秘紅のプリフィア
普通 | すべて
5/8名
秘紅のプリフィア 情報
担当 留菜マナ GM
タイプ EX
ジャンル シリアス
条件 すべて
難易度 普通
報酬 多い
相談期間 8 日
公開日 2020-04-14 00:00:00
出発日 2020-04-25 00:00:00
帰還日 2020-05-01



~ プロローグ ~

 ドッペル達の存在理由は、産みの親であるイヴルに尽くすことだ。
 とりわけ、最も優れた個体として選ばれたドッペルは、その想いが一際強かった。
 それはもはや、忠誠心というより、恋慕の情に近い。
 だから、ドッペルは――彼女の仮面を被った。

 声を聴かせて。
 私を見て。
 その瞳に映して。
 ありのままの私でいられるように、あなたの側にいたい。




「お願い、イヴルを止めて!」
 アルフ聖樹森。
『ヴァルプルギス』一族の氏神となっている、リスの八百万の神。
 彼女が住まう森の集落に、あなた達は訪れていた。
「止める?」
「イヴル、約束を果たしたら死んじゃうの」
 あなたの疑問に呼応するように、少女があなたの裾を引っ張る。
 少女は、『ヴァルプルギス』一族の氏神となっている、八百万の神『リシェ』だ。
 自身の姿を変化させて、人の姿を取っている。
 リシェは、集落に住むドッペル達から、イヴル達が為そうとしている事を聞かされた。
 そして、彼が行おうとしている『理想の約束』の真実を知ったリシェは、教団に助けを求めてきたのだ。
「イヴル達は、あなた達と戦って死ぬつもりなの」
 簡潔な言葉。
 だが、その答えの描く醜悪さに、あなた達は絶句する。
「お願い……。イヴル達を助けて……」
 リシェが縋るように呟く。
 その力強さが、彼女の願いの強さを物語っていた。




 それは、春の麗らかな気候だった。
 純白の花が場違いな長閑さで咲き誇っている。
 陽光は彼らを祝福するように、きららかに満ちていた。
 その為に尚一層、花畑の先にある町の悲惨は明瞭に際立った。
「ここか」
 サクリファイスの幹部であるラウレシカに招かれて、イヴル達は落日に染まる町の廃墟を訪れていた。
 待ち合わせの場所へと向かっていたイヴルは、記憶を辿るように町の廃墟へと視線を巡らせる。
 脳裏に多くの人達が過ぎ去り、幾多の光景が遠退く。
 最後に広がったのは、あまりにも鮮明な故郷の景色。
 それは決して叶わなかった憧憬が見せた一瞬の幻だった。
 帰れない場所。戻れない日々。今更のように胸を衝く激しい悲しみ。
 だが、それでもイヴルはその哀切を振り切る。
 幼い頃に、カタリナとともに求めた理想を体現するために――。
 それは、イヴルにとって、今も昔も変わることのない不変の事実だった。
「ラウレシカは何処にいる……?」
 噂をすれば影。
 やがて、イヴル達は視界に彼らの姿を捉える。
 ラウレシカは感極まる思いで跪き、祈りを捧げている。
 イヴルが着目したのは、ラウレシカが敬っている禿頭の巨漢べリアルだった。
 イヴルが感じた強大な魔力は、過去からの警鐘。
「主は、カタリナと縁があった者だな」
(――カタリナの事を知っているのか?)
 イヴルが最初に思ったのは、そんな疑問だった。
「……誰だ?」
「儂は、最硬のギガス」
 イヴルの疑問に、3強の1人――ギガスは名乗った。
「イヴル。貴様の為そうとしている事は、ギガス様にお伝えしている」
「……っ」
 ラウレシカの言葉に、イヴルの表情が言いようもない陰りに覆われる。
「ラウレシカ、あなたは――」
「いつまでカタリナ様を騙るつもりだ、ドッペル」
「――っ」
 ラウレシカの指摘に、擁護しようとしたカタリナは――ドッペルは当惑の色を見せた。
「お主は、エリクサーを生成しようとしているのだな」
「ああ」
「基は悪なり」
 ギガスは両手を合わせ、言葉を続ける。
「それはカタリナを蘇らせることではない」
「――っ」
 ギガスに諭され、イヴルは言葉を詰まらせる。
 夕陽に照らされた顔は、不安をより浮き彫りにしていた。
「……私は、カタリナを蘇らせたい訳ではない。カタリナとの約束を果たす為に、エリクサーが必要なだけだ」
「イヴル……」
 イヴルが留められない憂いを口から零すと、カタリナの表情に更なる影が落ちた。
「エリクサー無しでどうすればいい?」
「うむ」
 ギガスは首肯し、カタリナを一瞥する。
 すると自身の片腕を手刀で切り落とし、それを代償に強力な魔結晶を作り上げた。
「受け取るが良い。カタリナは善き者であった。彼女と主に縁があるというのなら、力を貸そう」
 切り落とした腕を急速再生させながら、ギガスは言った。
「魔結晶……。これなら、エリクサーが無くても、カタリナとの約束を果たす事が出来る」
 抑えようとしても抑えることのできない情動。
 切実な何かを秘めた瞳がそこにあった。
「だが、滅ぼされれば、それは叶わぬ。浄化師達が来ているようだ。逃げるか?」
「そのつもりはない」
 イヴルは即座に否定する。
「主がカタリナの理想を成そうというのなら、儂も興味がある。主の行く末を見届けよう」
 ギガスの言葉に、イヴルは強く頷いた。
 教団を憎む程に受けた苦しみ。
 裏を返せば、それはカタリナを深く愛していたという証左でもあった。
「そうか……だが、心せよ。浄化師は、強い。今の主では、容易い相手ではない。それでも、逃げる気はないのだな?」
「ああ」
「その在りよう、善き哉。ならば戦い殺せ。叶わぬなら、滅ぼされるが良い。その苦悩、必ずやあの御方と……天上にいるカタリナに届くであろう」
 イヴルは毒気を抜かれたように、強張っていた頬を緩める。
「カタリナ。あの日の約束を果たす為に、先に花畑で歌ってほしい」
「はい」
 イヴルの決意に、カタリナは肩の荷が下りたように笑みを浮かべた。


~ 解説 ~

〇目的
・イヴルとカタリナ(ドッペル)の捕縛

○指令の流れ

・以下の流れで進んでいきます。
・1は戦闘が発生します。

1、イヴルの捕縛

2、カタリナ(ドッペル)がいる花畑に向かう。

〇内容

1、イヴル達との戦闘
 イヴルを捕縛すると戦闘は終了します。
 
〇場所
 町の廃墟。
 多少、瓦礫はありますが、戦闘の邪魔になるほどではないです。

●敵
・ギガス
 3強の1人。
 基本は武術。そこに魔術を加えて攻撃してきます。
 全ベリアル中、最大の防御力(物理・魔力両方)を持つ。
 イヴルが捕縛された時点で、その場から去ります。

・イヴル
 魔術、魔力弾を放ってきます。
 幻影の魔術によって時折、攻撃が当たらない事があります。

・ラウレシカ
 サクリファイスの幹部の生き残りの一人。
 ボマーの魔術を使って、翻弄してきます。

●ボマー
 発動することで爆発を起こす火気の魔術です。
 やや特殊な魔術であり、発現させた魔方陣に、強い衝撃を与えなければ発動しません。
 この時、殴った人間へは爆炎は広がりません。

2、花畑について
 カタリナ(ドッペル)が歌う讃美歌と響き合うように、花畑はイルミネーションのような煌めきと音色を響かせています。
 プリフィアの花が発する光と音色から、イヴル達が託した想いを知る事が出来ます。
 この時、ドッペル達が、イヴル達を救ってくれたあなた達に対して、感謝の想いを込めた花束を渡します。

