【教国】オクトと友好関係を築け
普通 | すべて
8/8名
【教国】オクトと友好関係を築け 情報
担当 春夏秋冬 GM
タイプ EX
ジャンル イベント
条件 すべて
難易度 普通
報酬 通常
相談期間 5 日
公開日 2020-06-05 00:00:00
出発日 2020-06-13 00:00:00
帰還日 2020-06-22



~ プロローグ ~

 教団本部、室長室。
 そこでヨセフは、オクトの一員であるグリージョに言った。
「オクトと協力関係を結びたい。首領であるヴァーミリオンに連絡を取って欲しい」
「本気かい?」
 訝しげにグリージョは返す。
「アンタ、うちがどんな組織か分かってるんだよな?」
「だからこその提案だ。反目している今の状況を正したい。お互いの利益になる筈だ」
「利益ねぇ」
 グリージョは値踏みするようにヨセフを見る。
 彼が所属しているオクトは教団に敵対している。
 それはこれまで教団が表には出さずに行ってきた様々な非道が原因のひとつだ。
「良い目を見せてやるから下につけってんなら、無理だぜ。それで言うことを聞くぐらいなら、今みたいなことになってねぇ」
「前提を間違えている。先程も言ったが、我々が望んでいるのは協力関係だ。お互い対等の立場で手を取り合う必要がある。そのための方法が、これだ」
 そう言うとヨセフは、ひとつの宝玉を執務机の上に置く。
「そいつは?」
「支配の王玉でーす。虚栄の孤島の正当な王家の血筋が持てば、好いことがありまーす」
 グリージョに返したのは、魔女のメフィスト。
 彼にグリージョは応える。
「うちの姫さんに持たせようってのか? 何が起るってんだ?」
「島に眠る膨大な量の魔結晶を手に入れられまーす」
「どういうこった?」
「虚栄の孤島には、強力な八百万の神が眠りについているのでーす。そして島全体には、魔力を結晶化させる魔方陣が敷かれていまーす。それが八百万の神から漏れ出た魔力を結晶化させているのでーす」
「……ちょっと待て。つまり、あの島には強力な八百万の神が眠っていて、それが垂れ流している魔力を結晶化させる仕組みがあるってことか?」
「そうでーす。100年以上過ぎてますから、相当な量の魔結晶が生成されている筈でーす」
「それが本当なら、旨味のある話だな。だからってそれだけで――」
「あくまでもそれは資金源としての話です」
 話の途中で、大貴族の子息であるウボーが言った。
「本命は、虚栄の孤島に独立国を作ることです。そのためには、かつてあそこに存在した国の正当継承者が必要になります」
「……つまり、うちの姫さんを利用しようってか?」
「利用じゃなくて、王さまになって欲しいってことだよ」
 魔女であるセパルが言った。
「そこにボクたち魔女を国民として受け入れて欲しいんだ」
「魔女を?」
「うん。ヨセフくんや浄化師の子達のお蔭で、表立って魔女がどうこうされることは無くなったけど、それでも大っぴらに動ける訳じゃないから。他のみんなと同じように、日常が送れる場所が欲しいんだ。そのためなら、ボクたち魔女は君達の力になるよ」
「……随分な話だが、そんなことが実現できるってのか?」
「すでに根回しは済ませています」
 ウボーのパートナーであるセレナが説明する。
「サンディスタム国王であるメンカウラー様と、ノルウェンディ国王であるロロ様。そしてシャドウ・ガルテンのブラフミンであるウラド・ツェペシェ様にも、虚栄の孤島に存在した国を復興することの賛同を得ています」
「……下準備は全部終わらせてるってことか」
「そうだ」
 ヨセフはグリージョに応える。
「オクトのことを知り、浄化師達に助けて貰い、そこまでこぎつけることが出来た。この支配の王玉も、グリージョ、お前の家族である浄化師が皆と現地に赴くことで手に入れたものだ」
「……そうかい。あの2人が」
 グリージョは支配の王玉をじっと見つめると、静かに返した。
「分かった。今の話なら、こちらの理念にも反してねぇ。ヴァーミリオンの旦那も、興味を持ってくれるだろうさ。それで、連絡を取れば良いのか?」
「可能なら、直接話し合いたい。こちらは浄化師を連れていくつもりだ。そちらも、連れてくる者は好きにしてくれて良い」
「場所はどこにする?」
「そちらの国となる虚栄の孤島が良いだろう。支配の王玉は、先に渡しておく。王族の血筋が持てば、あの島にある魔法の罠を自由に動かせる。身を守ることも出来るだろう」
「……良いのか? そっちが来た途端、罠に掛けるかも知れねぇぞ」
「その時は、力付くで跳ね除けて、話をつけるだけだ。そうならないことを願っている」
「分かった。これは姫さまに渡しておく。戻って、ヴァーミリオンの旦那に、そちらの意向を伝えておく」
「頼む。その時には、以前話した人物には気をつけてくれ」
「……ライナーさんのことか」
 眉を寄せグリージョは返す。
「今でも信じられねぇんだが、本当に、人形遣いって言ったか? そいつと同一人物だってのか?」
「こちらで調べた限りは間違いない。それとナハトが食い込んでいる形跡もある。話を伝えに戻る時は気をつけてくれ」
「……ナハトねぇ。まぁ、うちも一枚岩じゃないのは分かってたけど……俺達がここに来る切っ掛けとか考えたら、ジータ隊長なんだろうな」
 ため息をつくと、グリージョは支配の王玉を手に部屋を出て行った。

 それから数日後、戻ってきたグリージョから以下の内容が伝えられました。

 ひとつ、虚栄の孤島の王城跡地で会談すること。
 ふたつ、ヴァーミリオンと王女であるメアリーが同席するので、ヨセフが来ること。
 みっつ、同行者として浄化師を連れて来ることを許す。

 とのことでした。
 これを受け、ヨセフは浄化師に指令を発令。
 現地に一緒に赴いてくれるよう頼みました。
 その際、メフィストが――
「何かヤベー予感がしますからー、魔導書の子達を連れて行って下さーい」
 と言って、セパル達と一緒に魔導書っ子達が連いて来ることになりました。

 そして現地に赴くその日、先に訪れていたヴァーミリオン達から少し離れた場所で、彼らを襲撃しようとする者がいます。

「クソ、ふざけるなよ」
 神経質そうに爪を噛みながら、元教団の研究員であり、オクトに所属している筈のイアスが手勢を率いて隠れている。
「ヨセフを殺すためにオクトに居たというのに……ここに来たら殺してやる」
 そこまで呟くと、背後の手勢に向かって言いました。
「べリアルになりたくなければ、あいつらを殺せ」
 イアスの視線の先には、教団の外で作られた浄化師達。
 彼らは転魔と呼ばれる、パートナーの1人に負荷の全てを押し付けることで、理性を保ったまま覚醒する魔術が掛けられています。
 それを利用して、いつでもイアスは彼らを暴走させべリアル化させることが出来るのです。

 もちろん、そんなことはアナタ達は知りません。
 警戒しつつも、会談場所である王城跡地に訪れようとしていました。
 この状況、アナタ達は、どう動きますか?


~ 解説 ~

○目的

襲撃者を制圧しオクトと友好関係を築きましょう。

○流れ

現場に就くとすぐに襲撃が発生。それに対処後、ヴァーミリオン達との会話パートになります。

友好に繋がる会話をして下さい。

魔女や奴隷など、行くあてのない者の扱いに関する交渉も可能。

○場所

虚栄の孤島内の王城跡地。

広々としたエントランスホールと王城跡地前広場が舞台。

どちらも戦闘の邪魔になる物はありません。

○NPC

オクト陣営

ヴァーミリオン

首領。広場に出て戦います。2剣使い。

エルリア・カートライト

ヴァーミリオンの側近であり王女メアリーの侍女。広場に出て戦います。2剣使い。

メアリー

王女。戦闘力無し。エントランスホールで10名ほどの護衛に守られています。広場が突破されると襲撃されます。死亡すると失敗になります。

グリージョ&ケイト&ペトル

浄化師に協力してくれます。指示をして下さい。

その他30名ほどが自由に動きます。

襲撃者陣営

イアス

元教団研究員。小物マッドサイエンティスト。
実験体を暴走させべリアル化させることが出来る。
実験体を壁にしています。

ルシオ&カミラ

イアスの実験体達のリーダー格。
L50クラスの強さ。

その他の実験体

30名ほど。L30以上。

実験体は、覚醒して強さが増します。
パトーナーをべリアル化させないために戦っています。
対応によっては……?

