~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
|
||||||||
ヨセフ室長から 魔獣たちの保護領域を作るという話を聞く 頬を紅潮させて 大きく頷く すてき 是非、お手伝いさせてください! シリウスの言葉に少し頬を膨らませて シリウスの意地悪 大丈夫だもん 室長も笑う気配に 余計に膨れた後、自分も笑顔 リリエラさん こんにちは! 先日はありがとうございました 植物園で 話をしながら守り木の所に 元気に育つ様子に微笑み 早く大きくなってね という気持ちをこめて魔力と歌を贈る 以前のように光が舞って 現れた生き物に目を丸く きょとんと 見返してくる若葉色の目に かわいい!と どこの子ですかリリエラさん え、魔獣?契約? …やってみたいです! 教えてもらって初めての契約術 きゅっと抱きついてくるのに 満面の笑みで答える |
||||||||
~ リザルトノベル ~ |
それは冬の気配が近付く、ひんやりとした日のことだった。 「魔獣領域のお手伝い、ですか?」 「そうだ」 ヨセフは『リチェルカーレ・リモージュ』に応えると続けて言った。 「ダヌからの要請でな。放置していると人に狩り尽くされかねない魔獣達を保護する場所を造りたいそうだ」 「すてき。是非、お手伝いさせてください!」 ヨセフの説明を聞いて、リチェルカーレは頬を紅潮させ大きく頷く。 明るい表情になり、今にも飛び出しそうな彼女の様子に、隣りで見ていた『シリウス・セイアッド』は目を細める。 そして苦笑する様に言った。 「……場所や方法を聞かないで行く気か? 迷子になるぞ」 これにリチェルカーレは、少し頬を膨らませ。 「シリウスの意地悪。大丈夫だもん」 信頼しているからこその、甘えるような表情を見せるリチェルカーレに、シリウスも表情をゆるめた。 するとヨセフも小さく笑う。 「もう、室長まで」 リチェルカーレは拗ねるように余計に膨れながら、シリウス達と同じように、気を許した笑みを浮かべていた。 和やかな気配が、室長室に流れる。 今この場に居るのは、リチェルカーレたち三人だけ。 ネームレス・ワンとの死闘が終わり、一息つくような休息を取ったあと、シリウス達はヨセフに呼ばれたのだ。 ダヌからの要望ということで、すでに何人かの浄化師も動いているらしいのだが、リチェルカーレが興味を持つのではないかということで、ヨセフが話をしてくれたのだ。 「密猟者もちらほら出始めているようだが、今の所は八百万の神やその眷属で対処が出来ているらしい。だから急いでいる訳ではないようだ。慌てずゆっくりやってくれ」 「はい、頑張ります」 今すぐにでも走り出しそうなリチェルカーレに苦笑しながら、ヨセフは続ける。 「ニホンの万物学園に居るリリエラにも詳しい話が行っているそうだ。便宜を図ってくれるらしい。リチェルカーレ達は顔見知りだから、ちょうど適任だろう」 そこまで言うと、ヨセフは悪戯めいた視線をシリウスに向け、続けて言った。 「急いでいないから、ついでにゆっくりしてくるといい」 「……」 ヨセフの言葉に、若干目を逸らすシリウスだった。 そして今、リチェルカーレ達は富士樹海迷宮に訪れる前に、リリエラの元に訪れていた。 「リリエラさん。こんにちは!」 「いらっしゃい。よく来てくれたわね」 笑顔を浮かべ挨拶するリチェルカーレに、ほわほわ笑顔で迎え入れるリリエラ。 「遠くから大変だったでしょう。疲れてない?」 「大丈夫です。清明室長と道満さんに助けて貰いましたから」 ニホンに転移方舟で渡った後、ニホン支部の室長である清明が万物学園にまで向かう手続きを全てしてくれ、道満が配下の龍に頼み、背中に乗せ運んでくれたのだ。 「葛葉を助けて貰う手助けをして貰いましたから。ささやかなお礼です」 「おう。気にすんな」 清明は生まれ変わる前は葛葉と恋人だったらしく、今生では夫婦になるらしい。 とはいえ、その前に道満をぶっ飛ばさないとダメらしいが。 