〇味方NPC
・特殊なドッペル達
 浄化師一組につき、一体、霧の塊の状態でついてきています。
 ここに来る前に、あなた達には同行している事を知らせています。
 戦闘には参加しませんが、イヴル達を救いたくて、今回、同行しています。


~ ゲームマスターより ~

 こんにちは、留菜マナです。
 今回は、「愛執のテラリウム」の続きの話になります。
 今回で、このシリーズは完結になります。
 今までありがとうございました。
 今後も、ドッペル関係のエピソードを公開していこうと思っています。
 GMページに、NPCについての情報、会議室内での疑問を答えられる範囲内で記載させて頂きます。
 どうぞよろしくお願い致します。

〇プリフィアの花
 声に反応して、様々な色に光る。
 歌うと、まるでイルミネーションのような煌めきと音色を響かせる。
 別名、『恋慕の月光花』として人々に親しまれている。

○注意事項

 今回取得できる花束は、エピソード内だけでなく、実際に取得できます。
 アイテム名などの文字数制限については、以下になります。

 アイテム名 : 10文字以内
 解説文   : 60文字以内
 ステータス : 運営側で固定値を入力します。

 取得できるアイテムは一つだけになります。
 特殊な効果などは付与されません。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者
【魔】
これ以上 サクリファイスに関わる悲しみを増やしたくない
どうか誰も死なずにすむように

魔術真名詠唱
イヴルさん対応 
シアちゃんとふたりで禹歩七星
中衛位置から 鬼門封印や禁符の陣での支援と回復
ウィッチ・コンタクトで魔力の流れを見ながら
爆発やギガスの攻撃等 不測の事態に備える

イヴルさん もうやめて
カタリナさんはきっとあなたの死を望まない
教団は間違いを犯しました
わたしたちも カタリナさんを殺してしまったわ
だけど変わる
これからは 罪のない人が貶められることのない世界になるように
だからそれを見届けてほしい 

歌声を頼りに 花畑へ
綺麗な歌ね 歌う彼女に泣きそうな笑顔
…一緒に歌ってもいい?
嫌がられなければ 合わせるように讃美歌を
アリシア・ムーンライト クリストフ・フォンシラー
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / アンデッド / 断罪者
イヴルさんは…自分ではもう、止まれない、のでしょうか
カタリナさんを、止められなかった分も…止めて、あげたい…

魔術真名詠唱
リチェちゃんと一緒に禹歩七星を皆さんに
イヴルさんに対峙

鬼門封印で支援と天恩天賜での回復を
コンタクトで魔力を探知、周囲に気を配り
ギガスの魔力やボマーの気配を感じたら皆に知らせて
余裕があれば九字の印で援護射撃
捕縛が完了したらイヴルさん達の傷も癒やしましょう

イヴルさん
私達に、何か言う資格は、ないかも、しれません
それでも…貴方を想ってる人の、気持ちに、気付いてあげて欲しい…

カタリナさんに貰った花束に目を細めて

※アイテム
プリフィアの花冠
貰った花束でアリシアが作った花冠。優しい香りがする
ショーン・ハイド レオノル・ペリエ
男性 / アンデッド / 悪魔祓い 女性 / エレメンツ / 狂信者
【魔】
人間は滅び、世界を救済するための生贄になるべき…か
本物のカタリナは滅びた
…因果なものだ
イヴル、お前の世界は滅びたままだろう…?

イヴルの対処
ヘルターゲットでイヴルの位置を常に把握し幻影対策に
ピンポイントショットで削り、幻影が出たらトリックショットで攻撃を

…理想の約束とは何だ
下らないと一蹴はしない
何も感じないならと死を乞うたことなら誰しもあるだろうさ
ただ、お前はもう一人じゃない筈だ
お前にはカタリナがいるだろう
アイツはドッペルじゃない
お前の願ったカタリナじゃなかったのか!?
あのカタリナはお前の傍に居る
死んだカタリナの約束より今のカタリナの願いの方が大切じゃないのか
傍にいてやれ
彼女達が気の毒だ
ヨナ・ミューエ ベルトルド・レーヴェ
女性 / エレメンツ / 狂信者 男性 / ライカンスロープ / 断罪者
ヨ ベリアルは人間と手は組まない 確かにそう言った筈
  なのにどうしてイヴル達と共に⋯?
ベ 魂に利用価値がある 恐らくそんな所だろう
  ともかくイヴルを捕縛するまで奴を抑えるぞ

魔術真名唱えギガスと対峙 消耗戦覚悟
喰人で近距離に持ち込み 敵の攻撃はある程度受けつつも致命打は食らわないよう注意
フェイントでギガスの攻撃を誘い 死角にいるヨナで魔力を込めたFN18
最硬の二つ名は伊達ではないか…
かと言って手を緩める訳にはいかないんだ
悪いがもう少し付き合って貰おう

>ドッペル
捨てられた憎しみよりもイヴルを慮る気持ちの方が強いだなんて…
でも イヴルの事だけでも無いのでしょう?
あなたは とってもお人好しなのですね(柔らかい苦笑
ヴォルフラム・マカミ カグヤ・ミツルギ
男性 / ライカンスロープ / 拷問官 女性 / 人間 / 陰陽師
【魔】

イブルが何をしたいかは、よく解んないけど…
とりあえずサクリファイスの幹部の人、邪魔だね

基本はラウレシカの邪魔
特にボマーの魔方陣は爆破させないし、しない
防御の硬いベリアルと幻影で回避率上げてるイブル、殴った本人はダメージなしの魔方陣…
爆破されたら危ないのはほぼこっちだけってズルくない?
「火気は土に弱いんだっけ…」
TM3で魔方陣、殴ったら爆発しないか抑えられたりできないかな?
僕、土属性だし
…ていうか、メンバーで素の属性土なの僕だけなんだー…

…物は試しだ、やってみよう
ダメだったら、その時はゴメン

ダメだったらあれかな、根性で爆破耐えるか
体力だけはあるんでね
「倒れる前にあいつぶっ倒せばいいよね!」


~ リザルトノベル ~

「遅れてきた想い……?」
 霞む記憶の中に見下ろした横顔。
 優しい月明かりが、幼いカタリナを照らしていた。
「星の光は、ものによっては届くまで何万年もかかるのですわ。だから、私達が今見ているこの光景は、もう何万年も前のものなのですよ」
「何万年前のもの……」
「まるで、『遅れてきた想い』みたいですわ」
 降り注ぐ何万年越しの光。
 その光がやってきた先には、もう元となる星はないのかもしれない。
 イヴルが視線を向けると、カタリナは指切りを求めるように小指を立てていた。
「イヴル、約束してほしいのですわ」
「約束……?」
「もう一度、2人の想いを――」
 花が咲き零れるようなカタリナの笑顔。
 やがて、イヴルは愛おしそうに笑いながら、そっと指切りした。
 幼い2人を背景に、歌うように身をすり寄せては奏でられる葉の音色。
 それは、2人だけの大事な約束だった。


 幼い頃、アルフ聖樹森の森の中で、カタリナと共に語り合った理想。
 彼女と紡ぐ時間の糸は、時には絡まり、時には外れて思い通りにはならない。
 だが、それでも素直になれない気持ちと同じように、今も彼女に結びついていた。


