~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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ラスがおでかけするみたい いいなー!あたしも今度またお出かけしようっと!あの子まだこの辺にいるのかなー? 以下ラス視点 息抜きにたまには外へ出ろと言われて この間オープンしたてのカフェへ、人の多さに相席を提案される 相席?あぁ、オレは大丈夫 対面には一人の少女、観光で来たらしい この辺りは初めてか?オレは…息抜きに 最近、色々と仕事が…増えてはないんだが、ちょっと忙しくなりそうな気配で… 平和なのが一番だがな……(ため息) ふと少女の指に目がいき、指輪に見覚え つかぬ事を聞くけど、その指輪はどこで? オレの相方がよく似たものを持っててだな ……もしかして、オレと目の色が逆の赤髪の女と会わなかったか? |
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~ リザルトノベル ~ |
●第三章 運命の出会い、再び 「ん~、やっと終わったー」 晴れ晴れとした声で背伸びをする『ラニ・シェルロワ』に、『ラス・シェルレイ』は苦笑しながら同意する。 「大した組織じゃなかったけど、手間が掛かったからな」 「そうよねー」 うんうんと、ラニが頷く。 2人は指令で、とある小規模組織を調べることになったのだが、それは終焉の夜明け団の元構成員で作られた組織だった。 それゆえ細心の注意を払って調べていたのだが、やっている事といえば小さな詐欺めいたことばかり。 だというのに能力だけはやたらと高く、追い詰めて捕まえるのに時間と手間を取られたのだ。 「面倒だったけど、これで後はお休みだー」 「まだだ」 「え、なんで?」 「調書が残ってるだろ?」 「う~、書類仕事するぐらいなら、身体動かしてた方が気楽で良いのに」 「そう言うなって」 「やる気が出ない」 「……仕事終わりにご褒美出すから、やる気出せ」 「え、ほんとに? なになに?」 「それは、あれだ。昼飯奢ってやるから、やる気出せ」 「んー、なら、リュミエールストリート行ってみる? この前行った時、良い所見つけたの」 そう言いながら、普段武器を持つ利き手ではない左手に嵌めている指輪を見て、嬉しそうに笑みを浮かべる。 「その指輪、お気に入りなんだな」 「うん。あ、ラスも、ちゃんとつけてる?」 「身に着けてるよ、ちゃんと」 そう言って、服の下に収めていた、ネックレスに通した指輪を見せる。 それは少し前、ラニに貰った指輪だ。 詳細は聞いていないが、誰かから貰ったらしい。 出会いの想い出をお裾分けするようなラニに、苦笑しながらも受け取ったラスは、戦闘の際に支障が出ないよう、ネックレスにして身に着けていた。 「さて、それじゃ書類仕事、頑張りますか」 ラニが気合を入れるように言った時だった―― 「あ、居た居た」 魔女であるセパルが声を掛けて来る。 「セパルさん?」 ラスが、何の用事かと視線を向けると、セパルが説明する。 「ラスくん、規定の定期休暇取ってないでしょ? ヨセフくんが気にしてたよ。というわけで、キミ今日はもう仕事お休みね。折角だから、どっか行って来たら?」 これに声を上げたのは、ラニだった。 「いいなー! あたしも行きたーい」 「……なら早く調書を終わらせて――」 「冗談。ダメよ、ラス」 ラニは、茶目っ気を込めた声で言った。 「仕事ばっかりじゃ、息が詰まるわよ」 「……そうか?」 「そうよ。良いから、行って来なさいって。そうだ。どうせなら、仕事が終わった後のご褒美に連れて行ってくれるお店を探して来て」 「ご褒美のことは、忘れてないんだな」 「もっちろん。楽しみにしてるからね、ラス」 「……分かったよ」 苦笑するラスに、2人の様子を微笑ましげに見ていたセパルが言った。 「良いんじゃない、行っておいでよ。ひょっとしたら、思いがけない出会いがあるかもしれないからね」 そう言って、教団の出入口を、少しだけ見詰めた。 2人に勧められ、ラスは休暇を受け入れる。 「分かった。それじゃ、行って来る」 教団の出入り口に向かうラスをラニは見送ると、ご褒美を楽しみに書類仕事に向かう。 「さて、書類仕事しますか……でも、やっぱりいいなー、ラス。あたしも今度またお出かけしようっと!」 そして思い浮かぶのは、少し前に、とある少女と見て回ったリュミエールストリートでの想い出。 (あの子まだこの辺にいるのかなー?) 神ならぬラニは知らなかった。 ラニの思い浮かべる『あの子』が、割とすぐ近くにいたことを。 (にいさまだ!) 教団の出入り口で待っていたベルヴァは、1人で教団から出てきたラスを見つけ、ぱぁっと表情を明るくする。 ちなみに、認識阻害の魔術を掛けているので『周囲には』気付かれていない。 (にいさま、どこに行くんだろう?) のんびりとした足取りで進むラニのあとを、ベルヴァは連いて行く。 (周りに余計な人間は居ないし、ここで話をして……でも、それだとすぐ終わっちゃうし) はやる心を抑えながら、ベルヴァはラニを見詰めながら連いて行く。 彼女が教団の出入り口でラスを待っていたのは、忠告するため。 ある情報を手に入れ、知らせておかねばと思ったのだ。 もっともそれならば、教団内部に侵入するという手もあったが、今回はそれをしていない。 なぜなら前回侵入し、ミステリアスな雰囲気を出して去って行ったあとで、また何事も無かったかのように再度訪れるというのは、色々と心に引っかかる。 人はそれを、気まずい、と呼ぶのだが、ベルヴァとしては違うと思っている。 (折角、資料まで渡して救世会を潰すチャンスを与えてあげたというのに、何も出来てない。ねえさまとにいさまの所属している組織だから期待してあげたのに。無能な場所に何度も助言を与えてあげるほど、ワタシは情け深くは無いです) ベルヴァの考えを言葉にすると、こんな感じである。 とはいえ、教団はどうでもいいが、ラニとラスのことは大切なベルヴァは、忠告しておきたいと思っていた。 しかし教団内部に侵入するのはためらっていたので、出入り口でわざわざ待って、ラスが出てきたので、にこにこ笑顔で後に連いて来ているというわけである。 もちろん認識阻害魔術で、周囲には気付かれないようにしながら。 そうとは知らないラスは、リュミエールストリートにやって来ると、ラニの仕事明けのご褒美に連れて行く場所を探していく。 「どこが良いかな?」 (同じ行くなら、目新しい所が良いか?) 探していると、オープンしたばかりらしいカフェを見つける。 人の入りも良く、外から見ていても、お客さんが笑顔なのが印象的だ。 「ここにするか」 店員に案内され、店に入る。 落ち着いた内装と、何らかの魔術による物か、静かな音楽が流れている。 人の入りは多いが、席を広く取っているので、ゆったりとした雰囲気に浸れるカフェだった。 (さて、何にするかな?) メニューを広げて見ていると―― 「お客さま、申し訳ありません」 店員に呼び掛けられる。 「店内大変込み合っておりまして、相席をお願いしてもよろしいでしょうか?」 「相席? あぁ、オレは大丈夫」 ラスが同意すると、店員と入れ替わるようにして、1人の少女が前の席に座る。 その少女は、可愛らしいのだが、何故だか印象に残らない少女だった。 特徴を覚えることが出来ないかのような、微妙な違和感を纏っている。 だがラスは、その違和感に気付けずメニューを見ていると、自分に向けられた視線に気づく。 それは相席した少女の物だった。 「? あ、すまない。メニュー、見るか?」 手にしていたメニューを渡すと、少女は笑顔で受け取り、しばらくメニューを見詰めたあと、再びラスに視線を向ける。 ラスが不思議に思っていると、少女は言った。 「あの、どれが良いか、教えて貰っても良いですか?」 「?」 「その、このお店に来るの初めてで」 「ああ、そういうことか。いや、オレも初めてなんだ。新しくオープンした店らしいんだけど――」 「そうなんですか? やっぱり、人の多い所はお店が次々出来るんですね」 「この辺りに来るのは初めてか?」 「はい。というより、リュミエールストリートに来るのも初めてで。今日は、観光に来たんです。にいさまは、よく来られるんですか?」 (にいさま?) 呼ばれ方に違和感を覚えるも、それを言及する気は起きない。 まるで、警戒すること自体が出来なくなっているかのようだったが、ラスは気付かぬまま少女とのお喋りを重ねる。 「オレは……息抜きに」 「忙しいんですね」 感心と心配が入り混じったような声で少女は返す。 それにラスは、苦笑するように応えた。 「最近、色々と仕事が……増えてはないんだが、ちょっと忙しくなりそうな気配で……」 最終決戦が終ったあとも、人の本質が変わることはない。 ラスやラニと関わりのある救世会の動きも頻発している。 「平和なのが一番だがな……」 思わずため息をついてしまうと、少女はメニューを差し出して言った。 「疲れた時には、甘いものが良いです。甘いもの食べましょう」 世話を焼いてくれるように言う少女に、ラスはラニを思わず思い浮かべる。 (似てる、のかな?) 見た目はそうでもない筈なのだが、何となく、そんな気持ちになる。 「そうだな。せっかく来たんだし、甘い物でも――」 そう言ってメニューを受け取ろうとした時だった。 少女の指に嵌められた、ひとつの指輪に気付く。 「つかぬ事を聞くけど、その指輪はどこで?」 見覚えのある指輪に尋ねると、少女はラスの顔をじっと見つめたあと、今までとは違う薄い笑みを浮かべ言った。 「気になりますか?」 「オレの相方がよく似たものを持っててだな」 それは間違いなく、ラニが指に嵌め、ラスがネックレスとして身に着けている物と同じ指輪だった。 「……もしかして、オレと目の色が逆の赤髪の女と会わなかったか?」 問い掛けをはぐらかすようなら、今も身に着けているネックレスの指輪を見せようかと思ったが、その必要は無かった。 「にいさまはよく見てるんですね」 少女――ベルヴァは、憧憬するような眼差しを見せながら、零れるように小さく呟く。 「二人の絆が羨ましいなぁ」 その呟きと同時に、認識阻害魔術が解除された。 途端、一気に押し寄せてくる違和感に、ラスは警戒する。 「アンタ、いやお前……ッ」 周囲のお客さんのことを考え、声を潜めながら続ける。 「何が目的だ?」 「お話したかったのと、忠告です」 「忠告?」 「よろしいですか、にいさま。救世会のことは、にいさまとねえさまは、あんまり関わらないでくださいね」 「どういうことだ!?」 「ワタシ達には、すべて些事ですから」 微笑むベルヴァに、ラスは眉を顰める。 「……お前は何を知っている」 応えるベルヴァは微笑みを崩さない。 「知らなくていいこと、たくさんあります。それにほら、知っちゃったら――」 視線を合わせ、微笑みを消し、警告を口にした。 「―――あの狂人がまた来ますよ」 「は?」 ラニは聞き返そうとするが、それより早く、ベルヴァは笑顔を浮かべ言った。 「にいさま、今度はねえさまと、ご飯食べましょうね」 ――おやつでもいいですよ。 そう言いながら、何かしらの魔術を発動したのか、ベルヴァは姿を消した。 「あぁくそ、何なんだ……!」 混乱するように、呟く事しか出来ないラスであった。 その様子を離れた場所から、『死神』が見ていた。 「……」 気取られないよう、幾つもの中継点を繋いだ遠距離視認魔術で、ラスとベルヴァの様子を見詰めていた死神たる男、レインは、無言のまま目を細める。 そこに、一羽の小鳥が近付き、レインは視線を向けることさえなく掴み獲ると、一気に握り潰す。 潰したあとには、魔術で作られた小鳥が変化した手紙がひとつ。 中身を確認してレインは、つまらなそうに言った。 「心配せずとも依頼は果たす」 そして笑みを浮かべると、教え子に告げるように呟いた。 「いずれ再会する。待っていろ、ラス」 幾つもの思惑が絡み合う中、不穏な気配は高まっていくのだった。
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*** 活躍者 *** |