~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
|
||||||||
ルシアが、なんだか焦ってる 今日もラギアに注意されていたし、何だか落ち着いていないわ この世界に来てから時間もそれなりに経つし、焦る気持ちも分かるけど… エフェメラも呼んでお茶会を開催 ルシア、今すごく焦っているでしょう それは元の世界に戻れないから?それだけじゃないでしょう あなた、とても責任感がある子だもの 良かったら話してほしいわ、ルシアが何を背負っているのか 話を聞き終え、エフェメラと共に慰め …全力を尽くすわ 事情を知れば納得した のんびりはしてられないのかもしれない それにしても、そんな話、彼女はどこで聞いたのかしら ……まさかね、ふと胸をよぎる嫌な予感 なんだか、仕組まれてるような 話し合いましょうか |
||||||||
~ リザルトノベル ~ |
(なにか、出来ることは無いのかしら……) 徐々に焦りを見せ始めるアプスルシアの力になれないかと、『シィラ・セレート』は思い悩んでいた。 (今日もラギアに注意されていたし、何だか落ち着いていないわ) この世界に訪れ馴染んだ頃から、戦闘訓練を教官であるラギアから受けているアプスルシアだが、最初の頃に見せていた精彩を無くしている。 (この世界に来てから時間もそれなりに経つし、焦る気持ちも分かるけど……) 少しでも技術を吸収しようと積極的に鍛錬に励んでいた彼女だが、今では他の事に気を取られているように見えた。 (ラギアも気にしてるみたいだし) 訓練中は冷然としたラギアだが、終わればそれとなくシィラに状況を伝え、力になれないかと気に掛けている。 (……年頃の娘を持った父親みたいよね) そんなことを思い、小さく笑みを浮かべる。 (リホちゃんは……まぁ、ああいう子だから、そういう悩みとは無縁だったのよね、ラギア) ラギアの弟子であり娘でもあるリホリィは、性格が色々とあっけらかんとしていることもあり、そうした機微にまつわる悩みとは無縁だったのだ。 (ラギアも気にしてるし……どうにかしたいわね) 色々と思い悩んだ結果―― 「というわけで、手伝ってください」 「何をなのだ!?」 シィラに頼まれ、挙動不審に返す大魔女『エフェメラ・トリキュミア』。 いつものことであるが、室内飼いのビビりな仔猫の如くおどおどしている。 「ルシアが思い悩んでいるなら、我も力になりたいとは思うが、我だぞ? 役に立つのか?」 「役に立ちます」 押し切るように応えるシィラ。 長い付き合いなので、いい加減扱い方には慣れている。 「みんなで一緒にお茶会をして、ルシアに悩みを話して貰おうと思います。エフェメラ様は、その場にいるだけで十分役に立ちます」 「そ、そうなのか?」 「はい。悩みは言葉にするだけで軽くなることもあるんです。でもそのためには、安心できる話し易い場を作らないと。だからエフェメラ様が必要なんです」 「ひ、必要か? 我?」 「要ります。絶対に一緒に来て下さい」 「う、うむ」 シィラの勢いに押し切られ、お茶会に参加することになったエフェメラ。 当然、直接連れて行くシィラ。 でないと、エフェメラはビビって逃げ出すのは分かり切っている。 (さて、探さないと) エフェメラを引っ張りながら、家神であるシィラは能力を使いアプスルシアの居場所を探す。 全開連盟本部の家神なので、同調している本部内であれば知覚することが出来るのだ。 そうして探していると―― (いた――って、リホちゃん?) アプスルシアに走り寄るリホリィに、シィラは気付いた。 その頃―― 「デートしよー♪」 いつもの如くいつものような勢いで、アプスルシアに抱き着こうとリホリィは駆け寄った。 何も考えてない能天気なように見えて、一応それなりにリホリィも考えている。 ここ最近、戦闘訓練に身が入らずラギアに注意を受けるアプスルシア(それでもリホリィより回数は少なかったが)を気に掛けているのだ。 だからといって結論がデートに行くというのが、リホリィらしい。 (楽しいことしたら気がまぎれるよね♪) 悪意はない。善意の塊である。本人にとっては。 それがアプスルシアにとってどうかという考えは、地平線の彼方にぶん投げているのでリホリィの意識の外だ。 「ルシア?」 応えが返ってこないので、覗き込むようにして顔を近付けるリホリィ。 (あれ?) 違和感を覚えるリホリィ。 ここ最近、悩むような表情を見せていたアプスルシアだが、今の彼女は惚けているように見える。 まるで、『現在(いま)では無いどこか』にいるかの如く、遠くを見ているかのような表情だった。 そんな彼女を見て―― (キスしちゃおっかな) おい、ちょっと待て。 と言いたくなるような衝動が浮かぶリホリィ。 実際、顔を近づけて―― 「――ぇ、きゃあっ!」 気付いたアプスルシアに悲鳴を上げながら突き飛ばされた。 「なにしようとしてる!?」 「キスしてあげようと思って」 「訳が分からんぞ!!」 「えー、スキンシップだよー」 「何を言ってるんだ貴女は!」 笑顔で追いかけ回すリホリィと、逃げるアプスルシア。 そこに仲裁に入る様に、リホリィの首根っこを掴むシィラ。 「うぎゅっ」 「止めなさい、リホちゃん」 「エフェメラ様っ」 たたたっと走り寄り、エフェメラに抱き着くアプスルシア。 当然、ビビって顔を強張らせるエフェメラであったが、アプスルシアのことを思い声を掛けた。 「皆で、その、お茶をせぬか?」 「お茶、ですか?」 思いがけずエフェメラに誘われ、驚きで目をぱちぱちさせるアプスルシア。 自分を見詰める彼女に色々と緊張しつつも、アプスルシアの悩みを軽くしてやりたくて、エフェメラは言った。 「シィラから聞いたのだ。何か、悩みがあるのではないか? 役に立つかは分からぬが、我達に話すだけでも、気が楽になるかもしれぬ。嫌か?」 「それは……そんなこと、ありません」 自分を気に掛けてくれるエフェメラに、アプスルシアは薄らと頬を上気させ、とても嬉しそうに応えた。 「話を聞いてくれますか?」 「うむ。我で良ければ」 「はーいはーい! 私も私もー!」 「はいはい。それじゃみんなでお茶会しましょう」 アプスルシアに跳び付こうとするリホリィの首根っこを掴みながら、シィラは皆でお茶会をすることにした。 心地よい香りが湯気と共に立ち上る。 「おいしー!」 「ありがとう。淹れたかいがあるわ」 屈託なく喜ぶリホリィに、シィラは眦を下げる。 和やかな空気が広がる中、シィラはアプスルシアに声を掛けた。 「話を聞いても、良い?」 「ああ。大丈夫、落ち着いた」 シィラの淹れてくれたお茶を飲んだアプスルシアは、言葉通り落ち着いた表情を見せる。 彼女の様子に、安堵するように目を細めた後、シィラは言った。 「ルシア、今すごく焦っているでしょう?」 「……」 言葉を返すことは出来ず、けれど頷くアプスルシアに、シィラは続けて言った。 「それは元の世界に戻れないから? それだけじゃないでしょう」 悩むように目を伏せるアプスルシアが話し易くなるよう、穏やかな声で呼びかける。 「あなた、とても責任感がある子だもの」 それは戦闘訓練だけでなく、様々なことを吸収し役立てようとしていることからも見てとれる。 「良かったら話してほしいわ、ルシアが何を背負っているのか」 「……」 アプスルシアは、考えを纏めるような間を空けて、口を開いた。 「私の故郷では、魔王という強大な存在がいました」 ぽつぽつと、噛み締めるように話をしていった。 「今は勇者たちの手で封印されましたが……残党がまだ、多く残っているんです」 思い出しているのか、一瞬遠い目をしたあと続ける。 「私達『ネルエス』は、海を守護する精霊を守るために在る。だから、私は彼らと戦わないといけない」 「焦っておるのか?」 心配するエフェメラに、アプスルシアは小さくかぶりを振って応える。 「……不安、なのだと思います。戻った時に、何もかも無くなってしまっていないかが」 「そんなに強い相手なの?」 今にも加勢しようとするかのような表情で尋ねるリホリィに、アプスルシアは力を抜くように小さく笑みを浮かべ応えた。 「それもある。けど、一番気になっているのは、向こうとこちらの時間の流れが違うことだ」 「時間の流れが、違う?」 違和感を感じたシィラが尋ねると、何故かシィラの様子に『気付けない』アプスルシアが返す。 「こちらの世界と向こうの世界は、異なる時間が流れていると聞きました。だから思うんです。戻れた時に平和ならまだいい、だけど魔王軍が復活していたら? 自分の一族が滅んでいたら? それが怖くて、不安なんです……」 アプスルシアの話を聞いて、皆は黙ってしまう。 それはアプスルシアに掛ける言葉を悩んでいるからでもあるが、どこか違和感を抱いているからでもある。 (魔王? 精霊?) エフェメラは、長い長い自身の記憶を掘り起こす。 (……どこかで聞いたような……だが欠けている。なんだ、この……意図的に生まれたような『空白』は) なんらかの魔法や能力による影響をエフェメラは考える。 しかし妙なことに警戒心が湧かない。 何故かそれが、『必要なこと』であるかのような、妙な確信があった。 (この『空白』は、今埋めるべきではない?) 大魔女としての冷静な部分は肯定しているが、アプスルシアを気に掛けるエフェメラとしては、彼女のことを思い問い掛けた。 「ルシア。こちらの世界に来る直前のことは、覚えておるか?」 「……」 思い出す間を空けて、アプスルシアは応えた。 「元々、海で残党と戦っていた時に――」 その時を思い出しているのか、表情が硬くなる。 「突然、海の中に……ひずみ? のようなものが現れて。私はその中に落ちてしまって」 (歪み……まさか……) アプスルシアの言葉に、エフェメラの脳裏で、鍵が開いていくような感覚が湧く。 「歪みと言ったが、その時に何か見慣れないものは見なかったか?」 「見慣れないもの……そういえば――」 エフェメラの言葉にアプスルシアは、はっとするような表情を見せ言った。 「――なんだか見慣れない敵がいたような……」 「見慣れない敵?」 「ああ」 シィラの言葉に頷きながら、アプスルシアは戦士としての顔を見せる。 「何かがいたんだ、もっと異質な何かが……」 今にも戦うために跳び出しそうな気配を見せ始めるアプスルシアに、シィラとエフェメラは宥めるように言葉を掛ける。 「落ち着いて。ルシアは1人じゃない。私達がいるわ」 「うむ。我も、力を貸す」 「……ああ、そうだな」 2人に宥められ、力を抜くアプスルシア。 そんな彼女に安堵しつつも、シィラは先を見据え言った。 「大丈夫……私達も、全力を尽くすわ」 シィラは、場合によっては全界連盟に力を借りることも考える。 (そういうことだったのね) アプスルシアの事情に納得しながら、どうするべきかを考える。 (のんびりはしてられないのかもしれない。ラギア達にも声を掛けて――) 対応するための算段を付けながら、同時に疑念も湧く。 (それにしても、そんな話、彼女はどこで聞いたのかしら) ふと胸をよぎる嫌な予感。 (なんだか、仕組まれてるような) 思わずエフェメラに視線を向けると、彼は頷くように目配せする。 (エフェメラ様も……なら) 「話し合いましょうか」 事態の打開を目指し、最善策を探し出そうとした。だが―― 緊急警報! 緊急警報! 対応各部は至急集まって下さい! 風雲急を告げる警報と共に、大きく動き出そうとしていた。
|
||||||||
*** 活躍者 *** |
|
|
|||||
|