~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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ラ「あの辺りにね、お花の種を植えようと思うの」 と言うライラの指さす先を見つめる …なんだ? あの穴ぼこ… ラ「ベリアルが荒らしたことでああなってしまったの」と眉を下げる じゃああれ幾つもあるのか… ラ「この機会に整備をと思って。王様に予算の少しを種にしていただいたの」 ベリアルは全く居なくなったわけじゃないだろ なのに今必要なのか? ラ「子供たちがこの辺りは多いの 転んでしまったら大変だわ。だから整備がいるの それに見栄えが良かったら気持ちがいいでしょう?」 …そういうことなら協力はするけど ラ「さすがアルくんねっ頼りにしてるわ」 …はいはい |
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~ リザルトノベル ~ |
11月。 秋から冬へと移り変わろうとするこの時期は、寒冷国家であるノルウェンディにとっては、すでに雪の季節だ。 「ありがとー!」 トナカイ便から降りた『シキ・ファイネン』は、ここまで乗せてくれた御者に、ぶんぶん手を振る。 「ほらほら、アルくんも。お礼言わなきゃ」 人懐っこい笑顔を浮かべながら手を引っ張るシキに、『アルトナ・ディール』も御者に礼を言った。 「ありがとう。助かった」 2人に礼を言われ、御者の男は笑顔で応える。 「そげぇに言わんでも、ええてええて。ちょーどこっち通る用事があったけぇ、ついでやついで」 そう言うと男はトナカイを操り、走り去って行った。 シキとアルトナの2人は軽く見送ったあと、目的地に向かって歩き始める。 すでに足首ほどの雪が降り積もっているが、目指す場所に向かう道は踏み固められているお蔭で歩き易い。 「ずいぶんと、人通りが多いみたいだな」 道の様子を見て、アルトナは呟く。これにシキが返した。 「王様に、この辺の復興を頼まれてから、人の出入りが多いみたい。それだけ人手が必要なんだと思う」 「なるほど。だから俺達も呼ばれたというわけか」 アルトナは納得したというように、シキに応えた。 2人は今、シキの実家であるファイネン家へと向かっている。 それはシキの実家から、家の手伝いを頼まれたからだ。 創造神であるネームレス・ワンを打ち倒したあと、世界は少しずつではあるが変化を見せている。 そのひとつが、アシッドが降らなくなったことだ。 これにより新たなべリアルの発生は格段に減っている。 お蔭で、それまでべリアルに対して取らなければいけなかった国防費に余裕が出来、それが復興予算に回されていた。 シキの実家であるファイネン家にも、ロロ王から直々に復興予算が下賜され、周辺地域の復興に動いていた。 とはいえ予算があっても、人手というものは急に用意するのは難しく、白羽の矢が当たったのがシキとアルトナというわけだ。 ざくざくと、踏み固められた雪道を2人は歩く。 2人ともノルウェンディの生まれだけあって、足取りは確かだ。 他所の生まれなら滑ってしまいそうな所も、平然と歩いている。 しばらく歩き、ファイネン家が見え始めた頃、シキは気付いて声を上げた。 「母様?」 シキの声を耳にして、アルトナは視線を先に向ける。 するとそこには、スコップを持って周囲を雪かきしているシキの母、ライラの姿が見えた。 「母様ー! 雪かきなら俺がしますー!」 ライラに気付いたシキが、走ってライラの元に向かう。 同じようにアルトナも走って向かうと、声と足音で気が付いたライラが笑顔で迎え入れてくれる。 「シキ、それにアルくんも。いらっしゃい。早かったわね」 「途中で、トナカイ便に乗せて貰ったんです」 ライラからスコップを受けとり、シキは笑顔で応えながら雪かきを代わる。 「あら、ありがとう。助かるわ」 笑顔を浮かべるライラに、アルトナも声を掛ける。 「他の場所も雪かきが必要だろう。スコップを貸してくれ。手伝う」 「ありがとう。でも大丈夫よ。