~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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「そんな恰好で大丈夫か?」 素足にサンダルって、寒い所の居住者でも雪が降る中ではしないと思うが… 案の定寒い様なので防寒具を購入しに行く 「一番いい防寒具を頼む」 エントランスでこれじゃ…外はまた今度だな 「メルキオス、その上着貸してやれ」 食事をして温まった所で 行先の希望はあるだろうか メト:僕…魔術の、本見たい…それと街が見渡せるような、所! バル:日課の修練…楽器弾きたい 二手に分かれる 私はメトジェイとカレッジ メルキオスは兄と声楽部 見渡すなら時計台だが…寒いから長居しない 時計台を降りて、カレッジへ行き子供用の魔術の指南書を一緒に読む メト:お姉さんはおじたんのこと、どう思ってますか? 「世話のかかる奴、かな」 |
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~ リザルトノベル ~ |
わくわくして、うずうずする。 (まだかな、まだかな) おとうさんと一緒に、ぼくはおじたんを待っている。 でも、まだ来ない。 今すぐにでも、走り出したい気分。 (はやく、行ってみたいな) おとうさんから話を聞いてから、ぼくはずっと楽しみなのだ。 (冬って、どんなものなんだろう) おじたんのいるアークソサエティに行くっておとうさんが言った時、ぼくは訊いたんだ。 「どんな場所なの?」 「今だと冬らしい」 冬ってなに? って訊いたら、ずーっと寒いんだって教えてくれた。 変なの、って思ったけど、話を聞いている内に知りたくなった。 (どんな感じなんだろう。それに、いっぱい魔術の本があるっておとうさん言ってたし、読んでみたい) わくわくして、うずうずする。 はやくはやく。おじたんむかえに来てくれないかな。 そんな風に興奮した様子を覗かせている男の子の名前は、メトジェイ。 彼の傍には、息子の様子に苦笑している父親、バルザールがいた。 そして2人の近くを、ときおり教団員が通り過ぎている。 いま2人が居るのは、サンディスタムにある教団支部だ。 ここにメトジェイとバルザールが居る理由を語るには、少しばかり時をさかのぼる。 「室長ー……じゃないや教皇ー、先行お試しでウチの兄ちゃんと甥っ子の1~2週間の滞在と転移箱舟の使用許可くださーい」 教団本部室長室に『クォンタム・クワトロシリカ』と共にやって来た『メルキオス・ディーツ』は、部屋に入るなり言った。 「その内、浄化師候補の他の青衣の民の留学生受け入れる時、事前に何を用意しておくかとか知れるから、いいでしょ?」 「甥っ子というと、カレッジに通わせるのか? 歳は幾つだ」 「5才、だったな?」 クォンタムの言葉にメルキオスは返す。 「そうだよー。名前はメトジェイって言うんだ」 「メトジェイ……バレンタイン家からの資料にあったな」 そう言うとヨセフは机の引き出しから資料を取り出して見せる。 「え、なにこれ」 見れば、メトジェイと思われる男の子の絵が載っていた。 癖のないまっすぐな絹糸の様な白髪と翠眼をした、女の子に間違えられるくらいの男の子が、肩に付くほどの髪を後ろで一つにして結っている。 「何でこんなものがあるの?」 「サンディスタムとの交流と物流経路構築のための周辺調査の一環ということだ。その中で教団に関わりそうな人物について情報提供を受けている」 「これって僕らに見せていいの?」 メルキオスの問い掛けに、ヨセフは資料を渡しながら応える。 「構わん。必要なら関係者に伝えても良いし資料を渡すことも良しと聞いている。向こうとしても、その辺りを隠すつもりはないようだ」 「んー、だったらさ、色々と貰える物は貰っても良いってことだよね。こっちとお近づきになりたいなら、それぐらいはしてくれそうだし」 「程度次第だ。あまり大きな物を求めると、向こうとしても何らかの見返りや報酬を取り立てざるを得なくなるからな。