~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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詳細はお任せします。 | ||||||||
~ リザルトノベル ~ |
「2人とも、傷は残ってなかったんだな?」 「はい」 「バッチリだぞ」 ヨセフの問い掛けに、『タオ・リンファ』と『ステラ・ノーチェイン』が応える。 「そうか。好かった」 安堵するように、ヨセフは小さく笑みを浮かべた。 いま3人が居るのは教団本部の、元室長室。 教皇となったヨセフだが、実質的には今までと変わらず教団本部で指揮を取っているため、変わらず利用している。 そこにリンファとステラの2人を呼んだのは、マーデナクキスでの戦闘で負った怪我の経過を聞くためだ。 「腕と耳が切り飛ばされていたからな。元通りになって好かった。ネルに改めて礼を言っておこう」 「室長、他人事みたいに」 嗜めるように言ったのはリンファ。 「怪我の酷さで言えば室長の方が……」 その時のことを思い出し、リンファは表情を硬くした。 マーデナクキスでホムンクルス、ルシファーとの戦闘を行ったのだが、その時の戦闘でリンファは腕を斬り飛ばされ、ステラは耳を切り裂かれた。 そしてヨセフは、腕と耳に同じ傷を受けることになったのだ。 あの時ヨセフは自身の宝貝『黒聖母』の能力を使い、リンファとステラ、そしてネルを自身と繋げ共有化した。 黒聖母の能力は『共感』なのだが、これは繋げた者同士で傷や回復を共有することが出来る。 本来は、味方のダメージをヨセフが引き受けることで、傷を減らすことを目的とした能力だが、あの時は回復に重きを置いて使用していた。 アンデッドであるネルと共有化することで、アンデッドの特殊能力である『肉体再生』が皆に起り、切断された肉体を繋げることが出来たのだ。 とはいえ万が一後遺症が残ることも考え、教団随一の医療技術を持ったナイチンゲールの診断を受け、リンファとステラは報告に来たというわけである。 「室長も、傷は残ってないんですね?」 心配するリンファに、ヨセフは応える。 「問題ない。私もナイチンゲールの診断を受けた。すぐに追い返されるぐらいには傷も残ってなかったようだ」 「だとしても……室長は教皇なんです。私達のような教団員とは立場が違います。もう傷を引き受けるような真似は――」 「リンファやステラが傷つく方が、私は嫌だ」 珍しく頑固な口調でヨセフは言った。 「これからも2人が傷つくなら、私は同じことをする。リンファ、君が私のことを気に掛けてくれるように、私もリンファやステラのことを大切な人だと思っている。だからこれからも、君達と共にいさせてくれ」 まっすぐに見つめながら言うヨセフに、リンファの肌は上気しそうになる。 (な、何を考えてるんですか私は) まるで『告白』されたかのような気持ちになってしまい、リンファが自分をたしなめようとしていると―― 「マーは、オレのマーなんだからな」 ステラが、ぎゅっとリンファの腕に抱き着いた。 「ステラ!? その、室長、これは……」 慌てるリンファと、警戒するような視線を向けるステラ。 2人の様子に、笑みを浮かべるヨセフ。 和やかな空気が流れる中、リンファはいつもの調子を取り戻そうと、浄化師としてヨセフに問い掛けた。 「室長、あのあとエア国王からは、何か申し出は無かったのですか?」 ルシファーの凶行を止めることの出来たリンファ達だが、エアは襲撃されたこと自体を教団側の不備とし、非公式で代償を払うことを求めていた。 「心配しなくても良い。あれも外交のひとつだ」 ヨセフは応える。 「どのみち、何らかの形でマーテナクキスには干渉したいと思っていた。エアも分かっていて、こちらが介入できる余地を作ってくれたようなものだ」 「介入……何か不穏な動きがあるのですか?」 「ある。マーデナクキスに限った事ではないがな」 ヨセフは説明する。 「マーデナクキスは各地の自治が過剰になり始めている。扱いを間違えれば独立戦争になりかねん。ルシファーをエアが確保したのも、そうした事に対応するためだろう。他の国でも――」 ヨセフは地図を広げ指し示しながら言った。 「アルフ聖樹森では、マーデナクキスから干渉を受けている節がある。サンディスタムは先王の配下達が動きを見せているし、アークソサエティ周辺では救世会の動きが活発だ。大華では複数の勢力の流入で混乱が起きかけているし、その余波でニホンも影響を受け隠密の派遣などをしているらしい。どこも不穏だ。だからこそ、連携を取れるようにする必要がある」 「……大変ですね」 どこか歯噛みするような気持ちでリンファは頷いた。 単純な戦闘ならともかく、政治も絡むより大きな流れに対応するには、リンファは何をどうすれば良いのか見当もつかない。 あまりにも大きなうねりに干渉するには、より大きな視点で世界を見なければならないだろうが、容易いことではない。 けれど、それでも―― 「室長」 リンファは、ヨセフのためにも何かがしたかった。 「私では微力でしょうが、出来ることは何でもします。どうか、室長の力にさせて下さい」 「ありがとう。ちょうど好かった」 「……え?」 苦笑するようなヨセフに、リンファが思わず聞き返すと、視線を合わせヨセフは頼んできた。 「今日、非公式に、各界の有力者が関わるパーティに出席する。そのパートナーとして、君を誘いたい」 「……え? ……ええっ!?」 驚き顔を赤くしながらリンファは言った。 「わ、私を……ぱ、パートナー……に、ですか」 「ああ。君が良いんだ。リンファ」 「――っ!」 熱を込めて言うヨセフに、リンファは声も上げられない。すると―― 「マーをとる気だな!」 ステラがリンファに抱き着きながら、ヨセフを警戒するように言った。 するとヨセフは、ステラを安心させるように返す。 「とる訳じゃない。パートナーになって欲しいんだ。ステラとリンファを引き離そうとは思わない。だから、ステラも一緒に来て欲しい」 「……パーティにか?」 「ああ。服装に関しては、こちらの伝手を使うから心配しなくても良い。それとパーティと言っても、あくまでも非公式の物だからな。そこまで格式を気を付けなくても良いから、好きに飲んだり食べたり出来る。色々と珍しくて美味しい物も出るから、それを楽しんでくれ」 「む~」 少しばかり心が揺れ動いたのか、ステラはリンファを見詰めながら言った。 「マーは、どうするんだ?」 これにリンファは、少し悩んだあと―― 「私でお役に立てるか分かりませんが、室長に恥をかかせないよう、精一杯頑張ります!」 これから決戦に出るかのような意気込みで応えた。 「好かった」 ヨセフは安堵するように苦笑すると―― 「なら、これから衣装を見に行こう。もう頼んであるんだ」 リンファとステラを誘い、大貴族であるバレンタイン家に訪れた。 「あ、あの、これ、背中が見えすぎじゃありませんか!?」 「大丈夫大丈夫、キミ筋肉付いててプロポーション良いから、映えるって」 試着したドレスの装いが気になるリンファに、セパルが応える。 「背中出すの嫌なら、胸元を広げるヤツにする?」 「い、いいです! その、そういうのじゃなくて、もっと大人しめのが……」 「え~、イブニングドレスだからこんなもんだって。特に今回のパーティみたいなのだと、これぐらいふつーふつー」 セパルはあっけらかんに言うと、ヨセフに言った。 「ヨセフくん、リンファちゃんのドレス姿、似合ってるでしょ?」 「ああ、綺麗だ」 「――っ!」 褒められて顔を真っ赤にするリンファと、苦笑するヨセフ。 2人を見て、セパルは言った。 「ドレスはこれで良いみたいだね。じゃ、あとは髪をセットして小物を選ぼう。ステラちゃんは、どういうのが良い?」 「マーと同じのが良いぞ!」 「オッケー。セレナ、用意してくれる?」 「ええ。ステラちゃん、それじゃこっちに来て。服を合わせるから」 「おう」 「女性陣はこれで良し。じゃ、ヨセフくんの着こなしは任せるよ、ウボー」 「ああ。教皇、ではこちらへ」 「頼む」 そうして着飾って、いざパーティ会場へ。 (うぅ……気後れしてしまいます) 会場は華やかだった。 格式ばった重苦しい雰囲気ではなく、適度に砕けた親しみ易い空気が流れている。 それに合わせて料理も立食で食べ易く、とても美味しい。 「マー、これ美味いぞ! 食べろ!」 「え、ええ」 受け取るも緊張で食欲が湧かない。 それはパーティの華やかさに当てられたのもあるが、参加者の様子を見て気後れした部分もある。 (このパーティ、カップル前提のものなんですね……) 恋人、あるいは夫婦といったパートナーが大半を占めている。 それに気付いて、胸の奥に疼くような感覚を覚えていると、会場に流れていた音楽が変わった。 どうやらダンスタイムに入ったらしい。すると―― 「リンファ。踊ってくれるか?」 「ぇ、あっ」 ヨセフに手を取られ、ダンスをする。 手を重ね、胸を高鳴らせながら一曲踊った。 それだけで体が熱くなり肌を赤らめていると、ヨセフに誘われる。 「外で、少し風に当たろう」 「――はい」 繋いだ手にドキドキしながら、少し人目から離れた場所に移動する。 そこで熱を冷ますように深呼吸して、リンファはヨセフに言った。 「今日のパーティ、私で、良かったんですか……」 「君と来たいから誘ったんだ」 「……で、でも、今日のパーティって……」 「恋人や夫婦が中心のパーティだ。だから、君を誘ったんだ」 ヨセフはリンファと向かい合い、視線を重ね告白する。 「リンファ」 「は、はい……」 「応えが遅くなって、すまなかった」 「……え」 それは、リンファからの告白への応え。 「あの時私は、すぐには応えられないと言った。だが、今ならはっきりと言える」 リンファの手を取りながら、ヨセフは言った。 「これからも傍に居て欲しい。結婚を前提に付き合ってくれ」 「……」 リンファは唇を震わせながら、すぐには応えられない。 代わりにどこか恐れるように言った。 「そんな……私、なんかで……」 「リンファが好いんだ。君に、傍に居て欲しい」 嘘偽りのない誠だと示すように、想いを告げた。だからこそ―― 「――はい」 消え入りそうな声で恥ずかしそうに、リンファは応えることが出来た。 リンファの応えに安堵したのか、ヨセフは小さく笑みを浮かべ、リンファと手を合せ指を絡める。 その感触に視線を上げたリンファにヨセフは顔を近づけ、恥ずかしそうに身体を強張らせるリンファ。 するとヨセフは、リンファの頬にキスをした。 「――ぁ」 肌が震えるような疼きを感じながら、リンファはヨセフと視線を合わせる。 求めるようなその視線に、ヨセフは嬉しそうに言った。 「かわいいな、リンファは」 「ぇ――ん……」 応えを口にするより早く、唇が重ねられる。 柔らかく重ね、熱が融け合うような間を空けて離れる。 「愛してるよ、リンファ」 「私も、です……ヨセフ」 ヨセフが腰に腕を回し引き寄せ、リンファはヨセフの首に腕を回し爪先立ちで少し背伸びしながら、2人は愛に応えるように、口づけを交わしたのだった。
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*** 活躍者 *** |
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