~ プロローグ ~ |
草木もゆる春。世界を股にかけ若者に大人気の旅の劇団「梟の眼(まなこ)団」が四年振りに教皇国家アークソサエティ「ブリテン」のエクリヴァン観劇場に帰ってくる。 |
~ 解説 ~ |
デートもののプロローグです。 |
~ ゲームマスターより ~ |
はじめまして! |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
|
||||||||
|
||||||||
【シャルローザ】 演劇のチケットですか?一緒に行かないかですか? えぇ、構いません、よ? (うーん…まだこの人の性格となかなか掴めてないんですよねぇ、掴みどころがないっておいうか) …ってこのチケット「梟の眼」のチケットじゃないですか!? とるの大変だったんじゃないですか? わー…嬉しいです。友達にも自慢で着ちゃいますよー。 しませんけど。 ラブロマンスをロメオさんとっていうのはなんだか不思議な感じです。 こういうの恋人さんとかと観た方がいいんじゃないですか? (恋人とかいるのかなこの人) 屋台もいろいろ出てますねーお礼に何か奢りますよー。 いえいえチケットとりにくかったでしょうから。 これでおあいこです。 |
||||||||
|
||||||||
【アーカシャ】 やぁ、ヴァン君。実は人気の演劇のチケットをとることが出来てね。 よかったら一緒に行かないかい? 演劇には興味がない?それならなおさら観てみるべきだよ。 百聞は一見に如かずだ …なんというか…こういうのは初めてでね…。 自分から誰を劇誘うのも初めてだし誰かと劇を観た経験も少ない。 私なりにね、君と仲良くなるにはどうしたらいいのか考えて…これがその結果だ。 とりあえず自分の好きなものを紹介しようと思ってね。 だから…ヴァン君が嫌だというのなら劇の上演に合わせて屋台もでている。 そっちで過ごすのもいい。 ただ、そちらは私は詳しくなくてね。上手くエスコートできるか自信がないんだ。 それでもよかったらどうかな? |
||||||||
|
||||||||
【目的】 慣れない祓魔人と喰人とで、花を扱う屋台で二人の時間を楽しく過ごしたい 【行動】 ・ミコト口調 「ポーポロの紅い薔薇」……か、悪くなかったな 隣(喰人)は、終盤で感動のあまり涙していたが。泣くようなものか──いや、確かに終盤の迫力は物凄いものがあった 周囲の賑やかさにも目を見張るものがあった アリアが舞台を見始める直前まで、あちこちをふらふらと…今もはぐれないか心配になる、が……──どこに行ったぁッ!! 探し回り、ブーケや花細工を売っている屋台でアリアを発見した 世話を焼かす…… 声を掛ければ、こちらの顔も見ずに『ポーポロの紅い薔薇』で見た1シーンだからと言って、アリアが笑顔で俺の胸に一輪の薔薇を飾った |
||||||||
|
||||||||
【目的】 傍から見たら親子に見えてもおかしくない 楽しく過ごす二人が見たいです! チッチ: せっかくのレンちゃんのデート! しかもレンちゃんが誘ってくれた!(きゃっきゃ) 思い出に残る素敵なデートにしたいな♪ レンジ: 昔から歌劇や舞台は好きだった。 「梟の眼団」は前回のチケットが取れなかったのでとても嬉しい。 「…楽しみだ」 【行動】 二人で花火や出店を楽しみながら舞台会場へ。 チ「うわぁ…凄い華やかで賑やかね!」 瞳をキラキラさせているチッチに レ「チッチ、あんまり動き回らないでくれよ」 とは言いつつ楽しそうなレンジ。 チ「じゃあ、はぐれないように!」 無邪気にレンジの掌を取るチッチ。 (親子に見えるだろうな)と思うレンジ。 |
||||||||
~ リザルトノベル ~ |
●シャルローザ・マリアージュ&ロメオ・オクタードの章 「え? 演劇のチケットですか? 一緒に行かないか、ですか?」 教団本部の廊下で不意にパートナーを組むロメオに呼び止められたシャルローザは、ロメオが差し出したチケットを見て驚きの表情で思わず聞き返した。アイスブルーの鮮やかな瞳を大きく開いて、ロメオの手からチケットを受け取った。 「あぁ、人気の公演のチケットが取れたんだが」 相変わらずあまり動きのない飄々とした表情でロメオが言う。 「えぇ、構いません、よ?」 シャルローザは少し複雑な表情で、目にかかる白い前髪を払う。感情が表に出ず、性格を掴みかねているロメオにいきなり誘われ面食らい、ロメオとチケットを交互に見やってシャルローザは思わず声をあげる。 「……ってこのチケット『梟の眼団』のチケットじゃないですか!? 取るの大変だったんじゃないですか?」 「色々とツテを使ってね。お嬢はこういうのが好きかと思って」 ロメオの方も、少しでも親交を深めたいと誘ってみたが胡散臭く思われているようで、金色の瞳を伏し目がちにする。 「わー……嬉しいです。友達にも自慢できちゃいますよー」 シャルローザは、青い瞳を少し上目使いにしてロメオを見る。誘いの真意が判らず色々と考える。私、子供扱いされてるのかな? 「一緒に行ってくれるのか、そりゃありがたいねぇ」 飄々とした動きの少ないロメオの表情が少しほころんだようにシャルローザは感じた。 公演当日、「梟の眼団」の白熱の演技は想像を絶するものだった。演目が「ポーポロの紅い薔薇」ということもあって客席はカップルで満員だった。 ロメオは右横の席で真剣に舞台を見るシャルローザを時折見やる。それなりに楽しんでくれているようなシャルローザの姿を見て少し満足感が押し寄せる。 (まぁ、話は感動的ではあるな。やっぱりシャルぐらいの女の子はこういうのが好きなのかねぇ) 舞台に向きなおったロメオの横顔を今度はシャルローザが覗き込む。 (なんかロメオさんとラブロマンスを見るなんて不思議だなぁ。こんなのって私じゃなくて恋人と見るもんなんじゃ? てか、ロメオさんって恋人いるの?) そんなことを考えていると、ロメオが向き直り、二人が不意に目を合わせる。 「あっ、ロ、ロメオさん。舞台もすごいですけど屋台とかもすごかったですね。チケット取るの大変だったでしょうから私、奢ります! これでおあいこですよ」 少し慌ててシャルローザが言う。 「お礼なんて気にしてもらわんでもいいのに。それじゃぁ、あの大きな綿アメを売っていた店にでも寄って帰るか? あれがシャルのお気に入りなのか?」 「えっ、ロメオさん見てたんですか?」 程なくして劇は幕となり、終演を知らせる花火が盛大に上がる。 ロメオの性格は相変わらず謎だけど、少なくとも見守ってくれているのかな、とは思うシャルローザだった。 ●アーカシャ・リリエンタール&ヴァン・グリムの章 酒場でパートナーのヴァンの姿を見つけたアーカシャはヴァンの隣の席に座った。一人酒に水を差されたヴァンの表情が一瞬曇ったが彼は顔をアーカシャの方に向けた。 「やぁ、ヴァン君。実は人気の演劇のチケットを取ることができてね。よかったら一緒に行かないかい?」 美しい銀髪と深い藍色の瞳を持つアーカシャは、魅力的だがどこか中性的な印象を与えるヴァンピール。彼女はパートナーだが、ヴァンはアーカシャが苦手だった。好き嫌い以前に、今まで自分の周りにいた女性の誰とも違っている彼女との接し方が判らないのだ。 「はぁ? 人気の演劇のチケット? 全くあんたは優雅なもんだな」 ヴァンはそう言ってアーカシャから目を逸らし、エールを一口飲む。狼のライカンロープである彼にとっては観劇など全く興味がなかった。 「言っとくが、俺は劇なんて詳しくないし、全く興味がないぞ」 「演劇に興味がない? それならなおさら観てみるべきだよ。百聞は一見にしかず、だ」 アーカシャが次の言葉を続けようとしたとき、ヴァンは常に毅然としている彼女の態度に一瞬、恥じらいのようなものを感じた。 「……なんというか……こういうのは初めてでね……。観劇はよく行くが、誰かと見に行ったりはしないのでね」 アーカシャは自分の顔の熱さで、赤面しているのがわかった。 「私なりにね、君と仲良くなる方法を考えて……とりあえず自分が好きなものを紹介しようと思ってね」 ヴァンはアーカシャの方に振り返り物憂い口調で応えた。 「俺と仲良くなりたいから誘ったって? で、劇の内容は?」 「あぁ、古典をリメイクした恋愛ものだよ」 ヴァンはテーブルに肘をつき頭を抱える。 「そういうのはもっとこう‥‥。あぁ、もういいよ。一緒に観ればいいんだろう? 」 「ただ……ヴァン君が嫌だと言うのなら上演に合わせて屋台も出ているから、そっちで食事でも。 ただ、そちらは私は詳しくなくてね。上手くエスコートできるか自信がないんだ。それでもよかったらどうかな?」 「エスコートっていうのは本来こっちが使う台詞じゃないか?」 ヴァンは呆れたようにアーカシャを見て呟いた。 「ほんとあんたは変わってる。今まで見たことないタイプの女だ」 上演当日のエクリヴァン観劇場は熱気に包まれていた。「梟の眼団」も大熱演で、演劇に親しむ機会など皆無のヴァンも思わず舞台に釘付けになった。ただ、横で自分流の「みどころ」を終始喋り続けるアーカシャには辟易していた。しかしヴァンにも、彼女が自分を楽しませようとする懸命さは感じられた。 やがて終演を告げる花火が大きな音を立てて上空に花開いた。 「ヴァン君、帰りに屋台で何か食べて行かないかい?」 アーカシャの誘いにヴァンは応える。 「あぁ、来るときにうまそうなヌードルスタンドを見たな……」 折角来たのだ。慌てて帰ることもない。軽い食事をする時間ぐらいはあるだろう。ただしその時間分、この変わり者と一緒にいるわけだけれど。 ●ミコト・カジョウ&アリア・ソラリユの章 四年ぶりの「梟の眼団」公演の開演を待つエクリヴァン観劇場は異様な熱気に包まれていた。特に今回はラブロマンスの金字塔「ポーポロの紅い薔薇」が演目とあって賑やかさに拍車をかけていた。 「ふぅ、ギリギリ間に合ったねぇ」 漆黒の髪を、今日は特別な紅い花が付いたリボンでポニーテールにまとめたアリアが、席につきながら隣のパートナーに声をかける。 「アリアがあちこちとウロウロするからではないか!」 口調は堅く厳しいが、表情にまるで動きがない、黒髪を独特なウルフカットにしたミコトが、まっすくアリアを見て言う。 「折角、早めに出て来たというのに」 「だって、屋台ってワクワクしない?」 そう応えるアリアに、ミコトはため息をついて視線を舞台の方に移した。 いよいよ開演を告げるトランペットが、観劇場中に響き渡った。程なくして役者たちが舞台に現れ、いよいよ不朽のラブロマンスの幕が開いた。 身分を超えた貴族の青年と城下町の針子の恋は苦難の連続。その度に深まる二人の愛を、「梟の眼団」の役者たちは情熱的に演じた。 (なるほど、悪くない) ミコトが演技に感嘆していると、物語は「泣き所」のひとつ、何もかも捨てて青年と針子が愛を誓い、互いの胸に薔薇の花を挿し合う場面に進んだ。ミコトはアリアが小さく鼻をすするような仕草をしているのに気づいた。 (なんだ、泣いているのか? いや、確かに素晴らしいが泣くようなものなのか……?) ミコトの視線を感じてアリアもミコトの方を向く。琥珀色の瞳に涙が溜まって照明の光を反射していた。なぜかミコトはその表情に、少し拗ねたようなところがあるのに気づいた。 (ミコトってば泣いてない! なんなの、いつも仏頂面しちゃって!) アリアはプイッと舞台の方に視線を戻した。 舞台の幕が降りると、アリアは無言で席を立ち、急に走り出した。 (少し一人で遊びに行っちゃえ! 無感動の墓守さんなんて、ちょっとは慌てさせればいいんだから!) 「おい、待て、アリア!」 ミコトはアリアを追い、行方をさがし始めた。 程なく、花のアレンジメントをする屋台前でアリアを見つけたミコトは声をかける。 「アリア、あまり世話を焼かさないでく……」 「私、お花って大好き。劇の中であったでしょ?」 アリアは一輪の薔薇を買い、劇中のシーンの再現でミコトの胸にそれを挿した。 「私はそこに穴があいてるからミコトに挿してあげるだけで楽しいの」 ミコトはそのアリアの顔を見て、みるみる自分の顔が火照っていくのを実感した。恥ずかしさで動転しミコトは手持ちのお金を無造作に花屋に渡すと、買えるだけの薔薇で花束を作らせて、くしゃくしゃな顔をしながらアリアの顔に花束を押し付けてそそくさと歩き出した。 「うぐっ。あ……りがと。恥ずかしがり屋の墓守さん!」 贈られた花束を抱えて、ポニーテールを揺らしながら、今度はアリアがミコトの後を追い始めた。 ●チッチ・アマレルラ&レンジ・クロダの章 教団のエクソシスト詰所に続く廊下でレンジはパートナーのチッチの後ろ姿を見つけて声を掛けた。 「チィ、ちょっといいかい?」 心地よい低音ボイスが廊下に響く。チッチは当然、瞬時にレンジの声だと認識し、赤い髪を揺らし、これもまた大きな赤い瞳をキラキラさせて振り向いた。 「レンちゃん、おはよ!」 元気に駆け寄るチッチを眼鏡越しの優しい眼差しで迎え、チッチの頭を軽くポンと叩く。 「実は、チィに渡したいものがあってやね」 と、上着のポケットから短冊形の紙片を取り出す。 「『梟の眼団』公演のチケットが取れてね。チィ、一緒に行かないか?」 「えっ、今度の公演って『ポーポロの紅い薔薇』の?」 嬉しさのあまりハイになったチッチの大きな声が廊下に響く。レンジはそれを優しげな仕草で手を上げてたしなめる。 「あぁ。四年前はチケットを取り逃がしてね。やっとリベンジが叶ったわけや」 チッチはレンジの手を取り、飛び跳ねて尋ねる。 「公演がある時って、花火やお店さんもいっぱい出るんだよね!」 「そうだよ。当日は劇を見終わった後、屋台も回ろう」 「ありがと、レンちゃん。楽しみにしてるね!」 チッチは詰所に用事があるからと駆け出し、嬉しそうにレンジを振り返って手を振った。 公演初日、人気劇団の久々の公演だけあって観劇場周辺は異様な熱気に包まれていた。 チッチは髪の色と同じ紅いお気に入りのドレスを翻して、屋台をあっちこっちと見て回った。 「チィ、あんまり動き回らんでくれよ」 「えー。じゃあ、こうやって……」 チッチがレンジの手を取る。暖かい手の温もりにレンジは思わず微笑みを浮かべる。 「もっとあれこれ見たいけど時間使っちゃったね。そろそろ客席にいかなきゃ!」 チッチはレンジの手を引っ張って、観劇場までの通りを早足で歩き始めた。 「梟の眼団」の圧巻の演技は、夢のような完成度で二人の心を掴んだ。特に身分を超えた悲恋を描いた演目だけにチッチはおもわずレンジとの歳の差の恋を重ねてしまい、思わず涙をこぼしてしまう。ただ、声に出さず静かにしてないとレンジの観劇の邪魔になるし、ちょっぴり恥ずかしい。 チッチは何分かまったく言葉を発しないレンジが気になって横をちらっと見た。 (レンちゃん、目が潤んでる……!) チッチは、父親ぐらいの歳の差があるレンジを可愛いと思ってしまったと同時に、自分の瞳にもまた熱いものが溢れてくるのを感じた。同じものを観て泣ける二人には隔たりなんてないよね、とチッチは思う。 「レンちゃん、今日はありがとね」 まだ感動で涙目になっている紅い瞳を大きく開いて、チッチは明るく言った。 「よし、じゃぁチィ、お土産を買いに行こうか?」 「うん、で、なんか食べたーい!」 レンジは眼鏡の奥の目からチッチを優しく見つめ、劇場に来た時とは反対に、レンジから手を差し出して二人は手を堅く繋ぐ。 夜空には終演を告げる花火が咲き誇っていた。 ●アル・キーミミテ&マリク・シュナイゼルの章 世界的な人気劇団「梟の眼団」。その公演が行われるブリテンのエクリヴァン観劇場はまさに今、お祭り騒ぎ。 世界的な人気を誇る「梟の眼団」だけあって、薔薇十字教団に所属するエクソシストにも多くのファンがいた。 アルとマリクのペアもそんな「梟の眼団」ファンだ。 「よく、チケットが手に入ったね」 マリクがそう尋ねると、マリクに対しても普段から丁寧な言葉使いのアルが応える。 「ええ。こう見えても僕は情報通なんです。公演の開催が発表されてすぐ、チケットの手に入れ方を調べて手配しましたからね」 「ありがとう、アル。今日はお言葉に甘えて楽しませてもらうよ」 「梟の眼団」の役者たちの演技は想像を絶する素晴らしさだった。観劇が初めてだというマリクも感動をしたようで、終演した後もしばらく席を立たず、感想と誘ってくれたアルへの感謝をしきりに話した。 「喜んでもらえて嬉しいですね。しばらく『梟の眼団』の演し物は見られないけど、他にもいい劇団はあるので、また誘いますね」 「次もいいけど、今夜ももう少し楽しみましょ! 来るとき美味しそうなお肉を焼いている屋台を見つけたの!」 「知識より食い気ですね! いいでしょうお供しますよ」 終演の花火が打ち上がる中、二人は仲良く「食い気」を満たすべく立ち上がった。
|
||||||||
*** 活躍者 *** |
|
|
|||
該当者なし |
| ||
[3] チッチ・アマレルラ 2018/03/25-23:15
| ||
[2] ミコト・カジョウ 2018/03/24-19:04
|