~ プロローグ ~ |
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~ 解説 ~ |
●目的 |

~ ゲームマスターより ~ |
エイプリルフールは、終日忘れ嘘をつくこともなく終わってしまう鞠りんです。 |

◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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あなたが嫌いっていわせるってかー。 会話誘導ってわりとめんどうだよなー。 ってか、好きなら好きって素直に言えば良いんじゃないか? それこそ、エイプリルフールではなんかてきとーな嘘言って、 トゥルーの日に、すきすきいってりゃ落ちるって〜 なにをー…それくらいいえるっつーの! ナニカ、……すきだ ははーん!あかくなってやんのー!(顔真っ赤 |
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ジャンさんからマユカさんに告白させたい! トゥルーエイプリルフールの日にお仕事についてジャンさんに質問して、 少し話してトゥルーエイプリルフールの話題を出してみようかな ジャンさんは気持ちを伝えたい人とかいない?パートナーさんとか!今日がチャンスだよ! …みたいに、ユキちゃんと一緒に説得するよ! 質問に答えてくれたお礼に協力するって事で、 人が来ない静かな場所にマユカさんを呼び出してジャンさんを連れて行くよ なかなか伝えられないようならヤキモキ リール:…むぅ。ジャンさんがしないなら、私が告白しちゃうよ!マユカさん大好きっ! ユキノ:(ふむ、ジャンさんを煽る作戦ですね)では、私も。お慕いしております、マユカさん |
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~ リザルトノベル ~ |
● 春爛漫の教団内の中で、杞憂を含むマユカの仲間たちのお願いに集まったのは、『リール・アスティル』と『ユキノ・スバル』、『キールアイン・ギルフォード』に『ナニーリカ・ギルフォード』の面々である。 さりげなく、ジャンとマユカの話は教団中に広まっていたがために、仲間たちも苦労していたというわけ。 それなのに、こうして集まってくれたことに対し、『相談の間は外』とは言われたが、それでもマユカは嬉しさを感じていたりする。 「ちょっとキール、真面目に聞いてる?」 重厚な椅子に、ぐたりと座っているキールアインを、ナニーリカがチラ見すれば。 「聞いてるよ。好きなら好きって、素直に言えばいいのに」 キールアインを半ば無理矢理連れてきたナニーリカだったが、その言葉を聞いて深いため息を吐いてしまう。 「キルはすぐものを簡単に言うよねー」 「会話誘導って、わりとめんどうだよなー。そう思わないナニカ?」 キールアインの言い分は合っているけれど、それじゃこの話を受けた意味がない。 「まあ……。確かにそうだけど、言葉にするって大切なことよ」 (キルだって、私のこと好きとか、ちゃんと言えないでしょう?) そんなことをナニーリカが思っていれば。 「私はジャンさんから、マユカさんに告白させたいですね」 「うーん告白―!」 リールは、2人の告白を想像して、うっとり顔で妄想タイム。 そんなに簡単にはいかないと思けど、これは言わぬが花かなと思い、ユキノはなにも言わずにリールの様子覗い。 告白のお手伝いなんて、なかなか出来るものでもなし。リールの妄想を膨らませた顔と、そのやる気の満々さに、ユキノは密かに笑ってしまう。 「あなたが嫌いって、言わせるのもありだよな」 「それはエイプリルフールに言わせるということキル?」 エイプリルフールの日ならば、嫌いは好きの告白と同じ。でも、本当にそれでいいのかなとも、リールは考える。 「トゥルーエイプリルフールに、ちゃんと告白して欲しいんだよね。やっぱり嘘より真実のほうが、重みがあると思うよ」 「確かにそうですね」 リールとユキノに言われ、キールアインは少しだけ不服? 「それこそエイプリルフールは、なにかてきとーな嘘を言って、トゥルーエイプリルフールの日に、好き好きいってりゃ落ちるってー」 「無責任な発言はしないのキル!!」 (多少言葉は悪いけれど、根はいいのに、もう!) キールアインをたしなめるナニーリカとしては、キールアインに対してのお姉さん感覚はそのまま。 少しくらい記憶を失くしても、お姉さんという立ち位置は変わることがない。 「こう意見が2つに分かれるのでしたら、エイプリルフールと、トゥルーエイプリルフールに分かれたほうがいいと思うのです」 「つまり、キールアインさんとナニーリカさんはエイプリルフールを、私とユキちゃんがトゥルーエイプリルフールに、ジャンさんにアタックということだよね?」 ユキノの話にリールが上手い補足をつけ、キールアインもナニーリカも、分かれるという案には納得顔をしている。 「そのほうがいいわよキル」 「ナニカに従うよ」 「私もユキちゃんの言い分に賛成―!」 こうして2組に分かれて、エイプリルフールとトゥルーエイプリルフール告白大作戦をおこなうことになった。 もちろんジャンとマユカは、この裏話を知らない。 ● エイプリルフール当日。 「どういう嘘を言わせるつもりなの?」 早朝から、作戦のためにキールアインと一緒に、教団内を歩くナニーリカ。 でも、キールアインがジャンとマユカに、なにかとんでもないことを言い出すのではないかと、硬い姿勢でかなりの心配顔でもある。 「ん?マユカに嫌いって言ってもらおうかなー」 ああ、やはりと思うのは致し方ない。 「……それを嘘とジャンが思う?」 堅物で有名なのだから、信じない可能性も高い。 「どうかは分からないけど焦りはするだろ、それが狙い目だってー」 ああなるほど。普段言わないことを言って相手を焦らせる。それも有効な方法の1つだとナニーリカは思う。 昨日、キールアインが無策で、あんなことを言っていたわけじゃないことを、ナニーリカは『知っている』。だってナニーリカはお姉さんなんだから。 初めから指定していた教団のエントランスに行けば、すでにマユカが1人で立って、こっちを見ていた。 「あ、いたいた。あのさ、今日はマユカお前が、ジャンに嫌いって言ってみてよ」 会っていきなりそんなことを言われたマユカは、ここがエントランスだということも忘れ、『えぇーー!!』と、周り響きわたるほどの大声を上げてしまっていた。 「私が……ジャンに……嫌いと」 「ああ、勘違いしないで。キルが言いたいのは、君が嫌いと言って、ジャンを焦らすのが目的なのよ」 言葉足らずのキールアインの補足説明。こんなのもナニーリカの役目だったりする。 「……焦るかな?」 いつものジャンを考えれば、焦りなんてしないのではないか。マユカの心に不安がつのる。 「とにかくやってみて。後の考えもあるからね」 「後……。わ、分かったわ」 キールアインとナニーリカの言葉に頷いたマユカだが、ドキドキする心を落ち着かせようと、深く息を吸い、その瞳を閉じた。……上手くいきますようにと。 2人に連れられて、教団寮に居たジャンのもとに来たマユカだが、いくらエイプリルフールといえど、好きな人に嫌いと言うのは、相当勇気がいるもの。 それなのに、キールアインは待ったなしで、ジャンに話しかけてしまっていた。 「ジャン、マユカがお前に話があるってー」 「僕に?普通に話せばいいんじゃないか?」 ジャンの問いかけに、マユカは首を静かに横に振った。 どうやらマユカが、覚悟を決めたらしいのが察しられる仕草に、キールアインとナニーリカは、ただ見守るしか手はない。 「ジャン……。このさいだからハッキリ言うわ。私、あなたのことが嫌いだったの。だから……パートナーも解消してくれないかしら?」 「マユカ!?」 座っていた椅子から急に立ち上がるほど、本気で動揺するジャン。 それを見て、心の中で『ごめんなさい』と、何度も謝るマユカを思うナニーリカは、これだけで話を終わらせないと強く願い、野暮とは思いながらも、ジャンとマユカの話に口をはさんでみることにした。 「だって君は、パートナーを大切に思っていないよね?みんなが言っているよ、マユカが可哀そうだとね」 「そんな、僕はっ!」 「私ではない、違うパートナーを見つけてジャン」 (今日1日だけ。だから、許して……ジャン) そのままジャンのもとから立ち去るマユカ。キールアインとナニーリカは、まさかマユカがここまでするとは思っていなかったので、その驚きは大きい。 でも、ついた嘘は、つき通さなければならない。 エイプリルフールとは言え、覚悟を決めて言い切ったマユカに報いるために。 「少し頭を冷やしたほうがいいと思うよ君は。私から言えるのはこれだけ」 「だなぁー。ナニカが言うのが合っていると思うんだよな」 「……マユカ」 茫然自失のジャンを残し、今日の自分たちの役目は終了と、キールアインとナニーリカも、ジャンのもとから立ち去った。 ● トゥルーエイプリルフール当日。 昨日の話を詳しく聞いて、リールもユキノも、やり過ぎだと思ってしまう。 「私たちはどうするユキちゃん?」 「そうですね……。話しかけるのが上手いリール頼りですが、まずはお仕事についてジャンさんに質問してから、トゥルーエイプリルフールの話題を出してみようかと思っていますね」 「それはいいと思うけど、もしジャンさんが渋ったらどうしよう?ね、ユキちゃん?」 (……。やっぱり、私も説得に回ったほうがいいですね) マユカと同じく元気がないリールだけでは、昨日の衝撃に落ち込んでいるであろうジャンは頷かない。 「分かりました、私も話に混ざります。いいですねリール」 そう考えたユキノは、自分も率先して話に回ることにした。 「あの……。ジャンさん、お仕事のことで質問があるのですが、いいでしょうか?」 「……僕に? さして答えられることはないと思う」 昨日のショックからか、浮かない顔のジャンを見て、良心が痛むというか、今すぐにでも『嘘でした』と言いたくなってしまうリール。 けれど、それをしてしまっては、昨日のマユカの努力が無駄になってしまうことになると、心に蓋をして、ジャンに思う限りの質問をはじめた。 『1日なん時間くらい訓練しますか?』とか、『修練所の生物が相手ですか?』など、リールはジャンに対する質問に必死。戦闘が苦手なリールには、いい勉強にもなる。 それに『1日6時間』と答えたり、『訓練よりも実践を積むほうが、いい経験になる』などなど 本格的な話だけに、ジャンも気落ちを忘れるように生真面目に答えるのが、やはり堅物ジャンと呼ばれるだけはあると思ってしまう。 とは言え、どのタイミングでマユカの話を出そうか?そう機会をうかがっているユキノに、意外にも早くチャンスがおとずれた。 「僕のイレイスは両手剣だから、どうしても相手がいないと感覚がつかめない」 「それでは、いつもマユカさんと一緒に?」 「ああ、マユカと……一緒だった」 「だった?」 これは話のとっかかりを掴んだと思うユキノ。そう、ここからが本命の話になる。 「パートナーを解消したいと言われた」 「それでいいのですかジャンさん?」 「いいわけないだろ!」 リールたちの予想以上に、マユカのことに反応するジャン。 そう、ジャンにとれば、マユカ以外のパートナーなど考えられなく、でもどうマユカに話していいのかすら分からない。一晩中考えたが、かける言葉の答えさえ出てくれない。 「ジャンさんは気持ちを伝えたい人とかいない?パートナーさんとか!今日がチャンスだよ!」 「リール落ち着いて。ジャンさん、それをマユカさんに伝えましたか?」 リールとユキノの言葉に、ジャンはただ首を横に振り落ち込むばかり。 「じゃあ、質問に答えてくれたお礼に、ジャンさんに協力するだよね、ユキちゃん?」 「協力?」 疑問を投げかけた後、何度も瞬きをくりかえし、リールとユキノを交互に見回したジャンは、最後には口端を少し上げて薄く笑うだけ。 緊張も期待もないのが見てとれるから、リールもユキノもつらい。でも、だからこそとユキノは思う。 「はい、協力です。ジャンさんの気持ちは分かります。私も自分の気持ちを伝えるのは得意ではありませんから」 「……それは」 ジャンだって自覚はある。マユカに対して、どうしても伝えられなかった思い。 不器用なだけに、どんなにマユカに言われても、言うことが出来なかった思い。 「ですがジャンさん、時間は有限なのです。ましてや私たちは浄化師です、いつ何があるか分かりません。気持ちは伝えられるうちに伝えるべきだと、私は思うのです」 「確かにその通りかも知れない。……もう遅いかも知れないが」 それは大丈夫と、自分の胸をポンポンと叩くリール。人が来ない静かな場所に、マユカを呼び出すと、ニコニコ顔で自信満々に笑っている。 「女どうしだからね、呼びやすいと思うよ」 「では、私はジャンさんを連れて行きますね」 リールとユキノの作戦は成功し、ジャンを連れて来るユキノを置いて、リールは先にマユカたちのところに猛ダッシュ! 