味方陣営

ヨセフ

正直、そんなに強くはないです。

ウボー&セパル&セレナ

指示通りに動きます。

魔導書っ子

万炎の書・ヘスティア

味方を2R覚醒させるか、黒炎をぶつけてRANを減少させられます。

願望の書・叶花(きょうか)

エピソード中1回だけ、特定行動の成功度を上げる。

転移の書・アネモイ

今回の戦場の好きな場所に転移させてくれます。
回数制限はありません。味方なら誰でも可能。
敵は転移できません。

応報の書・ネメシス

エピソード中に受けた攻撃を1回だけ相手に返す。

魔導書っ子には好きに指示できます。

以上です。


~ ゲームマスターより ~

おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、反教団組織オクトとの山場です。

当初の予定だと、ここに来るまでの他のエピソード(私以外の物も含めて)の成功度やプランの内容次第で、難易度やらを上げる予定でした。

ですが成功度が高かったのと、ここまで書かれてきたプラン内容を反映させて、難易度は低くなってます。まとめますと、

鬱ルート? 奴は死んだよ。

そんな状態です。なのでプラン次第では、戦闘はサクッと終わる可能性もあります。

ちなみに当初は人形遣いも出す予定でしたが、鬱ルートが死んだので、プロローグとかとは関係ない所で、教皇の暗部であるナハトの間者ジータに不意をつかれて背後から心臓を刺され、体をバラバラにされて処理されています。

まぁ、本体じゃないのでまた出てきますが。

あとジータは、戦闘が終った頃にしれっと来ます。

以上です。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

アリシア・ムーンライト クリストフ・フォンシラー
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / アンデッド / 断罪者
【魔】
剣を振るう姿に目を瞠り
駆け寄りたい気持ちを抑えて

お姉ちゃんが、戦って…強い、ですね…
私も、私のできること、を

リチェちゃんと協力して禹歩七星
鬼門封印と禁符の陣で支援
天恩天賜で回復を

クリス…この方達(襲撃者)、必死に見える、のですけれど…
守る者の目を、してます

事情が分かれば悲しい顔
大丈夫、きっと何とかなります
だから…止まって、ください

戦闘終了後
みんなを回復後エルリアの元へ駆け寄り抱きついて
おねえ、ちゃん…っ
会いたかった…!
生きててくれて……あの時、私を守ってくれて、ありがとう……

姫様に
初めまして
エルリアの、妹です
私とも、仲良くして、貰えますか…?
姫様の国を、より良くするお手伝い、させて下さい
ショーン・ハイド レオノル・ペリエ
男性 / アンデッド / 悪魔祓い 女性 / エレメンツ / 狂信者
【魔】
イアスを見て気付く
シリウスが世話になった奴じゃあないか
出世したな?
ヘスティアには実験体のRAN下げに
DE12でこちらにくる敵の足元を狙い時間稼ぎ
クリスが奴とやり合って集中しだしたら直後奴の背後にアネモイで転移
DE14で殴る
長年の恨みだ
一発殴らせろ!

ヴァーミリオン
…どんな話をすればいいか分からなかった
イアスや終焉の夜明け団と関わってるかもしれないと聞いた時は腹も立ったんでな

俺はお前にとって裏切り者の立場だ
教団の非道さも知っている
だから、対等な協力関係にありたいなんて口が裂けても俺には言えない
ただ俺は
見返りなくお前やお前の仲間の力になりたいし、お前のリーダーとしての重荷を減らしたいだけだ
リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者
【魔】
顔色を変えたシリウスに目を見開く
知り合い?違うわシリウス あの人は生きてる!
頬に手を添え 顔を覗き込み
大切なひとなのね?
大丈夫 生きているんだもの
何か事情があるんだわ 話をしましょう

魔術真名詠唱
初手で禹歩七星
シリウスとルシオさんのもとへ
立ちふさがる人は鬼門封印や九字で足止め
お願い 話をきいて
あなた達と戦いたくない
シリウスの隣で 回復と鬼門封印での支援
事情が分かれば 研究員捕縛までは時間稼ぎ
ヘスティアちゃんには カレンさんのRAN減少を
叶花ちゃんには 実験体のひとたちの無事を願う

戦闘終了後 シリウスの背をそっと押して
大丈夫よ 気持ち、ちゃんと伝えなきゃ
怪我人の手当て
どうか今日からは 大切な人の傍にいられる日常を
リコリス・ラディアータ トール・フォルクス
女性 / エレメンツ / 魔性憑き 男性 / 人間 / 悪魔祓い
オクトに…元教団の実験体…
仲間の知り合いもいるのね
なら、私のやるべきことは、彼らが望む結果を引き出せるようにお手伝いすること

魔術真名詠唱
実験体の対処を担当
叶花に回避強化してもらう
イアスが倒れるか、転魔解除まで、戦況が拮抗しているよう見せかける
スポットライトで引き付け、最初は回避に努める
切り結ぶように見せかけて、実験体に小声で
ごめんなさい、もう少しの辛抱よ
あなたもあなたのパートナーも、きっと助けてみせるから

交渉って苦手だけど、伝えたいことならあるわ
私が教団についたのは、教団に救われたから
もし救ってくれたのがオクトだったらそっち側だった
私みたいな人、教団にもオクトにももっといるんじゃないかしら
ヨナ・ミューエ ベルトルド・レーヴェ
女性 / エレメンツ / 狂信者 男性 / ライカンスロープ / 断罪者
【魔】
オクトの首領との会談ですか…
ここまで漕ぎつけたのはグリージョさん達が仲立ちしてくれたおかげです
私達もお役に立てれば良いのですが

襲撃の際はオクト側の非戦闘員の安全に注意しながらイアスへの対応
浄化師を無理矢理戦わせて…?
それにしても指示している人物が冷静を欠いているようで助かりました
巧妙に隠れられては判断が遅くなったでしょうし

アネモイのスキルはヨナは距離を詰められた際に距離を取り
喰人は逆に距離を一気に詰めるように使う
叶花にはNPCの運を上げて貰う
実験体と仲間の様子から察し目標(イアス)定めて行動不能にすべく疾く行動

この技術…デイムズの手の者か?
ここまで嗅ぎつけてくるとは相当に都合が悪いようだ
リューイ・ウィンダリア セシリア・ブルー
男性 / エレメンツ / 魔性憑き 女性 / マドールチェ / 占星術師
オクトの人と友好関係を結べると思ったのに
襲撃から王女様や室長を守る
何か事情が?
むやみに攻撃するのではなく 原因を探り取り除くよう

魔術真名詠唱
実験体の人対応
広場の要人たちの方へ行かないよう 仲間と連携しておさえ
リ:初手戦踏乱舞
ヒットアンドアウェイをしながら 声かけ
アライブスキル…浄化師?
どうして 室長を狙うんですか?
この会談がうまくいけば 人同士手を取り合えるかもしれないのに
セ:リューイの死角を補いながら タロットで牽制
ルーナーエヴァージョンやペンデュラムフォーチュン
倒すより原因究明を

ヘスティアちゃんには実験体の人のRANが下がるよう
叶花ちゃんには防御増を願う

可能な限り被害がないよう動く
必ず助ける
ラニ・シェルロワ ラス・シェルレイ
女性 / 人間 / 断罪者 男性 / 人間 / 拷問官
オクト…グリ兄実際に会うのは初めてね…
アリシアさんの家族もいるって話だし
信じてくれたあの人達の為にも、やるわよーっ!

・襲撃時
は!?いきなり襲撃!?
魔術真名詠唱
実験体達対応へ
(拮抗してるように…っていうけど、手加減してる余裕もなさそうね)
致命傷になる部位は避けながら全力で
武器を所有している前衛はラスと共に腕を狙い
囲まれないように立ち位置を意識
攻撃は武器で防御し、双方相方が防御してる瞬間に敵へスキル使用

・お話
仲間が会話してる間は邪魔しないように

いきなり お膳立てしたよ宝玉もあるよ!国作るの手伝うよ!って言われても急よね
まずは向こうの意見でしょ
ケイト姉達は納得してくれたけど…リーダーさん達は?
タオ・リンファ ステラ・ノーチェイン
女性 / 人間 / 断罪者 女性 / ヴァンピール / 拷問官
これは……!会談は罠だったということですか!?
いえ、オクトの方々も困惑している……私達を歓迎しない第三の者でしょうか

私達はイアスの拘束を目標に
しかし、立ち塞がる実験体達もどうにかしなくては

様子見も兼ね、黒炎解放は控えて魔術真名を詠唱し、戦いましょう
どうも普通ではないと他の方も同じ意見ですし、拮抗状態を生み分析できる時間を作ります
王女様のいる先へは行かせないよう警戒もします

瞳の変化などベリアル化の症状が出たら、ヘスティアさんの力で相手のRANの減少を狙います
時間をかけては危ない、相手が覚醒を使い始めたら叶花さんの力も借りて、黒炎解放後化蛇の水流で実験体の浄化師を押し退けイアスへの道を拓きましょう


~ リザルトノベル ~

 反教団組織オクトとの会談。
 船で浄化師一行が目的地の島に向かう中、『ラス・シェルレイ』はグリージョに声を掛ける。
「兄弟……話をしてくれたんだな」
「ああ。お前さんらのこともあるし、悪くねぇと思ってな」
「ありがとう、オレ達も自分にやれることを……やらなきゃな」
「頼りにしてるぜ」
 そう言うと拳を突き出すグリージョに、ラスは応えるように拳を当てる。すると――
「あーっ、あたしもー」
 気付いた『ラニ・シェルロワ』が走り寄り、2人と拳を重ねる。
「アリシアさんの家族もいるって話だし、信じてくれたみんなの為にも、やるわよーっ!」
 意気込むラニに、ラスとグリージョは笑顔で返し、ケイトとペトルも加わる。
「シィラは今回お留守番だけど、あの子の分も頑張るわよ」
「話がつき易いようフォローするから、その先は頼むぜ」
「任せて!」
「やれることは全部するよ」
 力強く応えるラニとラスだった。

 その様子を少し離れていた所で見ていた『ヨナ・ミューエ』は小さく呟く。

「オクトの首領との会談ですか……」
「思うことでもあるのか?」
 呟きが聞こえた『ベルトルド・レーヴェ』は、ヨナの思いを形にし易いよう話を振る。
 これにヨナは応えた。
「ここまで漕ぎつけたのはグリージョさん達が仲立ちしてくれたおかげです。私達もお役に立てれば良いのですが」
「そのために来たんだ。出来ることをするだけだな」
「ええ、そうですね」
 ベルトルドの言葉に、しっかりと頷くヨナだった。

 そして一行は島に上陸。
 会談場所である王城跡地に到着する。
 そこで死に別れた筈の家族の姿を見つけ『アリシア・ムーンライト』は彼女を見詰める。

(お姉ちゃん……)
 今すぐにでも言葉を交わしたい所を耐える。
 すると隣で寄り添うように居た『クリストフ・フォンシラー』が小さく声を掛けた。
「あとで話をしに行こう」
「……はい」
 小さく頷くアリシアを、姉であるエルリアは見詰めていた。

 そして会談が始まる。
 ヴァーミリオンが王女であるメアリーを守るように前に出ると、それに合わせてヨセフも前に出る。
 ヨセフは第一声をオクト側に譲り、メアリーが意を決したように何かを言おうとした時だった。

「殺せ!」

 憎悪の声と共に襲撃者が、離れた位置から突進して来た。
「これは……! 会談は罠だったということですか!?」
 襲撃者に気付いた『タオ・リンファ』が声を上げ、状況を把握するためオクトに視線を向ける。
(いえ、オクトの方々も困惑している……私達を歓迎しない第三の者でしょうか)
 状況把握に努める中、『ステラ・ノーチェイン』が声を掛けて来る。
「マー、どうする!?」
 これにリンファが応えるより早く、ヨセフの号令が響いた。
「襲撃者に対応! オクトと協力しろ!」

 ヨセフの号令に浄化師達は動き、オクトもヴァーミリオンの号令と共に即座に動く。

「ロック! チームを率いて姫さまを王城跡地にお連れしろ! 残りは俺に連いて来い!」
 オクト側の動きは速い。
 それに合わせ、クリストフが仲間達に指示を出す。

「グリージョ達は王女の護衛を頼むよ! ウボー達は室長の護衛を!」
 クリストフの言葉を受け、グリージョ達はそれぞれ動く。
 そして浄化師達も対応に動く。
(エルリアと話す前に面倒ごとか)
 歯噛みするような思いと共に、クリストフは反射的にエルリアの動きを追う。すると――
(エルリア、強いな!?)
 見れば、エルリアは2本の剣を巧みに操り、襲撃者達の攻撃を捌いている。
「お姉ちゃんが、戦って……強い、ですね……」
 エルリアの勇姿にアリシアは驚いたように声を上げる。
 だがすぐに戦いに意識を戻す。
「私も、私のできること、を」
 クリストフは頷き、アリシアと共にエルリアの援護に向かう。

 浄化師達の動きは素早い。
 魔術真名を唱え戦力を解放すると、襲撃者に向かって走り出す。

(オクトの人と友好関係を結べると思ったのに)
 襲撃者に向け走りながら『リューイ・ウィンダリア』は歯噛みするように思う。
 そこに彼と並走していた『セシリア・ブルー』が声を掛けた。
「リューイ、待って」
 襲撃者の動きを見ていた彼女は、アライブスキルを使っているのを確認し注意を促す。
「相手は浄化師よ」
「それって教団が」
「分からない。何かからくりがあるのかも」
 注意深く襲撃者の動きを見ていたセシリアは、あることに気付く。
「こちらを傷つけないようにしてる?」
 セシリアの言葉通り、襲撃者の攻撃は、どこか致命傷を避けるような動きをしていた。
(どういうこと?)
 さらに注意深く全体を見回すと、襲撃者である浄化師達を盾にするようにして動く男に気付く。
「……まるで彼らを盾にするように、後方にいるあの男は誰。浄化師たちに戦う気がないのなら、あの男に強制されたの?」
「もしそうなら、何か事情があるんじゃ」
 リューイはセシリアの言葉に返し、自らが成すことを決める。
「むやみに攻撃するんじゃなくて、原因を取り除くことを考えて動こう」
「ええ、分かったわ」
 セシリアはリューイに応え、2人は連携して襲撃者に相対する。

 刃を打ち合わせる浄化師達は、リューイ達と同じような違和感を抱いていた。

(対峙した時、殺気とは違うものを感じました。私達の殺害自体が目的ではない? 私達にではなく、何か別のモノへの……畏れ……?)
 今も刃を重ねながら、苦悩を浮かべる襲撃者にリンファは違和感を抱く。
 それはステラも同じだったのか、戦いながら声を上げた。
「マー、こいつらなんか変だぞ! どうする!?」
「まずは時間稼ぎを。状況を見極めます。ただし王女の元には行かせない様に気をつけて」
 リンファは様子見も兼ね黒炎解放を控えると、ステラと連携して襲撃者の動きを抑える。

 リンファ達と同じく、仲間の浄化師達も違和感に気付き、倒すことよりも抑えることに注力する。
 そんな中、襲撃者の中に死んだと思っていた相手の姿を見て驚愕する者も。

「……なんで。死んだって……まさか操られて……?」
 かつて教団で、実験体として共に過ごしたルシオの姿を見つけ『シリウス・セイアッド』は手にした双剣を落としそうになるほど驚く。
 看取ることもできなかった、たったひとりの友人。その姿に、少し前に教団本部を襲った死人兵の姿が重なる。
 血の気が引き顔を青ざめさせるシリウスに、『リチェルカーレ・リモージュ』が力強く声を掛けた。
「シリウス!」
 リチェルカーレの言葉で我に返り、反射的に視線を向けてきたシリウスにリチェルカーレは尋ねる。
「知り合い?」
 これにシリウスは途切れ途切れの声で返した。
「……子供の頃、実験をされてた時に……でも、死んだ筈だ……だから……」
「違うわシリウス。あの人は生きてる!」
 死人兵と戦ったことのあるリチェルカーレは、その時の経験を活かし応えた。
「あの人達には意志がある。生きているのよ」
 シリウスの頬に手を添え、顔を覗き込みながら続ける。
「大切なひとなのね? 大丈夫、生きているんだもの。何か事情があるんだわ、話をしましょう」
 リチェルカーレの言葉に力を貰い、シリウスは決意する。
「友人、なんだ。今度こそ守りたい……!」
 振り絞るような声で言った。
「助けてくれ」
「もちろんよ、シリウス」
 リチェルカーレは力強く返し、2人で抑えに動いた。

 そして襲撃者達を抑える中、事情を知るために動く者も。

「クリス……この方達、必死に見える、のですけれど……守る者の目を、してます」
 アリシアの言葉にクリストフは頷く。
「何かがある。事情を知るためにもエルリアの傍に行こう。何か知っているかもしれない」
 2人は全力で疾走する。
 リチェルカーレと共にアリシアが皆に禹歩七星を掛けていたこともあり、瞬く間に近づき声を掛けた。
「エルリア」
 アリシアが禁符の陣を襲撃者の1人に掛け動きを止めている間に、クリストフは声を掛ける。
「この人達、好きで襲ってきたように見えないんだけど、何か知ってるかい?」
「オクトの仲間よ」
 エルリアは双剣で襲撃者の攻撃を捌きながら返す。
「仲間なのよ。なのに、なんでこんな!」
 悲しみを飲み込みながら刃を振るうエルリアを援護するようにクリストフは動きながら、襲撃者にも声を掛ける。
「何でこんなことを。理由があるなら話してくれ」
 だが襲撃者は苦悩を浮かべながら刃を振るうことしか出来なかった。

 そこに、襲撃者達を盾にするようにして動いている男が、叫ぶように声を上げた。

「何をしている! さっさとヨセフを殺せ!」
 声を張り上げる男に『ショーン・ハイド』は視線を向け、鋭い笑みを浮かべる。
(あいつは、シリウスが世話になった奴じゃあないか)
「ショーン、知ってるの?」
 襲撃者達の動きを抑えながら『レオノル・ペリエ』は尋ねる。これにショーンは応えた。
「以前、教団の研究者だった、イアスという男です。室長に研究を止められてから失踪したと聞いていましたが、随分と出世したようで」
 ショーンの言葉を聞いて、レオノルはイアスに視線を向ける。
 相変わらずヨセフに対する恨み言を叫んでいた。
「……なんていうか、室長のことよっぽど嫌いなんだろうなぁ」
 レオノルの言葉通り、イアスのヨセフに対する恨みは相当強いように見える。
 それだけに何をしでかすか分からない。
 だからこそ、より一層注意して襲撃者の抑えに動く。

 襲撃者達の状況を薄々理解しつつも、具体的な状況が分からないので思い切った動きが出来ないでいた。
 それを変えたのはセシリアだった。

「何かわけがあるなら教えて。力になれるかもしれないわ」
 襲撃者達を抑えながらセシリアは声を掛けていく。
 それはリューイも同じだ。
「どうして、室長を狙うんですか? この会談がうまくいけば、人同士手を取り合えるかもしれないのに」
 相手を可能な限り傷付けないようにして、リューイはヒット&アウェイを繰り返し言葉を掛けていく。
「室長は公正な人です。戦いが貴方たちの真意じゃないなら、わかってくれる」
 途切れず言葉を掛けていく。
 だが彼らは応えない。それでも浄化師達は言葉を掛けていく。
 それが、襲撃者達の心を動かした。

 ――助けてくれ。

 襲撃者の1人。マドールチェの青年がセシリアに魔術通信で接触してくる。
 これにセシリアは、これまで戦闘の中で見せた冷静さを発揮し、戦いながら応えた。

 ――助けます。事情を話してくれますか?

 セシリアの応えに、マドールチェの青年は事情を説明する。

 ――パートナーを人質にされている。逆らえばべリアルにされる。

 事情を把握したセシリアは、魔術通信で仲間に連絡。

 ――命を質に取られ戦わされている。彼を止めて。

 イアスが原因だと理解した浄化師達は、それぞれが自分の役割を果たすため動いていく。

(拮抗してるように……っていうけど、手加減してる余裕もなさそうね)
 ラニは戦いの中でアイコンタクトをしながら、ラスと共に襲撃者を抑えていく。
 致命傷になる部位は避けながら全力で抑えに回り、直接切り掛かって来る者がいれば、武器を手にした腕をラスと共に狙う。
 だが襲撃者達は強い。
 なんとか拮抗するように立ち回れるものの、数が揃えば拙い。
 だからこそ、囲まれないよう立ち位置を意識し2人は動く。
 阿吽の呼吸で絶妙のコンビネーションを見せながら、襲撃者を抑えていく。
 ラニに刃が飛べば、それを彼女は手にした武器で弾く。
 そこに間髪入れずラスが柄打ちを放つ。
 受けると拙いと見た襲撃者が距離を取れば、深追いすることなく、ラニとラスはお互いの死角を守るように背中をあずける。
 2人でひとつの息の合った戦いを見せながら、ラスは万が一の事態も考える。
(べリアル化させるっていうなら、ヘスティアに黒炎を撃って貰えば)
 ラスは戦いを続けながら、いつでもヘスティアに指示を出せるよう、彼女の位置を把握していた。

 そうして状況を把握しながら浄化師は戦っていく。

「あの研究者も教団の膿ってやつか……」
 戦いを続けながら『トール・フォルクス』は苦々しく呟く。
「何とかしないと交渉どころじゃないな。使われている人達も助けたい」
「もちろんよ」
 トールと連携を取りながら戦っている『リコリス・ラディアータ』が応える。
「オクトに……元教団の実験体も……仲間の知り合いもいる。私のやるべきことは、彼らが望む結果を引き出せるようにお手伝いすることよ」
「ああ。やるぞ、リコ」
 トールは頷き、2人はこれまでの戦闘で見せた絶妙の連携を繰り広げながら、襲撃者達を抑えていった。

 浄化師の活躍で、事態は拮抗状態に動く。
 それを見たイアスは、さらに口汚くののしるようにして命令をしていた。
「早く殺せ! 役立たずども!」
 激昂するイアスに、呆れたようにヨナは呟く。

「指示している人物が冷静を欠いているようで助かりますね。巧妙に隠れられては判断が遅くなったでしょうし」
 そこにベルトルドが、戦いながらヨナに返す。
「熱くなっては無いみたいだな。怒ってはいるようだが」
「当たり前です。浄化師を無理矢理戦わせるような人物、一刻も早く捕縛しないと」
「違いない。少しでも早く終わらせるぞ」
 2人は連携し、仲間の動きに合わせ戦っていった。

 そうして皆が戦う中、ヨセフは回避を中心にして動き、戦うのではなく全体を見ている。
 それに気付いたリンファが声を掛けた。

「デスクワークで鈍っていませんか? 教皇を目指すなら、まず部下にいいところを見せてくださいね」
 これにヨセフは笑みを浮かべ返す。
「そうしよう。だから護衛は任せる」
 戦場全てを把握したヨセフは、1人で跳び出す。
 そこは戦場の空白地帯。
 全員の意識の外にある場所に移動すると、イアスに向け大きく声を上げた。
「久しぶりだなイアス! 元気そうじゃないか!」
 親しげとさえ言ってよい響きで声を掛ける。
「頭を下げるなら教団に戻って来ても良いぞ!」
「ふざけるなああああっ!」
 激昂したイアスは襲撃者に指示を出す。
「ヨセフを殺せえええっ!」
 これにより拮抗状態が動く。
 ヨセフが自身を餌にすることで、襲撃者の一団がまとめて走り出す。
 それに合わせ跳び出したのはリコリスだった。

「トール援護お願い!」
「分かった!」
 襲撃者の一団に向け走り出すリコリスに合せトールも動く。
 リコリスはリチェルカーレ達が掛けてくれた禹歩七星の助けもあり、瞬く間に襲撃者の一団の前に立ち塞がる。
 それと同時にスポットライトを使う。
 魔力を込めた踊りを舞うことで発動した魔術が、襲撃者の意識に干渉。
 強制的に意識をリコリスに向けさせる。
「こっちよ」
 襲撃者の意識を向けさせたところで、一気に走り出す。
 それは離れ過ぎず、引き離さない絶妙の速さ。
 あくまでも自分に引き付けるために、リコリスは危険を承知で囮役を引き受ける。
 それは危険ではあるが、今この場では効果的な動きだった。
 リコリスは走り続け、場合によってはどうしても追い付かれることもある。
 そこでリコリスは迎撃する。
 襲撃者の刃を避けると懐に跳び込み、切り結ぶように見せかける。
 わざと刃を相手に受け止めさせ、それに相手が気付き視線を向けると、小声で返す。
「ごめんなさい、もう少しの辛抱よ」
 切り結んだあと一端距離を取り、さらに声を掛ける。
「あなたもあなたのパートナーも、きっと助けてみせるから」
 これに襲撃者は苦しげな表情を見せるも、イアスに気付かれないよう攻撃を重ねていく。
 それをリコリスは避け続ける。
 魔性憑きの卓越した動きに加え、魔導書である叶花に回避を願っていたこともあり、危なげなく避けていく。
 それでも引きつけた数が多い。
 死角から踏み込んで来る襲撃者も出てくる。
 そこにトールの援護射撃が放たれた。
 ピンポイントショットによる正確無比な射撃が、死角から踏み込もうとした襲撃者の足元に突き刺さる。
「君達も助けたいけど、それ以上通すわけにはいかないんだ」
 トールの援護で、リコリスを襲撃する者は抑えられる。
 さらに仲間が援護に来てくれることで、それはより強まった。

「ラニ、行くぞ!」
「任せて!」
 ラスとラニは、側面からリコリスに向かおうとする襲撃者を迎撃する。
 先行して跳び出したラニを援護するようにラスは動き、敵の攻撃を捌いていく。

 援護は彼らだけじゃない。

「セラ、援護を頼むよ!」
「分かったわ」
 リューイはセシリアを信じ襲撃者に向け跳び込む。
 跳び込んできたリューイの死角に、襲撃者は移動しようとするが、そこにセシリアがタロットカードを放ち牽制。
 ルーナーエヴァージョンやペンデュラムフォーチュンも駆使し、どちらも可能な限り傷つかないよう戦っていった。

 これらの動きにより、リコリスに向かう一団と、ヨセフに向かう一団に襲撃者は人数を取られる。
 リコリスはトール達の援護により抑えきり、ヨセフの元にはウボー達がいるので時間稼ぎが出来ている。
 しかもオクトも襲撃者を抑えている。
 つまり、イアスを守る襲撃者の数はかなり減っていた。
 ここで浄化師達は大きく動く。

「お願い、話をきいて。あなた達と戦いたくない」
 リチェルカーレはシリウスと共に前に進みながら、向かってくる相手を可能な限り傷付けず抑えていく。
 それはシリウスも同じ。
 自分の傷には頓着せず進み続け、やがて襲撃者のリーダーであるルシオのもとに。
「――ルシオ? 俺がわかるか」
「シリウス、なのか」
 驚きで動きが止まったルシオにシリウスは声を掛け続ける。
「優しかったお前が、どうして」 
「それは……待ってくれカミラ!」
 ルシオの制止の声に、シリウスに斬りつけたカミラの一撃が鈍る。
 それをシリウスは避けず受け止め、斬り裂かれ血を流しながらもルシオに声を掛け続けた。
「……俺といたから、お前は死んだと言われた。だったら、償わせてくれ。今度は俺がお前を守るから」
「違う」
 ルシオの応えは迷いが無かった。
「お前のせいじゃない。だから――」
 ルシオが、さらに何かを言おうとした時だった。
「何をしている出来損ないが!」
 イアスが絶叫し、転魔を発動させた。
 襲撃者の半数が覚醒する。それに合わせ苦しむ残りの襲撃者達。

 目の前の光景に、教団本部を襲った光景が重なる浄化師達。

(正気を保ったまま力を増強し……それに比例して他に症状が現れている)
 リンファは黒炎解放し、覚醒した相手の攻撃をギリギリで捌きながら呟く。
「まさか、ラスプーチン……デイムズ室長が使っていたものと同じ……!?」

 リンファと考えを同じにする者は他にも。

「この技術……デイムズの手の者か?」
 覚醒した相手の攻撃をベルトルドは捌きながら推測する。
(ここまで嗅ぎつけてくるとは相当に都合が悪いようだ)
 絡み合った思惑を感じながらも、浄化師達は目の前の相手に全力を尽くす。

「ルシオ!」
 駆け寄ろうとしたシリウスに、カミラが斬り掛かる。
「死んで、くれ。でないと、ルシオが」
 ルシオを失う恐怖に顔を青ざめさせながら斬りつけて来るカミラ。
 それを必死に止めようとするルシオ。
「ダメ、だ……止め……」
 それを嘲笑うようにイアスが叫ぶ。
「役立たずが! 使えんなら今すぐべリアルに――」
 そう言うとルシオをべリアルにするべく、転魔の効果を強めようとした。
 けれど浄化師達の声の方が速かった。
「ヘスティアちゃん! 黒炎を!」
 リチェルカーレが魔導書であるヘスティアに願い、同じく他の皆も願いの声を上げる。
 それに応え、ヘスティアは黒炎を生み出し、転魔に苦しむ襲撃者達を包み込んだ。
 その途端、覚醒していた者は元に戻り、苦しんで居た者達も安らぐ。
「な、なんだそれは!」
 驚愕の声を上げるイアス。
 驚きで思わず体を硬くし、一瞬とはいえ放心する。
 その隙を逃す浄化師ではない。
 シリウスが走る。
 瞬く間に距離を詰めるシリウスに、恐怖の声を上げイアスは実験体達に命令する。
「俺を守れ!」
 反射的に動いてしまう実験体達。

 それを浄化師達は抑える。

「アネモイ!」
「お願いします!」
 距離が離れていたヨナとベルトルドが、転移の魔導書であるアネモイに頼む。
 その瞬間、2人はイアスを守ろうと動く実験体達の前に転移すると、先んじてヨナが魔術を放つ。
「それ以上近付かないで下さい!」
 ヨナは実験体達の動きを塞ぐように、影響範囲を見極めながら、全力のエクスプロージョンを放つ。
 爆発の余波で右から来る実験体の動きを止め、左から来る実験体はベルトルドが黒炎魔喰器の特殊能力を発動させて止めた。 
「九天咆哮」
 ベルトルドの竜哭が震え咆哮の如き撃音を震わせると、実験体達の動きが止まった。

 元凶であるイアスへの道が開く。
 そこにまっすぐ走るシリウスと、それに気付き応援に向かうショーン。
「ショーンこっちは抑えるよ! だから行って!」
 レオノルは特大のソーンケージを撃ち、ショーンに実験体が向かわないよう壁を作る。
 その助けを得て、ショーンは走った。

 イアスを追い詰めるべく距離を詰める浄化師達。
 それに恐慌をきたしたように、イアスは叫んだ。
「守れ! 俺を守れ! 少しは役に立て失敗作が!」
 転魔の出力を強める。
 ヘスティアの炎で押さえられてはいるが、それでもべリアル化の兆候に実験体達はイアスを守りに動く。

 ここで絶好の動きを見せたのはリンファだった。

(ここで止めないと!)
 リンファは実験体を傷つけず、その上で動きを止めるために黒炎魔喰器の特殊能力を解放する。
 蒼滅呪刀・化蛇を振りかぶる。
 それを見た実験体が止めようとするがステラが防ぐ。
「なにやってんだ!」
 ステラはスタンピングハンマーを勢い良く打ち降ろし、地面に罅が入るほど打ちつけ注意を引くと大声で言った。
「マーはお前らを助けるために頑張ってんだ! それを邪魔してどうすんだ!」
 ステラの言葉で実験体達は怯んだように動きが止まる。
 そこにリンファは激流を撃ち放った。
「波濤に呑み干せ、化蛇」
 化蛇の振り降ろしに合せ放出された黒炎は膨大な水流に変化。
 それは願望の魔導書である叶花の助けも借り、精妙な動きで実験体達を飲み込み押し流す。
 地を這う蛇のような動きで激流は実験体達を押しやると、怪我をさせることなくイアスから遠ざけた。

 イアスの守りは無くなる。
 慌てて逃げ出そうとするが、それよりもクリストフの動きの方が速い。

「アネモイちゃん頼むよ!」
 クリストフの願いに応え、イアスの逃走先に転移させる。
「お前がシリウスの友人を操ってるのか!」
「ひいっ!」
 クリストフが斬りつければ、イアスは魔力障壁で守る。
「止めろ! くそ、お前ら何をしてる!」
 この期に及んで実験体達を盾にしようとするイアスに、クリストフは冷たい眼差しを向ける。
「駒の陰に隠れるしかできない能なしだな」
「貴様!」
 挑発で激昂するイアス。そちらに意識が向いている間に、追い付いたシリウスも斬りつける。
「や、止め――」
 顔をひきつらせイアスは止めようとするが、クリストフとシリウスの猛攻に魔力障壁は粉砕。
 そこにアネモイの助けでイアスの死角に転移したショーンがキッツイ一発を食らわせた。
「長年の恨みだ。一発殴らせろ!」
 クリムゾンストックが勢い良くイアスの顎に叩き込まれる。
 悲鳴を上げることさえ出来ず、イアスは気絶した。
 その途端、転魔の効果が消える。
 誰も被害を出すことなく、戦いは終わった。

 戦いが終わり、怪我の対処をする中、リチェルカーレはシリウスの背中をそっと押す。

「大丈夫よ。気持ち、ちゃんと伝えなきゃ」
 リチェルカーレに促され、シリウスはルシオの元に。
 ルシオはシリウスの傷を天恩天賜で癒すと、温かな笑顔を向け呼び掛けてくれた。
「大きくなったな」
「……」
 想いが大き過ぎて何も応えられないでいるシリウスの手を、シリウスは取る。
 そして子供のころ交わした言葉を口にした。
「明日は今日より好い日になる。俺にとっては、今日がそうだよ。お前に生きて会えた。今日は昨日より、好い日だ。そうだろう? シリウス」
 子供の頃、元気付けるように掛けてくれた言葉。
 泣きそうな時、手を握り力付けてくれた。
 あの頃と変わらぬ笑顔に、シリウスは感情が溢れる。
「……生きている……!」
 震える声で抱きしめるシリウスに――
「ああ、生きてるよ。俺も、お前も」
 ルシオはシリウスを落ち着かせるように抱きしめ返した。
 それを見ていたリチェルカーレは思う。
(どうか今日からは、大切な人の傍にいられる日常を)
 その思いは、今この時は叶っていた。
 同時に、それを少し離れた場所で、寂しそうに見つめるカミラだった。

 亡くしたと思っていた大切な人と出会え、感情を溢れさせるのはアリシアも同じだった。

「おねえ、ちゃん……っ」
 皆の回復を終えたアリシアは、エルリアの元へ駆け寄り抱きついた。
「会いたかった……!」
 想いを振り絞るように気持ちを伝える。
「生きててくれて……あの時、私を守ってくれて、ありがとう……」
「……シア」
 エルリアも気持ちを抑えられないというように、アリシアを抱きしめる。
「生きてる……良かった……」
 再会を喜ぶ2人にクリストフも加わる。
「エルリア? 久しぶり」
 近況報告を交わしていると、王女であるメアリーが、いつの間にか近付いているのに気付く。
「初めまして。エルリアの、妹です」
「……お姉ちゃんの、妹……」
 どこか不安を滲ませるメアリーに、アリシアは続けて言った。
「私とも、仲良くして、貰えますか……? 姫様の国を、より良くするお手伝い、させて下さい」
 アリシアの言葉に、メアリーはエルリアを見詰めたあと、小さな声で応えた。
「……うん」
 どこか不安を飲み込み我慢しているような表情を見せるメアリー。
 そんな彼女の傍にエルリアは寄ると、優しい声で言った。
「姫さま。私はどこにも行ったりしません。シアと同じように、私は姫さまが大事なんです。だからシアと、仲良くなって欲しいです」
 弟妹が出来て自分の気持ちを我慢する子供のようなメアリーに、エルリアは安心させるように言う。
 それがメアリーの強張った表情を和らげる。
 そしてアリシアに視線を向けたあと、恥ずかしそう顔を伏せ、小さな声で言った。
「おねぇちゃんも、おねぇちゃんって、呼んでも良い……?」
 これに笑顔で応えるアリシアだった。

 そうして会話を交わす中、ショーンはヴァーミリオンと言葉を交わしていた。

「久しぶりだな」
 かつてと変わらず親しげに声を掛けるヴァーミリオンに、ショーンは言葉を迷う。
(イアスや終焉の夜明け団と関わってるかもしれないと聞いた時は腹も立ったしな)
 けれど関係ないと分かった今、どんな話をすればいいか分からなかった。
 そんな彼を促すようにヴァーミリオンは呼び掛けた。
「せっかく会えたんだ。お前の声が聞きたい。話せよ、ショーン」
 言葉を選ぶような間を空けてショーンは応えた。
「……俺はお前にとって裏切り者の立場だ」
 迷いの果てに言葉にしたのは、思いを素直に口にすること。
「教団の非道さも知っている。だから、対等な協力関係にありたいなんて口が裂けても俺には言えない」
 望みは遠く手が届かないと思っていても、願わずにはいられない。
「ただ俺は、見返りなくお前やお前の仲間の力になりたいし、お前のリーダーとしての重荷を減らしたいだけだ」
「なら酒に付き合え」
 笑みを浮かべヴァーミリオンは応えた。
「お前と飲み交わすために用意してた酒が残ってる。俺の重荷を減らしてくれるんだろ? 出来ればそっちの別嬪さんも一緒にな」
 レオノルに笑みを向けるヴァーミリオンに、レオノルは応えた。
「レオノル・ペリエです。グリージョさん辺りから私が拉致されたって話は聞いてるよね?」
「ああ、聞いてる」
 頷くヴァーミリオンに、レオノルは続ける。
「ショーンが二重スパイになるぐらいだからヴァーミリオンさんも真っ当だし、オクトも当時の教団に比べていい組織なんだと思う。
 室長が協力したがるぐらいだし、組織力もあるだろうしね。元々は自警団なんでしょ?」
「ああ。むかつく奴らをぶっとばしてたら、いつのまにか、な」
 当時のことを思い出しているのか、苦笑するような表情を見せるヴァーミリオンに、レオノルは提案するように言った。
「王女が今の国を復興するのもあるけどさぁ……教団に協力する必要なんてないから利用して欲しい。浄化師は安定したベリアル討伐能力がウリなんだからさ。そこら辺で教団コキ使って利用すればいいよ。お互い面子立てるだけでいいじゃん」
「利用ねぇ……あんたはどう思うんだ?」
 ヴァーミリオンは、少し離れた場所で話を聞いていたヨセフに話を振る。
 するとヨセフは平然と返した。
「気にするな。こちらも利用させて貰う」
「はっ、言うじゃねぇか」
 ヨセフの応えにヴァーミリオンは目を細める。
「面倒事は全部こちらに丸投げか?」
「お互い様だ。ヴァーミリオン、お前にはリーダーの資質があると判断した。だから、お互い巧く回せるだろう」
「なに言ってんだ? リーダーの資質? なんだそりゃ?」
「必要な相手に丸投げできる才能だ」
「おいおい。そんなのは無能のすることじゃねぇのか?」
「そうであれば素晴らしい。最高のリーダーは、有能に丸投げできる無能だ。俺は、そうでありたいと思っている」
 平然と言い切るヨセフに、ヴァーミリオンは笑う。
「ははっ、お前相当悪辣だろ」
「否定はしない。だから、この場でも俺は、俺以外に頼らせて貰う」
 ヨセフは浄化師達を示し言った。
「彼らの話を聞いて欲しい。それが、お互いのためになる」
 ヨセフに促され、ヴァーミリオンは浄化師達の言葉に耳を傾ける。

 それに応えるように、浄化師達は思いを口にした。

「ケイト姉達から聞いたの。シィラのこと、ありがとう」
 ラニの言葉にヴァーミリオンは笑みを浮かべる。
「礼を言うこたねぇよ。家族に会えたんなら何よりだ。うちは居場所のなかったヤツラの集まりだが、帰れる場所があるなら、そこに行くのが一番だ。嬢ちゃん達が、シィラにとって帰るべき場所だったってことさ」
「それでも、ありがとう。シィラが、あたし達の所に会えるまでの居場所をくれたんだから」
 ラニの言葉に笑みを強めるヴァーミリオンに、ラスも自分の考えを口にする。
「この島に国を作るなら手伝わせてほしい」
 ラスは家族ともいえる人達を思い浮かべ続ける。
「平穏に暮らせる場所があるなら、エフェメラのじい様みたいに……独りで生きることを選ばざるを得ない人の、助けになると思うんだ。いきなり受け入れろ、というのも難しいだろうけど」
 ラスに同意するようにラニも言った。
「そうよね。いきなり、お膳立てしたよ宝玉もあるよ! 国作るの手伝うよ! って言われても急よね。まずはオクトの人達の意見が大事だし。ケイト姉達は納得してくれたけど……リーダーさん達は?」
「納得するために、ここに来たのさ」
 ヴァーミリオンは、ラスとラニの気持ちを受け止めるように応える。
「さっきも言ったけどよ、オクトってのは居場所のねぇヤツラのために作ったんだ。でもよ、帰る場所が、自分達の国があるってんなら、悪かねぇよ。だがな、迷ってるヤツラもいる。だから、聞かせてくれ。お前らの考えってヤツを」
 これにクリストフが返す。
「オクトも教団も今膿を抱えてる。それらを潰し良い国にするために手を取らないか?」
 ヴァーミリオンは、気絶しているイアスに視線を向けたあと応える。
「うちもデカくなって、いつの間にか膿んじまってる部分があるのは間違いねぇ。そこはどうにかしねぇといけねぇが、教団の方は出来るのか?」
 これにリコリスとトールが返した。
「オクトが出来るって言うなら、教団だってできるわ」
 リコリスは自分自身を振り返りながら続ける。
「私が教団についたのは、教団に救われたから。もし救ってくれたのがオクトだったらそっち側だった。私みたいな人、教団にもオクトにももっといるんじゃないかしら」
 リコリスに続けてトールも思いを口にする。
「教団の全部は信じられなくても、ここにいる人達のことは信じて欲しい。教団の膿は、ヨセフ室長が天下取ったら吐き出していくよ、きっと……ですよね室長?」
「時間は掛かる。だが約束しよう」
 トールの問い掛けに、迷いなく応えるヨセフ。
 そこに続けて、セシリアが願うように言った。
「教団と魔女と、オクトの人と、わかりあえたらどんなにいいか」
 ヴァーミリオンと視線を合わせ続ける。
「少しずつでもいいんです。どうか友好関係を」
 セシリアの言葉に、ヴァーミリオンはオクトのメンバーに視線を向ける。
 戦いで怪我をした者達もいたが、セシリアたちが手当てをした事もあり、全員癒されている。
 一時とはいえ、共に戦い、浄化師達はオクトを気遣う。
 言葉だけでなく行動で示していたからこそ、ヴァーミリオンは応えた。
「一度には無理だろうさ。だが、不可能じゃねぇ。情だけでも、利だけでも、足りねぇ。その両方が要る。そのどちら共が出せるってんなら、こっちも同じように苦労するさ」
 ヴァーミリオンの応えをきいたベルトルドが、共に解決すべき懸念を口にする。
「手を取り合えるというなら、気をつけて欲しいことがある」
 先を促すように視線を向けて来るヴァーミリオンにベルトルドは続けた。
「このまま教団と小競り合いを続けていても疲弊していくばかりだ。それを嗤う者がいる。先ずは安全に生活出来る場所……国を魔女や行く当てのない人達と共に作っては貰えないか」
 ベルトルドの言葉にヨナも続く。
「襲撃者を見ての通り、教団も一枚岩ではありません」
 元教団員であるイアスに視線を向けたあと続ける。
「ヨセフ室長の元、古い体制の教団と決別すべく動いています。それに……オクトも教団もこのままだとデイムズの戦争の道具にされるでしょう。お互いにそれは避けたい筈です」
「デイムズ?」
 聞き返すヴァーミリオンに、ヨナはデイムズのことを説明したあと提案する。
「この島の構造上、王女の加護があればそう簡単に攻め入る事はできません。蓄積された魔結晶もどう使うかはあなた方次第。魔女達も島の為に力を貸してくれるでしょう。もはや教団の脅威にすらなる可能性もあります。どうかその可能性を、私達と共に歩むことに向けては頂けませんか」
 ヨナの言葉を聞いたヴァーミリオンは、しばらく考え込むような間を空けたあと、呟くように言った。
「国を再興しても、また潰されちゃ意味ねぇしな」
 これを聞いたリンファが尋ねる。
「何故この王国は滅びたのでしょうか?」
 リンファは王女であるメアリーに視線を向けたあと、続ける。
「彼女が王家の血を引いているというならば、王族にも生き残りはいたということ。それでも今日まで打ち捨てられていたのはどうしてなのでしょうか?」
「枢機卿が裏で手を回してたからだ」
 アークソサエティの実質的最高権力者たちのことをヴァーミリオンは口にする。
「ここにあった国は、元々は八百万の神を強く祭る民でな。それだけに、八百万の神さえ狩り獲ろうとする教団とは敵対してたんだよ。それを目障りに思った枢機卿に手を回されて、少しずつ内部を腐敗させられた挙句に、王族は散り散りになっちまった」
「散り散りにというなら、どこで彼女を見つけてきたんですか?」
「ライナーが連れて来た」
 この場には居ない、人形遣いの仮の肉体の名を口にする。
「姫さまは産まれた時から奴隷として囲われてたらしい。国は滅ぼしても王族の血筋を確保しとけば、何かあった時に使えるとでも思ったんだろ。ライナーの奴は、家臣の末裔だって言って、命がけで姫さまを連れ出したって言ってたが、その時から色々と仕込んでたんだろうな」
 これにリンファは再び問い掛ける。
「それが本当なら、彼女は……」
「姫さまは王族だ。それは間違いねぇ」
 言いよどむリンファが先を言わさないで済むよう、すぐにヴァーミリオンは返した。
「俺はヴァンピールだからな。血で王族かどうかが分かる。元々俺の一族が王族の騎士として就いてたのも、本物の王族を見極める能力を持ってたからだ」
「そうなのですか。なるほど、よく分かりました」
 リンファは、応えてくれたヴァーミリオンに礼を言うと、気絶したままのイアスに視線を向け続ける。
「裏で画策があったなら、少しでも情報を知る必要があります。彼から新しい情報を聞き出せないかも試してみましょう」
 これにイアスの傍に居たセパルが返す。
「今すぐは無理だよ。万が一にも転魔が出来ないよう、魔法で眠らせてるから。教団に戻って、しっかりとした施設で拘束してからが良いと思うよ」
 セパルの話を聞いたクリストフが尋ねる。
「みんなに掛けられてる魔術、何とかできないかなセパルちゃん」
 実験体達に視線を向けるクリストフにセパルは応えた。
「大丈夫、出来るよ。今のままでも時間を掛ければ出来るし、術式の詳しい知識があれば、より早く安全に解けるからね」
 セパルはイアスに視線を向けたあと、ヴァーミリオンに視線を向け尋ねる。
「術を解くなら、教団に来て貰った方が良いと思う。それでも良いかな?」
「分かった。助けられるなら、頼む」
 ヴァーミリオンは承諾する。
 それはこれまで浄化師がオクトに対し積み上げてきた行動と、今日ここでの活躍があったればこその言葉だった。

 かくしてオクトとの会談は終わる。
 教団本部とオクトとの協力関係を締結し、今後もそれを維持することに決まった。
 全ては浄化師の活躍があったればこそ。
 一歩間違えれば大惨事になっていた所だが、地道な積み重ねと、それを実現させた浄化師達の苦労の賜物だった。
 新たな流れを作り出した浄化師達だった。


【教国】オクトと友好関係を築け
(執筆:春夏秋冬 GM)



*** 活躍者 ***

  • リコリス・ラディアータ
    貴方が貴方なら王子様は必要ないの
  • トール・フォルクス
    世界と戦うお姫様と共に
  • リューイ・ウィンダリア
    僕にできることがあるのなら
  • セシリア・ブルー
    あなたの望む通りに生きればいい
  • タオ・リンファ
  • ステラ・ノーチェイン

リコリス・ラディアータ
女性 / エレメンツ / 魔性憑き
トール・フォルクス
男性 / 人間 / 悪魔祓い

リューイ・ウィンダリア
男性 / エレメンツ / 魔性憑き
セシリア・ブルー
女性 / マドールチェ / 占星術師

タオ・リンファ
女性 / 人間 / 断罪者
ステラ・ノーチェイン
女性 / ヴァンピール / 拷問官




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2020/06/04-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[20] リコリス・ラディアータ 2020/06/12-21:12

そろそろ出発ね。
護衛に関しては、出ている意見でいいと思うわ。
それから、突破されそうになったら、私達はホール前に転移して食い止めるつもりよ。
なので実験体対応にかかりきりになると思うけど、イアスとか他のことについてはお願いね。  
 

[19] ショーン・ハイド 2020/06/12-20:55

……確かに。
あの研究者、室長に恨みがあるわけだし、護衛をつけなきゃまずいな。
クリスの意見でいいと思う。
手数を掛けるが書いてくれるとありがたい。  
 

[18] クリストフ・フォンシラー 2020/06/12-19:35

ああ、そうか、そうだね。
グリージョ達なら王女も知り合いだから安心だろうし、王女の護衛はグリージョ達に頼むのがいいかもしれない。
それと思ったんだけど、ヨセフ室長「そんなに強くない」と言うことは、こちらも護衛必要じゃないかな。
なので室長の護衛はウボー達に頼めばと思った。

それで良ければ、俺の方でその辺書いとくよ。  
 

[17] ヨナ・ミューエ 2020/06/12-14:49

各種事項の対応諸々了解しました。
既に実験体対応は人数が厚めになっていると感じるので私達はイアスの捕縛の方で動きますね。
実験体をベリアル化させる可能性があるなら早めに倒しておく方が良いと思いますし。  
 

[16] ショーン・ハイド 2020/06/12-08:33

今のところ、異議はなさそうか……?
王女の護衛は今出てる案でいいと思う。一瞬リア……いや、エルリアに頼めれば一番スマートじゃなかろかと思ったんだが、あいつは広場に出てるんだな……。
クリス、俺も研究員捕獲に行っていいか?
とりあえずクリスよりは後にアネモイで飛んで、クリスに集中してるところで後ろからぶん殴っとく、でいいだろう?  
 

[15] ラニ・シェルロワ 2020/06/11-21:36

ふむふむ…実験体の人たちに、あのいかにも小物っぽい奴への対処は意義なしよ
ヘスティアちゃんの案も賛成!無理やり上げさせるなら下げてやろうじゃないのー!

護衛は…うーん、確かにノーマークっていうのはちょっと不安だけど
それこそ、グリージョ兄たちにお願いした方がいいかも
…向こうも、そっちの方が気持ち的には安心するんじゃない?
まぁどうしてもって時になったら、アネモイちゃんに飛ばしてもらいましょ

あたし達はいつも通り、ラスと一緒に前線で連携攻撃って感じかな
レベル的には寧ろあの人達の方が強いぐらいだし、拮抗なら任せてー…ふ、不利にはならないはず、うん  
 

[14] リューイ・ウィンダリア 2020/06/11-20:11

イアス捕縛までは、拮抗していると見せかけるように…ですね。
僕たちもそのように動きます。
ヘスティアちゃんの能力の使い方も、RANを下げる方向でお願いするのに賛成です。
僕たちは研究員側でも、実験体の人たち側でもどちらでもかまいません。
リコリスさんがあげてくれている、人数を多めに…という案にするのなら、こちらに入れてもらった方がいいでしょうか?
セラは、シールドを使って王女様にとも思ったのですが、ヴァーミリオンさんやエルリアさんがいるし、オクトの人たちがきっと守りますね。
NPCさんに何人か回ってもらう、でいいと思います。  
 

[13] リコリス・ラディアータ 2020/06/11-10:40

実験体は高レベルで数が多いし、拮抗してると見せかけるなら耐久戦っぽくなるでしょうし
こちらも人数多めに割り振った方がいいかもと思うわ。
なので私たちも実験体の方を希望させてもらうわね。
途中までは回避に専念するとかして、イアス捕縛までの時間を稼ぐわ。

ヘスティアの能力はショーンの案でいいと思うわ。
こちらのRANはそこまで危ない人っていないし、実験体の人達を少しでもつらくないようにしてあげたい。

王女の護衛は…どうなのかしら?
PC達から人数を割くよりも、全員で突破を阻止した方がいいかなと私は思うわ。
NPCには何人かに護衛をお願いしてもいいんじゃないかしら。  
 

[12] シリウス・セイアッド 2020/06/10-23:18

ールシオは元々教団にいたんだ。
その頃から実験体として扱われて…ずいぶん前に、死んだと聞かされていたのに、どうして。

イアスを抑える事ができれば、無理やり動かされている浄化師は止められると思う。
ショーンやクリスが言うように、実験体対応者とイアス対応者…あと王女の護衛と分かれられたらいいと。
ー俺とリチェは、実験体の…ルシオの方へ行かせてもらえたら、と。  
 

[11] クリストフ・フォンシラー 2020/06/10-22:01

うん、みんなありがとう。
とは言えそうだね、話す前に襲撃があるんだよな……。

>戦闘
多少ショーンと被る事を言うけど、実験体の人達はパートナーをベリアル化させない為に戦ってるんだよね。
と言う事は助ける余地があるんじゃないかと思うんだ。
まあこれはPL情報だから最初は俺達の知らない情報ではあるけど、様子がおかしいことには気付けると思うから、戦いながら話し掛けてみようと思ってる。
その情報を得られたら、俺はアネモイちゃんに頼んでイアスの目の前に転移させて貰うつもりだよ。
イアスを気絶させるなりしてベリアル化の心配を取り除けば実験体のみんなも止まってくれるんじゃないかと。

イアスを捕縛するまでの間はショーンが言うように戦力が拮抗してるように見せた方がいいだろうね。
こちらが一方的に攻めてたら、イアスは即座にルシオ達をベリアル化させてしまいそうだし。

(絶句してるシリウスを見て)
どうやらあのルシオはリウスの知り合いみたいだしね。
彼らも被害者だから助けたいと思う。

かけられた魔術は……メフィスト…もしくはセパルちゃんになら何とかできないかな、と。

>味方NPC
グリージョ達3人と、ウボー達3人は襲撃者と戦って貰うのでいいだろうか?
メアリー王女の護衛が10名程いるようだけど、何人かそちらへ行って貰った方がいいのかな。
まあ広場を突破されなければ、王女のところまで敵は行けないとは思うんだけど。
NPCじゃなく、こっちから誰か出した方がいいだろうか……。

>魔導書ちゃん達
ヘスティアちゃんの能力はショーンの案でいいんじゃないかな。
RANが減少すればベリアル化するまでに時間を稼げそうだし。
叶花ちゃんやネメシスちゃん、アネモイちゃんの能力はそれぞれ欲しい人が書くのでいいと思う。  
 

[10] ショーン・ハイド 2020/06/10-21:40

……気遣いありがたいな。
とはいえ交渉前にこんな……
まぁシリウスもルシオと面識があるし……あのイアスは確か……。
……まぁいい。とりあえず本題に入るか。
結局、実験体の奴らはルシオも含めイアスに命握られて動かされてるようなもんだ。
だから俺としてはあまり実験体の人間は傷付けたくない。……なかなか酷い目にあったのは俺もよく知ってるしな。
じゃあどうするかって話だが、イアスを捕まえて戦闘不能にすれば良いんじゃないかと俺は思ってる。
そのために実験体対応者とイアス対応者に分けて、実験体とこちらが拮抗している所を見せつつ隙をついてイアスを捕まえればいいんじゃないかと。
ドクターはとりあえず広範囲で巻き込めるし陽動に向いているから実験体に向かって下さるそうだ。
それと、ヘスティアの能力についてだが、せっかくだから実験体のRANを減少させる事に使った方がいいんじゃないだろうか。
とにかくあいつらをベリアル化させたくないしな。  
 

[9] タオ・リンファ 2020/06/10-02:13

断罪者のタオ・リンファ、並びに拷問官のステラ・ノーチェインです。
よろしくお願いします。
オクトとの会談がうまくいくよう、私達も尽力しましょう。
それに実験に使われている浄化師の方々も、戦いを強いられているのは戴けません。
話し合いと戦闘、どちらもより良い結果となるよう、全力で挑みます。  
 

[8] ヨナ・ミューエ 2020/06/09-14:46

狂信者ヨナ・ミューエおよび断罪者ベルトルド・レーヴェ。宜しくお願いします。

浄化師側と関わりのある方が多いのなら話は早い…という訳でも無さそうですね。
私としましては人同士が争うような状況を避けるに越したことは無いと思うので、
この交渉が上手くいくよう尽力したいと思います。  
 

[7] リューイ・ウィンダリア 2020/06/09-00:13

魔性憑きのリューイと占星術師のセシリアです。
オクトとの友好というだけではなくて、関係する人がたくさんいるんですね。
よい方向へ進めるよう、僕たちもがんばります。
どうぞよろしくお願いします。  
 

[6] リチェルカーレ・リモージュ 2020/06/08-22:45

リチェルカーレです。パートナーはシリウス。
アライブは陰陽師と断罪者です。
どうぞよろしくお願いします。

オクトの人と和解…うまくいくいいと思っていたのに。
シアちゃんがお姉さんと、ショーンさんがお友だちと笑って会えますように。
ラニさんたちのお友だちの故郷が作れますように。
がんばりたいです。

シリウスも、知り合いの人がいるみたいなので。
あちらの浄化師さん達をなんとか…助けたいです。

シリウス(一点を見つめて絶句)  
 

[5] ラニ・シェルロワ 2020/06/08-12:33

はいはーい!断罪者のラニと拷問官のラスよ、よろしくね!

アリシアさんのお姉ちゃんがいるの?そういえば前にケイト姉達がそっくりだって驚いてたもんね
ショーンさんも向こうの人と知らない仲じゃないんでしょ?
…よっし!前に手伝ってもらったし、今度はあたし達が手伝う番ね!頑張るわよーっ!(腕ぐるぐる  
 

[4] リコリス・ラディアータ 2020/06/08-09:01

魔性憑きのリコリスと、悪魔祓いのトールよ。よろしくね。

私自身は、オクトとの個人的なしがらみというのはないけれど。
それでも和解ができるのならそれに越したことはないし、
事情がある人たちのお手伝いもしたいと思っているから。
…頑張るわね。  
 

[3] クリストフ・フォンシラー 2020/06/08-00:41

陰陽師のアリシアと断罪者のクリストフだよ。

アリシア「おねえ、ちゃん……」

(アリシアの肩に手を置いて)
彼女の姉が交渉相手にいるみたいなんだ。俺の幼馴染みでもあるんだけど。
だからオクトとは何とか手を取り合いたいと思ってる。
みんな、どうか、よろしくお願いするよ。  
 

[2] ショーン・ハイド 2020/06/08-00:28

悪魔祓いのショーンと狂信者のドクター・ペリエだ。
ヴァーミリオンと会うのか…いつか会わなきゃいけなかったとはいえ、どんな顔をしていいことやら。
いくらアイツと生前親しかったのは事実だが今や俺は裏切り者な訳だし…どうすりゃ(ぶつぶつ
とにかく、よろしく頼む。