銀波館の惨劇
普通 | すべて
8/8名
銀波館の惨劇 情報
担当 狸穴醒 GM
タイプ ショート
ジャンル サスペンス
条件 すべて
難易度 普通
報酬 多い
相談期間 5 日
公開日 2018-05-31 00:00:00
出発日 2018-06-08 00:00:00
帰還日 2018-06-17



~ プロローグ ~

●午前7時 浜辺
 水平線の彼方から、湿り気と潮の匂いを含んだ風が吹きつけてくる。
 初夏の太陽が、波頭を銀色にきらめかせる。

 ラグナロク以来、ベリアルの跳梁する海は人間の領域ではなくなった。
 それでも徐々に気温が上がる季節になれば、やはり人々は海に惹きつけられるものらしい。
 穏やかな波が砂浜を洗い、波打ち際を散歩する人の姿もちらほら見られる、そんな朝――。

「きゃあぁぁっ!!」

 浜辺にしゃがんで貝殻を拾っていた子供が弾かれたように立ち上がった。
 散歩中の街娘が眉をひそめる。
「……いまの、悲鳴?」
「銀波館の方から聞こえたぞ」
 中年の男が言い、集まってきた数人の視線がいっせいに同じ方向へ集中した。

 半月型の浜を囲む湾のはずれ。海に張り出した崖の上に、2階建ての瀟洒な館がたたずんでいる。
 アスコリ男爵の居館、銀波館である。
 教皇国家アークソサエティの貴族は首都エルドラド周辺に住むことが多い。
 しかしアスコリ男爵一家は風光明媚な海辺の街が気に入り、別荘として購入した銀波館で暮らしていた。

「確かに悲鳴だと思ったんだが……」
 そのあと、銀波館からは何も聞こえてこない。
 静けさがやけに不気味に感じられる。人々は館を見上げ、不安そうに言葉をかわした。



●午前7時 銀波館前
 崖の上の館では、使用人たちが囁きあっていた。
 浜辺の人々より表情は深刻だ。隅で若いメイドがうずくまり、別のメイドに背をさすられている。
「ううっ……どうしてこんなことに……」
「自警団が来るまでそのままにしておけと、旦那様はおっしゃったが」
「でも、こんなもの奥様やフィオレお嬢様にお見せできないわ」
 彼らのある者は恐怖を、ある者は嫌悪を顔に浮かべ、一様に青ざめて、遠巻きに「それ」を囲んでいた。

 館の前庭、刈り込まれた芝生に横たわる「それ」。
 人、なのは間違いない。
 うつぶせに倒れた、おそらくは男性。周囲の使用人と同様の質素な服装だ。
 両脚と左腕を投げ出し、右腕を曲げている。何かを握り込んでいるように見えた。
 年齢や種族、人相は不明。なぜならその男には――、

 首がなかった。



●午後3時 銀波館書斎
 樫材のドアが外からノックされた。
「入れ」
「失礼いたします、男爵閣下」

 立派な装丁の名著が整然と詰め込まれた書斎である。
 室内に滑り込んできたのは、お仕着せをまとった初老の執事だ。
「今朝死んだ馬丁の件で、少しお話が」
 執事が言うと、針金のように痩せた中年紳士――アスコリ男爵が、不機嫌そうにため息をついた。
「まったく、恒例の夜会を控えた時期に迷惑極まりない! 自警団の連中は帰したんだろうな?」
「もっと調査をさせろと申しておりましたが、どうにか」
「それでいい、死体の処理以上のことを頼んだ覚えはない。また何か言ってきたらいくらか握らせて黙らせろ」
「かしこまりました」
 執事はうやうやしく頭を下げた。
「あの馬丁に身内がなかったのは不幸中の幸いだな。騒がれてはたまらん」
「さようでございますね」
 同意しながらも、執事は立ち去ろうとしない。
 男爵は眉根を寄せる。
「まだ何かあるのか?」
「実は、ご確認いただきたいものが……」

 男爵の前のデスクに、執事が一通の封筒を置いた。男爵は片目だけを封筒に向ける。
「死んだ馬丁が、この封筒を握りしめていたのでございます」
「中身は見たのか?」
「はい。それが……」
 そのとき、半開きのドアから肉づきのよい貴婦人が顔をのぞかせた。
「あなた、お茶の時間でしてよ」
「すぐ行く。――構わん、ここで読め」
 男爵に促された執事は夫人にちらりと目を向けて逡巡するも、すぐ観念した表情を浮かべた。
 白手袋をはめた手で封筒を開け、何の変哲もない便箋を取り出して読み上げる。
 それは、こんな内容だった。

 ――世界の救済のため、夜会を犠牲に捧げる――。

「……何だそれは」
 男爵が内容を理解する前に、夫人がひっと息を呑んだ。
「脅迫状じゃありませんの!? 夜会を襲うという予告ですわ!」
 男爵は首をかしげた。
「脅迫? そう読めなくもないが、心配せずともこれを持っていた男は死んだのだぞ」
「いいえ、いいえ! あの馬丁は字が読めなかったではありませんか。彼を殺した者が握らせたんですわ!」
 切羽詰まった夫人の言葉に、執事がすっと視線を逸らす。実は執事もその可能性を考えていたのだった。
 夫人は化粧の濃い頬に恐怖の色を浮かべてさらに仮説を口にする。
「もしかして――馬丁は脅迫状を届けさせるために殺されたんじゃありませんの!?」
「何を馬鹿な」
 そんなことのために人ひとり殺す者がいるだろうか。
 しかし夫人はヒステリックに言い募った。
「2週間前には書斎が荒らされて、夜会の招待状が盗まれましたし……おかしなことばっかりですわ!」
「それは関係ないだろう」
 面倒くさそうに話を終わらせようとする男爵を、夫人はキッと睨む。

「夜会は取りやめにすべきですわ!」
「冗談じゃない!」

 男爵はデスクを叩いた。
「夜会までもう一週間もない。こんな手紙一通を恐れて中止したら、どんな噂を立てられるかわからん!」
「フィオレだって怖がりますわ。近頃すっかり塞ぎ込んでいますのよ」
「おまえはフィオレを甘やかしすぎだ。あれはもう15歳、婿を探すにも夜会に出さねばならん」
「わたくしどもだけの問題ではありませんわ。お客様を危険に晒したら……」
「うるさい! とにかく夜会は決行する! これは我がアスコリ男爵家の名誉の問題だ!」
 夫妻の言い合いは平行線で、終わる気配がない。
 そこへ、執事がそっと割り込んだ。

「――でしたら、夜会に特別な警備をつけたらいかがでしょうか」

 夫妻の視線が執事に集中する。男爵が太い眉をしかめた。
「番兵以外にか? しかし、信用できる者を今さら雇うのは難しいだろう」
 執事は胸に手を当てて頭を下げた。
「ですので、薔薇十字教団に依頼するのはいかがかと。浄化師なら素性は確かです。不測の事態にも対処できましょう」
「薔薇十字教団……」
 男爵夫妻はそれぞれ考え込む。結論が出るまでには、さほどかからなかった。



●3日後 薔薇十字教団本部
「新たな指令です。場所はルネサンス地区、ヴェネリア近郊の街」
 集まった浄化師たちに、薔薇十字教団の団員が説明する。

「アスコリ男爵家の使用人が殺害され、脅迫状と思われる文書が届きました。文面からしてサクリファイスかもしれません」
 浄化師たちがざわめく。
 サクリファイスとは『罪を犯した人間は滅び、世界救済の生贄になるべき』という考えをもつ狂信者集団である。
 その教義からたびたび破壊活動におよび、人々に恐れられているのだ。
「とはいえ今回皆さんにお願いするのは、男爵の所有する『銀波館』で行われる夜会の警備です」
 教団員は指令書に目を落としたまま言った。

