~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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サクラ:ビャクヤ兄を探しにいざニホン! キョウ:今更ですか。まあ、甘い物があるので良いですが。 サクラ:なによ。誰のせいで出遅れたと思っているの。 キョウ:秘密を作るのサクラが悪いですね。 サクラ:キョウヤでしょ。 キョウ:サクラです。 【行動】 傍目面白い口喧嘩でもしながらニホンの街をうろうろ。 甘味処に立ち寄ってみたり神選組の事をいろんな人に聞いてみたり。 兄が見つかったら サクラ:ビャクヤ兄ぃーキョウヤがビャクヤ兄探すのに キョウ:独りで動こうとするサクラが悪いからです! サクラ:今更とか言って乗る気じゃなかったわよ! キョウ:いったい誰に似たんでしょうヤシェロ兄様? 同時に声を上げてほほえましいね。 言い直そうか? |
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~ リザルトノベル ~ |
いつもの事ではあるが、『サク・ニムラサ』の提案は唐突だった。 「忘れてた!」 「なにをです?」 姿見で自分の姿を見ながら生返事で応える『キョウ・ニムラサ』。 2人が居るのはアークソサエティでも有数の賑わいを見せるリュミエールストリート。 その一店舗であるファッションショップ「パリの風」。 ネームレス・ワンを倒して一息ついて、ゆっくり休もうとしたのだけれど、サクラに引っ張られて来ているのだ。 「苦労したんだからご褒美があっても良いわよね?」 思わず頷いたのが運のつき。 あれやこれやと着せ替え人形の如く試されて、スリーピースの正装に中折れ帽のオプラビットを合わせた所で、ばしばし背中を叩かれながら言われたのだ。 「薄情ねぇ」 「だから何がです?」 キョウが視線を向ければ、サクラはイレギュラーヘムワンピースにジャケットを羽織った姿。 コンセプトは『少し高めの店にエスコート(もちろんキョウヤの奢りで)』。 (服もご飯も自分の奢りというのはどうなんでしょう?) などと思いながらも服を試している所で、サクラに言われたのだ。 「ビャクヤ兄のことよ」 「……あ」 言われて気付く。 「居場所、分かってるんでしたよね」 「そうよ」 「……どうします?」 「会いに行くに決まってるじゃない」 「ですよねぇ……」 少しばかり重い気持ちでキョウは生返事。 (今の自分達を見たら、ヤシェロ兄様、なんて言うでしょうね) などと思っていると、またもサクラがお着替え。 「どうしたんです?」 「せっかく会いに行くんだから、他の服も試そうと思って」 「はぁ」 「ほらほら、キョウヤも」 「まだ着替えるんですか?」 軽くため息をつきながら、再びのお着替え。 サクラはラウンドネックのグレーのニットに、ネイビーのジャケットを合わせ、ボトムはデニム。 カジュアルな服装に髪を降ろしたままだと見た目が重たいというので結い上げている。 キョウはシャツの上にニットを着込み、その上に柄物ジャケット。そこにネイビーパンツを合わせている。 「随分とラフな格好で」 「好いじゃない。実の兄に会いに行くんだから、くだけた見た目の方が良くないかしら?」 「それならいつもの慣れ親しんだ格好の方が良いと思います。気にしませんよ、ヤシェロ兄様なら」 「……そうよねぇ!」 キョウの言葉で決心がついたというように、サクラはいつもの服に着替える。 「それはそれとして、これ全部、支払お願いね」 軽くため息をつくキョウだった。 そして今、2人はニホンに来ている。 「ビャクヤ兄を探しに来たわよニホン!」 「今更ですが。まあ、甘い物があるので良いですけれど」 「なによ。誰のせいで出遅れたと思っているの」 「秘密を作るサクラが悪いですね」 「キョウヤでしょ」 「サクラです」 むむむ、と。お互い睨みあいながら、器用に前に進む。 すると、ふわりと甘い匂いが。 「屋台ですね」 「食べる?」 さっきまでの口喧嘩は放り投げ、2人は屋台に視線を向ける。 