〇瞑想の森

「ここに、イヴルさんとカタリナさんが……」
 廃墟の町にたどり着いた『リチェルカーレ・リモージュ』は呟いた。
 『ヴァルプルギス』一族の氏神となっている、リスの八百万の神。
 リシェの懇願を受けて、リチェルカーレは仲間達と共に目的地へと向かっていた。
 イヴルが行おうとしている『理想の約束』の真実。
 それが、どんな約束なのかは、リシェにも集落に住むドッペル達にも解らない。
 ただ、それが果たされたら、イヴルが死ぬという事実だけが判明していた。
「これ以上、サクリファイスに関わる悲しみを増やしたくない。どうか誰も死なずにすむように」
「まだ、イヴルの生を望む者がいる。やれるだけのことはする」
 『シリウス・セイアッド』は成すべき事を心に刻み、リチェルカーレの小さな頭を撫でた。
「イヴルさんは……自分ではもう、止まれない、のでしょうか」
 『アリシア・ムーンライト』は悲痛な想いを口にする。
「イヴルは止まれない、か。あの時、ああいう形でしかカタリナを止められなかったから」
 『クリストフ・フォンシラー』は悔やむように廃墟の町を見据えた。
 人は希望に縋る。
 イヴルはカタリナとの約束に焚き付けられて、戦いの道に一筋の希望を見出だした。
 諦観と抵抗の狭間で揺れ動いた日々。
 それは『生きてきた』というより、『生かされた』とでも言うべき日々だったのだろう。
「せめて彼は……」
「カタリナさんを、止められなかった分も……止めて、あげたい……」
 クリストフの言葉を繋ぐように、アリシアは決意を込めて頷いた。
 廃墟と化した町の惨状。
 瓦礫を避けながら進んでいたクリストフ達は、視界にイヴル達の姿を捉える。
 しかし、そこに待ち構えていたのは、報告に上がっていたイヴルとサクリファイスの幹部の一人であるラウレシカだけではなかった。
 禿頭の巨漢べリアル。
 3強の1人――ギガスも、その場に居合わせていた。
「カタリナさんはいないのね……」
 その姿を認めたリチェルカーレが呟く。
(イヴル達が、ここに居るということだったが……)
 シリウスは苦々しい表情を浮かべる。
「手強そうだね」
 『ヴォルフラム・マカミ』は気合いを入れ直し、イヴル達の挙動に注意を傾けようとした。
「なら、僕達は――」
「……浄化師。神の御心を分からぬ愚者は罪だ」
 その瞬間、ラウレシカの冷たい視線が、ヴォルフラム達を射抜いた。
 まるでヴォルフラム達の行く手を阻むように、ラウレシカは立ち塞がってくる。
「イヴルが何をしたいかは、よく解んないけど……とりあえずサクリファイスの幹部の人、邪魔だね」
 ラウレシカから放たれた明確な敵意に、ヴォルフラムは斧を構える。
「行くよ、カグちゃん!」
「……うん」
 『カグヤ・ミツルギ』は警戒するように、ラウレシカと対峙した。

 ヴォルフラム達と同様に、他の浄化師達も、ギガスの行動に対して疑念を抱いていた。

「ベリアルは、人と手は組まない。確かにそう言った筈。なのに、どうしてイヴル達と共に……?」
 『ヨナ・ミューエ』の疑問に、『ベルトルド・レーヴェ』は油断なく、相手の出方を窺う。
「魂に利用価値がある。恐らくそんな所だろう。ともかく、イヴルを捕縛するまで奴を抑えるぞ」
「はい」
 ベルトルドの推測に応えるように、ヨナはギガスのもとへと走り出した。
「不退転」
 魔術真名を詠唱し、ヨナとベルトルドは戦闘態勢に移行する。
 ギガスと対峙したヨナは、その真意を探るように感覚を研ぎ澄ませた。
「やはり、今までのベリアルとは魔力の桁が違いますね……」
 魔力探知で魔力の質と流れを確認したヨナは、警戒するように距離を置く。
 それを聞いたベルトルドは、改めてギガスに問い掛けた。
「ここに何をしに来た。まさか、人間と手を組んでいるのか?」
「組んでいるのではない。儂がこの場に居るは、彼がカタリナの理想を成そうとするのを見届けるため」
 ベルトルドの疑問に、ギガスは応える。
「その割には、サクリファイスの幹部とも関わり合いを持っていたみたいだね」
 それぞれが戦いに意識を高める中、クリストフは具体的な疑念を口にした。
「カタリナは善き者であった」
「カタリナさん……?」
 ギガスが発した言葉に、リチェルカーレは虚を突かれる。
「彼女は、我らの代わりに魂を解き放つと約束してくれた。その意思を引き継ぐ事を示している者達がいる。ゆえに、力を貸しているだけの事よ」
「……カタリナの意思か」
 『ショーン・ハイド』の脳裏に思い出されるのは、あの時、発したフィロの言葉。

『カタリナ様亡き今、カタリナ様の意思を継げるのは私達、幹部だけです。その役目は、人である私達がするべき事であり、それが人の贖罪になり得るのです』

(フィロ達は、カタリナの意思を引き継ごうとしていたんだね)
 『レオノル・ペリエ』は状況を理解した。
 それこそが、ギガスとサクリファイスを結びつけた想念。
 形の違う二つの言の葉。
 それが、一つの形へと成していた。

 浄化師達は3手に分かれる。
 ヴォルフラム達は、ラウレシカと向き合う。
 同時にヨナ達も、ギガスと対峙する。
 クリストフ達もまた、イヴルを迎え撃つべく態勢を整えていた。

「死んで果たされる約束……?」
 レオノルは、イヴルの真意を図りかねていた。
「どういう事だろうね」
「分かりません。ただ、その答えはイヴルが持ち合わせています」
 どこか確かめるような物言いに、ショーンの視線の先はイヴルへと向いていた。
「人間は滅び、世界を救済するための生贄になるべき……か」
 それはカタリナ亡き今もサクリファイスが掲げる、揺るぎない信念。
「本物のカタリナは滅びた。……因果なものだ。イヴル、お前の世界は滅びたままだろう……?」
「……ああ」
 真意を問い質したショーンの言葉に、イヴルは静かに答える。
 今、イヴルの心に訪れているのは、限りのない静謐だった。
 長い苦悩の果てに、彼はここを最期の場所と定めていた。
 カタリナが果たせなかった約束を守る。
 その理念を、現実のものとするために。
「咎人は断罪する必要がある。カタリナを殺した危険分子は、全て排除せねばならない。そのために、私はここに居る」
 イヴルはショーンから視線を外し、あくまでも自身の信念を貫き通した。
「これからも、それは変わる事はない」
「それが、お前の生きる理由か?」
「彼女との約束を果たす事が、今の私の生きる理由だ」
 ショーンの核心を突いた言葉に、イヴルは自身の生き様を告げる。
 イヴルはあの日、カタリナを救うことができなかった己の無力さを呪った。
 あの日感じた雨の冷たさを、彼は今でも覚えている。
 だからこそ、約束を果たすまでは止まらない。
 それが自身の在りようだというように、戦い続ける。
(死んで果たされる約束か……。それって、彼自身の為でもないんじゃないかな)
 レオノルは、アルフ聖樹森の戦闘で抱いた疑問を反芻する。
 イヴルはカタリナの為に、ドッペルを――カタリナを作った。
 なら、作られた彼女の想いは何処に行くのだろう。
 イヴルがいなくなった世界で、遺された彼女達の想いは何処に行くのだろうか。
(私はショーンがいなくなったら、耐えられないよ……)
 言葉に出来ない寂寥感が、レオノルの心に澱のように残って消えなかった。

 交錯する視線。
 それぞれの武器を構えたシリウス達とイヴル達が対峙する。
 隠しようもない戦意と敵意。
 痛いような膠着状態は――イヴルが初手に魔力弾を放ってきた事で解き放たれた。

