~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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旅に出る前にトールの両親のお墓参り 二人には自己紹介もしなくちゃいけないしね ほんの少ししか一緒にいられなくても、きっとご両親はトールを大切に思っていたはずよ そうじゃなきゃ、こんないい男に育ってないわ え、何?これって…そういえばベリアルの魂が転生して宝貝になるって聞いたけど じゃああなた、雲雀姫なの? ママに言われて私の所へ? 話を聞き そう…分かったわ、契約しましょう あなたを許したわけじゃないけど 今のあなたはママからのプレゼントだから 転生したのだから、新しい名前が必要ね 今日からあなたは告天子、私の剣よ ふふ、ずいぶん長い旅になりそうね それじゃ…行きましょうか! 告天子を空高く掲げ 天界にも見えるように |
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~ リザルトノベル ~ |
「申請は受理した。世界を巡ると良い」 「ありがとう、室長」 にっこりと笑顔で、『リコリス・ラディアータ』はヨセフに返した。 するとヨセフは、微笑むように目を細め、リコリスの隣に居る『トール・フォルクス』に視線を向ける。 「各支部にも連絡をしている。必要があれば頼ると良い」 「ありがとうございます、室長。助かります」 「気にしなくともいい。2人とも、皆と同じくこれまで頑張ってくれた。それに少しでも報いることが出来るのなら、喜ばしいことだ」 ヨセフの言葉に、トールとリコリスの表情は、今まで以上にやわらいだ。 いま3人が居るのは室長室だ。 ネームレス・ワンとの戦いが終わり、一息ついたあと、リコリスとトールの2人は世界を巡り旅をするため、休暇申請を行ったのだ。 これをヨセフは快諾。 和やかに言葉を交わした後、ヨセフは引き出しから封筒に収められた書類を取り出しトールに差し出す。 「室長、これは?」 「以前頼まれていたことの調査書だ。君のご両親について書かれている」 「……」 トールは息をつくような間を空けて、静かに書類を手に取る。 「見ても良いですか?」 「もちろんだ。そのために用意した」 トールは封を空け中身を確認する。 (十字軍に参加していたのか……) ヨハネの使徒が跋扈する希望の塔の調査と制圧。 だが成功することなく、ほぼ全滅したと聞いている。つまり―― (遺体の回収は叶わず、か……) どこか覚悟していたのだろう。 トールは報告書の中身を確認しても、感情を表に出さずにすんでいた。 けれどだからといって何も想わないわけではなく、読み進める毎に様々な感情が去来する。そこに―― 「リコ?」 気付けば、リコリスが寄り添うように身体を近づけ、トールを見詰めていた。 リコリスはトールを見詰めたまま、言った。 「私も、見ても良い?」 同じ想いを共有しようとするかのように、リコリスはトールにねだる。 「ああ、もちろんだ」 トールは柔らかな笑みを浮かべ応えると、2人で書類を見ていく。 「トールのお母さん、悪魔祓いだったのね。トールは、お母さん似なのかしら?」 「どうだろう? 父さんは魔性憑きだったみたいだ。俺達と、お揃いだな」 トールの言葉にリコリスは、くすりと笑みを浮かべ。トールもリコリスを見詰め小さく笑みを浮かべる。 『アクセラレータ』レイ・フォルクス。 『ホーク・アイ』リディア・フォルクス。 トールの父と母は、ふたつ名で呼ばれるほどに腕利きだったらしい。 そうして書類を最後まで読み終えると、ヨセフが言った。 「ご両親の墓参りを望むなら、道のりを説明しよう」 これに頷くと、ヨセフは墓地への道のりを詳しく説明してくれる。 それは人伝に聞いたのではなく、自分で何度も訪れていなければ無理なほど詳細な説明だった。 (……そういえば、室長の妹さんも――) 話に聞いた通りなら、ヨセフの妹も十字軍に参加し亡くなっている筈だ。 「花を供えるなら、道の途中にある花屋に寄ると良い。いつも用意してくれている」 ヨセフの申し出に礼を言うと、2人は室長室を後にして墓地へと向かった。 墓地へと向かい、供える花束を購入すると、2人は名が刻まれた墓石の前に立っていた。 「来るのが遅くなって、ごめん」 トールは墓石に花を供え、亡き両親を想う。 (生きていたら、なんて言ったのかな……) 郷愁にも似た寂しさが胸に浮かぶ。すると―― 「大丈夫よ」 リコリスがトールの気持ちを引き上げてくれるように、明るい声で言った。 「ご両親はきっと、会いに来てくれて嬉しいって思うはずよ。だって――」 信じるようにリコリスは言った。 「ほんの少ししか一緒にいられなくても、きっとご両親はトールを大切に思っていたはずだもの」 「そうだな……そうだといいな」 リコリスの言葉に励まされ、トールは自分を元気づけるように笑みを浮かべる。 そんなトールを見詰めながら、リコリスは言葉を重ねた。 「寂しかった?」 「それは……仕方ないさ。昔は浄化師は家族と暮らせない決まりがあったみたいだし。それに――」 思い出し笑いをするように笑みを浮かべ、トールは続ける。 「寂しいばかりじゃなかったよ。親戚のおじいさんは俺をちゃんと育ててくれたし、旅暮らしも楽しかった。そういう場所にいられるように、両親は気に掛けてくれたんだと思う」 「そうね。そうに決まってるわ」 リコリスは、トールを自信付けるように言った。 「そうじゃなきゃ、こんないい男に育ってないわ」 「……そうかな」 「ええ、もちろんそうよ」 少し照れたように視線を逸らすトールに、くすくすとリコリスは楽しげに笑みを浮かべた。 優しく穏やかな空気が広流れる。 気持ちが軽くなったトールは、リコリスに言葉を返す。 「家族と言えば、ララのとこは――」 言いかけた所で異変に気付く。 「何だろう? 魂……? みたいなものが……」 それは揺らめく輝きをした何かだった。 浄化師として指令をこなす中で、それに似たものを何度か目にしている。 「幽霊、かしら? もしそうなら、送り届けてあげないと」 空から降りてきた魂は、ふわふわと近付くと、かつて見た事のある姿へと転じた。 「あなた、まさか雲雀姫!?」 「ええ、そうです。リコリス・ラディアータさん。神魔大戦以来ですね」 静かに応える雲雀姫にトールが驚いたように声を上げる。 「ええっ!? 雲雀姫って、あの……?」 「はい。その節は、お世話をお掛けしました」 深々と頭を下げる雲雀姫に、リコリスは訝しげに聞き返す。 「え、何? これって……」 すると雲雀姫は説明した。 「今の私はべリアルではありません。主よりべリアルとしての生を終えたあと、新たなる命として生まれ変わらせていただいたのです」 「……そういえばベリアルの魂が転生して宝貝になるって聞いたけど」 「はい。今はまだ形を定めていませんが、貴女が私の主となってくれるなら、貴女の望む形になります」 「え……待って、どういうこと?」 状況がつかめず聞き返すと、雲雀姫は説明した。 「貴女の母親の望みなのです」 「ママに言われて私の所へ?」 驚くリコリスに、雲雀姫は続ける。 「はい。私はベリアルとして滅びたあと、貴女の母親に会いに行ったのです」 「……なんで、そんなことを?」 「恨みがあれば聞くつもりでした。その必要があると思ったのです」 リコリスの疑問に雲雀姫は応えた。 「私は貴女の母親に会いに行き、けれどそこで、あの人が私に返した言葉は、恨み言よりも貴女のことを想ってのものでした」 「……ママが?」 「はい」 雲雀姫はリコリスに、母親の言葉を告げる。 「罪の意識を感じているなら、生きているリコリスの力になって欲しい。そう願ったのです」 「……そうなんだ」 リコリスは想いを飲み込むように目を伏せる。 そんな彼女に、雲雀姫は伝言を続けた。 「貴女の母親が望んだのは、私が貴女の力になること。そしてもうひとつは、貴女への言葉を伝えることです」 視線を上げたリコリスに雲雀姫は伝言を口にした。 「生きて欲しい。貴女が幸せであるよう、ずっと願ってる。そしていつかまた出逢える時まで、ずっとずっと貴女を待ち続けるから」 「……」 母からの伝言を聞き、リコリスは空を見上げる。 それは天国に居る母を想うかのようだった。 (良かった……リコの家族は天界で待ってくれてるんだな) リコリスと雲雀姫の話を聞いていたトールは安堵する。 そして静かに2人を見守った。 (契約するかどうかは、リコ次第だ) リコリスの意思を尊重し黙して待っていると、空を見上げていたリコリスは雲雀姫へと視線を戻し応えた。 「そう……分かったわ、契約しましょう」 静かに自分の思いを口にする。 「あなたを許したわけじゃないけど、今のあなたはママからのプレゼントだから」 そして手を差し出しながら続ける。 「転生したのだから、新しい名前が必要ね」 視線を合わせ、リコリスは新たな名を贈る。 「今日からあなたは告天子、私の剣よ」 それは雲雀の別名。 耳好き鳴き声を上げながら、雲まで昇るかのように飛び上がる所から付けられた名。 「告天子。それが、今の私の名なのですね」 大切な贈り物を受け取るように、彼女は自身を告天子と規定した。 その途端、彼女は変わる。 雲雀姫の姿から、黒髪の10代半ばほどの少女の姿に。 実体としての人型を取ると、次いで軽い破裂音と白煙と共に武器へと変じる。 それは薄らと青みの差した銀色の短剣。僅かに反りがあり、突き刺すよりも切り裂くのに向く形状をしていた。 すっとリコリスの手元に短剣と化した告天子が納まると、リコリスは黒炎に包まれ疑似べリアル化。すると―― 『貴女の望む力を思い浮かべて下さい。それを私が形にします』 手にした告天子から念話が伝わってくる。 リコリスは天を見上げると、告天子を空に向かって振るう。 途端、まさしく雲雀が鳴くような音が響き、周囲に広がると効果を発した。 周囲一帯の生き物が、一斉にその場から遠ざかっていく。 『危機を知らせ逃がすための力。この力で良かったのですか? 望むなら、もっと他にも――』 「いいえ、これで良いの」 笑顔でリコリスは応えた。 「戦いよりも、生き残ることは大切よ。私はみんなを助けたいもの。それに――」 茶目っ気のある笑みを浮かべ言った。 「どうせ戦うなら、思いっきり戦いたいもの。そのためには誰にも気兼ねなく戦える状況にするのが必要でしょう」 くすりと、リコリスの応えに告天子が笑う気配がする。 『分かりました。貴女のその考えは、私にとっても好ましい。そして、もし更なる力を望むなら、私に願って下さい』 いざという時の切り札を伝える。 『第2段階の変化は、今よりも更に強くならなければ、反動が大き過ぎるので使えません。ですが第2段階の特殊能力だけなら、発動してみせます。その時は、どのような能力を望むか、強く想って下さい』 「分かったわ。その時は、頼りにさせて貰うわね」 契約の終った2人に、トールが呼び掛ける。 「そろそろ行こうか」 「ええ。まずは、どこにするの?」 リコリスの問い掛けにトールは応える。 「そうだな……まずはノルウェンディ」 「いいわね。ご両親が暮らしていた場所なんでしょう?」 「ああ。そのあとは、ニホン。今までに任務で行った所を全部回って、最後に皆とまた会おう」 「ふふ、ずいぶん長い旅になりそうね」 笑顔を浮かべ、リコリスとトールは旅の第一歩を歩き始める。 「それじゃ……行きましょうか!」 リコリスは告天子を空高く掲げ、空を見上げる。 天界にも見えるように。 リコリスの想いに応えるように、空高く浮かぶ雲は、旅路を見送るように流れていった。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |