~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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結局レプリカントってなんなわけー!? 考えてたら体がなまりそうね、たまには一人で出かけましょ リュミエールストリートにて散歩中 …あれ?迷子? 一人不安そうに佇む少女を見つけ 何故か声をかけなきゃと思って どうしたの?迷子? 話を聞けば 一人でここまでやってきたとのこと へぇ、そりゃ大変だったわねぇ……暇?あたし案内したげよっか? いいのよ!あたしも暇だし まずはフリーマーケットへ 折角だから何か買えば?懐と相談だけど 彼女は何やら3つの指輪を買い、その内二つを渡して へ?お礼だなんてそんな…… 3つセットだったらしい、3つもつけたら大変と言われ そうね、あいつにあげるか …ねえさま?見る目あるじゃない!いいわよ! |
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~ リザルトノベル ~ |
●幕間 ベルヴァ 「まったく。期待外れもいい所です」 1人の少女が、リュミエールストリートを歩いていた。 「少しは役に立つかと思いましたのに。やはり劣等種達の集まりでしかありませんね」 不機嫌そうに呟く彼女の名は、ベルヴァ。 レプリカントと呼ばれる強化人間であり、自身を生み出した救世会を見限った少女でもある。 「救世会と事を構える様子もありませんし、ワタシが渡した資料をまともに分析することも出来ないんでしょうか」 苛立たしげに呟く彼女に、往来の人々は視線を向けない。 なぜならベルヴァは魔術を展開し、周囲から意識されないようにしていたからだ。 誰にも気づかれないまま、ベルヴァは歩く。 「このまま教団が何もしないなら、ワタシ自ら――」 その先の言葉は擦れて消えた。 自身を生み出した救世会を壊滅させる。 それがベルヴァの当面の目的だ。 出来ないとは思わない。 なぜなら自分こそがレプリカントの完成形。 誰よりも優れ、全ての人間を導くことが出来る者。 たとえ1人だとしても、望むことは何でもできる。 そう、独りで、十分なのだ。 「……」 堪えるように、ベルヴァは歯を噛みしめる。 独り。 最良であるからこその当然。 独りで全て出来るなら、他の誰も必要としない。でも―― (にいさま……ねえさま) 気付けば2人のことが心に浮かんできた。 それが何故なのか、解らない。 けれど今、リュミエールストリートに居るのは、2人のことを想ってしまったからだ。 「――ふふ」 自嘲を浮かべ、ベルヴァは笑う。 それはまるで、迷子が見せる不安な表情(かお)。 けれどそれは、誰にも気づかれない。 魔術で隠し、誰にも見つからないようにしているのは彼女自身なのだから。 彼女は独り、孤高に在り続ける。それが宿命だと、言わんばかりに。 けれど時に運命の類は狂うもの。 「どうしたの? 迷子?」 気付かれない筈の彼女を呼ぶ声が、まさにそれ。 運命の出会いというヤツは、意外なほどに転がっている物なのだ。 ●第二章 運命の出会い リュミエールストリートを、『ラニ・シェルロワ』は独り歩いていた。 (結局、分かんないものは分かんないのよねー) 屋台で買ったチュロスを食べ歩きしながら、ラニは整理する様に考えていた。 (そもそも情報が足らないのよ。レプリカントって言われても、何なの? って感じだし) いま彼女が悩んでいるのは、レプリカントについてだ。 少し前、パートナーである『ラス・シェルレイ』の実家が襲撃され、そこでラスの師匠だというレインから『レプリカント』という言葉を告げられた。 ラニとしては、『何それ?』といった程度でしかなかったが、ラスの方が思い悩んでいる。 そんな彼を見て、どうにか出来ないものかと思い、レプリカントについて考えていたのだが、推論を立てようにもヒントになりそうな情報の断片すら持ってないのだ。 一言でいえば、お手上げである。 それでも考えてはいたのだが、気分転換も兼ねてリュミエールストリートに訪れていた。 つらつら散策し、気付く。 (……いつもより賑やかじゃない?) 普段よりも人通りが多く、出店の類も数多い。 覗いてみれば、軽食の他に、衣料品や装飾品の類が多い。 (――あ、そういえば、博覧会してたんだっけ) なんでも、服をテーマとした博覧会が各国で行われているらしく、その賑わいがリュミエールストリートにも来ているようだ。 (服かー。この前、ひめちゃんの所で着物を勧められたけど) それはニホンの八百万、珠結良之桜夜姫に、宴に誘われた時のこと。 あの時は、神露を飲んで酔い潰れて眠ってしまったけれど、いま思うと少し勿体なかったかなとも思う。 (ニホンの物も並べられてるみたいだけど……1人で見てもねー) ラスを連れて来れば、色々と服を見繕う楽しみもあったかもしれないが、独りでは気分が乗り切らない。 (どーしよっかなー) 決めかねている、その時だった。 (あれ?) 独りの少女に気付く。 (迷子?) 少女は、歳の頃は十代半ば。黄昏を連想させる橙色の瞳に、白に近い薄い水色の髪をボーイッシュなショートヘアで纏めている。 快活そうな子だったが、独り当てもなく不安そうにしているように見えた。 彼女を見つけたラニは、何故だか声をかけなきゃという思いが湧き―― 「どうしたの? 迷子?」 「……え」 声を掛けられた少女は、信じられない物を見たとでも言うような、完全に惚けた表情を返してきた。 (……あれ?) 少女の表情に少し違和感を感じたものの、放っておけないので声を掛けていくと、彼女は事情を説明してくれた。 「博覧会の商品がここで見られると聞いて来たんです。この街に来るのは初めてだったけど、興味があってどうしても来たくて――」 どうやら初めての街に1人で来て迷ってしまい、不安だったらしい。 「へぇ、そりゃ大変だったわねぇ……」 不安そうに『みえる』少女にラニは、どうにかしてあげたいと思い提案した。 「暇? あたし案内したげよっか?」 「いいんですか!?」 「いいのよ! あたしも暇だし」 ラニの言葉に、少女は嬉しそうに喜ぶ。 そして2人は、一緒に回っていく。 「これ、似合うんじゃない?」 「いいですね! あの、これ、どうですか?」 お互い服を選び合い、屋台で揚げ立てのポテトを買い2人で摘まみながら歩いていた。 2人が楽しんでいる頃、教団の食堂でラスは悩んでいた。 (どうしてレイン(師匠)が、レプリカントのことを知っていたんだ) あの時以来、ラスの頭からそのことは離れないでいた。 (レインは、あの時『お前達』と言っていた) それはつまり、ラスだけでなくラニも関わっているかもしれないということ。 だからこそ悩みは深くなっていたのだが、答えは見えず陰鬱とした気持ちに沈んでいた。 そんな彼に―― 「平気? ラス」 シィラが声を掛けてくれた。 「? あ、あぁ、平気だよシィラ」 「本当に?」 応えに一瞬詰まる。 そんな彼を待ってくれているのか、静かに見つめて来るシィラに、ラスは息を抜いてから応えた。 「……いや、半分嘘ついた。正直怖い」 「……そうなんだ……ちょっと待ってて」 シィラは紅茶とケーキを持って来て言った。 「ティーブレイクしましょう。ラニは、どこかに行ってるの?」 「ラニなら1人で出かけたよ」 「そうなの? 何かあったの?」 「いや、そういうのじゃないよ。たまにやるんだ、オレが1人で出かけることもあるし」 「そうなんだ……独りにして、心配じゃない?」 茶目っ気を込めて尋ねるシィラに、ラスは遠い目をして応えた。 「心配……そうだな……変なことに巻き込まれてないかだけ心配だな……」 ラスの応えに、くすりと笑みを浮かべるシィラだった。 その後、他愛ないお喋りを2人は続けた。 シィラは教団本部のシルキーなので、周囲に声が漏れないようにすることも出来る。 だから周囲を気にすることなくお喋りを続けていたのだが、核心に迫る話をしても良いのかシィラが迷っていると、気付いたラスが応えた。 「……レプリカント、無関係じゃないんだろ。オレ達にとっても」 「……ラス」 心配そうな表情をするシィラに、ラスは正直な気持ちを口にする。 「オレはやっぱり、オレのことが知りたいよ」 ラスの想いに返すように、シィラは自らが知り得ることを口にした。 「貴方達2人は、ひょっとするとレプリカントかもしれない」 「オレ達が、レプリカントかもしれない?」 真剣に見つめるラスに視線を合わせ、シィラは説明する。 「レプリカントに関わった中枢は、枢機卿も含めた貴族達なの。ヨセフ教皇の勅命で調査が進んでるそうなんだけど、調査対象になっている貴族のひとつが、ラス……貴方の実家と深く関わっていたみたい」 「それって……」 繋がりが見え考え込むラスに、シィラは続けて言った。 「レプリカントの素体や、母体となる人材を集めたり、レプリカントに戸籍を与えるために赤ん坊を引き取らせたり……色々とやっていたみたいなんだけど、それに関わる家のひとつが、貴方の実家だったみたい」 「……そうか」 シィラの話を聞いて、何ともいえない顔になるラス。 「……ラス」 心配して声を掛けるシィラに、ラスは落ち着いた声で返した。 「ショックを受けてる訳じゃないんだ。ただ、納得いっただけというか」 「納得?」 「いや、それなら父と母がオレに興味がなさそうだったのも頷けるから」 「……」 気遣うように見詰めて来るシィラに、ラスは安心させるように返す。 「大丈夫。それより、ヨセフ教皇の勅命で調査が進んでるってことだけど、どうなってるんだ?」 「調査対象が多くて大変みたい」 シィラは説明してくれる。 「アレイスターが死んで、元々あった組織は、今は救世会という形で幾つかに分裂しているから。もし、何か気になることがあればヨセフ教皇に訊いてみる?」 「……そうだな。考えてみるよ」 シィラに応えながら、ラスは思う。 (……ラニ遅いな、本当に大丈夫か?) そんな彼の心配を余所に、ラニは楽しんでいた。 「よし、じゃ次はフリーマーケットに行こー」 「はい!」 にこにこ笑顔な少女を連れてリュミエールストリート巡りを楽しんでいたラニは、フリーマーケットに。 「これ、良いと思わない?」 「似合います!」 小物や装飾品を見て回り、とある出店の前を通りかかると、ラニは少女に言った。 「折角だから何か買えば?」 (懐と相談だけど……) 内心は笑顔で飲み込みながら、ラニは少女に奢ろうとする。 すると少女は目を輝かせ―― 「嬉しいです!」 真剣な表情で商品を吟味する。 普段使いの装飾品が並べられたテーブルを見詰め、やがて選ぶ。 「これ、三つで一セットですよね」 「はい。縁寿の指輪と言って、大切な人同志で持つと縁起が良いと言われてます」 何やら店主と話していたようだが、他の商品を見ていたラニは気付かない。 その間に、少女は支払いを済ませ―― 「これ、あげます」 指輪をふたつ、ラニに手渡す。 「え? って、支払いは?」 「済ませました。気にせず貰って下さい。今日一緒に居てくれたお礼です」 「へ? お礼だなんてそんな……」 「嫌ですか……?」 しゅんと気落ちした彼女に慌ててラニは返す。 「嫌じゃないわよ! でも、一緒に見て回っただけだし……」 「そんなことないです! お蔭で、とっても楽しい一日になりました。それにこの指輪、三つで一セットだったんです。1人で三つも付けるのも変ですし、貰って貰えたら嬉しいです」 笑顔の少女に、ラニも笑顔で応え、指輪を受け取る。 「そうね、あいつにあげるか」 受け取ったラニに少女は、自然な口調で言った。 「貰ってくれて嬉しいです。ねえさま」 「ねえさま!?」 「はい。ワタシ、あなたみたいな姉が欲しかったんです。ねえさまって呼んでもいいですか?」 甘えるような視線を向ける少女に、ラニは笑顔で応えた。 「見る目あるじゃない! いいわよ!」 「ありがとうございます。ねえさま」 笑顔を浮かべる2人だった。 その後、夕暮れになるまで2人は一緒に見て回り、一日を楽しく過ごした。 一方ラスは、帰りの遅いラニのことを気に掛けて過ごす一日となるのであった。
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*** 活躍者 *** |