「黄昏と黎明、明日を紡ぐ光をここに」
 魔術真名の詠唱。
 シリウスとリチェルカーレは、魔力回路を完全開放する。
 膨れ上がった戦力で皆を守るべく、2人はそれぞれ動いていく。
「禹歩七星を掛けるわ。シアちゃん、お願い」
「はい……」
 リチェルカーレに呼び掛けられ、アリシアは応える。
 リチェルカーレとアリシアの禹歩七星により、皆の移動速度が跳ね上がった。
「イヴルさんを止めなくちゃ」
「ああ」
 リチェルカーレの祈るような言葉と共に、シリウスは剣を閃かせる。
「光は降魔の剣となりて、全てを切り裂く」
 手にした黒炎魔喰器、蒼剣アステリオスを解号する。
 シリウスの意志に応え、アステリオスは黒炎を解放し、シリウスを包みこむ。
 次の瞬間、黒炎が消えると同時に現れたのは、刻印のように魔方陣が身体に浮かぶシリウスの姿。
 アウェイクニング・ベリアル。
 覚醒状態のシリウスは、理性を保ったまま、戦闘力に更なる強化を掛ける。
 ベリアルリングによる戦力の底上げ。
 魔術真名の詠唱も合わせた超常の強化は、かってない領域へ誘う強さを見せた。
(イヴルを止める)
 最優先は、イヴルを捕縛する事。
 一気に間合いを詰めると、ソードバニッシュ。
 イヴルに反応させることさえ許さず、先制の一撃を叩き込んだ。
 一撃を叩き込むと即座に、魔術を使わせないよう更なる攻撃を繰り出す。
 心眼剣も使い、彼の視線の引きつけと攪乱で、仲間がイヴルを狙いやすいように立ち回る。
 黒炎解放の効果が続く間に、シリウスは攻撃し、仲間との連携を意識した。
「……っ」
 致命的な攻撃の数々。
 これにイヴルは幻影を駆使し、防御を固める。
 それを見たクリストフは、イヴルのもとへと向かう為に動いた。
「さあ、行こうか」
「はい、イヴルさんを、止めましょう……」
 クリストフとアリシアは魔術真名を唱え、戦いへと挑む。
「月と太陽の合わさる時に」
 2人は魔力を漲らせ、仲間と連携して動こうとする。
「アリシア、今回はギリギリまで俺の回復をしないでくれないか」
 それぞれの配置に向かう前、クリストフはアリシアに頼む。
 その申し出に、アリシアは不安を飲み込みながら応えた。
「信じてますから……無茶はしないで、下さいね」
「もちろんだよ」
 笑顔で返し、クリストフはアリシアと戦場へと向かう。
 クリストフは魔術による攻撃を掻い潜るように、イヴルの前へと突き進む。
 魔力弾を食らっても構わず進んでいった。
「何故、避けない……?」
「どうしてだろうね」
「――っ」
 イヴルが動揺したその瞬間、クリストフは疾風裂空閃で攻撃する。
 疾風の如き速さによって刃を突き、突きによって巻き上げられた斬撃で斬り付けられた。
「待って、それは幻影だよ!」
「……幻影か」
 クリストフが追撃を放とうとした所で、幻影を放ったイヴルはその場から退避しようと試みる。
 しかし、それをレオノルが抑える。
 レオノルはナイトメアで暗闇を狙う。
 その後、アビスブリザードで、イヴルをさらに翻弄していく。
 レオノルは常にイヴルを魔力感知で観測する事で、幻影が発生した瞬間を即座に捉えた。
「ショーン、今だよ!」
「はい、ドクター」
 ショーンはヘルターゲットで、イヴルの位置を常に把握する。
 ピンポイントショットでイヴルの体力を削り、幻影が出たらトリックショットで攻撃を繋げた。
 イヴルの間近にまで距離を詰めたアリシアは、禁符の陣で拘束する。
「クリス」
「ああ」
 息の合った連係を見せ、クリストフはアリシアが抑えたイヴルに跳び込む。
 情緒を欠く速さで間合いを詰め、踏み込みの勢いも乗せた一撃を振り降ろした。
 リチェルカーレは中衛位置から、鬼門封印や禁符の陣での支援と回復をする。
 アリシアと共に、ウィッチ・コンタクトで魔力の流れを見ながら、ボマーによる爆発やギガスの攻撃に対しての不測の事態に備えた。
「くっ……」
 イヴルが後方に追い詰められていく姿を見て、クリストフは冷静に状況を判断していく。
(この調子なら、止められるか?)
 捕縛する機会を狙い、戦いを続けていた。
 その時、周囲に気を配っていたアリシアは違和感を覚える。
「これは……」
「魔力の流れがおかしいわ」
 アリシアの戸惑いに応えるように、リチェルカーレは視線を走らせる。
 その先には、カタリナが向かった花畑があった。

 ラウレシカと対峙していたヴォルフラムとカグヤは、彼が使うボマーを懸念材料として見据えていた。

「ボマーの魔方陣……ヘルヘイム・ボマーの火気部分のみ……魔方陣の処理はヴォルに任せる……」
 カグヤは鬼門封印で足止めしつつ攻撃して、ヴォルフラムのもとに向かうラウレシカの抑えに走る。
「私の仕事は、回復と仲間に近寄らせない、こと!」
「――っ」
「させないよ!」
 動きを阻害した所に、ヴォルフラムは間髪入れず踏み込む。
 渾身の力を乗せた一撃が走る。
 その攻撃をかろうじて避けたラウレシカが反撃とばかりに、ボマーの魔方陣を発生させようとする。
 それを見たヴォルフラムは並走しながら言った。
「防御の硬いベリアルと、幻影で回避率上げてるイヴル、殴った本人はダメージなしの魔方陣……。爆破されたら危ないのは、ほぼこっちだけってズルくない?」
「……何が言いたい?」
 ヴォルフラムの指摘に、ラウレシカは不信感を抱かせる。
「火気は、土に弱いんだっけ……」
「――っ」
 ラウレシカは、ボマーの仕組みを言い当てたヴォルフラムを冷たく見据える。
「魔方陣、殴ったら、爆発しないか抑えられたりできないかな?」
「なっ……」
「僕、土属性だし。……ていうか、メンバーで素の属性土なの、僕だけなんだー……」
 ヴォルフラムは思案し、仮説を立てていく。
「……物は試しだ、やってみよう」
 ヴォルフラムはシーラビリンスを振り上げる。
 乱打暴擲。
 成り振り構わぬ乱れ打ちによる殴打が、ボマーの魔方陣に襲いかかった。
 その瞬間、魔方陣を攻撃されたことで無力化される。
「上手くいくものだね!」
「――小癪な真似を」
 ボマーの発生を阻害されたラウレシカは、新たに簡易陣で生み出した魔方陣を殴打しようとした。
「爆破させないよ!」
 ヴォルフラムは瞬時に、ボマーの魔方陣を殴打する。
「――っ」
 しかし、今度は完全に無力化する事は出来ず、僅かな爆炎が起きる。
「うーん。必ず、成功するとは限らないんだ……」
 想定外の爆炎。
 だが、ヴォルフラムを襲った爆炎は、破壊力が落ちた小規模のものに過ぎなかった。
「なら、倒れる前に、あいつ、ぶっ倒せばいいよね!」
「……うん」
 ヴォルフラムの言葉に、回復を施したカグヤは願うように返した。
 カグヤは、ラウレシカを鬼門封印で足止めして、ボマーの魔方陣の展開を防ぐ。
 たとえ、魔方陣が発動しても、ヴォルフラムの乱打暴擲で周囲への被害を抑えていった。
 戦局を見据えたラウレシカは、不可解そうに疑問を口にする。
「……何故、ここに来た? 貴様らに、イヴルの生死など関係ないはずだ」
「イヴルは、死なせない」
 カグヤは決意を込めた眼差しで返した。
「正直、イヴルが何をしたいかはよく解らない。でも、サクリファイス。貴方は、止める」
 カグヤは確固たる想いを貫く。
「神がこの先、滅亡しかないから、その前に生き物を殺して作り直すとか、大きなお世話。神がそういうから人を殺す……ただの責任転嫁だ」
「愚者の発想だな」
 ラウレシカはカグヤの言葉を跳ね除け、これ見よがしに嘲笑う。
 だが、ラウレシカの挑発的な視線を、ヴォルフラムは真っ向から受け止める。
「僕達はそう思わないよ!」
「――っ」
 ラウレシカは次第に、ヴォルフラム達の攻撃に押し切られていった。

