~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
|
||||||||
メフィスト様から生死の手続きの事務処理を依頼される令花 話が大きすぎて恐縮するものの、生死に係る最高峰の事務をメフィスト様から学べる機会など二度と無い、何より小説のネタになる!ということで、拝命する。 生死、魂を扱う事務のそもそもの基礎から 消滅と寿命の要件定義と場合分け 輪廻から外すための例外規定の適用など メフィスト様の熱血指導を受けながら注意深く進める 和樹、叶花は全力で応援する 和樹は、異世界に関わることでガードが必要な場合はいつでも駆けつけるぜ、と意気込む 「変わったことやっとるのー」 「この理論に穴があるみたいね。補完するには、例えば…」 ラヴィさん、マリエルさんも色々と加勢する展開希望 アドリブA |
||||||||
~ リザルトノベル ~ |
「ちょっと力を貸して下さーい」 メフィストに『桃山・令花』が頼まれたのは、よく晴れた日のことだった。 「もちろんです。私で、お役に立てることがあれば協力します」 快諾したあと、令花は頼みごとの具体的な内容を尋ねた。 「それで、何をすれば良いんでしょう?」 「死後の自己保存に関する規定を取りまとめて下さーい」 「死後、ですか?」 いきなり浮世離れした話になり聞き返すと、メフィストは事情を説明した。 「いま魔王のいる世界と繋がってますよねー」 「ええ。そちらの世界で、何かあったんですか?」 「そういうわけではないのでーす。あちらの住人に関することでーす。こちらとあちらの世界の協定を結んだ時にー、書類仕事で手伝ってくれた人がいますよねー」 「タスクさんのことですか? ……まさか、命に関わることがあったんですか」 「違いまーす。彼の親族に関わる事でーす」 「……え?」 状況が理解できず聞き返す令花に、メフィストは詳しく説明する。 「根本の原因はー、外なる悪魔のクソ野郎でーす」 メフィストにしては珍しく、嫌悪感を込めて言った。 「アレは向こうの世界にも侵入してたみたいですがー、そちらは向こうの学生さん達がどうにかしてくれたのですよー。それでそれに関わった人がー、人形遣いの本体を探し続けられるようになりたいと頼んできたのでーす」 「それは……」 令花は言葉に詰まる。 メフィストに説明されたことがあるが、人形遣いの本体である外なる悪魔は『世界』の外に存在し、創造神の域にある存在達から隠れているらしい。 それだけ聞くと大したことがないようだが、実際は洒落にならない相手で、本体であれば世界を滅ぼすことは容易いと聞いている。 数多の世界にばら撒かれた分体では無く、本体を見つけ出す手助けをするため、永遠とも思える時を在り続けられるようにしたいとのこと。 「人形遣いの本体を見つけ出すために、死後も転生などをせず、本人のままで在り続けられるようにしたいということですか?」 「そういうことでーす。何人かー、そうしてほしいみたいですがー、それには色々と問題があるのでーす」 「問題というと?」 令花が尋ねると、メフィストは詳細を語る。 それは次のような内容だった。 元々の申し出は、人形遣いの本体探しに従事している、リスク・ジムからだったらしい。 自分だけではなく、増員として2人分の推薦があったのだ。 それがリスクの元婚約者、マーニー・ジムと、リスクの双子の弟にしてマーニーの夫、リョウ・ジムだった。 冷静で危機管理に長ける自分には無いものとして、マーニーは思いやりと傾聴力。リョウには熱血と行動力があり、異世界を巡り本体に繋がる情報を収集する、という地道な任務を永遠に近い期間継続するためには、2人の協力が不可欠だと求められたのだ。 けれど実行するには、問題があった。 マーニーについては、リバイバルとしての消滅問題。 リバイバルは煉界で言えば幽霊のようなものらしいが、特定の条件が達成されない限り自己を維持し続けることが出来る。 だが、その条件の一部を満たしてしまったらしい。 マーニーはリスク、リョウに感謝を伝えることがリバイバルとしての消滅キーとなっており、すでにリスクの方は要件満たし済みで、リョウの方も時間の問題。 つまり消滅間近だというのだ。 一方、リョウには人としての寿命は残っているが、いつ尽きるかは未知数。 長い時を調査に費やすには、この2人を寿命や消滅から免れさせる必要がある。 「それをするための規定案を作るのを手伝って欲しいんですよー」 「規定案、ですか? 転生などから逃れる方法を作る事では無く?」 「そーでーす。方法についてはー、こちらでどうにかしまーす」 「方法があるんですか?」 興味深げに令花は尋ねる。 浄化師として、あるいは知人であるタスクの親族のために何かをしたいという気持ちも当然あるが、それと同時に、小説家としての好奇心が抑えられない。 「どんな方法なんですか?」 身を乗り出すようにして尋ねる令花に、メフィストは応えた。 「死後に地獄で獄卒になる契約術式を作りまーす」 「地獄の獄卒!?」 思ってもいなかった内容に、思わず聞き返す令花。 「地獄って、あの地獄、ですよね? 死後に悪いことをした人が落とされる」 「その地獄でーす」 「あの、それって大変なことなんじゃ……」 地獄というと、鬼などに罰を与えられている場面が浮かんでしまい、どうしても今回のことに繋げられない。 「マーニーさん達は別に悪いことをしたわけじゃないですし、地獄に落ちるような事にはならない方が……」 「別に地獄に落ちるわけじゃないでーす。あくまでも地獄の獄卒になることでー、転生から逸脱するってだけでーす」 (それって……) メフィストの話を聞いた令花は想像力を働かせ、ひとつの結論に辿り着いた。 「死後に獄卒になることで、自己存在を維持し続けられるようにするってことですか?」 「そういうことでーす」 メフィストは説明する。 「地獄の獄卒はー、地獄からのバックアップがあるのでー、生前の記憶と性格と人格を維持したままー、在り続けることが出来るのでーす。あまり長く在り続けると精神が摩耗して自我が消滅しちゃうのでー、大抵一万年ぐらいで転生させることになりますがー」 「……それって、生前と変わらないまま活動できるってことですか?」 「そういうことでーす。地獄のバックアップがあるのでー、肉体が完全破壊されても時間を掛ければ元に戻りますからー、生前よりも無茶できるようになりますねー」 「それなら、マーニーさん達が求める要望に応えることが出来そうですね……でも、地獄の獄卒になるってことは、地獄から外に出られなくなるんじゃ?」 「そこら辺の融通をきかせるためにもー、色々と決める必要があるのですよー。というわけでー、地獄に行きましょー」 「……え?」 思わず聞き返す令花。 「地獄って、私もですか!?」 「そーでーす。地獄を管理してるハデスと直談判してー、融通つけて貰いましょー」 「そんなこと、出来るんですか?」 「でーきまーすよー。その代りキチンとした規定を作る必要がありますからー、その手伝いをして下さーい」 「規定、ですか……」 色々と話を聞いて、令花は考えを纏める。 「これってつまり、死後に地獄に就職する代わりに、色々と便宜を図って貰うってことですよね? そのために、獄卒になるための就労規則とか規定、それに契約文を作る必要があるってことですか?」 「そーでーす。きちんと決めておかないとー、しっちゃかめっちゃかになっちゃいますからねー」 「それは……そうですね」 やることは事務手続きに近いが、輪廻転生の枠組みから逸脱したりと大事に関わるので、綿密に作る必要があるだろう。 「それが巧く出来れば、マーニーさん達は消滅したりしなくても済むってことですね」 「そーでーす。リバイバルの人はー、その時点で一度死んでる訳ですからー、獄卒になる契約をして履行されればー、すぐに獄卒として在り続けることが出来るようになりまーす。まだ死んでない人はー、生前に契約を交わすことでー、死後自動的に獄卒になることで輪廻転生の輪から一時的に外れることが出来るようになりまーす」 「分かりました。でしたら、私で力になれることは全力でします。いつでも構いません」 「オッケーでーす。ではー、まずは草案を作っておいて下さーい。それを持って地獄に行きましょー。キョウトが入口になってますからー、準備が出来次第一緒に行きましょー」 「はい!」 気合を入れ応えた令花は一端寮に戻り、そこでメフィストから聞いた話を元に草案を作る。 その様子を見ていた家族は―― 「応援するぜ! ねーちゃん! 何か助けが要る時はいつでも読んでくれ。異世界だろうと、すぐに駆けつけるからよ」 「ママ、がんばれー」 草案作りは手伝えないが、『桃山・和樹』や叶花が応援してくれる。 「ありがとう」 励まされ元気を貰いながら、さらに内容を詰めていく。 1人では詰まりそうになったので、柔軟に助けを借りたりもした。 「変わったことやっとるのー」 魔女のラヴィには、術式として作る際の矛盾などが無いように。 「この理論に穴があるみたいね。補完するには、例えば――」 宝貝の製造に関わるマリエル達には、獄卒が現世で活動するために必要な部分を補うための理論形成を助けて貰った。 それでも足らない部分は、メフィストに尋ね作っていく。 それは生死と魂を扱う事務の基礎から、消滅と寿命の要件定義と場合分け。さらに輪廻から外すための例外規定の適用など多岐にわたる物だった。 色々と苦労しつつも―― 「これでどうでしょう」 「よく頑張りましたねー。死神科挙特級合格者でも手こずる案件でーす」 よく分からん褒め方をするメフィスト。 「この調子で研鑽を積み続ければー、叶花ちゃんをー、世界級決戦存在に書き換えることも出来るかもしれませんねー」 「そんなこと、出来るんですか?」 「あの子は本質が『魔導書』ですからねー。自身に刻まれた内容がー、能力の方向性やー、規模などに関わるのですよー。そのために必要な書式は膨大かつ矛盾のない物にする必要がありますがー。世界級ともなればー、記される書式の量はー、『世界』1つを表すのと同じぐらいには必要ですからねー」 「それが必要なことなら、やります」 令花は覚悟を込めるように言い切った。 「世界にとって必要で、あの子が望むなら。あの子がどんな存在になっても、母でいる自信が私にはありますから」 「そーのいきですよー」 応援するメフィストだった。 そして、獄卒契約書を作り終り、地獄へと令花は訪れる。 キョウトの山を転移門として、メフィストに先導され辿り着く。 事前に話をつけてくれていたので、恐ろしい場所ではなく、岩山のような場所に到着。 そこに現れたハデスに、令花は草案の要綱を渡した。 「ハデス様。これが草案となります」 「お疲れ様です。確認させて貰いますね」 ハデスは草案を手に取り、一瞬で把握。 「こことここと、あとこの部分の条項が他の部分に抵触するので書き直しをお願いします」 「え……あ、はい、分かりました」 (うぅ、何度も見直したんだけど……) 凄腕編集者に校正をされているような気持ちになりながら、書き直しマラソン開始。 「少し長くなりそうだから、時間が加速する階層に行きましょう」 「現世とは時間の流れが違うのでー、少々過ごしても大丈夫ですよー」 「貴女は生身ですから、肉体が時間の影響を受けないようにしておきますね」 さらっと超越的なことをするハデス。 そんなこんなで、地獄で館詰め(カンヅメ)をされる中、書き続け―― 「……これで、どうでしょうか……」 通算、126回の修正後―― 「はい、良いですよ。ではこれを元に、地獄に法則として組み込みましょう」 ハデスに認められ、獄卒として契約するための手順が整った。 (よかった……) 精神的にげっそりしながらも安堵する令花だった。 あとはマーニー達と契約を交わすだけ。 魔王との決着が過ぎ次第、それを可能にするとハデスと約束を交わした令花であった。
|
||||||||
*** 活躍者 *** |