「お義父さん、いい加減葛葉との仲を認めて下さい」 「うっさいばーかうっさいばーか。夫婦に成りたけりゃ俺を超え――ってなんで葛葉までそっちにいんだよ!」 そんな感じに、賑やかな中、見送られ。 まだまだ日が高い内に辿り着いている。 「疲れていないのなら、好かったわ」 リチェルカーレの話を聞いたリリエラは笑みを浮かべながら続ける。 「ダヌ様の元に行く時も、竜の背に乗せて貰えるの? 乗り心地は、どう?」 「はい。背中は温かくて、快適なんです」 リチェルカーレ達が乗って来た龍は、ドラゴンというよりも蛇のような姿に近く。 一見鱗があって固そうではあったが、そんなことはなかった。 適度な弾力と温かさがあって、その上、空を飛んでいる間は魔法が使われているらしく、風も当たらず滑り落ちたりすることも一切なく快適だった。 ちなみに乗せて来た龍は、万物学園の運動場で寝そべっているが、学生たちがわらわら来て、物珍しそうにべたべた触っていた。 「この国の竜は、龍神の眷属が多いというから、その内の1人なんでしょうね」 リリエラは説明すると、続けて言った。 「竜に乗せて貰えるなら、ダヌ様の所まですぐに行けるわね。それなら時間もあるし、守り木の様子を見ていく?」 「はい! お願いします!」 リリエラの申し出に、リチェルカーレは嬉しそうに応える。 そうして守り木がある植物園へと向かう道中で、リチェルカーレはリリエラに礼を言った。 「リリエラさん。母の所に珍しい植物を送ってくれているって、母からの手紙で知りました。ありがとうございます」 「気にしないで。ケントがお世話になってるし、今まで貴方達に助けられたから。少しでもお礼をしたいと思って」 リリエラの弟のケントは、リチェルカーレの実家である花屋さんでバイトをしている。 「ケントは気に入ってるみたい。色々な花の扱いも知ることが出来て喜んでるわ」 和やかにリチェルカーレとリリエラはお喋りを続ける。 そんな2人を邪魔しないように、シリウスは少し下がって見守っていた。 弾むリチェルカーレの楽しげな声に、誰にも気づかれないほど小さくシリウスは息をつく。 (失わなくてよかった) リチェルカーレの命も笑顔も、なにひとつ失われず。 彼女の傍に居る事の出来る今を、シリウスは何よりも尊ぶ。 そうだとしても、今まで抱いていた恐怖が消えた訳じゃない。 リチェルカーレを失うことも、そして傍に居ることも。 どうしても『怖い』と思ってしまう。 けれどそれでも、彼女の傍に居たいという祈りにも似た願いが、シリウスを繋ぎ止めていた。 そんな彼に、リリエラは僅かに視線を向ける。 苦笑するような、あるいは見透かすような眼差し。 長き時を生きてきた魔女は、それを気付かせず、祝福するように思う。 (2人が幸せでありますように) 言葉にすれば消えてしまう気がして、口には出さず願っていた。 それぞれの想いを言葉に出来ずにいたが、やがて守り木のある植物園に辿り着く。 「わぁ、元気に育ってますね」 以前に見た時よりも一回りは大きくなった守り木は、枝葉も立派に伸びている。 「貴女のお蔭だと思うわ」 リリエラは、守り木の成長を喜ぶリチェルカーレに言った。 「この子のために歌ってあげたでしょう? それから伸びが良いの。多分、貴女の歌で、この子の魔力回路が広がったんだと思う」 リリエラの説明によれば、魔力を込めた歌をリチェルカーレが贈ってくれたお蔭で、それをより強く受け止めたいと思った守り木が、外部に繋がる魔力回路を成長させたのだという。 これを聞いたリチェルカーレは、目を輝かせながら言った。 「リリエラさん、また歌っても良いですか? この子のために歌ってあげたいんです」 「ええ、もちろんよ。私からもお願いするわ」 リリエラの了承も受けて、リチェルカーレは歌を奏でる。 (元気に育って、早く大きくなってね) 優しい旋律が、のびやかに広がっていく。 それは命の喜びを奏でる歌。 ネームレス・ワンとの最後の戦いの時、世界樹たる原初の巨木達と共に響かせた唄だった。 心地好い歌声に、この場に居る皆は聞き惚れていく。 シリウスは、リチェルカーレを眩しく尊いものを見るように目を細め、彼女の歌に心をゆだねていく。 リリエラは目をつむり、歌が紡ぐ命の広がりを心で感じていた。 そして守り木も、2人と同じく。 リチェルカーレの歌を求め、応えるように反応する。 始まりはほのかに、けれど少しずつ確かな光を生み出していく。 それはリチェルカーレの歌のリズムに合わせ脈動し、そのたびに光を舞い広げていった。 歌と輝きの交響曲が奏でられる。 音は無くとも、確かに守り木は、リチェルカーレと共に歌っていた。 そして歌は終わりへと向かい、染み入るような余韻と共に、最後の旋律が響き終った。 「好かったわ。とても好い歌だったわ、リチェちゃん」 リリエラは、リチェルカーレを手放しで褒めると、シリウスに視線を向け促すように言った。 「貴方も、そう思うでしょう?」 「……ああ、好い歌だった。好きな、歌だ」 静かに、けれど最上の言葉で、シリウスはリチェルカーレの歌を褒める。 「ありがとう」 はにかむようにリチェルカーレは、2人の言葉を受け取った。 そして彼女の歌を褒めたのは、守り木も同じ。 いまだ輝きを纏っていた守り木は、輝きの全てを放出すると、その全てがリチェルカーレの前に集まる。 それは光の卵のような形を取ると、幾度かの脈動の後に割れた。 「ぴぃ」 光の卵が割れたあと、現れた生き物を見てリチェルカーレは歓声を上げる。 「かわいい!」 それは若葉色の目をリチェルカーレに向け、ふわふわと宙に浮きながら小首を傾げた。 「まぁ、ドリアードね」 「ドリアード、ですか?」 聞き返すリチェルカーレに、リリエラが説明する。 「簡単に言うと、木の精ね。強い力を持った木が、自分を護るために生み出す眷属よ。今はまだ魔力生命体に近いけど、成長すれば生身の肉体を持った存在に成るわ。最初は蜂蜜を上げて、大きくなって来たら果物を上げると良いわね。成長すれば、幾つか魔法を使えるようになるわ」 「……ドリアード」 目を点にしたシリウスが、ドリアードを見詰めた。 体長は30㎝ほどで、背中に花弁を思わせる翼が生えている。 上半身は女の子といった姿だが、恐らくだが下半身が鳥のような姿をしている。 どういうわけか、リチェルカーレに似た服装をしていた。 「服は、リチェちゃんが着てるのを守り木が真似たんでしょうね」 リリエラはドリアードを見詰めながら続ける。 「多分、リチェちゃんの歌に反応して守り木が生み出したのね。守り木の気持ちに連動して生まれてるから、リチェちゃんに懐いてるみたい」 リリエラの言う通り、ドリアードは生まれたばかりの小鳥のように、リチェルカーレの回りをふよふよと浮かんでいる。 「リリエラさん、この子、どうなるんですか?」 ドリアードを構いながらリチェルカーレが問うと、リリエラは応えた。 「本来のドリアードは生み出した木を護るんだけど、この子は違うみたいね。守り木が歌のお礼のつもりで生み出したのかも。なら、契約してみる? この子も分類は魔獣の一種だから出来るわよ」 「え、魔獣? 契約? ……やってみたいです! この子、連れて帰りたいです」 「連れていくって……犬や猫じゃあるまいし」 シリウスの言葉に、じっと縋るように見詰めて来るリチェルカーレとドリアード。 「……分かった」 思わず怯んだシリウスが了承すると、早速契約術を行う。 「これで良し。リチェちゃんとの因果線を結んだから契約術は成立ね。これで言葉が通じなくても、ある程度の意思疎通は出来るようになるし、離れていても口寄せ魔方陣で喚べるようになるわ」 リリエラの言葉を聞いてリチェルカーレがドリアードを見詰めると、嬉しそうにきゅっと抱きついてくる。 「かわいい」 満面の笑顔で抱きしめてやるリチェルカーレ。 それを見ていたシリウスは苦笑する。 (……契約獣のイメージとは、だいぶ違うな) そう思いながらドリアードの小さな頭を撫でると、嬉しそうに笑顔で応えるのだった。
|
||||||||
*** 活躍者 *** |
|
|
|||
該当者なし |