~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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襲撃の知らせを受けて急遽本部へ また!?しかも前よりひどいって…! 一瞬ラスが戸惑う素振りを見せたことを訝しむも戦場へ ねぇ、何か前より激しくない? 油断はしていない、だけど何だかじわじわ削られてるような 一瞬の思考の間に魔術で分断され ラス!あとで合流! 数が多いし、何か勢いも強いような…? 何故睨まれなければならないのか 考えてる内に敵が倒れ 誰…ってベルちゃん?危ないわよこんなとこで! 微笑む彼女、本当は分かってるのでしょうと告げられる 目を背けただけ、知ってる。でもどうして? なんであたし達なの? 「アナタたちが神を殺したから」 ……違う、あれは皆の力だった ベルちゃん、もうやめましょ |
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~ リザルトノベル ~ |
第四章 襲撃 その日、平穏は壊された。 「襲撃……!」 「また!? しかも前よりひどいって……!」 休日、平穏な日々を過ごしていた『ラス・シェルレイ』と『ラニ・シェルロワ』は、緊急の知らせを受け教団本部に駆けつけていた。 「場所は?」 「被害どれくらい? 相手誰?」 矢継ぎ早に尋ねるラスとラニに教団員は答えた。 「場所は市街地です。犯行グループは、救世会を名乗っています」 「また救世会なの!?」 うんざりするようにラニは声を上げる。 だが隣りで聞いていたラスの反応は違った。 (救世会……襲撃……まさか彼女が言ってたのは……なら、何故知ってる?) ラスの脳裏に浮かぶのは1人の少女。 彼女は、ラスだけでなくラニの事すら知っていることを示唆し、救世会との関わりをほのめかした。 警戒するべき相手。けれど―― 「にいさま、今度はねえさまと、ご飯食べましょうね」 信頼するような笑顔を浮かべ、ねだるように願った彼女のことを、ラスは敵だとは思えなかった。そんな彼に―― 「ラス?」 どこか訝しそうにラニが呼び掛ける。 「どうかした?」 「……いや、大丈夫だ。それより、現地に向かおう」 強引に話を逸らすラスをラニは気にしつつも、事態は予断を許さない。 今ここで余計な時間を取れば、犠牲が増えていくのだ。だからこそ―― 「分かった。行きましょう、ラス」 ラニはラスと共に現場に向かう。 魔女達が作り出した、現場へと転移する門を通り、そこで目に跳び込んで来たものは―― 「なによ、これ」 憤りをラニは飲み込む。 至る所が破壊され、血を流し倒れる者が数多い。 その光景に、ラスは一瞬息を飲むが、すぐに浄化師として動き出す。 「行くぞ、ラニ」 「ええ、もちろんよ」 2人は手と手を重ね、魔術真名を解放。 「叫びよ、天堕とす憎歌となれ」 出し惜しみはしない。 状況を掴む必要があるかもしれないが、今は目の前で傷付けられている人達を助ける方が先だ。 「前に出る。ラニは要救助者の避難を」 「任せなさい」 短く言葉を交わすだけで意図を読み合った2人は、流れるようなコンビネーションで動く。 (まずは切り離す) ラスは、魔術を放とうとしている襲撃者の間合いを一瞬で詰める。 襲撃者は気付くも、ラスの動きの方が早い。 大斧の腹で殴り飛ばす。 肋骨が砕かれた襲撃者は、一瞬で戦闘不能にされた。 「貴様ら!」 襲撃者の仲間が気付き魔術を放って来るが、それをラスは大斧で弾くと、最初の1人と同じように戦闘不能にしていく。 そうしてラスが襲撃者を倒してくれている間に、ラニは親子連れを逃がす。 「今の内に逃げて。大丈夫、あっちに行けば守ってくれるから」 避難経路を伝え、礼を言いながら走り出す親子を守るようにラニは動く。 「掛かって来なさい!」 襲撃者を引き付け、要救助者が避難したことを確認してから、ラスと協力して本格的に敵を倒していった。 「これで――お終い!」 片手剣の柄尻で襲撃者の顎を打ち抜き気絶させたラニは、周囲を確認する。 「ここは、これで大丈夫みたいね」 「ああ、だが他にも――」 ラスが言いかけた瞬間―― ドンッ! 重い爆発音が響き、そちらに視線を向ければ巨大な炎の柱が上がっていた。 「なにあれ魔術!?」 「分からん。だが只事じゃない、行くぞ」 2人はすぐに走り出すが、そこに更なる襲撃者達が向かって来る。 「なんなのよ!」 「数が多い、気を抜くな!」 2人は、お互いの死角をカバーするようにして戦いながら先へと進む。 幾度となく戦場を潜り抜けた2人にとって、敵の襲撃は苛烈だが対処が出来ないほどではない。 だがそれでも、次から次に現れてくる襲撃者達に、何か嫌な物を感じずにはおれなかった。 「ねぇ、何か前より激しくない?」 「……あぁ」 襲い掛かってくる敵が途切れた所で、一息つくように話しかけてきたラニに、ラスは同意する。 「前にも同じようなことはあったけど、ここまでじゃなかった」 「そうよね。それになんだか手際も良いような気がするし……準備してたか、手引きした奴でもいるんじゃない?」 (手引きした?) ラニの言葉に、ラスの脳裏に浮かぶのは1人の少女。 (……分からない。そういうことをするようには見えなかった……それとも――) 「―――あの狂人がまた来ますよ」 「――っ!」 沸き立つ恐怖に、思わずラスは息を飲む。 それは心の底の底にまで刻まれた、『死神』への恐怖。 「ラス!?」 動揺するラスに気付いたラニが声を掛けた瞬間だった。 2人に向け、無数の魔力弾が撃ち込まれる。 「ラス!」 「大丈夫だ! 怪我は無い!」 反射的に2人は跳び退くように回避するが、そのせいで離れてしまう。 それを見計らったように、新たな襲撃者達が向かって来た。 (どういうことだ?) 襲撃者達の目を見て、ラスは確信する。 それは朧げな敵意では無く、明確な殺意。 ラスをラスだと意識した上で、殺そうとしているのが伝わって来た。 (何故だ?) 殺意を向けられラニと分断されながら、ラスは冷静に考える。 (ここまであからさまに憎悪を向けられれば、否が応でも分かる。俺を殺すために、こいつらはここにいる) 一瞬視線をラニに向ければ、そちらも同様だった。 (俺だけじゃない。ラニにも同じように殺意を向けている。なら俺とラニの共通点があるということ、それは――) 襲撃者達を打ち倒しながら、ラスは『答え』に辿り着く。 (まさか、レプリカントが関係してる?) そう思った瞬間だった。 「それでいい」 「――!!」 忘れようのない、聞き覚えのある声に、反射的に視線を向ける。 それは、辛うじて視認できるほど離れた場所にいた。 (師匠) 幼い記憶と変わらない、死神の――レインの姿があった。 魂を鷲掴みにされるような衝撃が走るが、それをラスは振り払う。 (震えるな、大丈夫) 今するべき事は、怯え振るえる事なんかじゃない。 (ラニと合流しなきゃいけない) 成すべき事を、成し遂げるために。 ラスは恐怖を飲み込み戦闘に集中する。 それが死神を歓喜させた。 「そうだ。それでいい」 静かな、だが壊れた笑みを浮かべ、満足げにレインは場を離れる。 「いずれ、また。ラス」 再会を誓い、ラス達の邪魔になるモノを排除に動いた。 そうとは知らないラスは、ラニと合流するべく、襲撃者達を撃退しながら駆け続ける。 (ラニ、すぐに行くからな) 全力で駆けるラスに合流するべく、ラニも動いていた。 (何で睨んでくるのよ) 襲撃者達の攻撃を捌きながら、彼らの視線がラニに突き刺さる。 (思い当たる節は無い――わけじゃないけど、だからっていい迷惑よ) ラニは、どこか普段と変わらぬ様子で、襲撃者達を倒していく。 彼女は疑問はあるも、だからといってそれに囚われる気は無かった。 (とっととラスと合流して、有給でも取って遊びに行くんだから) 前を向いて戦う彼女に、襲撃者達は苛立たしそうに声を張り上げた。 「貴様っ!」 「罪人が!」 「神の手によらぬ人造物の分際で!」 それは呪いの言葉。 ラニを汚し堕とそうとする怨嗟が込められている。 (ああ、やっぱり) 彼らの呪いの言葉に、ラニは納得する。それでも―― (だからなんだっていうのよ) そんな物は知らぬとばかりに、ラニは戦う。それは―― (ラスと合流しなきゃ!) 勝手に憎悪をぶつけるどこかの誰かなんて、ラスと一緒にいる事と比べれば些事でしかない。 「邪魔よ、どいて」 切り捨てるようなラニの言葉に、襲撃者達が激昂した瞬間―― 「さすが、ねえさまです」 嬉しそうな少女の声が聞こえて来たかと思うと、無数の魔力の刃が襲撃者達を切り捨てた。 「誰……ってベルちゃん? 危ないわよこんなとこで!」 「嬉しい。気に掛けてくれるんですね、ねえさま」 場違いなほど晴れがましい笑顔を浮かべ少女は――ベルヴァは、ラニに言った。 「こいつら、全部潰しちゃいますね、ねえさま」 そう言うと同時に、襲撃者達は高重力に囚われ地面に倒れ伏す。 「ベルちゃん何してるの! 死んじゃうわよ!」 「構わないです。こいつら、ねえさまとにいさまを殺そうとしてるんですから」 「なに言ってるの。だからってこんなことしてたら居場所が無くなっちゃうわよ」 「だったらこんな世界捨てて、にいさまと一緒に他の世界に行きましょう」 ベルヴァは夢見るように言った。 「知ってますよ、ワタシ。異世界と今繋がりを作ってるんでしょ? いきましょう! こんなツマラナイ世界よりも、もっと先に!」 (なんで、そんなこと知ってるの) 訝しむラニ。 それを邪悪の化身が離れた場所で見ていた。 「子供は素直で良いですねぇ。実に都合よく転げてくれる」 ソレは魔術で全体の状況を確認しながら楽しそうに言った。 「さてさて、どう踊らせましょう」 ほくそ笑んだ瞬間、胸を黒剣で貫かれた。 「おやおや」 おどけた声を上げながら、胸を貫かれたまま黒剣で持ち上げられ、頭を砕く勢いで叩きつけられる。だというのに―― 「誰の差し金です? 救世会? それとも、私以外の『私』ですかね?」 身体を元に戻しながら笑う邪悪の化身。 「煩い。死ね」 「貴方会話しないタイプですねぇ」 容赦なく殺しに来るレインに、身体を変形させながら応戦する邪悪の化身だった。 至る所で戦いが繰り広げられる中、ラスはラニと合流する。 「ラニ! それに――」 ベルヴァが居ることに驚くラス。 「何でこんな所に」 「お2人を守るためです」 「……どういうことだ?」 「もう解ってる筈です。にいさまも、ねえさまも」 ベルヴァは地に伏した襲撃者に視線を向け言った。 それにラニが応える。 「そうね。目を背けただけ、知ってる。でもどうして?」 襲撃者達と視線を合わせ問い掛けた。 「なんであたし達なの?」 同じ問い掛けを、ラスも口にする。 「なぁ教えてくれ、本当にオレしか残ってないのか?」 怨嗟の視線を向ける襲撃者に、絞り出すように言った。 「他にだっていただろ!!」 ラニとラスの問い掛けに、応えは返ってきた。 「アナタたちが神を殺したから」 「お前達が神を殺したから」 ベルヴァと襲撃者達、その全ての応えを聞いて、ラニとラスは決意する。 「……違う、あれは皆の力だった」 ラニはベルヴァと視線を合わせ、伝える。 「生まれや生き方は関係ない。皆と力を合わせたから出来たことよ」 「……ねえさま?」 嘆くように声を上げるベルヴァに、ラニは彼女を引き寄せるように言った。 「ベルちゃん、もうやめましょ」 ラニが決意を口にするのと同じように、ラスも襲撃者達に意志を示す。 「違う、あれは仲間と成し遂げたことだ」 「罪から逃げる気か! 神殺しの大罪を知れ!」 「逃げる気は無いし、どの道逃げられないは分かってる」 ラスは過去を、レインも含めた因縁を意識し、宣言する様に言った。 「だから今は、あんたらの凶行は止めるけど、戦わない。それよりも大事な物がある」 ラスはラニに寄り添うように近付き、言った。 「俺も、俺達も、独りじゃない。だから皆の力で止める。あんたらも、あんたらをそそのかしてる誰かも、全部止める」 「解ってるじゃない、ラス」 握り拳を向けるラ二に、ラスは拳を合わせ―― 「行くぞ、ラニ」 「あったり前でしょ! ラス!」 ラニとラスは、2人で前へと踏み出すのだった。
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*** 活躍者 *** |