~ プロローグ ~ |
出店で賑わう祭りの最中。 |
~ 解説 ~ |
屋形船に乗り、遠くの祭りの喧騒を楽しみながら、料理に舌鼓を打ちつつ花火を見る。というエピソードです。 |

~ ゲームマスターより ~ |
こちらの方では皆様初めまして。 |

◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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【料理】 肉中心 【酒】 度数強め、香り強め 【行動】 屋形船で料理に舌鼓を打ちながら花火を観賞する。酒を飲もうとしたらルイが花見の件(2話〉があるから飲んじゃダメだと我の分の酒を飲んでしまった。 酒を飲んだルイの顔が真っ赤でルイが酒に弱いと初めて知った 「勿論来年も一緒に花火を見たい。急にどうしたのルイ?」 「我はルイの事を絶対に見捨てないと言った。」 「それは…でもこれからもルイと一緒に思い出を作りたい。だって今日の事は忘れないしルイと一緒に花火を見れて嬉しかった。この気持ちはこれから先何があっても変わらないと信じてる。」 酔っ払って抱きついてくるルイの弱音にはルイの方を真っ直ぐ見つめて自分の気持ちを伝える。 |
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>目的 川からの風景を楽しみながら のんびり過ごす 料理:お任せ(量は少な目で) お酒:軽いもの 他愛のない会話をしながら 川からの風景をふたり眺めて >会話 リ:毎日暑いけど、大丈夫?…食事、あまり取ってない気がする セ:(軽く瞬いた後にこりと) 平気。この体躯は小さいから、食べる量も少しでいいの。 リューイこそ、ちゃんと食べなさい。育ち盛りなんだから。 リ:(酔いと毎日の疲れに瞼が重く) セ:リューイ、少し眠ったら? 花火が始まったら起こしてあげる リ:…セラは?いっしょにいる…? セ:ええ、ここにいますとも リ:うん、じゃあちょっとだけ…おやすみ、ねえさん セ:-おやすみなさい、リューイ 眠ったリューイの髪を撫で 淡く微笑む |
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~ リザルトノベル ~ |
「酒は軽いもの、料理はお任せだが量を少なく、だな」 【リューイ・ウィンダリア】と【セシリア・ブルー】が注文した内容を確認のために繰り返し、板前の男はお辞儀をして客室から厨房の方へと移動。 程なくして、船が動き出したのか景色がゆっくりと流れ始めた。 遠くに聞こえていた祭りの喧騒はさらに遠く、やがては耳に届かない程に小さくなって。 * 船の揺れと、心地良い空気に次第に瞼が重くなってくる頃。 お待たせ、といくつもの料理を持った板前が二人の空間へと入ってきた。 「酒は軽いものを、って言ってたから、とりあえず食前酒に梅酒を持ってきたぞ。酸味と香りで食欲増進の効果がある」 小さいグラスに注がれた梅酒を二人の前へと配りながら、そう説明する板前。 すると、 「この子はまだ子供なので、お酒はこの食前酒だけでお願いします」 と、リューイを指しながらセシリアが。 負けじとリューイも、 「セラだって子供じゃないか」 と返すが、 「あら、私はあなたの父上とも――いえ。そうね、私も食前酒だけにしておきます」 とセシリアはすまし顔で対応する。 どうやら、セシリアの方が上手らしい。 「父さんと二人で何してたの……」 拗ねながら呟いたリューイの言葉は、どうやらセシリアには届かなかった、と言う事にされたようだ。 「じゃあこの後の酒はやめとくな。量を少なくって事だったんで、全部小鉢に少量盛り付けてみたぞ。気に入った料理があったら言ってくれ。おかわりがある」 そんな二人のやりとりを微笑ましそうに眺めながら、二人の前のテーブルにテキパキと小鉢を並べていく板前。 「おかわりが必要だったり、食べられないものがあったりしたら遠慮なく言ってくれ。結構攻めた食文化だと自覚してるからよ」 サムズアップして笑顔を向けた板前は、言うだけ言ってそそくさと厨房へと戻ってしまい、すぐに客室にはまたしても二人だけになる。 「えぇと……とりあえず乾杯しようか」 小鉢の数に圧倒されつつも、リューイの言葉でそれぞれにグラスを持つ二人。 