 イヴルを捕縛するまでの間、ヨナとベルトルドはギガスを抑える為に動く。

「フェイントで奴の動きを誘う。ヨナはその隙を突いてくれ」
「分かりました」
 短く言葉を交わすだけで、ヨナはベルトルドの意図を理解する。
 前に出たベルトルドは、ギガスと正面から対峙した。
 どちらかが仕掛ければ、それが始まりの合図となる。
 互いの姿を改めて認めたその刹那、彼らは動いた。
 ベルトルドは凄まじい速さで間合いを詰めていく。
(速い)
 だが、同様に、ギガスもまた、一瞬で間合いに跳び込んでくる。
 凄まじい速度で動き、激突する両者。
 時に距離を縮め、時に離れながら、数合の打突を交わす。
 ヨナは戦いながら、ラウレシカが『サクリファイス・タナトス』を使用して、ギガスの強さを増幅させている可能性がないか探っていた。
(イヴルを利用するなら、それ位の事はしていてもおかしくはありません)
 ヨナは確かな意志を抱き、魔力の流れを探知する。
 だが、ギガスに対しては何も感じられない。
 しかし――そこである事実に気付いた。
(ヘルヘイム・ボマー……)
 それは、火気の魔術『ボマー』の魔方陣の上部に、木気の魔方陣を設置することで発現する禁忌魔術だ。
(まさか、ラウレシカの狙いは、ヘルヘイム・ボマーを発現させる事……)
 実際、ラウレシカは、ボマーの魔方陣を阻害された今も、その攻撃方法しか行っていない。
 それが狙いだと考えれば、辻褄が合う。
「ヴォルフラムさん。ラウレシカの狙いは、ヘルヘイム・ボマーの発現です!」
「――っ」
 ヨナの指摘に、ラウレシカは息を呑んだ。
「変だと思った……」
「同じ魔術ばかり繰り出してくるのは、妙だと思ったんだよね」
 カグヤの言葉に、ヴォルフラムは同意する。
「くっ……!」
 ラウレシカが手を挙げると、ヴォルフラム達の目前にボマーの魔方陣が光り始めた。
 予め、地面に描いていたのだろう。
 そこにラウレシカが魔力を注いだため、光りを増し、視認できるようになったのだ。
「ヘルヘイム・ボマーにはさせないよ!」
 ヴォルフラムがそこに土属性の攻撃を叩き込み、無力化する。
「なるべく、全ての魔方陣を無力化出来るといいんだけど……」
 ラウレシカの剣幕に、ヴォルフラムは事の重さを噛みしめた。


〇あの日、感じた雨の音

(こいつは、誰かが抑えておかないと駄目だ)
 近接戦に持ち込んだベルトルドは攻撃の手を休めず、ギガスの移動を阻害し続ける。
 それが、ギガスと戦う際の最適解。
 ギガスの猛攻が、その威力を痛感させる。
 ギガスの一打一打は、とてつもなく重い。
 加えて、ヨナが攻撃魔術を放っても、即座に魔術で対処してきた。
「ぐぅ……っ!」
「ベルトルドさん!」
 攻撃を繰り出されたと気づいた時には、ギガスの拳打がベルトルドを捉えていた。
 ベルトルドは中空へと吹き飛ばされる。
 しかし、ベルトルドは空中で姿勢を立て直し、地に足をつく。
 だが、吹き飛ばされた勢いを殺しきれず、接地した踵が地を削っていき、ようやく踏み止まった。
 ベルトルドは痛みを無視し、ギガスに再度、接近する。
 機先を制し、巧みなフェイントを交えながら、ギガスの攻撃を誘発した。
「今です」
「うむ!」
 そこに死角に移動していたヨナが、渾身の魔力を込めたアビスブリザードを放つ。
 だが、絶大な威力を持った水の槍を、ギガスは『慈愛の天蓋』を使って防いだ。
「今のは、アライブスキル……! 何故、あなたがアライブスキルを……」
 想定外の方法で凌がれた事に、ヨナは戦慄する。
「最硬の二つ名は、伊達ではないか……」
 ベルトルドは近接し、ギガスを肉薄する。
「かと言って手を緩める訳にはいかないんだ。悪いがもう少し付き合って貰おう」
 ベルトルドは消耗戦を覚悟しながらも、致命打は食らわないように立ち回り続けた。


