~ プロローグ ~ |
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~ 解説 ~ |
●目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
こんにちは鞠りんです。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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【目的】 魔法少女ステッキを説得して帰ってもらう 【行動】 魔法少女ステッキ?街の人達が困っているのならなんとか説得して帰ってもらえないかな。 人々を幸せにして満足したら帰ってくれるんだよね?だったら我が魔法少女になってステッキを満足させる話をしよう。 「ステッキ殿。こっちだよ。」 魔法少女になる。 「我には死ぬまでにもう一度会いたいと思っている人物がいる。我には欠けている記憶が多い。だけどもう一度会ってその命の恩人に感謝を伝えたい。我には彼が王子様に見えた。」 と思っていたら今度はルイが魔法少女に。 ルイが好きな人って?感謝している少女って誰なんだろう…モナって言ってたけど…ルイの態度に微塵も好意を感じない。 |
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おまかせ | ||||||||
~ リザルトノベル ~ |
●カオスなブリテンとルイスの本当の想い すっかりと、魔法少女ステッキがはびこるブリテンの街へとやって来た、『モナ・レストレンジ』と『ルイス・ギルバード』は、街中の様子を見て茫然自失。 「君が好きだ、結婚してくれー!」 「あなたに私の愛を捧げます」 魔法少女に変身してしまった街人の言葉に、魔法少女ステッキの喜ぶような高笑い。 「ふふふ。そう、これだよ。みんなを幸せにしよう」 「みんな愛を語ろうよ。だってこれは愛の贈り物。バレンタインの贈り物」 魔法少女ステッキの自分勝手な言い分に、ルイスはかなり呆れ気味に愚痴をこぼしてしまう。 「これ、本当にやらなきゃいけないの?」 (『好きな人のことしか話せなくなる』なんて、はた迷惑なステッキ。好きな人の話が、必ずしも幸せな話とは限らないのに) それはモナがサクリファイスを憎んでいるため。ルイス自身が元サクリファイスだったため。そしてモナがあの日の記憶を失くしているため。 この思いは一生の秘密と、心の中で決めている。 ……と、この指令に不服なルイスが、そんな思いに囚われていた最中に。 「ルイ、先に行くよ!」 「……は!?」 やる気がないルイスに対して、モナのほうといえば、やる気マンマン。 『ちょっと待って』と、ルイスがモナを制止する前に、モナは既に魔法少女ステッキたちに向かって、飛び込んでしまっていた。 「ちょ……。あのじゃじゃ」 『馬』までは流石に言えず。 普段冷たく見えるルイスも、ギリギリのところでモナには甘い。 一方、ルイスの葛藤など、全くお構いなしのモナは、混乱の最中の街人と魔法少女ステッキのど真ん中に突進!? 「人々を幸せにして満足したら、帰ってくれるんだよね?」 だが、魔法少女ステッキはモナにこう返して来る。 「じゃあ幸せってなぁに?浄化師さんの幸せってなぁに?」 勢いのままに言ったはいいが、逆に魔法少女ステッキに疑問を投げかけられ、言葉に詰まるモナ。 (幸せなんて考えたことなんてない。ずっと憎しみだけで生きて来た。そんな我に幸せ?) 「わ、我は」 ふと周りを見れば、魔法少女に変身し、各々の好きな人に好きな言葉を語る街の人たち。 それはモナにはないもの。それとも見つけられないもの? だとすれば、答えは目の前……に、あるじゃないか! 「だったら、我が魔法少女になって、ステッキ殿を満足させる話をしよう」 モナは、魔法少女に変身している街人に近づき。 「ステッキ殿、こっちだよ」 その手に持つ魔法少女ステッキを、モナは奪い取ってしまう。 