~ プロローグ ~ |
シャドウ・ガルテン。 |
~ 解説 ~ |
●目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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目的 村の異常の原因を見つけること。 それを取り除くこと。 シャドウガルテンの中の人間の村。 アンデッドも受け入れようとしていたのなら邪魔はさせたくない。 行動 ランタン使用。 「村に戻ってきた一組の男女の素晴らしいお話を聞きに来た」という振りをして村に入る。 男女について聞き込みしつつ村の中の調査。 どんな話をしていたか、普段の様子や行動範囲。 精神に干渉する魔術が場所にかかっているなら、魔方陣とか破壊すれば解けるかも? シルシィはアンデッドの女性のお兄さんと村人の中の魔力の高い人に浄化結界をかけてみる。 抵抗力が上がれば…? できれば村人は家の中にいるようにしてもらいたい。 アンデッドの女の人はNPCに護衛をお願い。 |
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アンデッドの女性を含め 村人を守ること サクリファイスを捕縛することを目標に リコちゃん達の魔力探知に従い魔力抵抗値の高い人の所へ 教団の制服は着ない 浄化師ということは伏せ この村はヒューマンとアンデッドが仲良く暮らしているのでしょう?素敵ですね フィリアも使い 話を聞き易く 他の人が話す間に 浄化結界 ヒューマンもアンデッドもヴァンピールも 皆同じ この村は …わたし達はそれを知っていますよね? 聞き取りの成否に関わらず ベリアル出現の可能性を伝える あまり家から出ないでくださいね サクリファイス担当側の回復 回復の必要が無ければ九字で攻撃 退魔律令で追加攻撃 シリウスの様子がおかしくなれば駆け寄り名前を呼び 引き戻す |
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教団制服は着用せず浄化師の正体を隠す 例の男女の噂を聞き、興味を持って来た旅の者として振る舞う 村の人に男女の家の場所を聞く 聞き込みと並行して、魔力感知で魔力の高い人、 または魔力の流れがありそうな場所を調べる できればセパルにも手伝ってもらう 怪しまれたりサクリファイスに正体がばれそうになったら いざという時は正体を明かして 村人には家の中に入っててもらう 戦闘はサクリファイスの家の前で迎撃 魔術真名唱え ベリアルを呼ばれたらそちらの担当 自ら囮になる等して村への被害を防ぐ 回避力を上げつつ三身撃でなるべく手早く仕留める サクリファイスはできるだけ捕縛を試みる 無理なようなら、仕方ないから楽にしてあげるわ |
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目的 アンデッド女性の保護 サクリファイスの捕縛 村人にかかった魔術を解く 制服は着用せず 利点欠点と実行の可否を確認の上 セパルに予め村付近に雨を降らせて貰えないか頼む 村到着後 魔力探知使い「精神に干渉する魔術」の捜索。隠密を心掛ける 魔方陣等あれば調べ解除を試みる。無理ならば術式を極力記憶(LV3)してから破壊 教団の方でもまだ把握していない魔術でしょうか 精神干渉は目に見えない分危険ですし、今後多用されるような事にならなければよいのですが… 他メンバーと合流しサクリファイスの家で迎撃 必要なら鍵開け(LV5)使用 戦闘 ヨナ サクリファイスへ 逃走防止の為足を重点的にFN5 昏倒させるまで攻撃はするが不殺心掛ける |
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~ リザルトノベル ~ |
●方針を決めよう 村に起っている異常事態を解決する指令。 実行するにあたって『シルシィ・アスティリア』は有効な提案を幾つも上げていた。 「魔術が使われているかもしれないなら、何か、魔方陣とかがあるかも?」 そしてエレメンツである『リコリス・ラディアータ』や『ヨナ・ミューエ』に提案する。 「リコリスさんやヨナさんはエレメンツだから、『魔力探知』で何か分かるかも」 これに『リチェルカーレ・リモージュ』も賛同するように続けた。 「そうね。リコちゃんとヨナさんの魔力探知と……セパルさんも、もしかしたら魔力の高い人や場所、分かりますか?」 「うん、大丈夫!」 人懐っこく返すセパル。 そしてエレメンツであるリコリスとヨナも、村の異常を探るため引き受ける。 一連の提案はかなり有効であった。 そして、さらに有利になるよう、村人の説得などについてリコリスは提案した。 「私達が浄化師とばれないように気を付けないとダメよね」 そこまで提案すると、さらに考えをまとめるような間を空けて続けた。 「村に出戻りの男女が怪しいのよね? だったら、その男女の噂を聞いて私たちも話を聞きたくてやって来た、という風に話を切り出してみたらどうかしら?」 これに皆は賛同し、服装でばれないよう、浄化師の服装では訪れないことを決めた。 有効な話し合いは他にも上がっていく。 「村人の中の魔力の高い人に、浄化結界をかけてみるのも良いかも」 シルシィの、この提案も有効だった。 魔力が高い者の判別に関しては、エレメンツの魔力探知が有効だろうという話が上がる。 そこで、リコリスが聞き込みと並行して担当することに。 ヨナは、セパル達と共に魔方陣などがないかを集中して捜索することになった。 ここまで出てきた提案は、相当に有効な流れが続いている。 そして怪しい男女に対する対処に関しても同様に進む。 内容は、可能なら捕縛を検討し、その際に注意したいことも提案された。 「自殺されないように気を付けた方がいいかも。ハンカチで猿轡も、とか?」 シルシィの提案に、セパル達が返す。 戦闘不能に近い状況に持っていってくれれば、魔法で気絶させることもできるとのことだった。 こうして事前の作戦は十二分な物になる。 それぞれ役割も決め、浄化師達は村に訪れた。 ●村の異常を解除しよう 「間違いなく魔術が掛かってますね」 村に訪れ魔力探知を使ったヨナが言った。 同様に魔力探知を使い村を見ていたリコリスは、形の良い眉をひそめ言った。 「村全体を、おかしな魔力の流れが巡ってるみたい」 魔力探知で見た限りでは、おかしな魔力の流れはある場所を中心として巡っているようだった。 明らかに怪しい状況を確認した浄化師達は、まずは助けを求めてきた青年の元に。 「始めまして。シャドウ・ガルテンから話を聞いてきました」 青年の家を訪問し、『マリオス・ロゼッティ』は穏やかに挨拶をする。 柔らかな物腰のマリオスに、青年は礼を返す。 青年の背後には、まだ10才にもなっていない女の子が。 不安そうに青年の服を掴み、浄化師達をうかがうように見詰めている。 そして『シリウス・セイアッド』を見詰め、おどおどした声で言った。 「おにいちゃん、ヴァンピールの人なの?」 「ああ、そうだ」 出来る限り女の子が怯えないよう、穏やかに返したシリウスに、女の子は涙目で続ける。 「ヴァンピールの……シャドウ・ガルテンの人も……アンデッドは悪いから、やっつけに来たの?」 女の子の問い掛けに、浄化師達の表情が強張る。 その表情に、機嫌を悪くさせてしまったと女の子は思ったのか、理由を説明するように言った。 「だって……神さまの決めたことに逆らうのは……悪いことだって……みんな言ってるもん……だから、アンデッドになった私は……いけないって……」 「それを最初に言ったのは、誰なんだ」 荒い口調になるのを抑えながら、『ベルトルド・レーヴェ』は怒りを滲ませる。 これに女の子は、兄である青年の後ろに隠れるようにして言った。 「みんな、言ってるけど……最初に言ったのは……新しく引っ越してきた、おじちゃんとおばちゃんだよ」 女の子の話の後に青年にも聞いてみると、最初に言い出したのは出戻りの男女2人ということだった。 村人は最初、取り合わず。青年などは怒ったらしいのだが、いつのまにか男女の言葉が正しいという風潮が広がっていたらしい。 そのことを説明する青年は、どこか苦しそうだった。 「君は、おかしいと思わなかったのか?」 苦しそうな青年に、『トール・フォルクス』が静かに問い掛ける。 これに青年は返す。 「……分からないんです。こんな事は変だって……妹を殺させるような真似なんて、させちゃいけないのに……でも、間違ってるのは、俺達だから……」 青年は違和感を感じているが、そう感じてしまう自分が悪いのだと思い込んでいるようだった。 この状況に、浄化師達は浄化結界を使う。 それは効果をみせた。 浄化結界を使い、先ほどと同じような質問を青年にすると、明らかに現状がおかしいと自覚することができた。 浄化結界の効果が切れた後も、一度浮かんだ違和感は記憶に残るらしく、最初の時よりも現状を変えようという意志が出ている。 「村の人達に、同じように浄化結界を使ってみたら効果があるかも」 シルシィの言葉に皆は賛同し、青年の協力も得て村人を集めて貰うことに。 「同時に並行して、村を覆っている怪しい魔力の流れの原因を突き止めましょう」 リコリスの言葉に、ヨナが続ける。 「では、私達が見てきます。セパルさん達も、協力をお願いできますか?」 これにセパル達は快諾。 話は纏まり、浄化師達は動き出す。 それを見ていた女の子に、リチェルカーレは優しい笑顔を向け安心させるように言った。 「大丈夫、安心して。貴女を、誰にも傷付けさせないから」 「……うん」 女の子は、ずっと飲み込み続けた不安を僅かに緩め、涙を溜めながら返した。 このあとの浄化師達の動きは素早かった。 村人達と話し合う班と、村を覆う魔力の流れの原因を解明する班。 2つに分かれ、迅速に行動した。 ●村の異常を打ち払おう 「素晴らしい話を聞きに来たんです。村に戻ってこられた方達が、話されたんですよね?」 村人にマリオスは話を聞く。 いま全員が居るのは、作物の収穫時に使うこともある村の広場だ。 「どんな話をしてくれたのか、教えて貰えませんか?」 マリオスに続けて、シルシィも尋ねてみる。 ぽつりぽつりと応える村人達。 話を聞いていく中で、少しずつ怪しい男女の情報もシルシィは引き出していく。 「普段は、どんなことをされているんですか?」 これに村人は、次のようなことを返した。 ある日突然帰って来て、神の素晴らしさを説き始めたこと。 最初は取り合わなかったが、何故か段々と言っていることが正しいと思い始めたこと。 普段は畑仕事すらせず家に閉じこもり、それなのに何故か生活できるほどの蓄えがあったこと。 話を聞けば聞くほど、露骨に怪しい。 村人の中には違和感を感じている者も少なくないようだが、それが何故だかは自覚できないようだった。 しかし話を続け、村人達に自分達の現状に違和感を感じさせることには意味がある。 違和感を感じれば感じるほど、現状をどうにかしなければ、という気持ちが湧くようだった。 それを更に広げるため、トールは聞き込みを続けていく。 「俺達も彼らの話を聞いてみたいんだけど、具体的にはどんな話だったんだ?」 トールの問い掛けに村人達は、怪しい男女が口にした話を返す。 「神に従うことが一番大切だと」 「だから、神の摂理に逆らうアンデッドは……殺すべきだって……」 話していく内に、村人達は悩むように表情を歪めた。 この場には、アンデッドの女の子も居る。 そちらには目をそらすようにして村人は話していた。 「その話に何か違和感はなかった?」 トールの問い掛けに、村人達は自分達の状況のおかしさを自覚し始める。 それをより強めるため、アンデッドの女の子の兄である青年に、改めてトールは問い掛ける。 「君もだ」 視線を合わせ続ける。 「あの男女の言うことは正しいと思ってる。なのに何故か、君は妹を助けて欲しいと言ってきた……おかしくないか? アンデッドが死ぬべきだと思うなら放っておけばいいはずだろう」 「放っていい訳なんかっ……ない……」 青年はトールの問い掛けに、ぎゅっと妹を抱きしめながら、振り絞るような声で断言する。 