「……まだだ」
 全ての者が、戦いの終着点を意識し始める。
 その中で、イヴルだけがただ無心に立ち上がり、戦い続けていた。
「イヴルは止まれないのか」
 人間が持つ想いが生み出す煌めき。
 生命が燃え尽きる間際、その光が一層強くなる事をクリストフは知っている。
 場所も時間も光を放つ人間も違う。
 だが、眼前にあるのは、いつか見た眩しさ。
 ずっと忘れる事の出来なかった哀しい輝き。
「……まだ、私は戦える」
 痛切なる懇願を聞いて、クリストフは強烈な既視感を覚えた。
「イヴルさん、カタリナさんが大好きだったのね」
 リチェルカーレの胸に悲しみが広がる。
 幻の世界の遊園地で見たカタリナの微笑みが、脳裏に焼き付いて離れなかった。
「イヴルさん、もうやめて。カタリナさんはきっと、あなたの死を望まない」
 リチェルカーレは悲痛な声を上げる。
「教団は間違いを犯しました。わたしたちも、カタリナさんを殺してしまったわ」
 それでも決死の覚悟で、戦いに挑もうとする。
 そんなイヴルを見て、リチェルカーレは悲しみを重ねた。
「だけど、変わる。これからは、罪のない人が貶められることのない世界になるように」
 リチェルカーレは瞼を閉じる。
 無音の暗闇の中に、カタリナの笑顔が泡のように浮かんで消えた。
「だから、それを見届けてほしい」
「――っ」
 その言葉が、リチェルカーレの意志の強さを物語る。
「カタリナを殺さなければ 俺たちが殺されていた。俺は謝罪はしない」
 シリウスは言葉を連ねる。
「それでも、お前が俺たちを憎むのはわかる。憎んでいい、生きろ。リシェもドッペルたちも、そう望んでいる」
「くっ……」
 シリウスの強い言葉は、的確にイヴルの心を揺さぶった。
「……理想の約束とは何だ」
「――っ」
 イヴルの躊躇いに、ショーンは一瞬、言葉を迷うような間を空けて続ける。
「下らないと一蹴はしない。何も感じないならと死を乞うたことなら誰しもあるだろうさ」
 ショーンは重い息をつく。
「ただ、お前はもう一人じゃない筈だ。お前には、カタリナがいるだろう」
「彼女は、ドッペルだ」
 イヴルは自分に言い聞かせるような口調で言う。
「アイツはドッペルじゃない。お前の願ったカタリナじゃなかったのか!?」
 ショーンの言及に、イヴルは何も答えられない。
「あのカタリナは、お前の傍に居る。死んだカタリナの約束より、今のカタリナの願いの方が大切じゃないのか」
「それは……」
 軋むようなイヴルの声音に、ショーンは言葉を継いだ。
「傍にいてやれ。彼女達が気の毒だ」
 ショーンの言葉に、イヴルは拳を強く握り締める。
「サクリファイスって、生贄って意味だよね。何かの贄になるの?」
 レオノルの問いは、正鵠を射ていた。
「……そうだ。だから、私はここに来た」
 イヴルは、レオノルの言葉を肯定する。
「一度やると決めたのなら、今の自分ができる全てを出し切ってやり切る必要がある。そうすれば、見えてくるものもあるはずだ」
「見えてくるもの……?」
 その台詞は、カタリナの父親が口にしていた言葉だった。
 だが、その言葉が意味する所を、レオノルは知らない。
 ただ、イヴルの発する言葉が、随分と重いものに感じられた。
「それとさ、君ら最初、らぷちゃん達のこと殺そうとしたじゃんか。つまり、死んだら何もできないって理解しての行動だ」
 物言いたげなレオノルの発言に、イヴルは押し黙った。
「死は全てを捨て去る。君が抱いた恋慕も等しくだ」
 レオノルは確固たる事実を言葉に乗せた。
「……捨て去るか。それでも、私はもう引く訳にはいかない!」
 その瞬間、イヴルの周囲で、水滴が輝きを放ち、激しい衝撃と共に弾ける。
 魔術の発動を意図した訳ではなかった。
 だが、イヴルの中で生まれた情動が知らず、魔力を解放させていた。
「――っ!」
 ピンポイントショット。
 ショーンは精密な狙撃で、イヴルの意表を突く。
「……イヴル、もうやめろ。苦しいことは、自分がよく分かっているだろう……?」
「――っ」
 ショーンの言葉に、イヴルの表情に明確な硬さがよぎった。
 イヴルの体力は限界を越えている。
 それでも揺るがないイヴルの姿に、アリシアは心を痛めた。
「イヴルさん。私達に、何か言う資格は、ないかも、しれません」
 アリシアは思い詰めた表情で言葉を絞り出す。
「それでも…貴方を想ってる人の、気持ちに、気付いてあげて欲しい……」
 アリシアは確かな想いを口にする。
「俺にもっと力があれば、カタリナを討伐せずに捕縛で済ませられたかもしれない。そう思った事はある」
 クリストフは決意の眼差しで、イヴルを見据えた。
「だから、敵討ちがしたいなら、いつでも受ける。ただし、俺もやられるつもりはないから、何度でもやろう」
「――っ」
 それが耳に届いた瞬間、イヴルは膝から崩れ折れた。
 積年の想いが、涙となって零れた。
 そこから堰を切ったように、涙が流れ続ける。
(それが、彼の生きる理由になればいい)
 クリストフは心中で呟いた。
(そしていつか、ドッペルカタリナ。君の気持ちに、イヴルが気付くと良いね。自分は一人じゃないと思えば、それは力になる)
 そう思った瞬間、クリストフの心にずっと突き刺さっていた楔が抜け落ちたような気がした。

 イヴルを捕縛したと同時に、他の戦いも決着の時を向かえようとしていた。

「くっ……」
「さあ、洗い浚い、話して貰うよ!」
 追い詰められたラウレシカに、ヴォルフラムは宣告する。
 後方に控えたカグヤは、ラウレシカの挙動に注意を傾けた。
「ヘルヘイム・ボマーは、発現させない……」
「……それで勝ったと思うのか? 私の無念はいずれ、妹が晴らしてくれる……」
 硬質さを伴うラウレシカの声。
 だが、視線はヴォルフラムを捉えたままだ。
(妹? 何を企んでいるのか、分からないけど、捕縛すれば何も出来ないよね)
 即座に拘束できる構えを取りながらも、ヴォルフラムは確かな違和感を覚えていた。
「それじゃ、イヴルのもとに行こうか」
「……うん」
 戦いが帰結した今、ヴォルフラム達は一路、仲間達の元へと向かった。


「イヴルさん……」
 決着がついた瞬間を見て、ヨナは安堵の表情を浮かべる。
「うむ!」
 そこで、近接戦闘での壮絶な打ち合いをしていたギガスは大きく後方に跳ぶ。
「ここは、去るとしよう。今日の戦いは彼の物。儂が、このまま汝らと戦うは、彼の意志を汚すことになる」
 その間、ベルトルドは傷つきながらも、ギガスと真正面から相対していた。
「いずれ、また。苦しめず、殺してやろう」
 そう告げると、ギガスはその場を去って行った。
「大丈夫、ですか……?」
「――っ」
 瀕死だったイヴルは、アリシアの回復によって窮地を救われていた。
 リチェルカーレ達は奔走し、傷ついた皆の体力を回復させる。
 ヨナ達は周囲を警戒しながらも、イヴルのもとへと歩み寄った。
「あのドッペルは、カタリナとしてでなく、お前を愛しているんだろう」
「だから、ここまで貴方について来たのだと思います」
 ベルトルドの言葉を繋げるように、ヨナは言った。
「どうか、あの方を置いて行かないでください」
「……別れなど認めない。そう告げた私もまた、カタリナと同じ事をしようとしていたのか……」
 その言は熾火のように、静かにイヴルの心を焼く。
 戦いは終結した。
 それでもまだ、風は荒れていて、激しい戦いの残り香を漂わせていた。