「会場内で警備するなら服を貸してもらえるそうですし、ご馳走も出ますよ。夜会が何事もなく終われば、指令は完了です」
 それほど困難な仕事ではなさそうだが、さて。


~ 解説 ~

■目的
銀波館の夜会を無事に終えること

■依頼人
○アスコリ男爵
銀波館の所有者で夜会の主催者。
痩せた50歳前後の男性です。プライドが高く体面を気にするタイプ。

男爵の家族は夫人のマルタと15歳になる娘のフィオレ。
他に銀波館には執事、メイドなど10人ほどの使用人と、門番を含む5名の番兵がいます。

■夜会
招待客は30名前後。全員が教皇国家アークソサエティの貴族です。
初夏を楽しむ名目で、毎年の恒例行事となっています。
立食形式で豪華な食事が並び、楽団の演奏などもあります。

■期間
皆さんが現地に到着するのはプロローグの事件の5日後です。
到着した翌日の夜に夜会が開催されます。

■現地情報
○銀波館
アスコリ男爵が所有する2階建ての館。丘の上に所在し、海辺の街から続く道は一本道です。

正門の脇に門番小屋があり訪問者をチェックします。
夜間は正門が施錠されます。

敷地は煉瓦塀で囲まれています。
館は芝生の庭に建っています。裏手は海に面した崖まで庭が続きます。
他に敷地内には馬車の車庫、馬小屋などがあります。

・館1階
客人を迎えるためのエリアです。
玄関ホール、大広間、応接室、書斎、厨房、使用人部屋、浴室、トイレなどがあります。
夜会は庭に面したバルコニー付きの大広間で行われます。

・館2階
男爵一家の生活エリアです。
居間、男爵夫妻の部屋、一人娘フィオレの部屋、客間が3つほどあります。

○海辺の街
教皇国家アークソサエティ・ルネサンス地区にある、水の都ヴェネリアにほど近い小規模の都市。
保養地ですが超メジャーというわけではなく、シーズン以外は静かです。
港や浜辺のほかに役所、郵便局、馬車の駅、宿屋兼酒場、各種商店など、街にある施設は一通り揃っています。
この街に鉄道は通っていません。馬車で3時間ほどの都市には鉄道駅があります。

■特記事項
夜会に出る方にはふさわしい服装をお貸しします。
デザインなどの希望がある場合はプランにお書きください。


~ ゲームマスターより ~

まいど、マミアナサトルでございます。
お屋敷の警備指令をお届けします。

今回は《フリーアタック》と呼ばれる形式に近いです。
指令内容は「銀波館の警備」ですが、夜会を無事に終えるためならどんな行動を取っても構いません。
一口に警備といっても、庭に潜むこともできれば、着飾って夜会に参加しながら怪しい者を探すこともできます。

きっちり警備していただければ成功は難しくないと思います。
ただし今回は、特殊な大成功条件が存在します。
大成功を狙うのはけっこう大変ですので、ぜひいろいろ仮説を立てて行動を試してみてください。
世界観やルールに反しない限り、プランはできるだけ実現したいと思っています。

それでは、どうぞよしなに。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

ジークリート・ノーリッシュ フェリックス・ロウ
女性 / 生成 / 悪魔祓い 男性 / マドールチェ / 墓守
目的
夜会を無事に終えること
遺体を損壊した犯人を見つけること
  
行動
前日:館の外回りを調査。庭や塀、馬車の車庫、馬小屋等。
塀の位置と高さ、庭の様子を確認(引きずった跡等変わった点、警備する時に良さそうな場所)。
車庫、馬小屋で馬丁さんの私物や隠した物等ないか探索。馬の状態(ちゃんと世話されているか)を観察。

当日:夜会前に集合して情報交換。夜会中は庭で警備。
ジークリートは正面、フェリックスは裏側。
庭がよく見えて目立たない場所に隠れて見張り。
連絡はフェリックスは魔術通信。ジークリートは移動して知らせる。
ランタンは怪しい人物が現れたらつける。
戦闘するなら庭。犯人はなるべく捕縛。
アリシア・ムーンライト クリストフ・フォンシラー
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / アンデッド / 断罪者
目的
夜会を無事終了させる
脅迫状の主の特定、捕縛

行動
ク:まずは男爵に挨拶に行こうか
ア:そうですね…許可があれば皆さんもお話ししやすいでしょうし…

挨拶ついでに邸内の調査並びに使用人達への聞き取り調査の許可を取りに行く
不審な行動をしてる者がいないか、不審物が無いか調べる許可を頂きたい
と、穏やかな笑顔でお願い(クリス会話術使用)
礼儀正しく、男爵のプライドを刺激しないよう気をつけて

その後クリスは男性にアリシアは女性に聞き込みに
・馬丁はどんな人だったのか…性格年齢等
・遺体が馬丁だと特定できたのは何故か
・亡くなる前におかしな所は無かったか
・誰かと会ってたりしなかったか
を聞いて回る

夜会前に皆で集まって情報共有
リトル・フェイカー パンプティ・ブラッディ
女性 / 人間 / 陰陽師 女性 / 生成 / 拷問官
●目的
夜会の護衛、事件の究明

●前日~
男爵に「護衛対象とお会いしたい」と
フィオレさん他皆さんと面会する許可を戴き
シュリさんと聞き込み調査へ
護衛&彼女が落ち込んでいる理由を調べる

夜会前に皆と合流して情報交換

●夜会中
フィオレさんの護衛役
僕は執事服(男装
彼女に危害がないよう、目配りしつつ傍にいます
怪しい人は心理学と偽装で見抜く
パンプティさんは少し離れたところから周囲を警戒

パンプティは
室内で戦闘となった場合、被害を最小にする為に室外へ誘導などを助力
戦闘は寸劇とごまかし客を説得
楽団へ曲を合わせるよう頼む

僕は
フィオレさんに怪我や混乱があればスキルで回復して言葉で落ち着くよう促します
必要なら安全な場所へと誘導
リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者
お屋敷の人がこれ以上怖い目に合いませんよう

事前 男爵様のところへご挨拶
この度はたいへんなことに 
ここでお仕事をされていた方が亡くなられたとか、お悔み申し上げます
これ以上事件が起きないために お屋敷内の調査や聞き取りのお願い

許可が出ればまず奥様に
2週間前の事件のことを詳しく
他に怪しいことはなかったか
お嬢様は何時頃からふさぎ込むように
真摯に相槌を打ち 些細な愚痴や不安も聞き取る

時間があれば夜会準備のお手伝い 使用人の皆さんとも話を
分かったことは仲間と情報共有

夜会では 出席者のフリをして男爵夫妻の護衛
何かあれば庇いに入れる位置
不審な動きをする人には注意
戦闘行為が起きたら周りの人の安全確保
いざという時には盾に
ヨナ・ミューエ ベルトルド・レーヴェ
女性 / エレメンツ / 狂信者 男性 / ライカンスロープ / 断罪者
目的
夜会の警護、襲撃者の排除

夜会準備の手伝いを申し出
夜会前に一旦集まり得た情報の共有

ヨナは雑務
使用人達の不安や噂話に耳を傾けつつ質問も
男爵家族の評判や殺人事件後様子のおかしい人間が周りにいるか
怪しい人物がいればマーク
夜会は給仕として。主に夜会参加者と使用人達に注視
怪しい人物を外へ誘い他の賓客らと分断を図る
わざと隙を見せて害意を試す

ベルトルドは力仕事
内外限らず。歩き回って館の構造を把握。番兵と打ち解けておく
正門で持物検査。客の顔を把握
客に見慣れない顏がいるか番兵から聞く
夜会中は会場内の目立たない場所で襲撃に備え待機

対サクリファイス
生きることが罪なら入信した瞬間自害して教えを全うして欲しいものです
ショーン・ハイド レオノル・ペリエ
男性 / アンデッド / 悪魔祓い 女性 / エレメンツ / 狂信者
前日の行動
ショーンは自警団に話を聞く
死体が握っていた紙は本当に脅迫状だったか
なぜ脅迫状なら教団に通報しなかったのか
の2点
あとは自警団の愚痴を聞きつつ死体の調査