そっちは――」 「終ったぞ」 ライラが言い終るより早く、声が掛けられる。 その声を聞いて、シキが居住まいを正すように、僅かに緊張したのをアルトナは感じ取った。 声の主は、シキの父親であるヒューベルト。 いつもと変わらぬ厳格な表情で、シキとアルトナに視線を向けた。 その視線を受け、シキは居心地が悪そうな顔になる。 けれど以前なら、首を竦めるような表情を見せていたのだから、確実にシキの様子は変わっていた。 それにヒューベルトは気付いたのか、僅かに目を細めたあと続ける。 「行くぞ、ついて来い」 「え、って、父様どこに?」 シキが慌てて聞き返すと、応えたのはライラだった。 「貴方達の力を貸して欲しい場所があるの。今日来て貰ったのは、そのためなのよ」 そこまで言うと、厳格な表情をしたままのヒューベルトを見詰め、苦笑する様に続けた。 「本当は、お茶のひとつでも出してから、行って貰うつもりだったの。そのために、先に雪かきをして。でも2人が予想外に早く来ちゃったから――」 「早く来たなら、早く済ませた方が良いだろう」 ライラの言葉を遮り、ヒューベルトが言った。 その声は微妙に、いつもより早口だ。 気付いたライラは苦笑しつつも、ヒューベルトに同意する様に言った。 「そうね、早い方が良いかも。2人とも、ついて来てくれる?」 ライラの言葉に頷いたシキとアルトナは、連れ立って歩き始める。 先行するのはヒューベルト。 その少し後を、シキとアルトナが、ライラと横並びになって進む。 「向こうでの調子はどう?」 歩きながら、ライラが声をかけて来る。 「忙しい所を来てくれて、ありがとう」 シキとアルトナとお喋りが出来るのが嬉しいというように、言葉を交わしていく。 「ごはんは、ちゃんと食べてる? ちゃんと栄養のある物食べなきゃダメよ」 「大丈夫です、母様。食事は体づくりの基本ですから」 胸を張るように応えるシキ。 それを、ため息をつくようにして見詰めるアルトナ。 ここに来る前日、シキに引っ張られてスイーツ巡りをしていたアルトナとしては、ここでツッコミを入れるべきかどうかを、ちょっと悩む。 (……まぁ、あれはあれで、悪くなかったが) 甘党のアルトナとしては、シキに連れていかれたとはいえ、それなりに楽しんだのも事実。 (さて、どうしたものか) そんなことを思いながら進んでいると、目的地に辿り着いた。 「ここだ」 言葉短く言い切ったヒューベルトに、シキとアルトナは周囲を見渡す。 ファイネン家から、それほど遠くないそこは、雪が積もった平地だった。 少し先には森の入り口があるので、切り開いた土地を整地した場所なのだろう。 本来なら、平坦な場所である筈だ。しかし今、そこは―― 「随分と荒らされてるな」 ぽつりと、アルトナは呟く。 アルトナの言う通り、周囲は至る所が荒らされていた。 そんな場所の1区画を指さしながらライラが言った。 「あの辺りにね、お花の種を植えようと思うの」 ライラの指差した場所を見詰めたアルトナは、訝しげに言った。 「……なんだ? あの穴ぼこ……」 「ベリアルが荒らしたことで、ああなってしまったの」 眉を下げながら応えるライラに、アルトナとシキは表情を引き締めた。 そんな2人に、ライラは希望を口にする。 「今の内に種を植えておけば、春には芽を出すから。でも、植えたあとに荒らされたらダメでしょう? 他の場所に植えても、同じことになりそうだし」 「他の場所もということは……じゃあ、あれ幾つもあるのか……」 荒らされた規模と数から、それをしたべリアルを予想する。 (あの程度の荒らし方しか出来ないなら低スケールべリアル……1か、最大でも2だな。だが1体じゃない。複数いるな) アルトナがべリアルの戦力を予測していると、ライラが続けて言った。 「この機会に整備をと思って。王様に予算の少しを種にしていただいたの」 ライラの説明を聞いたアルトナが尋ねる。 「ベリアルは全く居なくなったわけじゃないだろ。なのに今必要なのか?」 この問い掛けに、ライラは笑顔を浮かべ応えた。 「子供たちが、この辺りは多いの。転んでしまったら大変だわ。