《悲嘆の先導者》フォー・トゥーナ Lv 41 女性 ヒューマン / 墓守


司令部は、国民から寄せられた依頼や、教団からの命令を、指令として発令してるよ。
基本的には、エクソシストの自由に指令を選んで問題無いから、好きな指令を受けると良いかな。
けど、選んだからには、戦闘はもちろん遊びでも真剣に。良い報告を待ってる。
時々、緊急指令が発令されることもあるから、教団の情報は見逃さないようにね。


死を、抱く
難しい|すべて

出発 2020-10-03

参加人数 7/16人 土斑猫 GM
 夜中に、目が覚めた。  光が、あった。  朱い。  朱い。  光が、あった。  わたしのソレと、同じ色。  朱の、陰陽。  光が、言う。 「……時が、満ちました……」  優しい声。けど、怖い声。  人じゃ、無い声。  虚ろな、声。 「参りましょう……」  伸びてくる、枯れ枝の様な手。  抱き上げられる、感覚。  突然、部屋の扉が開いた。 「ディアナ!」  レムの、声。  ちゃんと、呼んでくれた。  少し、嬉しい。 「テメェ!」  刃を取り出して、駆けてくる。真っ直ぐに。そして、突き刺した。  微笑む。刃は、脇腹。でも、死なない。痛がりも、しない。ただ、嬉しそうに微笑んで。レムを、見下ろす。 「ああ、覚えたのですね。築いたの、ですね。『愛』を。『絆』を」  笑う声。とても、とても嬉しそう。 「……何、言ってんだ……?」 「分かりませんか? 自覚、出来ませんか? 大丈夫ですよ。それらはもう、確かに貴女様の中にありますから。だから……」  漂う、硫黄。  黒い光が、閃く。  悲鳴を上げて、弾かれるレム。  笑って、言う。 「だから、追ってきてくださいませね。この方を。やつがれを。皆様を、連れて」  蝶が、舞う。沢山の、黒い蝶。 「おもてなしの場は、整えておきますので」  青い燐が、世界を覆う。  レムの声。遠くて。  そして――。  ◆  枢機卿『デオン・ヴェルナ』は野心家だった。  後に起きる創造神との戦いにおいて天人・アレイスターに取り入り、新世界に置いて支配層の頂点に立つ事を企んでいた。  その為に、息のかかった貴族達を使って富を増やし、その富を繰って密かに軍事的な力を蓄えていた。その手は教団内部にも及び、一部の班長や大元師にも与する者がいた。  あの、『ゴドメス・エルヴィス』や『デニファス・マモン』の様に。  そして、彼は狡猾で用心深くもあった。  そも、自分の暗躍が立ち位置的に対立者である『ヨセフ・アークライト』や邪魔者である『サー・デイムズ・ラスプーチン』に感づかれていない筈はないと、彼は自覚している。  自分は、知恵と人望においてヨセフには及ばない。  自分は、武力と謀略においてデイムズには敵わない。  だから、伏した。徹底的に、伏した。  決して派手な事はせず。  ボロを出しそうな手下(てか)は、容赦なく口を塞ぎ。  決して掬われない様に、ピッタリと。地に。まるで、獅子の隙を狙う野犴の様に。  そして、機は訪れた。  先に起きた、ヨセフ陣営とデイムズ陣営との戦争。しかも有難い事に、教皇『ルイ・ジョゼフ』まで絡んでくれた。  絶好の好機だった。  如何に勇猛な獅子であろうと、獅子同士で争えば傷つき、疲弊する。さすれば、群れ成す野犴で十分に臓腑を抉れよう。  返す刀を、地盤を欠いたルイの喉元に突き付けてもいい。上手くすれば、予定よりも上等な権力が手に入る。  寝首を掻く手筈は上々。よしんば、しくじったとしても奥の手がある。それで、全てを無に帰してしまえばいい。  どのみち、自分の手に入らない世界に、意味などないのだから。  決起の前夜。デオンは一人、祝杯をあげた。  ◆ 「……などと言った所でございましたでしょうか? 貴方様の思っていらした事は」 「あ……天姫……貴様……」  夜闇が降りる、新月の夜。妖しく舞う黒蝶と、降り落ちる青い燐。死臭と血臭の満ちるその場所で、デオンは自分を見下ろす『光帝・天姫(みつかど・あき)』を呪う。 「随分と、ご苦心なされましたね。無事、事は済みました。どうぞ、御降壇を」 「…………!」  歯噛みしながら視線を向けるのは、天姫の背後。己が吐き出した血泥に浮かぶ、無数の躯。傭兵。浄化師。国兵。果ては、キメラ。  全て、この日の為にデオンが取り込み、組織した反乱軍の構成員達。欲に眩み、彼になびいた貴族や教団の幹部達も、残す事なくその地獄に沈んでいる。 「何故ざます! 何故、今になって裏切るざます!? お前には、望む環境を与えてやった筈ざます!」 「ええ。感謝しております。教団への入信と、暗殺と銘打っての掃除役……。御陰様で、苦難なく駆除が叶いました。ヨセフ様と愛しい方々の枷も、幾ばくかは……」  紡がれた名に、歪むデオンの顔。 「ヨセフに……就くざますか……?」 「ヨセフ様と愛しい方々は、『人』でございます。紛う事無き……。そして……」  憎々しげな呟きも、空風の如く。 「やつがれが想い信ずるは『人』。それだけでございます」  ――お前は、人ではない――。  暗に込められた意味に、唇を噛む。 「なら……何故、デイムズを放っておくざます……? 奴はヨセフの敵……いや、正真正銘の外道ざます!」 「あの方は、砥石でございます」  あっさりと返る、答え。 「砥石、だと……?」 「ええ。ヨセフ様始めとする愛しい方々を研ぎ上げ、より高みに昇華する為の試金石……。御強いあの方は、うってつけでございます」  笑う顔は、とても綺麗。人とは、思えない程に。 「貴方様は『予備』としてとっておいたのですけれど、役不足は否めませんで。デイムズ様には、感謝しております。かの方との戦いを経て、愛しい方々は見事……。喜ばしい限りでございます」 「貴様は……神にでもなったつもりざますか……?」 「神? いいえ、やつがれは……」  微笑みながら、否定する。長い髪が揺れ、足元から舞い上がる黒蝶の群れ。  鮮やかな青の燐。その彩炎の中で、彼女は言う。  ――『化け物で、ございます』――と。 「う、うぉおおおおお、ざます!」  叫びとも悲鳴ともつかない声を上げ、デオンが腰へ手を回す。  抜き取ったモノ。やたらと銃身が太い、無骨な銃の様なモノ。  魔力小砲(ミニマ・カノン)。  高密度の魔力弾を撃ち出す、小型砲。接近戦用の高威力殺傷兵器。 「死ぬざますぅ!」  撃ち出された魔力弾が、近距離で天姫の胸元に炸裂する。けれど。 「……駄目でございます。それでは」  何の痛痒も感じさせない、平坦な声。散りゆく魔力残滓の向こうから現れる、天姫。教団の制服だけが弾け飛び、露わになる白い肌。膨らみ。浮かび上がるのは、朱い陰陽。 「やはり貴方様では、足りませぬ様で……」  舞い飛ぶ蝶。天姫を抱く様に、ゆっくりと立ち上がる。影。 「ま、待って! 待つざます!!」  最期の足掻きの様に、懇願する。 「ひ、人ざます! 私は、間違いなく人ざます! 今までの事が罪だと言うのなら、償うざます! 改めて、刑に服すざます! だから……だから!」  這いつくばって額を地面に擦り付ける、デオン。見下ろして、呟く。 「……先のお話、お聞きになられましたでしょうか?」 「……へ?」 「心が、あったそうでございます。ベリアルにも……」  まるで、うわ言。戸惑う、デオン。 「どうした、ものでございましょう……」  困った様に。本当に、困った様に。 「やつがれには、かのモノ達が人に見えて仕方ないのでございます。貴方様よりも。そして……」  青燐の中、ゆっくりと持ち上がる白痴の面。象る、燐火。 「やつがれも」  輝く、単眼。邪視。  悲鳴は、なかった。  ◆  教団本部に、連絡が入る。  デオン枢機卿及び複数の貴族。彼らが雇っていた兵。そして、彼らと繋がりがあったと思われる複数の教団幹部。その部下である、浄化師達。  全員の死亡が、確認された。  被害者の状態。現場の様子。誰の仕業かは、明白。否。恐らくは、誘い。  地獄で情報を得て以来、監視下にあった筈の『彼女』は行方不明。  『アレ』に魅入られた『彼女』も、消えて。  開く会議室の戸。  立っていたのは、『レム・ティエレン』。 「行こうぜ」  彼女は、言う。 「オレの中の、『死』が呼んでる」  蝶が、舞う。
決戦! アレイスター・エリファス
難しい|すべて

出発 2020-10-03

参加人数 6/16人 春夏秋冬 GM
 ヴェルサイユ宮殿。  そこは教皇国家アークソサエティの支配者である教皇の居城。  世界の中心とも言えるその場所が、崩壊した。  まさに一瞬。  影が強い光で散るような唐突さで、ヴェルサイユ宮殿は崩壊し、即座に再構成される。  全ては、アレイスター・エリファスの御業だった。 「時は来た」  静かにアレイスターは宣言した。 「神殺しを成し遂げよう。そのために、お前達の力を借りる」  声を向けるは、7人のホムンクルス達。   彼女達は体を結晶化され、国土魔方陣を発動するための生贄にされていた。  彼女達の顔に浮かぶ表情は、ひとつとして同じものは無い。  怒りと悲しみ、諦めと歓喜。あるいは嘆きと恐怖。そして―― 「私達は、貴方の役に立てましたか?」  原初のホムンクルスであるアナスタシスが浮かべる、愛だった。  アレイスターは応える。 「役に立った」  その言葉を喜びと共に受け取りながら、アナスタシスは最も欲しい言葉をねだる。 「これで、私達を、愛してくれますか?」  アレイスターは、応えなかった。 「……そうですか」  笑顔を浮かべたまま、はらはらとアナスタシスは涙を零す。  決して自分達が愛されないことを知りながら、それでもアナスタシスは言った。 「愛しています」  その言葉を最後に、アナスタシスは他のホムンクルス達と同じように結晶へと変わった。  あとに残るは無音。 「ルイは逃げたか。鼻が利く事だ」  アレイスターは、ヴェルサイユ宮殿を代償に造り上げた聖殿の最奥に向かう。  彼に付き従うのは、守護天使のみ。  口と目を封じられ、四肢を束縛の鎖で拘束されている。 「あと少しだ」  その声には、僅かだが喜びが感じられた。 「アーデル。あと少しで、また逢える」  その言葉は空虚に響き、耳にした守護天使は、言葉もなく涙を流した。  願いを掴むためアレイスターは歩き続け、聖殿の最奥に辿り着く。  そこは広々とした講堂に見える。  けれど厳かな空気に満ちており、まるで世界の中心であるかのような錯覚を覚えるような場所だった。 「起動せよ」  アレイスターは国土魔方陣を呼び起こす。  万を優に超える無数の魂により造り上げられた国土魔方陣は、創造神に干渉し得る力場を造り出す。だが―― 「……どういうことだ?」  アレイスターは訝しげに眉をひそめる。 「国土魔方陣の容量が、分割されている……これは、セキュリティホールが作られているのか……何者だ、この期に及んで」  アレイスターは即座に、奪われた領域を取り戻すべく国土魔方陣を操作する。  その時、上空には2人のべリアルが居た。 「ブリジッタ、ここまでで良い。よく、ここまでついて来てくれた。礼を言う」  三強の1人、ギガスの言葉を聞き、ブリジッタは小さく頷くと、その場を去って行った。  ギガスはブリジッタを見送ると、眼下の聖堂を見下ろす。 「ようやく見つけたぞ、アレイスター」  倒すべき標的の名を口にすると、ギガスは自らの身体を弾丸に、聖堂へと射出した。  衝撃波と共に、ギガスは聖堂の天井に激突。  全ての魔術的結界を破壊すると、そのまま天井を貫き内部へと侵入した。 「最早逃がさぬ」  ギガスは激突により破壊された肉体を急速再生させながらアレイスターへと近づく。  それをアレイスターが見詰めた瞬間、ギガスの周囲の空間が揺らいだ。  それにより発生した重力波がギガスを襲い、10倍近い重量がギガスに掛かる。  だというのに、ギガスの歩みは止まらない。それどころか衰えさえしない。  距離を縮めてくるギガスに、アレイスターは背後の守護天使に命じた。 「封じろ」  アレイスターの命に応じ、守護天使の翼が広がる。  その途端、ギガスの力が大きく封じられた。  動きが止まったギガスに、アレイスターは静かに言った。 「愚かなことだ。1人では、私を殺せない」 「今まで儂らから逃げ回っていた者の言葉ではない」  ギガスの応えに、アレイスターは返した。 「確かに、認めよう。お前達3強が集まれば、私を殺せたと。だがそれは、お前達が連結し軍勢で攻めてきた時の話だ。既に3強の一角は滅び、もう1人は、私を殺すことよりも浄化師達との決着に拘っている。足らぬ上に余計なことに力を割いている今のお前達なら、私を殺す事など出来ない」 「よく囀る。恐ろしいか?」  嘲るような言葉に、アレイスターは攻撃魔術で応えた。  瞬時に、魔術により作り出された100を超える大剣がギガスに襲い掛かる。  しかしその時には既に、ギガスは動いていた。  虚をつく、無拍子の動き。  予備動作の無い動きは、アレイスターの知覚を超える。  気付かれるより早く、ギガスはアレイスターの間合いに踏み込み、掌打を放つ。  だが、無駄。  アレイスターが張り巡らせている魔力障壁により阻まれる。  魔力障壁と掌打が打ち合う轟音が響く。  攻撃が届かぬと悟ったギガスが体勢を整えようとするが、その瞬間、爆炎がギガスを覆う。  炎で焼かれながらギガスは吹っ飛ばされるが、口寄せ魔方陣で自身を転移。  転移先をアレイスターは予見すると、魔力障壁を厚くして対抗。  魔力障壁で阻まれたギガスは、魔力障壁越しにアレイスターに掌打を叩き込む。 「無駄だ」  アレイスターの言葉通り、ギガスの攻撃は届かない。  そこにアレイスターがカウンターを放とうとした瞬間、ギガスの技が叩き込まれた。  最初の掌打に重ね、追撃の掌打を放つ。  魔力を込めた掌打は、魔力障壁に弾かれることなく内部に侵透。  無防備なアレイスターを撃ち据えた。 「がはっ!」  血を吐きながら吹っ飛ばされるアレイスター。  そこにギガスは追撃を掛けようとするが、突如現れた無数の人型により阻まれる。 「化け物が」  周囲に魔導書を浮かべ、その力により自身を再生させながらアレイスターは言った。 「お前に、神の下僕なんかに、負けて堪るか! 私は彼女を取り戻す。邪魔をするな!」 「愚か者が」  一瞬、守護天使に視線を向けたあと、ギガスは襲い掛かってくる人型を破壊しながら言った。 「救世主の成り損ないよ。今の世の在り様の責は、主のみには無い。だが主の過ちは、もはや還らぬ。せめて気づかぬ内に、殺してやろう」  憐れみを飲み込み、ギガスはアレイスターと戦った。  この状況に、アナタ達は訪れます。  アレイスターを打ち倒すことのできるこの絶好の機会に、アナタ達はどう動きますか?

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