レオノルは男爵に交渉
「書斎の蔵書を是非拝見したいです!」と目をキラキラさせて言う
書斎が荒らされた件については夫人に聞く
いつ荒らされたのか、被害はどれぐらいだったのか
書斎に自由に出入りできる人は誰かを聞く
書斎が荒らされた件があまり収穫がないならその質問を執事にも
今回の夜会参加者のリストアップも頼む

当日
受付でリストと夜会参加者の名前の照合
リストにいない人間が来たらショーンに対応させて、その間レオノルが屋敷内の仲間に連絡
シュリ・スチュアート ロウハ・カデッサ
女性 / マドールチェ / 占星術師 男性 / 生成 / 断罪者
◆作戦
夜会前日は調査
当日は護衛中心
夜会前に集合し情報共有

襲撃者との戦闘時は裏庭に追い立て捕縛

◆前日
シュリはフィオレに聞きこみ
今回の事件での彼女から見た見解を聞きたい
怯えさせないよう留意

ロウハは会場の設営を手伝いながら使用人に聞き込み
脅迫状の送り主や屋敷内の不審者に心当たりがないか探る
なるべく個別に聞き矛盾点を精査

◆当日
シュリは招待客に扮する
フィオレの友人という立場で、邪魔にならない程度に彼女の近くで護衛
襲撃者を察知したら魔術通信で仲間に周知
戦闘中は会場内に残って客への対応

ロウハは執事に扮する
仕事をしながらなるべく会場全体を見渡せる状態を保つ
襲撃者を察知したらシュリに知らせる
戦闘時は戦列に加わる
ディルク・ベヘタシオン シエラ・エステス
男性 / 人間 / 悪魔祓い 女性 / 人間 / 断罪者
・ディルク
到着次第、挨拶もそこそこに館の裏手にある海に面した崖を見に行く。
崖伝いに移動は可能そうか。また、それを行った形跡はあるか。
次に庭の芝生の中に敷地外へ繋がっていそうな何かが隠れてないかを捜す。
夜は街の酒場で聞き込み。あの館が建った経緯を知っている人間がいないか探す。
俺の読みでは、館を建てたのがサクリファイスの関係者の可能性がある。
そこを疑い、奴らだけが知っている出入り口が無いか探っているわけだ。
得た情報は夜会開始前に他の連中と共有する。

・シエラ
ディルクさんが外を捜すようなので、私は館の中でメイドさんたちに聞き込みをしてみます。
鍵が無く入れない部屋とか開かない扉とかがあれば怪しいですね。


~ リザルトノベル ~

「ようこそいらっしゃいました」
 浄化師たちを執事が出迎えた。
「夜会は明日の晩でございます。お部屋を用意してございますから今日はゆっくりお過ごしください。
 警備に必要なものがあれば、可能な限り揃えますので」

「……あの」
 声を挙げたのは華奢な半竜の少女、ジークリート・ノーリッシュ。
「使用人の方が亡くなった事件の犯人は、わかったのですか……?」
「――いいえ。それはお願いした警備には影響が」
「守るためにも、情報は大事です……少し調べさせてもらえたら、と……」
 執事は渋い顔をした。依頼以上のことをされるとアスコリ男爵の気分を損ねる。

(上の者の危機意識が低いと、仕える人々は苦労しますね)
 黙り込んでいるのはヨナ・ミューエ。少女のように見えるが、これでも成人だ。
 印象を悪くしないよう気をつけているものの、整った顔には軽蔑の色が滲んでいる。
(やれやれ、真面目なのは結構だがなあ)
 ヨナのパートナーで黒豹の獣人ベルトルド・レーヴェは、相方の様子にそっとため息をつく。
 教皇国家アークソサエティは階級社会だ。貴族の横暴に悩まされるなど日常茶飯事である。
 階級から比較的自由な浄化師のほうが特別なのだ。

 眼鏡をかけた青年がすっと立ち上がった。クリストフ・フォンシラーだ。
「わかりました、ご無理を言ってすみません。ところで、男爵閣下にご挨拶をしたいのですが?」
 依頼主の男爵は浄化師たちの前に姿を見せていない。
 クリストフは――パートナーのアリシア・ムーンライトが呆れるほど――にこやかに続ける。
「指令とはいえ素敵な館に滞在させていただくのですし、一言お礼を申し上げたいのです」

 執事は浄化師たちを見渡すと、表情を変えずに深々と頭を下げた。
「……かしこまりました。それでは、こちらへどうぞ」




 男爵は書斎にいた。執事が浄化師たちを連れて入ってくると、不機嫌そうに一瞥をくれる。
「薔薇十字教団の連中か」
「はい、このたびは働いていた方が大変なことに……」
 リチェルカーレ・リモージュが口にしようとした悔みの挨拶は、しかし男爵に遮られた。
「諸君の対応は執事に任せている。気にせず励みたまえ」
 男爵は牽制するように落ち窪んだ目で一同を見渡す。そこで――。

「素晴らしい蔵書の数々! さすが男爵閣下、知識の価値をわかっていらっしゃる!」
 頓狂な声を上げたのは、子供のように目を輝かせた中性的な容貌の女性だ。
「あ、申し遅れました。物理学者のレオノル・ペリエと申します。赴いた先でこんな豊かな蔵書に出会えるとは!」
「き、貴族として知識の庇護に努めるのは当然であろう」
 レオノルは身を乗り出す。隣で彼女のパートナー、ショーン・ハイドが額を押さえた。
「ややっ、あちらに蔵められているのはキメラの画期的研究!
 その隣はブリテンの抒情詩集、こちらも名著ではないですか。男爵閣下の懐の広さが感じられます!」
 レオノルはやけに真新しい背表紙を読み上げていく。
「た、大したことはない。それより私は手が離せなくてね……」
「これは失礼を。ぜひ男爵閣下の学術への取り組みについて伺いたかったのですが」
「そ、それはまた今度」
 男爵は今にも逃げ出したそうである。

「男爵閣下はお忙しいのですから」
 執事に書斎から追い出される直前、レオノルは肩越しに言った。
「せっかくなので素晴らしい館を見学させていただいても? 皆様にお話も伺いたいですね!」
「ええい、好きにしたまえ……!」

 こうして、うやむやに調査許可が下りた。




 芝生の庭の端まで歩く。生垣はあるが崖の縁へ辿り着くのは容易だった。
(不用心な)
 苛立った気分を抑え、ディルク・ベヘタシオンは芝生に腹ばいになる。断崖から頭だけを出して下を覗き込んだ。
(崖伝いの移動は難しいか)
 館の建つ崖はほとんど垂直に眼下の海へ落ち込んでいる。舟などで崖下に乗りつけても、登り切るのは難しいだろう。
 飛行能力を持つ種族、または独自の飛行魔術を習得した者ならば可能かもしれない。
 しかしそれでは可能性は無限に近くなってしまう。
 ため息をついて立ち上がったディルクの目に、銀波館の瀟洒な姿が映る。
(ろくに防備を考えていない建物だ。地位と金に慢心する連中め)
 舌打ちをして館を通り過ぎる。
 そこでふと、パートナーのシエラ・エステスのことを思い出す。シエラは使用人に聞き込みをしているはずだが。
(俺の足を引っ張らないなら、好きにすればいい)
 ディルクは門をくぐり、街へと向かった。



 ジークリートと彼女のパートナーのフェリックス・ロウも門の外にいた。
「本当に、サクリファイスがいるのかな……フェリックスは、どう思う?」
「……わかりません」
 フェリックスは淡々と答える。
 彼はマドールチェの中でも表情が乏しく、およそ意思らしいものは感じられなかった。
「そうよね……私も、わからない……」
 潮風に銀髪を遊ばせながら、ジークリートは考える。
 先程調べた馬や馬小屋に、変わった点は見つけられなかった。
 馬車置き場は一部立入禁止になっていた。死体発見後に大量の血痕が見つかったのだという。
(馬車置き場が……殺害現場?)
 ならば犯人はどこから入ってきたのだろう。
 わからないことばかりだ。脅迫状を書いたのは誰か。馬丁の首を落としたのは何故か。
(馬丁さんなら、館の外に出る機会は多いのかも……)
 ジークリートは館を囲む塀を見上げる。
「この塀を、登るのは……難しいかな……」
「僕には、難しいように思えます」
 塀は高く、上部には槍型の返しがついている。
(飛び越えられる人……、……誰かが、中から門を、開けた?)



「今回の件、まずは内通者の有無を探るべきだと思うんだ」
 レオノルはジークリートと同様の考えを直截な言い回しで口にした。
 ショーンは一瞬だけ左右を見渡し、聞く者がいないことを確認して答える。
「――理由は脅迫状ですか」
「それと、書斎が荒らされた件も。うん、あの人もなかなか怪しいよ」
 学者が指差すのは玄関ホールに陣取って使用人たちに指示を出している執事だ。
「脅迫状が発見された経緯が知りたい。頼めるね?」
「了解しました、ドクター。しかしこの陽気で5日経っているとなると、死体のほうは」
「できる範囲でいい」
 ショーンは隙のない所作で一礼し、パートナーの傍を離れた。
(さて……)
 思案するレオノルは、メイドに案内されるリチェルカーレを目に留めた。
(よし、便乗しよう)

 リチェルカーレの訪問先は男爵夫妻の部屋。
 出迎えた男爵夫人は、ついてきたレオノルの分までお茶を出してくれた。
「ありがとうございます。あの、お忙しいときにすみません」
 リチェルカーレは頭を下げた。
「夜会はちゃんとお守りしますから。これ以上の事件は、起こさせません」
「頼もしいお言葉ですわね。やっぱり浄化師さんに来てもらってよかったですわ」
 男爵夫人はふくよかな頬に手を当てる。
「近頃おかしなことが多くて。主人はあの調子で、わたくしの心配をまともに聞いてくれませんし」
「……あの。男爵様の書斎が荒らされていたとか」
「そうなんですのよ! 使用人の何人か休みで、人が少なかったんですの。
 気づいたら夜会の招待状が何通かなくなっていたんですのよ」
「書斎に鍵はかかっていたんですか?」
「ええ、もちろんですわ」
「その日、館にはどなたがいらっしゃったんです?」
 レオノルが質問を挟んだ。
「ええと……」

 男爵夫人の回答に、リチェルカーレとレオノルはそっと視線を交わした。



 リトル・フェイカーとシュリ・スチュアートは、男爵令嬢フィオレの部屋の前にいた。
 ノックに反応はない。
「いないのかしら」
「気配はしてるぜ? 居留守じゃねーの」
 物憂げにつぶやくシュリに答えたのは、フェイカーのパートナーのパンプティ・ブラッディだ。
 パンプティは頭の後ろで手を組んで言った。
「お嬢様ねえ……事件に関係あんのか?」
「さあ。――フィオレさん、僕たちはあなたを護衛する浄化師です。挨拶させてくれませんか」
 やがて部屋の中で、何かが動く音がした。
 そしてしばしの沈黙。
「わ、わたしは浄化師なんかに用はないわ。体調が悪いの、出直してらして」
 あどけなさの残る声だ。3人は顔を見合わせる。
「どうするよ」
「ドアを破るわけにもいきませんよね……」
「仕方ないわ。後にしましょう」

「フィオレさんが心配だわ。危険が迫っているかもしれないのに、望まない結婚相手を探させられるなんて」
 シュリが言う。
「もう15歳でしょう。恋だってしたいわよね……」
 瞳を伏せるシュリ。フェイカーは何度か瞬きしてから、にこりと笑った。
「シュリさんは優しい人ですね」
「そうかしら? あなたもフィオレさんが気になって、護衛を買って出たのでしょう?」
「――はい。でも、だからこそ、僕は……」
 その先は言葉にならない。シュリも敢えて問おうとはしなかった。パンプティが唇を尖らせる。
「ンだよ、2人して奥歯に物が挟まったみてえな言い方してさ。
 夜会を張って、襲って来た奴ブッ倒して吐かせりゃ事情なんか全部わかんだろ?」
「……僕、パンプティさんが羨ましくなるときがあります」
 フェイカーが苦笑し、シュリも頬にかすかな笑みを浮かべた。



 リチェルカーレのパートナー、シリウス・セイアッドは館の見取り図を作っていた。
 部屋をひとつずつ覗いては、大まかな広さと用途をメモ帳に書き込んでいく。
(リチェは大丈夫だろうか)
 殺人事件と聞いて青くなっていたリチェルカーレのことが頭をよぎり、つとめて目の前の作業に集中し直す。
(守るには向かない建物だな)
 銀波館の窓はどれも大きく、庭へ侵入できれば簡単に破れてしまう。廊下も広く奥へ到達するのも難しくない。

 夜会の行われる大広間は1階の玄関ホールから左手、廊下の突き当りにある。
 広間へシリウスが入っていくと、使用人たちの合間にアリシアとシエラの姿があった。

「わー、可愛い!」
 回転すればボリュームたっぷりのスカートが広がる。
 ロングドレスの制服にエプロン、レースのカチューシャまで借りて、シエラはメイドになりきっていた。
「えへへ、実はずっとやってみたかったんですよねぇ~」
 ディルクがいないため気が抜けているのだろう、スカートをつまみあげてシエラは嬉しそうに笑う。
「浄化師さんってもっとお硬いと思ってたから、なんだか意外」
 銀波館のメイドたちからも笑みがこぼれた。
 そこでアリシアは、空気が軟化した頃合いを見計らって尋ねる。
「皆さんに、少しお聞きしたいのですけれど……」

 アリシアが尋ねたのは、死んだ馬丁についてだった。
 メイドたちの話では馬丁は中年の男で、この街の出身、勤務態度は真面目。
 死亡直前も、変わった行動などはなかったという。
 目立った話といえば――、
「フィオレお嬢様がなついていたんですよね。ときどき、特別なお使いを頼んだりして」
「特別なお使い……ですか……?」

「お前たち、無駄口叩いてるんじゃない」
 年かさの下男が言い、メイドたちが口を閉ざす。
 不機嫌に窓を拭く下男に声を掛けたのはクリストフだ。
「夜会の準備も大変ですね」
「そう思うなら邪魔しないでくれ」
 こちらを向こうとすらしない。取り繕っても意味のなさそうな相手だ。
 単刀直入に訊くことにする。
「亡くなった馬丁さんは、こちらに長かったんですか?」
「……10年ほどにもなるか。男爵様がここに住み始めて以来だ。俺とも、長い付き合いだった」
「そうですか……ところで、どうしてご本人だとわかったんです?」
 下男はようやくクリストフに目を向けた。何を馬鹿なことを、とでも言いたげである。
「あいつは二の腕に、小さい頃やった火傷の痕があった。見間違いようがねえよ」



「なかなか力があるじゃないか。次はこの大テーブルを運んでくれ」
「任せろ!」
 シュリのパートナー、ロウハ・カデッサは、夜会の準備を手伝っていた。
 貴族の夜会ともなれば人手はいくらあっても足りない。気さくなロウハは使用人たちにすぐ馴染んだ。
 しかし彼にも思惑がある。ロウハは時折、鋭い視線を使用人たちへ投げかけていた。
(犯人か、回し者か。わからねえけど、きっといるはずだ)
 ロウハもまた、内通者の存在を疑っていたのだった。

 一方ヨナは銀食器を磨きながら、メイドたちの会話に耳を傾けていた。
「こんなことになって、お嬢様も怖がってらっしゃるわよね。夜会どころじゃないでしょ」
「そうね。お気に入りの使用人は次々いなくなるし……」
 ひとりは馬丁のことだろう。
(次々と、とはどういうことでしょう?)
 メイドたちは声をひそめる。
「それに、あれでしょ。港の男の子が……」
「シッ! だめよ、それを聞かれたら旦那様に殺されちゃうわ」
(港……?)
 ヨナはメイドたちの話をもっとよく聞くため、さり気なくにじりよった。



 銀波館の番兵は、普段門の脇の番兵小屋に詰めている。
 その番兵小屋の窓から、黒豹が――いや黒豹の頭をした獣人が覗き込んだ。ベルトルドである。
「ご苦労様。少し休憩でもしないか?」

 ベルトルドが館から運んできたのは水筒と茶菓子。
 番兵たちもベルトルドが素性を明かすと安心したようで、質問にも素直に答えてくれた。
「2人一組で朝と晩の交代制だ。夜は2時間に一度、敷地内を見回りしてる」
「事件のあった日は?」
「いつも通りだよ。最後の見回りのときには、死体はなかったんだがな……」
 朝の交代直後に館の方で騒ぎが起き、死体発見に至ったそうだ。
「こんな事件がなきゃ、待遇の良さそうな職場だな」
 ベルトルドがそう振ると、番兵たちは顔を見合わせた。
「……まあな。男爵様は気難しいが、気前は悪くない」
「なるほど」
 しばらく世間話をして、ベルトルドは番兵小屋を辞した。




 ショーンは街の自警団詰所を訪れていた。
「死体はもうありませんよ、この気温なんでねぇ。記録を見ますか?」
 記録といっても厳密ではない。それでも死体発見時の様子は一応わかった。
 ショーンは紙束をめくる。
(体つきと腕の火傷か。本人の可能性は低くはない)
 本当に死体は銀波館の馬丁だったのか、それを疑った浄化師は多かった。しかし死体が別人という証拠は出てこない。
(首を落とすのは大ごとだ。サクリファイスだとすれば手練の魔術師がいる……?)
 ショーンは案内してくれた自警団員に尋ねる。
「脅迫状らしきものは、ずっと死体の手にあったのか?」
「そうだと思いますがね」
 青い右目をわずかにすがめて。
「サクリファイスと思われる脅迫状が出てきたのに、薔薇十字教団に即座に通報しなかったのはなぜだ?」
「そりゃ、男爵様にこれ以上騒ぐなと言われたからですよ。
 ……勘弁してくださいよ、我々はただの街の有志です。貴族に逆らえるもんですか」
 もっともな主張だった。
「わかった、失礼なことを言ってすまなかった。男爵閣下はいつもそんな調子なのか?」
「街の人間に手出ししないだけいい貴族様ですが、住む世界が違いますからね。この間も……」

 ショーンはひとしきり自警団の愚痴を聞く羽目になった。情報料と思えば安いものだろう。
 レオノルへどう報告するか考えながら詰所を後にする。
(男爵は事件をもみ消したかったのか……?)
 道すがらに見上げると、海に沈む夕日が銀波館の優雅な姿を照らしていた。




 ディルクは街の酒場にいた。
 日が暮れると、店内に賑わいが満ち始める。ディルクは酒場の主人と話し込んでいる集団に声をかけた。
「――銀波館の前の持ち主?」
「ああ。誰か知らないか?」
 ディルクの質問に男たちは首を傾げた。答えたのは主人である。
「別の貴族様だよ。長く使っていなかったのをアスコリ男爵様が譲り受けたんだ」
「そうか」
(外れか?)
 館の過去の持ち主にサクリファイスの関係者がいたのではとディルクは踏んでいたが、どうも違いそうである。
「あんた、銀波館に興味があるのか?」
「興味……まあ、そうだな」
 すると住民たちは意味ありげな笑みを浮かべた。
「男爵様にも悩みが絶えないようだしな」
「明日は例の夜会だろう? お嬢様の婿探しをするとかなんとか」
「フィオレお嬢様か。知らないのは両親ばかりだな」
 よそ者を揶揄するように客たちは笑う。

 次の瞬間、その一人の手首が勢いよくテーブルに押し付けられた。
「――何を知っている?」
 ディルクは相手を隈の浮いた目で睨む。
「なっ、何なんだあんた」
「隠す気ならやめておけ。俺は、どんな手を使っても聞き出すぞ」





 銀波館が闇に沈む。浄化師たちも館の豪勢な食事を供され、客間で眠っていた。
 2階、廊下。ドアがそっと開き、小柄な影が足音をひそめて駆ける。
 影は階段を降り玄関ホールを抜けて、館の外へ出た。前庭を横切り、灯りの漏れる番兵小屋へと――。

「ようお嬢さん。こんな時間にどこへ行くんだい?」
「!」

 光の中に寝間着姿の少女が立ちすくむ。
「そんなにビビんなよ。正義の味方、浄化師様だぜ?」
 額に角のある長身の女性――パンプティが、覆いを外したランタンを掲げてきししと笑う。
「フィオレさんですね?」
 フェイカーが一歩進み出た。
 気圧されるように少女が後ずさる。
 15歳という年齢よりは少し幼く見える。ブロンドの可愛らしい少女だ。
 男爵の娘フィオレ。昼間は姿を見せなかった彼女が夜中に何をしているのか。

 フィオレはつんと顎を上げて言った。
「何か御用かしら? わたしは夜風に当たりに出ただけよ。放って置いてくださらない?」
「そうはいきません。僕たちは護衛ですから」
「守ってくれって言われてんのに、勝手にフラフラされると困んだよ」
 パンプティは素人目にもわかる気迫を全身から放っている。少女は身震いした。
「わ、わかったわよ。部屋に戻ればいいんでしょう」
「わかってもらえて嬉しいです。それと、手に持ったものを見せてください」
「……!」

 フィオレは唐突に背を向けると、ぱっと駆け出した。
「やめて、放して!」
 細い手首をパンプティが掴んでいる。もみ合ううちに小さな瓶がこぼれ落ち、芝生の上を転がった。
「……フィオレさん。僕たちはあなたを助けたいんです」
 フェイカーが小瓶を拾い上げ、目の高さに掲げる。
 液体を満たした瓶が、ランタンの灯りを映してゆらめく。

「教えてくれますね? あなたがしたこと、しようとしていたことを」




 シャンデリアの下で賓客たちが笑いさざめく。
 銀波館恒例の夜会。しかしアスコリ男爵夫妻の隣に、一人娘フィオレの姿はない。

 薔薇色のドレスをまとったシュリは、賓客たちを壁際から見つめていた。
 銀波館の使用人たちと揃いの燕尾服を着たロウハが、盆を片手にシュリに近づく。
「結構似合うな。さすがお嬢、サマになってるじゃねーか」
 しかしシュリの顔は晴れない。
「フィオレさん、これからどうなるのかしら」
「……さあな」
「わたし、フィオレさんに同情していたわ」
「……そうか」
 向けるべき言葉が見つからず、ロウハはシュリの腕にそっと触れた。



 少し前。
 盗んだ招待状で侵入を試みたサクリファイスの馬車は、浄化師たちによって捕縛された。
 最初に気づいたのは、門の前で番兵と共に客をチェックしていたベルトルド。
「失礼、馬車の紋章をよく見せてもらえませんかね?」
 逃げようとした馬車の車輪をディルクの銃が砕き、ジークリートとフェリックスが追いついて踏み込む。
「話が違う! どうして番兵がいるんだ!」
「それは……番兵さんたちが、薬を盛られずにすんだからです……」
 信者にボウガンを突きつけながら、ジークリートが言った。

 大広間では今日のために呼ばれた楽団が演奏の準備をしていた。
「楽団の皆さん、差し入れです」
 ヨナがお茶を配り楽団員の中を巡る。メイドの身のこなしが板についてきたようだ。
 そのヨナの青い瞳が、きらりと光った。
「そちらの方、楽器ケースの中を見せていただいてもいいですか」
「っ、触らないでくれ!」
 ヨナを振り払った楽団員の手元から光が漏れる。
 しかし魔術が成立する前にアリシアとクリストフが楽団員を取り押さえた。
「確かに楽団員なら、魔術道具を隠せる荷物も怪しまれないよね」
「先にフィオレさんから話を聞いておいて……良かったですね……」
 早めに来た賓客の何人かがこちらを怪訝そうに見たが、パンプティが「すみません、演出の練習なんです」と笑顔を向ける。

「……シリウス。いつまでこうしてるの?」
 信者が連れて行かれるまでの間、シリウスはリチェルカーレを背に庇い神経を逆立てていた。
「大丈夫よ、私だって自分の身くらい守れる。ねえ、私たち、警備のために来たのよ?」
「……わかってる」
 リチェルカーレが困った声で言い、シリウスはようやく力を抜いた。




 深夜。
 人目を避けるようにして一台の馬車が銀波館を離れた。
 男爵令嬢フィオレ・アスコリを、薔薇十字教団本部へ連行する馬車だ。

 フィオレが語ったところによると、事の起こりは2ヶ月ほど前のこと。
 彼女が港で働く青年と親しくなろうとして袖にされたことを街の住人は知っていた。ディルクが酒場で訊いた話である。
 傷心のフィオレを慰めたのは同い年のメイド。その勧めでサクリファイスに接触したという。
 件のメイドは3日前に銀波館から姿を消した。
『では、馬丁さんが……殺されたのは……?』
 ジークリートが尋ねるとフィオレは大声で泣き出した。彼女は門を開けただけだったそうだ。

「誰でもよかったのでしょうか」
「たぶんね。だけど、それがお嬢様をサクリファイスの会合に送っていった馬丁というのは作為を感じなくもない」
 ショーンに答えてレオノルは自分の顎を撫でた。
「すると、首の行方は」
「海かな。力を誇示する以上の意味はなかったんだと思う」
 ふむ、とレオノルは首をひねる。
「お嬢様の言っていた、信者のリーダー。結局、姿を見せなかったねえ」
 浄化師たちの調査と警備を警戒したのだろうが、気がかりは残る。



 フィオレを乗せた馬車が角を曲がり、視界から消える。
「サクリファイス……生きることが罪なら、入信した瞬間に自害して教えを全うして欲しいものです」
 ヨナが不愉快そうな態度で言った。

 短い夏の夜はもう明けようとしていた。
 潮騒が聞こえる。
 白み始めた空を背にした銀波館は優美で、憂いなど知らぬげであった。


銀波館の惨劇
(執筆:狸穴醒 GM)



*** 活躍者 ***

  • リトル・フェイカー
    気がつくと、考えてばかりです
  • パンプティ・ブラッディ
    アタシは楽しく生きるのさ

リトル・フェイカー
女性 / 人間 / 陰陽師
パンプティ・ブラッディ
女性 / 生成 / 拷問官




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2018/05/31-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[32] シュリ・スチュアート 2018/06/08-00:07

>お嬢様の護衛
ありがとう、リトルさん。
よろしくね。


作戦にプラン、おつかれさま。
うまくいきますように……!  
 

[31] ヨナ・ミューエ 2018/06/07-23:52

すいません宣言していたつもりでいたんですがアウトプット出来ていませんでした。
ヨナ→会場内
ベルトルド→正門で来賓チェックのち会場内待機
です。ではでは、頑張りましょう  
 

[30] リトル・フェイカー 2018/06/07-22:58

>お嬢様の護衛
ぜひ、喜んで。シュリさん、よろしくお願いいたします。

>お客への対応
音楽で誤魔化すのはいい案だと思います。
それでもお客様に気づかれた時は、ちょっとした寸劇・・・と説明しつつ遠ざけたら大丈夫、かな?
戦闘中、何人かは会場でお客さん対応になりそうですね

とりあえず配置確認です

護衛・警備
【庭・会場外】
ショーン&レオノル
ジークリート&フェリックス

【会場内】
リチェルカーレ&シリウス
アリシア&クリストフ
シュリ&ロウハ
リトル&パンプティ

ヨナさん達やシエラさん達も調査した箇所を護衛する感じ…でしょうか?
間違いや抜けがあったらすみません。  
 

[29] ヨナ・ミューエ 2018/06/07-22:20

男爵への交渉有難いです、お願いします。
私では余計な事を言ってしまいそうでしたので。

誘導…外…、表では目立ちますしやはり裏庭の方でしょうか。
男爵家族は警護が厚いですし襲撃者のターゲットが都合よくブレてくれれば誘導できるのではと。
上手くいくかはわかりませんがやってみます。

>招待客
気付かれないに越したことはないですが何も知らせず混乱が起こるのも怖いですね。
屋内で行動が起こらない限りは楽団に盛り上げて貰って外からの音を聞こえにくくしましょうか  
 

[28] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/07-21:20

使用人の皆さんへの聞き取り、何人かの人が言ってくださってるので、わたし奥様にお話を聞いてみたいと思います。
2週間前のことも、伺ってみたいですし…。
時間に余裕があるなら、屋敷内の皆さんのお手伝いしながら事件のことや男爵様ご一家のこと、夜会のこと等聞いていますね。

当日はお嬢様の護衛はリトルさんやシュリさんがしてくださるので、わたしとシリウスは男爵様や奥様を気にしたいと思います。
事件が起きましたら、外に避難誘導でいいと思います。人命第一、ですものね。  
 

[27] クリストフ・フォンシラー 2018/06/07-21:19

リチェちゃん達とレオノル先生達がいっしょにきてくれるんだね。
俺達だけだと頼める事(文字数)に限界があるので助かるよ。
申し訳ないんだけどボディチェックにまで手が回らないので、
チェックしたい人は、それをクリスに頼むと言う形でも書いて貰えると有難いよ。

こちらで入れる内容は、
「不審物や不審者情報を得る為、夜会を無事に終える為に調査をさせて欲しい」
って感じになってる。
あとは男爵への対応の仕方だね。


>敵が出てきたら
警備中に犯人らしき人物が現れたら捕縛に動くのでいいと思うよ。
できればあまり剣は使いたくないけど…向こうが持ってたら仕方ないね。
その場合でも、あまり酷い状態にならないように気をつけようとは思う。
お客には、その場から離れるように声がけが必要かもだね。
上手く誘導できるならそれが一番だとは思う。
 
 

[26] レオノル・ペリエ 2018/06/07-20:20

あ。クリス君、男爵への交渉私も付き合っていーい?
書斎に行きたいんだ。相手は体面を気にする人間でしょ?
ちょーっとばかし私にいいアイデアがあるんだ。
うん。簡単に言うとおだてるだけなんだけどね。

あと当日の警備は門番さんと一緒に受付のお手伝いするよ。
なんか怪しい挙動があったらすぐ知らせるなり何なりする。  
 

[25] シュリ・スチュアート 2018/06/07-15:59

前日は調査、当日は警備。
夜会前に集合して情報確認、ね。

男爵へのご挨拶、クリストフさんに引き受けてもらえるのとても助かるわ。

わたしもフィオレさんに話が聞きたいと言ったけれど、護衛も含めて同行してもいいかしら、リトルさん?
もちろん彼女の邪魔にならないように配慮するから。
会場内に襲撃者が現れたら、外の皆に伝えるために「魔術通信」を使おうと思ってるわ。

ロウハは前日は使用人達への聞き込み。
会場の準備を手伝いながら、になるかしら。
当日は会場内で、なるべく全体を見渡せる位置にいるそうよ。

戦闘になったら外に誘導、捕縛という感じで問題ないと思うわ。
何人かは会場に残って、お客様へ説明するのがいいかしら。  
 

[24] リトル・フェイカー 2018/06/07-09:25

>男爵への対応
クリストフさんは回答と挨拶ありがとうございます。
お任せしてもよろしいでしょうか、会話術は心強い。

あくまで夜会の護衛ですから、「警備に必要な情報を集めたい(事件についても必要なら尋ねます」と言う程ならば許可はいただけそうな気がいたします。

>敵の処遇
捕縛でよろしいかと。討伐だと聞けぬ話もございますし、ね。

>お客
貴族達が戦闘などに気付いた時の対応はどうしましょう。
誤魔化すか、安全な場所に誘導?騒ぎになるのは悩ましいです…。
無事に夜会を終わらせるのが目的ですから…前者のがよいでしょうか?
 
 

[23] ベルトルド・レーヴェ 2018/06/07-04:08

あー、ちょっとすまん。
屋敷の人間と周辺調査と襲撃者の目星に焦点が当たっているが
実際交戦となったら捕まえて教団に突き出すでいいか?
悠長な事も言ってられないんだが必要以上の流血沙汰は避けたい。  
 

[22] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/06-22:54

クリスさんが男爵様への挨拶等してくださるの、ありがたいです。わたしたちも行こうかと思ったんですが、話しが上手にできるか不安で。クリスさん、ついていってもいいでしょうか?
よろしくお願いします、くらいしかわたし達…(となりのシリウスを見て言い直す)わたし、は、いう事思いついていないんですけれど。

>警備
悩んだのですが、わたし達も夜会に紛れ込んでの警備をしようと思います。会場内で動くのには、目立たなくて良さそうですし。  
 

[21] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/06-22:49

レオノル先生、クリスさん、教えてくださってありがとうございます。
色々考えすぎて頭が混乱していたみたいです…もう一回情報整理しなくちゃ。


ええと、今上がっている事前の動きとしては
・男爵への挨拶、調査協力等
・屋敷内部の調査
・夜会参加者について
・人間関係
・庭、屋敷周りの調査
・令嬢への聞き取り
・亡くなった馬丁について聞き取り

あたりでしょうか?後は何か聞いておくこと、あったかしら。  
 

[20] ヨナ・ミューエ 2018/06/06-03:21

男爵の許可ですか。
既に死人が出て脅迫状もあることから襲撃犯はよっぽど遂行する自信がありそうです。
その状況で男爵がプライド優先の行動をとるのは全員の命を危険に晒す事になりますし
上に立つ者としての危機管理を説けば無碍にはされないかと。
そもそも夜会を強行する時点で……こほん。失礼しました。

外回りや男爵周辺は気になっている人が多いようですし
私は給仕として参加するので使用人をメインに当たってみます。
夜会準備で皆忙しいでしょうから仕込みのお手伝いしながらそれとなく耳に入る情報を集めてみようかと。
ベルトルドさんも正門の警備に行く前は力仕事など手伝ってもらえれば。
貴族相手の給仕はまっぴらごめんだそうです。

襲撃犯との戦闘が見込まれますがリトルさんの言っていた通り大広間は避けたいですね。
何とか庭…外に誘導できれば。海方面に裏庭が続いてるみたいです。  
 

[19] クリストフ・フォンシラー 2018/06/05-22:38

>男爵の許可
うん、そうだね。
俺達が依頼されたのは「夜会の警備」だから、
屋敷内を勝手に調査したり話を聞き回ったりするのはマズイかもしれない。
なので、到着したらまず男爵に挨拶に行こうと思ってるよ。
挨拶ついでに調査と聞き込みの許可を貰おうかなと。
プライドを刺激しないように、上手く許可を取り付けられればと。
会話術が役に立つといいんだけどね。

>仮面舞踏会
レオノル先生と同じく、これは心配ないんじゃないかと思うかな。
「初夏を楽しむ名目で、毎年の恒例行事となっています。
立食形式で豪華な食事が並び、楽団の演奏などもあります。」
って説明から、舞踏会と言うより立食パーティの意味合いが強いように感じたしね。
 
 

[18] ジークリート・ノーリッシュ 2018/06/05-18:42

…えっと、わたしたちは、警備は外にしようと思います。
屋根から見張りをするか、庭に隠れるかはもう少し考えます…。

調査も館の外回りにしようと思います。庭や塀、馬車の車庫、馬小屋とかを調べてみようと思います。
何か出るかどうかはわかりませんけど…。  
 

[17] リトル・フェイカー 2018/06/05-07:38

ヨナさんは纏めてくれてありがとうございます。
そして、調べる際の男爵の許可は確かに…。もしかして、聞き込みとかも許可のあった方が良いのでしょうか?

現地で調べたいことは沢山あるのですが…
馬丁の遺体についてはクリストフさんたちが調べてくださるようですから、
僕は聞き込み…フィオレさんや、その周囲の方々に会って見たいと思います。
気分も優れないようですし、こっそりその理由を聞き出せたらな、と。
前日のうちに、訪ねてみるつもりです。

当日はこのまま彼女の護衛でもよいでしょうか。
一応、夜会の主役がフィオレさんですから、怪我のないよう気にしつつ、あたりの警戒を考えています  
 

[16] レオノル・ペリエ 2018/06/04-22:46

うーん。パーティー前日にやりたいのは取り敢えず自警団に聞き込みしたいんだよねぇ。
あと執事さんにお話し伺いたいところ?
ちょっと片っ端から可能性潰しに行きたいんだ。

仮面舞踏会の可能性は低いんじゃないかな?
だって、男爵が娘さんの結婚相手探すことを目的としている部分があるぐらいでしょ?そうなると相手の顔とか素性が分からないと、パーティ終わった後お婿さんにしたい相手が誰だか分かんないとこまるじゃん。
だからその線は薄いと思うよ。

当日警備についてはもうちょっと考えさせて。  
 

[15] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/04-22:34

(連投失礼します)

あ、そういえば夜会…。物語とかだと、時々「仮面舞踏会」とかってありますよね。
仮面してると、主催者の男爵様でも誰が誰かわからないとかないでしょうか?どんな形式の夜会なのか、顔はお互い確認できるのか、聞いておくといいかもと思いました。誰がどんな衣装を着るのかとか。  
 

[14] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/04-22:09

クリスさんの言うように、ボディチェックは男爵様にお伺いした方がいいかもとわたしも思いました。
依頼主さんですものね。

わたしたちは、前にもあげましたが見取り図とか参加者について、詳しく聞けるだけ。
レオノル先生も仰ってますけれど、「夜会を」とわざわざ上げているので何かここに鍵がないかなあと。
準備のお手伝いをしながら聞いたら、お屋敷のひとたち何か思いつくこと話してくれないでしょうか。男爵様やお嬢様についても、聞いてみますね。

後、一応灯りを準備していきます。犯人?に、灯りを消されてしまった時用に。

>情報共有
夜会前に一度集まって、でいいと思います。  
 

[13] クリストフ・フォンシラー 2018/06/04-21:58

>警備
ひとまず、成功条件は夜会の警備だから、全員、どういった警備をするつもりなのかの宣言は必要そうだね。
俺達は招待客の中に紛れ込もうかと。
内部に犯人もしくは協力者がいる可能性が高そうなので、依頼人や客を守るには近くにいた方がいいかなと思ってね。

客のチェックは良さそうだとは思う、けど……
男爵の許可を前もって貰った方がいいんじゃないかな。
プライドが高くて体面を気にする男爵は、入り口で大仰にチェックするのは嫌がりそうだと思うんだよね。
許可を貰えない可能性も視野に入れた方がいいと思う。

ただ、招待客は全員顔見知りだろうし、見かけない顔があればすぐ分かるんじゃって気もするかな。
まあ知り合いに犯人がいないとは限らない訳なんだけど……うーん。


>調査
俺達の到着が夜会の前日だから、何か調べたり誰かに話が聞きたければ、
夜会当日よりも前日から夜会の前までに済ませた方がいいと思う。
お嬢様の様子がおかしいのは確かみたいだけど、夜会の最中は気を配っておく感じでいいんじゃないかな。

俺達は到着後に使用人や門番達に話を聞いてこようと思ってるよ。
馬丁の遺体が、どうして彼だと確定できたのかがちょっと疑問で。
もしかして馬丁に見せかけて、似た背格好の死体を置いたって可能性は無いのかなとか。
考えすぎかなと言う気もするんだけど、そう言う仮説を立てたら最初の「どうやって遺体を庭に運んだ」って疑問も解ける気がして。

>情報共有
夜会が始まる前に一旦集まって報告し合うのでいいと思うよ。
それで怪しい人物が絞り込めれば警備もしやすいしね。  
 

[12] シエラ・エステス 2018/06/04-20:22

えーっと、ディルクさんからの伝言です。
「前日のうちに庭に外と繋がる隠し通路の類が無いか、崖伝いに何者かが移動した形跡が無いか、この2点を探ってみる」とのことです。

……そういえばこの屋敷、「別荘として購入した」とあるので、建てたのは男爵さんじゃないんですよね。
私は私で、館の中にそういうのが無いか探してみようと思います。  
 

[11] ヨナ・ミューエ 2018/06/04-19:41

・馬丁はどうやって前庭に運ばれたか(殺された場所?)
・遺体の調査、屋敷内の人物から情報収集
・見取り図の入手
・敵はどこから来るか
・情報の共有(夜会前)
・盗まれた書斎の調査
・招待客のボディチェック

皆さんの中から出た意見を軽く書き出してみました。抜けがあったらすみません。

素直に考えるなら盗まれた招待状を使って潜入してくるのでしょうか?
正門でのチェックは当然した方がいいと思います。長く仕えている番兵と一緒なら招待客の顔も大抵把握しているのでは。
見慣れない、様子がおかしい人物がいたら報告して貰いましょう。勿論危険物のチェックも。
こういう方を屋敷に入れないというのが理想なのですが、招待状を口実にされたら拒否は難しいかもしれません。
怪しい招待客は正門で把握してそれを中にいる誰かに伝える方法があれば…。

情報収集したいのは私も同感なんですが、我々の到着は夜会前日なのですよね。
馬丁が殺されたのも5日前になってしまうので遺体は残っていないかもしれません。
個人的には男爵の娘さんと使用人に話を聞いてみたいです。
男爵の事、殺された馬丁について、状況など。
招待客の中に襲撃者が紛れ込む可能性は高いですが、内通者がいないとも限りません。
各々出来る限り情報を集めたら夜会の前に一旦集合して情報共有が出来れば。  
 

[10] シエラ・エステス 2018/06/04-19:26

ええっと、どうも……はじめましての方ははじめまして。シエラ・エステスです。
大分遅れての参戦になりましたけど、パートナーのディルクさんともどもよろしくお願いします。
あ、アライブは私が断罪者、ディルクさんが悪魔祓いです。  
 

[9] リトル・フェイカー 2018/06/03-22:04

いあいあ、してたらさらに完璧>バールを持って異星人
パンプティ「おいやめろ。館でフリーアタックとか嫌な予感しかしねぇ」
悪霊さんのすむ家はよく燃えますからね…

それはさておき。

敵がどこからくるかなーっていうのは、僕も気になります。
ボディチェック…しても良いんじゃないでしょうか、なんて。
事件は伏せるにしても、何か理由をつけて武器とかは確認させてもらったり。
正門を通る時とかにできたら安心できそうです(魔法的なものは防げないかもですが)
出来ることなら、人が集まる大広間での戦闘は出来る限り避けたいのが本音です。

情報交換なら…夕方(夜会前)とか、時間を決めておきますか?
あと書斎で如何わしい本を探すのでしたら、間に合う範囲で精神分析(心理学)覚えときます。
パンプティ「エロ本探しみたいなノリで言う…」  
 

[8] レオノル・ペリエ 2018/06/03-20:07

ミステリーとかサスペンスには物理学者が必要だって聞いた。あとバールを持って異星人と戦えば物理学者として完璧だって。
ショーン「……何の話ですか」
……よくわかんない。
えーっと。私は狂信者のレオノル・ペリエ。こっちの彼が悪魔祓いのショーン・ハイドだよ。
やりたいことは特に決まってないけど……どうしよっか?(首かしげ
とりあえずショーンが鍵開けスキルLv1あるからくだんの書斎にでも潜入させる?

ショーン「まさかの。」

えっとさ、でさ。


賊が夜会にきてる可能性はかなり高いんじゃないかな?
だって、書斎に侵入して招待状が盗まれてるんでしょ?それを使えば賊が侵入するのは容易いじゃん。
というかさー。
夜会を犠牲に捧げるって文面だと警備の対象が絞りづらい!(うがーっ)
男爵を殺すとかなら男爵対象に警護すればいいけど……。
私だったら夜会の会場そこかしこに爆弾仕掛けて一斉にどーんとか、銃乱射するとか考えるけどさー!!
夜会の参加者全員に身体検査する訳にもいかないよねぇ……。
 
 

[7] シュリ・スチュアート 2018/06/03-19:58

占星術師のシュリと断罪者のロウハよ。
はじめましての人も、前にご一緒した人もよろしくね。

貴族の館で首なし死体だなんて……恐ろしい事件だわ。
首を持ち去ったのにも何か意味があるのかも、なんて考えてしまうわね。
脅迫状の送り主……サクリファイスの企み、頑張って阻止しないと。

わたしは招待客を装って、男爵の娘のフィオレさんに接触しようかと思ってるわ。
ロウハは執事として、屋敷の使用人たちの持つ情報を探ってみるつもり。

全体を警備する必要があるだろうし、皆ある程度ばらけて動くことになりそうだけど、どこかで情報共有はしたいわね。  
 

[6] ヨナ・ミューエ 2018/06/03-18:34

狂信者ヨナ・ミューエおよび断罪者ベルトルド・レーヴェ。
不可解な点の多い指令ですね。気を引き締めて行きましょう。

主な目的は夜会の警備。に加えてその前に起こった殺人事件との関係性の調査。
予告状があることから繋がっている筈…ですがわざわざ恐怖を煽る意図は分からないですね。
殺人の起こった2週間前に招待状が盗まれたというのも気になります。

ひとまず我々がどの立場で夜会の警備にあたるか、でしょうか。
私は給仕として、ベルトルドさんも給仕もしくは番兵で考えています。

この指令、外からの襲撃には我々の参加もあり比較的備えやすいかと思うのです。
ただ…あまり考えたくないのですが身内や夜会参加者の中にサクリファイスがいると厄介ですね…。  
 

[5] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/03-17:48

リチェルカーレです。パートナーはシリウス。
アライブは陰陽師と断罪者です。
皆さん、どうぞよろしくお願いします。

さ、さつじんじけん…(真っ青)。で、でも、まだ怖い思いをしている人がいるんですものね。
がんばります。
シリウスが、夜会に紛れ込むにしろ警護するにしろ、お屋敷の見取り図とか誰がいるのかとか知りたい、と。  
 

[4] ジークリート・ノーリッシュ 2018/06/03-13:10

…あの、わたしは、ジークリート・ノーリッシュ。悪魔祓い、です。
パートナーは、フェリックス・ロウ。墓守です。

皆さん、初めまして。どうぞ、よろしくお願いします…。
…サクリファイス、いるのなら見つけたいですけど…、これから先も何かあったらいけないですから…。  
 

[3] リトル・フェイカー 2018/06/03-12:56

初めましての方もそうでない方もこんにちは。
陰陽師のフェイカーと、拷問官のパンプティさん、です。
よろしくお願いします。

ひとまず…色恋沙汰の事件でしょうか?
僕は屋敷内の人物にでも事件のお話を聞けたらな、と…考え中です。
ご遺体も調べたいけれど、もしかして処分済み…?
パンプティさんは…サクリフェイスを殴れればそれで良いそうです。はい。  
 

[2] クリストフ・フォンシラー 2018/06/03-12:07

初めまして、こんにちは。
俺は断罪者のクリストフ。クリスと呼んでくれ。
パートナーは陰陽師のアリシアだよ。共々、よろしくどうぞ。

にしても首なし死体ね……何とも血生臭い。
夜には門は施錠されてて門番もいる。周りは煉瓦の塀。
犯人はどうやってこの馬丁の遺体を前庭に運んだのか、俺は今のところそこが気になるかな。
もう少し状況を読み込んでみようとは思うけど。

何にせよ、あまり女性陣に血生臭いものを見せないように頑張ろうと思うよ。