それは先程かけた浄化結界の影響もあるように見えた。 話を続ける中で、村人達に動揺が広がっていく。 それは浄化師達が、巧く話を広げていったことが大きい。 その上で、青年の様子を見る限り、浄化結界も効果があるように思えた。 だからこそ、それをより確かな物にするべく、リチェルカーレは話を続ける。 「この村はヒューマンとアンデッドが仲良く暮らしているのでしょう? 素敵ですね」 リチェルカーレの言葉に、村人達の表情には恥じるような色が混ざる。 それはリチェルカーレの言葉を認め、だというのに、今の自分達は違うと感じたからだ。 村人達は、違和感を感じ始めている。 それをより確かな物にするべく、リチェルカーレは続けて言った。 「ヒューマンもアンデッドもヴァンピールも、皆同じ。この村は……わたし達は、それを知っていますよね」 穏やかな呼び掛け。 自問を促すようなそれに、村人達は自身の心と向き合うように押し黙る。 明らかに違和感を自覚し始めている村人達の変化を強めるため、リチェルカーレは浄化結界を使うことに。 使い易いよう、シリウスがリチェルカーレの前に立ち、村人達の注意を引くべく話をする。 「――共存していると、聞いていた」 シリウスの言葉に、村人の注意が向く。 「それなのに、今の村の雰囲気は違うようだが」 責めるのではなく淡々と、気付かせるように話をする。 「それは――」 村人達は、シリウスの言葉に返そうとする。 けれど、何かに邪魔されるように言葉にならない。 そんな村人達の助けになるよう、リチェルカーレは浄化結界を発動。 村人に広場に集まって貰う際には、リコリスが魔力探知を使い、魔力抵抗の高い村人と、そうでない村人を、それぞれ離れて貰うよう誘導している。 そうした細かな事前行動もあり、浄化結界はより強く効果を発揮した。 「おかしい……よな……?」 浄化結界の効果を受けた村人達が、次々に違和感を口にする。 効果が薄かった者も、疑問の声を上げる村人達に、何かを感じているようだ。 このまま村人達に話をしていけば、ある程度時間は掛かりはするだろうが、恐らく説得できる。 そしてその時間は、村を覆う魔力の流れを探りに行ったヨナ達により、短くなろうとしていた。 「ここですね」 ヨナは、村はずれの一軒の家屋の前で断言した。 魔力の流れの中心。 それは怪しい男女が住んでいる家だった。 青年から話を聞き、教えられた場所と合致している。 「これ、多分中心は家の中だけど、入れるかな? 鍵とか掛かってそうだけど」 どうしたものかと考えるセパル。 それにヨナは返すことはできたが、迷いを見せる。 (鍵開けなら出来ますが、できれば隠したいですね) ヨナが迷いを見せていると、同行する3人の内、セレナが言った。 「入口以外にも何かあるかもしれないし、家の周りをぐるっと見て回らない?」 目くばせするようにウボーに視線を向けると、ウボーは返す。 「左右で別れよう。入口を調べるのは、1人に任せて悪いが、頼むよ」 ウボーの提案に、ヨナは快諾。 ベルトルドは、ちらりとヨナを見詰めるような間を空け、家の周囲の探索に。 (……ひょっとして、気遣われましたかね?) ベルトルド達の様子にヨナは思うも、今は村の異常事態の解決に集中する。 持って来ていたピッキングツールを使い鍵開けを。 ヨナの力量に比べ簡単なカギだったので、あっさりと開く。 しばし待ち、家屋の周囲を調べていたベルトルド達と合流。 「鍵は掛かってなかったみたいです」 ヨナの言葉を受け、皆が家の中に入ると、魔方陣を発見。 「これは……解除できれば良いのですが」 調べるヨナにセパルが返す。 「これ、陰気の魔方陣だけど、かなり不安定だね。陽気の属性の子が破壊するか、陽気の武器とかあると壊せるよ」 「なら、俺が破壊しよう」 陽気属性のベルトルドが拳を固め、ヨナはスキルを使う。 「ライトブラストが使えますから、私も協力します」 2人の攻撃により、魔方陣は破壊される。 同時に、村を覆っていた魔術は解除された。 ヨナ達がそのことを伝えるために、村人と話をしていた仲間の元に戻る。 その時点で、浄化師達の話により、村人達は現状に違和感を感じていたが、魔方陣の破壊が決定打になる。 悪い夢から覚めたかのように、次々と村人達は、これまでの異常な状態を自覚。 不安を覚える村人達を安心させるため、村を包んでいた魔術の発生源である魔方陣を破壊したことを伝えた。 そして自分達が浄化師であることも伝える。 「俺達は浄化師です。この村の異常を解決するために派遣されて来ました」 トールの言葉に、村人の間に軽いどよめきが広がる。 リコリスとトールは、止むを得ない状況になれば浄化師であることを明かすつもりだったが、現状であれば浄化師であることを告げた方が良いと判断したのだ。 これにより村人達は、今まで以上に浄化師達の言葉に耳を貸すようになる。 全ては、ここに到るまでの話の持って行き方と、対応が良かったからだ。 そうでなければ、この状況にはなっていなかっただろう。 「これから、わしらはどうしたら良いだろうか」 村の代表者らしい老人の言葉に、浄化師達は返していく。 「家の中に入って隠れていて下さい。荒事になるかもしれないから」 リコリスに続けて、トールは村人達が家の外に出ないよう言った。 「ここに来る途中で、ベリアルが近くに出るって噂を聞いた。万が一ってこともあるから、絶対に家の外には出ないように」 トールの言葉に村人は強張った表情で頷く。 恐怖を感じている村人を安心させるようにシリウスは言った。 「……ベリアルは近いうちに討伐する。それまでは家の中に」 シリウスの言葉に、幾らか表情が和らぐ村人。 それをより強めるように、穏やかな声でリチェルカーレは言った。 「安心してください。私達が、皆さんを守ります。だから全てが終わるまで、家を出ないで下さいね」 リチェルカーレの言葉に、村人に安堵するような表情が広がった。 これにより、いざ戦闘になっても村人が巻き込まれる危険は大きく下がる。 それでも万が一はあり得るので、保険はかけておく。 「僕達が戦っている間、村の人達の護衛を頼めますか?」 マリオスの提案に、ウボーとセレナは快諾。 浄化師達が戦闘している間、村人の護衛を引き受けた。 残りのセパルは、敵となる男女の捕縛協力のため同行することに。 事前準備は整っていく。 その中で、セパルに雨を降らせられないかヨナが尋ねると、セパルは返す。 可能だが、セパルだと規模が大きくなるので、場合によっては大雨で足場がぬかるみ不利になる可能性があるとのことだった。 不安定要素が大きいということで、雨は降らせないことに。 そうして準備が整う中、不安を滲ませるアンデッドの女の子に、シルシィは声を掛ける。 「大丈夫。すぐに村を元に戻してあげるから。ちょっとだけ、待ってて」 「……うんっ」 女の子は不安に涙を溜めながら、浄化師達を信じるように頷いた。 その信頼に返すように、浄化師達は戦いの場へと向かって行った。 ●サクリファイスをぶっ飛ばせ! 元凶の男女が自分達の家の前に訪れると同時に、浄化師達は一斉に動いた。 「貴様ら!」 元凶の男女が鋭く声を上げる。 浄化師達は、可能な限り気付かれないよう配置に就いていたが、完全な不意打ちにまではいかない。 しかし、元凶の男女の対応は後手に回る。 最初に攻撃圏内に入ったのは、ベルトルドとリチェルカーレ。 ベルトルドは獣の如き素早さで男の攻撃圏内に跳び込むと、獣牙烈爪突を発動。 打突の瞬間、拳をひねり。腹部を切り裂き出血させる。 一方、リチェルカーレは距離を取り攻撃。 魔術を放とうとした女の手首に、九字を切り魔力弾を叩き込む。 「があっ!」 痛みに声を上げる女。 そこに浄化師達は連撃を叩き込む。 初手の攻撃で、すでに元凶の男女はかなりのダメージを受ける。 だが、血を流しながら元凶の男女は憎悪の声を上げた。 「浄化師どもが!」 「神に逆らう罪を死んで償え!」 口寄せ魔方陣を発動。 しかも自分達のすぐ傍だ。 