~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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まずは「扶桑」様と「竜樹」様にお会いしないと ぴぃと頭に乗ってきたリーフィに笑い声 あなたもちゃんとご挨拶するのよ? 何かしらあの子 …怪我をしてるの? 鹿に似た生き物に近づき 手当てをしようと 現れた人影に瞬き この子を渡す?なぜ? 触媒 という言葉にぎゅっと幻獣を抱きしめる ー嫌よ ここは狩場にしていい場所じゃないの この子たちが安心して暮らせる場所にするために わたし達は来たのだもの 魔術真名詠唱 仲間と連携 回復と支援 リーフィと聖獣に気を取られ怪我 ーっ平気です このくらい…、っシリウス、駄目! しがみついて止める 瞳の色が翡翠に戻るのを見て安堵の息 知ってるでしょう?わたし結構頑丈なのよ そんな顔しないで と額を合わせる |
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~ リザルトノベル ~ |
青空に浮かぶ小さなクジラ達。 見つけた『リチェルカーレ・リモージュ』は歓声をあげる。 「シリウス! 見て!」 「ぴぃ」 はしゃぐリチェルカーレに、彼女の回りをふわふわ浮かぶドライアードのリーフィ。 彼女達を見て、『シリウス・セイアッド』の表情は柔らかな物になる。 今シリウス達は、大華に来ていた。 それというのも、大華にいる原初の巨木、扶桑と竜樹に会いに行くためだ。 ニホンに訪れ、万物学園でリーフィと契約して。 そのあと富士樹海迷宮に訪れたのだが、そこでなんじゃもんじゃに頼まれた。 「最近、あちらで魔獣の密猟者が出るみたいなのです。様子を見て貰えないかしら」 彼女の話によると、扶桑と竜樹の張った結界を破壊されることもあるらしい。 「引き受けて貰えますか?」 なんじゃもんじゃの頼みに、すぐにリチェルカーレは頷いて。 現場に向かう前に本部に連絡すると、応援が来てくれるというのでニホンでしばし滞在し、いま大華に訪れている。 「あの子達、降りて来てくれないかしら?」 空を見上げ、クジラ達を見て首を傾げるリチェルカーレ。 彼女を真似て、リーフィも首を傾げる。 2人の様子に、微笑ましげに笑みを浮かべながら、同行者の1人であるセパルが言った。 「今はご飯食べてるみたいだから、終わったら降りて来るかもね」 「あんなに高い所で、食べる物があるんですか?」 不思議そうにリチェルカーレが尋ねると、セパルは応えた。 「空を流れてる魔力を食べてるみたい」 魔眼で魔力の流れを見ながらセパルは説明する。 「空くじらは実体のある物も食べるけど、魔力も好物みたいだから。確かそうだよね?」 「ああ。文献通りなら、そうだな」 セパルの問い掛けに、少し後ろで野生動物を観察していたウボーが応える。 「アークソサエティだと絶滅した種だと言われていたが、こちらだと生き残ってるみたいだな」 ウボーの話に続けて、ルシオが語る。 「ブリテンだと、今でも少し生き残ってるみたいです。妖精郷に隠れ住んでいるって、父さんが言ってましたから」 ルシオの話に耳を傾けていると、斥候として先に進んでいたカミラとセレナが戻ってきた。 「この先の草原まで見てきたけど、特に警戒するものは無かったから、このまま進みましょう」 「……」 セレナが説明し、カミラは無言で乗っていた大狼の背から降りる。 2人は巨大な狼の背に、それぞれ乗っていた。 今回の件で、教団と共に八百万の神も力を貸してくれることになり、富士樹海迷宮に居る狼の八百万の神、大口真神の眷属も連いて来てくれている。 足場が悪い場所や、疲れた時などに乗っても良いと言ってくれていたのだ。 「途中に、珍しい生き物は居た?」 話すこともなく手持無沙汰にしていたカミラにルシオが尋ねると、静かな声で返ってくる。 「まるっこくて、黄色い、もこもこしてるのが居た」 「どれぐらいの大きさなんですか?」 カミラの話に、リチェルカーレが興味深げに訊いてくる。 するとカミラは表情を柔らかくしながら応えた。 「これぐらいの、小さくは無いが抱き抱えられるぐらいの大きさだ。兎みたいな耳をしてた」 「兎、ですか?」 「かわいらしい見た目してたわね。ぬいぐるみにしたら人気が出そうな見た目だったわ」 セレナも一緒になって説明してくれる。 「見てみたいです!」 目を輝かせるリチェルカーレに、彼女を喜ばせようとするようにカミラは言った。 「まだ、居ると思う。草の上で、何匹も一緒になって寝てたから。見たいなら、案内する」 「はい! 行きましょう、カミラさん」 「……ああ」 カミラは応えると、大狼の背に乗りリチェルカーレを引き上げ乗せてやる。 温かな大狼の背に乗って、先に進む。 そこに居たのは、カミラが言っていたのと同じ、黄色くて丸っこくふわふわした、耳が兎に似た生き物。 「玉兎だな。大人しいらしいが、危険を感じると雷を放つらしいから、気をつけてくれ」 ウボーの話を聞いて、注意しながら近づくと、のほほんと日向ぼっこをしていた玉兎達は警戒することもなく、お蔭で撫でることも出来た。 彼女の様子にシリウスは目を細めながらも、心配する様に言う。 「……頼むから迷子にだけはなるなよ」 「大丈夫。みんなと一緒だもの」 笑顔を浮かべるリチェルカーレに、皆も笑みを浮かべた。 大華の生き物と触れ合いつつ、目的である扶桑と竜樹に会いに向かう。 「まずは扶桑様と竜樹様にお会いしないと」 「ぴぃ」 リチェルカーレの言葉に賛同する様に、リーフィは鳴くと頭にちょんっと乗る。 まだ魔力生命体としての側面が強く、物質面が希薄なリーフィは軽い。 リンゴ1個分の重さも無いので、負担は無かった。 「あなたもちゃんとご挨拶するのよ?」 「ぴっ」 すぐに応えるリーフィに、皆は微笑ましげに笑う。その時だった。 爆音。 距離は近い。即座に向かうと―― (何かしらあの子。……怪我をしてるの?) 鹿に似た生き物が、身体をよろめかせていた。 傷が無いか確認しようと近付くリチェルカーレに、シリウスは駆け寄る。 そして怪我をしているらしい生き物を確認した。 (獣……いや、魔獣、か?) 並の獣とは違う気配に警戒していると、さらに泡立つような気配を感じ取った。 「なんだ、お前達は」 尊大な声に視線を向ければ、そこに居たのはヒューマンに見える青年。 彼は、リチェルカーレが天恩天賜を掛けている獣に視線を向け言った。 「それを寄こせ」 「この子を渡す? なぜ?」 獣を庇うリチェルカーレに、青年は変わらぬ尊大な口調で言った。 「人を救うためだ。それは麒麟。真なる神を、この世界に御呼びする為の触媒」 「……触媒」 青年の応えに、リチェルカーレは麒麟を護るように抱きしめながら返した。 「嫌よ。ここは狩場にしていい場所じゃないの」 宣言するように続ける。 「この子たちが安心して暮らせる場所にするために、わたし達は来たのだもの」 「邪魔する気か? 旧人類風情が」 青年が殺意を吹きあがらせた瞬間、セパルとウボーが挟み撃ちをする形で斬撃。 しかし次の瞬間、後方へと転移した。 「気をつけて。レプリカントだ」 以前、教団本部に侵入したレプリカントを魔眼で確認したことのあるセパルは言った。 「一芸特化タイプだね。何か特殊能力あると思うから気をつけて」 「……貴様、何故知っている」 警戒する青年を無視し、ウボーがシリウス達に説明する。 「救世会が造り出した改造ヒューマンだ」 「救世会……?」 訝しむシリウスにウボーが説明してくれた。 「人を救う神を手に入れるために何でもする組織だ」 「まだいるのかそんな連中」 シリウスは呆れたようにぼそりと呟くと、低く告げた。 「……ここは魔獣たちの生活圏だ。守護神に睨まれる前に出ていけ」 「調子に乗るなよ、吸血鬼如きが」 苛立たしげに青年は言うと、魔力を励起。 戦いの予兆を感じ取り、皆は戦闘体勢に。 「黄昏と黎明、明日を紡ぐ光をここに」 魔術真名を唱え制圧に動く。その瞬間―― 「死士操葬」 青年は十体の特殊なゾンビを召喚し操る。 「何で人形遣いの技を使えるの!?」 セパルが情報を引き出すため、わざと驚愕する。 それを見下すように見ながら、青年は言った。 「アレを知ってるのか? なら、会わせてやろう」 そう言って新たにゾンビを召喚。 