~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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中庭の花が綺麗に咲き始めたときき シリウスを誘ってそちらへ とても綺麗 知らない花を見つけ立ち止まる あら?これは見たことがないわ 何ていう… 一際強い香りに 強い目眩を感じ目を閉じる …うん、大丈夫 なんともな………? 驚いた顔の自分が目の前に 慌てて体を確かめ 入れ替わっていることに気づく この花のせいかしら? 首を傾げると 目の前の自分(シリウス)が頭を抱える セパルさんかメフィストさんを探しましょう 大丈夫 すぐに治るわ…じゃなくて、治るよ シリウスのイメージは壊さないからね!とにっこり 女言葉は使わないものの 無邪気な笑顔や人懐っこい動きや言葉に知り合いが軒並みフリーズ ルシオさんカミラさんを見つけたら満面の笑みで手を降って |
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~ リザルトノベル ~ |
「……」 室長室から退室した『シリウス・セイアッド』は、親しい者でなければ分からないほど小さく、少し疲れた顔をしていた。 「どうしたの?」 シリウスの様子に気づいた『リチェルカーレ・リモージュ』が尋ねると、彼は応えた。 「……教皇にまで『周りを頼れ』だの『自分を大事に』だの、言われると思わなかった……」 それはお説教ではなく、純粋にシリウスのことを気に掛けての言葉だったが、それだけに余計に堪えたようだ。 「誰だわざわざ報告したのは」 小さな声で文句を言うシリウスに、くすりとリチェルカーレは笑う。 「皆心配してるのよ。シリウスはすぐ怪我をするんだもの」 「……騒がれるほどでは……」 「この前、起き上がれないくらい酷い怪我をしたのは誰でしたっけ?」 もう、とリチェルカーレが膨れて見せると、きまり悪げにシリウスは視線を逸らした。 シリウスは、リチェルカーレの前であれば、こうして弱さを見せてくれることもあるが、そうでなければ自分の気持ちを表に出すことすらしない。 心配されること、自分を大切にすること。 シリウスのことを大事に思ってくれる人達がいることは理解しているが、それ以上に自分のせいで誰かが傷つくことを恐れている。 仲間のことは当然のように気にするくせに、自分のことになると完全に意識の外になるシリウスに、リチェルカーレは小さくため息をつく。 (困ったような顔を見せてくれるだけ、頼ってくれてるのかもしれないけど……) リチェルカーレに見せてくれる弱さに、少しだけ嬉しさを覚えるものの、それ以上に彼のことが大切で心配なのだ。 だから、少しでも彼が自分のことを大事にしてくれるように。 リチェルカーレはシリウスに声を掛け続ける。 「お天気もいいし、今日はゆっくりしましょうね」 「……そうだな」 頷くも、何をどうすれば良いのか、シリウスは思いつかない。 ゆっくりすれば良いのだから、それこそのんびりしたり遊んだりすれば良いのだが、頭に浮かばない。 指令や鍛錬で疲れ果て、そのまま倒れ伏すように寝込むような生活なら簡単だが、自由な一日なんて物は想像の外だ。 なので、どうすれば良いのか真剣に悩むシリウスに、くすりとリチェルカーレは小さく笑みを浮かべると手を繋ぎ言った。 「中庭に行きましょう。綺麗な花が咲いたって、みんなが言ってたの」 リチェルカーレに引っ張られながら、シリウスは眼差しを柔らかくしながら連いて行く。 「花か……知らなかったが、評判になるほどだったんだな」 手を繋いだままシリウスは連れ立って歩きながら、ふと気になったので訊いてみる。 「前から、中庭に植えられていたのか?」 シリウスの記憶だと、確かに幾らか花が植えられていたが、人の目を惹くほどではなかった筈だ。 (花の中には年を経ないと咲かないものもあると言うが……それとも、より多く花を植えられる余裕が出来たということだろうか?) そうであれば良いと、シリウスは思う。 創造神を倒し、世界は今までよりも平和になった筈だ。 穏やかな世界でリチェルカーレや、そして仲間達が何の危険もなく過ごせるようになっていると良い。 そう願いながら尋ねたシリウスに、リチェルカーレは笑顔で応えた。 「メフィストさんが、たくさん花を植えてくれたみたいなの」 「ちょっと待てリチェ」 いつもより早い口調でシリウスは言った。 「あいつがまた何かしでかしたのか」 「何もしてないわよ? 花を植えてくれただけだもの」 屈託のない笑顔で、素直な声が返ってくる。 花が好きな彼女にとって、見たこともない花が咲いているのは純粋に嬉しいのだろう。 とはいえ植えたのはメフィスト。 致命的なことは起らないだろうが、精神的に致命傷なことは平気でする。 というより進んでする。 (止めるべきか?) メフィストに関わりたくないのでシリウスだけなら絶対に近付かないが、今はリチェルカーレがいる。 花を見るのを楽しみにしている彼女の笑顔を曇らせたくない。 (どうする?) 悩んでいる内に、いつの間にか中庭に辿り着いてしまっていた。 「わぁ……見て、シリウス」 弾んだリチェルカーレの声に誘われて、シリウスも中庭に視線を向ける。 息を飲むほど、多くの花が咲き誇っていた。 色取り取りに様々で、それでいて調和している。 「とても綺麗」 花を見詰めるリチェルカーレに、ふわりと笑顔が浮かぶ。 その笑顔に、シリウスの表情が柔らかくなる。 メフィストが関わっているのは心底不穏さしか感じないが、リチェルカーレが笑ってくれるなら、それで好い。 だからリチェルカーレに静かに寄り添いながら、一緒に花を見て回る。 「チューリップにネモフィラ、スズランとマリーゴールド。春の花も一杯あるけれど、他の花も咲いてる」 大きな花だけでなく、小さく可憐な花も。 幾つもの花を見て回り、一際興味を引く花を見つける。 「あら? これは見たことがないわ」 実家が花屋であるリチェルカーレですら知らない花を見つける。 貝の断面を思わせる虹色の花弁は、日の光を受けて煌めいて。 誘うような甘い香りをひときわ強く匂わせていた。 「何ていう――」 花をもっとよく見たくて近付くと、濃い匂いに包まれる。 (――あれ?) 強い香りに包まれた途端、強い目眩を感じ目を閉じた。 「リチェっ」 気付いたシリウスが支えるように近付くが、そこで同じように匂いに包まれ目眩を感じる。 一瞬、目を閉じたあと―― 「リチェ、平気………」 聞き慣れた、けれど自分ではない声が聞こえて来て、異常を察した。 それはリチェルカーレも同じだった。 「……うん、大丈夫。なんともな………?」 いつもなら、自分に掛けられる声。 それを口にしたのが自分だと気づき、驚いて目の前の『自分』の顔を、お互い驚きと共に見詰めた。 (身体が入れ替わってる?) 状況を把握したリチェルカーレは、不思議そうに小首を傾げながら呟く。 「この花のせいかしら?」 「……リチェ。頼むから、その顔でその言葉使いは……」 自分の身体で小首を傾げるリチェルカーレに、シリウスは頭を抱える。 するとリチェルカーレは、明るい笑顔を浮かべながら応えた。 「大丈夫! すぐに治るわ……じゃなくて、治るよ。セパルさんかメフィストさんを探しましょう。それと――」 にっこり満面の笑顔を浮かべ、胸を張るように言った。 「シリウスのイメージは壊さないからね!」 「……そうしてくれ」 ぐったりと疲れた声で、シリウスは返した。 そしてシリウスは必死に、リチェルカーレはおっとりと、元に戻るためにセパルかメフィストを探し始める。 (シリウスの視線って、こんなに高いんだ) メフィストを探しながら、リチェルカーレは現状を楽しんでいた。 普段よく見た景色も、シリウスの高い視線だと変わって見える。 いつもとは違う場所を巡っているようで、これはこれで面白い。 それもあって、シリウスなリチェルカーレは、ころころと表情を変えている。 一方、シリウスと言えば―― 「……」 終始無言で無表情。 気を抜くと眉をひそめてしまいそうになるが、リチェルカーレの身体だと思うと出来はしない。 (早く元に戻らないと) 怯えにも似た気持ちで思う。 ほっそりとした指先に、華奢な体。 ちょっとしたことで傷付けてしまいそうで恐ろしい。 