「たい焼き、だそうですよ」 「ありがとう、お願いね」 「自分が買って来るんですか」 「私食べる人。キョウヤは奢る人」 軽くため息ひとつ。 なんだかんだで買って来るのがキョウである。 「これ、どっちから食べるのかしら?」 「好きな方からで良いんじゃないですか?」 兄の居る神選組の詰め所に向かう道すがら、サクラはたい焼きを眺めていたが、尻尾の方を千切りキョウに渡す。 「半分こ」 「……それはどうも」 むしゃむしゃぱくり。 「美味しい?」 「カリカリしてます」 「そうなの? なら、頭を食べてから尻尾の順が良いわね」 そう言うとサクラは、今度は丸ごとたい焼きひとつを手渡すと、自分も1匹パクリと食べる。 「いけるわね」 「美味しいですね」 買い食いしながらぽちぽち歩き、途中で『誠』を背負った羽織姿の隊士達を何度か見る。 「見回りですかね?」 「仕事熱心ねぇ」 甘味屋さんの窓から外を見て呟いていると、お店のお姉さんが餡蜜を持って来てくれる。 そこでひとつ。 「いつも見回りされてるんですか?」 神選組に視線を向けてキョウが尋ねると、お姉さんは笑顔で返す。 「ええ、お蔭でこの辺だと、揉め事ないから助かります」 どこか誇らしげに応えるお姉さん。 「親しまれてるわね」 「好い所なんじゃないですか、神選組」 「居心地が良い所なら、好かったわぁ」 どこか安心する様に言うと、餡蜜を味わうサクラだった。 そうして寄り道を繰り返し。 ついには目的地に到着。 「怒られませんか?」 「怒られるんじゃあない?」 詰め所の前で、しばし2人は迷っていたが、いざ突撃。 戸を開けて入ると――そこには兄であるビャクヤがいた。 「……」 「……」 「……」 思わず3人で沈黙。 そこで最初に口を開いたのは、ビャクヤだった。 「おかえり」 「いや違うでしょ!」 「家じゃないんだから!」 思わずツッコミをキョウとサクラの2人が入れると、ビャクヤは心地好さそうに笑顔を浮かべる。 懐かしい、その笑顔に。 サクラとキョウは、兄妹としてビャクヤと再会することが出来た。だから―― 「ビャクヤ兄ぃーキョウヤがビャクヤ兄探すのに」 「独りで動こうとするサクラが悪いからです!」 「今更とか言って乗る気じゃなかったわよ!」 「いったい誰に似たんでしょうヤシェロ兄様?」 2人同時に声を上げ、ビャクヤに言った。 そんな2人を、ビャクヤは微笑ましげに見詰めている。そこに―― 「ビャクヤくん。お客様かい?」 人の好さそうな男性がやって来る。 彼はサクラとキョウを見るなり、ぱあっと表情をこれまで以上に明るくして言った。 「君達、ビャクヤくんの妹弟(きょうだい)でしょ! 話は聞いてるよ! うわ、似てるねー。君がお姉さんのサクラちゃんで、君が弟のキョウヤくんだよね」 「?」 男性の言葉にビャクヤは軽く首を傾げると―― 「サクラとキョウは姉弟じゃなくて兄妹です、山南さん」 「え!? どういうこと?」 山南と呼ばれた男性は驚く。 「なんでそんなことに」 山南の疑問に犯人の2人は応える。 「面白そうだから」 「やりました」 そんな2人を見ていたビャクヤは言った。 「始めたのは、キョウなのかな?」 視線を逸らすキョウ。 それが答えだった。 くすりと、ビャクヤは笑い。山南に頼む。 「山南さん、2人を奥まで案内しても良いですか? 休ませてやりたいんです」 「ああ、もちろん好いよ」 そうしてサクラとキョウの2人は応接間まで案内される。道中、小さくキョウに尋ねるサクラ。 「神選組の人たちには様付けしたほうがいいかしら」 「どうでしょう?」 キョウが考え込んでいると、サクラが続けて問い掛ける。 「所で」 「はい」 「神選組って?」 「八百万の神に選ばれ」 「そこまでは知ってる」 「えー確か……」 応えられないでいると、山南が応えてくれる。 「各地の八百万の神様に選ばれた、ニホンを護る剣士の集まりだよ。本部はキョウトにあるけれど、必要ならニホン中を巡ることもあるんだ」 「そのお蔭で、助けて貰ったよ」 ビャクヤの言葉にキョウが聞き返そうとすると、応接間に着いたので、中に入り座ってから話の続きをする。 