~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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謎の鏡を通じた異世界交流に取り組むメフィスト様に令花が随行(場所を移動するわけではない場合は、補佐)するという展開を希望 役割は事務能力を生かした事務折衝役兼ツッコミ役 異世界と協定的なことが必要になった場合、法務的行政的実務的な問題点を提起し、かつ、打開案を示す役割を果たしたい 最終決戦後の令花は、執筆、事務の研鑽・実施、子育てに奮闘中! お世話になった教団に貢献し、みんなの役に立ちたいという思いから、決戦後のごたごたの調整などが出来るよう事務能力の研鑽を積み、父と連携してニホンの被害復旧やDフェスをベースにしたニホンを活気づける事業提案に力を入れる そんな中で、メフィスト様が持ってきた話に補佐を志願 |
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~ リザルトノベル ~ |
「私が、メフィスト様の補佐をするんですか?」 ヨセフに呼ばれた『桃山・令花』は、突然の提案に目を丸くする。 「その、私だと、力になれるか難しいと思うのですが……」 少し困ったように令花は応える。 メフィストは普段の言動がアレなので、お茶らけて見えるが、実際の所は深謀遠慮で動いている節がある。 そもそも人間に転生しているとはいえ、この世界の創造神の一柱。 ネームレス・ワンとの最終決戦でも、他の管理神と共に見届け役に就いていたことを考えると、補佐という形で何か役に立てるのかが不安だ。 そんな令花に、ヨセフは安心させるように言った。 「心配しなくても良い。魔術や戦闘ではなく、あいつとの連絡役と記録係として就いて貰いたい」 「連絡役と記録係、ですか?」 「ああ、それについては……そうだな、現状を詳しく伝えておこう」 ヨセフから詳細を聞いて、令花は好奇心に目を輝かせる。 「異世界との接触、本当にあるんですね!」 今から三百年後。 この世界には多くの異世界がぶつかって来るようになると教団の広報課から話を聞いていたが、その一端と関われるかもしれないと、期待に胸を躍らせる。 (生きてる内には関われないと思ってたのに、これは――) 物書きとしての習性というべきか。 ネタになりそうなことには目が無いのだ。とはいえ―― (いけない。冷静にならないと) 自分を落ち着かせるために居住まいを正すと、改めてヨセフに言った。 「事情は分かりました。私は、メフィスト様との連絡役と記録係に就けばいいんですね?」 「そうだ。それと、あとひとつ。こちらは可能であればの話だが、向こうの世界との交流が可能になった時、協定を結ぶ必要がある。その策定にも関わってくれ」 「協定、ですか? でもそれは……」 令花は言いよどむ。 実家で官僚としての手ほどきを受けているので、書類仕事には精通しているが、それだけに今回のことが大事なのは理解できる。 「相手方の出方や要望も分からない内に作るのは難しいと思います。まだ向こうとは、直接の交流は出来ていないんですよね?」 「ああ。向こうの世界だと『特異点』と呼ぶらしいが、世界観接続の要となる手鏡を介して言葉を交わすことが出来る程度だ。だが今こちらの世界には、向こうの世界の住人が居る」 「異世界の住人、ですか?」 「ああ。彼から話を聞いて、そこから協定の立案を幾つか作ってくれ。君以外にも、何人かに頼んでいる。複数の案を後ほど選定し進める予定だ」 つまり本格的に進めるための叩き台を作ってくれということらしい。 「分かりました。力になれるか分かりませんが、精一杯尽力します」 「すまないが頼む。メフィストは、セパルが連れて来てくれることになっている。場所と時間は――」 詳しい場所を聞いたあと、令花は拝命を受ける。 「桃山令花、勅命をお受けします」 ヨセフから任命を受けたあと、まだ時間があった令花は、しばらく遅くなるかもしれないと告げに、弟である『桃山・和樹』の元に訪れていた。 