「これが、そうだ。もっとも、今ではただの道具だがな」 ゾンビを操り戦いながら、続けて言った。 「これが死霊術の極致を操る俺の力だ!」 明らかに自分の力に酔った声を青年は上げる。 「我ら救世会が! 俺たち新人類が! 世界を救ってやる! 邪魔をするなら死ね!」 狂信的な言葉を吐き続ける青年に、シリウスは眉をひそめる。 (危険だ……少しでも早く倒さないと) リチェルカーレが傷つかないよう、自身の負傷を無視して前に出る。 「シリウス! 独りで前に出ちゃダメだ!」 「陣形が崩れる! 連携しろ!」 ルシオとウボーに呼び掛けられるが、構わず前に突っ込む。 (シリウス!) 傷付くシリウスを回復させようと、リチェルカーレも知らず前に出過ぎてしまう。 結果として陣形が崩れ隙が生まれる。 そこを突いて、ゾンビの1体が魔力弾を麒麟に向け放つ。 「ぴぃっ!」 護ろうとするかのように前に飛び出すリーフィ。 「ダメ!」 反射的に盾になるように動くリチェルカーレ。 そして爆発。 「リチェ!」 シリウスの脳裏に、最終決戦で傷付いたリチェルカーレの姿が甦り、思考は朱く染まった。 「――よくも……!」 瞳が真紅に染まり、赤き文様が頬に浮かぶ。 アウェイキング・べリアル。 正気を犠牲にしたブーストで敵を斬り裂いていく。 敵の攻勢が抑えられた隙に、ルシオ達がリチェルカーレの元に。 「傷は?」 「――っ平気です、このくらい……」 爆発の割に怪我は無い。 「ぴぃ」 へにょりと、ぐったりしているリーフィ。 どうやらリーフィが魔力障壁を張ったようだ。 そのことに礼を言う余裕もなく、暴走したシリウスをリチェルカーレは止めに走る。 「っシリウス、駄目!」 しがみ付き必死に呼び掛ける。 「リ、チェ……」 背後から抱きつくリチェルカーレの温もりで正気に戻るシリウス。 瞳の色が翡翠に戻るのを見て、リチェルカーレは安堵の息を漏らした。 しかし安心する暇はない。 今も戦いは続き、2人を護るように皆は動いてくれている。 「援護しないと」 リチェルカーレが焦るように呟いた時だった。 膨大な神気と共に、2人の女性が現れようとする。 「ちっ、芙蓉と竜樹が来たか」 レプリカントの青年は舌打ちすると、人形遣いのゾンビに命じ転移の魔方陣を作らせ、一足先に消え失せる。 そして残った人形遣いのゾンビも―― 「さようなら。いずれまた、縁があれば」 亀裂のような笑みを浮かべ消え失せた。そして―― 「シリウス。ちょっとそこに座って」 ルシオを始めとした皆に、シリウスは説教されていた。 「シリウスがリチェちゃんのことが大切なように、リチェちゃんもシリウスのことが大事なんだ。俺や、みんなだって同じだよ。だからシリウスが無茶して傷付いて欲しくないんだ」 「……」 何も返せないシリウス。 芙蓉と竜樹にも窘められ、思わず目を逸らす。 さらに、彼の武器である蒼剣アステリオスも、嗜めるように震えていた。 「……」 アステリオスにすら説教されているような気がして、さすがにへこむシリウス。 そんな彼に、リチェルカーレは安心させるように言った。 「知ってるでしょう? わたし結構頑丈なのよ。そんな顔しないで」 額を合わせる彼女に、すまなそうに目を伏せるシリウスだった。 シリウスへの説教とフォローも終わらせ、改めて芙蓉と竜樹に、この地に訪れた理由を告げた。 「魔獣保護への協力を約束しに来ました。どうか、人のこれからを見ていてください」 「信じましょう」 リチェルカーレが持って来ていた守り木の苗を受け取りながら、芙蓉と竜樹は応えた。 「お父さまとの最後の戦いの時、私達は貴女の歌声に惹かれ力を貸しました」 「過去ではなく、貴女達との未来を信じて。人がこの地に訪れることを望みます。共に、明日を歩んでくれますか」 芙蓉と竜樹の願いに―― 「はい、喜んで」 花咲くような笑顔を浮かべ、心から応えるリチェルカーレだった。
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*** 活躍者 *** |
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