸し上げていく。
(さて、残りの餃子も包んで。こちらは水餃子にしましょうか。そのあとは――)
 色々料理を振る舞おうと、餃子の餡の所に戻ると、子供達がわらわら集まっている。
「作ってみたいですか?」
 好奇心一杯の子供達に言うと、笑顔で応えは返ってくる。
「作るー!」
「俺デカいの! デカいの作る!」
「わたしね、まん丸いの作るのー」
 元気の良い子供達に笑顔を返し、リンファは一緒に作ることに。
「では一緒に作りましょう。その前に、手は洗いましょうね」
「はーい!」
 笑顔の子供達に、どこか過去の傷を疼かせながら、リンファは思う。
(いい国ですね、マーデナクキス。この子達の笑顔くらい、守れなくては)
 決意するリンファだった。

 そうして料理を配る者がいれば、食材そのものを配る者も。

「アピールってなにすれば良いのかしら」
 安全運転なキョウに、サクラは問い掛けた。
「利点、所有することで得をする点を伝えれば良いかと」
 キョウの応えに、サクラは考える。
「ふーん……良い所いちー、速い。疲れない」
「その3、かっこいい」
 自然に言葉を合わせ、会話が流れていく。
「よーん、新しい物。持ってれば自慢でき――」
「着きましたよ」
 静かにブレーキ。
 止まったのは、現地の市場の入り口。
「人が多そうね。良いんじゃない」
「では、早速アピールしましょう」
 車のコンテナの扉を開けて、中から大量の食材を取り出して広げてみせる。
「はぁい。食べ物はいかが? 素材の味がして美味しいわよ」
 サクラは物珍しさで集まって来た人々にアピール。
「美味いのか?」
 中年男性の問い掛けにキョウが応える。
「ええ、美味しいに決まってる。新鮮ですからね」
「新鮮ねぇ……へぇ、確かに」
 男は手に取って確かめると、感心したように言った。
 そこにサクラとキョウは畳み掛けるように返す。
「新鮮だから、調理してからだって美味しいわよ?」
「その新鮮な食材を、すぐに渡したい人の元へ移動できます」
「足で歩くよりも走るよりも速く渡せれるわ」
「そんなに速いのか?」
 興味を持った男が聞き返す。話を聞くと、どうやら男は富裕層向けのレストランの料理人らしい。
「便利なもんだな」
 興味を持った男に、キョウが押していく。
「食材を渡したい人も一緒に移動だって出来ます。それに――
 知ってますか? この中で一緒という事は、つまり2人だけの世界って事ですよ」
「はは、そりゃいい。」
 乗り気な男は、さらに詳しく聞いてくる。
 そこでキョウは、身につけた心理学の知識も駆使し、周囲の人々の注意を引くように話していく。
 段々と人だかりが出来ていき、しっかりアピールしつつ情報収集もするキョウとサクラだった。

 かくして蒸気自動車のアピールと宣伝を兼ねた食料配布は巧くいく。
 その頃、工場の周辺では、警護組が巡回をしていた。

●不審者を捕まえよう
 自分からは決して目を合わせず、シリウスはショーンと連れ立って巡回していた。
(沈んだ表情をしているな)
 頑として視線を合わせず、うち沈んだ様子のシリウスに、ショーンは苦笑するようにため息ひとつ。
「幽霊でも見た顔をしているな?」
 ショーンは視線を向け、シリウスに語り掛ける。
 けれど応えは返ってこない。
 まるで返事をして関わることを恐れているようだった。
(リチェから前に相談は受けていたが、今も変わらんらしいな)
 それはシリウスの過去からくる呪い。
(どうもシリウスに親しい人間は死ぬと吹聴した輩がいたらしいな。……馬鹿らしいとは思うが、シリウスらしい。
 まぁ、元はと言えば吹聴した馬鹿者が悪いんだがな……シリウスも幼かった訳だし)
 初めてシリウスと出会った時のことを思い出す。
 あの頃の自分に、シリウスは捕らわれているのだろう。けれど――
「……安心しろシリウス」
 自分でも思ってもみなかったほど、優しい声でショーンは呼び掛けた。
 するとシリウスは、伏せていた顔を弾かれたように上げ、怯えるように言った。
「お前は現に死んだじゃないか。二度目はないんだ。また同じことになったら……!」
「ならない」
 ハッキリとショーンは言った。
「今は仲間がいるんだ。ドクターやリチェ、そしてシリウス、お前もだ」
「…………」
 ショーンの言葉にシリウスは返せない。そこに――
「賊だ。シリウス」
 工場の裏手に、明らかに暴力の気配をさせた男達の姿をショーンが捉える。
「行くぞ」
 シリウスが止める間もなく、ショーンは賊に向かって跳び出す。
「待て……っ」
 顔を青ざめながら、必死で後を追うシリウス。
 不安で前に出ようとするシリウスよりも速く、賊の元に辿り着いたショーンは怨嗟の銃・ランキュヌを口寄せ魔方陣で召喚する。
「止まれ! 動くな!」
 ショーンは相手の出方を探るため、鋭く声を掛ける。
 すると舌打ちして襲い掛かってくる男達。
 懐から銃を取り出そうとした男を、鋭く銃床で打ちつけ。
 刃物で切り掛かってこようとした男の腹を蹴り飛ばす。
「ショーン!」
「心配するな」
 男達をあしらいながら、ショーンはシリウスに笑顔で返す。
「いつもの相手に比べればどうということは無い」
 瞬く間に叩きのめし、安心させるように言った。
「ほれ。俺はこの通り死んじゃあいないだろう」
 笑顔のまま、自分を見詰めるショーンに、シリウスは呆けた表情を見せる。
 そして泣き笑いのような顔で、声を震わせながら言った。
「……子どもの頃、『俺は死なない』と言ったスパイがいた」
「ああ、死なないさ。俺もお前も」
 ショーンは、小さな子供にするように、シリウスの頭をくしゃりと撫でる。
 力なく、小さく、けれど確かに、震えるようにして安堵するような笑顔を浮かべるシリウスだった。

 そして男達を捕え連れて行く。
 その頃、同じく警備していたステラは、露骨に怪しい奴らを発見していた。

(なんだあいつら?)
 工場の警備をしていたステラは、こそこそと工場の裏口でごそごそしている男達を見つけた。
(ひょっとして、ふほーしんにゅうしゃ、ってやつか?)
 ステラは、獲物を見つけた狼のように目を輝かせる。
 さっそく捕まえようと走り出そうとするが、その寸前、リンファの話を思い出す。

「ステラ! 頑張るのは良いですけど、焦ってはダメですよ!」

(そうだ。焦ったらいけないってマーにも言われてるからな。まず隠れながらこっそり見て、悪そうなら捕まえるんだ)
 抜き足差し足。
 背後から少しずつ近づいて。
 ひそひそ話が聞こえるほど、気配を悟られないよう距離を詰める。
 すると男達の話し声が聞こえてきた。
「……おい、まだか」
「ちょっと待て。あと少しで鍵が開く」
「早くしろよ。気付かれない内に盗んでずらかるぞ」
 どう考えてもギルティなヒソヒソ話だった。
 なので吶喊。
「おまえたち悪いヤツだな!」
 口寄せ魔方陣で両手鈍器のイカリを召喚し、ぶんぶん振り回して突進。
「うお!」
「なんだ!?」
「ちょ待――っ!」
 馬鹿でかい船のイカリが組み込まれた武器を振り回す10才ぐらいの少女という、割と悪夢な相手に男達は逃げ出そうとする。
 が、すでに何度かべリアルなどと戦ったステラから、コソ泥の類が逃げられる訳もなく――
「ぎゃあ!」
 死なない程度にぶっ飛ばされた。
「やった! これでマーに、ほめてもらえるぞ!」
 得意満面なステラだった。

 かくして指令は終わりをみせる。
 キッチンカーや医療車両。農業用工作車両など、幾つもの車の原型が浄化師の協力で作られ。
 それらをアピールするための食料配布も上々の人気を見せ。
 シリウスとショーンが捕まえた不審者は、どうやら誰かから頼まれて工場の破壊工作をしようとしていたことが分かった。
 そしてステラが捕まえた泥棒は、誰かに頼まれて、蒸気自動車の設計図を盗み出そうとしていたらしい。
 さらに詳しいことは尋問を続けないと得られそうになかったが、何かしら工場で動きがあったので、その調査と妨害をしようとした者がいたらしい。
 それが誰かは分からなかったが、浄化師達の活躍により未然に防がれた。今後は、警備を増やして守るとのことだった。
 浄化師達のお蔭で、妨害は未然に防がれ、より良い未来へと繋がる結果を導いた指令結果だった。


【機国】魔導蒸気自動車生産に協力しよう
(執筆:春夏秋冬 GM)



*** 活躍者 ***

  • ニコラ・トロワ
    判った判った、私が弟でいい
  • ヴィオラ・ペール
    私の方がお姉さんなんですよ?
  • アリシア・ムーンライト
    私に何ができるのでしょうか
  • クリストフ・フォンシラー
    せっかく蘇ったんだしな
  • リューイ・ウィンダリア
    僕にできることがあるのなら
  • セシリア・ブルー
    あなたの望む通りに生きればいい
  • ショーン・ハイド
    生きる為。ただそれだけの為ですよ
  • レオノル・ペリエ
    君が誰であっても私には関係ないよ

ニコラ・トロワ
男性 / マドールチェ / 拷問官
ヴィオラ・ペール
女性 / エレメンツ / 占星術師

アリシア・ムーンライト
女性 / 人間 / 陰陽師
クリストフ・フォンシラー
男性 / アンデッド / 断罪者

リューイ・ウィンダリア
男性 / エレメンツ / 魔性憑き
セシリア・ブルー
女性 / マドールチェ / 占星術師

ショーン・ハイド
男性 / アンデッド / 悪魔祓い
レオノル・ペリエ
女性 / エレメンツ / 狂信者




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2020/03/24-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[15] ヴォルフラム・マカミ 2020/04/01-20:28

うーんうーん……うん、決めた。

ベーグルサンドと、ドーナツ作る!
肉はドネルするけど、ベーグルの具に使おう…スモークサーモンとか、あるかなぁ

ドーナツの方は主に子供用に作るつもりだけど…大人も欲しがるかなぁ  
 

[14] リューイ・ウィンダリア 2020/03/29-23:53

ニコラさん、レオノルさん、お誘いありがとうございます。
お言葉に甘えていいですか?スキルは全然ないんですが、助手とかなら頑張れると思います。
よろしくお願いしますね。
セラは売りに来ましたよとアナウンスをすると言っていました。  
 

[13] カグヤ・ミツルギ 2020/03/29-23:51

…自動車のアイデアはあればある程いいみたいだし、思いついたら、色々言ってみるといい、みたい。エントランスで、司令員の人が、言ってた。

そういう事なら、了解、した。
もし、戦闘とかになって、回復とかの必要あるかと思っての、提案だった。気にしないで。
……男同士じゃないと、話せなかたったりすることが男の子にはあると、上姉さまが言ってた。
そういうこと、かな…
(そういえば、怪我して帰ってきても病棟になかなか来なかったり、病室から逃亡する浄化師が居るって上姉さま困ってた…シリウスさんのことかな…)

アイデアは、浮かぶ。
キッチン搭載できるなら、移動できる部屋みたいな、
ベットがついてて、寝泊りできる車とか、できないかな
…テントとか、持たなくていいようなの…
(つまりキャンピングカー)  
 

[12] ニコラ・トロワ 2020/03/29-22:50

レオノル、来てくれるか。
それは心強い。
そうだな、せっかくだからリューイも一緒に作業できると楽しそうだ。どうだろうか。
ヴィオラ要望のキッチン搭載車の他にも作ってみたい自動車があるんだ。

リチェ、アリシア、ヴィオラがぜひ一緒にと言っている。
それとクリス、運転は頼む。
女性だけでは絡んでくる奴もいるかもしれんし、気をつけてやってくれ。  
 

[11] リチェルカーレ・リモージュ 2020/03/29-18:55

ショーンさん、ありがとうございます。シリウス、ショーンさんとどうお話したらいいのかわからないようでしたのでよろしくお願いします。

(特に選択肢に制限人数はないので、カグヤさんが3やるのはなんにも問題ないと思います)  
 

[10] ショーン・ハイド 2020/03/29-16:36

……提案したのはシリウスじゃなくて俺なんだがな。
カグヤ、一緒に護衛するのは、すまんがまたの機会にお願いしてもいいか?
まぁ、護衛をするのも事実だが、最近諸々シリウスに誤解やら何やら与えてしまった気がしてな……こうでもしないとシリウスとサシで時間が取れんのだ。  
 

[9] タオ・リンファ 2020/03/29-15:21

リンファ、並びにステラです。よろしくお願いします。
私は2で料理を配る予定です、何を作るかまでは決めていませんが、家でもあの子によく作っているので。
ステラは3の工場警備でしょうか、迷子にならないかだけが心配ではありますが……  
 

[8] クリストフ・フォンシラー 2020/03/29-13:46

キッチン搭載車か。
それだと現地の人に温かい物を提供できるしいいね。
ヴィオラちゃん、それ、俺が運転させて貰っても良いかな。
あとアリシアも一緒にやらせて貰えると。

アリシア「お料理のお手伝い、と、私、何か小物、作ってきます、ので……」

1で作られる自動車は一台だけなのかな。
何台かあれば手分けしてアピールできるんだけどなあ。  
 

[7] ヴォルフラム・マカミ 2020/03/29-11:33

ヴォルフラムとカグちゃんだよ、よろしくねー。

僕は2で、カグちゃんは…3かな
あ、シリウスさん、ショーンさん、カグちゃんも一緒にお願いしてもいいかな?

料理…何作ろうかなぁ…スープ系か……ドネルケバブってどうだろう?
肉を炙る縦型コンロ作ってもらうようになる、かな?  
 

[6] レオノル・ペリエ 2020/03/28-21:19

わーい°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
レオノルとショーンだよ!!
ニコー!一緒していい?まーぜーて!
リューイ君も来ない?
あ、そうそう、シリウスくん、ショーンが3行くから一緒していいか、だってさ!  
 

[5] リチェルカーレ・リモージュ 2020/03/28-18:28

リチェルカーレです。パートナーはシリウス。
どうぞよろしくお願いします。

わたしは2へ。ヴィオラちゃん、よければアカデミアの時のように、一緒にさせてもらってもいいですか?
あんまり上手ではないけれど、がんばります。
シリウスは3にするつもりです。  
 

[4] ヴィオラ・ペール 2020/03/28-17:27

ヴィオラ・ペールです。パートナーはニコラさんです。
どうぞよろしくお願いしますね。

私は2へ、ニコラさんは1へ向かう予定です。
実はニコラさんにキッチン搭載の物が作れないかお願いしてまして。
それができればその場で皆様にお料理して振る舞うことができるんじゃと楽しみなんです。
ふふっ  
 

[3] リューイ・ウィンダリア 2020/03/28-16:21

リューイとセシリアです。今回もどうぞよろしくお願いします。

今のところ、僕は1、セシリアは2に行こうかと思っています。  
 

[2] アリシア・ムーンライト 2020/03/28-14:53

え、と…アリシア、と、クリス、です。
よろしく、お願い、します。
私達は、今のところ、2の予定、です。