「それで、助けて貰ったって、どういうことです?」 これにビャクヤは、微笑みながら応えた。 「行き倒れになってる所を助けて貰ったんだ」 「行き倒れ!?」 「なんでそんなことになったの!?」 キョウとサクラの2人が驚いて聞き返すと、ビャクヤは変わらず微笑みながら説明した。 「飲まず食わずで彷徨っていたら倒れたんだ。その時、山南さんに出会えてご飯を食べさせて貰って、そのあとは神選組に居ても良いって言って貰えたんだ」 2人はビャクヤの言葉を聞いて、山南を見詰め言った。 「ビャクヤ兄のお世話を?」 「ヤシェロ兄様がお世話になりました」 「気にしないで良いよ。好い出会いだったと、思ってるんだから」 人の好さを滲ませる山南に、サクラとキョウは顔を見合わせたあと―― 「つまり」 「ええ」 山南を見詰め、茶目っ気のある声で言った。 「パパ」 「お父さん」 「いや~、そんな~」 照れる山南に、2人は余計な力を抜くように笑い。 改めてビャクヤを見詰め、弟妹として言葉を交わす。 「うわー久しぶりねぇ。何年ぶり? 何十年ぶり? 百はこえたかしら?」 サクラは少しだけいつもより早口で。嬉しさと、ほんの僅かな不安を滲ませながら。 「お久しぶりです。嘘の答えを探しにここまで来ましたよ」 キョウは適当に。けれど楽しげに、かつてと変わらぬ様子で言った。 2人を心地好さげに見詰めていたビャクヤは、2人の言葉を聞き終えてから、応えを返す。 「久しぶだね。会えて嬉しいよ、2人とも」 親愛を言葉に乗せながら、離れていた時を埋めようとするかのように言葉を続ける。 「2人は、離れている間に、どうしてたんだい?」 これに2人は、嬉しそうに、そして楽しそうに、これまでの道のりをビャクヤに伝えていく。 「この国ではない八百万の神様に矢を飛ばしたわぁ。アディティ様っていうんだけれど」 「すごいね。どうなったの?」 「矢は落とされちゃったわぁ。でもその後、背に乗せて貰って飛んでいったのよぉ」 「すごい経験をしたね。どんな感じだったの?」 楽しそうに聞き返すビャクヤに、嬉しそうにサクラは説明する。 サクラが終れば、次はキョウの番。 「あの世に行って、お茶会をしてきました」 「そうなの? なんでそんなことに?」 興味津々といったように聞き返すビャクヤに、キョウヤは楽しげに、その時のことを話していった。 それは離れていた時を埋めるような。そして、かつて一緒に居た時が戻ってきたような、楽しくて嬉しいひとときだった。 十二分に話を終る頃には、サクラからは不安がきれいに吹き飛んでいる。 そしてキョウは、いつもより楽しそうだった。 一息ついて、キョウとサクラは言った。 「それにしても、教団員として指令をこなしてきましたけれど、神選組との仕事では一度も会えませんでしたね」 「そうよねぇ。もっと早くに会えれば良かったわぁ」 かつての3兄妹のように、3人の間には近しい空気が流れる。 けれどビャクヤの言葉で、それは緊張をはらんだ物へと変わった。 「そうだね。もっと早く会えていれば、好かったと思うよ。きっと――」 その次にビャクヤが口にした『名前』を聞いて、サクラとキョウは言葉を無くした。 「……」 「……」 それは虚を突かれ茫然としたからであり、怒りのあまり声が出ないからでもある。 「なんで……」 ありえない、というようにサクラは呟く。 親友で、自分を殺そうとした彼女。 それを知るキョウは、表情を強張らせている。 そんな2人に、ビャクヤは言った。 「またおいで。その時は、一緒に居るから」 そこまで言うと、くすりと小さく笑って続ける。 「ああ、でも、サクラ達が会いに来るって言ったら、逃げちゃうかな? その時は、一緒に追い駆けよう」 穏やかな表情を浮かべ、ビャクヤは言った。 それを聞いた2人の心の中は、大きくざわめく。 そのざわめきを落ち着かせるように、サクラとキョウの2人は、その日は戻ることにした。 いずれ再会する、その時を想いながら。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |