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～ プロローグ ～ |
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～ 解説 ～ |
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教団から指令を受けた浄化師の皆さんは洞窟に存在する『キメラの討伐』と『終焉の夜明け団信者の確保』。 |
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～ ゲームマスターより ～ |
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みなさんはじめまして！ |
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◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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【目的】 浄化師の救出を優先、次いでキメラ、信者の対処 【探索】 アリアとネヴィルは会話無し。 アリアは他の仲間に対しては、探索中にできた掠り傷を簡易救急箱で手当てするなど、好意的に接します。 【キメラ戦】 アリア、ネヴィル共に中衛に位置取り。 行動の優先度は浄化師の救出＞キメラへの攻撃。 キメラ、信者の注意が浄化師から離れたら、浄化師を救出すべく駆けます。 アリアの方が俊敏で、ネヴィルは中距離から攻撃可能なため、救出は先にアリアが試みます。 失敗した場合はネヴィルが続きます。 （特性を抜きにしても、浄化師が心配なアリアが先に飛び出しますが） 浄化師の元に到達できた場合は、安全圏まで離脱の後、キメラ討伐に復帰します。 |
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優先順位は浄化師救助。キメラ討伐、信者確保。 やるからには全部片づけよーぜ 洞窟へ グラにランタン持たせ灯り確保 炭鉱だし火の様子注視。 俺は先頭で剣構え警戒しつつ進む。 地図や表示無ければナイフで印付けとく 情報から終焉の夜明け団信者の可能性？ 堂々と浄化師連れてったなら 俺達来るの織り込み済みな気もしてる 罠や奇襲注意 キメラは蜘蛛＋サソリってことで行動パターン予測共有 戦闘開始時に魔術真名宣言 俺はキメラ蜘蛛部分への攻撃専念 グラは中後衛からの援護攻撃、仲間への攻撃逸らし優先 糸に絡められたら駄目元で上着捨てるわ 闇雲に斬らずアーノの攻撃当たればそこ一点狙いＪＭ１ 十字架確認 信者捕縛 魔術防止に手は念入りに縛り必要なら猿轡 |
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■祓 ランタン持参 洞窟内は待ち伏せや罠がある事も踏まえ常に警戒怠らない 戦闘開始時スペル詠唱 前衛 仲間と連携 敵の位置をまず把握 アリア達が浄化師救助に向かっている間、敵を此方へ引き付ける ＪＭ３でわざと隙作り蜘蛛に斬りかかる 噛みつきは断固阻止 麻痺、毒注意 敵の攻撃は回避か剣でいなす ■喰 事前に洞窟内の地図を教団から支給されるなら、敵がいそうな場所に目星と道順把握 ロープ持参 中衛＋前衛の支援 当人の判断で臨機応変に動く 先手取れたら襲うタイミングを仲間と合わせる 不意打ちなら体勢整えて戦闘 ＤＥ３でサソリの尻尾中心にボウガンで狙う 射程距離内で通常攻撃してスキル節約 戦闘後は信者をロープで確保 逃亡するようならボウガンで牽制 |
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◆目的 キメラ討伐、信者確保、浄化師救助 ◆準備 ・洞窟内探索用の明かりにランタン ・信者確保用に縄 ・浄化師への応急処置用に簡易救急箱 ・洞窟内からちゃんと出られるように念の為コンパス 何があるかわかりませんから…念には念を…です。 ◆戦闘 ・瞬の変わりように驚きながらも戦闘に集中 ・自身は魔法攻撃をしながら隙を見て浄化師を救助 ・その後応急処置も試み、誰かが既にしていたらその手伝い へ？！ま、瞬さん？？！ (あんな風に…戦うんです、ね)！集中しないとっ あのっ！お、お怪我はありません…か？ どこか痛い場所あったら…簡単な処置ですが、やります！ ◆戦闘終了後 ・迷子防止用に持参したコンパスで洞窟を出る これで終わり、ですかね？ |
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～ リザルトノベル ～ |
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薔薇十字教団本部から指令を受けた浄化師達は廃れた炭鉱の近くまで来ていた。 何年もの間人の出入りがなかったのだろう、そこで使われていたはずの工具などが置き去りにされたままさび付いている。 洞窟の中はというと、まだ日も高いというのに入口から先はただ闇だけが続いているのだった。 「グラ、このランタンを持っててくれないか？」 そう言ったのは『トウマル・ウツギ』。 見た目は若く細身で、その漆黒の髪から覗いている赤毛が特徴的な青年だ。 「分かりました、私が明かりを確保しておきましょう」 指示を受けたのがパートナーである『グラナーダ・リラ』。 見た目は半竜、といったところだろうか。 優しい微笑みを浮かべているだけで、それ以上のことは何やら計り知れないものがある。 グラナーダが掲げた明かりで洞窟の中が少し照らされる。 それに続いて『ヴァレリアーノ・アレンスキー』がランタンに明かりをつけた。 ヴァレリアーノは銀色の短髪が特徴的な男性である。 見た目はまだ少年のように若いが、右瞼から頬に伸びる傷を見れば彼が温室で育ってきた訳ではないことぐらい容易に想像できた。 その横に佇んでいる高身長の半竜はヴァレリアーノの相棒である『アレクサンドル・スミルノフ』だ。 白翼と角を備えていて、どうやら飛行することもできるらしい。 「我の翼も洞窟の中では機能しないのだよ、申し訳ないのだがね」 「仕方ない、さすがにこんな狭いところで飛ばれたら俺も戦いにくくなる」 そう言っている二人の前をトウマルが横切って先頭に立ち、洞窟への第一歩を踏み入れる。 それに続いてほかの浄化師たちも次々と闇の中に入っていくのだった。 「洞窟の中って……すぐに居場所を見失ってしまいそうですよね……」 帰り道の心配をしているのは『唯月・杜郷』だ。 第一印象は控えめな性格、と言った感じだろうか。 どちらかと言うと戦闘に向いているタイプではないと思われるが、彼女はこの任務になぜだか執着している様子だ。 そしてその傍らには、これまた彼女と対照的な人物、『瞬・泉世』がいる。 「あはは、大丈夫だよいづ！ 俺がいるからねっ！」 根拠のない自信を振りまくそれはよく言えば自信家、言い方を変えれば能天気なのだが……、こんな状況でも一切テンションが変わらないほどのメンタルを持ち合わせていることも確かである。 「そういえばいづ、コンパスも持ってきてたよね。それ使えないのかな？」 泉世にそう言われた杜郷は慌てて鞄の中を探り、コンパスを取り出した。 磁気に乱れもなく正常に機能しているようなのでどうにか無事に帰ることは出来そうだ。 現在先頭を行くのはトウマルとグラナーダの二人、それを追うようにしてヴァレリアーノ、アレクサンドル、杜郷、泉世。 そして最後尾には『アリア・セレスティ』と『ネヴィル・テイラー』がいるのだが……なにせ会話がない。 アリアはまだまだあどけなさが残る感じだが、見た目の若さにそぐわず、はっきりとした凹凸が目立つ容姿端麗な少女だ。 着ている服は制服のはずだが……なぜだか露出が多い気がする。 ネヴィルのほうはただ淡々と列の最後尾を付いてくる。 「なぁアンタ、それ普通の制服じゃないだろ。改造でもしたんならよく本部から認められたな？」 トウマルがアリアの制服について言及する。 「えっ、えーっと……これにはいろいろワケがあってですね……」 後ろのほうで誰かが鼻で笑っているような気がした。 「そう言うトーマも、上着の着方が珍しくだらしないような？」 グラナーダがアリアのフォローに入る。 「脱ぎやすいようにな。場合によっては切り裂くし」 突然の露出宣言に周りにいた浄化師の頭は「？」のマークで埋め尽くされる。 「じ、事情はよく分かりませんが……寒そうですね？」 「あぁ、もう一枚持ってくるんだった」 そうこう話しているうちにアリアの話もどこかへ流れていったようだ。 そして八人は、ランタンの明かりだけを頼りに洞窟の中を進み続ける。 途中二股になっている道や行き止まりなどにいくつも遭遇したが、どうにか奥へ奥へと進めている感触はある。 道中に罠らしきものはなく、この先もそのようなものに引っかかることはないだろう。 ただ奥に行くにつれて、前後がわからなくなるほどに同じ景色が続く。 コンパスだけで帰ることが本当にできるのだろうかと不安になるほどだ。 そんな中でトウマルだけが一定間隔を置いて壁に印をつけながら歩いていた。 「トウマル、君は何をやっているんだ？」 ヴァレリアーノが不思議そうな目で尋ねる。 「あぁ、途中に分かれ道とかがあったからな。コンパスだけじゃ心許ないと思って歩いてきた道に印をつけておいた」 「なるほど、それは名案だ」 浄化師たちが数歩歩くと、トウマルが壁に印をつける「カツンッ！」という音が響く。 そうやって歩きながら一体どれだけの時間が経過しただろうか、数十分の出来事にも、数時間の出来事にも思う。 すると浄化師たちはある異変に気付く。 さっきまで「カツンッ！」と聞こえていたはずの音が「カツカツカツカツ……」と小刻みに鳴り始めたのだ。 「うるさいのですよ、汝はもっと静かにできないのかね？」 アレクサンドルがトウマルに注意する。 「いや、これは俺じゃないぜ。ほら見てみろ、壁には近づいてないだろ？」 トウマルは両手を挙げ、そこで手のひらをひらひらとして見せる。 「こっ、この音は……もっと奥のほうから聞こえてるみたい、ですっ」 杜郷が洞窟の先のほうを指さしながら伝える。 「進んでみましょうか……」 とアリアが提案して、そこにいた全員が頷く。 奥に進んで、目に飛び込んできたのは、この世の物とは思えない異形の「何か」だった。 浄化師たちの目に飛び込んできた異形の「何か」は、生物と言うには少し違う。 同時に何本もの足を動かす歩行音、見た目だけで言えば巨大な蜘蛛と言ったところか。 しかし目の前にいる「蜘蛛」は決定的に「蜘蛛ではない」のだ。 その体にはサソリの尻尾が子供の工作のように雑に貼り付けられているような、そんな感じだ。 なんにせよそれが生物の進化の過程では決して生まれるものではないことぐらい容易に想像ができる。 「みんな、蜘蛛とかサソリってのは平気なのか？」 トウマルが語りかけ、グラナーダが答える。 「私は大丈夫ですよ、トーマはお嫌いですか？」 「見るのは平気だが好きではねぇな」 「いじらしいものですよ、なかなか。あんな姿にされてしまってはそんな感想も出ませんが」 その会話を聞いていると、キメラの奥から何者かの声が聞こえてきた。 「っくはははははは！！ やはり来たかポンコツ浄化師ご一行様よぉ！！！」 全身を黒のローブで覆っていてフードをかぶっているため、顔まではうかがえない。 声のトーンからまだ若い男性だということぐらいは察せるレベルだ。 「お前らの仲間ならこの奥でおねんねしてるぜ？ 返してほしけりゃこのキメラと戦っていくことだなぁ！！」 金切り声に近い叫びと共に、その男は地面に転がっている浄化師を蹴り飛ばす。 「お前達自慢の魔術の結晶……そのお披露目会とでも言わんばかりだな」 ヴァレリアーノが皮肉を込めて男に言う。 それを聞いた男は被ったローブを外しながら、ぐしゃっとした笑みを浮かべ、キメラにこう指示を出した 「好きに暴れてやりなぁ！！ ぶっ殺してもかまわない！！！」 黒ローブの男が叫ぶと共にキメラは地面を薙ぎ払う。 取って付けたような尻尾のくせして、威力は地面に抉ったような傷をつけるほどに大きい。 前衛にいたトウマルとヴァレリアーノはとっさに攻撃をかわし、それぞれ体勢を立て直した。 『――滿たせ』 トウマルがグラナーダの手首を無造作に掴み、アブソリュートスペルを唱える。 『――委ねよ、夜の帳に紛れし契約の名の元に』 同じタイミングでヴァレリアーノとアレクサンドルの二人もスペルを唱えた。 湧き上がる力が体を満たし、魔力が解放されていくのを感じる。 「ちゃんと戦えなかったら……どうしよう……」 杜郷が自信なさげにつぶやいたところを、泉世が励ます。 「だーいじょーぶ！ 俺がついてるからね！」 「瞬さんの戦い方が一番想像出来ないんです……って、そうだ！ 瞬さんっ！」 杜郷が慌てて泉世の両手に触れる。 「さぁ、頑張ろーね！」 『――ペリドットアイリス』 二人も魔力が解放され、戦闘へと気持ちを切り替えるのだった。 そうこうしている間にアリアが捕らわれている浄化師のほうへ飛び出す。 キメラの攻撃は空を切り、上手く足元にまでもぐりこんだが、不規則に動く足が邪魔してなかなか向こう側までたどり着けない。 そこでヴァレリアーノが敵の懐に自ら飛び込み、アリアが向こう側へ行く隙を生み出す。 「あっ、ありがとうございます！ ヴァレリアーノさ……きゃあああっ！」 足元をうまく潜り抜けたアリアだったが、尻尾攻撃の警戒を怠ってしまい、攻撃をまともに受けてしまった。 麻痺系の攻撃だろうか、体が徐々に動かなくなっていく。 「くっ、あっ、ごめ……んなさい……、油断、しました……」 「アリアさんっ！！」 杜郷が救助に飛び出そうとするのを泉世が止める。 「どうしてっ！」 「むやみに飛び込んでいってもまた同じ結果を作り出すだけだよ、今は冷静に、ね」 「わかりました……」 そう言って杜郷が天に祈りを捧げる。 集中力を高めることでまっすぐに伸びた視線からは、なにやら魔力が強くなったように感じる程だ。 攻撃に加勢しようというときに、あの男の声が聞こえ始めた。 「っくはははははは！！ 滑稽だねぇ！ 飛び出してきたお嬢ちゃんはもうダウンかい？」 黒ローブの男は動けないアリアの髪の毛をわしづかみにして、無理やり立たせる。 「あぁ？ こいつがどうなってもいいのか相方さんよぉ？」 ネヴィルはまっすぐ見つめるだけで無言だ。 「くそ野郎か気様ぁ！？ 何とか言ったらどうだ！！」 「……っ、やめ……て、くださ……いっ」 アリアは必死に抵抗するが、麻痺毒のせいで体が動かないようだ。 ネヴィルは鼻で笑うだけで、興味なさそうにキメラへの攻撃を続けた。 「っくそがぁ！！ もう知らねえからな！ って、うおああああああああ！？」 黒ローブの男が叫んだ途端、後方から魔術が飛んできて彼の頬をかすめた。 アリアを持つ手が緩んだのか、彼女が力なく地面に倒れこんだ音が聞こえる。 「それ以上っ、アリアさんに……手を、出さないでくださいっ！」 どうやら魔術を発動したのは杜郷らしい。 「奴のことはアンタに任せた！ この気持ち悪いのはこっちに任せな！」 トウマルがキメラと交戦しながら叫ぶ。 「何者であろうと、俺の前に立ち塞がる敵は全て薙ぎ払うまでだ」 ヴァレリアーノも冷静を保っているようだ。 グラナーダ、アレクサンドルもパートナーを援護する形で戦闘に参加していた。 「みなさん、ありがとう……ございますっ！！ 瞬さん！ 行きましょう！！」 そうやって二人がキメラの奥にいる黒ローブの男に向かってまっすぐ走り始める。 タイミングを合わせて、トウマルが自らの武器を素早く二度振り抜き、十字架を刻むように切りつける。 その攻撃でキメラの足にヒビが入り、そのまま体勢を崩す。 その隙を逃さず、アレクサンドルが尻尾部分をボウガンで狙撃。 ダウンしている間に繰り返し放たれた矢は尻尾の先をえぐり取り、キメラは悲痛な叫びをあげた。 回復する隙を与えないように連撃を放とうとした、その時だった。 キメラの口から粘性の糸のようなものが放たれる。 攻撃に専念していたトウマルに命中し、身動きが取れなくなってしまった。 「とっ、トーマ！ 大丈夫ですか！？」 グラナーダが駆け寄るが、キメラはボロボロの尻尾で薙ぎ払いその進行を阻む。 そしてキメラはゆっくりと彼に近づいて、捕食を試みようとするのだった。 「っく、あぁ、マズいぜ……こうやって捕まってしまったら……なぁんてな！」 キメラの顔が近づいた瞬間、どうやったのか糸からするりと抜け出し、顔面へ渾身の刃を振るった。 完全に不意を突かれたキメラは、ダメージの影響でまた地面に突っ伏せる。 「トーマ、よかったです！ でも、どうして……？」 「はは、だらしなく着てた上着がここで役に立つなんてね……いざとなったら脱ぐ、って言っただろ？」 キメラの悲鳴も最初に比べて弱々しくなっている。 「もう少しだ、畳みかけろ！」 ヴァレリアーノの叫びと共に全員が一斉に攻撃を仕掛ける。 積み重なる攻撃の嵐、彼はその最後の瞬間を見逃さなかった。 「――ダスヴィダーニャ」 放った一撃はキメラの顔を切り裂き、キメラは断末魔ともとれる叫びをあげて地面に沈んでいくのだった。 キメラが倒れる直前、杜郷と泉世は黒ローブの男のもとにたどり着いていた。 「アリアさんを、返してください」 「とのことだよ、おとなしくお縄につけば怪我しなくて済むよ」 男は懐に隠し持っていたサバイバルナイフを取り出してアリアの首元に突き付けた。 「うるさい！！ うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい！！ 俺が少し力を込めればこいつは死ぬんだぞ！！」 首元に突き付けていたナイフに少し力を込め、アリアの首筋に血が滲んできたところでナイフを止めた。 「動くなよお前ら！ 動けばすぐに突き刺すからな！！」 目を見開いて男を睨む杜郷に泉世が声をかける。 「今は抵抗しちゃだめだよ、チャンスはまだ……」 言い終わるより早く杜郷は男にとびかかる。 「――いづ！！」 「――――――っ！！」 泉世の声で我に返った杜郷は一瞬気が抜けたのか、男に蹴り飛ばされてしまう。 「くそがぁ！ 何をしやがるこの女ぁ！！！」 後ろではキメラの断末魔と共に、巨体が地面に倒れこむ音が聞こえる。 「ちっ、あのポンコツ蜘蛛もやられやがったか！！」 轟音の後に少しの静寂が訪れた後、「カツ、カツ、カツ」と足音がこちらに向かってくるのが聞こえた。 「だれだぁ！！ 動くなと言っただろ！！」 男をまっすぐに見つめるのは漆黒の双眸、歩みを止めずにまっすぐ近付いてくる。 「ネ……ヴィル……？」 アリアがネヴィル・テイラーの存在に気付く。 「だから動くなと……うぐっ！！」 残り数歩の間合いを一息で詰め、その右手で男の首を力いっぱいに締め付ける。 相当な力なのだろう、アリアを掴んでいた手にも力はこもらなくなり、持っていたはずのサバイバルナイフも地面に落とす。 「きっ、さまぁ……この女に興味……など、なかったのでは……」 ここまで言ってローブの男の意識が落ちる。 ネヴィルはアリアのほうを一度見て、鼻で笑うだけだった。 「アリアさんっ、大丈夫ですか？ 今、応急手当を……！」 落ち着きを取り戻した杜郷がアリアに応急手当を試みる。 その間に泉世が捕らわれていた浄化師の安否を確認しているようだ。 戦いを終えたほかの面々もこちらに歩いてくる。 「また無様な姿になったものだね、この実験は我達に出会った時点で失敗したも同然なのだよ」 アレクサンドルが意識を失った黒ローブの男を見ながらそう言った。 「これで大丈夫なはず……です、アリアさん、立てますか？」 「ありがとうございます、まだ少し痺れてますが……大丈夫です」 アリアへの治療も無事成功し、捕らわれていた浄化師にも手当を施す。 気絶した男も当分目覚めることはないようだ。 捕らわれていた浄化師もまだ気が付かないようなので、このまま本部まで運ぶことにした。 トウマルが付けてきた道しるべと、杜郷のコンパスに沿って無事に洞窟を脱出。 外は夕暮れに染まっている頃、浄化師たちは薔薇十字教団本部へと今回起こった出来事を報告しに行くのだった。
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＊＊＊ 活躍者 ＊＊＊ |
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該当者なし |
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[11] 瞬・泉世 2018/03/30-23:51
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[10] トウマル・ウツギ 2018/03/30-21:34
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[9] 唯月・杜郷 2018/03/30-17:49
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[8] ヴァレリアーノ・アレンスキー 2018/03/29-20:34
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[7] トウマル・ウツギ 2018/03/28-21:28
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[6] ヴァレリアーノ・アレンスキー 2018/03/28-00:33
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[5] ヴァレリアーノ・アレンスキー 2018/03/28-00:33
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[4] アリア・セレスティ 2018/03/27-01:18
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[3] トウマル・ウツギ 2018/03/27-00:30
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[2] トウマル・ウツギ 2018/03/26-00:36
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