「――という訳なのよ」 「すっげぇじゃん!」 令花から話を聞いた和樹は盛り上がっている。 「異世界人と話せるかもしれないんだろ? すっげぇ面白そう!」 はしゃぐ和樹に、令花は苦笑する様に言った。 「もぅ。遊びに行くんじゃないんだから。お仕事なんだからね」 「ママ、お仕事に、いくの?」 令花の言葉に、人型魔導書である叶花が小首を傾げる。 まだまだ小さな子供姿の叶花が、そんな仕草をすると、令花は可愛さで目元が下がる。 「そうよ。ママ、お仕事に行って来るからね」 「うん、分かった」 とててっ、と叶花は駆け寄ると、ぎゅっと足元に抱き着く。 「いってらっしゃい、ママー。お仕事、がんばってね」 (ああぁぁっ、かわいいー) 「うん。行って来るね、叶花」 腰を下ろし、ぎゅ~っと抱きしめる。 すると叶花は、嬉しそうに頬を寄せた。 (子育て、頑張ってるな) 令花の様子を見て、和樹は思う。 (他にも色々とやってるのに、凄いな) 令花は創造神との最終決戦の後、実家のあるニホンとの折衝役を自分から買って出て、忙しく動いている。 それはお世話になった教団に貢献し、みんなの役に立ちたいという思いからだ。 決戦後のごたごたの調整などが出来るよう事務能力の研鑽を積み、父と連携してニホンの被害復旧やDフェスをベースにしたニホンを活気づける事業提案に力を入れていた。 (しかも仕事の合間に、小説書いてるし) 以前、Dフェスで出した小冊子『僕たち勇者候補生~ヒロイックハイスクール~』を、長編にするべくコツコツ執筆している。 時折、インスピレーションが湧かずに話が詰まることもあるようだが、主人公である少年を形にしてあげたくて、頑張っているようだ。 (それに加えて、叶花の面倒も見てるし……俺も頑張らないとな!) 「行ってきなよ、ねーちゃん」 和樹は令花を、力付けるように送り出す。 「頑張るねーちゃんに負けないよう、俺も頑張るからさ。宝貝との契約も出来るっていうし、そっちの手続きは、やっとくからさ」 そして叶花に視線を向ける。 「こっちは心配いらねぇから。ちゃんと叶花の面倒は――」 「大丈夫だよ、ママ」 和樹よりも一足早く、叶花は元気良く言った。 「パパのお世話は任せて!」 「叶花……」 安心させようとする叶花に、感極まったかのように、ぎゅ~っと抱きしめた。 そんな2人を見て、満足げに笑みを浮かべる和樹だった。 そして令花が、聞いていた場所に向かうと―― 「……メフィスト様?」 何故だかメフィストは縛られて地面に転がされていた。 「おーう、ヘルプミーでーす」 「なんで縛られてるんです?」 「逃げ出さないようにしている、らしい」 令花の疑問に応えたのは、1人の男性だった。 苦労が滲み出しているように痩せているが、眼光には力がある。 「あの、貴方は?」 男は気難しそうに眉を寄せると、静かに応えた。 「ディンス・レイカー。そちらにとっては、異世界人の1人だ」 「異世界の人なんですか!?」 令花は、驚きと共に興味津々に声を掛ける。 「私、桃山・令花って言います! メフィスト様と本部の連絡役と、向こうの世界とこちらの世界の協定に関する立案に関わらせていただくことになりました!」 「協定?」 「はい! 向こうの世界との余計な軋轢を無くすために――」 話していく内に、段々と難しい顔になるディンスに、令花は恐る恐る尋ねた。 「あの、なにか気になることでも、ありましたか?」 「……」 言葉を迷うような間を空けて、ディンスは応えた。 「こちらの世界はともかく、あちらの世界で協定を結べるような、世界を代表する機関があったかと思っただけだ」 「だから学園生に関わって貰うんですよー」 にょいっと、縛られたままのメフィストが立ちあがり、会話に加わる。 「各国やー各種族ー、それにさまざまな部族とも関わりのある学園ならー、連絡役としても良いでしょー。それを見越してー、貴方も私に提案したんじゃないのですかー」 「……そうだ」 何やら2人だけで会話しているので、事情を知らない令花は尋ねる。 「あの、学園って、なんでしょう? どこかの政府機関に所属している場所なんでしょうか?」 「勇者を育てるための学校ですよー」 「勇者?」 思わず聞き返すと、メフィストが説明してくれる。 「向こうの世界にはー、魔王ってのがいたのでーす。それを倒して封印したのがー、勇者なのでーす。そんな勇者を、育てていこうというのがー、魔法学園フトゥールム・スクエアなのでーす」 話を聞いていると、最初はギルドとして設立されたらしいが、それがある人物により学校として運営されるようになったとのこと。 「凄いんですね、メメルさんって方は」 話を聞いて、令花は目を輝かせる。 すると、ディンスは苦々しい声で言った。 「凄い? 確かに力は認めるが、あの日和見主義ではな」 (……なにか、あったのかしら?) 何やら因縁がありそうなディンスに、令花が事情を聞けないでいると―― 「この人ー、年甲斐もなくー、不良学生になっちゃったのでーす」 「誰がだー!」 「不良学生?」 令花が聞き返すとメフィストは説明した。 「この人も学園生だったみたいなのですがー、メメたん学長じゃ世界を救えないからボクが救うー、的なノリでテロしてー、異世界を繋げることのできる手鏡を使おうとしてー、返り討ちにされてこっちの世界に来ちゃったのでーす」 「そうなんですか?」 「……そうだ」 苦虫を噛み潰すような顔になるディンスにお構いなしにメフィストは続ける。 「それでこっちの世界に、死に掛けで来てー、そのまま放置する訳にもいかないのでー、ノーデンに仕事丸投げされた私が拾ったのでーす」 ノーデンは煉界の管理神だが、基本死んだ後に天界と地獄に行く魂の振り分けが仕事だ。 他はする気が無いようで、その分の仕事がメフィストに回ってきたようだ。 「……分かりました。ならなおのこと、向こうの世界と、学園のことを教えて下さい」 メフィスト達の話を聞いた令花は、気合を入れて言った。 「きっと向こうの世界は、いま大変なんだと思います。だから私達で力になれることがあれば、力を貸したいです。そのためにも、詳しい情報を教えて下さい」 令花の真摯な態度にディンスは思う所があったのか、学園について詳しいことを話してくれる。 それを聞けば聞くほど、令花は目を輝かせた。 「もっと聞かせて貰えませんか」 令花が、身を乗り出すような勢いで訊くのには理由がある。 それは、いま彼女が書いている小説と異世界の学園の話が似ていたからだ。 (こんなことって――) 彼女が書いている長編『僕たち勇者候補生~ヒロイックハイスクール~』は、勇者を目指し学校生活を送る主人公の少年の物語。 今は2年生の中盤、魔王復活をもくろむ複数の勢力襲来や学園を守護する世界樹の危機を多方面作戦で乗り越えるという山場を書いていた。 それとリンクしているかのような話に、物書きとして心が躍る。 そんな令花に、メフィストは言った。 「向こうの世界の光景、見てみたいですかー?」 「見れるんですか!?」 「この人とー、向こうの世界の繋がりがありますからねー。そこから手繰り寄せる形で見れますよー」 そう言うと異世界、魔法学園フトゥールム・スクエアの光景を周囲に映し出した。 そこには幾つもの種族と、学生服に身を包んだ人々の姿が。その中に―― (――っ! 嘘っ!) 令花は、自分の物語の主人公の姿を見た。 それは自分の想像の中にしか居ない筈の少年。 けれど彼は生きて、学園生として成長しようとしていた。 (どうにかして話をして小説のネタに! あ~ダメダメ私には任務が!) 物書きと、そして教団員としての板挟みに葛藤しながらも、任務を第一に考える。 (それが一番、良いことだから) いつか向こうの世界と出会えるために。 「頑張りましょう! メフィスト様! ディンスさん!」 気合を入れる令花に、ディンスは驚き、メフィストは笑顔で返す。 「その調子でーす。頑張りましょー」 「はい! 頑張ります!」 きっとその頑張りが、好き明日へと繋がるだろう。 そう思える、令花の一日だった。
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*** 活躍者 *** |