~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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そこまでです! 最初からエア王が狙いだったのですね 「ステラ!」「おうッ!」 蒼天の下に正義の花束を――! 加減できる相手ではありません、全力でいきます! (っ!?またあの能力……!) 今です、行きますよステラ!! 「はああああ!!!!」 「だああああ!!!!」 ……あなたがしたことへの報いは受けてもらいます でも、あの子供達の笑顔は本物でした。隣でステラを見ているのでよくわかります それを容易く奪えるほど、私達は傲慢にはなれません くっ……少し、失血しすぎましたか…… だ、大丈夫ですから室長……いえ ……ヨセフさん |
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~ リザルトノベル ~ |
「そこまでです!」 ルシファーを見据え、『タオ・リンファ』は言った。 「最初からエア王が狙いだったのですね」 「はっ、だったらどうした。今さらお前らが来たぐらいでどうにかなると思うな!」 ルシファーは黒翼の刃を広げ、槍のように鋭く尖らせた尻尾を向けながら威嚇する。 「お前ら全員ぶっ殺して、俺様の国を作ってやるよ!」 宣言するルシファーに、ヨセフが静かな声を掛けた。 「子供達のためにか?」 「はぁ?」 鼻で笑う様にルシファーは応える。 「見縊んじゃねぇぞ! 俺様は傲慢のルシファー! 誰がガキ共なんぞのためにこんなことするか! 俺様の思い通りにならねぇこの国がムカつくから奪ってやるだけだ!」 何者も顧みないと言わんばかりに、まさしく傲慢に言ってのける。 しかし傲慢さで言えば、この場にいる『王』も負けていなかった。 「教皇。今日の失態は貸しにする」 今にも殺し合おうという中で、エアはヨセフに言った。 「お前、なに勝手に喋って――」 噛み付くようにルシファーが止めようとするが、それより先にヨセフが応えた。 「エア。お前の意図が絡まない結果なら受け入れる。だが違う。全てでは無いが、今の状況になるように誘導したな」 「なに言ってんだ?」 不審な者を見るような視線を向ける『ステラ・ノーチェイン』の問い掛けに、ヨセフは皆に応えるように言った。 「ルシファーが狙っている、エアの『魔術通信の制御統制』は、マーデナクキスのマドールチェ全ての魔術通信を聞き、それをエアは同時に情報処理している」 元々が戦争の指揮個体のプロトタイプとして作られたエアは、魔術を併用することで無意識下で情報処理し、マーデナクキスという国限定ではあるが、リアルタイムに起っていることを知る事が出来るのだ。 「エアは、問えば答える魔法の鏡のようなものだ。それだけの性能を持っている。だからこそ、自分が狙われていることを知った上で、それを利用した。教皇である私に貸しを作らせるために」 「教皇。推論は正しくとも証拠にならない。貸しは貸しだ」 エアはヨセフの言葉を認めながら、自分の意見を押し付ける。 自分を無視して進む話に、ルシファーは激怒した。 「ふざけんな!」 エアの腕を貫こうと鋭い尻尾を伸ばす。 しかしネルが大鎌で弾いた。 「危ないです。殺されちゃったら、これでも王様ですから大変です」 にこにこ笑顔で言うネルに調子を崩されそうになりながらも、ルシファーは苛立たしそうに言った。 「調子に乗んな王様。全部掌の上のつもりか!」 「訂正を求める。その認識は、僕を買いかぶり過ぎ」 どこか生徒に教えるようにエアは言った。 「僕はマーデナクキスの動向を同時処理してるけど、優先度で意識化する物は分けている。僕の安全より重要なことがあったから、そちらに意識を取られ気付いたら手遅れだった。これは損失。でも利用も出来るから利用した。タイミングよく僕が程よく襲われた所で教皇達が間に合ったのは、それが理由」 自分が襲われるのが分かった時点で手遅れだったので、それを利用して教皇に貸しを作らせようとした。 そんな説明をするエアに、ルシファーは呆れたように言った。 「お前、それ自分の思い通りにしようとしてるってだけじゃねぇか。見た目ガキのくせに、どんだけ傲慢だよ」 「それが王というもの」 平然と応えたエアの言葉に、一瞬ルシファーは惚けたような表情になったが、すぐに大笑する。 「はっ! だったら俺様にピッタリじゃねぇか!」 「そうでないと困る」 「はぁ?」 訝しげに声を上げるルシファーに、エアは応えた。 「別に、貴女が僕よりも王に相応しいなら、なれば良い。むしろこの状況、教皇達が負ければ選択の余地は無い。貴女が勝てば、僕は貴女に従う。貴女が王になれ」 「……本気か?」 「本気。貴女の能力に抵抗した状態だと僕の性能が落ちる。それより貴女に協力した方が効率的と判断した。もちろん、貴女が教皇達に勝てたらの話」 「本気ですか!」 思わずリンファが問うと、エアとヨセフの応えが返ってくる。 「本気」 「リンファ。エアは、こういう奴だ」 「面白くなって来たじゃねぇか!」 事態を理解したルシファーが楽しげに言った。 「お前らを殺せたら俺様が王になれるってわけだ。こいつァちょうどいい、あとで殺しに行く手間が省ける上に、一挙両得じゃねぇか!」 殺意を漲らせ、ルシファーは標的を完全にリンファ達に合せる。 それを真正面から迎え撃つ。 「ステラ!」 「おうッ!」 蒼天の下に正義の花束を――! 最初から全力。 真名解放し、上乗せで黒炎も解放。 「加減できる相手ではありません、全力でいきます!」 リンファは重心を落とし、一気に加速。 呼吸ひとつで距離を詰め化蛇を振り抜く。 「はっ!」 迎え撃つルシファーは防御をしない。 右腕を、化蛇を振り払うように打ちつける。 当然右腕は切り飛ばされるが、衝撃で化蛇の軌道は逸らされ、体勢を崩されたリンファに、左腕の黒翼の刃が襲い掛かり―― 「させるか!」 距離を詰めたステラが戦鎚を叩きつけ粉砕。 2撃目を放とうとした所に、顔面目掛け伸びた尻尾が迎撃する。 「ステラ!」 これをリンファが弾く。 その隙にルシファーは後方に跳び退き、一瞬で両腕を再生させた。 紙一重の攻防。 それを後方で見極めていたヨセフは、自身の宝貝の能力を解放する。 「ネル。頼む」 「死なないようにして下さいね」 ネルと一言やりとりしたあと、口寄せ魔方陣で漆黒の長剣を召喚。 解号を口にする。 「因縁結べ、黒聖母(ブラックマリア)」 黒炎解放。 膨大な黒炎が長剣より吹き上がり、リンファとステラ、そしてネルを包み因果線を結んだ。 「なにしやがった!」 「答えるつもりは無い」 警戒するルシファーにヨセフも参戦。 リンファとステラの連携を邪魔しないよう支援に徹して攻撃してくる。 限られた閉所で遊び半分だった列車での交戦と違い本気を出すルシファーに、連携の強みを活かし攻撃を重ねるリンファ達。 一瞬たりとも止まることなく続く攻防は苛烈を極めた。 (こいつら――!) リンファ達の攻勢に、ルシファーは焦りを見せる。 超速再生がある以上、時間を掛ければ勝てるが、相手は捨て身に近い。 (負ける気はしねぇが、万が一がある。なら――) ルシファーは、リンファ達の攻撃をわざと受ける。 リンファの化蛇で胸を切り裂かれ動きが止まった所に、ステラの戦鎚を回避することなくあえて受け、その勢いに逆らわず吹っ飛ばされた。 (拙い!) ルシファーの意図を読んだリンファが即座に判断する。 (距離を取るために、わざと今の一撃を受けた。なら次の行動は――) リンファは、両耳を叩くかのような勢いで塞ぐ。 それを見てルシファーは勝ちを確信した。 (無駄だ、耳を塞いだくらいじゃ俺様の声は防げねェ) 『仲間を殺せ』 列車の時とは違い、殺意の高い命令で確実に操ろうとするルシファーは勝利を確信する。だが―― (なんだと!) リンファは正気のままルシファーに照準をつける。 「波濤に呑み干せ、化蛇!」 振り抜きと共に放たれた黒炎が、水流で象られた寅と化しルシファーを飲み込む。 (こいつ――!) 水の寅に翻弄されながら、ルシファーの視線はリンファに向く。 (耳を塞いだわけじゃない……自分の鼓膜を破ったのか!) 過信していたルシファーは水流で素速い動きを封じられ、リンファとステラが挟撃に走る。 「舐めんなあ!」 憤怒と共にルシファーは自らを捕える水の寅を黒翼の刃で切り裂く。 (上等だ) 迎撃するルシファー。 「ぶっ殺してやる!」 先行して踏み込んできたリンファに、ルシファーは黒翼の刃を振り―― 「なっ!!」 リンファが化蛇を持たない左腕を叩きつけ、刃の軌道を逸らした。 (こいつ、俺様と同じことを――) それはルシファーがリンファの刃を防いだ時と同じ方法。 だが超速再生できるルシファーと違い、リンファはただでは済まない。だというのに―― (迷いがねぇ!) 決死の覚悟のリンファの一撃。 それがルシファーの動揺を誘い、化蛇の刃を受けることに繋がる。 首を断つ一撃。 それに合わせるステラを止めようと、ルシファーは鋭い尻尾を伸ばすが―― (こいつもかよ!) 決死のステラは避けず耳を切り飛ばされながら、リンファに切り裂かれ宙を舞う首に戦鎚を叩きつける。 粉みじんに吹っ飛ばされたルシファーは、核である魔方陣が宿った喉だけになり―― 「エア! ネル!」 ヨセフの呼び掛けで瞬時に意図を理解した2人が動く。 「いきますよ」 「封印する」 ネルが喉をエアに向け蹴り飛ばし、エアは自身の人形を再召喚し、胸部を開く。 人形の内から無数の糸が跳び出すとルシファーの喉を包み込み、胸部へと取り込み封印した。 そしてヨセフが動く。 「室長、腕が!」 リンファと同じ個所の腕が斬り飛ばされ、ステラと同じ個所の耳が斬り飛ばされている。 「大丈夫だ」 ヨセフはリンファ達に言うと、同じように腕と耳が切り離されているネルに言った。 「繋げられるか?」 「もちろん」 アンデッドのネルは切断箇所を繋げ元に戻し、ヨセフやリンファ達も同じように戻った。 それがヨセフの宝貝、黒聖母の能力。 共有により味方の怪我を引き受け、同時に、癒されれば同じように回復する。 「無茶をするのは分かっていたからな」 ヨセフは苦笑しながらリンファに応え、人形に捕えられたルシファーの前に近付く。すると―― 『何で俺様を殺さねぇ』 人形からルシファーの問い掛けが聞こえてくる。 それにヨセフは応えた。 「子供達と会った。彼らからお前を奪っては、俺の教皇のポリシーに反する」 ヨセフが応えると、同じようにリンファも言った。 「……あなたがしたことへの報いは受けてもらいます。でも、あの子供達の笑顔は本物でした。隣でステラを見ているのでよくわかります。それを容易く奪えるほど、私達は傲慢にはなれません」 言いながらリンファは、よろめきそうになる。 「くっ……少し、失血しすぎましたか……」 それを支えるヨセフ。 「大丈夫か? リンファ」 心配するヨセフに、リンファは気丈に振る舞う。 「だ、大丈夫ですから室長……いえ」 安心させるような笑みを浮かべ、リンファは言った。 「……ヨセフさん」 安堵するように、微笑み返すヨセフだった。 2人の様子にルシファーは―― (耳、聞こえてねぇ筈なのに……それに教皇の野郎も、どう動くか判ってやがった) 言葉が無くとも通じ合っている2人に、ひとつの愛の形を知る。 それは否応も無く感じる敗北でもあった。 『ちくしょう……好きにしろ』 投げやりなルシファーに、エアが言った。 「分かった。なら貴女は僕が貰う」 「王にする気か?」 即座に理解したヨセフの問いにエアは応える。 「可能性のひとつ。彼女は僕よりも死ぬ可能性が低い。王として長い耐用年数が期待できる。国をより良く長く維持するのに効率が良い」 『はっ、人殺しだぞ俺様は』 「僕も同じ。教団から逃げ出す時も、王になってからも。貴女には罪を償うためにも、これから苦労して貰う」 『……好きに言ってろ、傲慢野郎』 腹立たしげに、同時にリンファとヨセフの輝きから逃れるように、悪態をつくルシファー。 それを寄り添うようにして見詰める、リンファとヨセフだった。
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*** 活躍者 *** |
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