現れたべリアルは、元凶の男女にすら殺意を向け、それを喜ぶように元凶の男女は声を上げる。 「べリアルよ!」 「私達を食らい、神に仇なす者共に報いを!」 完全に、自分達の命など無視している。 だが、リコリスが間に入り防ぐ。 パーフェクトステップで機動力の上がったリコリスは、三身撃を使いべリアルを斬りつける。 電光石火の三連撃が、咽喉と胸と脇腹に連続して突き刺さった。 怒りの声を上げべリアルは反撃。 しかし、すでにリコリスは距離を取っている。 べリアルの攻撃は外れ、それどころかトールの追撃を受ける。 リンクマーカーで狙いをつけ、ハイパースナイプ。 眉間に突き刺さり、べリアルは大きく苦痛の声を響かせる。 「リコ、魔方陣があるのは頭じゃないのか!?」 トールの問い掛けに、魔力探知で確認。 「魔力が大きく渦巻いてる。多分、トールが攻撃した所が弱点ね」 2人は仲間の浄化師に、弱点と思われる箇所を告げる。 同時に、べリアルの討伐を続行。 2人だけでは苦戦する所だったが、援護が入る。 「シィ。援護を頼むよ」 「ん、任せて」 マリオスはシルシィに声を掛けると、リコリス達の援護に向かう。 攻撃圏内に踏み込むと同時に放ったのは疾風裂空閃。 まさしく疾風の如き速さで繰り出された刺突は、ざっくりとべリアルの背中を突き裂いた。 「イだぃイ!」 べリアルは怒りの声を上げ、腕を伸ばし鞭のように振るう。 攻撃を受け、距離を取らざるを得ない。 間合いを遠ざけたべリアルは、反撃を狙うように待ち構える。 そこに踏み込むマリオス。 構えを取り、二度目の疾風裂空閃を。 だが、べリアルは避けようとする。 べリアルの狙いは、攻撃後の隙を突いたカウンター。 しかし、それはシルシィに阻まれる。 「ん、避けるの、だめ」 鬼門封印を発動。 機動力を封じられたべリアルは、マリオスの一撃を避けられない。 刺突が咽喉を貫いた。 マリオスは攻撃を加えると、即座に後方に距離を取る。 そこにリコリスとトールの追撃が入った。 確実にべリアルの体力を削っていく。 それは他の敵を仲間の浄化師達が抑えてくれているからこそ。 サクリファイスである元凶の男女を、リチェルカーレとシリウスが制圧していく。 「シリウス!」 「……大丈夫だ」 リチェルカーレの呼び声が、シリウスの暴走しそうになる心を押し留める。 それは2人の積み重ねてきた絆の強さがあるからこそ。 シリウスはリチェルカーレに支えられながら、やるべきことを心に刻み立ち向かう。 重心を落とし、一気に踏み込む。 敵はサクリファイスの男。 男が撃ち放って来た魔力弾をかわし、双剣を振るう。 腕を切り裂き攻撃を無力化。たて続けに、剣の腹で胴を打ち据えた。 男は耐えることなど出来ず、地面に崩れ落ちる。 無力化を確認し、即座にリチェルカーレの元に。 その時には既に、リチェルカーレは敵を打ち倒していた。 「神の敵め!」 サクリファイスの女が放った魔力弾を、リチェルカーレは掠めるように受ける。 それは退魔律令を使うため。 魔力弾を受けると同時に、反撃の魔力弾を撃ち放つ。 攻撃を受け、後方にふっとばされる女。 そこにリチェルカーレは追撃を加え、無力化した。 「リチェ、行けるか」 連続した攻撃で疲れをみせるリチェルカーレに、シリウスは気遣うように声を掛ける。 「大丈夫。みんなを助けに行きましょう」 リチェルカーレは安心させるような笑顔を浮かべ、シリウスと共にリコリスやシルシィの助けに向かう。 これでサクリファイスの男女は拘束される。 戦闘不能になった所で、セパルが浄化師達が持って来ていた縄を使い縛り上げた。 敵の残りはべリアル二体。 その内の一体は、もうすぐ討伐されるだろう。 残り一体を、ベルトルドとヨナは抑えきっていた。 「ヨナ。一瞬で良い、動きを止められるか?」 「止めるだけで良いんですか?」 戦いの中にあっても勝気なヨナに、ベルトルドは笑みを浮かべ疾走する。 向かう先はべリアル。 鞭のように振るわれる腕を掻い潜り、間合いを詰めていく。 あと一歩。 攻撃圏内に入る直前で、ベルトルドは右横に跳躍。 同時に、今までベルトルドが居た場所をべリアルの腕が薙ぎ払う。 間髪入れず、連撃を放とうとするべリアル。 だが、ヨナのダークボールが防ぐ。 闇の如き光弾が放たれ、ギリギリでべリアルは腕で弾く。 その瞬間、ベルトルドは一気に間合いを詰め、べリアルの懐に踏み込んだ。 反射的に掴みかかろうとするべリアル。 それをベルトルドは左拳で弾き、逆に腕を掴む。 引き寄せると同時に、顎への掌打。 打撃を食らわせた所で足払い。べリアルの体が浮いた所で、体重を乗せ地面に叩きつけた。 スキル磔刺により地面に押さえつけられたべリアルは、逃れようと腕を振るう。 それをベルトルドは弾き、あるいは逸らし、時に関節を極めながら、その場に押さえ続ける。 仲間の援護が来るまでの時間稼ぎ。 それは十分な結果を見せる。 最初の一体を仲間が倒し終るまで押さえると、援護に来た仲間と共に、べリアルを打ち滅ぼした。 かくして村の異常事態は浄化師により解決される。 戦闘後、マリオスが怪我人の治療を行い、周囲の確認をした後に、全てが解決したことを村人達に告げる。 安堵の表情を浮かべる村人。 彼らに、ヨナは願うように言った。 「この国も、外の国も日々変化しています」 心の中で教団も、と付け加えつつ続ける。 「変化する事は恐れを伴うかもしれませんが、理不尽に泣く人が一人でも減るよう、これからも正しい判断を」 その言葉に村人達が頷く中、事件は終わりをみせる。 浄化師達の対応の巧さが、余計な被害も出さず最大の結果を上げた、見事な解決だった。
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*** 活躍者 *** |
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[21] リチェルカーレ・リモージュ 2019/01/05-22:33
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[20] ヨナ・ミューエ 2019/01/05-22:26
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[19] リチェルカーレ・リモージュ 2019/01/05-22:01 | ||
[18] リコリス・ラディアータ 2019/01/05-21:53
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[17] ヨナ・ミューエ 2019/01/05-21:42 | ||
[16] シルシィ・アスティリア 2019/01/05-21:41 | ||
[15] リチェルカーレ・リモージュ 2019/01/05-20:58 | ||
[14] リチェルカーレ・リモージュ 2019/01/05-20:27 | ||
[13] リチェルカーレ・リモージュ 2019/01/05-20:24 | ||
[12] シルシィ・アスティリア 2019/01/05-19:41 | ||
[11] ヨナ・ミューエ 2019/01/05-05:31 | ||
[10] リコリス・ラディアータ 2019/01/04-23:35 | ||
[9] リチェルカーレ・リモージュ 2019/01/04-23:22 | ||
[8] シルシィ・アスティリア 2019/01/04-23:08 | ||
[7] リコリス・ラディアータ 2019/01/04-22:41 | ||
[6] リチェルカーレ・リモージュ 2019/01/04-21:37 | ||
[5] シルシィ・アスティリア 2019/01/04-21:30 | ||
[4] リコリス・ラディアータ 2019/01/04-14:13 | ||
[3] リチェルカーレ・リモージュ 2019/01/04-09:51 | ||
[2] シルシィ・アスティリア 2019/01/03-21:58 |