だから整備がいるの。それに見栄えが良かったら気持ちがいいでしょう?」 「……子供が来るのか……」 少し考え込んで、アルトナは返す。 「……そういうことなら協力はするけど」 アルトナの応えに、ライラの表情は嬉しそうに華やぐ。 「さすがアルくんねっ。頼りにしてるわ」 「……はいはい」 苦笑しながら応えると、シキの傍に行く。 「やるぞ、シキ」 「もっちろん! アルくんと一緒なら何でも来いだよ!」 浮かれたように声を上げるシキに、ヒューベルトが言った。 「今日は2人には分かれて行動して貰う。シキは付いて来い」 「え……」 ヒューベルトの言葉に尻込みしそうになるシキに、アルトナは言った。 「その方が良いだろう。俺はこの辺りで動く」 「そんなー! アルくんまでー! 俺と一緒に動くの嫌なのー!?」 泣き言を言いながら縋りついてくるシキに、アルトナは返す。 「違う。全員で行ったらライラは誰が守るんだ。俺はここで護衛に就く。それにこの辺りはシキの家に近いんだ。土地勘はそちらがあるから、シキ達が動いた方が良い」 「ぅ……それは、そうなんだけど……」 正論を言われた所に―― 「先に行く。連いて来い」 問答無用で出発したヒューベルトに、もはやシキに退路は無い。 「分かった。じゃ、行ってくるよ。母様を頼むね、アルくん」 「ああ。任せろ」 そう言うと2人は、魔術真名を詠唱。 「共に」 封印されていた力を解放し、アルトナにライラを任せ、シキはヒューベルトの元に走る。 追い付いた先は、森の入り口。 ヒューベルトは森の奥を見詰めたまま、シキに言った。 「この辺りにも低スケールのベリアルが前ほどではないが存在している」 その言葉を証明する様に、風に乗って獣の遠吠えのような鳴き声が聞こえてくる。 「ツェーザルの子供が居なくても一人で戦ってみせろ、シキ」 そう言って先行して前に出るヒューベルトの後を付いていきながら、シキは思う。 (父様は俺にどうしてほしいんだろ) それは疑問。 (メイナードや跡取りのエリーみたいに長男や次男なわけじゃないのに) 理由は思いついてくれない。けれど―― 「やるしかない、か」 戦士へと意識を切り替えながらシキは、もう1人の相棒に呼び掛ける。 「……頼むぜ、テンちゃん」 呼び掛けに応えるように、テンペストが鳴動する。 共に戦おう。 まるでそう言っているかのような反応に、シキは苦笑する。 そして、余計な力みを消した絶妙な脱力で、獲物を狙う。 (まだだ。今じゃない) テンペストを構えながら、意識を透明にしていく。 獲物であるべリアルの姿は、まだ捉えきれない。 けれど唸り声は確実に響き、殺意を向けて来る。 獲物であるべリアルは恐らくスケール2。 明確な知恵は無いが、獣の狡猾さで襲撃のタイミングを計っている。 静かな対峙。 下手に動けば隙を突かれかねない。 そこで先に動いたのはシキだった。 唸り声の先へ放たれる一撃。 しかしそれはべリアルの姿を捕えることも出来ない。 その瞬間、べリアルは攻勢に出た。 攻撃した次の瞬間の、僅かな心の隙。 それを突くように跳び出し――シキは万全の態勢で迎え撃った。 「星の導く先。護る」 解号と共に黒炎解放。 そして必殺の一撃に特殊能力を込め放つ。 先の一撃は、誘導。 2撃目こそが本命。 狡猾な獲物を狩り獲る狩人(シキ)の一撃は、べリアルの頭部に命中。 一撃のもと、打ち倒した。 (……やった) 倒してから、不安を吐き出す。 いつもは誘導ばかりで、止めはアルトナに任せていたので、巧く行くのか心配だったのだ。そこに―― 「シキ」 ヒューベルトが声をかけた。 「お前はやればできる男だ。それを忘れるな」 「ぇ……父様、それって――」 シキの言葉にそれ以上返すことなく、ヒューベルトは更にベリアルを撃つべく先に進む。 それをシキは慌てて追いかけ、へとへとになるまで、べリアルを父と共に倒していく。 全てが終わったその後はライラの手料理にもてなされ、ファイネン家で一晩泊まって帰る、シキとアルトナだった。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |