~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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へぇー…まだあのカミサマに助けてほしい連中がいるってこと? 趣味わるっ、シィラも大丈夫だった? 数日後、急に司令部からお呼び出し 襲撃ぃ!?なんでこんなあちこちに…! って、ラスの家? ラス、行けそう?…ならよし!どうせ近いんだし あれ、エフェメラおじいちゃんどうしたの? …嫌な予感がする?珍しいね いいけどおじいちゃん倒れないでね! 襲撃先にいた人物を見て目を見開き 嘘、あんた何で生きて……って、そうか あっちが幻だったものね。ラス、しっかりしなさい! 警戒してたら、それより先にエフェメラが攻撃をしかけて じぃちゃん!?ちょ、ストップ!ラスの家が流される! だめよ!昔のラスの姿が拝めなくなるじゃない! |
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~ リザルトノベル ~ |
プロローグ 死神(レイン) 男は、まさに死神だった。 地に伏したる死屍累々。 全ては男1人の手によるもの。 数多の死を齎した男の顔には、感情の色が酷く薄かった。 「つまらん」 それは殺した者達だけでなく、今だ殺意を放つ者達へと向けたもの。 男は――レインは、命を狙われ囲まれていた。 時は夜。人里離れた荒地にて。 星明りに照らされた闇の中、レインは暗部と殺し合いをしていた。 「どうした。来ないのか?」 レインを囲む者達は動かない。 待っているのだ。 レインが仲間の誰かを殺そうと動いた瞬間、他の者達が一斉に襲いかかり絶命させる。 命を捨てることを前提とした決死の戦術。 だからこそレインは再び言った。 「つまらん。生き残ろうとする意志が薄い。あがけ。もがけ。それすら出来んなら、死ね」 それは本心からの言葉だったが、暗部達は応えず待ちに徹する。 「そうか。お前達は、そういうものか」 心底呆れたように言うと、レインは出来の悪い生徒に教えるように言った。 「なら、手心をくれてやる」 そう言うと、レインは手にした魔剣チェルノボグで自分の首を斬る。 血の花が咲く。 「どうした? まだ足らんか」 血の気を薄れさせながら、レインは魔剣を深々と地面に突き刺す。 弱り、武器を手放す。 罠を訝しみ、されど好機と判断した暗殺者達は一斉に襲い掛かった。 レインは地に刺した剣を引き抜くが、その分の時間を浪費する。 それでもなお、レインは暗殺者達を斬り裂く。 1人2人、3人殺した所で、死角から跳び込んだ4人目が心臓を貫いた。 (殺した) 暗殺者が思った瞬間、レインは首を掴み握り潰す。 さらに腹を蹴り大きく跳ばすと、残りの暗殺者を次々殺していく。 しかし心臓を貫かれ動きが鈍った所に、暗殺者達の更なる追撃が襲い掛かる。 何本も剣を突き刺されたレインは、立ったまま死に絶え―― 「――は」 哄笑と共に蘇った。 体に突き刺さった剣を引き抜くと、驚愕する暗殺者達に投げ次々刺し殺す。 生き残っているのは、咽喉を潰され内臓を蹴り潰された者のみ。擦れ潰れた声で彼は言った。 「な、ぜ……」 「死なないのが不思議か? 心配するな、死んでいる。生き返っただけだ」 レインは魔剣を見せながら続ける。 「こいつは、事前に能力や魔術を3つまで保存することが出来る。そして条件を設定しておけば、条件が満たされると発動させることも出来る」 死にかけた暗殺者に近付きながら種明かしをした。 「神殺しがなされたことで、一時的な上位種族になれるようになった。だから私は、死神の能力『死剋』が使える。それを保存しておき、私の死を発動条件として使ったというわけだ」 「……なぜ、そんなまねを……」 死に逝く暗殺者はレインの種明かしを聞いても、疑問を浮かべ続ける。 それにレインは答えた。 「実験だ。愛すべき生徒の前に、教師である私が試す必要がある」 壊れた笑みを浮かべレインは言った。 「殺しても生き返せれば、何度でも壊(ころ)せる。死の経験を得れば、より強く成長させられるかもしれない。その果てに私を壊(ころ)せるなら、これほど喜ばしいことは無い」 「……いかれてる」 その言葉を最後に、暗殺者は息絶えた。 確認したレインは、その場を後にする。 「待っていろ。すぐ会いに行く――」 笑みが浮かぶ。亀裂のように薄く、壊れた笑みを。 「――ラス」 死神は笑みを浮かべたまま、かつての生徒を求め歩き始めた。 ●第一章 過去へと繋がる始まり 「ラス~、夢魔の誘惑プリン買いに行かない?」 昼下がり、『ラニ・シェルロワ』は『ラス・シェルレイ』に駆け寄り提案した。 「今から行って、残ってるか?」 「売り切れてたら、それはそれ。ついでだから、ぶらぶらすればいいじゃない」 「ん……まぁ休日だし、それも良いか」 苦笑しながらラスは安堵する。 (今まで通りになったな) 少し前、ラニは燃え尽き症候群の如く黄昏ていたのだが、一緒にニホンに行って見て回り、『ひめちゃん』にも会って、宴を楽しむ中で気力を取り戻している。 それが続くかどうかが心配だったが、今の様子を見ていると大丈夫なようだ。 「ぶらぶらするのも良いけど、何か買って帰るか?」 「んー、それもありなんだけど、どうせならメラじぃちゃんも連れて行かない?」 「じぃ様も?」 「うん。偶には良いかなー、って思って」 2人が話題にしているのは魔女エフェメラのことだ。 彼のことを気にするシィラの頼みもあり、エフェメラは教団本部に居るのだが、それだけで性格が変わる訳もなく。 極端に人前に出ることが少なく、一部では、見つけられると幸運が訪れるレアキャラみたいな扱いになっていたりする。 「ずっとあのままって訳にはいかないと思うし」 「そうだな。誘ってみるか」 ラニに頷いて、ラスがエフェメラを探しに行こうとした時だった。 「ラニ、ラス」 シィラに呼ばれる。気のせいか、少し張り詰めた表情をしているように見えた。 「どうしたの?」 ラニが気になって聞くと、シィラは応えた。 「近い内に指令が出ると思うから、気をつけて」 「何かあったのか?」 ラスが尋ねると、シィラは応えた。 「数日前のことだけど、侵入者があったの」 「侵入者? ここって魔女の結界に護られてるんじゃ」 「それを潜り抜けて入って来たの」 シィラの話では、侵入自体には気付いた上でヨセフが話をしたらしい。 そこで幾つかの情報を提供してきたとのことだ。 「救世会……」 話を聞いて、ラスは溜め息をつくように呟いた。 侵入者である少女が渡した資料によれば、『本物の神』による世界の救済を目的とする組織らしい。 「へぇー……まだあのカミサマに助けてほしい連中がいるってこと?」 ラニは心底嫌そうに言った。 「趣味わるっ」 続けてシィラを気遣うように声を掛ける。 「シィラも大丈夫だった?」 シィラは家精霊(シルキー)として本部を守護しているので心配したのだ。 「大丈夫よ。ありがとう」 笑顔でシィラは応える。 「私は本部の要ってことで、護って貰ってるから。それより2人こそ気をつけて。大きな指令になるかもしれないから」 「大丈夫! カミサマ相手でもどうにかなったんだから、そんなのに頼ろうとする奴らなんか、ぶっとばしてやるわ!」 「ふふ、その意気よ。何かあれば私も手伝うから、やっちゃいましょう。でも無理だけはしちゃダメよ」 発破を掛けるように。同時に気をつけるように言うシィラに、ラスは思う。 (大きな存在がいなくなれば、今度はまた別のが……何となくシィラ達が警戒、もといハッスルしてるのも頷けるな) 世界は良い意味でも悪い意味でも変わらないと思いながら、指令の時を待つことにした。 それから更に数日後。 2人は指令部に呼び出しを受けた。 「襲撃ぃ!? なんでこんなあちこちに……!」 広げられた地図に記された襲撃地点を確認し、ラニは驚いて声を上げる。 「何をしたいわけこいつら」 「それは分からん」 司令官であるアゼルが言った。 「理由を探るためにも対応する必要がある。その中でもここは、君達に行って欲しい」 ある場所を指すアゼルにラニが疑問を返そうとするが、それより早くラスが言った。 「……そこは、オレの家だよ」 「って、ラスの家?」 ラスは頷くと続けた。 「もう十年くらい帰ってないけど、どうして……」 「帰ってないって、帰りたくなかったの?」 ラスは軽く首を振って応える。 「帰りたくない、というより気まずいんだよ。向こうもオレも、今更どうとも思ってないし」 「ラス、行けそう?」 心配するラニに、ラスは静かに頷いた。 「……ならよし! どうせ近いんだし――」 ラスを元気づけるように、ラニが呼び掛けようとした時だった。エフェメラが司令部に入って来る。 「メラじぃちゃん、どうしたの?」 これにエフェメラは、いつになく真剣な表情で言った。 「嫌な予感がするのだ。話は、悪いが聞かせて貰った。我も連いて行く」 断固たる意志を感じさせるエフェメラに、ラニは応えた。 「……嫌な予感がする? 珍しいね。いいけどおじいちゃん倒れないでね!」 「もちろんだ」 護るという意志を漲らせ、エフェメラは応えた。 そして3人で襲撃地点へと向かう。 魔女の支援により現場近くに転移。 そこで先に来て対応していた浄化師達から状況説明を受ける。 「周囲の襲撃者の排除と近隣住民の避難は終わらせた。問題はこの先の屋敷に向かった襲撃者の排除がまだだ」 話を聞くと、発端はこの先の屋敷、ラスの実家だったらしい。 そこで襲撃者と何者かが争う音が響き、それを周辺住民が教団に連絡。 「俺達は魔女達が転移門を維持してくれる間、護らないといけない。すまないが向かって貰えないか」 話を聞き、ラス達3人は屋敷へと向かう。 そこに居たのは―― 「嘘、あんた何で生きて……って、そうか。あっちが幻だったものね」 かつて神契を交わすための試練で、幻として現れた男――レインが居た。 彼を見た途端、ラスは血の気が引いていく。 (そんな――どうして――レインが) 幻としては倒した。 だがそれだけで、かつてのトラウマが癒える訳もない。 喜びに満ち溢れた笑みを浮かべるレインに、今にも恐怖で倒れそうになり―― 「ラス、しっかりしなさい!」 ラニのお蔭で、かろうじて踏み止まる。 だが普段のラスではない。 どうするべきかラニが考えていると、エフェメラが魔法を放った。 「つまらん」 魔法により作られた大波をレインは大剣で斬り裂く。 斬り裂かれた大波は魔力へと還元され消え失せた。 「じぃちゃん!?」 驚いてラニが呼び掛けると、エフェメラは今まで見せた事のない怒りを滲ませていた。 「じぃちゃん。あいつ知ってるの?」 「かつて、弟子を浚われた」 「あぁ、あの時の魔女か」 レインは、いま思い出したというように言った。 「お前の弟子は良い生徒だった。死ななければ、もっと良かったがな」 これがエフェメラの怒りをさらに煽った。 膨大な魔力を解放しながらエフェメラは言った。 「何故ラスとラニを見詰める。うちの孫に手を出したらその前に貴様を泡にするぞ」 先ほどとは比べ物にならない魔法の予兆が発生する。 「絶対許さん。うちの子に近づくんじゃない」 そう言って魔法を放とうとするエフェメラをラニが止める。 「じぃちゃん!? ちょ、ストップ! ラスの家が流される!」 「だが――」 「だめよ! 昔のラスの姿が拝めなくなるじゃない!」 なんとかラニが宥めている間に、ラスはレインに問い掛けた。 「どうして、アンタが」 「どうして、か。あぁ。お前たちもそろそろ知るべきだろうな」 ラスだけでなくラニも見詰めレインは言った。 「レプリカント、これだけ今は覚えていろ」 そう言うと、その場から疾走。瞬く間に姿を消した。 追いかけようとするエフェメラをラニが宥め、屋敷の人間の無事を確かめるために屋敷の中に入る。だが、そこには―― 「……」 物言わぬ両親を目の前に、ラスは無表情に近づいた。 「ラス、この人達って……」 「……両親だよ」 その声は静かで、感情の起伏を感じさせなかった。 何も感じない。 そのことに僅かな罪悪感を抱きながらラスは言った。 「あぁ、もういいよ、ラニ」 心配するラニに、ラスは言った。 「オレの家は、ここじゃない」 乾いた声で告げるラスを、ラニは涙を堪え抱きしめるのだった。
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*** 活躍者 *** |