〇共鳴のシンドローム

 リチェルカーレ達は、カタリナの歌声を頼りに、プリフィアの花畑へと向かっていた。
 その際、ヨナは、イヴルにドッペル達の地位向上に努めて貰えるように懇願していた。
「あの魔力は、カタリナさんの……?」
 その道中、リチェルカーレは戦闘中に感じた不思議な魔力の事を尋ねた。
「……ああ。カタリナに渡した魔結晶によるものだ」
 リチェルカーレの疑問に応えるように、イヴルは続ける。
「理想の約束を果たす為には、強力な魔力が必要だからな」
「……理想の約束とは何だ?」
 ショーンは再度、疑問を呈した。
「あらゆる者達が争う事もなく、共存して行ける理想の世界――平等な世界を作る事だ。その為に、私はカタリナと共に、自身の想いを記録する事を願った」
 長い沈黙を挟んだ後で、イヴルは応える。
「想いを、記録……?」
 アリシアが不思議そうに問う。
「プリフィアの花畑では、星の光に近い現象が発生している。その影響により、過去の映像を花畑に記録する事が出来るんだ」
「タイムカプセルのような現象だね」
 ヴォルフラムの的確な言葉に、イヴルは躊躇うように先を続ける。
「さらに特定の条件を満たせば、花畑一帯に『アストラルライト』現象と呼ばれる――条件を満たした者が望む過去の映像が映し出される」
「それが、理想の約束なのか」
 ショーンが尋ねると、イヴルは小さく息を吐いた。
「ああ。本来の約束は、もう一度、プリフィアの花畑に行って、私達の想いを記録し、後世に遺す事だった。私達の想いがいずれ、理想の世界へと導かれる事を願って……。だが、カタリナがいなくなった事で、私の目的はカタリナが記録した過去の映像を見る事に変わった」
 イヴルの胸に込み上げてくるのは悲願と、カタリナとの約束を成し遂げられる所まで来たという充足感だった。
 そこで、レオノルが核心に迫る疑問を口にする。
「贄になる事が、特定の条件の中に含まれているの?」
「そうだ。後に強力な魔力と生贄を差し出す事によって、望む過去の映像を見る事が出来る」
 望む過去の映像を見れる代わりに、それが終われば、生贄として捧げられた者は死没する――。
 言外の意味を汲み取ったレオノルは、表情を曇らせた。
「それってさ、過去の映像を見る事が出来ても、君は死ぬ事になるんだよ」
「それでも、カタリナが遺した言葉を聞きたかった……。どんな手段を用いても……」
 続けられたイヴルの言は慄くように掠れている。
 その一方で、強い光を宿した彼の双眸に迷いはなかった。
 イヴル自身が思い描く、これまでの軌跡。
 イヴルの心が、カタリナの姿を求めている。
 生きる支えとなったカタリナの心の熱を欲していた。
 やがて、日が落ち、宵闇へと包まれる。
「カタリナさん……」
 アリシアの視線の先には、純白の花畑の中心で歌い続けるカタリナの姿があった。
 彼女が歌う讃美歌に反応して、プリフィアの花が柔らかな光を発する。
「綺麗な歌ね」
「――っ」
 歌う彼女に、リチェルカーレは泣きそうな笑顔を浮かべた。
「……一緒に歌ってもいい?」
 カタリナは困惑を示すように、イヴルに視線を向ける。
「構わない」
 イヴルの了承に、カタリナは片時、警戒しながらもやがて頷いた。
 リチェルカーレは合わせるように、讃美歌を歌い始める。
 彼女達が歌う讃美歌と響き合うように、花畑はイルミネーションのような煌めきと音色を響かせていた。
「誰かになりたい、か……」
 カタリナの願いを込めた歌を聴いて、レオノルは小さく溜息をついた。
「分からなくはない。科学は、偉人の思考をなぞるものだ」
 レオノルは、その言葉の意味する所を身に沁みて理解する。
「私も似たようなもの。彼女はカタリナだ。それでいい」
 カタリナには戸惑いがある。
 本物のカタリナに対する嫉妬もあるだろう。
 それでも、彼女はイヴルの心を、思い出を尊重したのだ。
「いつか、イヴルの側に……」
 確かな想いを抱きながら、レオノルは願うようにカタリナを見つめた。
 花畑の中心で歌う2人の歌姫。
 まるで彼女達を守護するように、プリフィアの花が光を放ち、音色を奏でる。
 互いが互いを引き立て合うように輝く花。
 数え切れない程の鮮やかな星辰。
 レオノルは、その華やかな星々の饗宴に目を奪われた。
「確かに、星の光だ」
「はい。とても、美しいです」
 レオノルの言葉を肯定するように、ショーンは頷いた。
 イヴル達が託した想い――。
 それはきっと、星が光の輝きを放つように、過去の想いを何らかの形で遺したのだろう。
「カタリナが遺した言葉か」
 それが垣間見える光景に、クリストフは力を抜くように小さく笑みを浮かべた。
「イヴル様……」
 その時、ドッペル達がそれぞれ姿を変えて、花畑に現れる。
「何をしに現れた?」
「……っ」
 イヴルの険のある物言いに、ドッペルの無垢な声が不意に意味深な響きに満ちる。
 それでも胸に芽生えた切実な願いを、イヴルに伝えたかった。
「私達、イヴル様と一緒にいたい……。側にいてほしい……」
 次第に、ドッペルの声が悲哀を帯びていく。
「いなくならないでほしいの……」
「――っ」
 ドッペルの悲痛な懇願に、イヴルは視線を逸らし、苦悩した。
「捨てられた憎しみよりも、イヴルを慮る気持ちの方が強いだなんて……」
 ヨナは瞠目する。
「でも、イヴルの事だけでも無いのでしょう?」
「……うん」
 探りを入れるようなヨナの言葉に、ドッペルは噛み締めるように答える。
「あなたは、とってもお人好しなのですね」
 健気な彼女らしさに、ヨナは柔らかい苦笑を浮かべた。
 柔らかな旋律。
 清流のような歌声と紡がれる音色。
 リチェルカーレとカタリナが讃美歌を歌い終える。
 花が一斉に空へと輝きを放ち、『アストラルライト』現象を行える舞台が整った。
「イヴル、君は――」
「死ぬつもりはない」
 クリストフの懸念を振り払うように、イヴルは応える。
「だが、それでも私は――」
「イヴル……」
 イヴルの苦悶の声に、カタリナは思い詰めた表情を浮かべた。
「カタリナの仮面を外し、あなたがあなたとして一番に願うことを、伝えたいことを、聞かせてください」
 ヨナがそっと語りかける。
「これが、最初で最後かもしれないから……」
「……はい」
 ヨナの気遣いに、カタリナは勇気つけられた。
「イヴル、側にいてほしいのですわ」
「――っ!」
 カタリナは一片の曇りも、澱みもない心で、イヴルに乞う。
「私の命が燃え尽きる最期の日まで、ずっと一緒にいてほしいのです」
 誰かに一緒にいてほしい。
 いなくならないでほしいと願い続けていた。
 それは彼によって産み出された時から心の中で、彼女が無意識の内に繰り返していた呼び掛け。
 生まれて初めて、カタリナはその想いを口に出して伝えた。
 そして、応えてくれる相手がここにいた。
「……分かった」
「イヴル、ありがとう」
 カタリナは優しく包み込むようにして、イヴルを抱きしめる。
 嬉しさと愛おしさ――溢れてくるそれらを形にして伝えたかった。
「ドッペルである私とも約束してほしいのですわ」
「約束……?」
 抱擁を解いたカタリナは朗らかな笑顔で、イヴルに小指を差し出した。
 それはあの日と同じ、ささやかな誓いの儀式。
 どれだけ離れていても、どれだけ時が過ぎても、決して忘れる事の出来なかった輝き。
「これから先……どんな事があっても、私が私のままでいられるように側にいてほしいのです」
「……カタリナ」
 イヴルとカタリナは指と指を絡ませて、想いと誓いを交わす。
「イヴル様、カタリナ様……」
 そんな2人の姿を、ドッペル達は優しい眼差しで見守っていた。
「カタリナの――あのドッペルの側にいてやれ」
「……ええ、ありがとう」
 心配そうに見守るドッペル――カノンの姿に、シリウスはやや目を細めて応える。
「カタリナ様……」
「泣いては……いけません」
 カノン達と共に歩み寄ってきたドッペル――ルゥに対して、カタリナの表情は穏やかだった。
「理想の約束は果たせませんでしたわ。それでも、私は……ドッペルでしかなかった頃より、カタリナとして生きた時間の方が……幸せだった……」
 カタリナはそう告げると、ルゥと共に花を集める。
「貰ってほしいのですわ」
「カタリナさん……」
 アリシアは受け取った花束を見て目を細めた。
 やがて、貰った花束で華奢な花冠を作る。

 他のドッペル達も同様に、感謝の想いを込めた花束を浄化師達に渡していた。

「カノンちゃん、ありがとう」
 リチェルカーレは、カノンから受け取った花束を抱えて微笑んだ。
「私達に……ですか?」
「……うん」
 ドッペルは屈託のない笑顔で、ヨナに花束を手渡した。
「プリフィアの花束か。らぷちゃん、ありがとう」
 ドッペル――らぷから受け取った花束に、レオノルは歓喜の声を上げる。
「イヴル様を救ってくれてありがとうございます」
「レティーシア、ありがとう」
 ドッペル――レティーシアから手渡された花束に、ヴォルフラムはカグヤと顔を見合わせて嬉しそうに笑った。
「イヴル、カタリナ、何にせよ。罪は償いきれないと思ってからが償いだ。協力はする。死なれても夢見が悪いしな」
「……ありがとう」
 ショーンが声を掛けると、イヴルは心地好さそうに小さな笑みを浮かべる。

 ショーン達が再び、花畑に視線を投じた――その瞬間だった。

 花畑一帯に、陽の光に照らされた白い花が一面に咲いた光景が広がった。
 『アストラルライト』現象。
 それは、後に強力な魔力と生贄を差し出す事によって、初めて意味を成す。
 だが、稀に強力な魔力だけで、過去の映像が見れる事があった。
 やがて、目の前に過去の映像が映し出される。
 しかし、それは当初、イヴルが望んでいた映像ではなかった。
 アルフ聖樹森でイヴルと別れた後、独りでこの場所に訪れたカタリナの姿だった。
『イヴル、ごめんなさい……』
「……っ」
 イヴルは魅入られたように、幼いカタリナの姿を見つめる。
『約束、守れないのですわ……』
「――カタリナ!」
 イヴルは思わず、手を伸ばして、幼いカタリナのもとに駆け寄ろうとした。
「イヴル、待って!」
「これは過去の映像だ」
「――っ」
 ヴォルフラムとショーンの制止の声に、イヴルはようやく現実に焦点を結ぶ。
『戻りたい……戻りたいのですわ……。こんな気持ちのままで、大人になりたくないのです』
「カタリナ、さん……」
 カタリナの声音はあまりにも儚げで、悲鳴を上げるようにアリシアの胸が疼いた。
『帰りたいのですわ……。あの頃に、あの頃みたいに、ただイヴルの側に……』
 自分を形成してきた世界全てが、一瞬にして崩壊したのだ。
『私は全てを変える為に、サクリファイスに入ったのですわ。歪な世界と人間を、主は平等に断罪しようとしているのです。滅びを受け入れる事こそが、真の平等なのですよ』
 カタリナが悲観に徹し、絶望視という思考に達するのは無理もなかった。
『この映像を見ているのでしたら、イヴルは主に魂を捧げる事を選んだのかしらね』
 カタリナが自嘲気味に嗤う。
「カタリナ……さま」
 カタリナ――ドッペルは次第に、まるで本物のカタリナが目の前に居るような錯覚に陥っていった。
 イヴルの揺れる眸を見つめ、不安を形にするように彼の腕に掴まる。
『……イヴルは変わらないのです』
 カタリナは表情を緩めて、寂しそうに俯いた。
『でも、最後に、これだけはイヴルに伝えたかった……。そう思って、ここに来たのですわ……』
 それは予感なんて優しいものじゃなかった。
 顔を上げたカタリナが浮かべるのは、あの頃と何も変わらない花が咲き零れるような笑顔。
 きっとそれは、ずっとイヴルが望んでいたもの。
 カタリナと別れたあの日から、諦めていた言葉。

『イヴル、今まで守ってくれてありがとう。……大好き……です、わ……』

 その言葉を最後に、映像は途切れた。
 彼女の声はもう聞こえない。
 静けさだけが満たされる。
(カタリナ……)
 一筋の涙が頬を伝い、地に落ちていく。
 身近に感じられる死が、イヴルの心を蝕んでいった。
 不意に、クリストフは、カタリナが最期に口にしていた言葉を思い出す。

『それでも、私は……信じられるものがなかった頃より……幸せだっ……た……』

「カタリナ、君には信じられるものがあったんじゃないかな」
 クリストフのその声には、僅かに憂いが含まれていた。
 理想という名の幻想が幕を閉じる。
 プリフィアの花畑は、どこまでも静謐さだけが漂っていた。


秘紅のプリフィア
(執筆:留菜マナ GM)



*** 活躍者 ***

  • アリシア・ムーンライト
    私に何ができるのでしょうか
  • クリストフ・フォンシラー
    せっかく蘇ったんだしな
  • ショーン・ハイド
    生きる為。ただそれだけの為ですよ
  • レオノル・ペリエ
    君が誰であっても私には関係ないよ
  • ヴォルフラム・マカミ
    カグちゃーん、ごはんだよー
  • カグヤ・ミツルギ
    ・・・ん、解った。

アリシア・ムーンライト
女性 / 人間 / 陰陽師
クリストフ・フォンシラー
男性 / アンデッド / 断罪者

ショーン・ハイド
男性 / アンデッド / 悪魔祓い
レオノル・ペリエ
女性 / エレメンツ / 狂信者

ヴォルフラム・マカミ
男性 / ライカンスロープ / 拷問官
カグヤ・ミツルギ
女性 / 人間 / 陰陽師




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2020/04/01-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[7] リチェルカーレ・リモージュ 2020/04/22-20:10

イヴル担当:リチェ・シリウス、クリストフ・アリシア、ショーン・レオノル
ラウレシカ担当:カグヤ・ヴォルフラム
ギガス担当:ヨナ・ベルトルド
*敬称略

ですね。皆さん捕縛方針ということですし、その線でプランを書いていこうと思います。  
 

[6] カグヤ・ミツルギ 2020/04/20-03:06

陰陽師のカグヤと、拷問官のヴォル…よろしく、お願いします。

…ボマーの魔術は、発動させる為に『魔方陣を殴った人はダメージない』みたいだから
効果自体は、敵味方問わず、なんじゃ、ないかしら?
ラウレシカにとって、言ってしまえば、イブルの生死はあまり関係ないだろうし…
ギガスは最硬というだけあって、爆発くらい平気そうだし
イブルは…幻影で回避しようと思えば、できる、のかな…?
単純に、攻撃しなければいい、と言う訳では、ないと思うから…抑えが必要なら、二人でラウレシカ抑えるの、しようかと…  
 

[5] ショーン・ハイド 2020/04/19-20:23

死して果たされる約束……か。
悪魔祓いのショーンと狂信者のドクター・ペリエだ。
イヴルの対処に人が必要なんだな?
じゃあ俺達はそちらに行こう。
……うまくいくといいんだが。な  
 

[4] ヨナ・ミューエ 2020/04/18-22:52

狂信者ヨナ・ミューエおよび断罪者ベルトルド・レーヴェ。宜しくお願いします。

ギガス、イヴル、ラウレシカと対峙し、そのあとにカタリナと話す事になるようですね。
目的がイヴルとカタリナの捕縛ですので、これを優先することになると思います。
ラウレシカはベリアルとの繋がりを持っているようですし、こちらも捕縛しておきたいところです。
ギガスを抑えている間に二人をどうにかするのが良さそうでしょうか。
そちらの勝負がつけばギガスは去るようですし。
ひとまず、私達はギガスを抑えておく方向で動きたいと思っています。

カタリナ⋯のドッペルは、花畑に現れるのが誰であれ、結果を受け入れ大人しくしているような気がしますね。  
 

[3] クリストフ・フォンシラー 2020/04/18-22:01

断罪者のクリストフと陰陽師のアリシアだよ。よろしくどうぞ。

そうだね、目的はイヴルとカタリナの捕縛だし、ラウレシカも一緒に捕縛の方針でいいと思う。
ギガスは……放置しておくのは心配だけど、この人数じゃ
抑えに割けるのは一組くらいになるだろうし、それも心配かなあ。
どっちも一長一短だよね。

とりあえず、俺達は今のところイヴルの相手をするように動くつもりではいるよ。
ラウレシカのボマーは強い衝撃を与えなければ爆発しないと言う事だから
攻撃しないよう気をつけた方が良いのかな?
その辺もう少し考えてみるよ。  
 

[2] リチェルカーレ・リモージュ 2020/04/18-17:46

リチェルカーレです。パートナーはシリウス。
アライブは陰陽師と断罪者です。
どうぞよろしくお願いします。

出発までまだ時間はありますが、思ったことだけでもお話しておきます。
えっと、イヴルさんとカタリナさん。ラウレシカさんも、かしら。この方たちは捕縛方針でよいでしょうか?
後は最硬のギガス…彼への対応方法ですね。抑えをおいた方がいいのか、イブルさんたち捕縛を優先するか。
今の人数ならイブルさんに集中する方がいい気もしますし、悩みどころです。
また何か思いついたらお話しにきますね。