『ボン!』という音がするわけではないが、白い煙がモクモクと上り、モナの教団服は魔法少女のミニスカートと、フリフリのレースがついた衣装へと変化。 どこか教団服の名残が残るのが、またらしい。 「浄化師さんの魔法少女姿は可愛いね」 「えっ?えぇー!?」 自我のある魔法少女ステッキは、その行動力でモナの手に収まったまま動き始めてしまう。 「ほれぇー」 「うわー!」 引っ張られるように、モナはくるりと一回転し、ステッキの魔法が街人に降りかかる。 「もっと沢山幸せにしようよー」 「ああー!」 なすがままにモナは、魔法少女ステッキを振り回し、近くの街人たちに次々と魔法をかけてしまうという悪循環。 見た目は美少女のモナだけに、見とれていた街人が、次から次へと魔法少女に変身させられるという、二次被害三次被害を、やはり引き起こしてしまった。 「浄化師さん、止めないの?」 「止めないんだったら、もっとみんなを幸せにしよう」 魔法少女ステッキに言われ、モナは初めて気づく。 ――自分の力で魔法少女ステッキの行動を、ある程度抑えられることに。 でも時既に遅し。魔法少女ステッキの好きにさせてしまったために、モナの周りは皆魔法少女に変身中。 唯一逃げ回っていたルイスだけが、変身せずに普通を保っている現状に、モナは『またやってしまった』と、落ち込みの真っ只中。 ドジっ子は、どこまでいってもドジっ子。 これだけはモナの意思では直らない。だってモナ自身は無自覚にやっていることだから。 そんな最中に、遅れてブリテンの街にやって来た『キールアイン・ギルフォード』に『ナニーリカ・ギルフォード』。 でも、街の混乱模様と、モナの魔法少女姿に、暫しその場から動けない。 初めてこの指令を受けた二人に取って、この事実はかなり痛いとみる。 「お前、大丈夫か……。えっ?」 漸く我に返り、モナに向かって心配の声をかけようとしたはずが、魔法少女ステッキの目に留まってしまい、嬉々として喜ぶ魔法少女ステッキが、キールアインの手に飛び込んだ! 「…………」 勿論、キールアインも魔法少女に……。でも体は男のまま!? (なんで俺だけ男のままなんだよ!) 声を出してしまえば、『好きな人のこと』しか話せなくなる魔法。 それなら話さないのが一番と、キールアインは口を閉ざし、身振り手振りでナニーリカに意思疎通を試みる……が。 「キル。変な踊りは止めようよ」 ――全く通じていない。 話戻って、モナはというと、魔法少女に変身して少々不思議感覚を実感中。 自分の意思はしっかりとあり、動くのも自由のはず。 だからこそルイスの方へと向かったのだが、口を開いた途端、自分の意思とは無関係な言葉が、次々と出るのを止められない。 「……我には死ぬまでに、もう一度会いたいと思っている人物がいる」 その話に、ドキッとするのはルイスのほう。 だからこうなる前に、魔法少女ステッキには、お帰りいただきたかったというのに、モナが積極的に首を突っ込んだ結果がこれ。 そして、続きを聞きたくないとも、ルイスは思ってしまう。 「我には欠けている記憶が多い。だけどもう一度会って、その命の恩人に感謝を伝えたい。我には……彼が王子様に見えた」 最後までモナの思いを聞いたルイスは……やはり不服顔のまま。 (僕はモナが思っているような王子様じゃない。自分の話なのに、なんかムカつく) 王子様なんかじゃない。ただの破壊衝動に身を任せた殺戮者。 そんなルイスが、ただ一つ助けた命。それがモナ。 イラつく自分の考えで、ルイスは瞬時の判断が散漫になり、目の前のモナが魔法少女ステッキを持っていることを、完全に失念してしまってしまい。 「んー!!」 「……え?」 モナの言葉にならない、悲鳴とも大声ともつかない、必死の叫びにルイスが振り向いた瞬間、モナの手に収まっている魔法少女ステッキが、ルイスに向かって魔法を発動。 キラキラな魔術の波動がルイスを襲い、遅いながらも気づけば、ルイスも魔法少女にへんしーん! しかも体まで女性化。 そもそも、白金の髪に赤い瞳の美少年。女性に変身しても、美少女で通るような綺麗さを醸し出す。 ヒラヒラのミニスカートに生足、その脚線美は周囲に居たブリテンの街人でさえ驚くほど。 そう、完璧な女性の魔法少女! (なんで女なんだよ!いや、男でスカートは、もっと嫌だ) 今更無駄な考え……だとは思う。なにせもうルイスは魔法少女なのだから。 「さあ、浄化師さんも幸せになろう?」 「好きな人のことを語ろう」 「この街を愛でいっぱいにしよう」 迫り来る悪魔の囁き、もとい、魔法少女ステッキの囁き。 その言葉自体も魔法なのだろうか? つられるように、ルイスが口を開く。 「……あの時、あの少女が助けてくれたから、この世界にも価値のあるものがあるということを知った。なにもかもどうでもよかった僕に、生きる意味を、そして新しい感情をくれた。感謝してるよ。……モナ」 語ることを語り、魔法少女ステッキからは解放されたモナだったが、今度はルイスの言葉に疑問がつのる。 (ルイが好きな人って?感謝している少女って誰なんだろう) ここまでは……ルイスが誰を好きでも、モナには関係ない話。でも。 (……モナって言ってたけど……。ルイの態度に微塵も好意を感じない) 口を開けば、いつも喧嘩口調。歩み寄りも無いが、突き放すわけでもない。 それとも、同じ名の別人なのだろうか? モナのルイスに対する疑問は底をつかない。 そして、モナの天然思考ぶりも変わらない。 だけど……ルイスは、秘めに秘めていた自分の心の内を出し、なぜかイライラしていた心が浄化された気持ちを味わっていた。 モナに伝わったのかは……正直分からない。 何度か本当のことの欠片を語っても、モナに伝わっていないのも知っている。 分からなくても……いい。これがルイスの本当の心。ずっと隠していた、モナに対する愛情の心。それを吐き出して清々しい気分になるとは思わなかった。 そのころ。 「…………」 「…………」 キールアインと共に、ナニーリカまで魔法少女に変身してしまい、お互いにジェスチャーで意思のやり取りの最中……だが、全く噛み合っていない。 『これ』 ――ステッキを指差し。 『離せ』 ――ステッキを振り回す。 そんなジェスチャーのキールアインと。 『話せば』 ――口を指さし。 『離れる』 ――ステッキを振る。 語って離れて貰おう、そうジェスチャーするナニーリカ。 ほどほどに、魔法少女ステッキたちから解放された街人たちは、二人の躍り……いや、本気でジェスチャーしているのだが……の、姿を見て大笑い。 ただし、当人たちは、周りすら目に入らないほどの焦りっぷり、なのだが。 好きな人のことは語らなかったが、キールアインとナニーリカの、謎のジェスチャー大会に、魔法少女ステッキのほうが満足したらしく離れてはくれた。 しかし男のまま魔法少女になるという、恥ずかしい思いをしたキールアインは意気消沈。流石にナニーリカですら、あれは哀れだと思い、キールアインにかけられる言葉すらない。 街人たちはパフォーマンスを、大いに楽しんだけど。 「いっぱい幸せと愛を貰ったよ」 「浄化師さんの幸せは楽しいなー」 「さあ、次の街に行こうみんな!」 漸く満足を得た、魔法少女ステッキたち。 あれが本当に満足のレベルなのかは知らないが、魔法少女ステッキが満足と言うのだから、満足したと思いたい。 「また来年も来るよ。それまで待っててねー!」 フワフワと浮きながら、ブリテンの街から去って行く魔法少女ステッキたち。 でも、街人も、モナも、ルイスも、キールアインも、ナニーリカも、思うことは同じ。 『もう二度と来るな!!』 ――これ以外の言葉なんて存在しない。 そんな散々なブリテンの街の、魔法少女ステッキ騒動だった。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |
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