「ここ最近毎日暑いけど、大丈夫? ……食事、あまり取ってない気がする」 グラスを合わせる前、セシリアの料理を見る目に不安でも感じ取ったのか、身を案じるリューイ。 「平気。この体躯は小さいから、食べる量も少しでいいの。リューイこそ、ちゃんと食べなさい。育ち盛りなんだから」 けれどもセシリアは軽く頷き微笑んで、逆にリューイの事を思った発言した。 「結構食べてるよ! ……じゃあ、乾杯」 ガラス同士のぶつかる音が響き、中身の琥珀色の液体は、お互いの口へと傾けられて、消えていく。 「美味しい……」 「香りがいいね。じゃあ、好きなように小鉢を取って食べちゃおう」 言うが早いかリューイは、一番近くにあった鳥の照り焼きの小鉢を取ると、早速口に入れて舌鼓を打つ。 「ん、初めての味付け。美味しいなぁ」 「がっつくとお行儀悪いわよ」 そんなリューイをたしなめながら、セシリアも手近の小鉢へ手を。 味がしっかりと染みた芋の煮っ転がしを口に入れると、自然と頬の筋肉は緩む。 後でおかわりでも貰おうかと考えながら、照り焼きを食べ終わったリューイと共に、いつの間にか、どの小鉢を取るか競争のようになりながら。 時には、二人だからこそ分け合いながら。 山の幸、畑の物、野の肉に、家畜たちに、川の幸。 互いにシェアし、仲良く、楽しみながら。 すっかり満足しきったふたりは、食後に出されたお茶を飲みながら一息つく。 「お茶菓子もあるが、どうだ?」 と聞かれるが、しばらく大丈夫、と断るリューイ。 その頬はほんのり赤みを帯びていて、どうやら食前酒で酔ってしまった様だ。 伸びをし、欠伸をして、トロンとした表情で、ゆっくりと船をこいでいる様子。 「日頃の疲れでも出た? 少し眠ったら?」 「でももうすぐ花火が上がるし……」 「花火が上がり始めたら、起こして上げる」 そう言ってリューイの頭をセシリアが撫でていると、リューイは甘えるように寄ってきて。 ごく自然な動きでセシリアの膝に頭を乗せ、横になる。 「……セラは? 一緒に居る?」 自分で膝に頭を乗せ、どこにも行かないで欲しいという思いを晒したリューイは、さらに安心を求めて、口でも確認を迫り……。 「ええ、ここにいますとも」 セシリアの返答を聞いて、 「うん、じゃあ、ちょっとだけおやすみ。――ねえさん」 「――おやすみなさい、リューイ」 静かに目を閉じたリューイの髪を撫でながら、淡く微笑んだセシリアは、久しぶりに呼ばれた、ねえさん、という言葉に目を見張って……。 「いい夢を」 小さく囁いて、額へと唇を落とす。 すぐに聞こえる小さな吐息は、膝の上の存在が安心し、身を委ねている証。 そんな無防備を晒すリューイにセシリアは、ただただ無言でゆっくりと頭を撫でる。 今呟いても聞こえないだろうに、口にするのを躊躇って、心の中で。 日頃からの感謝を、好意を、何より、揺らがぬ意思を。 船内に刺す淡い月明かりに照らされるのは、赤く緩んだ顔でセシリアの膝枕に眠るリューイと――。 頬を微かにピンクに染めて、絶えずリューイの頭を撫でる、セシリアの姿だった。 * 「肉中心、お酒は香りも度数も強めので」 「ちょっ!? レストレンジ!?」 とある一件。 主に花見の席での出来事を踏まえ、お酒はなるだけ軽いものを……と考えていた【ルイス・ギルバート】だったが、パートナーである【モナ・レストレンジ】の一方的な注文を受け、板前はすぐに厨房へと姿を消してしまった後。 小さくため息をつき、ルイスはモナへと一つだけ宣言する。 「絶対お酒飲んじゃダメだからね!! 出てきたお酒は僕が飲むから!! 介抱が大変だからレストレンジはもうお酒飲まないでよね!」 その宣言を不思議に思い、首を僅かに傾げるモナだが、こうも強い口調で言われては従う方が吉、とどうやら決めたらしい。 お酒を飲んだことで、素直になったモナを感じられることは嫌ではないのだが、どうにもあの時の絡み方はなるべく遠慮願いたい。 その一心の宣言だったが、その心境に好意と困惑とが混じっていることに、果たして彼は気が付いているのだろうか……。 「待たせたかい? まずは食前酒で梅酒をどうぞ。すぐにお肉も持ってくるからね」 梅酒と聞いて二人の眉がつり上がったが、先に反応したのはルイスの方で。 モナの目の前のグラスをひったくると、一気に傾けて呷ってしまう。 少し物欲しそうなモナの視線に気が付くも、無視して自分の目の前の梅酒も飲み干して、とりあえずは……と一瞬浮き出た冷や汗を拭った。 