なのでシリウスは必死に、けれど無表情なので感情の色は見えず。 一方、リチェルカーレは豊かな表情に感情を滲ませて。 2人は元に戻るために探し続けていた。そこに―― 「あ、居た!」 医務室の看護師さんが駆け寄ってくる。 「シリウスくん、今日こそは検査を受けて貰――」 「こんにちは」 にっこり笑顔で応える、シリウス姿のリチェルカーレ。 思わず看護士は、ビクッと身体を震わせ―― 「ど、どうしたの、一体」 「なにがですか?」 小首を傾げるシリウス姿のリチェルカーレ。 それを見て看護師は、わなわなと体を震わせると、強い口調で言った。 「待ってなさい! 先生を呼んで来てきちんと見て貰うから! 大丈夫! 心配しなくても良いからね!」 全力で心配され、医者を呼びに全力ダッシュされた。 「……」 当然、無言のまま急いで、リチェルカーレを連れてその場から逃走するシリウスだった。 その後も、似たようなことが続き、シリウスは決意した。 (メフィストを締めよう) しかし残念ながら見つからない。 途中でセパルを見つけ―― 「分かった。アイツ見つけて来るか、今の状況どうにか出来るようにするから」 と言って貰えたが、だからといって探すのをやめる気はない。 (絶対に締める) 最早元に戻ることよりもメフィストに思い知らせてやることに重点が行きそうになってるシリウスだった。 そうして教団内を探し回っていると、ルシオとカミラを見つける。 2人は少し前、大華に一緒に行ってくれたこともあり、報告書に協力してくれていたのだ。 そんな2人を見つけ―― 「ルシオさん! カミラちゃん!」 シリウスが止める暇もなく、リチェルカーレは無邪気な笑顔を浮かべ走り寄る。 「……!」 在り得ぬものを見たというように固まるカミラ。 彼女の隣で、不思議そうに見つめるルシオ。 (……終わった) この世の終りのような表情をするシリウス。 そんな、リチェルカーレ姿なシリウスを見詰めていたルシオは、興味深げに見詰めながら呼び掛けた。 「……シリウス?」 「……!」 驚くシリウスに、くすりとルシオは笑みを零す。 「やっぱり中身はシリウスなんだ。どうしたの、一体?」 これにリチェルカーレが事情を説明すると、ルシオは笑みを深めた。 笑いの止まらないルシオとフリーズしているカミラから、シリウスが疲れた様子で目を逸らしていると、真剣な声が聞こえる。 「カミラちゃん、お願いがあるの」 「……なんだ?」 リチェルカーレの声に込められた想いの強さに気付いたカミラは、視線を合わせ尋ねる。 するとまっすぐな目でリチェルカーレは告げた。 「カミラちゃんやエミリアちゃん、それにヴァーミリオンさんが使っていた双剣術を教えて欲しいの」 リチェルカーレの言葉にシリウスは目を丸くする。 (なんで知っているんだ) 思っていても口には出さなかった気持ちを代弁してくれるリチェルカーレに驚くシリウス。 するとカミラは言った。 「分かった。剣を召喚してみろ」 (出来るかしら?) 試しに召喚すると、蒼剣アステリオスがシリウス姿のリチェルカーレの手に。 しかし召喚された剣は、戸惑うように振るえている。そこに―― 「おーう。やっぱ自我持ってますかー」 にょきっとメフィストが生えた。 「ネームレス・ワンが死んでべリアルの業も消えてますからねー。なんだったら宝貝にしますよー」 「おい……」 シリウスがメフィストの言葉を止め言った。 「それよりも早く元に戻せ」 「いいですよー。でーわ、捕まえてごらんなさーい」 ひょいっと走り出すメフィストと必死に追いかけるシリウス。 そこからたっぷり鬼ごっこをさせられてから、セパルにメフィストはボコられ元に戻ることになった。 その間に、双剣術をシリウスに教えて貰えるよう、カミラから皆に伝えて貰う約束をしたリチェルカーレ。 騒々しくも、次へと繋がる実りもあった一日だった。
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*** 活躍者 *** |
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