走りきって、マユカたちが待機している部屋にリールは飛び込み、開口一番! 「ジャンさんが承諾したよ!」 「本当に?あのジャンが??」 キールアインとナニーリカと一緒に居たマユカは、驚きを隠せない。 あのジャンが来るなんて、マユカは夢を見ているのかとさえ思ってしまう。 「そうと決まったら善は急げってー」 「私たちは後方待機よキル」 「……ちぇー」 昨日のことがある手前、キールアインとナニーリカは、陰に隠れての見守り役。 リールがマユカを連れて、初めからしめし合わせていた、教団の敷地内にある、噴水がある庭園へと向かった。 「……来ましたね。ジャンさん、素直にです、いいですね?」 「あ、ああ」 先に着いていたユキノは、やって来た2人を見つけるなり、ジャンを残し、リールと少し離れて2人の動向を見つめることにした。 「なにかよう、ジャン?」 真っすぐジャンを見つめるマユカと、ここまで来て未だ煮詰まるジャン。 「マユカ……あのな……その」 ジャンは大切な一言が、なかなか言い出せないでいる。 陰で見ているキールアインとナニーリカは、ギリギリまで煮えきらないジャンにヤキモキ大全開。 「私はキルのことが好きだけどね。ふふーん、さらっと言えるお姉さんだからね」 ――まあ、キルには無理かなー。 なんて笑うナニーリカに、向きになるのはキールアインのほう。 「なにを……。それくらい言えるっつーの!……ナニカ……好きだ」 「っ!で……できるじゃん」 予想外のキールアインの言葉に、みるみると顔が真っ赤になっていくナニーリカを見て、キールアインは面白そうに笑う。 「ははーん!赤くなってやんの」 と、照れ隠しにイタズラするキールアインに、ナニーリカも過剰に反応。 「キルなんてもう、知らない!」 そう言って、キールアインから顔を背けるナニーリカ。思わずドキドキしたなんて……絶対に言ってあげない。 一方、リールとユキノはというと。こちらもジレジレの真っ最中。 「むう。ジャンさんがしないなら、私がマユカさんに告白しちゃうよ!……マユカさん、大好き!」 (ふむ。リールはジャンさんを煽る作戦ですね) それならばと、ユキノもリールの言葉に続く。 「私も。お慕いしておりますマユカさん!」 もちろん、これはジャンにもマユカにも聞こえているわけで、揃ってこう言われればジャンだって黙ってはいられない。 「す……好きなんだマユカ。だからパートナー解消だけは止めてほしい。マユカがパートナーだからこそ、僕は浄化師で居られるんだ!」 「ジャン……!私こそ、パートナーを解消なんて言って、ごめんなさい。私もジャンが好き、だって今日は真実の日だもの」 「それはエイプリル……やられた!」 気づいたジャンは、してやられたとは思うが、ようやく気持ちに素直になれたと、なんだか清々しい気分になれたようだ。 マユカもジャンの『好き』という言葉を聞いて、嬉しくて涙が止まらない。 欲しかった言葉を、やっともらえた。エイプリルフールで騙したとはいえども、トゥルーエイプリルフールの日にジャンが言ってくれたから。 「やったあー!」 見事に上手くいき、リールとユキノは喜びのハイタッチで、2人の成功を祝う。 「ジャンさんの背中を押して、告白させるためにあんなことを言うとは、考えましたね」 ユキノのお褒めの言葉に、なぜかリールは挙動不振? 「えっ?えーと……ジャンさんが、なかなか言わないから、つい勢いで」 「……前言撤回、です」 「そんなぁー」 ただ勢いだけで思いついて、後先考えずに行ったのかと、大きなため息を吐くユキノだが、それでもジャンとマユカの恋が実ってよかったと思う。 ようやく恋人同士になれたジャンとマユカ。春の新芽のように、先はまだまだ長そうだけど、いつか本当の恋人同士になれればと、先行きを温かく見守る4人だった。
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*** 活躍者 *** |
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[2] リール・アスティル 2019/03/30-13:28
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