「さて、お待たせ。がっつり肉三昧の料理コース、楽しんでおくれ」 食前酒を飲み干したタイミングで丁度よく、各料理を持った板前が現れる。 「まずは牛タタキ、そちらの柑橘酢醤油でどうぞ。こっちは馬刺し。ショウガ醤油が合うと思うよ。鳥は一口大に切って焼き鳥にしたし、鶏皮はパリパリになるまで焼いて、たっぷりネギとタレをまぶしてるよ。そして豚足、プルプルした食感で美味しいよ!」 まるで機関銃の様な勢いで運んできた料理を説明し終えた板前は、 「それじゃあ、ごゆっくり!」 あなたこそ、と思われるような言葉を残し、またも厨房へ去って行く。 先ほどより静寂が耳に痛いのは、気のせいだろうか。 「とりあえず、食べようか?」 「そうだな」 どこかぎこちなくも、出された料理を楽しむことにした二人は、まずは気になった料理へと手を伸ばす。 モナは焼き鳥の串を手に取って観察し、ルイスは大皿の豚の生姜焼きへとフォークを突き刺して齧りついた。 頬張り、二度三度咀嚼して……。 『!? うまいっ!』 互いに顔を見合わせて、自分の食べた料理の感想を漏らす。 すでにそこにある二人の表情や動きからは固さ、ぎこちなさが消え、自然な振る舞いでお互いがお互いに自分の食べたものを薦めていた。 もちろん食べはするのだが、それら以外にもまだ未知数の料理達が手ぐすね引いてモナとルイスを待っていて。 子供のように無邪気な表情で、次はどれに手を付けるかと思案するルイスと、そんな様子を観察し、ルイスと被らない料理を口に運んでいくモナ。 時折自然にお酒に手を伸ばすモナをあしらいつつ、二人は食事を楽しみ始めた。 * 「ルイ、そっちの料理取って」 「これ? はいどうぞ」 酒を含めてのコース料理かと思っていたが、どうやら酒と共にしなくとも十二分に楽しめる内容になっているようだった。 自分が頼んだはずなのに、一滴すら酒を飲むことを許されなかったモナは、最初こそ不安だったが、初めて食べる食材や調理法。 その全てに舌鼓を打ち、時にはどんな調味料で味付けしたのか感想や予想を言い合いながら、ゆっくりとした自分達のペースで満足げに食べ進めていた。 そして、パートナーとの攻防を繰り広げ、宣言通りモナには一滴のお酒も飲ませていないルイスは、自分の顔が酔いで真っ赤になっていることに未だ気が付いていない。 気が付けばテーブル一杯にあった肉料理はほとんどを平らげ、二人ともが幸せのため息を漏らし、楽な体勢で座り直す。 夢中で食べて、楽しんだ。 そんな素敵な食事の時間を満足するほどに謳歌した二人は、自然とその間の距離を縮めていた。 パートナーに頼まれ、料理の乗ったお皿を渡すときや、向こうが食べている料理を奪おうとするとき。 モナにはお茶を、ルイスには酒を、それぞれ注ぐときにも着実に近くなっていく。 そうして、手を伸ばさなければ届かなかった最初の距離から、今はもう肩が触れ合うほどに距離はない。 ――と、それまで船内の灯りしかなかった二人の空間に、突如として光源が出現した。 数瞬明るく照らしては落ち、すぐにまた、二人を照らす。 少し遅れて聞こえる音は、空気を、二人を、そして心を震わせる。 空に咲くは紅蓮の大華。 唯一二人きりの静寂を崩すことを許可された、祭りの主役。 地上から見上げる景色と、船から望むその風景の違いは、見るものにどのような変化をもたらすか。 そんな花火を見ながら、ルイスが思わず口にした言葉は、主役によってかき消される。 「? 何か言った?」 パートナーの声を聞いた気がして、顔をルイスに向けて尋ねたモナへ、 「来年も、モナと一緒に花火を見れるよね?」 震えた声で、らしくない、とでも言われてしまいそうな本音と。 さらには普段とは違う呼び方が再度モナの耳へと届く。 「もちろん来年も一緒に花火を見たい。けど、急にどうしたのルイ?」 当たり前は、必ずしも相手の当たり前ではない。 彼女が口にしたもちろんという言葉は、どれ程までにルイスにとって、心強いものであっただろうか。 「だって……真実を知ったらモナの方から離れていきそうだから」 そんな強さに触れて、柄にもなく弱さを見せたルイスは、離れたくない意思表示か、ゆっくりとモナへと抱きついた。 声だけでなく、しがみついた腕までも震え。 その場に居ることを確認するように、何度かモナの存在を確かめる為に、ルイスは手を動かした。 「我は、ルイの事を絶対に見捨てないと言った」 そんな、見せられた弱さに応えるように。 不安を少しでも、取り除けるように。 温かみを帯びた丸い柔らかい口調で、確かな強さを表明する。 「パートナーだから? 本当の僕を知っても見捨てないと言える?」 それでもなおも不安を払えず、モナとは違う方向の絡み酒となって問いを続けるルイスへ、 「それは…でもこれからもルイと一緒に思い出を作りたい。だって今日の事は忘れないし、ルイと一緒に花火を見れて嬉しかった。この気持ちはこれから先何があっても変わらないと信じてる」 崩れそうな輪郭に手を添えて、真っ直ぐに自分と向かい合わせた状態で気持ちを伝えたモナは、ルイスの頭越しに一際大きな花火をみた。 そんな花火は、今の体勢ではルイスが見ることが出来ない。 膝の上でくるりと回転させ、自分にもたれかかるようにルイスの体勢を調整したモナは、ゆっくりと床に手を落とした。 その上に間髪入れずに重ねられる手と、側面しか見えないルイスの顔が赤いのは、照れのせいか、酔いのせいか、それとも、花火の色が、頬にでも映ったからだろうか。 二人は静かに抱き合ったまま、花火のフィナーレを迎えるのだった。 * 「リューイ、起きて。花火、始まったよ」 「ん……うん」 静かに寝息を立てていた膝の上の存在に、膝を動かすことで起きるタイミングであると知らせる。 目を擦り、未だに眠そうなリューイは、一向に起き上がろうとしない。 「リューイ? 花火見ないの?」 「このまま見ちゃダメ? もの凄く快適なんだ」 「……今日だけよ」 微笑ましい二人の会話。 それをまるで茶化すかのように、空は夜の花によって彩られる。 「綺麗……」 素直な感想はどちらがこぼしたものか。 あるいは、二人ともが同じタイミングで言ったのかも知れない。 気付けば言葉を交わすことなく見入っていて。 しかし、お互いがしっかりとお互いを感じていて。 リューイの頬に添えられたセシリアの手は、リューイの手によって包まれる。 触れ合いながら、同じ景色、同じものを堪能し、それを無言の内に共感するのは、果たしてどれ程の幸せか。 噛み締める思いは、秘めたる気持ちは、口にすると、きっと淡く、花火の音にかき消されるに違いない。 それが分かっているからこそ、消さないように。消えないように。 静かに自分の胸で、抱きしめるのだ。 咲いては落ちて、またすぐ開く。 時に瞬きさえ、呼吸さえ忘れた二人の時間は。 儚い花火だけが、その行方を知っていた。 * 「疲れたかも知れねぇがどうだった!? 船の上から見る花火ってのも趣があるだろう?」 船着き場に到着し、降りるやいなや声を掛けられるが、すぐさま声を掛けた男はその音量を抑える。 「寝ちまってるのか。大変だな」 酒が回り、花火が終わると同時に糸でも切れたかのように寝てしまったパートナーに肩を回し、ゆっくりと船から降りる姿に、それ以上の言葉は掛けられることはなかった。 「大変? ……そうね。確かに大変ね」 リューイが細身であるとはいえ、自分よりも身長の高い者を運ぶことは当然の様に大変だろう。 もはや聞く必要もないほどに明白な筈だ。 もちろん呼びかけ続ければリューイだって起きるだろうし、起きさえすれば自分の足で歩いて帰れるのだから、セシリアが苦労をする必要はなくなる。 それは、別の船着き場に到着したモナとルイスにしても同じである。 モナの場合はルイスに肩を貸しているわけではなく、背におぶった状態で船を降りたのだが。 それでも自分の体重以外の重みが乗る事を考えると、負担を嫌い船の動きが止まった時点で、目を覚まさせるという選択肢があった筈だ。 けれども、それを承知の上で、セシリアとモナは自分らが大変な、あるいは負担がある今現在の状況を選択した。 船の中で甘えてきた大切な存在を、自分が支え、負担する。 それは、この世界で唯一自分だけの為に存在するご褒美で、自分だけが享受出来る思いなのだ。 そんな世界で自分のみに与えられた特権を噛み締めながら、モナとセシリアは、それぞれ別の船着き場から、帰るべき場所へとパートナーと共に帰るのであった。
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*** 活躍者 *** |
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