今の所、教団本部に寄付という形で自由に使える資金援助を受けている。その範囲なら向こうも口を挟んでこないから、欲しい物があれば用意しよう」 「なら、とりあえず暖房用の薪は多めに用意してほしいかな~」 「承知した。それなら申請を出せばすんなり通る。これに書き込んで出しておけ」 などというやり取りがあり、少しばかり迎え入れの準備に手間が掛かった後、転移方船の許可も下りたので、メルキオス達は迎えに行った。 「やぁ、兄ちゃんメトジェイ。迎えに来たよ」 「おじたん」 たたたっと、ぼくは声が聞こえてきた方に走る。 「おじたん、はやく行こう」 見上げながらおねだりすると、おじたんはへらへら笑いながら応えてくれる。 「うんうん、それじゃ行こうか」 「ちょっと待て」 ぐいっと、おじたんの首根っこをきれいなおねえさんが捕まえる。 「ぐぇ」 なんかおじたん変な声でた。おもしろい。 「転移方船をこちらから使う手続きがまだだ」 「え~、その辺は事後報告で良くない?」 「駄目に決まっているだろう……」 おねえさんが呆れたように言うと、おとうさんが来て言った。 「足労をかけてすまない。俺はバルザールだ。これからよろしく頼む」 おとうさんは大人なので、ちゃんと挨拶できるんだ。 だからぼくも、見倣わなきゃ。 「えっと……ぼくは、メトジェイ・ディーツ、です。よ、よろしくおねがいします……おうちでは、おじいちゃんにばっとうじゅつを、習ってます」 挨拶したら、おねえさんは優しく笑ってくれた。 「えらいな。ちゃんと挨拶できて」 ほめて貰えた。うれしい。 「前に、睡蓮の花の八百万の神に歌を捧げている時、見たことがある。上手に歌っていたな」 ちょっと前に、みんなと一緒にニムファさまに歌を捧げたことがある。 その時、見てくれてたみたい。 「ありがとうございます」 もっともっとうれしくなって、ぼくも笑顔が浮かんじゃう。 おねえさんも笑ってくれて、おとうさんもおじたんも笑ってくれた。 (よかった) うれしい気持ちのまま、ぼくはおじたん達と一緒にアークソサエティへ行くことになった。 てんいはこぶね? というものを潜って、外に出たとたんに匂いが変わった。 それと一緒に―― 「さむい」 思わず体を縮めちゃう。 おとうさんを見たら、同じだった。 「ようこそ! クッソ寒い真冬の教団本部へ!」 なんでか知らないけど、おじたんは楽しそうに言った。 「その恰好では寒いだろうな」 おねえさんは、ぼく達を見て言った。 「まだ雪は降ってないが、これだけ寒い日に素足にサンダルは、寒い所の居住者でもしないだろう」 ゆき? ゆきってなんだろう? 疑問に思うけど、それよりさむいよぅ。 「とにかく、こちらの今の季節に合った服装を買いに行こう。購買部に行けば何かあるだろう」 「そうだね、それじゃ行こうか。僕は準備万端だからまだ良いけどね」 おねえさんの言葉の途中で、おじたんは機嫌よさげに言うと、くちよせまほうじんで何かを取り出した。 「ニホンでハンテンっていう綿が入った上着買ったから、今年は少しマシだね!」 おじたんずるい。 「……メルキオス、購買部まで貸してやれ」 「ヤダよ、僕が寒いじゃないか!」 おじたんは大人なのに子供みたいだ。 「おじたん……」 ぼくは寒くて、おじたんにくっつく。 でもまだ寒いから、もぞもぞ潜り込む。 「さむいよぅ」 おじたんは、しょうがないなぁと言うように、ぼくを抱き寄せる。 「メトくらいなら抱っこついでに一緒に包ま……兄ちゃぁん! 背中に頭突っ込まないでぇ!」 「うるさい。お前だけずるいぞ」 おとうさんも一緒だ。 「僕が寒いからぁ!」 3人で騒いでいると、くすくすと笑い声が聞こえてくる。 「……3人とも、行くぞ」 どこか呆れたようにおねえさんは言うと、1人で歩き出す。 ぼく達3人は、くっつきあって、とてとてついていった。 「一番いい防寒具を頼む」 おねえさんが、お店の人に頼んでくれる。お店の人は、笑顔で選んでくれた。 服とか靴をいっぱい買って全部着る。 ふわふわもこもこしてる。 なんだか変なの。おもしろい。 ふわふわもこもこで、とてとて歩いてみる。 歩いている内に、だんだんぽかぽかしてきた。 でも、おとうさんもおじたんも動かないから、ぽかぽかじゃないみたい。 「まだ寒いな」 「寒いよねぇ」 おとうさんとおじたんが、同じように言っている。 それを見た、おねえさんは言った。 「建物の中でこれじゃ……外はまた今度だな」 「そと、だめなの……」 色々見て回れると思ったから、しゅんとしてると、おねえさんは言った。 「行きたい所があるなら、あとで聞こう。それよりまずは腹ごしらえだ。食べれば身体も暖まるからな」 そう言って食堂にぼく達を案内してくれた。 色んな人がいっぱいいて、きょろきょろしちゃう。 ご飯はあったかくておいしくて、全部食べちゃった。 「さて、行先の希望はあるだろうか」 おねえさんに、ぼくとおとうさんは応える。 「ぼく……魔術の、本見たい……それと街が見渡せるような、所!」 「日課の修練に……楽器弾きたい」 こうして二手に分かれる。 クォンタムがメトジェイと一緒に時計台に向かうと、メルキオスはバルザールと共に声楽部へ。 そこでバルザールはメルキオスに言った。 「……メルお前、歌の修練はしてるか?」 「しーてーまーすー」 へらへら笑いながら言うメルキオスに、バルザールは楽器の調律をしながら静かに言った。 「あの娘に、歌は贈ったのか?」 メルキオスも、今度は静かに応えた。 「……しないよ。クォンはそういうんじゃない」 「道を間違えそうなら、連れ戻すと言われたそうじゃないか」 「この先共に生きるってワケじゃない……僕より良い人がクォンには居ると思うよ?」 「……まぁ、後悔しない様にと言っておく」 無理強いはせず、けれど男兄弟として、バルザールはメルキオスに言った。 その頃、メトジェイはクォンタムに連れられて時計塔の天辺に居た。 「うわぁ」 (すごい、遠くまで見える) 今まで見たこともない建物がいっぱいで、どこまでもどこまでも広がってる。 「おねえさん、あっち、あっちなに?」 ぼくは気になったものを何でも指差して、おねえさんに尋ねる。 「ああ、あれは――」 おねえさんは、全部答えてくれた。 それはみんな聞いたことのないもので、自分が知らないものがいっぱいあるって、ぼくは知った。 (知りたいな) わくわくしながら、そう思う。 だからいっぱい質問してたけど―― 「くしゅんっ」 「寒いだろう。そろそろ降りよう」 心配するおねえさんは、ぼくの手を繋いだ。その時だった―― 「つめたい」 首筋に、つめたいものが。 それは空から降って来た。 思わず見上げたら、白い何かが降ってくる。 「おねえさん、おねえさんこれなに?」 「雪だ」 ゆき? そう言えば、おねえさん言ってた。 「ゆきってなに?」 「それは……空から降ってくる氷の欠片だ。冬になると降って来るんだ」 ぼくは、ぽかんとして。そしておどろいた。 (すごい。冬って、すごい) ぼくが知らないことが、いっぱいいっぱいあるんだ。 もっと色々なことが知りたいって、ぼくは思った。 そのあと、ぼくはおねえさんと一緒に、カレッジって所に行って。 まじゅつの本を夢中になって読んだ。 気付いたら、時間がいっぱい過ぎて。 おねえさんと一緒に外に出る。 手を繋ぎ、おねえさんと一緒に歩きながら、ぼくは気になったことを尋ねた。 「おねえさんはおじたんのこと、どう思ってますか?」 ちょっとだけ、思い出し笑いをするような顔をして、おねえさんは言った。 「世話のかかる奴、かな」 そう言うおねえさんは、どこか嬉しそうだなって、ぼくは思った。 そのあと、おとうさんの所に行って。 今日泊めて貰う、おじたん達も住んでる、教団寮に行く。 おねえさんに見送られる時、おとうさんは言ったんだ。 「メルキオスは、この通りふざけた奴だが……弟を頼む」 ぼくも言った。 「おじたんを、よろしくおねがいします」 おねえさんは少し笑いながら、頷いてくれた。 それが、ぼくがアークソサエティに来た、最初の日のことだった。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |