~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |

~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |

◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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(ニオ視点) 戦いが終わった 長き争いに終止符が打たれた 世界は少しずつ平和になっていくだろう 人々は手を取り合うだろう 自分は ワタシは何をしていた? 重い体を無理矢理に引きずる 指令を受けなければ 浄化師として ところでいつもより騒がしい気がする 何だろう 襲撃 にしては空気は重くない ぼんやりと歩いていると 気配が見えた シャオマナ、様…ッ!失礼致しました!!!向こうがビビる程 膝まづいて首を垂れる 申し訳ありません 立たされたかと思えば、いつの間にか「お話」をすることに 教団内?自分にはよく…… シャオマナ様 自分のような何も為さなかった半端者なぞに時間を割いていただかなくても… 自分ですか?指令です 浄化師である以上務めは… |
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~ リザルトノベル ~ |
神は消えた。 人に堕とされ。 人に殺され。 たった一つの想いと共に。 幾多数多を置き去りに。 ◆ 澱んだ眠り。 望みもしない、覚醒。『ニオ・ハスター』は、身を起こす。 視界に映るのは、自室。世界。 眠って、覚めて。 そうすれば、何もかもがリセットされないだろうか。馬鹿げた妄想を、嘲笑う。 全ては、己の愚かさの結果。それ以外の何物でもない。 戦いが終わった。 長き争いに、終止符が打たれた。 神は去り、使徒達も共に。 世界は、少しずつ平和になっていくだろう。 人々は、手を取り合うだろう。 数多の障害は、まだ。けど、それでも。 その流れの中で。 皆が、それを紡ぎ上げる中で。 自分は。 ワタシは。 何をしていた? 重い体。無理矢理に引きずって、ベッドから降りる。時間が、遅い。指令を、受けなければ。浄化師として。せめても、繋ぎ止めなければ。 外に出ると、何やら騒がしい様な気がする。本部? いや、団員寮? 何だろう。 一瞬、何者かの襲撃かとも思う。けれど、それにしては空気は重くない。聞こえる悲鳴は、世の終わりの如くだけど。もっとも、もうこの世界に神はいない。人を不要と断じた神はいない。人に仇成す、神はいない。 そう。 神など。 いなかったのだ。 ワタシが信じた、神など。 喧噪は変わらず続いているけれど、空気は変わらず間の抜けたまま。 どの道、大事ではないのだろう。それよりも、指令を。 ワタシが。 彼が。 在る、意味を。 夢現の様に、ぼんやりと歩く。と。 不意に。 唐突に。 感じた。 見えた。 気配が。 その、『存在』。 知っている。この感覚。 いつか感じた、圧倒的な存在。その証明。 高みたる存在の、『顕現』の気配。 思わず向けた視線の先。眩い、けれど優しい光が揺れる。 護る様に浮かび輝く、六彩の宝珠。胸に金色の勾玉を抱いて現れたのは、巫女服を纏った龍翼の少女。 浄化師であれば、知らぬ者はいない。 『太陽の命姫・シャオマナ』。 命と再生を司る、若き八百万の一柱。 こちらを見る無垢の瞳。視線が合った瞬間、走る畏怖。 「シャオマナ、様……ッ! 失礼致しました!!!」 咄嗟に後ずさり、膝跨いで、首を垂れた。 突然の事に、ビビるシャオマナ。 「申し訳、ありません……」 ただ、畏まる。怖れる。 新しき世の神。古き神に傅いていた罪。溺れていた罪業。見透かされるを、恐れる様に。 しばし見つめていたシャオマナが、得心した様に頷く。 静かに屈み、伸ばして取った。儚く震える、彼女の手。 見上げた顔は、ただただ優しく。 微笑んでいた。 ◆ (お話しよう) 「え……?」 目の前に出されたホワイトボード。書かれた文字に、戸惑う。 思いもしない事に答えに窮している間にも、シャオマナは手早く文字を綴る。 (建物の中が、賑やかだね。何か、あった?) 「教団内? い、いえ。自分には、よく……」 困るニオに小首を傾げて、阿鼻叫喚満ちる寮を見る。 (そうだね。ちょっと、困った方が遊んでる。少し、近づかない方が良いね) 「困った、方……?」 (そう。今の貴女は、会わない方が良いかな?) 実の所、騒ぎの根源には『無明の賢師・アウナス』がちょっかいを出している。決して人に情は深くない妖神。今の彼女には、決して良い影響はない。 シャオマナが顕現したのは、正にこの為。ダヌに言われて、アウナスの悪趣味を咎めに来た。けれど、ニオがその事を知る道理はない。 否、察せる余裕すらもない。 「シャオマナ様……自分の様な何も為さなかった半端者なぞに、時間を割いていただかなくても……」 ただただ、畏まる。無様な程に。怯えていると言っても良い。 神。 自分が信じた存在。 生きていた意味。 それを無為と見せつけ。 全てを道連れにしてしまった存在。 新しい神。 けれど、同じ神。 縋ってしまえば、きっとまた。 怖い。 恐い。 ただ、コワイ。 「ですから……どうか……」 遠ざける。 拒絶する。 救いを求める意味も。 資格すらも、ないのだから。 シャオマナは見つめる。 目の前で、小さく俯く人の少女。 聞こえるのは、彼女の心。中で響く、苦しみ。悲しみ。痛み。 重なるのは、かつて慟哭龍と呼ばれた母の声。信じていたモノに、裏切られた果てのソレ。 人の所業。人の業。 けれど。 救ってくれたのも、人。癒してくれたのも、人。 それならば。 古龍の姫は、手を伸ばす。 神としてではなく。 信仰を、求む為でなく。 ただ。 共に未来を歩む。 友として。 触れた髪は傷み切り。 撫でた頬は細くこけ。 悲しい程に、痛々しい。 けれど、その肌は確かに温かく。 その奥に、淡くも確かな鼓動が香る。 それが。 とても。 愛おしい。 ◆ 「自分……ですか……? 指令です……。浄化師である以上、務めは……」 結局、逃げる事は叶わなかった。 中庭のベンチに共に座り、龍の姫神と言葉を交わす。 強制された訳ではない。 縛られた訳でもない。 自分に向けられる、何処までも無垢な笑顔。髪を櫛削った、指の優しさ。拒む事は、酷く残酷な事の様に思えたから。 残酷? 人のワタシが、神たる彼女に為す行為。 それが、残酷と言う意味を? 絶対存在に対する、愚者の所業。届く筈も。響く道理もないのに。 理解出来ぬまま、会話が進む。 シャオマナは、声を出さない。ホワイトボードを使って、筆談するだけ。 聞いた事がある。 高位八百万である彼女の言葉には、強い言霊が宿ると言う。紡いだ言葉は理を捻じ曲げ、かつては『告死の権能』ですら一時であれ散らしたと。 何故だろうと、思う。 何故この方は、今言葉を紡がないのだろう。 そうすれば、全ては解決するだろうに。愚かで浅いワタシの妄念など、たったの一綴りで霧散する筈。なのに。何故? 分からない。 神たるモノの、思いなど。 「……みっともなく、命に縋るワタシは愚かですか……?」 それでも、ニオの言葉は止まらなかった。 止める事が、出来なくなっていた。 いつしか、シャオマナは文字すらも綴らなくなっていた。ただ、ニオの言葉を受け止める。静かに。ただ、穏やかに。 「……いいえ。あの日、真実を知った日に殉教すらできなかったワタシは……」 語り続けながら、ニオは思う。 そう。何故あの時、ワタシは死を選ばなかったのだろう。 この人生の根幹が、意味が、否定されたあの時に。 ――お前達のうちのどちらかが問題を起こせば、すぐに処分する――。 瞬間、沼底から泡立つ様に浮かんだ文言。 教団に在したその時から。上司達から刷り込まれていた言葉。 彼と、共に。 危険思想のワタシ。 罪人であった彼。 そんな時、彼は言った。 ――一緒に、断頭台に行こうって言ったじゃんか――。 正しい文言は、覚えていない。 けれど、込められた意味だけが。彼の口調を象り、刻み付いていた。 ああ、そうか。 ワタシが。 ワタシが、しがみつく理由は。 「……思うのです。この命はどうなろうと良いのですが……」 それは、きっと。否、違う事無く。 「それをすれば、カリアはどうなる?」 彼の為。 「アレは、馬鹿です。呑気だし、何か今もろくでもない事に巻き込まれてそうな」 自分勝手で。享楽主義者で。刹那的で。 いつもヘラヘラ笑ってて。たまに残酷で。人形が好きで。 教団に入った理由も、酷く自分勝手で。 「それでも! カリアは守護天使様を前にして、自分の命を差し出そうとしました!」 そう。あの時彼は、少しの迷いすら見せず。 「自分の命が、一番大事だと言ったカリアが!」 それが、答え。 それが、全て。 ワタシが、今の自分が。生きる事にしがみつく、意味。 「今更、自分のくだらない考えなぞで彼は巻き込めない……」 ワタシが死ねば、カリアも生きる意味を失う。 彼は一緒にと言ったけど。 ワタシが、ソレを望めない。 生きて欲しい。 幸せになって欲しい。 でも、彼はワタシと一緒に。 けど、ワタシは。 だから。だから。 「でも、もう、どうすればいいのか……ワタシには……」 纏まらない、思考。 だから、せめても願う。 「神よ……。我らが主よ……。カリアだけは、どうか……」 その為ならば、全てを代価に。 言い放とうとした、その時。 (答えは、出てる) 意思が、届いた。音としての、言葉じゃない。視認としての、文字じゃない。純粋に、中に響いた。 顔を上げる。映るのは、ただただ優しい、少女の笑顔。 (『彼』は貴女を愛してる。そして、貴女も『彼』を愛してる) 「ワタシが……カリアを……?」 思いもしなかった言葉。あまりにも直球で、戸惑う。 (貴女は言ったよ? 自分の為に、彼を巻き込めないと。それは、彼の事を想う事。愛してる、証左) 「それは、カリアがパートナーだから……」 (ソレだけじゃ、人は他者をそこまで想えない) 胸が鳴る。痛く。高く。 (人の愛は、万象じゃない。神のソレとは、違う。全てを抱く事は出来ないし、変わらずにいる事も出来ない。でも、だからこそ……) シャオマナの、指が伸びる。示すのは、ニオの心臓。高鳴る、鼓動。 (ソレと定めた時の気高さと尊さは、全てに勝る。神の言うソレよりも、ずっと) 「!」 思わず押さえる胸。シャオマナは説く。確たる証と。 (間違えないで。神は、ただ神と言う括りの存在に過ぎない。世界の理の中に在り、時と共に世を移ろう。ただの、命。死あるモノ。人と、貴女達と同じ) 命の姫は、告げる。 人は人。 神は神。 そこに、尊も卑もありはせず。 ただ共に、この星に在るだけのモノ。 (この身が朽ちて。この魂が散ずるまで。私はそう在る。在ると、決めた) 白い手が、触れる。濡れた頬を、そっと拭う。 (分かるよね?) 唄う声は、心の中。権能でもなく。捻じ込むでもなく。ただ、唄う。 (神は人を救えない。神は人を導けない。ソレを本当に出来るのは、同じ、人) 巡るのは、日々。 彼と過ごした日々。 (彼は、貴女を救った。神と言う楔を失い、堕ちるしかなかった貴女を救った) 信仰と言う虚ろを満たした、彼の声。笑顔。 確かに。それは。 (そして、彼を救ったのも、また貴女) 「!」 (空っぽだった彼を満たしたのは、貴女だよ? 違う事なく。だから、貴女達はもう一つ) ああ、そうか。だから、彼は。だから、『自分』は。 (寄り添って。傍にいて。貴女はもう、神に縛られた狂徒じゃない。救い、救われた、一人の人間。二人でずっと、未来を造る) 握り締めた手は、小さくて。温かい。 神と言う虚構ではなく。 確かなる、命。 (それでもし、しんどくなっちゃう時があったら) ほんの少し、混じる照れ。 (ちょっとだけ、支えさせて) 小さな身体を、抱き締める。 そっと囁く、言の葉は二つ。 ――ありがとう――。 ――友よ――。 ◆ 目の前に差し出された器。満たされた黄金が、綺羅綺羅光る。 甘光。 シャオマナが醸した、命の霊薬。 酷く痩せた様を心配した彼女が、この場で。出来立て。 どんな物かは、知っている。ヤバさも、当然。 でも、拒むつもりは毛頭ない。彼女の事は信頼してるし。 何より、心配そうなこの顔ときたら。 受け取って。笑いかけて。一気に煽った。 まあ、当然の様にとんでもない代物で。 吐き出しそうになったけど、理性総動員で飲み込んで。朦朧として倒れた頭を、シャオマナが受け止めて。 ゆっくりと、澄んでいく。何もかも。 微睡みの中、声が聞こえる。 彼の声。愛しく、大切な人。 目が覚めたら、伝えよう。 答えも。 想いも。 ささやかな、抱擁と共に。 だから、今はもう少し。 この安らかな、微睡みを。
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*** 活躍者 *** |